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JP4364456B2 - ステンレス溶鋼の溶製方法 - Google Patents

ステンレス溶鋼の溶製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉型精錬容器を用いて一次脱炭精錬で生成したスラグ中のCrをSi含有合金で還元を行った後、Alを添加して脱硫し、次いで行う二次脱炭精錬で、Alを添加しないことにより、極低Al、低Sのステンレス溶鋼を溶製するステンレス溶鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶鉄にクロムやニッケルを含有させたステンレス溶鋼を連続鋳造等を用いて鋳片にし、この鋳片に圧延加工を施して製造されたステンレス鋼板は、耐腐食や光沢性に優れているため、油井管や建材等に多く使用されている。
このステンレス鋼板の耐腐食、靱性等の特性は、精錬炉を用いてステンレス溶鋼を溶製する際、ステンレス溶鋼中に含まれるアルミニウム(Al)に起因した粗大酸化物系介在物が生成し、硫黄は、硫化物を形成するため、ステンレス鋼板の耐腐食が悪くなったり、ステンレス鋼板の靱性が低下する等の問題がある。
この対策として、炭素を0.005〜0.1質量%で、クロム(Cr)を12〜16質量%、Alを0.005〜0.2質量%、硫黄(S)を0.015質量%を含むステンレス鋼板が提案されており、この鋼板を用いることにより、Al脱酸の生成物である粗大介在物を抑制し、しかも、硫化物による腐食及び腐食割れ等の発生を防止する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記組成のステンレス溶鋼を溶製する際、精錬過程で、ステンレス溶鋼のAl濃度の低減と、脱硫の促進を同じ転炉型精錬炉を用いて極低Al、低S濃度のステンレス溶鋼を容易に溶製することができず、更に、精錬時に発生するスラグ中のクロム酸化物(Cr23)の還元回収効率が低くなり、発生スラグの資源化を図ることができない等の問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ステンレス溶鋼のAl濃度の低減と脱硫の促進を図り極低Al、低Sのステンレス溶鋼の溶製を容易にし、スラグ中のCr23濃度を低減して発生スラグの資源化を可能にするステンレス溶鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るステンレス溶鋼の溶製方法は、転炉型容器に溶銑とフェロクロム合金を装入し、前記溶銑とフェロクロム合金に上吹きランスを用いて吹酸し、前記溶銑とフェロクロム合金の溶解と一次脱炭精錬を行って粗溶鋼を溶製した後、取鍋に前記粗溶鋼を出鋼し、次いで、前記粗溶鋼を二次精錬炉を用いて二次脱炭精錬と脱酸処理を行うステンレス溶鋼の溶製方法において、前記吹酸による前記一次脱炭精錬を行った後に生成したスラグに、シリコンを含有する合金を添加して該スラグ中のCr 2 3 濃度が5質量%以下となるように前記スラグを還元処理した後、前記粗溶鋼中のAl濃度が0.05〜0.2質量%になるようにAlを添加し、前記スラグの塩基度を1.3〜1.8、前記スラグ中のAl 2 3 を3〜10質量%として脱硫処理を行ってから前記取鍋に出鋼することとし、前記還元処理及び前記脱硫処理時の前記粗溶鋼の温度を1550℃以上1700℃未満とし、引き続き行う前記二次精錬炉を用いた二次脱炭精錬における昇熱及び脱酸処理時にAlを添加しないで処理を行う。
この方法により、転炉型容器による一次脱炭精錬時に生成したスラグ中に含まれるCr23をシリコンを含む還元剤で還元し、Crを粗溶鋼中に回収でき、更に、粗溶鋼中のAl濃度を0.05〜0.2質量%にして脱硫処理を行なうので、酸素ポテンシャルを低くして脱硫を促進することができる。
更に、二次脱炭精錬の昇熱期に、Al昇熱を行うと、スラグ中のAl23の濃度が上昇し、わずかにスラグ中のAl23が、例えばSi合金等の他の脱酸剤により、還元されて溶鋼中のAl濃度が高くなり、極低Alにすることができない。従って、二次精錬炉による二次脱炭精錬で行う昇熱工程及び二次脱炭精錬を行った後に行う脱酸処理でAlを添加しないことにより、最終のステンレス溶鋼のAl含有量を極低Alにし、低Sにすることができる。
Al濃度が0.05質量%より少ないと、スラグ中の酸素ポテンシャルが高くなり、脱硫反応が悪くなって到達S濃度が高くなる。一方、Al濃度が0.2質量%を超えると、脱硫の効果が飽和状態になり、これ以上Alを添加しても合金コストが上昇するだけであり、更に、二次脱炭精錬によりスラグ中のAl23濃度が高くなり、極低Al濃度の溶鋼の溶製が困難になる。
【0006】
ここで、前記転炉型容器を用いた前記脱硫処理時のスラグの塩基度を1.3〜1.8、スラグ中のAl233〜10質量%以下とすることにより、スラグの脱硫能を高め、しかも、遊離CaOの生成を抑制してスラグの膨張を防止し、スラグの資源化を図ることができる。
スラグの塩基度が1.3より小さいと、スラグの脱硫能が低下し、脱硫反応が悪くなる。一方、スラグの塩基度が1.8を超えると、高塩基度化に伴い遊離CaOが発生し、スラグの膨張が大きく、滓化不良が生じ易くなる。
また、スラグ中のAl23濃度が10質量%を超えると、スラグの脱硫能が低下し、脱硫反応が悪くなる。なお、スラグ中のAl23濃度の下限は、スラグの滓化を促進し、脱硫反応を良好にするため、3質量%とする
【0007】
更に、前記還元処理を終了した前記スラグ中のCr23濃度を5質量%以下にすることにより、スラグ中に含まれる高価なCrを還元して粗溶鋼中に回収でき、合金鉄コストを低減することができる。
スラグ中のCr23濃度が5質量%を超えると、脱硫処理で添加したAlがCr23の還元に消費され、スラグ中の酸素ポテンシャルの低下が不十分になり、脱硫反応が低下する。
【0008】
また、前記還元処理及び前記脱硫処理時の前記溶鋼の温度を1550℃以上、1700℃未満とすることにより、スラグの滓化を促進し、脱硫反応を促進し、低Sのステンレス粗溶鋼を容易に溶製することができる。
還元処理及び脱硫処理時の溶鋼の温度が1550℃より低くなると、スラグの滓化に多大の時間を要し、脱硫反応が不利になる。一方、溶鋼の温度が1700℃以上になると、高温度に成り過ぎて精錬炉の耐火物の溶損が増大し、耐火物コストが高くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼の溶製方法による処理の流れを示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼の溶製方法によるステンレス溶鋼の脱炭精錬処理は、一次脱炭精錬に用いる転炉型容器の一例である上底吹き転炉10と、二次脱炭精錬に用いる二次精錬炉の一例である減圧取鍋精錬炉30を使用している。
上底吹き転炉10は、溶鉄とフェロクロム合金を入れる炉体11と、炉口12の上方に昇降可能に配置して溶鉄とフェロクロム合金に酸素を吹き付ける吹酸ランス13と、炉体11の底部から不活性ガスの一例であるアルゴンガスを吹き込んでスラグ14a及び粗溶鋼(ステンレス粗溶鋼ともいう)15aを攪拌する底吹きノズル16と、炉体11の側上部に出鋼口17を有している。更に、炉口12の上方に副原料の一例であるCaOやフェロシリコン(Fe−Si)、Al等を貯蔵するホッパ18と、ホッパ18の下方に配置したシュート19と、脱硫処理を行ったスラグ14bを炉内に残留させて溶製したステンレス粗溶鋼15bを受鋼し、底部に不活性ガスの吹き込みを行うポーラスプラグ20を有する取鍋21を備えている。
【0010】
減圧取鍋精錬炉30は、上底吹き転炉10で溶製したステンレス粗溶鋼15bを受鋼した取鍋21をそのまま用い、この取鍋21の上に被さる減圧フード36と、減圧フード36を貫通して内部とそれぞれ連通する吹酸ランス31と、図示しないエゼクターに連通した減圧ダクト32と、途中に遮断弁34を有するCaOや合金鉄等の貯蔵ホッパ35と接続されたシュート33を有している。
【0011】
次に、本発明に係るステンレス溶鋼の溶製方法について上底吹き転炉10と減圧取鍋精錬炉30を用いて説明する。
溶鉄とフェロクロム合金を上底吹き転炉10の炉口12から炉内に装入し、吹酸ランス(上吹きランス)13を炉口12から炉内に下降させ、15000〜25000Nm3/(時間)の酸素の吹き付けを行い、同時に、ホッパ18からCaOを添加し、吹酸ランス13からの吹酸による一次脱炭精錬を行う。
この一次脱炭精錬では、吹酸による昇熱によって、フェロクロム合金が速やかに溶解し、更に、酸素と炭素が反応するいわゆる脱炭反応が促進され、炭素濃度が0.3〜0.8質量%、温度が1550℃以上、1700℃未満のステンレス粗溶鋼15aが溶製される。
この一次脱炭精錬の際、添加したCaOや溶銑やフェロクロム合金に含まれる珪素(Si)、Al等が酸化され、スラグ14aを形成する。
このスラグ14aは、一次脱炭精錬の吹酸時に、フェロクロム合金中のCrが酸化されたCr23を多量に含むため、シリコンを含有する合金の一例であるFe−Si合金をホッパ18から添加し、底吹きノズル16からステンレス粗溶鋼15a中にアルゴンガスを吹き込んでスラグ14aとステンレス粗溶鋼15aを攪拌してCr23の還元処理を行う。
この還元処理は、スラグ14a中のCr23濃度が5質量%以下になるまで行う。
そして、還元処理を終了した後、底吹きノズル16からアルゴンガスの吹き込みを継続した状態で、Alの一例である金属Alをホッパ18からシュート19を介してAl濃度が0.05〜0.2質量%となるように添加し、スラグ14aとステンレス粗溶鋼15aを攪拌して脱硫処理を行う。
この脱硫処理直前に、予めスラグ14aをサンプリングして分析し、スラグ14aの塩基度(CaO/SiO2)が1.3〜1.8、Al23が10質量%以下になるように、シュート19を介して炉内へ添加するCaO量や金属Al量の調整を行う。
【0012】
上底吹き転炉10を用いた還元処理は、ステンレス粗溶鋼15a及びスラグ14aの温度を1550℃以上、1700℃未満にして底吹きノズル16からアルゴンガスを吹き込んで攪拌し、しかも、Fe−Si合金を添加しているので、スラグ14aの滓化が良好になり、スラグ14a中のCr23の還元反応が促進される。
還元されたCrは、ステンレス粗溶鋼15a中に回収され、スラグ14a中に残留するCr23濃度として5質量%(Cr換算で質量%)以下にすることができる。
還元処理の後に行う脱硫処理は、ステンレス粗溶鋼15aに、金属Alを添加しその濃度を0.05〜0.2質量%にするので、スラグ14a中の酸素ポテンシャルを十分に低減し、温度を1550℃以上、1700℃未満にし、しかも、底吹きノズル16からアルゴンガスを吹き込んで攪拌するので、脱硫反応が促進されて到達S濃度を低くすることができる。
更に、スラグ14a中のCr23の濃度を5質量%以下にしているので、添加した金属Alが、Cr23との酸化反応による消耗を少なくし、しかも、スラグ14a中のAl23の増加を抑制して、スラグ14a中の酸素ポテンシャルを効率良く低減でき、脱硫反応を安定して促進することができる。
この還元処理と脱硫処理を行ったステンレス粗溶鋼15bは、脱硫処理によってS濃度が0.0005〜0.001質量%の低S濃度になり、炉体11の傾転によって出鋼口17から取鍋21に出鋼し、図示しない搬送手段により減圧取鍋精錬炉30による処理場所まで移動する。
また、スラグ14bは、残留するCr23の濃度が5質量%以下、CaO/SiO2が1.3〜1.8、Al23が3〜10質量%となり、膨張の無い良質スラグとして、図示しない排滓鍋に炉口12から排滓され、冷却、破砕等の処理後、路盤材や土木埋め立て材等の資源として有効利用される。
【0013】
次に、減圧取鍋精錬炉30では、ステンレス粗溶鋼15bを入れた取鍋21の上を覆って、減圧フード36を載置し、シュート33の遮断弁34を開いて貯蔵ホッパ35からCaO等の副原料を取鍋21内に投入し、吹酸ランス31を下降して吹酸を開始し、同時に、エゼクターを作動して減圧ダクト32から取鍋21の内部を100〜0.2torrに減圧して昇熱し、炭素濃度が0.01〜0.05質量%となるまで二次脱炭精錬を行った。
二次脱炭精錬の終了後、Alの添加を行わないで、ステンレス粗溶鋼15bを脱酸処理した。
【0014】
この吹酸ランス31からの酸素の吹き付けによって、前記脱硫処理で金属Alを添加した際、溶鋼ステンレス粗溶鋼15b中に付加されたAlを確実に酸化し、二次脱炭精錬で生成したスラグ14cにAl23として吸収させ、更に、脱酸処理でAlを使用しないので、ステンレス溶鋼15cへのAlの付加が防止できる。更に、ステンレス粗溶鋼15b中に残留したAlは、減圧取鍋精錬炉30を用いた二次脱炭精錬時に酸化されてAl23となり、そのAl23生成量は、極めて僅少であるため、スラグ14cの組成中のAl23濃度は、差ほどの変化が無く、脱酸処理時にスラグ14c中のAl23が還元されない利点があり、相乗した作用によって、Al濃度が0.001〜0.002質量%の極低Alのステンレス溶鋼15cを溶製することができた。
そして、炭素濃度が0.01〜0.05質量%、極低Al、低S濃度のステンレス溶鋼15cは、連続鋳造等を用いて鋳片にし、所定のサイズに切断され、圧延等の加工が施されて鋼板や型鋼等が製造される。
【0015】
【実施例】
次に、本発明に係るステンレス溶鋼の溶製方法の実施例について説明する。
上底吹き転炉(転炉型容器)に溶銑とFe−Crを装入し、吹酸ランスを炉内に下降させて酸素を吹き付けて昇熱処理を行ない、炭素濃度が0.3〜0.8質量%になるまで一次脱炭精錬を行ってステンレス粗溶鋼を溶製した。
更に、ステンレス粗溶鋼を溶製する際、脱硫処理時のAl濃度、及びスラグ組成(CaO/SiO2、Al23濃度)、還元処理終了時のCr23濃度、還元脱硫処理時の温度を変化させて還元処理及び脱硫処理を行った。そして、脱硫時S分配((%S)/〔%S〕)、二次精錬時極低Al化のコントロール性、転炉耐火物溶損状況、脱硫後スラグの資源化、総合評価について調査した。その結果を表1に示す。
実施例1及び実施例2は、転炉脱硫時のAl濃度、転炉脱硫時スラグ組成、還元処理終了時Cr23濃度、還元脱硫処理時の温度のいずれもが、本発明の範囲を満たす場合であり、脱硫時S分配をそれぞれ550、670に高くでき、二次精錬時極低Al化のコントロール性も良く、転炉耐火物溶損を小さくでき、脱硫後スラグの資源化が可能となり、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例3は、転炉脱硫時のAl濃度が下限値である0.05質量%、実施例4は、転炉脱硫時のAl濃度が上限値である0.20質量%にした場合であり、脱硫時S分配を、それぞれ420、570に高くでき、二次精錬時極低Al化のコントロール性も良く、転炉耐火物溶損を小さくでき、脱硫後スラグの資源化が可能となり、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例5は、転炉脱硫時スラグ組成(CaO/SiO2)を下限値である1.3、実施例6は、転炉脱硫時スラグ組成(CaO/SiO2)を上限値である1.8にした場合であり、脱硫時S分配を、それぞれ320、750にでき、二次精錬時極低Al化のコントロール性も良く、転炉耐火物溶損を小さくでき、脱硫後スラグの資源化が可能となり、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例7は、転炉脱硫時スラグ組成(Al23濃度)を上限値である10質量%、実施例8は、転炉脱硫時スラグ組成(Al23濃度)を4.9質量%にした場合であり、脱硫時S分配を、それぞれ430、410にでき、二次精錬時極低Al化のコントロール性も良く、転炉耐火物溶損を小さくでき、脱硫後スラグの資源化が可能となり、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例9は、還元脱硫処理時の温度を1550℃に、実施例10は、還元脱硫処理時の温度を1699℃にした場合であり、脱硫時S分配を、それぞれ330、640にでき、二次精錬時極低Al化のコントロール性も良く、転炉耐火物溶損を小さくでき、脱硫後スラグの資源化が可能となり、総合評価として良い(○)結果が得られた。
【0016】
【表1】
Figure 0004364456
【0017】
これに対し、比較例1は、転炉脱硫時のAl濃度が0.02質量%と低くなった場合であり、脱硫時S分配が30と極めて悪くなり、低S化を図るため二次脱炭精錬の負荷が増し、総合評価として悪い(×)結果となった。
比較例2は、転炉脱硫時のAl濃度が0.32質量%と高くなった場合であり、二次精錬時極低Al化のコントロール性が悪く、ステンレス溶鋼中のAl濃度を極低Al濃度にすることができず、総合評価として悪い(×)結果となった。
【0018】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、脱硫処理の際に添加するAlは、金属Alの他に、Fe−Al、アルミドロス等のAl合金を用いることができる。
更に、二次脱炭精錬炉としては、一般的に減圧精錬装置として用いられているDH、RH、VOD等を用いることができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載のステンレス溶鋼の溶製方法においては、転炉型容器に溶銑とフェロクロム合金を装入し、溶銑とフェロクロム合金に上吹きランスを用いて吹酸し、溶銑とフェロクロム合金の溶解と一次脱炭精錬を行って粗溶鋼を溶製した後、取鍋に粗溶鋼を出鋼し、次いで、粗溶鋼を二次精錬炉を用いて二次脱炭精錬と脱酸処理を行うステンレス溶鋼の溶製方法において、吹酸による一次脱炭精錬を行った後に生成したスラグに、シリコンを含有する合金を添加してスラグを還元処理した後、粗溶鋼中のAl濃度が0.05〜0.2質量%になるようにAlを添加して脱硫処理を行ってから取鍋に出鋼し、引き続き行う二次精錬炉を用いた二次脱炭精錬における昇熱及び脱酸処理時にAlを添加しないで処理を行うので、ステンレス溶鋼のAl濃度を低減し、脱硫を促進して、極低Al、低Sのステンレス溶鋼の溶製を低コストで工業的に安定して生産可能にする。しかも、脱炭精錬で発生したスラグ路盤材や土木埋め立て材等の資源として活用することができる。
【0020】
特に、転炉型容器を用いた脱硫処理時のスラグの塩基度を1.3〜1.8、スラグ中のAl233〜10質量%にするので、極低Al、低Sのステンレス溶鋼を安定して溶製でき、しかも、遊離CaOに起因する膨張を安定して抑制し、スラグの資源化を促進することができる。
【0021】
また、還元処理を終了したスラグ中のCr23濃度を5質量%以下にするので、高価なCrを還元して粗溶鋼中に回収でき、合金鉄コストを低減することができる。
【0022】
更に、還元処理及び脱硫処理時の溶鋼の温度を1550℃以上、1700℃未満とするので、スラグの滓化を促進し、脱硫反応を促進し、低Sのステンレス粗溶鋼を容易に溶製することができ、滓化が促進されてスラグ中の遊離CaOを抑制してスラグを安定して資源として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼の溶製方法による処理の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
10:上底吹き転炉(転炉型容器)、11:炉体、12:炉口、13:吹酸ランス、14a:スラグ、14b:スラグ、14c:スラグ、15a:ステンレス粗溶鋼、15b:ステンレス粗溶鋼、15c:ステンレス溶鋼、16:底吹きノズル、17:出鋼口、18:ホッパ、19:シュート、20:ポーラスプラグ、21:取鍋、30:減圧取鍋精錬炉(二次精錬炉)、31:吹酸ランス、32:減圧ダクト、33:シュート、34:遮断弁、35:貯蔵ホッパ、36:減圧フード

Claims (1)

  1. 転炉型容器に溶銑とフェロクロム合金を装入し、前記溶銑とフェロクロム合金に上吹きランスを用いて吹酸し、前記溶銑とフェロクロム合金の溶解と一次脱炭精錬を行って粗溶鋼を溶製した後、取鍋に前記粗溶鋼を出鋼し、次いで、前記粗溶鋼を二次精錬炉を用いて二次脱炭精錬と脱酸処理を行うステンレス溶鋼の溶製方法において、
    前記吹酸による前記一次脱炭精錬を行った後に生成したスラグに、シリコンを含有する合金を添加して該スラグ中のCr 2 3 濃度が5質量%以下となるように前記スラグを還元処理した後、前記粗溶鋼中のAl濃度が0.05〜0.2質量%になるようにAlを添加し、前記スラグの塩基度を1.3〜1.8、前記スラグ中のAl 2 3 を3〜10質量%として脱硫処理を行ってから前記取鍋に出鋼することとし、前記還元処理及び前記脱硫処理時の前記粗溶鋼の温度を1550℃以上1700℃未満とし、引き続き行う前記二次精錬炉を用いた二次脱炭精錬における昇熱及び脱酸処理時にAlを添加しないことを特徴とするステンレス溶鋼の溶製方法。
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