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JP4344051B2 - 1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体 - Google Patents

1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体 Download PDF

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JP4344051B2
JP4344051B2 JP30388799A JP30388799A JP4344051B2 JP 4344051 B2 JP4344051 B2 JP 4344051B2 JP 30388799 A JP30388799 A JP 30388799A JP 30388799 A JP30388799 A JP 30388799A JP 4344051 B2 JP4344051 B2 JP 4344051B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた、輸送機用アルミニウム合金製パネル構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、航空機、車両、船舶などの輸送機の車体用のパネルには、外装パネル (アウターパネル、あるいは外板、外づかい) と内装パネル (インナーパネル、あるいは内板、内づかい) とが結合されたパネル構造体が汎用される。例えば、自動車のフード、ドア、ルーフなどには、外観用の比較的薄板の外装パネルと、この外装パネルを補強するための内装パネルとが結合されたパネル構造体が用いられる。
【0003】
この外装パネルと内装パネルは、パネル構造体自体の軽量化のために比較的薄板とされている。そして、内装パネルは、薄板であっても、外装パネルの補強用として、外装パネルよりも高い剛性を持つために、全体としては平板状であるものの、比較的大きなコーンやビームと称される凸部 (突起) を規則的な間隔で配置した凹凸部を有している。
【0004】
例えば、コーン状の凸部 (突起) を規則的な間隔で配置した内装パネルおよびパネル構造体をより具体的説明する。図8(a)はパネル構造体の縦断面図を、図6(b)は内装パネルの平面図を示している。図8(a)において、パネル構造体1 は、Al合金製外装パネル2 と、外装パネルよりも高い剛性を有するAl合金製内装パネル3 とが一体化されたパネル構造体である。そして、図8(a)(b) に示す通り、内装パネル3 は、コーン状の凸部 (突起)4を多数規則的な間隔で配置しており、この凸部を除いた平板部を凹部6 として有している。また、図8(a)に示す通り、内装パネル3 の凸部4 の平坦な頂部4a上には樹脂層5 が配置され、この樹脂層を接着剤として介して、内装パネル3 の凸部4 と外装パネル2 の裏面2aとが互いに接合されている。
【0005】
これらパネル構造体の一体化のため、外装パネルと内装パネルの接合には、パネル周縁部のヘム(曲げ)加工による嵌合、ボルト、ナット等による機械的な接合、あるいは樹脂等による接着等の周知の手段が用いられる。この内、前記コーンやビームを配置した内装パネルを用いたパネル構造体においては、前記嵌合や機械的な接合とともに、或いはこれらの手段で接合することなく、コーンやビームの頂部と外装パネルの裏面とを樹脂で接着することが用いられ、パネル構造体 (以下、このタイプのパネル構造体を、単にパネル構造体と言う) として一体化され、パネルとしての剛性を確保している。
【0006】
そして、近年、これらパネル構造体の外装パネルと内装パネルには、軽量化のために、従来から使用されていた鋼材に代わって、AA乃至JIS 3000系、5000系、6000系、7000系等の高強度で高成形性のアルミニウム合金板(以下、アルミニウムを単にAlと言う)が使用され始めている。
【0007】
一方、これらAl合金製パネル構造体には、輸送機などの構造体として本来有すべき強度や剛性の他に、防音性や制振性なども求められる。例えば、自動車などのフードであれば、車体の風切り音や車体内部のエンジン音を低減して、車両走行を快適化する防音効果が求められる。例えば、自動車などの輸送機のエンジン音は、共通して、1kHz以下の低周波数帯域の (特にこもり音) 騒音が主体となる。このため、輸送機などのパネル構造体には、前記低周波数帯域の騒音を低減することが求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが知見したところによれば、従来から用いられている、内装パネルと外装パネルとが嵌合や機械的な接合のみによって一体化されているパネル構造体は勿論のこと、内装パネルの凸部と前記外装パネルの裏面とが樹脂層を介して互いに接合されているような前記タイプのパネル構造体でも、前記低周波数帯域の騒音の防音効果はあまり期待できない。
【0009】
図7 に、前記図8 に示した本発明タイプのパネル構造体と、外装パネルの裏面を、パネルではなく、複数のビーム (補強桁) により補強したタイプのパネル構造体との、外装パネルの振動周波数帯域毎の音響透過損失 (防音効果) の大きさについて示す。図7 において、A(黒丸によるプロット) は本発明タイプのパネル構造体の、B(白丸によるプロット) はビーム補強タイプのパネル構造体の、各々音響透過損失の大きさである。同図から分かる通り、高い振動周波数帯域では、本発明タイプのパネル構造体は、ビーム補強タイプのパネル構造体よりも高い音響透過損失 (防音効果) を示している。しかし、1kHz以下の外装パネルの振動周波数帯域では、逆に、ビーム補強タイプのパネル構造体よりも低い音響透過損失 (防音効果) を示している部分が多い。
【0010】
例えば、前記図8 に示した本発明タイプのパネル構造体による、自動車のフードの防音の場合、フードの防音を行うためには、自動車走行時に振動する外装パネルの振動を減衰させる必要がある。前記パネル構造体の場合、この役割を果たすのが、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを接合している前記樹脂層である。
【0011】
しかし、前記パネル構造体において、コーンやビームを配置した内装パネルでは、コーンやビームの頂部の部分にしか、言い換えると、パネルの面積に対して極く一部の面積にしか、樹脂層が配置されていない。これは、この種パネル構造体において、樹脂を、コーンやビームの頂部の部分以外の部分( 凹凸部の凹部の部分) にも介在させて、樹脂層の面積乃至体積 (樹脂量) を増すことも考えられる。しかし、これでは、使用する樹脂の重量が増す分重量増となり、輸送機にとって、軽量化のために、パネル構造体を用いることの意味が失われてしまう。また、前記パネル構造体においては、従来から、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを接合する樹脂に対して、接着効果 (接合強度) しか期待していなかったことにもよる。
【0012】
この結果、前記パネル構造体においては、樹脂の量が極端に少なすぎるために、後述する制振板の樹脂などに期待されるような、防音や制振の効果は発揮できない。
【0013】
これに対し、従来から、防音や制振のために、制振鋼板や制振Al板などを用いることが周知である。これらの制振板は、基本的に、2 枚のパネル間に樹脂層を設けた構造をしており、この樹脂層の効果によって、防音性や制振性を発揮させている。これら制振板は、パネルの全面で、しかも必要に応じた厚さだけ、樹脂層を設けることが可能であり、前記低周波域の騒音の防音や制振のために必要な樹脂量を適宜確保することができる。
【0014】
しかして、輸送機用のパネルの防音や制振の効果を高めるために、前記パネル構造体に代えて、制振板を、輸送機用のパネルとすることが考えられる。しかし、周知の通り、自動車などの輸送機用のパネルには、素材板を複雑な製品形状にするための、深絞り、張出し、曲げ、伸びフランジなど、成形条件の厳しいプレス成形加工が施される。このため、鋼板やAl合金板などの素材板には、単一の板としても、高い深絞り性 (限界絞り比, LDR)や高い形状凍結性などの特性を有することが必要である。これに対し、前記積層された制振板では、単一の素材板のような高い成形性を有しておらず、この種輸送機用のパネル用途に使うことができない。
【0015】
また、制振板は、2 枚のパネル間に樹脂層を全面的に充填するものであり、前記パネル構造体に比して、全面的に充填されて増加する樹脂量の分だけ、重量が重くなってしまう。このため、輸送機にとって、軽量化のために、パネル構造体を用いることの意味が失われてしまう。
【0016】
したがって、前記コーンやビーム状の凹凸を配置した内装パネルを用いたパネル構造体において、1kHz以下の低周波域の騒音の防音性に優れたパネル構造体は、これまでに存在しなかったのが実情である。
【0017】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、コーンやビーム状の凹凸を配置した内装パネルを用いたパネル構造体において、1kHz以下の低周波域の騒音の防音性に優れたパネル構造体を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明輸送機用パネル構造体の要旨は、外装パネルと内装パネルとが一体化されたAl合金製パネル構造体であって、前記内装パネルが、補強用の凹凸部を有して前記外装パネルよりも高い剛性を有するとともに、前記内装パネルの凸部と前記外装パネルの裏面とが、前記凸部上に存在する樹脂層を介して互いに接合されていることを含み、前記凸部同士の間隔を、外装パネルの変形半波長 (λ、但しλは下記式1 で表される) の2/3 以下としたことである。
【数1】
Figure 0004344051
(但し、E は外装パネルのヤング率、h は外装パネルの板厚、νはポアソン比、ρは外装パネルの比重、f は周波数で250 〜600Hz)
【0019】
通常、外装パネルと内装パネルや補強ビームとが機械的な接合により一体化された輸送機用パネル構造体では、パネル構造体からの音 (騒音) は、輸送機の走行振動やエンジンの振動などの機械加振がパネルに伝達されて、剛性の高い内装パネルや補強ビームよりも振動しやすい、外装パネルが大きく振動することにより生じる。そして、この現象は、前記内装パネルの凸部と前記外装パネルの裏面とが、前記凸部上に存在する樹脂層を介して互いに接合されている本発明タイプのAl合金製パネル構造体においても同様に生じる。
【0020】
したがって、このようなパネル構造体においては、内装パネルよりも振動しやすい、外装パネルの振動を抑制乃至減衰してやれば、防音効果が発揮できることになる。
【0021】
この点、外装パネルの振動を減衰しやすい樹脂層を介して、外装パネルと内装パネルや補強ビームとを接合した本発明タイプのAl合金製パネル構造体が、外装パネルと内装パネルや補強ビームとを機械的な接合により一体化した (接合に樹脂を用いない) パネル構造体に比して、高い防音効果を有することは、当然予想しうる。
【0022】
しかし、発明者らが知見したところによれば、本発明タイプのAl合金製パネル構造体では、前記図7 で説明した通り、外装パネルの振動の周波数帯域によって (エンジンなどの振動源の周波数帯域によって) 、同じ樹脂層の条件であっても、接合用の樹脂層の外装パネルの振動を減衰させる性能は大きく異なってくる。言い換えると、同じ樹脂層の条件であっても、外装パネルの振動の周波数帯域によって、樹脂層による外装パネルの振動減衰効果が無い周波数帯域がある。そして、これが1kHz以下の周波数帯域であるが、この理由を以下に説明する。
【0023】
まず、前提として、前記図8 のように樹脂層を介在させる本発明タイプのAl合金製パネル構造体においては、樹脂層は、外装パネルの剛性 (ばね) を高める補強要素と、外装パネルの振動を抑制する減衰 (ダンパ) の要素として作用する。
【0024】
今、外装パネルの振動による変形半波長を前記λとすると、1kHz以下の周波数帯域における、低周波数帯域の場合の外装パネルの変形半波長λ1 は、前記式1 より、周波数f が小さくなるので、図5(a)に示す通り、内装パネル3 の通常用いられている凸部4(凹凸) のピッチでもある樹脂層5 の間隔 (ピッチ)Lよりも大きく (長く) なる。この結果、外装パネル2 の変形により、樹脂層5 も変形するので、外装パネル2 の変形による歪みエネルギーの樹脂層の分担率が高くなり、樹脂層5 が前記ダンパとして外装パネル2 の減衰性を高めるために有効に作用する。言い換えると、低周波数帯域の場合には、内装パネル3 の通常設けられる凸部4 の間隔 (λに対し1/1 以上) で、樹脂層5 がダンパとして外装パネル2 の振動の減衰性を高めるために有効に作用する。
【0025】
これに対し、1kHz以下の周波数帯域における、高い周波数帯域の場合には、外装パネルの変形半波長λ2 は、前記式1 より、周波数f が大きくなるので、図5(b)に示す通り、内装パネル3 の通常用いられている凸部4 のピッチでもある樹脂層5 の間隔 (ピッチ)Lよりも小さくなる。このため、外装パネル2 の変形によっても、樹脂層5 は変形せず、外装パネル1 の変形による歪みエネルギーの樹脂層の分担率が低くなり、樹脂層5 がダンパとして外装パネルの減衰性を高めるために有効に作用しなくなる。このため、内装パネル3 の通常設けられる凸部4 の間隔( λに対し1/1 以上) では、樹脂層5 はより変形しにくくなり、外装パネル2 ( パネル構造体) の振動の減衰性を高めるために有効に作用しなくなる。
【0026】
これを図6 により更に説明する。図6 は、前記図8 のように樹脂層を介在させる本発明タイプのAl合金製パネル構造体の、外装パネルの振動周波数毎の、外装パネルの変形半波長λと外装パネルの変形による歪みエネルギーの樹脂層の分担率 (樹脂の歪み分担率)Cを示している。図6 において、600Hz から250Hz へと、周波数f が小さくなるにつれて、外装パネルの振動による変形半波長が大きくなり、樹脂の歪み分担率C も増加している。言い換えると、1kHz以下の周波数帯域における、450Hz 以上の外装パネルの振動周波数の場合には、樹脂の歪み分担率A が著しく低下し、樹脂層が外装パネル (パネル構造体) の振動の減衰性を高めるために有効に作用しなくなることが分かる。
【0027】
なお、この図6 は、後述する実施例と同じ条件のAl合金製パネル構造体 (樹脂のヤング率が0.3MPa) を模擬して、Al板と樹脂とが直列に連接する簡易振動モデルを作成し、樹脂の歪み分担率を、このモデルの有限要素法による固有値解析(FEM解析) により求めたものである。
【0028】
また、1kHz以下の周波数帯域で、外装パネルの変形半波長λ2 が小さくなった( 短くなった) 場合、樹脂層の位置は支持点 (固定点) に近くなる。この際、樹脂層のヤング率が高い (樹脂層の剛性が高い) 場合には、樹脂層の位置が外装パネルを単純支持することとなり、樹脂層の外装パネル (パネル構造体) の振動の減衰性を高めるために有効に作用しなくなる。
【0029】
このような状況に対し、本発明者らは、外装パネルの振動が1kHz以下の周波数帯域の場合に、内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士 (言い換えると樹脂同士) の間隔を、外装パネルの変形半波長の2/3 以下とすることによって、防音性が増すことを知見した。なお、従来のこの種パネル構造体の場合の、内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士の間隔は、外装パネルの変形半波長の1/1 以上となっている。
【0030】
内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士 (言い換えると樹脂同士) の間隔を、外装パネルの変形半波長の2/3 以下とすることによって、特に1kHz以下の周波数帯域の場合に、1kHz以上の周波数帯域の場合の外装パネルの変形半波長λが、図5(a)に示したように、内装パネルの通常用いられている凹凸のピッチでもある樹脂層の間隔 (ピッチ)Lよりも大きく (長く) なる。この結果、外装パネルの変形により、樹脂層も変形するので、外装パネルの変形による歪みエネルギーの樹脂層の分担率が高くなり、樹脂層が前記ダンパとして外装パネルの減衰性を高めるために有効に作用する。
【0031】
また、1kHz以下の周波数帯域で、外装パネルの変形半波長λに対し、樹脂層の位置が支持点 (固定点) に近くなることがなくなり、樹脂層の位置が外装パネルを単純支持することとならないために、樹脂層の外装パネル (パネル構造体) の振動の減衰性を高めるために有効に作用する。
【0032】
そして、本発明パネル構造体においては、内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士 (言い換えると樹脂同士) の間隔の調整により、外装パネルの振動の減衰性を高めるとともに、更に、樹脂層による内装パネルの凸部と外装パネルの裏面との接合性 (接着強度) を確保し、パネル構造体としての剛性を確保する。
【0033】
【発明の実施の形態】
(内装パネルの凸部同士の間隔)
前記した通り、本発明においては、1kHz以下の周波数帯域での、外装パネルの振動の減衰性を高めるために、内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士 (言い換えると樹脂層同士) の間隔を、外装パネルの変形半波長の2/3 以下とする。
【0034】
凸部同士の間隔が、外装パネルの変形半波長の2/3 を越えた場合、1kHz以下の周波数帯域における、高い周波数帯域の場合に、外装パネルの変形半波長が樹脂層同士の間隔 (ピッチ) よりも小さくなる。このため、前記した通り、外装パネルの変形によっても、樹脂層は変形せず、外装パネルの変形による歪みエネルギーの樹脂層の分担率が低くなり、樹脂層がダンパとして外装パネルの減衰性を高めるために有効に作用しなくなる。また、樹脂層の位置は支持点 (固定点) に近くなり、前記した通り、樹脂層のヤング率が高い (樹脂層の剛性が高い) 場合には、樹脂層の位置が外装パネルを単純支持することとなり、樹脂層の外装パネル (パネル構造体) の振動の減衰性を高めるために有効に作用しなくなる。
【0035】
(使用樹脂の特性)
本発明における樹脂層の、外装パネルの振動の減衰効果をより高めるために、樹脂層の特性を調整することが好ましい。この点、本発明が対象とする、特に1kHz以下の周波数帯域におけるパネル構造体の減衰性を高めるための樹脂層の特性としては、ヤング率(E) と損失係数がある。
【0036】
本発明では、内装パネルの補強用の凹凸部における、凸部同士の間隔により、樹脂層の外装パネルの振動の減衰性を高めている。したがって、樹脂層に用いる樹脂も、従来からこの種パネル構造体の接合用として主要に用いられていた、ヤング率が0.7 〜2.0 MPa 程度の塩化ビニル等の樹脂や、前記制振板に主要に用いられていた、ヤング率が1 〜10MPa 程度のポリエステル、ポリオレフィン等の樹脂などを用いても良い。
【0037】
ただ、樹脂層の選択によって、外装パネルの振動の減衰効果をより高めるためには、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを接合する樹脂のヤング率を、0.05〜0.5MPaの範囲と、前記従来の樹脂と比較して低くすることが好ましい( 請求項2 に対応) 。但し、樹脂のヤング率が0.05MPa 未満であれば、1kHz以下、特に100 〜400Hz と低い振動周波数帯域での外装パネルの振動の減衰効果= 防音効果が劣り、また、樹脂による内装パネルの凸部と外装パネルの裏面との接合性( 接着強度) を確保することができない可能性があるので前記範囲とすることが好ましい。
【0038】
また、外装パネルの振動の減衰効果をより高めるためには、前記樹脂のヤング率の他に、樹脂の損失係数を好ましくは0.3 以上、より好ましくは0.5 以上とする (請求項3 、4 に対応) 。この樹脂の損失係数が0.3 よりも小さくなりすぎると、特に、本発明パネル構造体のようなパネルの面積に対して極く一部の面積にしか、樹脂が配置されていない (樹脂の面積が限られている) 場合に、条件によっては、樹脂層による外装パネルの振動の減衰性を高めることができない可能性がある。
【0039】
(使用樹脂の種類)
使用樹脂の種類も、従来からこの種パネル構造体の接合用として用いられていた、前記樹脂が適宜用いられる。但し、樹脂層を、上記した好ましいヤング率および好ましい損失係数とするためには、まず、樹脂の種類をポリエステル系、あるいはポリエーテル系樹脂から選択するとともに、これらを熱処理乃至加熱して発泡させて、軟質の発泡ウレタン化し、、低ヤング率化および高損失係数化、更には軽量化させることが好ましい (請求項4 に対応) 。そして、これらの樹脂を、このまま或いはシリコン等で変性させて、また、単一の樹脂系で、あるいは、複数の樹脂系を適宜混合して用いても良い。
【0040】
(樹脂層の設け方)
本発明において、樹脂層の設け方は、基本的な態様としては、内装パネルの凸部上 (凸部の周囲にまで設けることを含む) のみに設けるだけで、十分防音効果および接合強度が達成できる。しかし、これら効果の更なる向上のための他の実施態様の適用を許容する。
【0041】
例えば、前記基本的な態様に加えて、内装パネルの凹部に対応する外装パネルの裏面に、更に樹脂層を点在させ、この点在させた樹脂層により、外装パネルの振動の減衰性を高めることも可能である。
【0042】
また、前記基本的な態様に加えて、内装パネルの周辺部の凸部上の樹脂層のヤング率を、前記樹脂層のヤング率0.5MPaよりも大きくし、この周辺部の凸部上の樹脂層によって、パネル同士の接合強度を高めることも可能である。
【0043】
(パネル適用Al合金の種類)
次に、本発明で用いるAl合金について説明する。本発明で用いるAl合金自体は、前記自動車などの輸送機パネル用としての強度、伸びなどの機械的特性や、耐蝕性、あるいは、好ましくは合金量が少ないなどのリサイクル性を満足するものが適宜選択される。より具体的には、通常、この種輸送機パネル用途に汎用されている、AA乃至JIS で規定される、3000系、5000系、6000系等の、耐力やパネル形状へのプレス成形性などの比較的高いAl合金の適用が好適に用いられる。勿論、内装パネルと外装パネルとを同じAl合金とする必要はなく、必要耐力や要求プレス成形性から、適宜選択される。
【0044】
(本発明パネル構造体の製造)
パネル適用Al合金板自体は、Al合金成分規格範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、例えば、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。次いで、このAl合金鋳塊に均質化熱処理を施し、熱間圧延後、必要に応じて中間焼鈍や冷間圧延を行い、焼鈍や容体化処理および焼入れ等の調質処理を行い、所望の板厚のAl合金板とする。
【0045】
そして、このAl合金板を、所定の外装パネルおよび内装パネル形状に各々プレス成形等の成形加工を行う。この際、内装パネルには、外装パネルの補強用として、外装パネルよりも高い剛性を有するための凹凸部が設けられる。この凹凸の形状は自由であるが、代表的には、前記図8(a)(b) に示したコーン状の凸部が選択される。
【0046】
この成形加工後、内装パネルの凸部上に本発明で規定する所定の特性を有する樹脂層を設け、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを、該樹脂層を介して、互いに接合してパネル構造として一体化する。この際、この樹脂層による接合に加えて、外装パネルおよび内装パネルの周縁をヘム (曲げ) 加工して接合しても良く、また、通常のボルト等による機械的な接合を合わせて行っても良い。
【0047】
更に、前記した樹脂において、予め発泡した樹脂を用いるのではなく、樹脂により内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを接合した後に発泡させるためには、このパネルを適当な樹脂の発泡温度に加熱することが好ましい。この加熱は、例えば、パネル構造体(特に外装パネル)を塗装後、塗料の焼付け硬化のための熱処理工程を通るようであれば、この工程によって(工程を借りて)行ってもよい。
【0048】
【実施例】
本発明の実施例を説明する。前記図8(a)(b) に示した本発明タイプのパネル構造体 (四角形、1400mm×1400mm) を準備した。なお、外装パネルのAl合金にはJIS 6111Al合金板を、内装パネルのAl合金にもJIS 6111Al合金板を用いた。外装パネルは1mmtの平板状とし、内装パネルは、平板状(0.8mmt)の板に、下部の径が140mm φで頂部が平坦な高さ25mmのコーン状の凸部を170mm 間隔で配置するようにプレス成形したものとし、外装パネルよりも高剛性とした。
【0049】
内装パネルの凸部間隔は、外装パネルの変形半波長λに対して、発明例1 は2/3 (図1)、発明例2 は1/2(図2)、発明例3 は1/2 (図3)の3 例を準備し、比較例4 (図4)は1/1 とした間隔で配置したものを準備した。
【0050】
なお、発明例1 、2 、比較例4 の樹脂層は、発泡後のヤング率が0.3MPaの軟質ポリエステル系発泡ウレタン樹脂とした。また、発明例3 の樹脂層は、ヤング率が3.0MPaの硬質ウレタン樹脂とした。そして、各例とも樹脂層の損失係数ηを0.3 および0.6 の2 通りにしたものを準備した。そして、内装パネルのコーン状の凸部の平坦な頂部 (径20mmφ) 上に、これら樹脂層を配置し、この樹脂層を接着剤として、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを互いに接合した。なお、発明例1 、2 、比較例4 の樹脂層は、接合後に樹脂の発泡温度に加熱した。この他、外装パネルおよび内装パネルの周縁をヘム (曲げ) 加工して接合してパネル構造体として一体化させた。
【0051】
このような構成のパネル構造体を宙づりにした状態で加振器により内装パネルの方を加振して、外装パネルを振動させて、外装パネルの振動周波数帯域毎の振動の損失係数を測定し、これを樹脂層による外装パネルの振動の減衰効果= 防音効果の大きさとして評価した。これらの結果を図1 、2 、3 、4 に示す。
【0052】
更に、パネル構造体において、樹脂層を接着剤として、内装パネルの凸部と外装パネルの裏面とを互いに接合した際の (外装パネルおよび内装パネルの周縁をヘム加工して接合する前の) 接着強度を剪断強度により評価した。評価は、これまで使用されてきたヤング率が高く接着強度を重視した塩化ビニル樹脂の平均的な剪断強度約5.0MPaに対して、遜色のない結果であった。
【0053】
これらの結果から、内装パネルの凸部間隔を外装パネルの変形半波長λに対して2/3 以下とした図1 〜3 に示す発明例1 〜3 は、内装パネルの凸部間隔を外装パネルの変形半波長λに対して1/1 とした図4 に示す比較例4 に比して、1kHz以下(250〜600Hz)での外装パネルの振動周波数帯域での振動の減衰効果 (損失係数)=防音効果に優れており、かつ樹脂の接着強度にも優れていることが分かる。
【0054】
また、各図における、樹脂の損失係数ηが0.3 と0.6 との比較において、樹脂の損失係数ηが0.6 と高い方が1kHz以下(250〜600Hz)での外装パネルの振動周波数帯域での振動の減衰効果 (損失係数)=防音効果に優れている。
【0055】
更に、同じヤング率の樹脂層同士の比較において、外装パネルの変形半波長λに対する内装パネルの凸部間隔が1/2 とより小さい発明例2(図2)の方が、2/3 と比較的大きい発明例3(図3)に比して、1kHz以下(250〜600Hz)での外装パネルの振動周波数帯域での防音効果に優れている。
【0056】
そして、内装パネルの凸部間隔が同じ同士の比較において、樹脂層のヤング率が0.3MPaと低い発明例2(図2) の方が、3.0MPaと比較的大きい発明例3(図3)に比して、1kHz以下(250〜600Hz)での外装パネルの振動周波数帯域での防音効果に優れている。
【0057】
したがって、以上の結果から、本発明の規定の臨界的な意義や、好ましい規定の意義が明らかである。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、コーンやビーム状の凹凸を配置した内装パネルを用いたパネル構造体において、1kHz以下の低周波域の騒音の防音性に優れたパネル構造体を提供することができる。このため、輸送機用に、Al合金材の用途を大きく拡大するものであり、工業的な価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(発明例)を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例(発明例)を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例(発明例)を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例(比較例)を示す説明図である。
【図5】外装パネルの変形半波長と凸部間隔との関係を示す説明図である。
【図6】外装パネルの変形半波長と樹脂歪み分担率との関係を示す説明図である。
【図7】本発明タイプのパネル構造体の音響透過損失の大きさを示す説明図である。
【図8】本発明タイプのコーン状の凸部を配置した内装パネルおよびパネル構造体を示す説明図である。
【符号の説明】
1:パネル構造体、2:外装パネル、3:内装パネル、4:凸部、5:樹脂層、6 凹部:

Claims (7)

  1. 外装パネルと内装パネルとが一体化されたアルミニウム合金製パネル構造体であって、前記内装パネルが、補強用の凹凸部を有して前記外装パネルよりも高い剛性を有するとともに、前記内装パネルの凸部と前記外装パネルの裏面とが、前記凸部上に存在する樹脂層を介して互いに接合されていることを含み、前記凸部同士の間隔を、外装パネルの変形半波長 (λ、但しλは下記式1 で表される) の2/3 以下としたことを特徴とする1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
    Figure 0004344051
    (但し、E は外装パネルのヤング率、h は外装パネルの板厚、νはポアソン比、ρは外装パネルの比重、f は周波数で250 〜600Hz)
  2. 前記樹脂層のヤング率を0.05〜0.5MPaとした請求項1に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
  3. 前記樹脂層の損失係数を0.3 以上とする請求項1または2に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
  4. 前記樹脂層の損失係数を0.5 以上とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
  5. 前記樹脂層が発泡している請求項1乃至4のいずれか1項に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
  6. 前記内装パネルが、一定の間隔をおいて規則的に配列されるとともに、頂部が平らな円錐台形状を有する凸部を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
  7. 前記輸送機が自動車である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の1kHz以下の周波数帯域の防音性に優れた輸送機用パネル構造体。
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