JP4302296B2 - 水素製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料の炭化水素を圧縮して水素を製造する水素製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水素製造方法として、炭化水素を圧縮する方法が知られている。原料の炭化水素を圧縮して水素を製造する方法では、エネルギ利用効率(製品水素のエネルギ/水素製造に要した原料、燃料及び電気を総合したエネルギ)が可能な限り大きくなる方法が望ましい。
【0003】
図5は、従来からの水素製造方法の工程の一例を示す。原料の炭化水素は、A1の工程で先ず圧縮され、A2の工程での電熱ヒータの加熱による予熱後、脱硫される。脱硫された原料には、A3の工程で水が注入される。水は、燃料を空気で燃焼させるバーナの燃焼ガスで加熱されるボイラを通す。水が注入された混合ガスは、A4の工程で加熱されて改質反応を受け、A5の工程で改質ガスとなる。A4の工程での改質反応は、燃料を空気で燃やすバーナからの燃焼ガスを熱源とする。改質反応後の改質ガスはA6の工程で冷却される。
【0004】
冷却された改質ガスは、A7の工程で一酸化炭素(CO)変成器に通されてCO変成を受け、A8の工程で冷却される。冷却された改質ガスは、A9の工程で圧力スイング吸着器(PSA)に通して水素ガスを生成し、製品水素を得る。圧力スイング吸着器では、水素ガスを生成すると同時にオフガスが発生し、大気に放出される。
【0005】
図6は、従来からの水素製造方法の工程の他の例を示す。原料の炭化水素は、B1の工程で先ず圧縮され、B2の工程で加熱される。次にB3の工程で、脱硫される。脱硫された原料には、B4の工程で水が注入される。水が注入された混合ガスは、B5の工程で加熱され、B6の工程で改質反応を受け、改質ガスとなる。改質反応は、燃料を空気で燃やすバーナからの燃焼ガスを熱源とする。この熱源は、B2およびB6の工程でも使用される。改質反応後の改質ガスはB7の工程で冷却される。
【0006】
冷却された改質ガスは、B8の工程で一酸化炭素(CO)変成器に通されてCO変成を受け、B9の工程で冷却される。冷却された改質ガスは、B10の工程で圧力スイング吸着器(以下、「PSA」と略称する)に通して水素ガスを生成し、製品水素を得る。圧力スイング吸着器では、水素ガスを生成すると同時にオフガスが発生し、発生したオフガスは、バーナの燃料の一部として使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5および図6に示す方法では、エネルギ利用効率として44.4%および52.6%程度の値がそれぞれ得られる。ただし、次のような問題点がある。
【0008】
1)図5に示す方法のA1〜A9工程についての問題点。
▲1▼A2工程での脱硫用の原料の予熱を電気ヒータで行っており、無駄にエネルギを使用している。
▲2▼改質ガスの保有する熱量のうち、A5工程での反応管出側〜A7でのCO変成器間で発生する熱量を、A6工程やA8工程で、冷却水で冷却してしまうので有効に利用していない。
▲3▼A9工程では、PSAで発生するオフガスを大気に放出し、有効に利用していない。
▲4▼改質用の燃焼ガスは、A5工程で反応管に改質反応に必要な熱を与えた後、A4工程で原料ガスと水蒸気を混合したガスと熱交換させ、大気に放出するが、その温度は高く、充分な熱利用ができていない。
▲5▼水蒸気発生用に外部にボイラを保持しており、余分な燃料の使用、無駄な燃焼ガスの放出をしている。
【0009】
2)エネルギ使用量とエネルギ利用効率計算の前提条件および結果
▲1▼原料、燃料の種類:都市ガス(天然ガス13A)
▲2▼水素発生量:20m3/h(標準状態で)
▲3▼エネルギ使用量:
原料使用量 8.8m3/h(標準状態で)
燃料使用量 3.0m3/h(標準状態で)
電気使用量 9kW
▲4▼エネルギ利用効率
20×3,050/((8.8+3.0)×11,000+9×860)=0.444
【0010】
3)図9に示す方法のB1〜B10工程についての問題点。
▲1▼改質ガスの保有する熱量のうち、B6工程での反応管出側〜B8工程でのCO変成器間で発生するの熱量を、B7工程やB9工程で冷却水で冷却してしまうので、有効に利用していない。
▲2▼改質用の燃焼ガスは、B6工程およびB5工程で反応管での改質反応に必要な熱と純水の混合された原料の予熱の一部とに熱をそれぞれ与えた後、それを3分割し、一部はリジェネバーナを通してから大気に放出し、一部はB5工程で純水の混合された原料の予熱に熱を与え、一部はB2工程で原料の脱硫用の予熱用に利用し、それらを再集合し大気に放出している。
このうちリジェネバーナを通した燃焼ガス、および純水の混合された原料の予熱用の燃焼ガスのそれぞれ通過後の温度は高く、大気に放出しているエネルギが大きい。
▲3▼B3工程で原料中の硫黄分を除去する脱硫用の水素として、製品水素を利用しているため、改質ガス中の水素を利用する方式に比べ効率が悪い。
【0011】
4)エネルギ使用量とエネルギ利用効率計算の前提条件および結果
▲1▼原料、燃料の種類:都市ガス(天然ガス13A)
▲2▼水素発生量:40m3/h(標準状態で)
▲3▼エネルギ使用量:
原料および燃料使用量 20.0m3/h(標準状態で)
電気使用量 14kW
▲4▼エネルギ利用効率
40×3,050/(20×11,000+14×860)=0.526
【0012】
本発明の目的は、60%以上の高いエネルギ利用効率を得ることができる水素製造装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の工程を含むことを特徴とする水素製造方法である。
(工程1)原料の炭化水素とドレン除去後の改質ガスの一部とを混合して混合ガスを生成する。
(工程2)工程1で生成された混合ガスを圧縮する。
(工程3)工程2で圧縮した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管を出た改質ガスと熱交換する。
(工程4)工程3で改質ガスと熱交換した混合ガスを脱硫器に通す。
(工程5)工程4の脱硫後の混合ガスに改質反応用の水を注入する。
(工程6)工程5で水を注入した混合ガスを、工程3で混合ガスと熱交換した後の改質ガスと熱交換する。
(工程7)工程6で改質ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、改質用の燃焼ガスと熱交換する。
(工程8)工程7で燃焼ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で、改質触媒が充填された二重管の外側に導入する。
(工程9)工程8で外部加熱型二重管式反応管に導入された水の注入された混合ガスを、圧力スイング吸着装置からのオフガスを主燃料として、改質反応に必要な熱を与えて改質ガスとする。
(工程10)工程9で生じた改質ガスを外部加熱型二重管式反応管の内側に通して、二重管の外側を通る水が注入された混合ガスに熱を与える。
(工程11)工程10で外部加熱型二重管式反応管の内側に通した改質ガスを、工程3および工程6での熱交換に使用後、一酸化炭素変成器に通す。
(工程12)工程11での一酸化炭素変成後の改質ガスを冷却する。
(工程13)工程12で、改質ガスから冷却により生じるドレンを除去する。
(工程14)工程13でのドレン除去後の改質ガスを圧力スイング吸着装置に通し、水素ガスを生成し、同時にオフガスを発生させる。
(工程15)工程14で発生したオフガスを、加熱された燃焼用空気を用いてバーナで燃焼させ、燃焼ガスから工程9の外部加熱型二重管式反応管に改質反応用の熱を与えて、水の注入された混合ガスを改質ガスとする。
(工程16)工程15で改質反応用の熱を与えた燃焼ガスを、工程7で水を混合させた混合ガスと熱交換する。
(工程17)工程16で混合ガスと熱交換した燃焼ガスを、燃焼用の空気と熱交換させる。
(工程18)工程17で空気と熱交換した燃焼ガスを大気に放出する。
【0014】
本発明に従えば、工程9で生じた改質ガスを、冷却水で冷却するのではなく、工程3での圧縮ガスとの熱交換による加熱に使用し、さらに工程6での混合ガスとの熱交換による加熱に使用してから、工程11での一酸化炭素変成器に通すので、エネルギの利用効率を高めることができる。また、工程13で、冷却した改質ガスからドレンを除去し、その一部を工程1に戻して原料と混合し、圧縮するので、脱硫用の水素として、圧力スイング吸着装置を通して製品化する前の工程から改質ガスの一部を取出して利用することができ、効率を改善することができる。
【0015】
また本発明は、次の工程を含むことを特徴とする水素製造方法である。
(工程1)原料の炭化水素とドレン除去後の改質ガスの一部とを混合して混合ガスを生成する。
(工程2)工程1で生成された混合ガスを圧縮する。
(工程3)工程2で圧縮した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管を出た改質ガスと熱交換する。
(工程4)工程3で改質ガスと熱交換した混合ガスを脱硫器に通す。
(工程5)一酸化炭素変成後の改質ガスの熱を用いて、改質反応用の水を、液体の状態を保つ範囲で加熱する。
(工程6)工程4の脱硫後の混合ガスに、工程5で加熱した改質反応用の水を注入する。
(工程7)工程6で水を注入した混合ガスを、工程3で熱交換した後の改質ガスと熱交換する。
(工程8)工程7で改質ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、改質用燃料の燃焼排ガスと熱交換する。
(工程9)工程8で燃焼排ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で、改質触媒が充填された二重管の外側に導入する。
(工程10)工程9で外部加熱型二重管式反応管に導入された水の注入された混合ガスを、圧力スイング吸着装置からのオフガスを主燃料として、改質反応に必要な熱を与えて改質ガスとする。
(工程11)工程10で生じた改質ガスを外部加熱型二重管式反応管の内側に通して、二重管の外側を通る水が注入された混合ガスに熱を与える。
(工程12)工程11で外部加熱型二重管式反応管の内側に通した改質ガスを、工程3および工程7での熱交換に使用後、一酸化炭素変成器に通す。
(工程13)工程12での一酸化炭素変成後の改質ガスを、熱交換によって工程5の加熱に用いる。
(工程14)工程13で工程5の加熱のための熱交換を行った改質ガスを冷却する。
(工程15)工程14で冷却した改質ガスから、冷却により生じるドレンを除去する。
(工程16)工程15でのドレン除去後の改質ガスを圧力スイング吸着装置に通し、水素ガスを生成し、同時にオフガスを発生させる。
(工程17)工程16で発生したオフガスを、加熱された燃焼用空気を用いてバーナで燃焼させ、燃焼ガスから工程10の外部加熱型二重管式反応管に改質反応用の熱を与えて、水の注入された混合ガスを改質ガスとする。
(工程18)工程17で改質反応用の熱を与えた燃焼ガスを、工程8で水を混合させた混合ガスと熱交換する。
(工程19)工程18で混合ガスと熱交換した燃焼ガスを、燃焼用の空気と熱交換させる。
(工程20)工程19で空気と熱交換した燃焼ガスを大気に放出する。
【0016】
本発明に従えば、工程9で生じた改質ガスを、冷却水で冷却するのではなく、工程3での圧縮ガスとの熱交換による加熱に使用し、さらに工程6での混合ガスとの熱交換による加熱に使用してから、工程12での一酸化炭素変成器に通すので、エネルギの利用効率を高めることができる。工程13では、一酸化炭素変成後の改質ガスを、熱交換によって工程5の加熱に用いるので、一酸化炭素変成後の改質ガスが有する熱量も有効に利用することができる。また、工程15で、冷却した改質ガスからドレンを除去し、その一部を工程1に戻して原料と混合し、圧縮するので、脱硫用の水素として、圧力スイング吸着装置を通して製品化する前の工程から改質ガスの一部を取出して利用することができ、効率を改善することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態としての水素製造システムの概要を示す。1〜26の数字は、図2に示す圧力、温度、流量、ガス組成等の算出位置を示す。この水素製造システムは、次のような仕様で運転される。
1)使用原料
都市ガス13A
2)製品水素の流量
30m3/h(標準状態)
【0018】
以下、本実施形態のフローを説明する。
工程C1では、圧力147kPaGの原料都市ガス13Aを標準状態で12.9m3/h とドレン除去器を出た改質ガス0.9m3/h を混合したガス(以下、「混合ガス」と称する)を圧縮機によって932kPaGに圧縮する。
工程C2では、工程C1で圧縮した混合ガスを改質ガスと熱交換し300℃(範囲250〜380℃程度)に昇温させるように加熱する。
工程C3では、工程C2で昇温させた混合ガスを脱硫器に通し、原料中の硫黄化合物を除去する。
工程C4では、硫黄化合物を除去した混合ガスに改質用の純水49.6kg/hを混合(範囲は、純水と原料中の炭素原子の割合を2.5〜5mol/mol−C程度)する。
工程C5では、工程C4で純水と混合した混合ガスを、工程C2で熱交換した後の改質ガスと熱交換して、145℃(範囲100〜200℃程度)に昇温するように加熱する。
工程C6では、工程C5で昇温された純水と混合した混合ガスを、後述する反応管に熱を与えた後の燃焼ガスと熱交換し、350℃(範囲300〜500℃程度)に昇温するように加熱する。
工程C7では、工程C6で昇温された純水と混合した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で改質触媒が充填されている二重管の外側に導入する。二重管式反応管の外側に導入された純水の混合された混合ガスを、後述するPSAからのオフガスも燃料に加えてバーナで燃焼させた燃焼ガスを加熱源とし、反応管に熱を与えて温度700℃(範囲650〜850℃程度)の改質ガスとする。改質ガスを、標準状態で54.7m3/h (うち水素量39.0m3/h )の流量となるように二重管式反応管の内側に通し、二重管の外側の純水の混合された混合ガスに、燃焼ガスに加えて改質反応に必要な熱を与える。熱を与えた後の反応管出側の温度を450℃(範囲400〜600℃程度)とする。
【0019】
以上の工程C1〜C7で改質ガスが得られた後は、次のような工程で製品水素を製造する。
工程C8では、反応管を出た改質ガスを工程C2および工程C5で原料ガスおよび混合ガスとそれぞれ熱交換し、熱交換による冷却で220℃(範囲200〜300℃)にした後、CO変成器に通す。
工程C9では、工程C8でのCO変成後の改質ガスの標準状態で58.6m3/h(うち水素量42.9m3/h )を、冷却器で40℃(範囲20〜40℃)となるように水で冷却する。
工程C10では、冷却により生じたドレンをドレン除去器で系外に除去する。
工程C11では、ドレン除去後の改質ガスをPSA装置に通し、製品とする水素ガスを標準状態で30m3/h 生成させ、同時に標準状態での熱量11.86kJ(2,824kcal)、流量が27.7m3/h となるオフガスを発生させる。
【0020】
工程C11で発生したオフガスは全量、他の燃料を加えることなく工程C7の熱源用の燃焼ガスとして用い、改質反応に必要な熱を反応管に与える。反応管に熱を与えた燃焼ガスの温度は1,010℃となる。反応管に熱を与えた燃焼ガスは、工程C6で、純水と混合されている原料と熱交換する。熱交換後の燃焼ガスの温度は200℃となる。純水と混合されている混合ガスに熱を与えた燃焼ガスは、燃焼用の空気と熱交換し空気の温度を100℃(範囲100〜400)とする。空気と熱交換した140℃の燃焼ガスは、大気に放出する。
【0021】
本実施形態でのエネルギ使用量とエネルギ利用効率とは、次のようになる。
▲1▼エネルギ使用量:
原料使用量 12.9m3/h(標準状態)
燃料使用量 0m3/h(標準状態)
電気使用量 2.1kW
▲2▼エネルギ利用効率
30×3,050/(12.9×11,000+2.1×860)=0.637
【0022】
従来技術の代表的なものとして見られる図5および図6の2つの方法については、当該エネルギ利用効率はそれぞれ44.4%、52.6%程度の値を示している。それに反して本実施形態では、60%以上と高い値を得ることができる。
【0023】
図3は、本発明の実施の他の形態としての水素製造システムの概要を示す。1〜28の数字は、図4に示す圧力、温度、流量、ガス組成等の算出位置を示す。この水素製造システムは、図1に示す実施形態で、改質ガスの有する熱量のうち、工程C2から工程C7までは有効に利用していても、工程C8のCO変成以降の熱量は工程C9の冷却水による冷却で次の有効に利用していない点を改善するため、次のような仕様で運転される。
1)使用原料
都市ガス13A
2)製品水素の流量
30m3/h(標準状態)
【0024】
以下、本実施形態のフローを説明する。
工程D1では、圧力147kPaGの原料都市ガス13Aを標準状態で12.5m3/h とドレン除去器を出た改質ガス0.9m3/h を混合したガス(以下、「混合ガス」と称する)を圧縮機によって932kPaGに圧縮する。
工程D2では、工程D1で圧縮した混合ガスを改質ガスと熱交換し300℃(範囲250〜380℃程度)に昇温させるように加熱する。
工程D3では、工程D2で昇温させた混合ガスを脱硫器に通し、原料中の硫黄化合物を除去する。
工程D4では、硫黄化合物を除去した混合ガスに改質用の純水48.2kg/h(範囲は、純水と原料中の炭素原子の割合を2.5〜5mol/mol−C程度)を、工程D9について後述するように、CO変成後の改質ガスの熱を用いて、液体の状態を保つ範囲で加熱した後で、工程D4で硫黄化合物を除去した混合ガスに混合する。
工程D5では、工程D4で純水と混合した混合ガスを、工程D2で熱交換した後の改質ガスと熱交換して、160℃(範囲100〜200℃程度)に昇温するように加熱する。
工程D6では、工程D5で昇温された純水と混合した混合ガスを、後述する反応管に熱を与えた後の燃焼ガスと熱交換し、400℃(範囲300〜500℃程度)に昇温するように加熱する。
工程D7では、工程D6で昇温された純水と混合した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で改質触媒が充填されている二重管の外側に導入する。二重管式反応管の外側に導入された純水の混合された混合ガスを、後述するPSAからのオフガスも燃料に加えてバーナで燃焼させた燃焼ガスを加熱源とし、反応管に熱を与えて温度709℃(範囲650〜850℃程度)の改質ガスとする。改質ガスを、標準状態で54.2m3/h (うち水素量39.0m3/h )の流量となるように二重管式反応管の内側に通し、二重管の外側の純水の混合された混合ガスに、燃焼ガスに加えて改質反応に必要な熱を与える。熱を与えた後の反応管出側の温度を550℃(範囲400〜600℃程度)とする。
【0025】
以上の工程D1〜D7で改質ガスが得られた後は、次のような工程で製品水素を製造する。
工程D8では、反応管を出た改質ガスを工程D2および工程D5で原料ガスおよび混合ガスとそれぞれ熱交換し、熱交換による冷却で237℃(範囲200〜300℃)にした後、CO変成器に通す。
工程D9では、工程D8でのCO変成後の改質ガスの標準状態で58.1m3/h(うち水素量42.9m3/h )を、20℃の純水と熱交換し、前述のように液体の状態を保つ範囲内の160℃程度に加熱して、工程D4に供給する。
工程D10では、工程D9で純水を加熱するために熱交換した後の改質ガスを、冷却器で40℃(範囲20〜40℃)となるように水で冷却する。
工程D11では、工程D10で冷却により生じたドレンをドレン除去器で系外に除去する。
工程D12では、ドレン除去後の改質ガスをPSA装置に通し、製品とする水素ガスを標準状態で30m3/h 生成させ、同時に標準状態での熱量11.09kJ(2,650kcal)、流量が27.2m3/h となるオフガスを発生させる。
【0026】
工程D12で発生したオフガスは全量、他の燃料を加えることなく工程D7の熱源用の燃焼ガスとして用い、改質反応に必要な熱を反応管に与える。反応管に熱を与えた燃焼ガスの温度は1,019℃となる。反応管に熱を与えた燃焼ガスは、工程D6で、純水と混合されている原料と熱交換する。熱交換後の燃焼ガスの温度は364℃となる。純水と混合されている混合ガスに熱を与えた燃焼ガスは、燃焼用の空気と熱交換し空気の温度を150℃(範囲100〜400)とする。空気と熱交換した275℃の燃焼ガスは、大気に放出する。
【0027】
本実施形態でのエネルギ使用量とエネルギ利用効率とは、次のようになる。
▲1▼エネルギ使用量:
原料使用量 12.5m3/h(標準状態)
燃料使用量 0m3/h(標準状態)
電気使用量 1.8kW
▲2▼エネルギ利用効率
30×3,050/(12.5×11,000+1.8×860)=0.658
【0028】
本実施形態では、工程D8のCO変成以降に、改質ガスが有する熱量の一部を、改質反応用の純水の加熱に使用する。加熱は、純水が液体の状態を保つ範囲で行い、原料使用量や電気使用量を低減して、エネルギ効率の向上を図ることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、改質ガスを冷却水で冷却するのではなく、圧縮ガスとの熱交換による加熱に使用し、混合ガスとの熱交換による加熱に使用してから、一酸化炭素変成器に通すので、エネルギの利用効率を高めることができる。また、脱硫用の水素として、圧力スイング吸着装置で製品化する前の工程から取出す改質ガスの一部を利用することができ、効率を改善することができる。効率改善の結果、エネルギ利用効率として、60%以上を実現することができる。
【0030】
さらに本発明によれば、一酸化炭素変成器後の改質ガスの有する熱量も、改質用の入水を液体の状態を保つ範囲で加熱するために使用するので、エネルギ使用量をさらに低減し、65%以上のエネルギ利用効率を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての水素製造システムの概略的な構成を示すフロー図である。
【図2】図1の各点での状態を示す図表である。
【図3】本発明の実施の他の形態としての水素製造システムの概略的な構成を示すフロー図である。
【図4】図3の各点での状態を示す図表である。
【図5】従来からの水素製造システムの一例を示すフロー図である。
【図6】従来からの水素製造システムの他の例を示すフロー図である。
Claims (2)
- 次の工程を含むことを特徴とする水素製造方法。
(工程1)原料の炭化水素とドレン除去後の改質ガスの一部とを混合して混合ガスを生成する。
(工程2)工程1で生成された混合ガスを圧縮する。
(工程3)工程2で圧縮した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管を出た改質ガスと熱交換する。
(工程4)工程3で改質ガスと熱交換した混合ガスを脱硫器に通す。
(工程5)工程4の脱硫後の混合ガスに改質反応用の水を注入する。
(工程6)工程5で水を注入した混合ガスを、工程3で混合ガスと熱交換した後の改質ガスと熱交換する。
(工程7)工程6で改質ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、改質用の燃焼ガスと熱交換する。
(工程8)工程7で燃焼ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で、改質触媒が充填された二重管の外側に導入する。
(工程9)工程8で外部加熱型二重管式反応管に導入された水の注入された混合ガスを、圧力スイング吸着装置からのオフガスを主燃料として、改質反応に必要な熱を与えて改質ガスとする。
(工程10)工程9で生じた改質ガスを外部加熱型二重管式反応管の内側に通して、二重管の外側を通る水が注入された混合ガスに熱を与える。
(工程11)工程10で外部加熱型二重管式反応管の内側に通した改質ガスを、工程3および工程6での熱交換に使用後、一酸化炭素変成器に通す。
(工程12)工程11での一酸化炭素変成後の改質ガスを冷却する。
(工程13)工程12で、改質ガスから冷却により生じるドレンを除去する。
(工程14)工程13でのドレン除去後の改質ガスを圧力スイング吸着装置に通し、水素ガスを生成し、同時にオフガスを発生させる。
(工程15)工程14で発生したオフガスを、加熱された燃焼用空気を用いてバーナで燃焼させ、燃焼ガスから工程9の外部加熱型二重管式反応管に改質反応用の熱を与えて、水の注入された混合ガスを改質ガスとする。
(工程16)工程15で改質反応用の熱を与えた燃焼ガスを、工程7で水を混合させた混合ガスと熱交換する。
(工程17)工程16で混合ガスと熱交換した燃焼ガスを、燃焼用の空気と熱交換させる。
(工程18)工程17で空気と熱交換した燃焼ガスを大気に放出する。 - 次の工程を含むことを特徴とする水素製造方法。
(工程1)原料の炭化水素とドレン除去後の改質ガスの一部とを混合して混合ガスを生成する。
(工程2)工程1で生成された混合ガスを圧縮する。
(工程3)工程2で圧縮した混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管を出た改質ガスと熱交換する。
(工程4)工程3で改質ガスと熱交換した混合ガスを脱硫器に通す。
(工程5)一酸化炭素変成後の改質ガスの熱を用いて、改質反応用の水を、液体の状態を保つ範囲で加熱する。
(工程6)工程4の脱硫後の混合ガスに、工程5で加熱した改質反応用の水を注入する。
(工程7)工程6で水を注入した混合ガスを、工程3で熱交換した後の改質ガスと熱交換する。
(工程8)工程7で改質ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、改質用燃料の燃焼排ガスと熱交換する。
(工程9)工程8で燃焼排ガスと熱交換した水の注入された混合ガスを、外部加熱型二重管式反応管で、改質触媒が充填された二重管の外側に導入する。
(工程10)工程9で外部加熱型二重管式反応管に導入された水の注入された混合ガスを、圧力スイング吸着装置からのオフガスを主燃料として、改質反応に必要な熱を与えて改質ガスとする。
(工程11)工程10で生じた改質ガスを外部加熱型二重管式反応管の内側に通して、二重管の外側を通る水が注入された混合ガスに熱を与える。
(工程12)工程11で外部加熱型二重管式反応管の内側に通した改質ガスを、工程3および工程7での熱交換に使用後、一酸化炭素変成器に通す。
(工程13)工程12での一酸化炭素変成後の改質ガスを、熱交換によって工程5の加熱に用いる。
(工程14)工程13で工程5の加熱のための熱交換を行った改質ガスを冷却する。
(工程15)工程14で冷却した改質ガスから、冷却により生じるドレンを除去する。
(工程16)工程15でのドレン除去後の改質ガスを圧力スイング吸着装置に通し、水素ガスを生成し、同時にオフガスを発生させる。
(工程17)工程16で発生したオフガスを、加熱された燃焼用空気を用いてバーナで燃焼させ、燃焼ガスから工程10の外部加熱型二重管式反応管に改質反応用の熱を与えて、水の注入された混合ガスを改質ガスとする。
(工程18)工程17で改質反応用の熱を与えた燃焼ガスを、工程8で水を混合させた混合ガスと熱交換する。
(工程19)工程18で混合ガスと熱交換した燃焼ガスを、燃焼用の空気と熱交換させる。
(工程20)工程19で空気と熱交換した燃焼ガスを大気に放出する。
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