JP4392185B2 - トラクタの動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関回転連動式PTOを備えるトラクタの動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トラクタに備える動力伝達装置(トランスミッション)において、ミッションケース内の動力伝達構成を切換えることで、機関回転連動式のPTO(ライブPTO)軸と、走行回転連動式のPTO(グランドPTO)軸とを、一軸で兼用する技術が公知である。このような構成の動力伝達装置では、グランドPTOとしてPTO軸を機能させる場合、PTO軸への動力取出しは、各種変速装置を経た変速後の走行系動力を利用して、行うものとしている。例えば、特許文献1に開示される技術である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−153611号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来においては、PTO軸へ動力を取出す走行系動力は、走行系の変速がすべて完了した後の動力としていた。ここで、ライブPTOとしても機能するPTO軸に、PTO変速装置を設ける構成の動力伝達装置も存在する。この構成の場合は、PTO軸をグランドPTO軸として機能させた場合に、PTO用に取出された走行系動力が、PTO変速装置を介して変速されることになる。しかしながら、PTO用の動力をPTO軸に伝達する際における変速段数は、PTO変速装置の変速段数に限定される。したがって、走行回転(走行速度)と、グランドPTOとしたPTO軸の駆動回転とが、一定の比で固定されるものとなっていた。トラクタを用いた圃場での作業において、耕耘作業等、単に作業機が大出力を発揮すればよい場合は、変速段数の少ないライブPTOでも不具合は殆ど無い。これに対し、播種や苗移植等の作業時には、車体の走行速度に連動したグランドPTO出力が必要であり、変速段数が多いほど作業の汎用性を拡張することができる。そこで、本発明は、トラクタの動力伝達装置において、ライブPTO出力とグランドPTO出力とを取出し可能とすると共に、グランドPTO出力の変速段数を増加させて作業の汎用性を拡張させる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、エンジン(4)より出力された動力が伝達される入力軸(31)の出力を、直接に油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を介して、PTO軸(8)に動力を伝達する経路と、該入力軸(31)の出力を、主変速装置(19)を含む走行変速装置を経由して、走行変速装置の最後部に配置した副変速装置(18)の手前から、機関回転連動式PTOクラッチであるライブPTOクラッチ(14)の下流側に動力を伝達する機械式のグランドPTOクラッチ(22)の経路とを設け、該PTO軸(8)は、前記ライブPTOクラッチ(14)の軸と、走行回転連動式PTOであるグランドPTOクラッチ(22)の軸を兼用しており、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作により、該ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)を切換え可能としたトラクタの動力伝達装置において、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を、電磁式バルブで切換える構成とすると共に、前記PTOレバー(64)の操作により、機械式のグランドPTOクラッチ(22)を断接するPTOシフタ(56)の切換操作を、検知手段であるスイッチ(70)により検知し、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を接断し、該グランドPTOクラッチ(22)が接続され、該PTO軸(8)に走行系動力が伝達される場合には、前記ライブPTOクラッチ(14)を解除し、ライブPTO駆動系を自由回転状態とする牽制機構を構成したものである。
【0007】
請求項2において、請求項1記載のトラクタの動力伝達装置において、前記ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)との切換部は、該副変速装置(18)を構成する副変速入力軸(44)上に、副変速用の駆動ギヤ(46・・)の他に、グランドPTO取出用のPTO駆動ギヤ(57)を固設し、他方、前記入力軸(31)と同一軸心で接続部に該ライブPTOクラッチ(14)を介装する第一PTO伝動軸(54)上には、該ライブPTOクラッチ(14)の後部に、PTO従動ギヤ(58)を回転自在に配置し、前記副変速入力軸(44)上のPTO駆動ギヤ(57)と、該第一PTO伝動軸(54)上のPTO従動ギヤ(58)とを噛合させ、前記第一PTO伝動軸(54)と第二PTO伝動軸(55)との接続合わせ部に、前記グランドPTOクラッチ(22)を構成し、該グランドPTOクラッチ(22)は、該PTO従動ギヤ(58)の後部に構成した内歯歯部(58a)と、第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と、第二PTO伝動軸(55)上にスプライン嵌合して摺動自在に配置したPTOシフタ(56)から構成し、該PTOシフタ(56)の一端外周上には外歯歯部(56a)を形成し、前記PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合可能に配設し、また、該PTOシフタ(56)の前端内周には内歯歯部(56b)を形成し、前記第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と噛合可能に配置し、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作でPTOシフタ(56)を上流側に移動させると、該PTOシフタ(56)の内歯歯部(56b)が第一PTO伝動軸(54)の外歯歯部(54a)と噛合して、前記入力軸(31)の駆動回転が第二PTO伝動軸(55)に伝達され、該PTO軸(8)がライブPTO軸として機能し、該PTOシフタ(56)を下流側へ移動すると、PTOシフタ(56)の外歯歯部(56a)が該PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合して、前記副変速入力軸(44)の駆動回転を第二PTO伝動軸(55)に伝達し、該PTO軸(8)がグランドPTO軸として機能するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のトラクタの動力伝達装置の一実施の形態について、図面を用いて説明する。図1はトラクタ1の全体側面図であり、図2は動力伝達装置10の構成を示す概略図であり、図3は動力伝達装置10の動力伝達上流側の構成を示す側面図であり、図4は動力伝達装置10の動力伝達中部の構成を示す側面図であり、図5は動力伝達装置10の動力伝達下流側の構成を示す側面図である。
【0009】
図6は動力伝達機構30の構成を示す側面図であり、図7はPTO出力切換に関わる牽制機構を示す側面図であり、図8は操作レバーリンクを示す正面図であり、図8(a)は本実施形態図、図8(b)は従来図であり、図9は操作レバーリンクを示す二面図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図である。
【0010】
図1を用いて、本発明が適用されるトラクタ1の全体構成について説明する。トラクタ1の車体の前後には、前輪2・2および後輪3・3をそれぞれ配置し、車体の前部にエンジン4を内蔵するボンネット21が配置され、車体の後部にキャビン5が配置される。キャビン5内には、ステアリングハンドル23を設けて、該ステアリングハンドル23の後方にはシート24を配設している。エンジン4の後方にはクラッチハウジング7を配置し、該クラッチハウジング7の後方にトランスミッションケース(以下ミッションケース)6を連結し、エンジン4からの動力を後輪3に伝達して駆動している。また、エンジン4の駆動力は、ミッションケース6後端から突出したPTO軸(動力取出し軸)8に伝達されて、該PTO軸8の回転により、機体後端に接続した作業機を駆動するように構成している。
【0011】
図2を用いて、トラクタ1の動力伝達装置10の構成を、まず概略的に説明する。動力伝達装置10は、エンジン4から出力される動力を、前輪2および後輪3を駆動する後輪駆動軸9と、作業機を駆動するPTO軸8と、に伝達する装置であり、クラッチハウジング7およびミッションケース6の内部に配設される。動力伝達装置10において、エンジン4を上流側とし、副変速入力軸44およびPTO軸8を下流側とする。エンジン4から後輪駆動軸(副変速出力軸)9およびPTO軸8までの間に、各種の変速装置が配置されている。走行変速装置は前後進切換装置11と、高低変速装置(第一変速装置)12と、主変速装置(第二変速装置)19と副変速装置18とからなり、後部にPTO変速装置15が配置される。前後進切換装置11と高低変速装置12は油圧クラッチにより構成され、主変速装置19はシンクロメッシュ式の変速装置より構成され、副変速装置18とPTO変速装置は歯車噛合式の変速装置としている。そして、後輪駆動軸(副変速出力軸)9よりデファレンシャル機構27を介して後輪3・3が駆動される。トラクタ1は四輪駆動であり、後輪駆動軸9より前輪増速装置16を介して、前輪駆動軸20に動力が伝達され、前輪2・2が駆動される。
【0012】
前記PTO軸8は、機関回転連動式PTO(以下ライブPTO)軸と走行回転連動式PTO(以下グランドPTO)軸を兼用しており、運転部に設けたPTOレバー64の操作により切り換えられるようにしている。ライブPTOの場合、PTO軸8は、エンジン4の機関回転に連動して回転し、走行系の各種変速装置により変速された副変速入力軸44の駆動回転とは独立して駆動される。また、エンジン4からの動力は、ライブPTOクラッチ14を介してPTO軸8に伝えられ、ライブPTOクラッチ14により断接可能としている。一方、PTO軸8をグランドPTO軸とした場合、PTO軸8は、副変速装置18を除く走行変速装置により変速され、副変速入力軸(副変速入力軸)44に伝えられた駆動回転に連動して、回転する。該PTO軸8の動力の断接は、グランドPTOクラッチ22により可能である。該グランドPTOクラッチ22はPTO伝動経路切換手段ともなっており、後述するように、エンジン4からの出力をPTOクラッチ14を介して直接PTO軸8に伝達する経路と、エンジンから走行変速装置を介してPTO軸8に伝達する経路を切り換えられるようにしている。このようにして、エンジン4からの出力が、直接もしくは間接にPTO変速装置15に伝達され、その変速後の動力がPTO軸8に伝達される。
【0013】
図3、図4を用いて、走行系における動力伝達経路について説明する。図3において、エンジン4のフライホイール26にはダンパーディスクを介して入力軸31と連結されている。また、入力軸31と平行に、第一切換軸32および第二切換軸33がミッションケース6に支持されている。そして、入力軸31上に後進クラッチと前進クラッチからなる前後進切換装置11が設けられ、キャビン5内の運転部に設けた前後進切換レバーの操作により切り換えられるようにしている。前進時には前進クラッチを「接」として入力軸31から前進クラッチ、歯車を介して第一切換軸32に動力を伝達し、後進時には後進クラッチを「接」として入力軸31から後進クラッチ、クラッチ歯車、第二切換軸33上の歯車を介して第一切換軸32に固設した歯車に動力を伝える。該前後進切換装置11のクラッチを「断」としたときには動力は伝達されない。
【0014】
前後進切換装置11の下流側で、入力軸31の軸上には、軸受を介してパイプ状の第一走行軸41が回動自在に設けられ、該第一走行軸41上には大径歯車と小径歯車が一体的に設けられ、前記第一切換軸32上に設けた高低変速装置12を構成するクラッチ歯車と噛合している。運転部に設けた高低変速スイッチにより高低変速装置12を切換えることができ、該高低変速装置12の低速クラッチをON(「接」)すると低速クラッチ歯車より大径歯車、第一走行軸41に動力が伝達され、高速クラッチをONすると高速クラッチ歯車より小径歯車、第一走行軸41と動力が伝達され、高低変速装置12の切換により、副変速入力軸44の回転を高速および低速のいずれかに切換えられる。
【0015】
第一走行軸41の下流側で、入力軸31の同軸上には、パイプ状の第二走行軸42が回動自在に設けられている。前記第一走行軸41の後端と第二走行軸42の前端部は、スプラインにより嵌合しており、両走行軸41・42が一体となって回動する。また、第二走行軸42(入力軸31)と平行に、第三走行軸43がミッションケース6に回転自在に支持されている。そして、第三走行軸43上に設けた摺動体により、第二走行軸42と第三走行軸43との間に設けた歯車を選択することにより動力伝達経路を切換可能とし、主変速装置19を構成している。該主変速装置19は四段の変速切換が可能に構成されている。
【0016】
以上構成により、エンジン4より出力される動力は、前後進切換装置11により、前進、後進、停止の切換が可能であると共に、高低変速装置12の二段および主変速装置19の四段で切換えられる。つまり、主変速装置19のまでの変速で、同一回転方向では、八段の変速切換が可能である。
【0017】
次に、図4を用いて、クリープ装置17について説明する。クリープ装置17は運転部に設けたクリープレバーで変速操作でき、第三走行軸43と同軸上で下流側、つまり、第三走行軸43の後端に副変速入力軸44の前端が回動自在に嵌合されている。また、第三走行軸43および副変速入力軸44と平行に、クリープ変速軸45が設けられ、該クリープ変速軸45の前部はミッションケース6に回転自在に支持され、後部は後輪駆動軸9の前部に回転自在に支持されている。そして、第三走行軸43と副変速入力軸44との合わせ部の近傍には、クリープ装置17が設けられている。該クリープ装置17は、副変速入力軸44の前部にシフタギヤ28が摺動可能にスプライン嵌合され、該シフタギヤ28の前部を第三走行軸43の後部の歯部と噛合させることにより通常の走行状態となり、シフタギヤ28を後方へ摺動してクリープ変速軸45上の歯車と噛合させることにより、第三走行軸43後部上に設けた歯車からクリープ変速軸45前部上に設けた歯車と伝達され、更に、クリープ変速軸45後部上に設けた歯車からシフタギヤ28を介して副変速入力軸44へと伝達する。こうして、クリープ変速されて動力が大きく減速される。
【0018】
図4を用いて、副変速装置18について説明する。副変速入力軸である副変速入力軸44と平行に、副変速出力軸である後輪駆動軸9が配置されている。そして、副変速入力軸44から後輪駆動軸9への動力が、副変速装置18により変速されて伝達される。前記副変速入力軸44上には、クリープ装置17の下流側で、前から順に第一駆動ギヤ46、PTO駆動ギヤ57、第二駆動ギヤ47、第三駆動ギヤ48が固設され、或いは一体的に形成されている。一方、後輪駆動軸9上には、前記駆動ギヤ46・47・48のそれぞれと噛合する、第一従動ギヤ49、第二従動ギヤ50、第三従動ギヤ51が回動自在に設けられている。該従動ギヤ49と従動ギヤ50の間には第一シフタ52が設けられ、従動ギヤ50と従動ギヤ51の間には第二シフタ53が設けられている。以上により副変速装置18が構成されて、シフタ52・53は運転部に設けた副変速レバーの操作により切り換えることができ、副変速入力軸44に伝達された動力が、三段階のいずれかに切換えられて、後輪駆動軸9に伝達される。
【0019】
次に、図3から図5を用いて、PTO系における動力伝達について説明する。図3、図4に示すように、入力軸31にはエンジン4より出力された動力が伝達され、前記走行系への動力伝達とは関わり無く、入力軸31は常時エンジン4の機関回転数で回転する。入力軸31と同軸上で下流側には、第一PTO伝動軸54が入力軸31に対して回動自在に設けられている。入力軸31と第一PTO伝動軸54との合わせ部には、ライブPTOクラッチ14が設けられており、入力軸31と第一PTO伝動軸54との間の動力伝達を断接可能とされている。
【0020】
第一PTO伝動軸54と同軸上で下流(後)側には、第二PTO伝動軸55が第一PTO伝動軸54に対して回動自在に設けられている。つまり、第一PTO伝動軸54の後端に第二PTO伝動軸55の前部が回転自在に嵌合されている。第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との合わせ部には、両PTO伝動軸54・55と噛合可能なPTOシフタ56が設けられており、該PTOシフタ56を介して、第一PTO伝動軸54より第二PTO伝動軸55へ動力伝達を可能としている。なお、詳しくは後述するが、PTOシフタ56は、走行回転連動式PTOクラッチ(グランドPTOクラッチ)22の一構成部材である。そして、PTOシフタ56は、走行系の動力をPTO軸8に伝達して、PTO軸8からの出力を走行回転と同期(比例)して回転する際に、入力軸31からPTO軸8へ向けた動力伝達を遮断する手段としても活用する。
【0021】
図5に示すように、第二PTO伝動軸55の下流(下方)側で、第二PTO伝動軸55と平行にPTO軸8が配置され、ミッションケース6に回転自在に支持されている。第二PTO伝動軸55とPTO軸8との間には、PTO変速装置15が設けられており、第二PTO伝動軸55上に複数の歯数の異なる駆動歯車を設け、PTO軸8上に前記駆動歯車と噛合する従動歯車を回転自在に設け、該従動歯車の間のPTO軸8上に摺動可能、相対回転不能にシフタを設け、該シフタをPTO変速レバーの操作により切り換えて、従動歯車と選択噛合させて、PTO変速を可能としている。PTO変速装置15は本実施例では二段の変速切換が可能に構成されている。
【0022】
以上で述べた動力伝達装置10の構成において、PTO軸8は、ライブPTO軸として構成されている。また、動力伝達装置10においては、PTO軸8をグランドPTO軸として機能させることも可能である。このための機構として、動力伝達装置10には、走行系動力をPTO軸8へと伝達する動力伝達機構30が設けられている。そして、動力伝達装置10を備えるトラクタ1が、ライブPTOとグランドPTOの両出力を取出し可能としている。
【0023】
図4、図6を用いて、グランドPTOに切換可能とする動力伝達機構30について説明する。前記副変速装置18を構成する副変速入力軸44上には、駆動ギヤ46・47・48の他に、グランドPTO取出用のPTO駆動ギヤ57が固設されている。また、ライブPTOクラッチ14とPTO軸8の間の伝達経路上に位置する前記第一PTO伝動軸54上には、PTO従動ギヤ58が回動自在に設けられ、該PTO駆動ギヤ57はPTO従動ギヤ58と噛合させている。
【0024】
前記第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との合わせ部(接続部)には、グランドPTOクラッチ22が設けられている。該グランドPTOクラッチ22は、PTO従動ギヤ58の後部に構成した歯部(内歯)58aと、第一PTO伝動軸54の後部外周に形成した歯部54aと、第二PTO伝動軸55上にスプライン嵌合して摺動自在に配置したPTOシフタ56から構成されている。該PTOシフタ56の一端(前端)外周上には歯部(外歯)56aが形成されて、前記歯部58aと噛合可能に配設され、また、PTOシフタ56の一端(前端)内周には歯部(内歯)56bが形成されて、第一PTO伝動軸54の後部外周に形成した歯部54aと噛合可能に配置されている。こうして、運転部に設けたPTOレバー64の操作でPTOシフタ56を上流側(図6中矢印A)に移動させると、PTOシフタ56の歯部56bが第一PTO伝動軸54の歯部54aと噛合して、入力軸31の駆動回転が第二PTO伝動軸55に伝達され、PTO軸8がライブPTO軸として機能する。また、PTOシフタ56を下流側(図6中矢印B)に移動させると、PTOシフタ56の歯部56aがPTO従動ギヤ58の歯部58aと噛合して、副変速入力軸44の駆動回転が第二PTO伝動軸55に伝達され、PTO軸8がグランドPTO軸として機能する。
【0025】
以上で説明したように、走行変速装置のおいて副変速装置18の手前側に伝達された走行系の動力を、副変速入力軸44より、PTO駆動ギヤ57、PTO従動ギヤ58、PTOシフタ56を介して、第二PTO伝動軸55へ動力を伝達する動力伝達機構30が構成される。そして、走行系の動力がPTO軸8に伝達されると、PTO軸8がグランドPTO軸として機能する。
【0026】
以上で説明した動力伝達装置10の構成の特徴的な点についてまとめる。トラクタ1に備える動力伝達装置10は、エンジン4の出力軸から走行変速装置を介してPTO軸8に動力を伝達する経路と、エンジン4の出力軸から直接PTO軸8に動力を伝達する経路と、を備えている。加えて、走行変速装置は最下流に副変速装置18を備え、副変速装置18の手前側の伝達経路よりPTO出力を取り出す構成としている。ここで、前記手前側の伝達経路とは、本実施の形態では、副変速入力軸44を指している。
【0027】
このため、動力伝達装置10より、副変速装置18への入力前の走行系動力を利用して、機関回転連動式PTO(ライブPTO)出力を取り出すことができる。したがって、副変速装置18の切換操作により複数段の変速が可能で、走行回転とPTO軸8の回転との比を変更することができ、トラクタ1を用いた圃場での作業の汎用性を拡張することができる。
【0028】
また、動力伝達装置10において、前記伝達経路から取出した動力の入力部の下流側に、PTO変速装置15を設けている。ここで、前記伝達経路から取出した動力の入力部とは、副変速入力軸44から前記動力伝達機構30を介して動力が入力される部位であり、本実施の形態では、PTOシフタ56の配設部位である。
【0029】
このため、走行回転連動式PTO(グランドPTO)出力を、前記副変速装置18およびPTO変速装置15の二段階で変速することが可能である。そして、グランドPTOの合計変速段数は、副変速装置18の変速段数とPTO変速装置15の変速段数との積で与えられるため、大幅な変速段数の増加となる。
【0030】
次に、図6を用いて、グランドPTO出力に関わる潤滑構造について説明する。ミッションケース6に支持された前記第一PTO伝動軸54の前部上にライブPTOクラッチ14が構成され、後部上にグランドPTOクラッチ22が構成され、両PTOクラッチ14・22は比較的近い位置(近傍位置)に配置されて、後述する油路60・61ができるだけ短くなるようにして潤滑が容易にできるようにしている。更に、ライブPTOクラッチ14の下流側(後側)の第一PTO伝動軸54上にはPTOブレーキ29が構成されている。そして、前記第一PTO伝動軸54内には軸心と平行に油路60・61が形成され、油路60は一側が油圧アクチュエータとして電磁バルブで構成した油圧制御バルブと接続され、他側はライブPTOクラッチ14のシリンダと接続され、PTOレバーの操作でライブPTOクラッチ14がONされると、電磁バルブで構成した油圧制御バルブが切り換えられて圧油をシリンダに送油し、クラッチピストン34を押して摩擦板を圧接してライブPTOクラッチ14を「接」として入力軸31から第一PTO伝動軸54に動力を伝達する。
【0031】
また、油路61の一側は油圧ポンプと接続され、他側は前記第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との連結部(合わせ部)に形成した油路63と、PTOブレーキ29を潤滑する油路62と、ライブPTOクラッチ14の摩擦板部の潤滑部分に接続されている。こうして、エンジンが作動しているときには、油圧ポンプも同時に駆動されて、油路61に圧油が送油され、油路63からグランドPTOクラッチ22を潤滑し、ライブPTOクラッチ14の摩擦板部を潤滑するとともに、PTOブレーキ29の摩擦板の圧接を解除するようにピストンを摺動させて制動を解除するのである。つまり、エンジンを停止した時、ライブPTOクラッチ14はOFFとなっているので、作業機は慣性で回転を続けることがあるので、PTOブレーキ29を作動させ、エンジンが作動するとPTOブレーキ29の制動を解除するのである。なお、グランドPTOクラッチ22がONの状態では、走行軸と連結されているので、走行が停止すると同時に作業機の駆動も停止される。
【0032】
動力伝達装置10において、前記エンジン4の出力とPTO軸8との間に油圧クラッチ式のPTOクラッチ(グランドPTOクラッチ22)を設け、該PTOクラッチ(グランドPTOクラッチ22)近傍の下流側に、前記伝達経路から取出した動力の入力部を設けている。ここで、前記伝達経路から取出した動力の入力部とは、副変速入力軸44から前記動力伝達機構30を介して動力が入力される部位であり、本実施の形態では、PTOシフタ56の配設部位である。
【0033】
このため、エンジン4からPTO軸8に至るライブPTO系の動力伝達経路において、動力伝達の断接個所(第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との連結部)も、機関回転連動式PTOクラッチ(ライブPTOクラッチ)14の近傍位置となる。したがって、機関回転連動式PTOクラッチ(ライブPTOクラッチ)14の潤滑油路を利用して、前記断接個所(第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との連結部)を潤滑することができ、新たな油路の形成や潤滑油供給用の油圧バルブの新設が不要である。
【0034】
次に、図7を用いて、PTO出力切換に関わる牽制機構について説明する。動力伝達装置10には、グランドPTOクラッチ22の接続により、PTO出力をライブPTOからグランドPTOに切換える際に、ライブPTOクラッチ14を切断するための牽制機構が設けられている。ここで、グランドPTOクラッチ22(図4、図6に図示)を接続しただけで、第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との連動は解除されて相対回転自在となり、PTO軸8よりグランドPTO出力を取出し可能である。しかし、第一PTO伝動軸54はエンジン4の機関回転に連動するのに対し、第二PTO伝動軸55は前記各種変速後の走行系の動力に連動して回転するため、両PTO伝動軸54・55の連結部で回転差が生じている。特に、走行系動力は、エンジン4の機関回転に対して逆回転することもある。そこで、前記牽制機構を設けることで、第二PTO伝動軸55に走行系動力を伝達した際には、第一PTO伝動軸54を自由回転状態とする。
【0035】
まず、グランドPTOクラッチ22の操作手段について説明する。該操作手段は、前記牽制機構の一要素でもある。図1、図7に示すように、キャビン5内のフェンダーに設ける取付ブラケット(サイドコラム)76より上方に、PTO伝動経路切換手段となるグランドPTOレバー64が突出している。図7に示すように、ミッションケース6内にはシフタフォーク65が配設されており、シフタフォーク65の回動により、前記PTOシフタ56が第二PTO伝動軸55に沿って移動し、PTO出力の切換が行われる。また、グランドPTOレバー64とシフタフォーク65とは、次のリンクを介して連結されている。取付ブラケット76に固設されるレバーブラケット77には、第一リンク66の一端が回動自在に枢支されている。なお、レバーブラケット77については、詳しくは後述する。そして、第一リンク66の他端には、グランドPTOレバー64の下端が枢結され、第一リンク66の中途部には第二リンク67の上端が、回動自在に設けられている。ここでグランドPTOレバー64は、支持ステー68に支持されて、上下方向のみ摺動自在である。また、第二リンク67の下端が第三リンク69の一端に枢支され、該第三リンク69は前記シフタフォーク65を支持する回動軸72に固定されている。該第三リンク69の一端部を固設する回動軸72は、ミッションケース6に回動自在に設けられ、該回動軸72にはシフタフォーク65が固設される。また、第二リンク67は第三リンク69に対して回動自在である。以上構成により、グランドPTOレバー64を上下方向に移動させると、第一リンク66、第二リンク67、第三リンク69を介して、シフタフォーク65が回動する。そして、グランドPTOレバー64の操作により、グランドPTOクラッチ22(図4、図6に図示)の断接を切換可能とするのである。
【0036】
ライブPTOクラッチ14の操作手段について説明する。ライブPTOクラッチ14は多板式の油圧クラッチであり、電磁バルブの切換により圧油を送油して断接するように構成しており、該電磁バルブは切換検知手段としてのスイッチ70の入切により、ライブPTOクラッチ14の断接が行われる。図7に示すように、ライブPTOクラッチ14の操作手段としてのスイッチ70は、ミッションケース6の外面上に設けられている。スイッチ70は押しスイッチであり、スイッチ70本体に対してスライドする入力体70aを備えている。入力体70aをスイッチ70本体側(図7中矢印C)へ移動させるとスイッチ70の「切」状態であり、反スイッチ70本体側(図7中矢印D)へ移動させるとスイッチ70の「入」状態となる。
【0037】
次に、グランドPTOクラッチ22とライブPTOクラッチ14との連動構成について説明する。図7に示すように、前記回動軸72にはスイッチアーム71が固設されており、スイッチアーム71はシフタフォーク65と一体的に回転する。スイッチアーム71を回動軸72回りに回動させて、前記スイッチ70の入力体70aに当接可能である。そして、グランドPTOレバー64を上方へ回動させると、リンク66・67・69を介してシフタフォーク65が後方へ回動され、前記PTOシフタ56が後方へ移動し、グランドPTOクラッチ22が「接」となり、その回動によって、スイッチアーム71も同時に後方へ回動し、入力体70aがスイッチ70本体側(矢印C)に移動して、スイッチ70が「切」となり、ライブPTOクラッチ14が「切」となる。逆に、グランドPTOレバー64を下方に移動させると、前記と逆方向にリンク66・67・69、シフタフォーク65が前方へ回動し、前記PTOシフタ56が前方に移動し、グランドPTOクラッチ22が「切」となり、前記第一PTO伝動軸(54)と第二PTO伝動軸(55)とが接続され、入力体70aが矢印Dに移動して、スイッチ70が「入」となり、ライブPTOクラッチ14が「接」となる。以上のようにして、グランドPTOクラッチ22が接続されると、ライブPTOクラッチ14が解除される。つまり、ライブPTOクラッチ14は牽制機構の役目を果たす構成となっている。
【0038】
ここで、PTO出力切換に関わる前記牽制機構の構成をまとめる。まず、動力伝達機構10は、エンジン4の出力から走行変速装置を経由して機関回転連動式PTOクラッチ(グランドPTOクラッチ22)下流側に動力を伝達する経路と、エンジン4の出力から直接に機関回転連動式PTOクラッチ(ライブPTOクラッチ14)を介してPTO軸8に動力を伝達する経路とを切換えるPTO伝動経路切換手段(グランドPTOレバー64)を設けた構成である。そして、前記PTOクラッチ(ライブPTOクラッチ14)を電磁式アクチュエータ(電磁バルブ)で切換える構成とすると共に、前記PTO伝動経路切換手段の切換を検知する切換検知手段(スイッチ70)を設け、該切換検知手段と前記電磁式アクチュエータを連動連結している。
【0039】
このため、PTO軸8より機関回転連動式PTO(グランドPTO)出力を取出す際に、機関回転連動式PTOクラッチ14を切断することで、機関回転動力の伝達される軸(第一PTO伝動軸54)が自由回転状態とされる。したがって、前記クラッチ機構の操作手段(グランドPTOレバー64)により走行系動力の伝達される軸(第二PTO伝動軸55)と、機関回転動力の伝達される軸(第一PTO伝動軸54)との間で、相対回転における抵抗を和らげることができる。つまり、PTO出力の切換時に、スムーズな動力切換を行うことができる。
【0040】
次に、図8、図9を用いて、各種操作レバーの支持構造について説明する。図8(a)に示すように、キャビン5(図1に図示)内の取付ブラケット76には、各種操作レバーが配置されている。これらの操作レバーは、例えば、主変速装置13の操作手段、副変速装置18の操作手段、PTO変速装置15の操作手段を構成する。以下において、これらの各種レバーを、第一操作レバー73、第二操作レバー74、第三操作レバー75と称する。なお、取付ブラケット76は、折曲加工された板状部材で構成されており、水平面と平行な第一水平部76a、第二水平部76bと、水平面に垂直で第一水平部76aと第二水平部76bを接続する垂直部76cとを備えている。
【0041】
図9(a)、図9(b)に示すように、操作レバー73・74・75は、正面断面視L字型のレバーブラケット77に支持される。この支持構成について詳しく説明する。レバーブラケット77は側板部77aと下板部77bとからL字型に構成され、該側板部77aは前記取付ブラケット76の垂直部76cに固設され、下板部77bは前記第二水平部76bに固設される。前記側板部77a及び垂直部76cには位置を合わせて複数の貫通孔が開口されており、該貫通孔に筒状の軸受け78・79・80が挿通されて固設されている。該軸受け78・79・80にはそれぞれ、回動軸81・82・83が回動自在に挿入され、該回動軸81・82・83の一側にはそれぞれ、前記操作レバー73・74・75が固設されている。以上構成により、操作レバー73・74・75が、回動軸81・82・83および軸受け78・79・80を介して、レバーブラケット77に回動自在に支持される。なお、前記側板部77a及び垂直部76cには前記第一リンク66(図7に図示)の回動軸取付用の貫通孔88も開口されている。
【0042】
前記回動軸81・82・83の他端側には、それぞれ第一リンク84、第二リンク85、第三リンク86の一端が固設されている。該第一リンク84、第二リンク85、第三リンク86の他端には、それぞれミッションケース6内の各種変速装置のシフタ等に、図示せぬリンクを介して連結されている。そして、操作レバー73・74・75の回動操作により、ミッションケース6内の各種変速装置が変速されるのである。
【0043】
そして、図8(a)、図9に示すように、前記レバーブラケット77の側板部77aの機体内側に、補強部材87が固設されている。該補強部材87は、正面断面視コ字形状に形成され、その開放側端を側板部77aの内側面に固設している。該補強部材87の垂直部分には、前記軸受け78・79・80を挿通して固定するための貫通孔が開口され、該軸受け78・79・80を補強部材87と側板部77aとで、軸受け78・79・80の両側が支持されるようにしている。
【0044】
ここで、図8(a)に示す本実施形態のレバーブラケット77と、図8(b)に示す従来のレバーブラケット177との比較を行う。従来のレバーブラケット177は矩形状の一枚板で形成され、板状部材であるレバーブラケット177に、軸受け178等(レバーブラケット77と同様に三つの軸受け)が固設され、該軸受け178等に回動軸181等が回動自在に設けられる。回動軸181等の一端側にはそれぞれ、操作レバー173等が固設され、他端側にはリンク184等が固設される。そして、板状部材であるレバーブラケット177は、取付ブラケット76の垂直部76cbに固設されて、トラクタ1に支持されている。
【0045】
本実施形態のレバーブラケット77は、断面形状をL字型としているため、二面でトラクタ1側(取付ブラケット76)に支持される。このため、レバーブラケット77は、一面でのみトラクタ1側(取付ブラケット76)に支持される従来のレバーブラケット177に対して、より強固に支持される構成である。特に、支持される二面は、互いに垂直となる面であるので、より支持剛性が向上している。
【0046】
また、操作レバー73・74・75を(回動軸81・82・83を介して)回動自在に支持する軸受け78・79・80は、レバーブラケット77の側板部77aと、側板部77aと平行な板状部分を有する補強部材87とで、支持される。このため、操作レバー73・74・75が、一枚板のレバーブラケット177で支持される場合よりも、より強固に支持されて、レバー支点の剛性が向上している。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1記載の如く、エンジン(4)より出力された動力が伝達される入力軸(31)の出力を、直接に油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を介して、PTO軸(8)に動力を伝達する経路と、該入力軸(31)の出力を、主変速装置(19)を含む走行変速装置を経由して、走行変速装置の最後部に配置した副変速装置(18)の手前から、機関回転連動式PTOクラッチであるライブPTOクラッチ(14)の下流側に動力を伝達する機械式のグランドPTOクラッチ(22)の経路とを設け、該PTO軸(8)は、前記ライブPTOクラッチ(14)の軸と、走行回転連動式PTOであるグランドPTOクラッチ(22)の軸を兼用しており、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作により、該ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)を切換え可能としたトラクタの動力伝達装置において、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を、電磁式バルブで切換える構成とすると共に、前記PTOレバー(64)の操作により、機械式のグランドPTOクラッチ(22)を断接するPTOシフタ(56)の切換操作を、検知手段であるスイッチ(70)により検知し、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を接断し、該グランドPTOクラッチ(22)が接続され、該PTO軸(8)に走行系動力が伝達される場合には、前記ライブPTOクラッチ(14)を解除し、ライブPTO駆動系を自由回転状態とする牽制機構を構成したので、次のような効果を奏する。
即ち、動力伝達装置10には、グランドPTOクラッチ22の接続により、PTO出力をライブPTOからグランドPTOに切換える際に、ライブPTOクラッチ14を切断するための牽制機構が設けられている。ここで、グランドPTOクラッチ22(図4、図6に図示)を接続しただけで、第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との連動は解除されて相対回転自在となり、PTO軸8よりグランドPTO出力を取出し可能である。しかし、第一PTO伝動軸54はエンジン4の機関回転に連動するのに対し、第二PTO伝動軸55は前記各種変速後の走行系の動力に連動して回転するため、両PTO伝動軸54・55の連結部で回転差が生じている。特に、走行系動力は、エンジン4の機関回転に対して逆回転することもある。そこで、前記牽制機構を設けることで、第二PTO伝動軸55に走行系動力を伝達した際には、第一PTO伝動軸54を自由回転状態とする。動力伝達装置より、副変速装置への入力前の走行系動力を利用して、機関回転連動式PTO出力を取り出すことができる。
従って、第一PTO伝動軸54と第二PTO伝動軸55との間の連結部で発生する回転差を吸収することが出来る。
また、走行系動力は、エンジン4の機関回転に対して逆回転することもあるが、この逆回転を吸収することができるのである。
【0048】
また、前記伝達経路から取出した動力の入力部の下流側に、PTO変速装置を設けたので、走行回転連動式PTO出力を、前記副変速装置およびPTO変速装置の二段階で変速することが可能である。そして、グランドPTOの合計変速段数は、副変速装置の変速段数とPTO変速装置の変速段数との積で与えられるため、大幅な変速段数の増加となる。
【0049】
また、前記エンジン出力とPTO軸との間に油圧クラッチ式のPTOクラッチを設け、該PTOクラッチ近傍の下流側に前記伝達経路から取出した動力の入力部を設けたので、エンジンからPTO軸に至るライブPTO系の動力伝達経路において、動力伝達の断接個所も、機関回転連動式PTOクラッチの近傍位置となる。
したがって、機関回転連動式PTOクラッチの潤滑油路を利用して、前記断接個所を潤滑することができ、新たな油路の形成や潤滑油供給用の油圧バルブの新設が不要である。
【0050】
請求項2記載の如く、請求項1記載のトラクタの動力伝達装置において、前記ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)との切換部は、該副変速装置(18)を構成する副変速入力軸(44)上に、副変速用の駆動ギヤ(46・・)の他に、グランドPTO取出用のPTO駆動ギヤ(57)を固設し、他方、前記入力軸(31)と同一軸心で接続部に該ライブPTOクラッチ(14)を介装する第一PTO伝動軸(54)上には、該ライブPTOクラッチ(14)の後部に、PTO従動ギヤ(58)を回転自在に配置し、前記副変速入力軸(44)上のPTO駆動ギヤ(57)と、該第一PTO伝動軸(54)上のPTO従動ギヤ(58)とを噛合させ、前記第一PTO伝動軸(54)と第二PTO伝動軸(55)との接続合わせ部に、前記グランドPTOクラッチ(22)を構成し、該グランドPTOクラッチ(22)は、該PTO従動ギヤ(58)の後部に構成した内歯歯部(58a)と、第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と、第二PTO伝動軸55上にスプライン嵌合して摺動自在に配置したPTOシフタ(56)から構成し、該PTOシフタ(56)の一端外周上には外歯歯部(56a)を形成し、前記PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合可能に配設し、また、該PTOシフタ(56)の前端内周には内歯歯部(56b)を形成し、前記第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と噛合可能に配置し、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作でPTOシフタ(56)を上流側に移動させると、該PTOシフタ(56)の内歯歯部(56b)が第一PTO伝動軸(54)の外歯歯部(54a)と噛合して、前記入力軸(31)の駆動回転が第二PTO伝動軸(55)に伝達され、該PTO軸(8)がライブPTO軸として機能し、該PTOシフタ(56)を下流側へ移動すると、PTOシフタ(56)の外歯歯部(56a)が該PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合して、前記副変速入力軸(44)の駆動回転を第二PTO伝動軸(55)に伝達し、該PTO軸(8)がグランドPTO軸として機能するので、PTO軸より機関回転連動式PTO出力を取出す際に、機関回転連動式PTOクラッチを切断することで、機関回転動力の伝達される軸が自由回転状態とされる。
したがって、前記クラッチ機構の操作手段により走行系動力の伝達される軸と、機関回転動力の伝達される軸との間で、相対回転における抵抗を和らげることができる。つまり、PTO出力の切換時に、スムーズな動力切換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタ1の全体側面図である。
【図2】 動力伝達装置10の構成を示す概略図である。
【図3】 動力伝達装置10の動力伝達上流側の構成を示す側面図である。
【図4】 動力伝達装置10の動力伝達中部の構成を示す側面図である。
【図5】 動力伝達装置10の動力伝達下流側の構成を示す側面図である。
【図6】 動力伝達機構30の構成を示す側面図である。
【図7】 PTO出力切換に関わる牽制機構を示す側面図である。
【図8】 操作レバーリンクを示す正面図であり、図8(a)は本実施形態図、図8(b)は従来図である。
【図9】 操作レバーリンクを示す二面図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
4 エンジン
8 PTO軸
10 動力伝達装置
13 主変速装置
17 クリープ装置
18 副変速装置
14 ライブPTOクラッチ
15 PTO変速装置
22 グランドPTOクラッチ(クラッチ機構)
30 動力伝達機構
44 副変速入力軸
70 スイッチ
Claims (2)
- エンジン(4)より出力された動力が伝達される入力軸(31)の出力を、直接に油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を介して、PTO軸(8)に動力を伝達する経路と、該入力軸(31)の出力を、主変速装置(19)を含む走行変速装置を経由して、走行変速装置の最後部に配置した副変速装置(18)の手前から、機関回転連動式PTOクラッチであるライブPTOクラッチ(14)の下流側に動力を伝達する機械式のグランドPTOクラッチ(22)の経路とを設け、該PTO軸(8)は、前記ライブPTOクラッチ(14)の軸と、走行回転連動式PTOであるグランドPTOクラッチ(22)の軸を兼用しており、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作により、該ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)を切換え可能としたトラクタの動力伝達装置において、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を、電磁式バルブで切換える構成とすると共に、前記PTOレバー(64)の操作により、機械式のグランドPTOクラッチ(22)を断接するPTOシフタ(56)の切換操作を、検知手段であるスイッチ(70)により検知し、前記油圧クラッチ式のライブPTOクラッチ(14)を接断し、該グランドPTOクラッチ(22)が接続され、該PTO軸(8)に走行系動力が伝達される場合には、前記ライブPTOクラッチ(14)を解除し、ライブPTO駆動系を自由回転状態とする牽制機構を構成したことを特徴とするトラクタの動力伝達装置。
- 請求項1記載のトラクタの動力伝達装置において、前記ライブPTOクラッチ(14)とグランドPTOクラッチ(22)との切換部は、該副変速装置(18)を構成する副変速入力軸(44)上に、副変速用の駆動ギヤ(46・・)の他に、グランドPTO取出用のPTO駆動ギヤ(57)を固設し、他方、前記入力軸(31)と同一軸心で接続部に該ライブPTOクラッチ(14)を介装する第一PTO伝動軸(54)上には、該ライブPTOクラッチ(14)の後部に、PTO従動ギヤ(58)を回転自在に配置し、前記副変速入力軸(44)上のPTO駆動ギヤ(57)と、該第一PTO伝動軸(54)上のPTO従動ギヤ(58)とを噛合させ、前記第一PTO伝動軸(54)と第二PTO伝動軸(55)との接続合わせ部に、前記グランドPTOクラッチ(22)を構成し、該グランドPTOクラッチ(22)は、該PTO従動ギヤ(58)の後部に構成した内歯歯部(58a)と、第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と、第二PTO伝動軸(55)上にスプライン嵌合して摺動自在に配置したPTOシフタ(56)から構成し、該PTOシフタ(56)の一端外周上には外歯歯部(56a)を形成し、前記PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合可能に配設し、また、該PTOシフタ(56)の前端内周には内歯歯部(56b)を形成し、前記第一PTO伝動軸(54)の後部外周に形成した外歯歯部(54a)と噛合可能に配置し、運転部に設けたPTOレバー(64)の操作でPTOシフタ(56)を上流側に移動させると、該PTOシフタ(56)の内歯歯部(56b)が第一PTO伝動軸(54)の外歯歯部(54a)と噛合して、前記入力軸(31)の駆動回転が第二PTO伝動軸(55)に伝達され、該PTO軸(8)がライブPTO軸として機能し、該PTOシフタ(56)を下流側へ移動すると、PTOシフタ(56)の外歯歯部(56a)が該PTO従動ギヤ(58)の内歯歯部(58a)と噛合して、前記副変速入力軸(44)の駆動回転を第二PTO伝動軸(55)に伝達し、該PTO軸(8)がグランドPTO軸として機能することを特徴とするトラクタの動力伝達装置。
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