JP4239791B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
インクジェット記録方法による黒色印刷は、文字データの印刷をはじめ、カラー画像の黒色部分の印刷に適用され、カーボンブラック含有インクを用いて実施するか、あるいはカラーインクの混色(例えば、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクの混色など)を用いることによって実施されている。
インクジェット記録用のカーボンブラック含有水性インクには、一般に、表面処理カーボンブラックが使用されている(例えば、特許文献1)。表面処理カーボンブラックは、分散性付与基(例えば、スルホン酸基)をカーボンブラック粒子の表面に導入することによって、カーボンブラック粒子に水中自己分散性を付与したものである。従って、表面処理カーボンブラックを含有する水性インクは、インク組成物それ自体の粘度を上昇させずに水中分散性を得ることができると共に、記録像の発色性(黒色度)が良好である点で好ましい。しかしながら、定着性(例えば、耐擦性)に劣るため、例えば、専用紙のように表面にインク吸収層が設けられた記録媒体上の記録像を手で擦ると、記録像の輪郭が崩れたり、手のひらにカーボンブラック粒子が移行するなどの欠点があった。こうした欠点を解消するために、樹脂エマルジョンや水溶性樹脂を添加する手段も考えられるが、インク組成物の粘度が高くなるので、カーボンブラック含有量が制限されるという欠点がある。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
己分散型水性ブラックインク組成物(1)、着色剤としてカラー顔料を含有すると共に樹
脂分散剤を含有する複数のカラーインク組成物(2)、及びカチオン性樹脂を含み、着色
剤成分を含まない水性クリアインク組成物(3)の各液滴を、任意の順序で記録媒体に吐
出し、及び複数のカラーインク組成物(2)によって無彩色を形成し、且つブラックイン
ク組成物(1)と複数のカラーインク組成物(2)との混色によって無彩色を形成する際
のブラックインク組成物(1)のカーボンブラック固形分量(A)に対する、複数のカラ
ーインク組成物(2)の樹脂固形分の合計量(B)と水性クリアインク組成物(3)のカ
チオン樹脂固形分量(C)との比率(A:B:C)(%)を100:5〜50:5〜50
の範囲とすることを特徴とするインクジェット記録方法に関する。
本発明方法の別の好ましい態様においては、前記水性ブラックインク組成物(1)が、表面処理カーボンブラックを組成物全体の重量に対して1〜15重量%の量で含有する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記シアンインク組成物(2a)が、シアン顔料を組成物全体の重量に対して1〜10重量%の量で含有する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記マゼンタインク組成物(2b)が、マゼンタ顔料を組成物全体の重量に対して1〜10重量%の量で含有する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記イエローインク組成物(2c)が、イエロー顔料を組成物全体の重量に対して1〜10重量%の量で含有する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記マゼンタインク組成物(2b)が、樹脂固形分を組成物全体の重量に対して1〜20重量%の量で含有する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記イエローインク組成物(2c)が、樹脂固形分を組成物全体の重量に対して1〜20重量%の量で含有する。
チオン樹脂固形分を組成物全体の重量に対して0.1〜30重量%の量で含有する。
カルボキシル化剤としては、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等の次亜ハロゲン酸塩のような酸化剤を使用することができ、これらのカルボキシル化剤によって、カーボンブラック粒子表面の炭素結合(C=C、C−C)の一部を切断し、切断部位にカルボン酸基を導入することができる。前記の処理により、量的には少ないが、キノン基等が導入される場合もある。更に、前記の化学処理のほかに、プラズマ処理等のような物理的酸化によりカルボン酸基を導入することもできる。
シアンインク組成物用の顔料としては、例えば、C.l.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、16(無金属フタロシアニン)、18(アルカリブルートナー)、25、60(スレンブルー)、65(ビオラントロン)、66(インジゴ)等を挙げることができる。
本発明方法で用いる前記水性マゼンタ顔料インク組成物において、マゼンタ顔料の含有量は特に限定されないが、組成物全体の重量に対して、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の量で含有されている。
本発明方法で用いる前記水性イエロー顔料インク組成物において、イエロー顔料の含有量は特に限定されないが、組成物全体の重量に対して、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の量で含有されている。
前記クリアインク組成物は、水とカチオン性樹脂とを含み、着色剤成分を含まない。また、前記クリアインク組成物は、ポリマー微粒子を含むことが好ましく、更に水溶性有機溶剤を含むことができる。前記のカチオン性樹脂としては、ポリアリルアミン又はその誘導体を用いるのが好ましい。
本発明方法で用いるクリアインク組成物が含むことのできるポリアリルアミン又はその誘導体は、一般式(1):
―[CH2CH(CH2NR1R2)]― (1)
(式中、R1及びR2は、独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルアミノ基、置換されていてもよいヒドラジノ基、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいハイドロキシアルキル基である)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含んでなる高分子化合物である。
例えば、水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水、あるいは紫外線照射、又は過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることができる。また、各々の有色インク組成物は、前記クリアインク組成物で述べたポリマー微粒子を含むこともできる。前記の各々の有色インク組成物は、その有色インク組成物の全重量に対してポリマー微粒子を、好ましくは0.1重量%〜20重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%の量で含有する。
以下に記載の各配合成分を混合して、以下の組成を有するブラックインク組成物を調製した。なお、顔料分散液としては、カーボンブラックの表面を次亜塩素酸で分散処理し、分散剤を添加することなく水分散されている市販の分散液〔マイクロジェットCW1;オリエント化学工業(株)〕を使用した。また、「オルフィンE1010」は、商品名〔日信化学工業製〕である。このとき、ブラックインク組成物の顔料濃度は6重量%となるように調整した。
顔料分散液(マイクロジェットCW1) 60重量%
グリセリン 8重量%
トリエチレングリコール 2重量%
1,2−ヘキサンジオール 3重量%
オルフィンE1010 1重量%
トリエタノールアミン 1重量%
純水 残量
以下の組成を有するシアンインク組成物を次の操作によって製造した。すなわち、ピグメントブルー15:3と分散剤と水とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ[直径1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)]とともに2時間分散させた後に、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。得られた顔料分散液と、その他の配合成分とを混合し、25℃で60分間攪拌した。混合液を5μmのメンブランフィルターでろ過し、シアンインク組成物を得た。なお、以下の組成に記載したBYK347は、ビッグケミー・ジャパン社製シリコーン系界面活性剤である。
ピグメントブルー15:3 1.5重量%
スチレン・アクリル酸共重合体(分散剤) 3重量%
グリセリン 14重量%
1,2−ヘキサンジオール 10重量%
BYK347 0.3重量%
トリエタノールアミン 1重量%
イオン交換水 残量
顔料としてピグメントブルー15:3に替えてピグメントバイオレット19を2.0重量%の量で使用したこと以外は、前記シアンインク組成物の調製法と同様にして、マゼンタインク組成物を得た。
顔料としてピグメントブルー15:3に替えてピグメントイエロー74を3.0重量%の量で使用したこと以外は、前記シアンインク組成物の調製法と同様にして、イエローインク組成物を得た。
以下に記載の各配合成分を混合して、以下の組成を有するクリアインク組成物を調製した。
クリアインク組成物の組成:
ポリアリルアミン 5.0重量%
グリセリン 25.0重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
オルフィンE1010 0.3重量%
純水 残量
前項(1)〜(5)で調製した各インク組成物をインクジェットプリンタ〔PM−970C;セイコーエプソン(株)社製〕に充填し、はがき〔写真用紙<半光沢>;セイコーエプソン(株)社製〕の宛名面に、以下の表1に記載の9種類(実施例1〜6及び比較例1〜3)の条件下で、1440×720dpiの解像度で、ブラックインク組成物と、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、及びイエローインク組成物とのトータルがDuty45%となるように印刷を行った。この際、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、及びイエローインク組成物の比率は、それらの組み合わせによって黒色が印刷される比率とした。
D(%)=〔P/(L×T)〕×100 (2)
(式中、Pは、単位面積あたりの実印刷ドット数であり、Lは、単位面積あたりの縦解像度であり、Tは、単位面積あたりの横解像度である)で算出される値である。また、100%Dutyは、画素に対する単色の最大インク重量を意味し、実施例1〜6及び比較例1〜3の印刷条件において、「単位面積あたりの縦解像度」(L)と「単位面積あたりの横解像度」(T)との積(L×T)は、1440×720dpiである
印刷してから1時間後に、得られた印刷物の光学濃度(OD値)を測定した。測定には、分光光度計(グレタグマクベスSPM50;グレタグ社製)を用いて、D50光源、フィルターなし、及び視野角2°の条件で測定し、以下の評価基準A〜Cに従い、判断した。結果を表1の「試験例1」の欄に示す。
評価基準:
A:OD値1.35以上
B:OD値1.30以上で1.35未満
C:OD値1.30未満
前項(6)の印刷試験例1と同様に印刷を行い、得られた印刷物に対して、印刷直後、及び1時間後に、それぞれスポイドで純水を滴下し、にじみ具合を以下の評価基準AA〜Cにより判断した。結果を表1の「試験例2」の欄に示す。
評価基準:
AA:インクのにじみがない。
A:インクがわずかににじむが文字ははっきり読める。
B:インクがにじみ、文字のぼやける部分がある。
C:インクがにじみ文字の判別が困難である。
Claims (11)
- 自己分散性を付与する表面処理を行ったカーボンブラックを含む自己分散型水性ブラッ
クインク組成物(1)、着色剤としてカラー顔料を含有すると共に樹脂分散剤を含有する
複数のカラーインク組成物(2)、及びカチオン性樹脂を含み、着色剤成分を含まない水
性クリアインク組成物(3)の各液滴を、任意の順序で記録媒体に吐出し、及び複数のカ
ラーインク組成物(2)によって無彩色を形成し、且つ
ブラックインク組成物(1)と複数のカラーインク組成物(2)との混色によって無彩
色を形成する際のブラックインク組成物(1)のカーボンブラック固形分量(A)に対す
る、複数のカラーインク組成物(2)の樹脂固形分の合計量(B)と水性クリアインク組
成物(3)のカチオン樹脂固形分量(C)との比率(A:B:C)(%)を100:5〜
50:5〜50の範囲とすることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記水性クリアインク組成物(3)が更にポリマー微粒子を含有する、請求項1に記載
のインクジェット記録方法。 - 前記水性ブラックインク組成物(1)が、表面処理カーボンブラックを組成物全体の重
量に対して1〜15重量%の量で含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録
方法。 - 複数のカラーインク組成物(2)が、シアンインク組成物(2a)、マゼンタインク組
成物(2b)、及びイエローインク組成物(2c)の組合せからなる、請求項1〜3のい
ずれかの一項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記シアンインク組成物(2a)が、シアン顔料を組成物全体の重量に対して1〜10
重量%の量で含有する、請求項4に記載のインクジェット記録方法。 - 前記マゼンタインク組成物(2b)が、マゼンタ顔料を組成物全体の重量に対して1〜
10重量%の量で含有する、請求項4又は5に記載のインクジェット記録方法。 - 前記イエローインク組成物(2c)が、イエロー顔料を組成物全体の重量に対して1〜
10重量%の量で含有する、請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方
法。 - 前記シアンインク組成物(2a)が、樹脂固形分を組成物全体の重量に対して1〜20
重量%の量で含有する、請求項4〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記マゼンタインク組成物(2b)が、樹脂固形分を組成物全体の重量に対して1〜2
0重量%の量で含有する、請求項4〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法
。 - 前記イエローインク組成物(2c)が、樹脂固形分を組成物全体の重量に対して1〜2
0重量%の量で含有する、請求項4〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法
。 - 前記クリアインク組成物(3)が、カチオン樹脂固形分を組成物全体の重量に対して0
.1〜30重量%の量で含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェッ
ト記録方法。
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