JP4234111B2 - 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Description
透明基板(2)と、
透明基板(2)の片面に形成された太陽電池素子(3)と、
太陽電池素子(3)を被覆する保護材(6)と、
保護材(6)の端部を覆うように設けられた水蒸気透過性を有するシール材(7)と、
を備える。
水蒸気透過性を有するシール材(7)を用いることで、一旦太陽電池内部に浸入した水分を外部へ排出する作用が得られる。また、シール材(7)は太陽電池素子(3)と外部との間に流れる地絡電流を遮断する。よって、地絡電流によって太陽電池素子(3)が化学変化を起こす事を抑制できる。即ち、薄膜太陽電池(1)の耐蝕性が向上する。
保護材(6)は
太陽電池素子(3)に密着する第1保護材(4)と、
第1保護材(4)に密着する第2保護材(5)と、
を有する。
シール材(7)は、第2保護材(5)の端部を覆うように設けられている。
シール材(7)は、第1保護材(4)の端部を覆うように設けられている。
第2保護材(5)は、第1保護材(4)の周縁部を被覆しないように設けられ、
シール材(7)は、第2保護材(5)の第1保護材(4)により被覆されていない部分を覆うように設けられている。
第2保護材(5)は金属箔を含んでいる。
シール材(7)の水蒸気透過率は60g/m2・day以上である。
このようなシール材(7)は、保護材(6)へ浸入した水分を、更に効率よく外部へ排出する。
太陽電池素子(3)からシール材(7)の表面までの電気抵抗が5×109Ω以上である。
このような電気抵抗を有することにより、太陽電池素子(3)からの地絡電流が60nA以下に抑えることが出来る。
シール材(7)はガラスよりも撥水性に優れている。
撥水性に優れたシール材(7)を用いることにより、保護材6に水分が浸入し凝縮しても、水分が太陽電池素子(3)から外部まで連続した膜を形成することが防止される。これにより、太陽電池素子(3)から外部へ流れる地絡電流が抑制できる。
シール材(7)は、
シリル基を含有した高分子化合物を含む。
シリル基を含有した高分子化合物を用いる事で、撥水性に優れ、且つ、電気絶縁性に優れるシール材(7)が提供される。これにより、地絡電流が、更に抑制される。
太陽電池素子(3)からの地絡電流が60nA以下である。
太陽電池素子(3)からの地絡電流が60nA以下であることにより、1日の平均日照時間を4時間とした場合に、太陽電池素子(3)からの地絡電流により太陽電池素子(3)から移動する電子数を20年間で4×1019個以下に抑えることができる。太陽電池素子(3)の地絡電流による腐食は、太陽電池素子(3)を構成するシリコン原子1個当たりに2個の電子が関与する化学反応である。よって、太陽電池素子(3)から移動する電子数を4×1019個以下に抑えることで、一般的な薄膜太陽電池である、発電面積が1m2であり、シリコン層の厚さが0.4μm以上の薄膜太陽電池において、地絡電流により太陽電池素子(3)が化学変化を起こす部分の面積を0.1%以下に抑える事ができる。即ち、太陽電池素子(3)からの地絡電流が60nA以下に抑える事により、20年以上の耐久性を有する薄膜太陽電池が提供される。
透明基板(2)を与えるステップと、
透明基板(2)の片面に太陽電池素子(3)を形成するステップと、
太陽電池素子(3)を被覆する保護材(6)を形成するステップと、
保護材(6)の端部に、水蒸気透過性を有するシール材(7)を塗布するステップと、
を具備する。
本発明の第1の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態における薄膜太陽電池の側断面図を示している。薄膜太陽電池1は、透明基板2、太陽電池素子3、第1保護材4、第2保護材5、及びシール材7を備えている。
続いて、本実施の形態に係る薄膜太陽電池の製造方法について説明する。
ここでは、透明基板2としてのガラス基板上に単層アモルファスシリコン太陽電池を用いた例について説明する。図4〜図5は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法の実施の形態を示す概略図である。
透明基板2としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。基板端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されている事が望ましい。
(2)図4(b)
透明電極層8として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、透明基板2と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図4(c)
その後、透明基板2をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から入射する。パルス発振:5〜20kHzとして加工速度に適切になるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を太陽電池素子3の直列接続方向に対して垂直な方向に、溝11を形成するように幅約6〜10mmの短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図4(d)
プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30〜150Pa、約200℃にて光変換素子9としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。光変換素子9は、SiH4ガスとH2ガスとを主原料に、透明電極層8の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。光変換素子9は、本実施形態では、p層:BドープしたアモルファスSicを主とし膜厚10〜30nm、i層:アモルファスSiを主とし膜厚250〜350nm、n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚30〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性向上のためにバッファー層を設けても良い。尚、光変換素子層9の厚さとしては約0.4μmとなる。
(5)図4(e)
透明基板2をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光変換素子9の膜面側から入射する。パルス発振:10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層8のレーザーエッチングラインの約100〜150μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
(6)図5(a)
金属電極層10としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。金属電極層10は本実施形態では、Ag膜:200〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。n層と金属電極層10との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光変換素子層9と金属電極層10との間にGZO(GaドープZnO膜)を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。
(7)図5(b)
透明基板2をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、透明基板2側から入射する事で、レーザー光が光変換素子層9で吸収され、この時発生する高いガス蒸気圧を利用して金属電極層10が爆裂して除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層8のレーザーエッチングラインの約250μm〜400μmの横側を、溝13を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)保護材の形成
端子箱取付け部分はバックシートに開口貫通窓を設けて集電板を取り出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層を設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。直列に並んだ一方端の太陽電池素子3と、他方端部の太陽電池素子3とから銅箔を用いて集電して薄膜太陽電池の端子箱部分から電力が取り出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止する為に銅箔幅よりも広い絶縁シートを配置する。集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、薄膜太陽電池の全体を覆い、透明基板2からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による第1保護材4を配置する。第1保護材4の上に、防水効果の高いバックシートである第2保護材5を設置する。この時に、第1保護材4の端部が第2保護材の端部と重なるように第2保護材5が設置される。第2保護材5は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/金属箔としてのアルミニウム箔/PETシートの3層構造よりなる。第2保護材までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い、約150〜160℃でプレスしながらEVAを架橋させて密着させる。
(9)シール材の形成
続いて、第1保護材4、及び第2保護材の端部に、シール材を塗布し、乾燥する。これにより、シール材7が第1保護材4及び第2保護材の端部を覆うように形成される。粘度の異なるシール材をしようすることによりシール材7の幅や厚さを調整することができる。
(10)端子箱の取り付け
薄膜太陽電池の裏側に端子箱を接着剤で取り付ける。
(11)端子箱との接続
銅箔と端子箱の出力ケーブルとを半田などで接続する。これで薄膜太陽電池1が完成する。
本実施の形態による効果を以下に説明する。
第1の実施形態に係る薄膜太陽電池においては、保護材6の端部がシール材により被覆されることで、保護材6の内部に浸入した水によって、太陽電池素子3から外部まで連続した膜が形成されることを防止できる。よって、太陽電池素子3から外部へ流れる地絡電流を抑制することが出来る。
本発明の第2の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
図2は第2の実施形態における薄膜太陽電池の側断面図を示している。薄膜太陽電池1は、透明基板2、太陽電池素子3、第1保護材4、第2保護材5、及びシール材7を備えている。
続いて、本実施の形態に係る薄膜太陽電池の製造方法について説明する。本実施の形態に係る薄膜太陽電池1の製造方法において、太陽電池素子3を形成するまでは第1の実施形態と同様である。
薄膜太陽電池の裏側に端子箱を接着剤で取り付ける。最後に、銅箔と端子箱の出力ケーブルとを半田などで接続する。これで薄膜太陽電池1が完成する。
本実施の形態による効果は第1の実施形態における効果と同様である。即ち、第2の実施形態に係る薄膜太陽電池においては、保護材6の端部がシール材により被覆されることで、保護材6の内部に浸入した水によって、太陽電池素子3から外部まで連続した膜が形成されることを防止できる。よって、太陽電池素子3から外部へ流れる地絡電流を抑制することが出来る。
本発明の第3の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
図3は第3の実施形態における薄膜太陽電池の側断面図を示している。薄膜太陽電池1は、透明基板2、太陽電池素子3、第1保護材4、第2保護材5、及びシール材7を備えている。
続いて、本実施の形態に係る薄膜太陽電池の製造方法について説明する。本実施の形態に係る薄膜太陽電池1の製造方法において、太陽電池素子3を形成するまでは第1の実施形態と同様である。
本実施の形態による効果は第1の実施形態における効果と同様である。即ち、第3の実施形態に係る薄膜太陽電池においては、保護材6の端部がシール材により被覆されることで、保護材6の内部に浸入した水によって、太陽電池素子3から外部まで連続した膜が形成されることを防止できる。よって、太陽電池素子3から外部へ流れる地絡電流を抑制することが出来る。
2 透明基板
3 太陽電池素子
4 第1保護材
5 第2保護材
6 保護材
7 シール材
8 透明電極層
9 光変換素子層
10 金属電極層
11 溝
12 溝
13 溝
Claims (14)
- 透明基板と、
前記透明基板の片面に形成された太陽電池素子と、
前記太陽電池素子を被覆する保護材と、
前記保護材の端部を覆うように設けられた水蒸気透過性を有するシール材と、
を具備し、
前記シール材の水蒸気透過率が60g/m 2 ・day以上である
薄膜太陽電池。 - 請求項1に記載された薄膜太陽電池であって、
前記保護材は
前記太陽電池素子を覆うように形成された第1保護材と、
前記第1保護材上に形成された第2保護材と、
を備え、
前記第2保護材が防湿性を有する
薄膜太陽電池。 - 請求項2に記載された薄膜太陽電池であって、
前記第2保護材は、前記第1保護材を覆うように形成され、
前記シール材は、前記第2保護材の端部を覆うように設けられている
薄膜太陽電池。 - 請求項2に記載された薄膜太陽電池であって、
前記第2保護材は、前記第1保護材上の少なくとも一部に形成され、
前記シール材は、前記第1保護材の端部を覆うように設けられている
薄膜太陽電池。 - 請求項4に記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材は、前記第1保護材の端部、前記第1保護材の前記第2保護材により被覆されていない部分、及び前記第2保護材の端部、を覆うように設けられている
薄膜太陽電池。 - 請求項4に記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材は、前記第1保護材の端部を中心に、前記透明基板の一部と、前記第1保護材の端部と、前記第1保護材の前記第2保護材により被覆されていない部分の一部、を覆うように設けられている
薄膜太陽電池。 - 請求項6に記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材は、前記第2保護材の端部を中心に、前記第2保護材の一部と、前記第2保護材の端部と、前記第1保護材の前記第2保護材により被覆されていない部分の一部、を覆うように設けられている
薄膜太陽電池。 - 請求項2乃至7のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記第1保護材はエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含み、
前記第2保護材は金属箔を含む
薄膜太陽電池。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材の体積抵抗率が2×10 11 Ω・cm以上である
薄膜太陽電池。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記透明基板が、一辺が1m以上とされ、
前記太陽電池素子から前記シール材の表面までの電気抵抗が5×109Ω以上である
薄膜太陽電池。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材はガラスよりも撥水性に優れ、
塗布初期状態における前記シール材の接触角が60度以上である
薄膜太陽電池。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記シール材は、
シリル基を含有した高分子化合物を含む
薄膜太陽電池。 - 請求項1乃至12のいずれかに記載された薄膜太陽電池であって、
前記透明基板が、一辺が1m以上とされ、
前記太陽電池素子からの地絡電流が60nA以下である
薄膜太陽電池。 - 透明基板を与えるステップと、
前記透明基板の片面に太陽電池素子を形成するステップと、
前記太陽電池素子を被覆する保護材を形成するステップと、
前記保護材の端部に、水蒸気透過性を有するシール材を塗布するステップと、
を具備し、
前記シール材の水蒸気透過率が60g/m 2 ・day以上である
薄膜太陽電池の製造方法。
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