JP4301576B2 - リボヌクレオチドレダクターゼのr1およびr2成分に対して指向される抗腫瘍アンチセンス配列 - Google Patents
リボヌクレオチドレダクターゼのr1およびr2成分に対して指向される抗腫瘍アンチセンス配列 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4301576B2 JP4301576B2 JP50741098A JP50741098A JP4301576B2 JP 4301576 B2 JP4301576 B2 JP 4301576B2 JP 50741098 A JP50741098 A JP 50741098A JP 50741098 A JP50741098 A JP 50741098A JP 4301576 B2 JP4301576 B2 JP 4301576B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- composition
- oligonucleotide
- composition according
- neoplastic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/113—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
- C12N15/1137—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against enzymes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/0004—Oxidoreductases (1.)
- C12N9/0093—Oxidoreductases (1.) acting on CH or CH2 groups (1.17)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2310/00—Structure or type of the nucleic acid
- C12N2310/10—Type of nucleic acid
- C12N2310/11—Antisense
- C12N2310/111—Antisense spanning the whole gene, or a large part of it
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2310/00—Structure or type of the nucleic acid
- C12N2310/30—Chemical structure
- C12N2310/31—Chemical structure of the backbone
- C12N2310/315—Phosphorothioates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2799/00—Uses of viruses
- C12N2799/02—Uses of viruses as vector
- C12N2799/021—Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
- C12N2799/027—Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a retrovirus
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Virology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Public Health (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
発明の分野
発明の分野は、新生物細胞の腫瘍形成能および/または転移を調節する方法に関する。詳細には、リボヌクレオチドレダクターゼのR1およびR2成分に対して指向されるアンチセンス配列の使用に関する。
発明の背景
DNA合成に導く最初の特有の工程は、リボヌクレオチドのそれらの対応するデオキシリボヌクレオチドへの変換(細胞周期特異的様式においてハウスキーピング遺伝子リボヌクレオチドレダクターゼによって触媒される反応)である(Lewisら、1978;Reichard、1993;Wright、1989a;Wrightら、1990a;Stubbe、1989)。哺乳動物酵素は、しばしばR1およびR2と称される2つの異なる二量体タンパク質成分から構成される。これらは、異なる染色体に位置する2つの異なる遺伝子によってコードされる
哺乳動物タンパク質R1は、約170kDaの分子量を有するホモダイマー構造であり、そして酵素活性および基質特異性を制御する基質部位およびアロステリックエフェクター部位を有する(Wright、1989;Thelanderら、1980;Carasら、1985;Wrightら、1990a)。タンパク質R2は、88kDaの分子量を有するホモダイマーであり、そして触媒作用に必要なチロシルフリーラジカルを安定化させる2つの等価複核鉄中心を形成する(Wrightら、1990a;Thelanderら、1985;McClartyら、1990)。R1およびR2タンパク質は、それらのC-末端で相互作用し、活性ホロ酵素を形成する(Reichard、1993;Wrightら、1990a;Davisら、1994)。
R1およびR2は、細胞周期の間に別々に調節される。そのデノボ合成から生じるR2タンパク質における増加に相関するS期が存在する(Lewisら、1978;Mannら、1988)。リボヌクレオチドレダクターゼの活性、それゆえDNA合成および細胞増殖は、細胞周期の間の増殖する細胞において、R2成分の合成および分解によって調節される(Erikssonら、1984)。速度調節R2成分は、細胞周期進行のCDC2およびCDK2タンパク質キナーゼメディエーターによってリン酸化され得るリンタンパク質であり(Chanら、1993)、酵素活性に必要な特有のチロシルフリーラジカルを安定化させる非ヘム鉄を含む(Reichard、1993;McClartyら、1990)。
R1タンパク質のレベルは、増殖する細胞の細胞周期の間に実際に変化するようではなく、そして細胞周期を通して検出され得る。R1 mRNAの合成は、R2 mRNAのように、主にS期の間に生じるようである(Erikssonら、1984;Choyら、1988;Mannら、1988)。細胞周期の間のR1タンパク質の幅広い分布は、R2タンパク質と比べてそのより長い半減期に起因する(Choyら、1988;Mannら、1988)。
リボヌクレオチドレダクターゼ、および特にR2成分の調節は、腫瘍プロモーターまたは増殖因子TGF-βに暴露される悪性細胞において改変される(Amaraら、1994;Chenら、1993;Amaraら、1995b;HurtaおよびWright、1995;Hurtaら、1991)。高レベルの酵素活性が、非悪性細胞と比較した場合、培養した悪性細胞において観察されており(Weber、1983;TakedaおよびWeber、1981;Wrightら、1989a)、そして正常なコントロール組織試料と比較した場合、漸増レベルのR2タンパク質およびR2 mRNAが、悪性前組織および悪性組織に見いだされている(Saekiら、1995;Jensenら、1994)。
リボヌクレオチドレダクターゼ、および特にR2成分の調節は、腫瘍プロモーター、または腫瘍進行の機構を媒介する増殖因子中の形質転換増殖因子βに暴露される形質転換細胞において上昇される(Amaraら、1996;Chenら、1993;Amaraら、1995b)。これらの研究は、齧歯類およびヒト組織から得られた腫瘍細胞に関し(Weber、1983;Wrightら、1989a;Saekiら、1995;Jensonら、1994)、およびヒドロキシウレアのような抗腫瘍剤への耐性について選択された培養細胞に関する(Lewisら、1978;Wrightら、1989b)。
ヒドロキシウレアのような化合物は、チロシルフリーラジカルの破壊を引き起こしてR2タンパク質の鉄中心を不安定にすること、(McClartyら、1990)、および細胞周期のS期を通して進行から細胞を防ぐこと(AshiharaおよびBaserga、1979)によってリボヌクレオチドレダクターゼ活性を阻害する。
分子生物学およびヒトゲノムプロジェクトの進歩は、悪性遺伝子発現との標的化干渉についての以前には予期されなかった可能性を開いた(Blaese、1997;Felgner、1997)。これらは、特定の遺伝子の破壊のようなアプローチを含む。標的化mRNA内の特定の配列とハイブリダイズするように設計されたアンチセンス(AS)オリゴヌクレオチド(AS-ON)は、このような標的干渉の一例である。一般的には、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リン脂質膜と良好に相互作用する(Akhterら、1991)。細胞血漿膜とのそれらの相互作用に続いて、それらは生細胞に活性的または受動的に輸送され得(Lokeら、1989)、そしてこれは、特定のレセプターに関与する予想された飽和機構によって生じ得る(Yakubovら、1989)。
多くの優良な概説は、アンチセンス技術およびその非常に大きな治療的可能性の主要な局面を含む。この迅速な開発技術の化学的局面(Crooke、1995)、細胞的局面(Wagner、1994)、および治療的局面(Hananiaら、1995;Scanlonら、1995;Gewirtz、1993)についての概説が存在する。比較的短い時間内で、豊富な情報が、培養一次細胞および細胞株におけるAS-ONのインビトロでの使用について、ならびに一過性の様式における特定のプロセスを抑制しそして体の機能を変化するためのこのようなODNのインビボでの投与について蓄積されている。さらに、現在ヒトへの有効性を予測するための充分な知見が、動物モデルにおいて、インビトロおよびインビボで得られる。
悪性前細胞または悪性細胞において、腫瘍形成能および/または転移性能を制御し得るアンチセンスオリゴヌクレオチドを有することは有用である。ここで、リボヌクレオチドレダクターゼのR1およびR2成分が利用された。
発明の要旨
本発明者らは、R2遺伝子の異常な発現が、細胞の悪性特性を決定することを示した。改変したR2遺伝子発現は、悪性進行の機構においてrasと協同することが見いだされ、そして組換えR2発現は、Raf-1タンパク質を会合する膜の増加を生じた。これらの結果は、R2がRaf-1およびRac-1と協同し、それにより、ras経路、従って細胞増殖および特に悪性進行に影響を及ぼすことを示す。
本発明者らはまた、R2遺伝子発現の抑制が、腫瘍細胞の形質転換特性を減少させることを示した。特に、本発明者らは、新規のR2アンチセンスが、形質転換を減少させることを実証した。R1アンチセンスはまた、腫瘍細胞の形質転換特性を抑制した。R1およびR2アンチセンスは低濃度で効果的であり、驚くべきことに、正常な細胞はアンチセンス分子に対して感受性が少なかった。
R2の異常な発現はまた、腫瘍細胞の化学治療薬剤に対する耐性を増加させることが見いだされた。R2アンチセンスは、新生物細胞を単独では殺傷しないアンチセンスの濃度で、化学治療薬剤に対する腫瘍細胞の耐性を減少させた。
幅広く言えば、本発明は、細胞増殖を調節する、好ましくは腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物および方法に関する。細胞増殖を調節するのに使用され得る化合物は、リボヌクレオチドレダクターゼ発現のインヒビター(すなわち、リボヌクレオチドレダクターゼをコードする遺伝子の転写または翻訳のインヒビター)を含む。リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子の領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、特に有用なインヒビターである。
1つの実施態様において、本発明は、リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子由来の核酸配列に相補的であり、そして少なくとも7つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含む配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子、より好ましくは、リボヌクレオチドレダクターゼR1またはR2遺伝子由来のmRNA領域に相補的である。
本発明はまた、化合物がリボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子の転写および翻訳を阻害し、それにより細胞増殖に影響するかどうかを評価する方法に関し、この方法は、細胞を、リボヌクレオチドレダクターゼをコードする核酸配列を含む組換え分子および核酸の転写または翻訳に必要な要素を含む発現ベクターでトランスフェクトする工程;試験化合物を投与する工程;ならびにリボヌクレオチドレダクターゼの発現レベルと、試験化合物の非存在下におけるコントロールで得られるレベルとを比較する工程を含む。
方法はまた、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用のアゴニストまたはアンタゴニストについてアッセイすることによって、Rasシグナル経路を調節する化合物の能力について化合物を評価することが意図され、これは、試験化合物の存在下でR2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を可能にする条件下でR2およびRaf-1および/またはRac-1を含む反応混合物を提供する工程;R2およびRaf-1および/またはRac-1の間の複合体の形成またはRasシグナル経路の活性化を検出する工程;ならびに試験物質の非存在下でコントロール反応と比較する工程を含む。ここで反応混合物中の低レベルの複合体または活性化は、試験化合物がR2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を妨害することを示し、そして高レベルは、試験化合物がR2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を増強することを示す。
本発明はまた、細胞増殖、好ましくは腫瘍細胞増殖を調節するための薬学的組成物を提供する。これは、R1またはR2の発現の少なくとも1つのインヒビター、好ましくは本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または本発明の方法によって同定された化合物を、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を有する混合物において含む。
本発明はまた、細胞増殖、好ましくは腫瘍細胞増殖を、細胞をR1もしくはR2の発現を阻害する少なくとも1つの化合物、好ましくは本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または本発明の方法で同定された有効量の化合物と接触させることによって調節する方法を意図する。
本発明はまた、細胞増殖、好ましくは腫瘍細胞増殖を減少させる方法を提供する。これは、細胞を、R1またはR2の発現の少なくとも1つのインヒビター、好ましくは本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または本発明の方法によって同定された有効量の化合物と接触させる工程を含む。
本発明はまた、腫瘍細胞の化学治療薬剤に対する感受性を増大させるための薬学的組成物を提供する。これは、R1またはR2の発現の少なくとも1つのインヒビター、好ましくは本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または本発明の方法によって同定された化合物を、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を有する混合物において含む。本発明はさらに、化学治療薬剤に対して耐性である腫瘍細胞の増殖を調節するための薬学的組成物を提供する。これは、R1またはR2の発現の少なくとも1つのインヒビター、好ましくは本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または本発明の方法によって同定された化合物を、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を有する混合物において含む。
本発明はまた、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または細胞増殖を調節するための医薬を調製するための、本発明の方法で同定された化合物の使用を意図する。
図面の説明
本発明の他の利点は、添付図面と関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるのと同様に容易に理解される。ここで:
図1A〜Cは、、モノクローナル抗Mycエピトープ抗体9E10(A)、ポリクローナルウサギ抗R2血清(B)を用いるウエスタンブロット分析、ならびに細胞周期の間は、抗体9E10(C)を用いるフローサイトメトリー[Blosmanisら、1987;Chadeeら、1995]による、安定なインフェクタントからのMycタグ化R2発現の分析を示すゲル(AおよびB)および2つのスキャン(C)の写真である。
図2A〜Cは、形質転された焦点を測定する実験の写真(AおよびB)およびグラフ(C)である。ここで、(A)は、BALB/c 3T3(a)およびNIH 3T3(b)細胞のSH/mR2での感染が、病巣形成を導かなかったことを示す。(B)T24 H-rasプラスミドで形質転換した後の、B3/SH(a)およびN3/SH(c)と比較してB3/mR2(b)およびN3/mR2(d)との病巣形成における増加があった。(C)3つの独立したrasトランスフェクション実験において形成された焦点の数をプロットした。
図3A〜Cは、軟寒天増殖の写真(A)およびグラフ(BおよびC)を示す。ここで、(A)は、ras形質転換細胞におけるMyc-R2の発現が軟寒天における増殖効率の増加を生じることを示す。示される例は、r-3/mR2および非感染のr-3細胞である(表1を参照のこと)。(B)対数増殖培養物からの3×105細胞が回収され、そして5匹の同系C3H/HeNマウス/細胞株/実験に皮下注射されるC1/SHコントロール細胞と比較した場合、C1/mR2細胞は腫瘍潜在性の減少および増殖速度の増加を示した。示される結果は、2つの独立した実験由来である。腫瘍増殖速度のt試験分析のp値が示され、そして2つの細胞株の増殖速度が有意に異なることを示す。(C)C1/mR2細胞は、上昇した転移潜在性を示す。
図4A〜Cはグラフである。ここで、(A)は、R2過剰発現細胞中の膜に結合するRaf-1タンパク質の増加量を示す。組換えR2発現細胞株B3/mR2、N3/mR2、C1/mR2、r-2/mR2、r-3/mR2、およびNR4/mR2(R2)は、それらのそれぞれのコントロール株B3/SH、N3/SH、C1/SH、r-2/SH、r-3、およびNR4(コントロール)と比較された。全ての場合において、組換えR2を発現する細胞は、Raf-1タンパク質と結合した膜の増加を示し、そして2つの群の細胞株が比較された場合、それらは、t試験分析によって有意に異なることが見いだされた(p<0.001)。(B)また、R2過剰発現細胞においてタンパク質キナーゼ(MAPK-2)を活性化する分裂促進因子の活性における増加を示す。組換えR2発現株B3/mR2、N3/mR2、10T/mR2、C1/mR2、r-2/mR2、およびNR4/mR2(R2)は、LXSH(コントロール)で感染されたそれらのそれぞれのコントロール株と比較した。試験した全ての場合において、R2組換えを発現する細胞が、酵素活性の増加を示し、そして2つの群の間の差異は、高度に有意であった(p<0.001)。(C)活性化V12 Rac-1プラスミド(Jelinekら、1994)での形質転換後のN3/SH細胞と比較して、N3/mR2細胞での焦点形成の増加を示す。示される焦点の数は、2つの独立した実験からの平均±SEを示す。
図5A〜Bは、CAD(A)およびDHFR(B)DNAのマウスL細胞とのサザンブロット分析の例を示すゲルの写真である。(A)コントロールとして、薬物に暴露されていないH-4細胞(a)、50μM PALAの存在下(b)、または60μM PALAの存在下(c)で発生したコロニーからのH-4細胞。DNAは、Xba1で完全に切断された。(B)コントロールとして、薬物で暴露されていないSC2細胞(a)、80nMメトトレキセート(MTX)の存在下で発生したコロニーからのSC2細胞(b)および(c)。DNAは、Pst1で完全に切断された。
図6A〜Bは、BALB/c 3T3細胞を用いたCAD(A)およびDHFR(B)DNAのサザンブロット分析の例を示すゲルの写真である。DNAは、Pst1で完全に切断された。(A)PALAに暴露されていないB3/mR2細胞(a)、および、40M PALAの存在下(b)、または50μM PALAの存在下(c)で発生したコロニーからのB3/mR2細胞。(B)MTXに暴露されていないB3/mR2細胞(a)、および、60nM MTXの存在下(b)、または80nM MTXの存在下(c)で発生したコロニーからのB3/mR2細胞。
図7は、N/R2-4(a)およびN/R2+ASR2(b)細胞におけるR2タンパク質レベルのウェスタンブロット分析の写真である。ベクターR2タンパク質をトランスフェクト細胞中の内因性遺伝子と区別するために、10のアミノ酸およびメチオニンをコードするヒトc-mycエピトープが、R2のcDNAの5’末端に配置された。組換え(上部バンド)および内因性(下部バンド)R2タンパク質が、レーンaに観察され、そして細胞を含むR2アンチセンスにおいて顕著に減少される(レーンb)。両方の細胞株は、約16時間の倍増時間とほぼ同じ時間で増殖した。
図8は、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアの存在下で発生したコロニーからの細胞における、p53-DNA結合活性を示すゲルの写真である。(a)p53-ヌル(null)であるコントロール1B細胞、(b)20μM PALAの存在下で増殖したB3/mR2細胞、(c)40μM PALAの存在下で増殖したB3/R2c2細胞、(d)40nM MTXの存在下で増殖したB3/mR2細胞、(e)60nM MTXの存在下で増殖したB3/R2c2細胞、(f)0.20mMヒドロキシウレアの存在下で増殖したB3/mR2細胞、および(g)0.30mMヒドロキシウレアの存在下で増殖したB3/R2c2細胞。細胞は、抗体421(これは、p53のDNA結合を活性化する)の存在下で、32P標識化p53コンセンサス結合配列とともにインキュベートされた。1Bコントロールp53-ヌル細胞を除く全ての細胞株における複合体の存在に注意のこと。低分子量の複合体形成はp53-DNA結合から生じ、そして高分子量の複合体形成は抗体スーパーシフト化(supershifted)p53-DNA結合から生じる。
図9は、(a)H-rasガン遺伝子を含むNIH-3T3マウス細胞、(b)H-rasガン遺伝子およびR2アンチセンス配列を含むNIH-3T3マウス細胞、および(c)H-rasガン遺伝子およびR2のコード領域配列を含むNIH-3T3マウス細胞、における形質転換焦点の数を示すグラフである。結果は3つの実験の平均である。
図10A〜Bは、L60マウス腫瘍細胞におけるリボヌクレオチドレダクターゼR2タンパク質レベルの、AS-II-626-20阻害(A)および種々のR2アンチセンスオリゴヌクレオチド(B)による阻害のウエスタンブロット分析の写真である。
好ましい実施態様の詳細な説明
1.アンチセンスおよびリボザイム
本発明は、リボヌクレオチドレダクターゼタンパク質の発現を阻害し、そしてそれにより細胞増殖を調節する化合物を提供する。この化合物は、遺伝子の転写、またはmRNAのタンパク質への翻訳を阻害することによって、リボヌクレオチドレダクターゼの発現を阻害し得る。このような化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムを含み得る。
本明細書中で使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、その標的に相補的なヌクレオチド配列を意味する。
用語「オリゴヌクレオチド」は、天然に存在する塩基、糖、および糖間(intersugar)(骨格)結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオチドモノマーのオリゴマーまたはポリマーを意味する。用語はまた、天然には生じないモノマーまたはその一部(同様の機能)を含む改変または置換されたオリゴマーを含む。このような改変または置換されたオリゴマーは、増強された細胞の取り込み、またはヌクレアーゼの存在下での増加した安定性などの特性により、天然に存在する形態よりも好適であり得る。この用語はまた、2つ以上の化学的に別の領域を含むキメラオリゴヌクレオチドを含む。例えば、キメラオリゴヌクレオチドは、有益な特性(例えば、増加したヌクレアーゼ耐性、細胞への増加した取り込み)を付与する改変ヌクレオチドの少なくとも1つ以上の領域を含み得るか、または本発明の2つ以上のオリゴヌクレオチドは、キメラオリゴヌクレオチドを形成するために結合され得る。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、リボ核酸またはデオキシリボ核酸であり得、そしてアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、およびウラシルを含む天然に存在する塩基を含み得る。オリゴヌクレオチドはまた、以下のような改変塩基を含み得る:キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、および他のアルキルアデニン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、6-アザウラシル、6-アザシトシン、および6-アザチミジン、シュードウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオールアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、および他の8-置換アデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオールアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、および他の8-置換グアニン、他のアザおよびデアザウラシル、チミジン、シトシン、アデニン、またはグアニン、5-トリフルオロメチルウラシル、および5-トリフルオロシトシン。
本発明の他のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、改変亜リン酸、リン酸骨格中の酸素ヘテロ原子、短鎖アルキルもしくはシクロアルキル糖間(intersuger)結合、または短鎖ヘテロ原子もしくはヘテロ環状糖間結合を含み得る。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、およびホスホロジチオエートを含み得る。本発明の実施態様において、4〜6の3’末端塩基の間に結合するホスホロチオエート結合が存在する。別の実施態様において、ホスホロチオエート結合は、全てのヌクレオチドを結合する。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、治療または実験試薬としてより適合し得るヌクレオチドアナログを含み得る。オリゴヌクレオチドアナログの例は、ペプチド核酸(PNA)である。ここで、DNA(またはRNA)中のデオキシリボース(またはリボース)リン酸骨格は、ペプチドにおいて見いだされる骨格(P.E.Nielsenら、Science 1991,254,1497)と類似のポリアミド骨格で置換される。PNAアナログは、酵素による分解に耐性であり、インビボおよびインビトロで拡張した生存を有することが示されている。PNAはまた、PNA鎖とDNA鎖との間の荷電相反(repulsion)の欠失のために、相補的DNA配列により強く結合する。他のオリゴヌクレオチドは、ポリマー骨格、環状骨格、または非環状骨格を含むヌクレオチドを含み得る。例えば、ヌクレオチドは、モルホリノ骨格構造を有し得る(米国特許第5,034,506号)。オリゴヌクレオチドはまた、レポーター基(オリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基のような基を含み得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、糖模倣物を有し得る。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ダイマー形成の最小の可能性、自己相補性相互作用、および標的配列とは異なるリボヌクレオチドレダクターゼmRNAに対する結合可能性を示すようなものから選択され得る。これらの特性は、コンピューターモデリングプログラムOLIGO Primer Analysis software Version 3.4(National Biosciences)を用いて決定され得る。プログラムは、これらの3つのパラメーターの定性評価の決定を可能にし、そして「可能性無し」;「いくらかの可能性」;または「本質的に完全な可能性」を示す。オリゴヌクレオチドは、表7および11に記載されるような全ての3つのパラメーターにおいて、好ましくは「いくつかの可能性」または「可能性無し」、最も好ましくは「可能性無し」の評価を有するものから選択される。オリゴヌクレオチドはまた、それらの機能が、任意の改変または置換によって実質的に影響されないものから選択される。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子からのmRNA領域に相補的である。より好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドレダクターゼR2遺伝子からのmRNA領域に相補的である。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、一般的に、少なくとも7ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ、より好ましくは、少なくとも20ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ、最も好ましくは、30〜35ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含む。本発明の好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列は、表11および7に見いだされ得、そして配列番号1〜102および配列番号103〜161である。より好ましいオリゴヌクレオチドは、表12に示される。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、表7に示されるように、配列番号1、2、12、16、18、21、25、29、34、42、44、45、46、52、53、59、60、64、65、66、68、69、70、72、73、74、76、78、79、80、90、91、92、96、99、100、および102を有する。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、従来の技術および周知の技術によって調製され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、固相合成を用いて、特にApplied Biosystemsから入手可能な装置のような市販の装置を用いて調製され得る。それらの活性を妨害する任意の他の要因を含まないように、オリゴヌクレオチドを実質的に精製することもまた好ましい。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、遺伝的相補性技術を用いて、または本明細書中に記載のプローブを用いて同定され得る。改変または置換アンチセンスオリゴヌクレオチドを調製することもまた、当業者に良好である。
リボザイム配列もまた、細胞増殖を調節するために使用され得る。リボザイムは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドに相同または相補的な配列、およびオリゴヌクレオチドを切断するために必要な触媒中心を有する。本発明に有用なリボザイムの型は、当該分野で公知の型から選択され得る。いくつかのリボザイム構造ファミリーが同定されている。これらは、グループIイントロン、Rnase P、D(delta)型肝炎ウイルスリボザイム、ハンマーヘッド型リボザイム、および本来はタバコリングスポット(ringspot)ウイルスサテライトRNA(sTRSV)(Sullivan,1994,米国特許第5,225,347号、カラム4〜5)のネガティブ鎖由来のヘアピン型リボザイムを含む。後者の2つのファミリーは、ウイロイドおよびウイルソイド由来であり、ここでリボザイムは、ローリングサイクル複製の間に作製されるオリゴマー形態モノマーを分離すると考えられる(Symons,1989および1992)。ハンマーヘッド型およびヘアピン型リボザイムモチーフは、遺伝子治療のためのmRNAのトランス切断に、最も一般的に適用される(Sullivan,1994)。現在臨床試験であるヘアピン型リボザイムは、本発明において好ましく使用される。一般的には、リボザイムは、30〜100ヌクレオチド長である。
2.化合物を評価する方法
本発明は、化合物が、リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子の転写または翻訳を阻害し、それにより細胞増殖を調節する(すなわち減少させる)がどうかを評価する方法を意図する。この方法は、細胞を、リボヌクレオチドレダクターゼをコードする核酸配列および核酸の転写または翻訳に必要な要素を含む発現ベクターでトランスフェクトする工程;試験化合物を投与する工程;および試験化合物の非存在下で、リボヌクレオチドレダクターゼの発現のレベルとコントロールで得られるレベルとを比較する工程を含む。
リボヌクレオチドレダクターゼをコードする核酸配列を含む発現ベクターは、当該分野で公知の手順を用いて、遺伝子の配列を考慮して構築され得る。適切な転写および翻訳要素は、種々の供給源(細菌遺伝子、真菌遺伝子、ウイルス遺伝子、哺乳動物遺伝子、または昆虫遺伝子を含む)に由来し得る。適切な要素の選択は、選択された宿主に依存し、そして当業者によって容易に達成され得る。
レポーター遺伝子の例は、βガラクトシダーゼ(例えば、lacZ)、クロラムフェニコール、アセチルトランスフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、またはイムノグロブリンもしくはそれらの一部のようなタンパク質をコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の転写は、βガラクトシダーゼなどのようなレポータータンパク質の濃度の変化によってモニターされる。これは、リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子の発現における物質の効果を決定するために、組換え分子の発現の可視化およびアッセイを可能にする。
本発明を実施するのに適切な宿主細胞としては、CHO、COS、BHK、293、およびHeLaが挙げられる。哺乳動物細胞のトランスフェクションのためのプロトコルは、当該分野で周知であり、そしてリン酸カルシウム媒介エレクトロポレーション、ならびにレトロウイルスおよびプロトプラスト融合媒介性トランスフェクションを含む。
本発明者らは、R2がRaf-1および/またはRac-1と相互作用または協同し、それによりRasシグナル経路に影響することを見いだした。従って、本発明はまた、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用のアゴニストまたはアンタゴニスト(すなわち刺激因子または阻害因子)についてアッセイすることによって、Rasシグナル経路を調節するその能力について、化合物を評価する方法を意図する。化合物が、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用のアゴニストまたはアンタゴニストであるかどうかを評価する基本的な方法は、試験化合物の存在下で、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を可能にする条件下で、R2ならびにRaf-1および/またはRac-1を含む反応混合物を調製することである。試験化合物は、混合物に最初に添加され得るか、またはR2ならびにRaf-1および/またはRac-1の添加に続いて添加され得る。試験化合物を含まないかまたは偽薬を含むコントロール反応混合物もまた調製される。複合体の形成または経路の活性化が検出され、そしてコントロール反応物中では複合体が形成されるかまたは経路が活性化されるが、反応混合物中では複合体が形成されずまたは経路も活性化されるないということは、試験化合物が、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を妨害することを示す。反応は液相で行われ得るか、あるいはR2ならびにRaf-1および/もしくはRac-1、または試験化合物は固定化され得る。
本発明はまた、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用のアゴニストの効果を阻害するアンタゴニストについてのスクリーニングを可能にする。従って、本発明を使用して、R2の同じ結合部位と競合する化合物についてのアッセイし得る。
本発明はまた、R2と相互作用するタンパク質に結合し、それによりR2を阻害する化合物を同定するための方法を意図する。タンパク質-タンパク質相互作用は、同時免疫沈降、架橋および勾配またはクロマトグラフィーカラムを介する同時精製のような従来の方法を用いて同定され得る。R2と相互作用するタンパク質をコードする遺伝子の同時同定を生じる方法もまた使用され得る。これらの方法は、標識化R2で発現ライブラリーをプローブする工程を包含する。
ツーハイブリッドシステムはまた、インビボでのタンパク質相互作用を検出するのに使用され得る。一般的には、2つのハイブリッドタンパク質をコードするプラスミドが構築される。第1のハイブリッドタンパク質は、R2に融合した転写アクチベータータンパク質のDNA結合ドメインからなり、そして第2のハイブリッドタンパク質は、cDNAライブラリーの一部としてプラスミドに組換えられているcDNAによってコードされる未知のタンパク質に融合した転写アクチベータータンパク質のアクチベータードメインからなる。プラスミドは、その調節領域が転写アクチベーターの結合部位を含むレポーター遺伝子(例えば、lacZ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)を含む酵母の株(例えば、S. cerevisiae)に形質転換される。ハイブリッドタンパク質単独では、レポーター遺伝子の転写を活性化し得ない。しかし、2つのハイブリッドタンパク質の相互作用は機能的アクチベータータンパク質を再構築し、そしてレポーター遺伝子の発現を生じる。これは、レポーター遺伝子産物についてのアッセイによって検出され得る。
融合タンパク質は、上記の方法に使用され得ることが理解される。特に、グルタチオンSトランスフェラーゼに融合したR2がこの方法に使用され得る。
本発明の方法を用いて同定される化合物としては、以下のようなペプチドが挙げられるがこれらに限定されない:Igテイル融合ペプチドを含む可溶性ペプチド、ランダムペプチドライブラリーならびにD-および/またはL-立体配置アミノ酸から作製されるコンビナトリアル化学由来分子ライブラリーのメンバー、ホスホペプチド(ランダムまたは部分縮重した定指向ホスホペプチドライブラリーのメンバーを含む)、抗体(例えば、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗イデオタイプ、キメラ、短鎖抗体)、フラグメント(例えば、Fab、F(ab)2、およびFab発現ライブラリーフラグメント、ならびにそれらのエピトープ結合フラグメント、ならびに小有機または非有機分子。化合物は、内因性生理学的化合物であり得るか、または天然または合成化合物であり得る。
本発明の方法を適用するのに適切な、R2とRaf-1および/またはRac-1との相互作用を調節する化合物を評価するための試薬は、適切な容器に封入された必要な物質を提供する簡便なキットに封入され得る。キットはまた、本発明の方法を実施するのに有用な適切な支持体を含む。
本明細書中に記載される方法を用いて同定された化合物、および本明細書中に記載されるR2発現の他のインヒビター(例えば、R2に対するアンチセンス)は、Ras経路を調節するために使用され得る。特に、化合物は、Raf-1および/またはRac-1のシグナル伝達特性の阻害;細胞増殖の阻害、細胞周期の改変、ならびに自己免疫疾患を有する患者における免疫応答をダウンレギュレートするために使用され得る。本発明の実施態様において、化合物は、抗ガン遺伝子活性または腫瘍抑制活性を有する。
3.細胞増殖/転移を調節するための方法および組成物
本発明の方法を用いて同定される、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物は、細胞増殖、特に腫瘍細胞増殖を調節する。従って、細胞増殖、好ましくは腫瘍細胞増殖を妨害する方法が提供される。これは、組織または細胞と、本発明の方法を用いて同定された1つ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物とを接触させる工程を含む。好ましくは、表7または11または12に示されるようなアンチセンスオリゴヌクレオチドが投与される。
用語「接触」は、液体キャリア中のアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイムなどの、細胞懸濁物または組織サンプルへの添加、あるいはオリゴヌクレオチドなどを、動物内の細胞または組織に直接的または間接的に投与することをいう。
方法は、以下に挙げられる増殖性疾患を治療するのに使用され得る。種々の形態のガン(例えば、白血病、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、肉腫、黒色腫、腺腫、固形組織の悪性腫瘍、低酸素性腫瘍、口、咽喉、咽頭、および肺の扁平上皮細胞悪性腫瘍、尿生殖器ガン(例えば、子宮頚ガンおよび膀胱ガン)、造血性ガン、大腸ガン、乳ガン、膵臓ガン、頭部および頸部ガン、ならびに神経系ガン、良性病変(例えば、乳頭腫、関節硬化症、乾癬症、一次および二次polythemia、肥満細胞症、自己免疫疾患、血管新生、細菌感染、ならびにウイルス感染(例えば、HIV感染、肝炎、またはヘルペス感染)。
本発明の方法を用いて同定される、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物はまた、薬剤耐性腫瘍を処置するために使用され得る。薬剤耐性腫瘍の例は、ヒドロキシウレアに耐性の腫瘍;複数の抗ガン薬(例えば、コルヒチン、ビンブラスチン、およびドキソルビチン)への耐性を付与することが公知である高レベルのP-糖タンパク質を発現する腫瘍;またはR. Deeleyら、Science,258:1650-1654,1992に記載されるような複数薬剤耐性タンパク質を発現する腫瘍である。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、転移を減少させることが見いだされている。本発明の実施態様において、被験体における転移を減少させるための方法が提供される。これは、転移を減少させるのに有効な量の本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を含む。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1〜102または配列番号103〜161に示される配列を有し、最も好ましくは、表12に示される配列を有する。
選択されたアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物は、細胞増殖および特に腫瘍細胞増殖を調節するそれらの能力、または本明細書中に記載されるインビトロ系およびインビボ系での転移を減少させるそれらの能力について試験され得る。
治療適用のために、本発明の方法を用いて同定された、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物が、薬学的組成物に処方され得る。薬学的組成物は、被験体に投与するのに適切な生物学的適合性形態での被験体への投与のために、本発明の方法を用いて同定された1つ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物を含む。本発明の組成物は、ヒトおよび種々の他の動物(例えば、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、およびネコ)への投与のために意図され得る。
本発明の薬学的組成物は、局所処置または全身処置が望まれるか否かに依存して、そして処置される領域に依存して異なる方法で投与され得る。組成物は、経口、皮下、または非経口(静脈内、動脈内、筋肉内、腹膜内、および鼻腔内投与を含む)、ならびにくも膜下内、および処置される悪性腫瘍細胞によって要求されるような注入技術で投与され得る。CNSくも膜下内送達のために、送達は、例えばOmmayaリザーバーまたは当該分野で公知の他の方法で使用され得る。薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、アジュバント、およびビヒクル、ならびに移植キャリアは、一般的に、不活性な非毒性固体または液体フィルター、希釈剤、または本発明の活性な成分と反応しない包膜化物質をいう。カチオン性脂質(例えば、Lipofectin, Life Technologies)はまた、オリゴヌクレオチドの取り込みを促進するために、組成物に含まれ得る。化合物の移植はまた有用である。一般的には、薬学的組成物は滅菌される。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムは、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターを用いて送達され得る。配列は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムが細胞内で発現されるようなカセットまたは構築物に導入され得る。一般的には、構築物は、オリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドが細胞中で転写されるように適切な転写制御領域を含む。
従って、本発明は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムをコードする配列に作動可能に連結する転写制御配列を含むベクターを提供する。本発明はさらに、適切な真核生物または原核生物細胞から選択され、これらのベクターで形質転換される宿主細胞を提供する。このような形質転換細胞は、悪性腫瘍の機能および調節の研究、ならびに本発明の処置を可能にする。
ベクターは公知であるか、または当業者によって構築され得、そして配列の所望の転写を達成するのに必要な全ての発現要素を含むべきである。異なる形態における核酸の回収についての機構のような他の有利な特徴がまた、ベクター内に含まれ得る。ファージミドは、このような有利なベクターの特定の例である。なぜなら、それらは、プラスミドまたはバクテリオファージベクターのいずれかとして使用され得るからである。他のベクターの例としては、バクテリオファージ、バキュロウイルス、およびレトロウイルスのようなウイルス、DNAウイルス、リポソーム、ならびに他の組換えベクターが挙げられる。ベクターはまた、原核生物または真核生物のいずれかの宿主系における使用のための要素を含み得る。当業者には、どの宿主系が特定のベクターと適合するかは公知である。
ベクターは、当該分野で公知の種々の方法のいずれか1つによって、細胞または組織に導入され得る。このような方法は、一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York(1989,1992)、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland(1989)、Changら、Somatic Gene Therapy, CRC Press, Ann Arbor, MI(1995)、Vegaら、Gene Targeting, CRC Press, Ann Arbor, MI(1995)、Vectors: A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses, Butterworths, Boston MA(1988)、およびGilboaら、(1986)の記載に見いだされ得、そして、例えば、安定性または一過性のトランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、および組換えウイルスベクターでの感染を含む。
感染による核酸の導入は、いくつかの利点を提供する。高い効率がそれらの感染性質に起因して得られ得る。さらに、ウイルスは非常に特殊化され、そして代表的には、特定の細胞型において感染および増殖する。従って、これらの性質特異性は、ベクターを、インビボまたは組織もしくは細胞の混合培養物内の特定の細胞型に標的化するのに使用され得る。ウイルスベクターはまた、レセプター媒介事象を介して、標的特異性を改変するための特定のレセプターまたはリガンドで改変され得る。
さらなる特徴は、ベクターに、その安全性を確実にし得、そして/またはその治療効率を増強し得るように付加され得る。このような特徴は、例えば、組換えウイルスで感染した細胞に対してネガティブに選択するために使用され得るマーカーを含む。このようなネガティブ選択マーカーの例は、抗ウイルスガンシクロビルに対する感受性を付与するTK遺伝子である。ネガティブ選択は、それゆえ、感染が制御され得る手段である。なぜなら、抗生物質の添加を介する誘導性自殺を提供するからである。このような保護は、例えば、変異がウイルスベクターまたは配列の改変形態の産生を生じる場合、細胞性形質転換が生じないことを確実にする。特定の細胞型に対する発現を制限する特徴もまた含まれ得る。このような特徴は、例えば、所望の細胞型に特異的であるプロモーターまたは調節要素を含む。
組換えウイルスベクターは、所望の核酸のインビボでの導入に有用なベクターの別の例である。なぜなら、それらは、側方感染および標的特異性のような利点を提供するからである。側方感染は、例えば、レトロウイルスのライフサイクルに固有であり、そして1つの感染細胞が出芽しない(bud off)多くの子孫ウイルスを産生し、そして付近の細胞に感染するプロセスである。結果は、大きな領域が迅速に感染され、その多くがもとのウイルス粒子によって最初に感染されていなかったということである。このことは、感染因子が娘子孫を介してのみ広がる垂直型の感染と対称的である。側方に広がり得ないウイルスベクターがまた、産生され得る。この特徴は、所望の目的が、特定の遺伝子を限局した数の標的細胞にのみ導入することの場合に有用であり得る。
本発明の方法において使用されるベクターは、標的される所望の細胞型に依存して選択され得る。例えば、乳ガンが処置される場合、次いで、このような上皮細胞に特異的なベクターが使用されるべくである。同様に、造血系の細胞が処置される場合、次いで、血液細胞およびそれらの前駆体、好ましくは特定の型の造血細胞に特異的なウイルスベクターが使用されるべきである。
レトロウイルスベクターは、感染性粒子として機能するか、または最初の1回の感染のみを起こすかのいずれかのように構築され得る。前者の場合、ウイルスのゲノムは、それが新たなウイルスタンパク質およびRNAを合成するための必要な遺伝子、調節配列、およびパッケージングシグナルを全て維持するように、改変される。一旦これらの分子が合成されると、宿主細胞は、RNAを、さらなる回の感染を起こし得る新しいウイルス粒子にパッケジーングする。ベクターのゲノムはまた、所望の組換え遺伝子をコードしそして発現するように操作される。非感染性ウイルスベクターの場合、ベクターゲノムは、通常、RNAをウイルス粒子に包膜化するのに必要とされるウイルスパッケージングシグナルを破壊するように変異される。このようなシグナルを含まなければ、形成される任意の粒子はゲノムを含まず、従って後続の回の感染を起こし得ない。特定の型のベクターは、意図される適用に依存する。実際のベクターもまた公知であり、そして当該分野で容易に入手可能であるか、または周知の方法論を用いて当業者によって構築され得る。
ウイルスベクターが使用される場合、例えば、手順は、それらの標的特異性を利用し、そして結果として、所望の部位で局所的に投与されなくても良い。しかし、局所投与は、迅速でより効果的な処置を提供し得、投与はまた、例えば、被験体への静脈内または皮下注射によって実施され得る。ウイルスベクターの脊髄液への注射もまた、投与の態様として使用され得る。注射に続いて、ウイルスベクターは、それらが感染に対する適切な標的特異性を有する宿主細胞を認識するまで、循環する。
リポソームのようなトランスフェクションビヒクルもまた、上記の非ウイルスベクターを、接種領域内のレシピエント細胞に導入するのに使用され得る。このようなトランスフェクションビヒクルは、当業者に公知である。
本発明の薬学的組成物およびベクターは、他の薬剤との組み合わせまたは単独で投与され得、当業者に公知の良好な医療慣習および処置様式と一致し得る。本発明の組成物などと組み合わせて投与され得る他の薬物の例は、細胞傷害性剤、免疫毒素、アルカリ化剤、抗代謝剤、抗腫瘍抗生物質、および他の抗ガン剤である。
アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および化合物の投薬は、数日から数ヶ月または疾患の減少が達成されるまで持続する治療単位の処置で処置される状態の重傷度および応答性に依存する。最適な投薬スケジュールは、身体の薬物蓄積の測定を用いて計算され得る。当業者は、最適投薬量、投薬方法論、および反復速度を容易に決定し得る。最適投薬量は個々のオリゴヌクレオチドの相対的な強度に依存して変化し得、そして一般的には、インビトロおよびインビボでの動物研究におけるED50に基づいて決定され得る。本発明の薬学的組成物またはベクター、および組合せ薬物は、非細胞傷害性用量または細胞傷害性用量で各々投与され得るか、あるいは一方は細胞傷害性用量で投与され得、そして他方は非細胞傷害性用量で投与され得る。用量は、相乗効果を提供するために選択され得る。
実施例
本実施例は、遺伝子移入技術によって達成される調節解除されたR2発現を含む細胞の特徴と関連する悪性腫瘍の分析を提供する。R2の過剰発現は、活性化H-rasでのトランスフェクションに続いて、マウス線維芽細胞による形質転換焦点形成の増加した頻度を導く。さらに、ras形質転換細胞における組換えR2の発現は、軟寒天における増強されたコロニー形成効率を生じ、そしてインビボでの腫瘍形成能および転移能を著しく上昇させた。さらに、調節解除されたR2発現は、形質転換機構において、rac-1のような他のガン遺伝子様と協同し得る。
本明細書中の結果は、哺乳動物リボヌクレオチドレダクターゼのR2成分は悪性能を改変するように活性化ガン遺伝子と相乗作用し得る悪性決定因子であることを始めて実証し、そしてこのことは、これらの効果が調節解除されたR2遺伝子発現によってもたらされる主要なRas経路における改変を介して媒介されるモデルを支持する。本明細書に示される観察は、R2もまた、他の重要な細胞の機能に関与し得、そしてガン遺伝子との協同作用を介して悪性能の決定において直接的な役割を果たし得ることを示す。
本実施例はさらに、リボヌクレオチドレダクターゼR2遺伝子発現が、薬物感受性特徴の決定に重要な役割を果たし得、そしてこのことが、ゲノムの不安定性に関与する機構を少なくとも部分的に介して生じるようであることを示す。
異常なR2発現が薬剤感受性を改変する機構は、p53の変異または野生型p53機能の欠失の直接的な関与を必要としないようであるが、p53調節経路の下流の遺伝事象が関与することはあり得る。実施例1に示されるように、増大したR2発現およびRaf-1タンパク質を含むras経路の活性化とマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ-2(MAPK)活性との間に結び付きが存在する。Balb/c 3T3およびNIH-3T3細胞における組換えR2遺伝子発現は、Raf-2タンパク質活性化およびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)活性の両方を有意に増加させる。
上記の観察についての仮説が作製され得るが、本発明をこの1つの作用の様式に限定するように解釈されるべきではない。これらの観察は、R2タンパク質が、MAPK経路におけるシグナル分子として作用し得ることを意味し、さらにリボヌクレオチド減少の律速成分としてのその役割を意味する。c-myc遺伝子の産物のような転写因子は、MAPK経路の下流の標的であり、そして例えば、細胞周期進行の間の通過点の調節に重要である、サイクリンA、D、およびEの発現を制御する(Hunter,1994;1995)。細胞周期通過点制御を損なうことは、ゲノムの不安定化を増強し、そしてDNA増幅を促進する(Kohn,1996;Livingstonら、1992)。c-myc過剰発現はまた、DHFRを含む遺伝子増幅機構に直接関連している(Mai,1994)。これらの観察は、異常なR2発現を介するMAPK経路における改変は、薬剤感受性およびゲノムの完全性において観察される変化に少なくとも部分的に担われ得る。
実施例3は、R1およびR2成分に対して指向される短いアンチセンス配列が抗腫瘍活性を有し、そして新生物細胞に対して細胞傷害性であることを実証する。さらに、R2アンチセンス配列はまた、周知の化学治療薬と相乗的に作用し得る。非常に低濃度(非毒性)の短いアンチセンス配列は、新生物細胞の化学治療薬(例えば、N-(ホスホンアセチル)-L-アスパレート(PALA)およびメトトレキセート(MTX)ならびにヒドロキシウレア)に対する耐性を減少させた。実施例に示されるように、細胞は、アンチセンス配向中にR2配列を含むベクターでトランスフェクトされた。これらの細胞は、化学治療薬に対してより感受性であった。また、薬物耐性であるマウス10T1/2細胞は、アンチセンス配向のR2配列でトランスフェクトされた場合、化学治療薬に対して有意に減少した耐性(増大した感受性)を有することが見いだされた。提供されたR2配列に相補的な短い合成アンチセンス配列もまた、感受性を増大する。
上記の議論は、R2 mRNAに対して指向されるアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムの使用のための実際の基準を提供する。本発明で用いられる方法および有用性は、以下の非制限的な実施例および添付の図面によって示され得る。
一般的な方法:
分子生物学における一般的な方法:当業者に公知であり詳細には記載されない標準的な分子生物学技術は、一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York(1989,1992)、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, Johon Wiley and Sons, Baltimore, Maryland(1989);およびPerbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley & Sons, New York(1988)に従った。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、一般的に、PCR Protocols: A Guide To Methods And Applications, Academic Press, San Diego, CA(1990)のように実施された。
ベクターは、本発明のために、当業者によって構築され得、そして配列の所望の転写を達成するのに必要な全ての発現要素を含むべきである。発現要素は、標的される細胞においてのみ発現するように選択され得る。異なる形態における核酸の回収のための機構のような他の有利な特徴がまた、ベクター内に含まれ得る。当業者には、どの発現要素が特定の細胞型に適合するかが公知である。ベクターは、本明細書中上記のような当業者に公知の種々の方法のいずれか1つによって、細胞または組織に導入され得る。
免疫学における一般的な方法:当業者に公知であり特に記載されない免疫学における標準的な方法は、一般的に、Stitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第8版)、Appleton & Lange, Norwalk, CT(1994)、ならびにMishellおよびShiigi(編)、Selected Methods in Cellular Immnology, W.H. Freeman and Co., New York(1980)に従った。
腫瘍形成および転移についてのアッセイ:悪性能を、以前に報告されたように(Wright,1989a;Eganら、1987a、1987b;Damenら、1989;Taylorら、1992;Stokoeら、1994)決定した。6〜8週齢のC3H/HeN同系マウス(Charles River, Qubec)を使用して、細胞の腫瘍形成能および転移能を評価した。細胞をサブコンフルエントから調製し、対数増殖的に培養物を培養し、トリプシン/EDTA溶液で穏やかに処理することによって回収し、そして平衡化塩溶液中に適切な濃度に調整した。
腫瘍形成能(腫瘍潜在性)アッセイのために、0.1ml容量中の1×105細胞を、マウスの背中に皮下注射し、そして触診によって検出可能な腫瘍(2×2mm)を形成するのに必要な時間を記録した。腫瘍の増殖もまた、腫瘍の直径を測定し、そして腫瘍の出現後の各日に腫瘍の基本領域測定することによって評価した(Damenら、1989)。腫瘍のサイズを、腫瘍の横断面の大きさを増加させることによって決定した。21日後に腫瘍をマウスから取り出し、そして腫瘍の重量を記録した。腫瘍が形成されない場合、マウスを注射後2ヶ月間維持し、そして屠殺した。
実験的な転移アッセイ(転移能の決定)のために、0.2ml容量中の1×105細胞を、6〜8週齢のC3H/HeN同系マウスの尾静脈に注射し、そして21日後に肺腫瘍の数の評価を行った。マウスを屠殺し、そして肺をBouin溶液(ピクリン酸、ホルムアルデヒド、酢酸(15:5:1))を気管内に注射することによって染色した(Eganら、1987b;Damenら、1989)。肺腫瘍を、解剖顕微鏡の補助を用いて計数した。等しい数の試験細胞およびコントロール細胞が注射されたことを確認するために、増殖培地を含む2連の培養プレートを、1プレートあたり100細胞で接種した。培養の10日後、プレートをメチレンブルーで染色し、そしてコロニーを計数した。
リボヌクレオチドレダクターゼアッセイ:細胞から調製された粗抽出物におけるリボヌクレオチドレダクターゼ活性を、以前に記載のように(Lewisら、1978;HurtaおよびWright,1992;Hurtaら、1995)アッセイする。酵素調製物を、3サイクルの凍結-融解によって、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.2、1mMジチオスレイトールおよび1mMプロテアーゼインヒビター(AEBSF, Calbiochem, San Francisco, CA)を含む)に溶解させた対数増殖細胞から得る。遠心分離の後に、上清を、以前に記載されているように(Lewisら、1978;HurtaおよびWright,1992;Fanら、1996;Choyら、1988)、[14C]-CDPを用いる酵素活性アッセイ(Moravek Biomedical, Brea, CA)のために使用する。
ウエスタンブロット分析:使用した手順は報告されている(Fanら、1996a;1996b;Choyら、1988)。簡潔には、細胞抽出物調製後に、全タンパク質含有量を決定し、そしてアリコートを10%直線勾配SDS-ポリアクリルアミドゲルで分析した。タンパク質の移行およびブロッキングの後、メンブレンを抗R2ウサギポリクローナル抗体とともにインキュベートする。アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Sigma)を、タンパク質R2検出のために使用した。
実施例1
R2は活性化ガン遺伝子と協同する
リボヌクレオチドレダクターゼの律速R2成分の調節解除された発現の悪性能を決定するために、R2成分(Fanら、1996b)を有するレトロウイルス発現ベクター(SH/mR2)で安定に感染させた細胞の特性を研究した。さらに、R2と活性化ガン遺伝子との間の相互作用を調査した。
材料および方法
発現ベクター:ヒトMycエピトープタグ化マウスR2成分についてのレトロウイルス発現ベクターSH/mR2を構築し、そしてFanら(1996b)に記載のようにパッケージングした。ウイルスストックの感染性は、>1×104コロニー形成単位/mlであった。T-24 H-rasおよび選択マーカーneoを発現するプラスミドpH06Tiを、悪性腫瘍形成のために使用した(Eganら、1987a、1987b;Taylorら、1992)。活性化Rac-1プラスミド(V12 Rac-1)は、M. Symonsによって親切に提供された(Stokoeら、1994)。
細胞および細胞培養:マウス細胞株(BALB/c 3T3、NIH 3T3、T24 H-ras形質転換10T1/2細胞の4つの株(C1、NR4、r-2およびr-3と称される))は、R2レトロウイルスベクターのレシピエントとして以前に使用されている(Fanら、1996b)。細胞を、10%ウシ血清(Fetalclone III, Hyclone, Logan, UT)を補充したα最小必須培地(α-MEM)(Gibco, Grand Island, NY)で日常的に培養した。細胞のポリブレンの存在下でSH/mR2またはコントロールウイルスLXSHでの感染を行い(Millerら、1993)、そして安定な感染物(>1×104クローン)を、ハイグロマイシン選択を用いて得、そしてプールした(Fanら、1996b;Millerら、1993)。細胞分裂時間、プレーティング効率、相対コロニー形成効率を比較することによるヒドロキシウレア細胞傷害性に対する相対感受性の決定を、以前に記載(Lewisら、1978;Eganら、1987a;;HardsおよびWright,1981)のように行った。
軟寒天における増殖を、15mlの基礎寒天(α-MEM+10%ウシ血清中に0.5%Bacto-agar)および10mlの増殖寒天(10%ウシ血清を含むα-MEM中0.33%寒天)を含む10cm組織培養プレートにおいて測定した。細胞をサブコンフルエント培養物から得、そしてコロニーを10〜15日後に計数した(Eganら、1987a、1987b;HardsおよびWright,1981)。形質転換もまた、細胞をSH/mR2もしくはLXSHで感染させた後、またはリン酸カルシウム沈殿法によってT24 RasまたはV12 Rac-1プラスミドでトランスフェクトした後に、焦点形成を決定することによって分析した(Taylorら、1992)。感染またはトランスフェクション後40時間で、細胞を3つの10cm組織培養プレートに分割し、それらに10〜14日間毎日20mlの新鮮な完全培地(α-MEM+10%ウシ血清)を提供した。メチレンブルーで染色し、そして焦点を計数した(Taylorら、1992)。全ての実験のトランスフェクションの頻度を、Esherichia coli由来のβガラクトシダーゼについての哺乳動物発現プラスミドの、T-24 RasプラスミドまたはV-12 Rac-1プラスミドとの同時感染、続いて、細胞のX-galでの処理、そして青色細胞の数の計数(Priceら、1987)によって日常的に決定した。いくつかの場合、T-24 Rasプラスミドトランスフェクトプレートをゲネチシンで選択し、そして薬物耐性コロニーを、メチレンブルーで染色の約14日後に計数した。
腫瘍形成能および転移についてのアッセイ:悪性能を本明細書中に上記のように決定した。
タンパク質R2分析:例えば、抗mycマウスモノクローナル9E10抗体(ATCC,Rockville,MD)(Fanら、1996b)または抗R2ウサギポリクローナル抗体(Chanら、1993)のいずれかを用いる、ウエスタンブロット分析についての手順は以前に記載されている。細胞周期の間の組換えR2タンパク質発現を決定するために、フローサイトメトリー分析を、以前に記載のように(Blosmanisら、1987;Chadeeら、1995)、9E10/フルオレセインイソチオシアネート抗体標識に従って実施した。膜会合Raf-1タンパク質の決定:膜画分を、Quiら(1995)に記載のように調製し、そしてタンパク質含有量を標準的なBio-Radアッセイによって決定した後に、Raf-1タンパク質に特異的なポリクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology Inc.,Santa Cruz, CA)を用いるウエスタン分析のために使用した。Raf-1バンドの密度分析を行い、そして各試料からのRaf-1タンパク質の量を、クマシーブルーで染色した平行ゲル上の良好に分離したバンドの密度分析によって補正した。
リボヌクレオチドレダクターゼアッセイ:アッセイを、本明細書中の上記のように行った。いくつかの実験において、酵素アッセイを、精製組換えR1タンパク質(Salemら、1993)を、9E10抗体沈殿R2タンパク質(HurtaおよびWright,1992)と結合させることによって行った。本実施例において、20μgの9E10抗体および50μlのStaphylococcalプロテインA-アガロース(Sigma Chem. Co., St. Louis, MO)を、遠心分離した溶解細胞の上清の1mlに添加し、そして4℃にて2時間ロッカー(rocker)においた。StaphylococcalプロテインAアガロース-免疫複合体を、1mg/mlウシ血清アルブミンを含む1mlの冷リン酸緩衝液で3回洗浄した。次いで、免疫複合体を、リボヌクレオチドレダクターゼ活性についてアッセイした(Lewisら、1978;HurtaおよびWright,1992;Fanら、1996b;Choyら、1988)。
MAPK活性のアッセイ:>90%コンフルエントな培養物を、無血清培地中でストレスをかけ(stress)(Stokoeら、1994;Jelinekら、1994)、そして以前に記載のように抽出した(Alessiら、1995)。MAPK-2タンパク質を、タンパク質に対する非中和抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc.)と結合したアガロースビーズによって免疫沈降させ、そして免疫複合体のキナーゼ活性を、Upstate Biotechnology, Inc.(Lake Placid,NY)からのMAPKアッセイキットを用いて、ミエリン塩基性タンパク質をリン酸化する能力を測定することによってアッセイした。
結果
生物学的に活性なR2タンパク質の発現。リボヌクレオチドレダクターゼの律速R2成分の調節解除された発現の悪性能を決定するために、R2成分を有するレトロウイルス発現ベクター(SH/mR2)(Fanら、1996b)で安定に感染させた細胞の特性を調べた。この発現ベクターの使用は、高い感染効率およびR2タンパク質の安定な発現を可能にした。ベクター遺伝子産物を内因性R2と区別するために、10アミノ酸+メチオニンをコードするヒトc-Mycエピトープを、R2 cDNAの5’末端に付加した。図1Aは、Mycエピトープ配列を特異的に認識する9E10抗体を用いるウエスタンブロットが、SH/mR2で安定に感染させたBALB/c3T3細胞およびNIH3T3細胞(それぞれ、B3/mR2およびN3/mR2と称される)において、約45kDaのR2タンパク質を検出するが、コントロールベクター(LXSH)で感染させたB3/SHまたはN3/SH細胞においては検出しないことを示す。R2特異的抗体は、発現ベクター感染細胞において内因性および組換えR2タンパク質を検出し、そして予想されたように、内因性タンパク質のみが、コントロールベクター感染細胞において観察された(図1B)。
9E10/フルオレセインイソチオシアネート抗体標識後のフローサイトメトリー分析は、組換えR2タンパク質が細胞周期を通じて構成的に発現されたことを示した(図1C)。9E10抗体を用いる間接的な顕微鏡分析は、B3/mR2およびN3/mR2の集団における基本的に全ての細胞が、Myc-タグ化R2タンパク質を発現したことを示した。
ベクター発現R2が生物学的に活性であることを実証するために、いくつかの実験を実施した。まず、B3/SHおよびN3/SH細胞(Fanら、1996b)と比較した場合に、コロニー形成実験においてヒドロキシウレア(R2タンパク質のインヒビター(Wright,1989;Wrightら、1989))の細胞傷害性効果に対して耐性であることを、B3/mR2およびN3/mR2細胞について観察した。第2に、リボヌクレオチドレダクターゼ活性をアッセイし、そして3つの独立した実験において、B3/mR2およびN3/mR2細胞におけるCDPレダクターゼ活性が、それぞれ、1.96±0.32および1.71±0.11nmoles/mgタンパク質/時間であることを見出した。これらは、B3/SHおよびN3/SH細胞で観察されたよりも(それぞれ、0.74±0.14および0.83±0.08nmoles/mg/時間)、2.6および2.1倍高かった。最後に、酵素アッセイを、精製組換えR1タンパク質(Salemら、1993)を9E10抗体沈降R2タンパク質と結合させることによって行った。有意なレベルの活性(15〜20nmoles/mg/hr)を、B3/mR2およびN3/mR2細胞をMycタグ化R2についての供給源として用いた場合に検出し、そして予想されたように、B3/SHおよびN3/SH細胞を用いた場合には活性は見出されなかった。
異常なR2遺伝子発現によって決定されたRas形質転換能力。上記の結果は、細胞が生物学的に活性なR2タンパク質の調節において改変され得ることを示す。従って、改変されたR2発現を試験し、BALB/c 3T3またはNIH 3T3のように細胞をさらに形質転換し得るかどうか確認した。コントロールB3/SHおよびN3/SH細胞ならびに親非感染株と同様に、B3/mR2およびN3/mR2培養物は、組織培養プレート上で、平らな非形質転換形態を維持し、そして接触および密度で阻害された増殖を示した(データは示さず)。形質転換焦点は、レトロウイルスSH/mR2ベクターで感染させた後のBALB/c 3T3またはNIH 3T3細胞では観察されなかった(図2A、aおよびb)。
結果は、R2遺伝子発現の解除は、それ自身がBALB/c3T3またはNIH3T3線維芽細胞を形質転換するわけではないことを示唆する。解除されたR2発現がガン遺伝子株H-rasと共同し得るという仮説を試験するために、T24 H-rasを含む発現プラスミドを、BALB/c 3T3またはNIH 3T3由来の樹立した組換えR2発現細胞集団にトランスフェクトした。N3/SHコントロール細胞と比較した場合に、H-rasトランスフェクトN3/mR2細胞で形成された焦点の数における一貫しかつ有意な増加(3.4倍)を観察した(図2B、cおよびd、ならびに図2C)。H-rasトランスフェクトB3/mR2細胞をB3/SH細胞と比較した場合に、約70倍のさらにより顕著な増加を観察した(図4B、aおよびb、ならびに図2C)。このことは、G418選択コロニーを記録すること、および/またはH-rasのE.coliガラクトシダーゼについての発現プラスミドでの同時トランスフェクション後の青色細胞を計数することによって決定されるように(Priceら、1987)、N3/mR2およびB3/mR2細胞とのトランスフェクション効率が、実際、N3/SHおよびB3/SH細胞とのトランスフェクション効率より低い(約50%)場合でさえ、生じた。
異常なR2遺伝子発現によって決定されるRas悪性能力。改変されたR2遺伝子発現と活性化H-rasとの組み合わせが、rasを改変されたR2発現細胞にトランスフェクトした腫瘍形成実験において相乗的であったので、この遺伝子の組み合わせを、以前に特徴づけられている4つの独立したH-ras形質転換10T1/2細胞株、C1、NR4、r-2、およびr-3(Eganら、1987a、1987b;Taylorら、1992;Stokoeら、1994)を、レトロウイルスベクターSH/mR2で感染させることによってさらに試験した。安定なインフェクタントをヒグロマイシンで選択し、そしてウエスタンブロット分析および酵素活性アッセイは、これらのインフェクタントが生物学的に活性なMycタグ化R2タンパク質を発現することを確認した。
軟寒天増殖実験は、組換えR2配列を含むH-ras形質転換細胞が、未感染の親集団(例えば、r-3)またはコントロールベクター感染細胞(C1、NR4、r-2)より、半固形増殖寒天においてコロニーを産生するのにより効率的であったことを明らかにした(表1)。さらに、組換えR2で感染させた細胞によって形成されたコロニーの多くは、サイズがより大きかった(図3A)。組換えR2発現細胞集団およびコントロール細胞集団の各対は、固体表面で増殖させた場合、ほとんど同一の増殖速度(C1/SHについては12.9時間およびC1/mR2については12.2時間、r-2/SHについては13.5時間およびr-2/mR2については13.9時間、r-3については11.6時間およびr-3/mR2については11.9時間、NR4/SHについては14.1時間およびNR4/mR2については14.3時間)、プレーティング効率(C1/SHについては58%およびC1/mR2については55%、r-2/SHについては59%およびr-2/mR2については63%、r-3については91%およびr-3/mR2については88%、NR4/SHについては73%およびNR4/mR2については75%)、および細胞周期相分布(データは示さず)を有するので、軟寒天および焦点形成実験において観察された改変は、解除されたR2発現と活性化H-rasとの組み合わせが、インビボでより大きな悪性能力を導き得ることを示唆する。
従って、C1/mR2およびC1/SH細胞の腫瘍形成能および転移能力を、同系C3H/HeNマウスにおいて比較した。悪性能力における顕著な差異が観察された。C1/mR2細胞は、C1/SH細胞と比較した場合に、より短い腫瘍潜在性およびより大きな腫瘍増殖を示した(図3B)。さらに、転移アッセイは、C1/mR2細胞がC1/SH細胞より悪性であり、そして有意により多くの肺腫瘍を産生したことを明らかに示した(図3C)。
R2遺伝子発現およびガン遺伝子協同性。上記の結果は、改変したR2発現が、インビトロでの形質転換アッセイおよびインビボでの悪性アッセイにおいて、活性化H-rasと協同し得ることを示す。例えば、細胞周期調節における変化につれて、この協同を説明し得る、増殖速度における明らかな差異または細胞周期相分布が見出されなかったので、以下の考えを試験した。解除されたR2発現は、Rasシグナル経路の活性を上昇させることによってRasと相乗するか? このことは、ras発現と悪性能力との間の直接的な相関関係を示す研究と一致している(Eganら、1987a、1987b;Wrightら、1993;Bradleyら、1986)。遺伝子発現を調節するための主要なRas経路は、Raf-1タンパク質キナーゼを包含する。活性化Rasは、血漿膜にRafを補充し、そこでRafおよび下流のシグナリング分子様MAPKが活性化されるようになる(Stokoeら、1994;Jelinekら、1994;Leeversら、1994)。
Raf-1特異的抗体を用いて、解除されたR2発現を含む6つのBALB/c3T3、NIH3T3、および10T1/2由来細胞株における膜会合Raf-1のレベルを、内因性R2タンパク質のみを含むコントロール細胞と比較した(図4A)。6つの場合すべてにおいて、解除されたR2を含む細胞株は、増加した膜会合Raf-1を示し、これは約30%の平均増加を伴い、非常に有意であった(p〈0.001)。上記の観察に一致して、解除されたR2発現を有する細胞株は、MAPK-2活性において、約70%(p〈0.001)の一致しかつ有意な増加を示した(図4B)。ガン遺伝子Rasはまた、Raf経路と平行するRac経路を活性化し、それゆえ構成的に活性なRac-1は、悪性形質転換において、膜標的化Raf-1と協同する(Qiuら、1995)。
Raf-1転座および活性化によって媒介されるMAPKが、本実施例で本明細書中上記に記載のようにR2/ras相乗作用において重要である場合、異常なR2発現は、細胞形質転換において、活性化Rac-1と協同するはずである。なぜなら、活性化Raf-1およびRac-1は形質転換の機構において協同することが以前に示されているからである(Qiuら、1995)。図4Cは、この予想が正しいことを示す。なぜなら、活性化Rac-1とR2との間の形質転換におけるポジティブな協同性が、活性化V12 Rac-1でトランスフェクトされたN3/mR2およびN3/SH細胞との焦点形成によって測定されるように(Qiuら、1995)、RasおよびR2と類似の様式で観察されたからである。これらの観察は、解除されたR2遺伝子発現が、Raf転座およびMAPK経路活性をアップレギュレートすることによって、rasおよびracのようなガン遺伝子と協同するという見解と一致するが、活性化Rafに関与する他の形質導入経路もまた関与するという可能性を除外する。なぜなら、Rafは、MAPK依存性経路(単数または複数)を介して、いくつかの細胞活性を調節し得るという証拠が存在するからである(Lenormandら、1996;Koongら、1994;Agarwalら、1995)。
本実施例は、哺乳動物リボヌクレオチドレダクターゼのR2成分が、悪性能力を改変するために活性化ガン遺伝子と相乗作用し得る新規な悪性決定因子であることを最初に示す。本実施例の前に細胞においてR2に割り当てられた役割が、リボヌクレオチドレダクターゼの速度制限成分としてのみであることに留意することが重要である。本実施例は、R2がまた、他の重要な細胞機能に関与し得、そしてガン遺伝子協同性を介して悪性能力の決定において直接的な役割を果たし得ることを実証する。
実施例2
R2遺伝子発現ならびに薬物感受性およびゲノム安定性における変化
材料および方法
細胞株および培養条件:ヒドロキシウレア耐性マウス細胞株、H-2、H-4、LHF、およびSC2は、マウスL細胞由来であり、Choyら(1988)およびMcClartyら(1986)に特徴づけられている。BALB/c 3T3細胞を、R2レトロウイルス発現ベクター(B3/mR2およびB3/R2c2細胞株)またはR2配列を欠失した同じレトロウイルスベクター(B3/SH細胞)のレシピエントとして使用した(Fanら、1996a;1996b)。NIH-3T3細胞もまた、以前に記載されたように(Fanら、1996a;1996b)、R2レトロウイルス発現ベクター(N/R2-4細胞株)またはR2配列を欠失したこのレトロウイルスベクター(N/SH細胞)のレシピエントとして使用した。N/R2+ASR2細胞株は、アンチセンス方向におけるR2コード配列およびR2配列を含むレトロウイルスベクターのLipofectAmine(Life Technologies, N.Y.)を用いる、同時トランスフェクションを介する受容体であった(Damenら、1991)。RP3およびRP6細胞は、T-24 H-rasガン遺伝子およびp53遺伝子の変異ガン遺伝子形態でトランスフェクトされている10T1/2マウス細胞であり(Taylorら、1992)、そしてそれらもまた、LipofectAmine試薬を用いるトランスフェクションを介する、アンチセンス方向におけるR2コード領域を含むレトロウイルスベクターのレシピエントとして使用し(Fanら、1996b)、RP3/ASR2およびRP6/ASR2細胞を得た。1B細胞はp53-/-であり、そして胚線維芽細胞に由来した(Loweら、1994)。全ての細胞を、10%ウシ胎児血清(Intergen, Purchase, NY)および抗生物質(100unit/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン)を含むα最小必須培地(Gibco, Grand Island, NY)中で、37℃にて5%CO2を含む湿潤雰囲気下で培養した。
薬物選択:500〜1-2×105の数の範囲の細胞を、10%透析ウシ胎児血清を含む増殖培地中、および薬物の非存在下または存在下で、100mm組織培養プレートに添加した(Huangら、1995a;Choyら、1988)。培養培地を、2〜3週間の間毎週、新鮮な培地と置換した。生存細胞をメチレンブルー染色によって可視化し、そして約50細胞以上のコロニーを記録した(Huangら、1995a)。相対的コロニー形成効率を、薬物の存在下におけるコロニー産生能力を薬物の非存在下での能力で割ったものとして定義した。
遺伝子増幅についてのアッセイ:ゲノムDNAを、フェノール-クロロホルム抽出法(BlinおよびStafford,1976)によって、対数増殖細胞から抽出し、そして潜在的な遺伝子増幅事象を、記載されるサザンブロット分析(Huangら、1995a;Choyら、1988)によって、以下に記載のプローブとしてcDNAフラグメントを用いて決定した。CAD cDNA(これは、CADタンパク質複合体をコードする(Shigesadaら、1985))を含むpCAD142プラスミドを使用して、プローブとして6.3KbのHindIIIフラグメントを得た。マウスジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子を含むpLTR DHFR26プラスミド(Changら、1978)は、プローブとして1.3Kb BamH1フラグメントを提供した。リボヌクレオチドレダクターゼR2についての1487bpのSalI/PstIプローブを、cDNAクローン10から調製した(Huangら、1995a;Choyら、1988)。
電気泳動ゲル移動度シフトアッセイ(EMSA):EMSAを使用して、野生型p53の存在を決定した。アッセイを、以下の改変とともに、記載されたように(PriceおよびCalderwood,1993)実質的に行った。150mmプレート上の細胞を、氷冷リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で一回洗浄し、そして1mlのPBSにこすり落とした。細胞を、1300gで4℃にて10分間遠心分離することによってペレット化し、そして-80℃にて保存した。核を、氷上で20分間300μlの緩衝液A(20mM HEPES(pH7.6)、20%グリセロール、10mM NaCl、1.5mM MgCl2、0.2mM EDTA、および0.1%Triton X-100)中にペレットを溶解させることによって調製した。緩衝液Aはまた、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および10mMジチオスレイトール(DTT)を含んだ。核を、1300gで4℃にて10分間遠心分離することによって単離した。核溶解物を、500mM NaCl、1mM PMSF、および10mM DTTを含む20〜40μlの緩衝液Aを、核ペレットに添加し、そして氷上で20分間インキュベートすることによって調製した。抽出した核を、16,000gで4℃にて遠心分離することによってペレット化した;上清を除去し、そしてアリコートを、Bioradタンパク質アッセイ手順(Biorad)を用いるタンパク質決定に使用した。
核溶解物を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Boehringer)を用いて[γ-32P]-ATPで末端標識した過剰の二本鎖p53コンセンサス結合配列(GGACATGCCCGGGCATGTCC)(配列番号162)とともにインキュベートした。DNA結合を、20mM HEPES(pH7.6)、20%グリセロール、1.5mM MgCl2、0.2mM EDTA、1mM PMSF、および10mM DTTを含む緩衝液中で行った。各結合反応物は、全容量20μl中に、5μgの細胞溶解物、10μgの二本鎖ポリ(dI-dC)(Pharmacia)、1.4ngの標識化コンセンサスプローブ、および100ngのモノクローナル抗体421(Santa Cruz)を含んだ。DNA結合を室温にて30分間進行させ、そして混合物を5%非変性ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動によって分離した。電気泳動は、室温にて、キシレンシアノール追跡用色素がゲルの下部まで進み、そして遊離プローブがゲルから遊離するまで行った。
統計分析:共分散分析を使用して異なる細胞株の群の間の用量応答データを比較し、有意性レベルはα=0.05と設定した(Huangら、1995a)。
結果
非選択性薬物に対する感受性を減少したヒドロキシウレア耐性細胞株。H-2、H-4、LHF、およびSC2は、抗腫瘍剤ヒドロキシウレアの細胞毒性効果に対する耐性について選択されたマウスL細胞株である。これらの4つの細胞株は、コロニー形成効率実験においてヒドロキシウレアに対する耐性を示した。その範囲は、それらが由来する野生型マウスL細胞株より約18(H-2)〜30(SC2)倍高かった(Choyら、1998;McClartyら、1988)。それらはまた、2.2倍(H-2)〜17倍(LHFおよびSC2)の範囲の上昇したレベルのリボヌクレオチドレダクターゼ活性を含んだ。これは主に、増殖するマウス細胞における酵素活性および細胞分裂について制限的であるリボヌクレオチドレダクターゼのR2成分の増加に起因する。表2は、4つのヒドロキシウレア耐性細胞株はまた、コロニー形成実験において、親の野生型マウスL細胞と比較した場合、N-(ホスホンアセチル)-L-アスパルテート(PALA)およびメトトレキセート(MTX)の細胞毒性効果に対してより感受性でなかったことを示す。薬物感受性におけるこれらの差異は、非常に有意であり、親の野生型マウスL細胞と比較した場合、各細胞株について<0.0001のp値を有する。
薬物耐性に応答可能な多くの機構が記載されているが(Wright,1989;Kohn,1996)、MTXおよびPALAに対する耐性は、それぞれ、薬物標的化遺伝子産物であるジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはCAD(カルバミルホスフェートシンセターゼ、アスパルテートトランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオラターゼを含む多官能ポリペプチド)のレベルの増加によって頻繁に達成され、そしてこのことは、しばしば、遺伝子増幅の機構を介して生じる(Huangら、1995a;Livingstonら、1992;Yinら、1992;Mai,1994;Stark,1993)。実際は、主にそしておそらく、マウス細胞におけるPALA耐性についての機構のみが、CAD遺伝子増幅を介して生じる(Stark,1993)。従って、これらの2つの薬物の正常な細胞毒性濃度の存在下で発達するコロニーを、可能な遺伝子増幅事象について試験した。図5は、PALAまたはMTXの存在下で増殖した細胞が、増加したCADまたはDHFR遺伝子コピー数を示したことを示す。以前の研究(Stark,1993;Huangら、1995b;Ottoら、1989;Starkら、1990)と一致して、PALAにおいて発達しそして試験した全てのコロニー(10/10)は、CAD遺伝子増幅を示した。また、以前に報告されたように(Huangら、1995b)、MTXの存在下で発達した全てではないがいくつかのコロニー(3/6)は、DHFR遺伝子増幅を示した。
R2遺伝子発現と減少した薬物感受性との間の関係についての直接試験。ヒドロキシウレア耐性マウス細胞は、リボヌクレオチドレダクターゼにおける変化に加えて他の生化学的な変化を含むので(Wrightら、1989)、薬物感受性と増加したR2レベルとの間の関係を、マウスR2配列をコードするレトロウイルス発現ベクターを含む細胞、および同じレトロウイルスベクターを含むがR2配列を欠失する細胞で直接試験した。B3/mR2は、R2をコードするレトロウイルス発現ベクターの存在に起因して上昇したR2タンパク質を含むBALB/c 3T3細胞の集団であり、そしてB3/SHは、野生型レベルのR2タンパク質を有しそしてコントロールとしての空ベクターを含む細胞集団である。B3/R2c2は、B3/mR2集団から選択された上昇したR2タンパク質を有するクローン化株である。
R2遺伝子発現における上昇がヒドロキシウレアに対する耐性を導くことを示す以前の報告と一致して、表3は、B3/SH細胞と比較した場合、B3/mR2およびB3/R2c2細胞が、幅広い濃度でヒドロキシウレアの細胞毒性効果に対してより有意に耐性であることを示す。これらの結果は、B3/mR2およびB3/R2c2細胞が、増加したレベルのリボヌクレオチドレダクターゼの活性なR2成分を発現することをさらに実証する。B3/mR2およびB3/R2c2細胞はまた、PALAおよびMTX(これらは、リボヌクレオチドレダクターゼとは異なる部位で作用する)の細胞毒性効果に対して有意により感受性ではなかった(表3)。これらの2つの薬物に対する耐性は、100nM MTXで約10倍から、試験したPALAのほとんどの濃度で100倍を超えるまでの範囲であった。
さらに、サザンブロット分析は、PALAまたはMTXの存在下で発達したコロニーは、CADまたはDHFR遺伝子の増幅を含むことを示した(図6)。ところが、マウスL細胞で観察されたように(図5)、そして他の研究で報告されているように(Hurtaおよびwright,1992;Hurtaら、1991)、MTX含有培地で発達した全てのコロニーがDHFR遺伝子増幅を示したわけではなかった。PALA耐性とは異なり、マウス細胞におけるMTX耐性は、種々の機構を介して生じ得る(Ottoら、1989;Starkら、1990;Flintoff,1989)。
上昇したレベルのリボヌクレオチドレダクターゼR2成分を含む細胞によって示された化学治療化合物に対する感受性の変化を、R2発現レトロウイルスベクターを含むNIH-3T3細胞を用いてさらに試験した(表4)。これらの細胞(N/R2-4)は、R2コード配列を欠失するレトロウイルスベクターを含む細胞(N/SH)と比較した場合、ヒドロキシウレアに対して耐性であった。N/R2-4細胞もまた、MTXに対してより有意に耐性であった。N/R2-4細胞は、N/SH細胞と比較した場合、PALAに対して耐性になる傾向を示したが、この傾向は、統計学的に有意ではなかった。この後者の観察は、他の要因が、本研究において使用された細胞株の間の遺伝的差異に固有であり、増加したR2レベルに加えて、薬物感受性応答に影響し得ることを示す。
従って、R2レベルが薬物感受性特徴を決定するのに重要であるという仮定を、N/R2+ASR2集団を産生するN/R2-4細胞に導入されたR2アンチセンス構築物の発現を介して、R2のレベルの減少後の薬物感受性を調査することによって試験した。図7は、R2タンパク質のレベルが、N/R2-4細胞と比較した場合、N/R2+ASR2細胞において顕著に減少することを示す。N/R2+ASR2細胞は、N/R2-4細胞と比較した場合、ヒドロキシウレア、PALA、およびMTXに対して有意により感受性であった(表4)。さらに、R2アンチセンス発現細胞におけるこれらの3つの薬物に対する感受性は、空ベクターを含むコントロールN/SH細胞と比較した場合、有意に増加した(表4)。
活性化rasおよびp53の変異ガン遺伝子形態でトランスフェクトしたマウス10T1/2細胞は、化学治療剤に対して非常に耐性である(Huangら、1995b)。R2アンチセンス発現が、NIH-3T3細胞のヒドロキシウレア、PALA、およびMTXに対する感受性を増加させ得るという観察は、本発明者らを、rasおよび変異したp53を含む細胞もまたR2アンチセンス配列の存在下で減少した薬物耐性特徴を示し得るという可能性を試験することに導く。表5は、このことが正しいことを示す。R2アンチセンス配列を含む細胞は、同じベクターを含むがアンチセンス方向のR2を含まない細胞と比較した場合、ヒドロキシウレア、PALA、およびMTXに対して有意により感受性である。これらの観察は、これらの高度に形質転換されかつ悪性の細胞の薬物感受性に関連する少なくとも1つの決定因子が、リボヌクレオチドレダクターゼR2レベルであることを示唆する。
p53タンパク質機能の欠失がR2媒介薬物耐性および遺伝子増幅を必要としないことの証拠。p53の不活化または欠失は、腫瘍の発達、および悪性細胞において観察される遺伝的安定性(これは、自発的な遺伝子増幅を起こす能力を含む)の付随的な減少と関連した一般的な事象である(Liningstonら、1992;Yinら、1992;Takenakaら、1995)。従って、本発明者らは、R2過剰生産B3/mR2およびB3/R2c2細胞によって示される薬物耐性特性の増大が、野生型p53活性の欠失を生じる機構を介して生じ得る可能性を試験した。p53が転写因子であり、そして野生型p53によるがp53の変異バージョンにはよらないトランス活性化が配列特異的であり、そしてそのコンセンサスDNA配列への結合と相関することが実証されている(Takenakaら、1995;Kernら、1992;Funkら、1992)。PALA、MTX、またはヒドロキシウレアの存在下で発達する薬物耐性コロニーにおける野生型p53機能の存在または非存在を決定するために、細胞抽出物を、電気泳動ゲル移動度シフトアッセイ(EMSA)(PriceおよびCalderwood,1993)に使用し、配列特異的p53結合活性について試験した。図8は、R2過剰発現細胞由来の薬物耐性コロニーが、野生型p53結合活性を示したことを示す。これらの観察はまた、本発明者らが、Pab240モノクローナル抗体(これは変異p53の一般的な形態を特異的に検出する)を用いる免疫沈降アッセイ(Gannonら、1990)で、薬物耐性コロニーからの細胞において変異p53タンパク質を検出できなかったことと一致した。
実施例3
リボヌクレオチドレダクターゼを標的化し、かつヒト腫瘍細胞に対して細胞毒性であるアンチセンスデオキシリボヌクレオチド配列
本明細書中の上記の実施例に示されるように、R2の完全長アンチセンス構築物は、腫瘍細胞の腫瘍形成能および/または転移応答能ならびに化学治療剤に対する感受性に影響する。従って、出願人は、R1およびR2のより短いアンチセンス構築物のそれらの腫瘍細胞における効果についての能力を調査した。
材料および方法
コロニー形成効率および細胞のアンチセンス構築物での処置:コロニー形成効率を、以前の報告のように決定した(HuangおよびWright,1994)。細胞を10%ウシ胎児血清を有する増殖培地中で、37℃にて24時間培養した。細胞を、リポフェクチン+/−オリゴヌクレオチド処置の前に、5mlのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.2)で一回洗浄した。
試験するオリゴヌクレオチドを、2.5μgのDOTMA/DOPE(Lipofection;Life Technologies,Inc.)の存在下で4時間、細胞培養物に添加した。オリゴヌクレオチドを、他に示さない限り、0.2μMで試験した。コントロールは、リポフェクチンで処置されているがオリゴヌクレオチドを含まない培養物である。4時間後、オリゴヌクレオチドを含む培地を取り出し、5mlの増殖培地で洗浄した。次いで、細胞を、10%ウシ胎児血清を含む増殖培地中で、7〜10日間培養した。生存細胞を、メチレンブルー染色によって可視化し、そしてコロニーを記録した。いくつかの実験において、細胞アリコートを培養物から取り出し、そして生存度を、トリパンブルー排除試験(Phillips,1973)を用いて決定した。結果を、コントロール細胞と比較した生存細胞のパーセントとして分析した。
結果
リボヌクレオチドレダクターゼを標的化するアンチセンス分子を同定した。以下に示すように、それらは、種々のヒト腫瘍細胞について細胞毒性であった。薬物耐性腫瘍細胞についての薬物-細胞毒性を促進する配列が見出された。すなわち、非常に低い非細胞毒性濃度で、リボヌクレオチドレダクターゼを標的化するアンチセンス配列は、腫瘍細胞を、医療的に重要な化学治療化合物の細胞毒性活性に対して感作し得る。
最初の研究において、R2 mRNAに対して指向される20マーの2つのアンチセンス配列(AS-II-336-20およびAS-II-2229B-20と称する)を作製し、そして調査した。初めに、AS-II-336-20は、配列5’-TCC TGG AAG ATC CTC CTC GC-3’(配列番号1)を有し、そしてヌクレオチド336-355(R2ヌクレオチドのナンバリングに基づく)でヒトリボヌクレオチドレダクターゼのR2メッセージを標的化する(Pavloffら、1992)。AS-II-2229B-20配列は、5’-TCC CAC ATA TGA GAA AAC TC-3’(配列番号2)であり、そしてヌクレオチド2229-2248でR2メッセージを標的化する。AS-II-336-20およびAS-II-2229B-20の両方を、ホスホロチオエート配列として構築し、ヌクレアーゼ活性に対して保護した(Anazodoら、1995)。
アンチセンス構築物AS-II-336-20を、本明細書中上記に記載のように、相対コロニー形成効率実験において、ヒト腫瘍細胞(Hela)の増殖を阻害する能力について試験した。Hela S3細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション、Rockville,Marylamd,ATCC)、および抗腫瘍薬剤、ヒドロキシウレアに対する耐性について以前に選択されたHela細胞株(Hela1mM)(Wrightら、1987)を試験した(表6)。2つの実験を、Hela S3細胞で着手した。0.2μMアンチセンス構築物AS-II-336-20の4時間の処置で、それぞれ、92%および82%の阻害が、2つの実験においてコロニー形成効率として見い出された。同じ実験を、Hela1mM細胞株および類似の結果(0.2μMはコロニー形成を阻害するのに有効な濃度であった)を伴う種々の濃度のアンチセンス構築物AS-II-336-20で繰り返した(表6)。
これらのデータは、AS-II-336-20は、ヒト腫瘍細胞コロニー形成能力の非常に効果的なインヒビターであり、そしてヒト腫瘍細胞コロニー形成能力の増殖の阻害および他の化学治療化合物に対して耐性を示すヒト腫瘍細胞の増殖の阻害の両方において効果的であることを示す。同様に、表6に示すように、アンチセンス構築物AS-II-336-20は、マウス腫瘍細胞株SC2(これは、高度なヒドロキシウレア耐性マウスL細胞株である)で実施された実験において、効果的な抗腫瘍化合物である(McClartyら、1988)。
アンチセンス配列AS-II-2229B-20もまた、相対コロニー形成効率実験においてヒトHela腫瘍細胞の増殖を阻害する能力について試験し、これは、表6に示されるようにAS-II-336-20と類似の結果を有した。これらのデータは、AS-II-2229B-20が、Hela S3細胞および薬物耐性Hela 1mM細胞株で試験した場合、強力な抗腫瘍薬剤であることを示す。アンチセンス構築物AS-II-2229B-20もまた、ヒト乳ガン細胞株MDA435の増殖を阻害する能力について試験し、そして非常に効果的であることを見出した(表8)。
AS-II-2229B-20と称されるリボヌクレオチドレダクターゼR2アンチセンス構築物を、ヒト腫瘍および非腫瘍細胞集団で得られた結果を比較することによって、腫瘍細胞細胞毒性について試験した。Hela S3腫瘍細胞およびWI38正常非腫瘍形成ヒト細胞を使用した。腫瘍細胞は、AS-II-2229B-20の細胞毒性効果に対して、正常非腫瘍形成細胞より感受性であることが見出された。例えば、アンチセンス曝露3日後の細胞の分析は、腫瘍細胞が、AS-II-2229B-20の細胞毒性効果に対して、4〜8の決定を通して平均した正常非腫瘍形成細胞より、約5倍感受性であったことを示した。
これらの結果は、アンチセンス方向の短いオリゴデオキシリボヌクレオチド配列が優れた抗腫瘍薬剤であることを示し、そしてR2メッセージを標的化する他のアンチセンス構築物が同様の特性を有し得ることを示唆する。最良の抗腫瘍薬剤は、それらの相補的なテンプレートとのオリゴヌクレオチド二重鎖形成のために重要である適切なエネルギー関連特徴を示すものであり、そして自己二量体化または自己相補体化について低い能力を示すものである(Anazodoら、1996)。コンピュータープログラム(OLIGO, Primer Analysis Software, Version 3.4)を用いるR2 mRNAの分析を行い、アンチセンス配列溶解温度、遊離エネルギー特性を決定し、R2メッセージを標的化するように設計された一連のさらなるアンチセンス配列(表7、配列番号3〜102)の潜在的な自己二量体形成および自己相補体化特性を推定した(Anazodoら、1996)。表7は、適切な特性を有する、さらなるR2アンチセンスインヒビターの一覧を示す。
これらの配列(例えば、ホスホロチオエートデオキシリボヌクレオチド)の多くのアンチセンス効果を試験するために、これらを一連のヒト腫瘍細胞株で実施した相対コロニー形成実験において試験した。これらのアンチセンス構築物の多くは、予想したように、ヒト腫瘍細胞増殖の強力なインヒビターである。膀胱、乳房、肺、大腸、前立腺、肝臓、および頚部由来のガン細胞で得られた結果については、表12を参照のこと。さらに、AS-II-626-20とのインビボでの研究を、表13に報告されるように、C3H/HeNマウスにおいて着手し、そしてこれは、アンチセンス処置マウスにおいて転移の有意な減少を示す。
実施例2に基づいて、ヒト腫瘍細胞の非常に低濃度の短いアンチセンス配列での処置を試験し、これらの構築物が腫瘍細胞を他の化学治療薬物の阻害効果に対して感作し得るかどうか決定した。用いた濃度は、表6に示されるようにそれ自身において細胞毒性ではなかった。Hela S3およびHela 1mM細胞の、0.02μMのAS-II-2229B-20アンチセンス構築物での処置は、表9に示されるように、これらの細胞のN-(ホスホンアセチル)-L-アスパルテート(PALA)およびメトトレキセート(MTX)に対する感受性を増大させた。これらの観察は、R2メッセージを標的化するアンチセンス化合物が、周知の化学治療薬剤で相乗的に作用し得ることを示す。
リボヌクレオチドレダクターゼは、2つの別の遺伝子R1およびR2によってコードされる2つの異なるタンパク質成分から構成される。従って、本明細書中上記に示される結果は、R1メッセージもまた、強力な抗腫瘍活性を有する短いアンチセンス分子を設計するための適切な標的であり得ることを示唆する。この可能性を試験するために、アンチセンス方向の20マーのデオキシリボヌクレオチドホスホロチオエート配列(AS-I-1395-20と称される)を構築し、そしてその抗腫瘍能力を試験した。アンチセンス構築物AS-I-395-20は、配列5’-ACA GGA ATC TTT GTA GAG CA-3’(配列番号103)を有し、そしてヌクレオチド1395-1414でR1メッセージを標的する。表10に示されるように、それは、Hela S3細胞およびHela 1mM薬物耐性細胞を用いる腫瘍細胞増殖の効果的なインヒビターである。これらの結果は、R1メッセージを標的化するアンチセンス配列の設計に有用であることを示し、そして他の潜在的な部位もまた効果的であり得ることを示唆する。従って、R1 mRNAを、適切な特徴を示すアンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド配列の探索において分析した(R2 mRNAについて行ったようにそして上記のように)。表11は、抗腫瘍薬剤と一致する特徴を有するさらなるアンチセンス配列の一覧を提供する。
実施例4
R2アンチセンスによる形質転換の阻害
実施例1〜3に示される方法を利用して、R2コード領域のR2アンチセンス配列での処置(Fanら、1996b)による哺乳動物細胞の形質転換の阻害を着手した。H-rasガン遺伝子を含むNIH-3T3マウス細胞を、R2コード配列のアンチセンス方向またはR2コード配列のセンス方向のいずれかでトランスフェクトした。図9に示される結果は、R2アンチセンス構築物の存在下において、コントロール細胞(図9、レーンa)と比較して、形質転換焦点および還元軟寒天増殖(図9、レーンb)における減少が存在したことを実証する。実施例1に示されるように(本明細書中上記)、R2コード領域はH-rasと協同し得、増加した数の形質転換焦点によって示されるように悪性を増強する(図9、レーンc)。
さらに、本明細書中に記載の軟寒天において実施したコロニー効率アッセイは類似の結果を実証した。H-rasガン遺伝子を含むNIH-3T3マウス細胞については15.6±6.73、H-rasガン遺伝子およびR2アンチセンス配列を含むNIH-3T3マウス細胞については4.4±2.62、ならびにH-rasガン遺伝子およびR2のコード領域配列を含むNIH-3T3マウス細胞については51±12.29のコロニー形成効率が見られた。
実施例5
L60マウス腫瘍細胞におけるリボヌクレオチドレダクターゼR2タンパク質レベルのAS-II-626-20阻害のウエスタンブロット分析。細胞を、リポフェクチンを補充したがアンチセンスオリゴヌクレオチドを含まない増殖培地(a)または0.2μM AS-II-626-20を含むリポフェクチン培地(b)で、4時間処置した。添加したコントロールのように、腫瘍細胞もまた、リポフェクチンおよび0.2μMオリゴヌクレオチド混合コントロール(これは、AS-II-626-20に見出される同じ割合であるが異なるオーダーのヌクレオチドを含む(ACGCACTCAGCTAGTGACAC、配列番号164))(c)または0.2μMのミスマッチオリゴヌクレオチド(これは、AS-II-626-20と比較した場合4つのヌクレオチドミスマッチ変異(TCGCからCTGCに変化)を含む)(d)を補充した増殖培地で、4時間処置した。コントロール(a、c、およびd)と比較した場合の、AS-II-626-20(b)で処置した腫瘍細胞におけるR2タンパク質の有意な減少に注意のこと。
ウエスタンブロット分析によって決定したような、種々のR2アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処置後のマウスL60腫瘍細胞におけるR2タンパク質レベルの減少。細胞を、リポフェクチンの存在下で0.2μMオリゴヌクレオチド(b〜f)、またはコントロールとしてオリゴヌクレオチドを含まないリポフェクチン(a)で、4時間処置した。(b)AS-II-667-20として処置した細胞;(c)AS-II-816-20で処置した細胞;(d)AS-II-1288-20で処置した細胞;(e)AS-II-1335-20で処置した細胞、および(f)AS-II-1338-20で処置した細胞。ヒト腫瘍細胞増殖を阻害する能力と一致している、R2 mRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドで処置した細胞におけるR2タンパク質レベルの減少に注意のこと(表12)。
本出願を通して、種々の刊行物(米国特許および公開特許出願を含む)を、著者および年または番号によって参照する。刊行物についての完全な引用を以下に記載する。それらの全体におけるこれらの刊行物および特許の開示を、本発明に付随する当該技術水準をより十分に記載するために、本明細書中で参考として援用する。
本発明は、例示様式において記載されており、そして使用されている専門用語は、限定ではなくむしろ説明の単語の性質であることが理解されるべきである。
明らかに、本発明の多くの改変および変型が、上記の教示に照らして可能である。従って、添付の請求項の範囲内において、本発明が特定に記載されるよりも種々に実施され得ることが理解される。
相対コロニー形成効率は、±seで示される。そして示される値は、4〜8決定である。統計学的に有意な差異は、H2(p=0.0004)、H4(p≦=0.0001)、LHF(p≦0.0001)、およびSC2(p≦0.0001)で得られたデータを、親野生型(W.T.)細胞株で得られたデータと各々比較した場合観察された。
相対コロニー形成効率は、±SEで示され、そして示される値は、4〜12決定である。統計学的に有意な差異は、B3/mR2またはB3/R2c2で得られたデータを、B3/SHで得られたデータと比較した場合観察された(すべてのp値は、ヒドロキシウレア、PALA、またはMTXの存在下で得られたデータについて、≦0.0001であった)。
相対コロニー形成効率は、±SEで示される。そして示される値は、4〜6決定である。0が示される場合、1試験あたり1×105細胞を用いる決定の数は、4として示される(n=4)。PALAの存在下でN/SHで得られたデータを、ヒドロキシウレアの存在下(両方の場合においてp=0.0001)またはMTXの存在下(それぞれp=0.0002および0.032)でN/R2-4またはN/R2+ASR2で得られたデータと比較した場合、統計学的に有意な差異が観察された。統計学的に有意な差異もまた、PALAの存在下でN/SHで得られたデータを、N/R2+ASR2で得られるが、N/R2-4では得られないデータと比較した場合に観察された。
相対コロニー形成効率は、±SEで示される。そして示される値は、4〜10決定である。統計学的に有意な差異は、RP6/SHで得られたデータを、RP6/ASR2で得られたデータと比較した場合に観察された(ヒドロキシウレア、PALA、およびMTXの存在下で、それぞれ、p=0.0001、p=0.0001、およびp=0.0001)。統計学的に有意な差異もまた、RP3/SHで得られたデータを、RP3/ASR2で得られたデータと比較した場合に観察された(ヒドロキシウレア、PALA、およびMTXの存在下で、それぞれ、p=0.04、p=0.0001、およびp=0.004)。
表7の脚注
名前は以下を含む。
AS=アンチセンス;
II=R2
1番目の数は、R2 mRNA配列における1番目のヌクレオチド位置を示す。
2番目の数は、配列セグメントの長さを示す。
表において示される配列AS-II-2229Aおよびテキストに記載される配列AS-II-2229Bは、GENBANK(Pavloffによって提示された)におけるR2のバージョンから選択された2229AおよびPavloffら、J. DNA Sequencing and Mapping,2:227-234,1992によって刊行されたバージョンから選択された2229Bを有する、別の配列である。
配列は、親チオエート化が示されない限りは、完全にチオエート化された。
1TM℃=形成されたオリゴヌクレオチド二重鎖の溶解温度。
2dG=オリゴヌクレオチド相補的ダイマー形成についての遊離エネルギー値。
上記の分析に加えて、潜在的なダイマー形成(D)、潜在的な自己相補性相互作用(H)、標的配列とは異なるR2メッセージにおける配列に結合する能力(B)が得られた。上記の分析および評価は、コンピューターモデリングプログラムOLIGO Primer Analysis Software、Version 3.4(National Biosciencesによって配給される)を用いることによって得られた。プログラムは、Tm℃およびdG値の決定を可能にし、そしてまた「可能性なし」、「いくらかの可能性」、または実質的に「完全な可能性」を示すD、H、およびBパラメーターの定量的評価を提供する。オリゴヌクレオチド配列の選択において、本発明者らは、高いTm℃およびdG値を示す配列(これらは、アンチセンス分子のそれらの相補鎖への強固な結合にとって重要である)に高い優先性を与え、そしてD、H、およびBにおいて可能性なしの推定を有するアンチセンス配列に高い優先性を与えた。3つのカテゴリー(D、H、B)のもっとも重要なものは、DおよびHである。なぜなら、B(すなわち、正確な標的配列に加えて、R2 mRNAの他の領域に結合する)は、オリゴヌクレオチド活性を損なわずに増強するからである。表7に示されるほとんどの配列は、DおよびHカテゴリーにおける可能性を有さなかった。いくつかの配列は、DまたはHにおいて「いくらかの可能性」を示し、そして腫瘍細胞増殖阻害研究において効果的であることが後に見出され(表12)、従って表7にもまた含まれた。本発明者らは、アンチセンスオリゴヌクレオチドインヒビターを選択するこのアプローチは、非常に効果的であることを見出した。なぜなら、非常に大多数の選択された配列は、表12に示されるような、坑腫瘍特性を示したからである。
表11の脚注
名前は以下を含む:
AS=アンチセンス;
I=R1
1番目の数は、R1 mRNA配列における1番目のヌクレオチド位置を示す。
2番目の数は、配列セグメントの長さを示す。
1Tm℃=形成されたオリゴヌクレオチド二重鎖の溶解温度。
2dG=オリゴヌクレオチド相補的ダイマー形成についての自由エネルギー値。
上記の分析に加えて、潜在的なダイマー形成の評価(D)、潜在的な自己相補性相互作用(H)、標的配列とは異なるR1メッセージにおける配列に結合する能力(B)が得られた。分析を、表7の脚注に記載のように実施し、そして表11に示される配列の選択に使用された基準は、表7の脚注に示された基準であった。
表12の説明
−アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表7に記載するように(★)と示されていない限り、完全にチオエート化された。
−相対コロニー形成効率の値は、2〜8決定から得られる平均値である。
−ND=検出されず。
−種々の細胞株が、アメリカンタイプカルチャーコレクション、Rockville,Marylandから得られた。
これらのヒトガン細胞の情報:
T24=膀胱細胞ガン
HCT116=大腸細胞ガン
A549=肺細胞ガン
MDA-MB-231=乳房細胞腺ガン
MIA PaCa-2=膵臓細胞ガン
PC-3=前立腺細胞腺ガン
HepG2=肝細胞ガン
HelaS3=頚部のガンから単離された細胞
T-47D=乳房管(breast ductal)ガン
H596=肺腺鱗(adenosquamous)ガン細胞
Colo320=大腸細胞腺ガン
参考文献
Claims (89)
- ヒトの処置における使用のための組成物であって、該処置は、新生物細胞増殖を阻害すること、化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加させること、化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害すること、または新生物細胞の転移を阻害することを含み、該組成物は、ヒトリボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子由来の核酸配列に相補的な配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、ここで該オリゴヌクレオチドは、少なくとも12〜35個のヌクレオチドを含み、ヒトにおける新生物細胞の増殖を阻害し、ここで、該オリゴヌクレオチドは、配列番号1〜103のいずれか1つに示される配列から選択される核酸配列を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、前記リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子に由来するmRNAに相補的である、組成物。
- 請求項1または2に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも20個〜35個のヌクレオチドを含む、組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ヒトのリボヌクレオチドレダクターゼの遺伝子またはmRNAは、R1リボヌクレオチドレダクターゼ成分をコードする、組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ヒトのリボヌクレオチドレダクターゼの遺伝子またはmRNAは、R2リボヌクレオチドレダクターゼ成分をコードする、組成物。
- 請求項1、2、3または5のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1〜102のいずれか1つに示される核酸配列を含む、組成物。
- 請求項1、2、3、5または6のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1、2、12、16、18、21、25、29、34、42、44、45、46、52、53、59、60、64、65、66、68、69、70、72、73、74、76、78、79、80、90、91、92、96、99、100、または102に示される核酸配列を含む、組成物。
- 請求項1、2、3、5、6または7のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号42に示される核酸配列を含む、組成物。
- 請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号103に示される核酸配列を含む、組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、リボ核酸(RNA)オリゴヌクレオチドである、組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)オリゴヌクレオチドを含む、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性である、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸である、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、モルホリノ骨格構造を含む、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、6-アザウラシル、6-アザシトシン、および6-アザチミジン、シュードウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオールアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオールアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、5-トリフルオロメチルウラシル、および5-トリフルオロシトシンの群より選択される1以上の改変塩基を含む、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートおよびホスホトリエステルのヌクレオチド間結合の群から選択されるリン酸骨格における1以上の改変ヌクレオチド間結合を含む、組成物。
- 請求項16に記載の組成物であって、前記リン酸骨格は、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、組成物。
- 請求項17に記載の組成物であって、前記ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、前記オリゴヌクレオチドの4つ、5つ、または6つの3’末端ヌクレオチドを結合する、組成物。
- 請求項17に記載の組成物であって、前記ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、前記オリゴヌクレオチドのヌクレオチド全てを結合する、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、1つ以上のアルキル、シクロアルキル、または短鎖ヘテロ環状糖間結合を含む、組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変されたヌクレオチドの領域、または、2つ以上アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むキメラオリゴヌクレオチドである、組成物。
- 請求項21に記載の組成物であって、前記2つ以上アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含む、組成物。
- 生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との混和における、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- ヒトにおける新生物細胞増殖を阻害するため;ヒトにおける化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加させるため;ヒトにおける化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害するため;またはヒトにおける新生物細胞の転移を阻害するための医薬の製造におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用であって、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトリボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子由来の核酸配列に相補的な配列を含み、ここで該オリゴヌクレオチドは、少なくとも12〜35個のヌクレオチドを含み、ヒトにおける新生物細胞の増殖を阻害し、ここで、該オリゴヌクレオチドは、配列番号1〜103のいずれか1つに示される配列から選択される核酸配列を含む、使用。
- 請求項24に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、前記リボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子に由来するmRNAに相補的である、使用。
- 請求項24または25に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも20個〜35個のヌクレオチドを含む、使用。
- 請求項24〜26のいずれか1項に記載の使用であって、前記ヒトのリボヌクレオチドレダクターゼの遺伝子またはmRNAは、R1リボヌクレオチドレダクターゼ成分をコードする、使用。
- 請求項24〜26のいずれか1項に記載の使用であって、前記ヒトのリボヌクレオチドレダクターゼの遺伝子またはmRNAは、R2リボヌクレオチドレダクターゼ成分をコードする、使用。
- 請求項24、25、26または28のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1〜102のいずれか1つに示される核酸配列を含む、使用。
- 請求項24、25、26、28または29のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1、2、12、16、18、21、25、29、34、42、44、45、46、52、53、59、60、64、65、66、68、69、70、72、73、74、76、78、79、80、90、91、92、96、99、100、または102に示される核酸配列を含む、使用。
- 請求項24、25、26、28、29または30のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号42に示される核酸配列を含む、使用。
- 請求項24、25、26または27のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号103に示される核酸配列を含む、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、リボ核酸(RNA)オリゴヌクレオチドである、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)オリゴヌクレオチドを含む、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性である、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸である、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、モルホリノ骨格構造を含む、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、6-アザウラシル、6-アザシトシン、6-アザチミジン、シュードウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオールアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオールアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、5-トリフルオロメチルウラシル、および5-トリフルオロシトシンの群より選択される1以上の改変塩基を含む、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートおよびホスホトリエステルのヌクレオチド間結合の群から選択されるリン酸骨格における1以上の改変ヌクレオチド間結合を含む、使用。
- 請求項39に記載の使用であって、前記リン酸骨格は、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、使用。
- 請求項40に記載の使用であって、前記ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、前記オリゴヌクレオチドの4つ、5つ、または6つの3’末端ヌクレオチドを結合する、使用。
- 請求項40に記載の使用であって、前記ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、前記オリゴヌクレオチドのヌクレオチド全てを結合する、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、1つ以上のアルキル、シクロアルキル、または短鎖ヘテロ環状糖間結合を含む、使用。
- 請求項24〜32のいずれか1項に記載の使用であって、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変されたヌクレオチドの領域、または、2つ以上アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むキメラオリゴヌクレオチドである、使用。
- 請求項44に記載の使用であって、前記2つ以上アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含む、使用。
- 請求項24〜45のいずれか1項に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおける新生物細胞増殖を阻害するためである、使用。
- 請求項24〜45のいずれか1項に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおいて、化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加させるためである、使用。
- 請求項24〜45のいずれか1項に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおいて、化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害するためである、使用。
- 請求項47または48に記載の使用であって、前記化学治療剤は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアである、使用。
- 請求項47または48に記載の使用であって、前記化学治療剤は、PALA、MTXまたはヒドロキシウレアである、使用。
- 請求項24〜45のいずれか1項に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおいて新生物細胞の転移を減少させるためである、使用。
- 転写開始領域、および請求項1〜11のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする配列を含む、DNA。
- 請求項52に記載のDNAを含む、ベクター。
- 薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との混和において、請求項53に記載の少なくとも1つのベクターを含む、薬学的組成物。
- 医薬の製造における請求項53に記載の少なくとも1つのベクターの使用。
- 請求項55に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおける新生物細胞増殖を阻害するためである、使用。
- 請求項55に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおける化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加するためである、使用。
- 請求項55に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおける化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害するためである、使用。
- 請求項57または58に記載の使用であって、前記化学治療剤は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアである、使用。
- 請求項57または58に記載の使用であって、前記化学治療剤は、PALA、MTXまたはヒドロキシウレアである、使用。
- 請求項55に記載の使用であって、前記医薬は、ヒトにおいて新生物細胞の転移を減少させるためである、使用。
- 前記処置が、ヒトにおける新生物細胞増殖を阻害することである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記処置が、ヒトにおける化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加させることである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記処置が、ヒトにおける化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害することである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項63または64に記載の組成物であって、前記化学治療剤は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアである、組成物。
- 請求項63または64に記載の組成物であって、前記化学治療剤は、PALA、MTXまたはヒドロキシウレアである、組成物。
- 前記処置が、ヒトにおける新生物細胞の転移を阻害することである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項62〜67のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、1以上の化学治療剤との組み合わせである、組成物。
- 請求項68に記載の組成物であって、前記1以上の化学治療剤は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアである、組成物。
- 請求項68に記載の組成物であって、前記1以上の化学治療剤は、MTX、PALAまたはヒドロキシウレアである、組成物。
- 請求項68〜70のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、
前記新生物細胞と、非細胞傷害性用量の前記オリゴヌクレオチドおよび非細胞傷害性用量の前記化学治療剤とを接触させること;
該新生物細胞と、細胞傷害性用量の該オリゴヌクレオチドおよび細胞傷害性用量の該化学治療剤とを接触させること;
該新生物細胞と、非細胞傷害性用量の該オリゴヌクレオチドおよび細胞傷害性用量の該化学治療剤とを接触させること;または
該新生物細胞と、細胞傷害性用量の該オリゴヌクレオチドおよび非細胞傷害性用量の該化学治療剤とを接触させること、
を包含する、組成物。 - 請求項68〜70のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、前記新生物細胞と、新生物細胞増殖を阻害するに不十分な量の前記オリゴヌクレオチドとを接触させることを包含する、組成物。
- 請求項68〜70のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、前記新生物細胞と、新生物細胞増殖を阻害するに十分な量の前記オリゴヌクレオチドとを接触させることを包含する、組成物。
- 請求項68、69、70、72または73のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、前記新生物細胞と、新生物細胞増殖を阻害するに十分な量の前記1以上の化学治療剤とを接触させることを包含する、組成物。
- 請求項68、69、70、72または73のいずれか1項に記載の組成物であって、前記処置は、前記新生物細胞と、新生物細胞増殖を阻害するに不十分な量の前記1以上の化学治療剤とを接触させることを包含する、組成物。
- 請求項1〜22または62〜75のいずれか1項に記載の組成物であって、前記新生物細胞は、白血病細胞、ホジキンリンパ腫細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、肉腫細胞、黒色腫細胞、腺腫細胞、固形組織の悪性腫瘍細胞、低酸素性腫瘍細胞、口の扁平上皮細胞悪性腫瘍細胞、咽喉の扁平上皮細胞悪性腫瘍細胞、咽頭の扁平上皮細胞悪性腫瘍細胞、および肺の扁平上皮細胞悪性腫瘍、尿生殖器ガン細胞、造血性ガン細胞、大腸ガン細胞、乳ガン細胞、膵臓ガン細胞、頭部および頸部ガン細胞、ならびに神経系ガン細胞からなる群より選択される、組成物。
- 請求項76に記載の組成物であって、前記尿生殖器ガン細胞は、膀胱ガン細胞または子宮頚ガン細胞である、組成物。
- 請求項1〜22または62〜75のいずれか1項に記載の組成物であって、前記新生物細胞は、乳ガン細胞、肝臓ガン細胞、膵臓ガン細胞、膀胱ガン細胞、大腸ガン細胞、前立腺ガン細胞、頸部ガン細胞、肺ガン細胞、および白血病細胞の群より選択される、組成物。
- 請求項76または78に記載の組成物であって、前記乳ガン細胞は、乳腺管ガン細胞である、組成物。
- 請求項76または78に記載の組成物であって、前記肺ガン細胞は、転移性肺ガン細胞である、組成物。
- 請求項1〜22または62〜75のいずれか1項に記載の組成物であって、前記新生物細胞は、ヒトの固形腫瘍由来である、組成物。
- 請求項81に記載の組成物であって、前記固形腫瘍は、乳ガン、肺ガン、大腸ガン、および前立腺ガンの群から選択されるガンに由来する、組成物。
- 請求項1〜22または62〜75のいずれか1項に記載の組成物であって、前記新生物細胞は、白血病細胞である、組成物。
- ヒトにおける新生物細胞増殖を阻害することにおいて使用するための、請求項53に記載のベクター。
- ヒトにおける化学治療剤に対する新生物細胞の感受性を増加することにおいて使用するための、請求項53に記載のベクター。
- ヒトにおける化学治療剤に耐性の新生物細胞の増殖を阻害することにおいて使用するための、請求項53に記載のベクター。
- 請求項85または86に記載のベクターであって、前記化学治療剤は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、PALA、MTX、またはヒドロキシウレアである、ベクター。
- 請求項85または86に記載のベクターであって、前記化学治療剤は、PALA、MTXまたはヒドロキシウレアである、ベクター。
- ヒト内の新生物細胞の転移を阻害することにおいて使用するための、請求項53に記載のベクター。
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US2304096P | 1996-08-02 | 1996-08-02 | |
| US60/023,040 | 1996-08-02 | ||
| US3995997P | 1997-03-07 | 1997-03-07 | |
| US60/039,959 | 1997-03-07 | ||
| PCT/CA1997/000540 WO1998005769A2 (en) | 1996-08-02 | 1997-08-01 | Antitumor antisense sequences directed against r1 and r2 components of ribonucleotide reductase |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000517167A JP2000517167A (ja) | 2000-12-26 |
| JP2000517167A5 JP2000517167A5 (ja) | 2005-04-07 |
| JP4301576B2 true JP4301576B2 (ja) | 2009-07-22 |
Family
ID=26696655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP50741098A Expired - Fee Related JP4301576B2 (ja) | 1996-08-02 | 1997-08-01 | リボヌクレオチドレダクターゼのr1およびr2成分に対して指向される抗腫瘍アンチセンス配列 |
Country Status (12)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5998383A (ja) |
| EP (1) | EP0917569B1 (ja) |
| JP (1) | JP4301576B2 (ja) |
| CN (1) | CN1189562C (ja) |
| AT (1) | ATE309345T1 (ja) |
| AU (1) | AU738592C (ja) |
| CA (1) | CA2262776C (ja) |
| DE (1) | DE69734589T2 (ja) |
| ES (1) | ES2256893T3 (ja) |
| IL (2) | IL128124A0 (ja) |
| NZ (1) | NZ333802A (ja) |
| WO (1) | WO1998005769A2 (ja) |
Families Citing this family (47)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA1223831A (en) | 1982-06-23 | 1987-07-07 | Dean Engelhardt | Modified nucleotides, methods of preparing and utilizing and compositions containing the same |
| JP2000513230A (ja) * | 1996-07-01 | 2000-10-10 | エイ. ライト,ジム | ハウスキーピング遺伝子の非翻訳領域由来のオリゴヌクレオチドおよび細胞増殖を調節するためのその使用方法 |
| US6593305B1 (en) * | 1996-08-02 | 2003-07-15 | Genesense Technologies Inc. | Antitumor antisense sequences directed against R1 and R2 components of ribonucleotide reductase |
| CN1256632A (zh) * | 1997-03-19 | 2000-06-14 | 吉倪塞思技术公司 | 利用核糖核苷酸还原酶r1抑制恶性肿瘤 |
| US6835395B1 (en) | 1997-05-14 | 2004-12-28 | The University Of British Columbia | Composition containing small multilamellar oligodeoxynucleotide-containing lipid vesicles |
| US6610539B1 (en) * | 1997-07-10 | 2003-08-26 | Genesense Technologies, Inc. | Antisense oligonucleotide sequences as inhibitors of microorganisms |
| EP1584681A3 (en) * | 1997-07-10 | 2005-11-09 | GeneSense Technologies Inc. | Antisense oligonucleotide sequences as inhibitors of microorganisms |
| US6506559B1 (en) | 1997-12-23 | 2003-01-14 | Carnegie Institute Of Washington | Genetic inhibition by double-stranded RNA |
| EP2302057B1 (en) | 1998-03-20 | 2019-02-20 | Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation | Control of gene expression |
| AUPP249298A0 (en) | 1998-03-20 | 1998-04-23 | Ag-Gene Australia Limited | Synthetic genes and genetic constructs comprising same I |
| AU776150B2 (en) * | 1999-01-28 | 2004-08-26 | Medical College Of Georgia Research Institute, Inc. | Composition and method for (in vivo) and (in vitro) attenuation of gene expression using double stranded RNA |
| US6121000A (en) * | 1999-02-11 | 2000-09-19 | Genesense Technologies, Inc. | Antitumor antisense sequences directed against R1 and R2 components of ribonucleotide reductase |
| US20040138168A1 (en) * | 1999-04-21 | 2004-07-15 | Wyeth | Methods and compositions for inhibiting the function of polynucleotide sequences |
| US6642033B1 (en) * | 1999-07-20 | 2003-11-04 | V.I. Technologies, Inc. | Nucleic acids for detecting parvovirus and methods of using same |
| US6423885B1 (en) | 1999-08-13 | 2002-07-23 | Commonwealth Scientific And Industrial Research Organization (Csiro) | Methods for obtaining modified phenotypes in plant cells |
| CN1301816A (zh) * | 1999-12-27 | 2001-07-04 | 上海博德基因开发有限公司 | 一种新的多肽——核苷酸还原酶10和编码这种多肽的多核苷酸 |
| BR0109269A (pt) * | 2000-03-17 | 2002-12-17 | Benitec Australia Ltd | Construto genético e seu uso, célula de animal vertebrado, métodos de alteração do fenótipo de uma célula de animal vertebrado e de terapia genética em animal vertebrado, animal e animal murino geneticamente modificados |
| US20020132257A1 (en) * | 2001-01-31 | 2002-09-19 | Tony Giordano | Use of post-transcriptional gene silencing for identifying nucleic acid sequences that modulate the function of a cell |
| DE10131148A1 (de) * | 2001-06-28 | 2003-01-16 | I P L Internat Pharmaceutics L | Xenogene Oligo- oder/und Polyribonukleotide als Mittel zur Behandlung von malignen Tumoren |
| EP1597365B1 (en) | 2003-02-10 | 2013-10-09 | Lorus Therapeutics Inc. | Antisense oligonucleotides directed to ribonucleotide reductase r2 and uses thereof in the treatment of cancer |
| CA2524255C (en) * | 2003-03-21 | 2014-02-11 | Academisch Ziekenhuis Leiden | Modulation of exon recognition in pre-mrna by interfering with the secondary rna structure |
| WO2004104197A1 (en) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | Genesense Technologies Inc. | Antisense oligonucleotides directed to ribonucleotide reductase r1 and uses thereof in the treatment of cancer |
| WO2004106518A1 (en) * | 2003-05-31 | 2004-12-09 | Genesense Technologies Inc. | Antisense oligonucleotides directed to ribonucleotide reductase r2 and uses thereof in the treatment of cancer |
| KR20060116825A (ko) | 2003-10-23 | 2006-11-15 | 일루미겐 바이오사이언시스, 인코포레이티드 | 바이러스 감염에 대한 저항성과 관련된 유전자인oas1에서의 돌연변이의 검출 |
| JP2007520474A (ja) * | 2004-01-12 | 2007-07-26 | ジーンセンス テクノロジーズ インコーポレーテッド | リボヌクレオチドレダクターゼr2に向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび癌の処置のための併用療法におけるこの使用 |
| AU2005247319B2 (en) * | 2004-04-28 | 2011-12-01 | Molecules For Health, Inc. | Methods for treating or preventing restenosis and other vascular proliferative disorders |
| JP5697297B2 (ja) * | 2004-05-14 | 2015-04-08 | ロゼッタ ジノミクス リミテッド | マイクロnasおよびその使用 |
| US7968762B2 (en) * | 2004-07-13 | 2011-06-28 | Van Andel Research Institute | Immune-compromised transgenic mice expressing human hepatocyte growth factor (hHGF) |
| ATE518954T1 (de) * | 2004-08-18 | 2011-08-15 | Lorus Therapeutics Inc | Kleine interferierende rna-moleküle gegen ribonukleotidreduktase und ihre verwendungen |
| US20060185027A1 (en) * | 2004-12-23 | 2006-08-17 | David Bartel | Systems and methods for identifying miRNA targets and for altering miRNA and target expression |
| ES2381201T3 (es) * | 2005-03-31 | 2012-05-24 | Calando Pharmaceuticals, Inc. | Inhibidores de la subunidad 2 de la ribonucleótido-reductasa y utilizaciones de los mismos |
| JO2660B1 (en) | 2006-01-20 | 2012-06-17 | نوفارتيس ايه جي | Pi-3 inhibitors and methods of use |
| AR060358A1 (es) | 2006-04-06 | 2008-06-11 | Novartis Vaccines & Diagnostic | Quinazolinas para la inhibicion de pdk 1 |
| US9526707B2 (en) * | 2007-08-13 | 2016-12-27 | Howard L. Elford | Methods for treating or preventing neuroinflammation or autoimmune diseases |
| US20100204305A1 (en) * | 2007-12-11 | 2010-08-12 | Lorus Therapeutics Inc. | Small interfering rna molecules against ribonucleotide reductase and uses thereof |
| CA2710122A1 (en) | 2007-12-20 | 2009-07-02 | Novartis Ag | Thiazole derivatives used as pi 3 kinase inhibitors |
| WO2010027279A2 (en) * | 2008-09-04 | 2010-03-11 | Genesis Research And Development Corporation Limited | Compositions and methods for the treatment and prevention of neoplastic disorders |
| EP2727996A1 (en) | 2008-11-06 | 2014-05-07 | The Johns-Hopkins University | Treatment of chronic inflammatory respiratory disorders with NP1 inhibitors |
| US8293753B2 (en) | 2009-07-02 | 2012-10-23 | Novartis Ag | Substituted 2-carboxamide cycloamino ureas |
| AR082418A1 (es) | 2010-08-02 | 2012-12-05 | Novartis Ag | Formas cristalinas de 1-(4-metil-5-[2-(2,2,2-trifluoro-1,1-dimetil-etil)-piridin-4-il]-tiazol-2-il)-amida de 2-amida del acido (s)-pirrolidin-1,2-dicarboxilico |
| EP2851426B1 (en) * | 2010-10-18 | 2018-08-22 | Arrowhead Pharmaceuticals, Inc. | Compositions and methods for inhibiting expression of RRM2 genes |
| JP5963777B2 (ja) | 2011-01-31 | 2016-08-03 | ノバルティス アーゲー | 新規ヘテロ環誘導体 |
| PH12014500912A1 (en) | 2011-10-28 | 2014-06-09 | Novartis Ag | Novel purine derivatives and their use in the treatment of disease |
| BR112014028420A2 (pt) | 2012-05-16 | 2017-09-19 | Novartis Ag | regime de dosagem para um inibidor de quinase pi-3 |
| KR20160095035A (ko) | 2013-12-06 | 2016-08-10 | 노파르티스 아게 | 알파-이소형 선택성 포스파티딜이노시톨 3-키나제 억제제를 위한 투여 요법 |
| CA3002954A1 (en) | 2015-11-02 | 2017-05-11 | Novartis Ag | Dosage regimen for a phosphatidylinositol 3-kinase inhibitor |
| WO2018060833A1 (en) | 2016-09-27 | 2018-04-05 | Novartis Ag | Dosage regimen for alpha-isoform selective phosphatidylinositol 3-kinase inhibitor alpelisib |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5681747A (en) * | 1992-03-16 | 1997-10-28 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Nucleic acid sequences encoding protein kinase C and antisense inhibition of expression thereof |
| AU6490894A (en) * | 1993-03-23 | 1994-10-11 | Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Cellular regulation with riboregulators |
-
1997
- 1997-08-01 DE DE69734589T patent/DE69734589T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1997-08-01 CN CNB971981639A patent/CN1189562C/zh not_active Expired - Fee Related
- 1997-08-01 ES ES97932690T patent/ES2256893T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1997-08-01 AU AU36175/97A patent/AU738592C/en not_active Ceased
- 1997-08-01 EP EP97932690A patent/EP0917569B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-08-01 US US08/904,901 patent/US5998383A/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-08-01 AT AT97932690T patent/ATE309345T1/de not_active IP Right Cessation
- 1997-08-01 JP JP50741098A patent/JP4301576B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1997-08-01 WO PCT/CA1997/000540 patent/WO1998005769A2/en not_active Ceased
- 1997-08-01 IL IL12812497A patent/IL128124A0/xx active IP Right Grant
- 1997-08-01 NZ NZ333802A patent/NZ333802A/en not_active IP Right Cessation
- 1997-08-01 CA CA002262776A patent/CA2262776C/en not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-01-19 IL IL128124A patent/IL128124A/en not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5998383A (en) | 1999-12-07 |
| JP2000517167A (ja) | 2000-12-26 |
| NZ333802A (en) | 2001-09-28 |
| DE69734589T2 (de) | 2006-08-10 |
| AU738592C (en) | 2002-07-25 |
| ES2256893T3 (es) | 2006-07-16 |
| AU738592B2 (en) | 2001-09-20 |
| CN1189562C (zh) | 2005-02-16 |
| CA2262776C (en) | 2005-03-08 |
| IL128124A (en) | 2006-12-31 |
| WO1998005769A2 (en) | 1998-02-12 |
| DE69734589D1 (de) | 2005-12-15 |
| CN1231694A (zh) | 1999-10-13 |
| ATE309345T1 (de) | 2005-11-15 |
| EP0917569B1 (en) | 2005-11-09 |
| WO1998005769A3 (en) | 1998-06-25 |
| IL128124A0 (en) | 1999-11-30 |
| AU3617597A (en) | 1998-02-25 |
| EP0917569A2 (en) | 1999-05-26 |
| CA2262776A1 (en) | 1998-02-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4301576B2 (ja) | リボヌクレオチドレダクターゼのr1およびr2成分に対して指向される抗腫瘍アンチセンス配列 | |
| JP4068861B2 (ja) | 哺乳動物のテロメラーゼ | |
| US7223849B1 (en) | Oligonucleotides from the untranslated regions of housekeeping genes and methods of using same to modulate cell growth | |
| JP4424857B2 (ja) | リボヌクレオチドレダクターゼのr1及びr2成分に対する抗腫瘍アンチセンス配列 | |
| ES2288318T3 (es) | Uso de dna-pk. | |
| US6593305B1 (en) | Antitumor antisense sequences directed against R1 and R2 components of ribonucleotide reductase | |
| TWI402342B (zh) | 用於治療腫瘤之組成物及方法 | |
| EP0971731B1 (en) | Suppression of malignancy utilizing ribonucleotide reductase r1 | |
| AU9732101A (en) | Antitumor antisense sequences directed against R1 and R2 components of ribonucleotide reductase | |
| US6812340B2 (en) | Inhibition of bone tumor formation using antisense cDNA therapy | |
| HK1024640B (en) | Suppression of malignancy utilizing ribonucleotide reductase r1 | |
| HK1130839A (en) | Composition and method for treatment of tumors | |
| HK1036483B (en) | Uses of dna-pk |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040730 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040730 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070521 |
|
| A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070709 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070627 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080805 |
|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20080805 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081030 |
|
| A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20081215 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090205 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090324 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090421 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140501 Year of fee payment: 5 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |