JP4306891B2 - 非水電解質電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質電池に係わり、特に、この種の非水電解質電池の正極あるいは負極に用いられる活物質と電解質との組み合わせの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機器等に用いられる電池として、リチウム−コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム−ニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウム−マンガン酸化物(LiMn2O4)等のリチウム含有遷移金属酸化物などを正極活物質材料とし、リチウム金属、リチウム合金あるいはリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料などを負極活物質とするリチウムイオン電池で代表されるリチウム二次電池が注目され、炭素材料を負極活物質とするリチウム二次電池が実用化されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のリチウム二次電池は、過充電状態になると、正極においては正極活物質となるリチウム含有遷移金属酸化物からリチウムが脱離するとともに、正極活物質と電解液とが反応して電解液の分解が起こる。一方、負極においてはリチウムが電解析出するようになる。ここで、正極活物質となるリチウム含有遷移金属酸化物からリチウムが脱離するに伴って正極の構造劣化が生じ、結果として電池が劣化するという問題を生じた。このため、過充電状態にならないようにするための保護回路を設けて、この保護回路により過充電状態にならないようにして、電池の劣化を防止するようにしていた。
【0004】
しかしながら、上述したような保護回路を設けると、電池の構造が複雑になり、かつ製造工程も複雑になるという問題を生じた。また、保護回路自体も複雑で小型化することが困難であり、この種のリチウム二次電池を簡単、容易に製造できないという問題も生じた。
そこで、この種のリチウム二次電池が過充電状態になって、正極の電位が高電位になっても、電解液が分解されなくする方法が、特開平5−47416号公報あるいは特開平4−242074号公報において提案されるようになった。
これらの公報で提案された方法は、電解液中に遷移金属錯体を添加して、遷移金属イオンの酸化反応により、高電位に保たれた正極による電解液の酸化を抑制して、電解液が分解されるのを防止するというものである。
【0005】
しかしながら、特開平5−47416号公報あるいは特開平4−242074号公報において提案され方法であっても、過充電状態が生じれば電解液が分解されて、結果として、電池が劣化するという問題を生じた。
そこで、本発明は上記問題点を解消するべくなされたものであり、過充電状態を生じなくして、正極の構造劣化や電解液の分解が生じない非水電解液電池を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は電極が過充電状態になる前に電解質中のアニオンおよびカチオンが完全に消費されてしまえば、過充電状態には至らないという知見に基づいてなされたものである。
このため、本発明の非水電解質電池においては、正極は正極集電体の表面に黒鉛質炭素層を備え、負極は負極集電体の表面に黒鉛質炭素層を備え、非水電解質は溶媒として少なくともエチレンカーボネートと鎖状カーボネートとを含有するようにしている。
【0007】
このように、黒鉛質炭素を正極および負極に備えていると、この電池を充電することにより、非水電解質中のアニオンが正極の黒鉛質炭素にインターカレートされ、非水電解質中のカチオンが負極の黒鉛質炭素にインターカレートされることにより、起電力が5〜6V程度である非水電解質電池が得られるようになる。
このとき、非水電解質の溶媒にエチレンカーボネートが含有されていると、エチレンカーボネートは負極で分解されにくいため、電解質の分解を抑制できるようになる。また、溶媒に鎖状カーボネートが含有されていると、鎖状カーボネートは高電位領域で黒鉛質炭素との反応を抑制する作用を有するため、高電位領域での電解質の安定性が向上する。このため、非水電解質は溶媒として少なくともエチレンカーボネートと鎖状カーボネートとを含有させる必要がある。
【0008】
また、非水電解質の電解質塩としては、LiX(SO2R)n(式中、XはN、C、OまたはBであり、RはCF3またはC2F5またはC3F7またはC4F9であり、nは1〜3の整数である)と表されるものは過充電後の容量残存率が優れているので特に好ましい。
【0009】
このような非水電解質電池に用いる正極集電体としては、充放電により電解液中に溶け出さない金属集電体を用いる必要があるが、高電位においてタンタルやアルミニウム箔は充放電により電解液中に溶け出しにくいため、正極集電体としてはタンタルを含むタンタル箔、タンタル合金箔、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
【0010】
そして、このような非水電解質電池を充電することにより、電解液中のアニオンは正極の黒鉛質炭素にインターカレートされ、電解液中のカチオンが負極の黒鉛質炭素にインターカレートされるため、非水電解質の電気化学当量が正極または負極のいずれか少ない方の容量よりも少ないと、電解液中のアニオンとカチオンの全てが正極または負極の黒鉛質炭素にインターカレートされ(厳密に言えば、充電の末期になると充電電圧が上昇するため、電解液中のアニオンとカチオンの全てが正極または負極の黒鉛質炭素にインターカレートされる訳ではなく、次回の放電に必要となるだけのアニオンとカチオンは残存することとなる)るため、これ以上は充電が進行することはない。したがって、このような構成とすることにより、過充電の進行が防止でき、電池容量の劣化がない非水電解質電池が得られるようになる。
【0011】
なお、本発明の非水電解質電池に用いる非水電解質の溶媒としては、エチレンカーボネートを含有させることで負極で溶媒が分解されなくし、鎖状カーボネートを含有させることで高電位領域での電解質の安定性を確保するための必須の要件となるが、このエチレンカーボネートを10重量部以上と、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとを混合させて含有されていれば、これらに1、2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒や、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、テトラヒドロフラン(THF)を混合させるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の非水電解質電池の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。なお、図1は本発明の非水電解質電池を模式的に示す断面図である。
【0013】
1.正極の作製
平均粒径10μmの天然黒鉛(d=3.354Å)を用い、この天然黒鉛95重量%に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを混合した。この後、この混合物にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混合・混練して正極用スラリーを作製した。ついで、この正極用スラリーをタンタル箔からなる正極集電体12にドクターブレード法により塗着した後、所定の厚みとなるように圧延した。ついで、130℃の温度で真空乾燥した後、所定寸法に切断して、正極集電体12の表面に正極黒鉛層11を形成した正極を作製した。
【0014】
2.負極の作製
平均粒径10μmの天然黒鉛(d=3.354Å)を用い、この天然黒鉛95重量%に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを混合した。この後、この混合物にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混合・混練して負極用スラリーを作製した。ついで、この負極用スラリーを銅箔からなる負極集電体14にドクターブレード法により塗着した後、所定の厚みとなるように圧延した。ついで、130℃の温度で真空乾燥した後、所定寸法に切断して、負極集電体14の表面に負極黒鉛層13を形成した負極を作製した。
【0015】
3.電解液の調製
(1)実施例1
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC:以下、単にECという)と、鎖状カーボネートであるジメチルカーボネート(DMC:以下、単にDMCという)との等体積混合溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を実施例1の電解液aとした。
【0016】
(2)実施例2
EC(環状カーボネート)と鎖状カーボネートであるジエチルカーボネート(DEC:以下、単にDECという)との等体積混合溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を実施例2の電解液bとした。
【0017】
(3)実施例3
EC(環状カーボネート)と、DMC(鎖状カーボネート)と、エーテル系溶媒である1,2−ジメトキシエタン(DME:以下、単にDMEという)とを体積比で2:1:1の混合比で混合した混合溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を実施例3の電解液cとした。
【0018】
(4)比較例1
EC(環状カーボネート)と、DME(エーテル系溶媒)との等体積混合溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を比較例1の電解液xとした。
【0019】
(5)比較例2
環状カーボネートであるプロピレンカーボネート(PC:以下、単にPCという)からなる溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を比較例2の電解液yとした。
【0020】
(6)比較例3
PC(環状カーボネート)とDMC(鎖状カーボネート)との等体積混合溶媒に、溶質としてLiN(C2F5SO2)2(リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド)を1モル/リットル溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を比較例3の電解液zとした。
【0021】
4.電池の作製
ついで、上述のようにして作製した正極と、上述のようにして作製した負極と、上述のようにして調製した実施例1〜3の各電解液a,b,cおよび比較例1〜3の各電解液x,y,zとを用いて、図1に示すような非水電解質電池10を作製した。即ち、まず、金属製の正極缶16を用意する。ついで、この正極缶16内に正極集電体12が缶底部に接触するように、正極集電体12が下側で正極黒鉛層11が上側になるように正極を配置した。ついで、この正極黒鉛層11の上部に、上述のようにして調製した電解液をそれぞれ含浸させたポリプロピレン製微多孔膜よりなるセパレータ15を配置した。
【0022】
一方、金属製の負極缶17を用意する。なお、この負極缶17の内周縁には予めポリプロピレン製の絶緑パッキング18が配置されている。この負極缶17内に負極集電体14が缶底部に接触するように、負極集電体14が下側で負極黒鉛層13が上側になるように負極を配置した。ついで、負極缶17を逆さにして、セパレータ15の上部に負極黒鉛層13が配置されるように、正極缶16の上に負極缶17を載置した。ついで、正極缶16の上端部を内方に封口することにより密封して扁平型の非水電解質電池10を作製した。
【0023】
ここで、実施例1の電解液aを用いた非水電解質電池10を実施例1の電池Aとし、実施例2の電解液bを用いた非水電解質電池10を実施例2の電池Bとし、実施例3の電解液cを用いた非水電解質電池10を実施例3の電池Cとした。また、比較例1の電解液xを用いた非水電解質電池10を比較例の電池Xとし、比較例2の電解液yを用いた非水電解質電池10を比較例2の電池Yとし、比較例3の電解液zを用いた非水電解質電池10を比較例3の電池Zとした。
【0024】
5.試験
(1)過充電試験
上述のようにして作製した実施例1〜3の各電池A,B,C、および比較例1〜3の各電池X,Y,Zを用い、これらの各電池を室温(25℃)において1mA/cm2の電流密度で電池電圧が6.0Vになるまで充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から初期放電容量を求めた。この後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が12.0Vになるまで過充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から過充電後の放電容量を求めた。ついで、上述のようにして求めた初期放電容量と、過充電後の放電容量とから下記の(1)式に基づいて過充電後の放電容量残存率(過充電後残存率)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
過充電後残存率(%)=(過充電後の放電容量/初期放電容量)×100%…(1)
【0025】
(2)サイクル特性試験
また、上述のようにして作製した実施例1〜3の各電池A,B,C、および比較例1〜3の各電池X,Y,Zを用い、これらの各電池を室温(25℃)において1mA/cm2の電流密度で電池電圧が6.0Vになるまで充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させるサイクルを1サイクルとする充放電サイクル試験を行った。ついで、各サイクル毎の充電容量と放電容量との比を求めて、これを充放電効率(%)とし、各サイクルに対する充放電効率(%)をグラフで表すと、図2に示すような結果となった。なお、図2において斜線で示した部分は、電池A,B,Cおよび電池Y,Zの充放電効率(%)が斜線の範囲でばらつくことを示している。
また、このような充放電サイクル試験を行った後、500サイクル後の放電容量を求め、初期放電容量との比率から500サイクル後の放電容量残存率(500サイクル後残存率)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
【0026】
【表1】
【0027】
上記表1および図2より明らかなように、実施例1〜3の各電池A,B,Cのサイクル特性(充放電効率)、過充電後残存率および500サイクル後残存率はいずれもが高い値であるのに対して、比較例1〜3の各電池X,Y,Zのサイクル特性(充放電効率)、過充電後残存率および500サイクル後残存率はいずれもが低い値であることが分かる。
【0028】
これは、環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)は負極で分解されにくいため、負極でのサイクル特性が向上して、結果として充放電特性が向上したと考えられる。また、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートは、正極活物質および負極活物質の利用率を向上させるだけでなく、高電位領域で黒鉛正極との反応を抑制する作用を有するため、高電位領域での電解液の安定性が向上し、過充電後残存率が向上したと考えられる。
【0029】
一方、環状カーボネートであるプロピレンカーボネート(PC)は、負極で分解され易いため、負極でのサイクル特性が低下して、結果として充放電特性が低下したと考えられる。また、1,2−ジメトキシエタン(DME)などのエーテル系溶媒は高電位領域で黒鉛正極と反応して分解されて、高電位領域での電解液の不安定性となって、過充電後残存率が低下したと考えられる。
以上のことから、電解液の溶媒としては、環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートとの混合溶媒とし、これにエーテル系溶媒などを添加して用いるようにするのが好ましいということができる。
【0030】
6.電解質塩の検討
ついで、電解質塩の種類による過充電後の放電容量残存率(過充電後残存率)の影響について検討した。上述した実施例1の電池Aを作製する際に用いた電解質塩であるリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミドとしてのLiN(C2F5SO2)2に代えて、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiPF6とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiBF4とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、LiCF3SO3を用いたこと以外は上述した実施例1と同様にして、各非水電解質電池10を作製した。
【0031】
ここで、電解質塩として、LiN(CF3SO2)2を用いた非水電解質電池10を実施例4の電池Dとし、LiN(C4F9SO2)2を用いた非水電解質電池10を実施例5の電池Eとし、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)を用いた非水電解質電池10を実施例6の電池Fとし、LiC(CF3SO2)3を用いた非水電解質電池10を実施例7の電池Gとし、LiPF6とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)をそれぞれ0.5モル/リットル混合した電解質塩を用いた非水電解質電池10を実施例8の電池Hとした。
【0032】
また、LiBF4とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)をそれぞれ0.5モル/リットル混合した電解質塩を用いた非水電解質電池10を実施例9の電池Iとした。また、LiPF6を用いた非水電解質電池10を参考例1の電池Jとし、LiBF4を用いた非水電解質電池10を参考例2の電池Kとし、LiAsF6を用いた非水電解質電池10を参考例3の電池Lとし、LiSbF6を用いた非水電解質電池10を参考例4の電池Mとし、LiClO4を用いた非水電解質電池10を参考例5の電池Nとし、LiCF3SO3を用いた非水電解質電池10を参考例6の電池Oとした。
【0033】
上述のようにして作製した各電池D〜Oを用い、これらの各電池を室温(25℃)において1mA/cm2の電流密度で電池電圧が6.0Vになるまで充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から初期放電容量を求めた。この後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が12.0Vになるまで過充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から過充電後の放電容量を求めた。ついで、上述のようにして求めた初期放電容量と、過充電後の放電容量とから上述した(1)式に基づいて過充電後残存率を求めると、下記の表2に示すような結果となった。なお、表2には実施例1の電池Aの結果も併せて示している。
【0034】
【表2】
【0035】
上記表2から明らかなように、LiCF3SO3を電解質塩とする電池Oは多少低い過充電後残存率を示しているが、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiPF6とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiBF4とLiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4等の電解質塩を用いると、高い過充電後残存率を維持できることが分かる。
【0036】
そして、これらの電解質塩の内、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド、あるいはLiC(CF3SO2)3等のリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸メチドが極めて高い過充電後残存率を維持できることが分かる。このことから、本発明の非水電解質電池に用いる電解質塩としては、LiX(SO2R3)n(式中、XはN、C、OまたはBであり、R3はCF3またはC2F5またはC3F7またはC4F9であり、nは1〜3の整数である)で表される電解質塩を用いることが好ましいということができる。
【0037】
7.正極集電体材料の検討
ついで、正極集電体材料による過充電後残存率に対する影響を検討した。ここで、正極集電体12として、実施例1のタンタル箔に代えてアルミニウム箔を用いること以外は上述の実施例1と同様にして非水電解質電池10を作製し、これを実施例10の電池Pとした。また、実施例1のタンタル箔に代えてステンレススチール(SUS304)箔を用いること以外は上述の実施例1と同様にして非水電解質電池10を作製し、これを比較例4の電池Wとした。
【0038】
ついで、これらの電池P,Wを用い、これらの各電池を室温(25℃)において1mA/cm2の電流密度で電池電圧が6.0Vになるまで充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から初期放電容量を求めた。この後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が12.0Vになるまで過充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から過充電後の放電容量を求めた。ついで、上述のようにして求めた初期放電容量と、過充電後の放電容量とから上述した(1)式に基づいて過充電後残存率を求めると、下記の表3に示すような結果となった。なお、表3には実施例1の電池Aの結果も併せて示している。
【0039】
【表3】
【0040】
上記表3より明らかなように、ステンレススチール(SUS304)箔からなる正極集電体12を用いた比較例4の電池Wの過充電後残存率が極めて低いのに対して、タンタル箔からなる正極集電体12を用いた実施例1の電池Aおよびアルミニウム箔からなる正極集電体12を用いた実施例10の電池Pの過充電後残存率が極めて高いことが分かる。
【0041】
これは、ステンレススチール箔を正極集電体12とした電池を過充電すると、ステンレススチールが電解液中に溶けだして、やがては集電体としての機能を喪失することとなる。また、電解液中に溶け出したステンレススチールにリチウムが結合するため、自己放電が生じることとなる。このため、ステンレススチール(SUS304)箔を正極集電体12とした比較例4の電池Wの過充電後残存率が極めて低くなったと考えられる。
【0042】
一方、タンタル箔を正極集電体12とした電池を過充電しても、タンタルは電解液中に溶け出しにくいため、極めて高い過充電後残存率を示したと考えられる。また、アルミニウム箔を正極集電体12とした電池を過充電すると、アルミニウムはタンタルよりも電解液中に溶け出し易いが、ステンレススチールよりは電解液中に溶け出しにくいため、高い過充電後残存率を示したと考えられる。
以上のことから、正極集電体12に用いる金属材料としては、過充電しても電解液中に溶け出しにくいタンタルを用いることが好ましいということができる。
【0043】
8.容量比の検討
ついで、正極の容量と、負極の容量と、電解液の容量(電気化学当量)との各容量の比率、即ち容量比を代えた場合の過充電後残存率の影響を検討した。ここで、正・負極および電解液の容量は以下の(2)式〜(4)式に基づいて求めた。
正極の容量=正極の比容量×正極重量・・・(2)
負極の容量=負極の比容量×負極重量・・・(3)
電解液の容量(電気化学当量:以下では容量という)
=26.8Ah×電解質塩の濃度×アニオンの価数×液量/cc・・・(4)
【0044】
なお、上述した実施例1〜実施例10の電池A〜I,Pの容量比は、正極:負極:電解液=1.5:1.5:1である。そして、容量比を代えること以外は実施例1の電池Aと同様にして非水電解質電池10を作製した。ここで、容量比を正極:負極:電解液=2:1:1とした非水電解質電池10を実施例11の電池Qとし、正極:負極:電解液=1:2:1とした非水電解質電池10を実施例12の電池Rとし、正極:負極:電解液=1:1:1とした非水電解質電池10を実施例13の電池Sとし、正極:負極:電解液=1:1:2とした非水電解質電池10を実施例14の電池Tとし、正極:負極:電解液=2:1:2とした非水電解質電池10を実施例15の電池Uとした。
【0045】
上述のようにして作製した各電池Q〜Uを用い、これらの各電池を室温(25℃)において1mA/cm2の電流密度で電池電圧が6.0Vになるまで充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から初期放電容量を求めた。この後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が12.0Vになるまで過充電した後、1mA/cm2の電流密度で電池電圧が2.75Vになるまで放電させて、放電時間から過充電後の放電容量を求めた。ついで、上述のようにして求めた初期放電容量と、過充電後の放電容量とから上述した(1)式に基づいて過充電後残存率を求めると、下記の表4に示すような結果となった。なお、表4には実施例1の電池Aの結果も併せて示している。
【0046】
【表4】
【0047】
上記表4より明らかなように、電解液の容量が正極あるいは負極の容量以下である電池A,Q,R,Sは極めて高い過充電後残存率を示しているが、電解液の容量が正極あるいは負極の容量より大きい電池T,Uは、これらよりも過充電後残存率が劣っていることが分かる。
【0048】
これは、電解液の容量が正極あるいは負極の容量以下であると、過充電により電解液中のアニオンとカチオンの全てが正極または負極の黒鉛にインターカレートされ(厳密に言えば、充電の末期になると充電電圧が上昇するため、電解液中のアニオンとカチオンの全てが正極または負極の黒鉛にインターカレートされる訳ではなく、次回の放電に必要となるだけのアニオンとカチオンは残存することとなる)るため、これ以上は過充電が進行することはないためと考えられる。
【0049】
一方、電解液の容量が正極あるいは負極の容量より大きいと、正極あるいは負極の容量がなくなっても電解液中のアニオンとカチオンが正極あるいは負極に入り込もうとして充電電圧が上昇し、電解液が分解されて電池容量の劣化が起こったためと考えられる。したがって、電解液の容量が正極あるいは負極の容量以下にすることが好ましく、このような構成とすることにより、過充電が防止でき、電池容量の劣化がない非水電解質電池が得られることとなる。
【0050】
上述したように、本発明においては、正極の黒鉛質炭素にインターカレートされるアニオンと、負極の黒鉛質炭素にインターカレートされるカチオンとを非水電解質中に含有するので、充電することにより非水電解質中のアニオンが正極の黒鉛質炭素にインターカレートされ、非水電解質中のカチオンが負極の黒鉛質炭素にインターカレートされて、起電力が5〜6V程度である非水電解質電池が得られるようになる。
そして、本発明の電池においては、過充電が生じることがなく、非水電解質中のアニオンあるいはカチオンがなくなったときに充電すればよいので、特に、トリクル充電が行われる用途に用いると、本発明の特徴を発揮することができるようになるので望ましい。
【0051】
なお、上述した実施の形態においては、黒鉛質炭素として天然黒鉛を用いる例について説明したが、天然黒鉛以外の黒鉛質炭素として、人造黒鉛を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非水電解質電池を模式的に示す断面図である。
【図2】 充放電サイクル特性(充放電効率)を示す図である。
【符号の説明】
10…非水電解質電池、11…正極缶、12…正極集電体、13…正極、14…セパレータ、15…負極缶、16…負極集電体、17…負極、18…絶緑パッキング
Claims (2)
- 電池容器内に少なくとも正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質電池であって、
前記正極は正極集電体の表面に黒鉛質炭素層を備えるとともに、当該正極集電体はタンタルを含有した箔またはアルミニウム箔からなり、
前記負極は負極集電体の表面に黒鉛質炭素層を備え、
前記非水電解質は溶媒として少なくともエチレンカーボネートと鎖状カーボネートとを含有するとともに、前記溶媒中にLiX(SO2R)n(式中、XはN、C、OまたはBであり、RはCF3またはC2F5またはC3F7またはC4F9であり、nは1〜3の整数である)と表される電解質塩を含有していることを特徴とする非水電解質電池。 - 前記非水電解質の電気化学当量は前記正極または負極のいずれか少ない方の容量よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
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