JP4288795B2 - 氷蓄熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷蓄熱装置に関するものであり、より詳しくは、過冷却器から氷蓄熱槽に落下する過冷却水の過冷却状態の解除を助けて製氷効果を高め、更に、氷蓄熱槽上部からの入熱を押えて氷の融解を防止することにより蓄冷性能を高めるようにした氷蓄熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
氷の持つ冷熱を利用して蓄冷を行わせるようにした氷蓄熱装置が実施されている。
【0003】
氷蓄熱装置は、図4に示すように、過冷却器6と冷凍機3との間に、供給側流路1aと戻り側流路1bからなる低温冷媒循環流路1を設け、冷凍機3からの低温冷媒2を供給側流路1aに設けたポンプ3aにより過冷却器6に循環供給して水4を摂氏零度以下にまで過冷却することにより過冷却水5を得るようにしている。
【0004】
過冷却器6を出た過冷却水5は、氷蓄熱槽8の内部に貯留した水4の水面や氷蓄熱槽8の内部に設けられた図示しない衝突板等の過冷却解除器に衝突させ、その衝撃力によって強制的に過冷却状態を解除させて氷7を生成するようにしている。
【0005】
氷蓄熱槽8には、氷蓄熱槽8内の水4を循環ポンプ9を用いて循環させ、スプレーノズル10から噴射することにより氷7を融解させて冷熱を取出し易くするためのスプレー用流路11と、冷熱取出流路12を介して氷蓄熱槽8との間で熱交換媒体13を循環させることにより、氷蓄熱槽8内部の水4と熱交換を行わせて、熱交換媒体13に取出された冷熱を空調等に利用するようにしたビルの空調設備等の熱利用設備14と、氷蓄熱槽8の水4を取出して再び過冷却器6に送る水ポンプ16を有する水供給流路15とが備えられている。
【0006】
水供給流路15の途中には、水4に混入して過冷却状態に悪影響を及ぼすダストや氷7の粒等を除去するためのストレーナ17及びフィルタ18等が設けられている。又、水供給流路15には、加熱器と冷却器とを有する温度調節器20が、熱交換器19を介して接続されている。温度調節器20は、過冷却器6に供給される水4に氷が含有されないように融解し、且つ一定の温度が保持されるように調節している。
【0007】
そして、上記過冷却器6は、基本的に、過冷却水5を流す過冷却水流路21と、該過冷却水流路21に接するように低温冷媒2を流して過冷却水流路21内を流れる水4を冷却して過冷却水5を得るための低温冷媒流路22とによって構成されている。
【0008】
通常の氷蓄熱装置では、例えば図5に示すように複数の過冷却器6を備えるようにしている。図5の例では3個の過冷却器6を備えており、各過冷却器6の過冷却水流路21には水供給流路15による水4が分岐されて供給されるようになっている。又、前記過冷却器6に対応して冷凍機3からの低温冷媒2が循環されるようになっている。図5中、Hは、各冷凍機3からの低温冷媒2に循環する供給側流路1aと戻り側流路1bに三方弁Vを介して接続した加熱器である。図5の氷蓄熱装置では、図4の装置に比して大容量の氷蓄熱を行うことができる。
【0009】
過冷却器6は、例えば、図6に示すように、過冷却水流路21が1本の導水管23であり、低温冷媒流路22が導水管23を包囲する外管24である二重管式のものや、図7に示すように、過冷却水流路21が複数本の導水管25であり、低温冷媒流路22が複数本の導水管25を同時に包囲する外胴26であるシェル・アンド・チューブ式のものや、図8に示すように、過冷却水流路21が導水樋27であり、低温冷媒流路22が導水樋27を上に置くようにした低温冷媒ジャケット28である樋式のもの等がある。
【0010】
又、冷凍機3は、図9に示すように、代替フロン等の第一の低温冷媒(冷媒)の蒸気29を冷却水30等によって凝縮するための凝縮器31と、凝縮器31で凝縮されて液化した第一の低温冷媒の液32と過冷却器6へ送る前記低温冷媒2とを熱交換させ、過冷却器6へ送る低温冷媒2を冷却させる蒸発器33と、蒸発器33で熱交換により発生された第一の低温冷媒の蒸気29を圧縮して凝縮器31へ送る圧縮機34とを有する間接冷却方式のものが一般的に使用されている。尚、図9中、符号36はポンプである。
【0011】
上記冷凍機3は、図10に示すように、代替フロン等の第一の低温冷媒(冷媒)の蒸気29を冷却水30等によって凝縮するための凝縮器31と、凝縮器31で凝縮されて液化した第一の低温冷媒の液32と第二の低温冷媒37とを熱交換させる蒸発器33と、蒸発器33で熱交換により発生された第一の低温冷媒の蒸気29を圧縮して凝縮器31へ送る圧縮機34と、第二の低温冷媒37と過冷却器6へ送られる前記低温冷媒2とを熱交換させる中間熱交換器38とを有する間接冷却方式のものとしても良い。尚、図10中、符号39はポンプである。
【0012】
或いは、上記冷凍機3として、図11に示すように、図9の蒸発器33を備えておらず、過冷却器6の低温冷媒流路22を蒸発器33の代りに使って、過冷却器6の低温冷媒流路22にて低温冷媒2を蒸発させ、蒸発の潜熱を利用して水4を過冷却水5とするようにした直接冷却方式のものも現在開発されている。直接冷却方式のものは、中間低温冷媒が不要となり、且つ、冷凍機3を小型化できるという利点がある。
【0013】
上記したように構成された氷蓄熱装置では、図4及び図5の冷凍機3において例えば−6℃〜−10℃に低温化された低温冷媒2は、低温冷媒循環流路1の供給側流路1aを通って各過冷却器6の低温冷媒流路22へと供給され、低温冷媒流路22を流動する間に過冷却水流路21内を流動する水4を冷却し、その後、低温冷媒2は、低温冷媒循環流路1の戻り側流路1bを通って冷凍機3へ戻され、以後、上記循環を繰返す。
【0014】
同時に、氷蓄熱槽8の水4は、水ポンプ16により揚水され、水供給流路15を介して過冷却器6の過冷却水流路21へと送られ、途中、ストレーナ17やフィルタ18によって、過冷却に悪影響を及ぼすダストや氷7の粒等が除去されたり、温度調節器20によって、ストレーナ17やフィルタ18等では除去しきれない細かい氷7の粒を加熱して消失させる。この時、過冷却器6に供給する水4の温度は、例えば、0.3℃〜0.5℃程度の一定温度になるように調節している。
【0015】
過冷却器6の過冷却水流路21へ送られた水4は、冷凍機3から過冷却器6の低温冷媒流路22へ送られた低温冷媒2によって摂氏零度以下例えば−2℃程度に冷却されて過冷却水5となる。
【0016】
摂氏零度以下にまで冷却された過冷却水5は、エネルギー状態が極めて不安定であり、過冷却水5はエネルギーの極小値である氷相へ相変化を起し易い状態にある。
【0017】
そこで、過冷却器6にて過冷却された過冷却水5を、氷蓄熱槽8へと落下させ、氷蓄熱槽8の内部に貯留した水4の水面や、氷蓄熱槽8内部に設けられた図示しない衝突板等の過冷却解除器に衝突させることにより、衝撃力によって過冷却水5の過冷却状態を強制的に解除し、氷7を生成させる。
【0018】
このように、氷7の状態にして冷熱を氷蓄熱槽8に蓄積させることにより、水の状態で蓄冷する場合に比べて、容積の小さな氷蓄熱槽8でより大きな蓄冷能力を得ることが可能となる。
【0019】
そして、氷蓄熱槽8内の氷7は、需要があるまでそのままの状態で保存され、需要が生じた場合には、例えば、氷蓄熱槽8内の水4を、循環ポンプ9及びスプレー用流路11を介してスプレーノズル10から氷7へ向けて噴射すること等により、氷7を融解させ、このときの融解熱で冷熱取出流路12内を流れる熱交換媒体13を冷却し、冷却された熱交換媒体13をビルの空調設備等の熱利用設備14へ送って、空調等に利用する。
【0020】
又、水の過冷却現象は不安定状態で、時として過冷却器6の内部で水の過冷却状態が解除する場合がある。この場合には過冷却器6内部で氷が生成してしまうために過冷却器6が閉塞するという問題がある。そこで実用機では、図5に示したように、過冷却器6を複数台備えて同時に運転し、ある一つの過冷却器6が過冷却の解除によって運転を中止した場合でも、残りの過冷却器6がバックアップして運転を継続できるようにしている。このとき、閉塞した過冷却器6には、三方弁Vを介して加熱器Hからの加熱流体を通して加熱し、凍結した氷7を融解・排除することにより再作動を可能にする。
【0021】
一方、上記したように、過冷却器6にて摂氏零度以下に冷却された過冷却水5を、氷蓄熱槽8に導いて過冷却状態を解除することにより氷7を生成させる手段としては、従来より種々の方法が考えられている。
【0022】
過冷却水5の過冷却状態を解除するには、過冷却水5に衝撃力を与えてやることが有効である。このために、例えば、図4のように過冷却水5を高い位置から落下させて氷蓄熱槽8内の水4に衝突させたり、或いは落下する過冷却水に超音波を作用させたり、又、高い位置から落下する過冷却水を氷蓄熱槽内部に設けた衝突板等の過冷却解除器に衝突させる等の方法が採用されてきた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の過冷却の解除方法において、過冷却水5を落下させて氷蓄熱槽8内の水4に衝突させる方法では、衝撃力を余り高めることができず、そのために氷7の生成効率が低く、高い製氷効果が得られないという問題がある。又、このように、過冷却水5を落下させてその位置エネルギーを利用した衝撃力だけに頼る方法では、大きな落下高さが必要であり、コンパクトを利点とする氷蓄熱装置にとってデメリットとなると共に、位置エネルギー分のポンプの揚水ヘッドを取らねばならず、運転コストも増加するという問題がある。
【0024】
又、超音波を用いた解除方法では、機器が複雑且つ高価になってしまうという問題がある。
【0025】
又、衝突板等の過冷却解除器を用いた解除方法では、衝突板に氷が付着するという問題があり、更に、衝突板に対する過冷却水の衝突角度によって氷蓄熱槽内での氷の蓄積が偏ってしまい、そのために、衝突板の取付角度を周期的に変更する等の必要が生じ、よって構造が複雑で高価になってしまう問題がある。又、衝突板を用いた解除方法は、過冷却水の水量を変えると、水の落下位置が変わるために、衝突板の位置を可変できるようにするか、又は一定流量での製氷のみに限定せざるを得ないという問題がある。
【0026】
一方、一般的な過冷却方式の氷蓄熱装置では、氷蓄熱槽の上部に、落下する過冷却水が通る開口を備えたカバーを設置しているが、氷蓄熱槽内の氷が融解するという問題がある。即ち、過冷却水の落下によって氷蓄熱槽上の空気は流動しており、この空気の流動によって氷蓄熱槽の水面上から冷熱が奪われ易い状況になっている。氷蓄熱装置の主目的は、安価な夜間電力を用いて製氷し、昼間の電力ピークをカットすることであり、特に最も需要の大きな真夏期では、夜間製氷だけでは間に合わず、昼間の追いかけ運転をも実施するが、生成された氷が融解してしまうと、それだけ追いかけ運転の必要が生じて、運転コストの増加につながる。従って、氷蓄熱装置では、製氷効果を高めるのと同時に、生成された氷を融解させることなく貯蔵し蓄冷性能を高めることが重要であるが、従来このような蓄冷性能を考慮したものは存在していない。
【0027】
本発明は、かかる従来の氷蓄熱装置の問題点を解決すべくなしたもので、過冷却器から氷蓄熱槽に落下する過冷却水の過冷却状態の解除を助けて氷の生成効果を高め、更に、氷蓄熱槽上部からの入熱を小さくして氷の融解を抑えることにより、高い製氷効果と蓄冷性能とを保持できるようにした氷蓄熱装置を提供することを目的としている。
【0028】
【発明を解決するための手段】
本発明は、氷蓄熱装置の過冷却器出口から放出される過冷却水を受ける氷蓄熱槽に、氷蓄熱槽内部の水面に浮遊して自由に移動できる浮体を少なくとも氷蓄熱槽の水面が覆われるように投入し、過冷却器出口からの過冷却水を浮体に衝突させて過冷却を解除するようにしたことを特徴とする氷蓄熱装置、に係るものである。
【0029】
上記手段において、浮体の少なくとも外表面は、氷が付着し難い非付着性材で構成されていてもよい。
【0030】
上記手段によれば、簡略な構成にて、高い製氷効果と高い蓄冷性能を発揮することができ、よってシステム効率を向上できる。
【0031】
投入する浮体の量を、少なくとも氷蓄熱槽の水面を覆うように投入すると、前記製氷効果と蓄冷性能が更に高められ、又、浮体の少なくとも外表面を、氷が付着し難い非付着性材で構成すると、浮体に氷が付着するような問題を防止できる。
【0032】
又、氷蓄熱槽内に浮体を浮遊させた構成は、過冷却水の流量等の運転状態の変化にも容易に対応できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1、図2に、本発明の実施の形態例を示す。図1では過冷却器6として二重管式熱交換器形状のものを採用した場合を示しているが、低温冷媒によって水4を過冷却状態のまま流下させ、氷蓄熱槽の水面付近で過冷却を解除させるものであれば、どのような構造の過冷却器にも適用できる。又、過冷却器6が単機で備えられた場合を示しているが、図5のように複数配置されている場合にも同様に適用できる。
【0034】
図1、図2の形態例では、氷蓄熱槽8の内部に、氷蓄熱槽8内部の水4の水面に浮遊し、且つ自由に移動できるようにした所要の浮体40を投入し、過冷却器6出口から落下してくる過冷却水5を浮体40に衝突させ、この衝撃力によって過冷却状態を解除し、製氷させるようにしている。
【0035】
浮体40は、氷蓄熱槽8内部の水4に浮遊する小さな比重で、且つ過冷却水5の衝突によって損傷することのない強度を有している必要がある。
【0036】
浮体40の材料としては、氷が付着し難い非付着性材、例えば、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の高分子材料を用いることができる。このような高分子材料は、金属に比して熱伝導性が大幅に悪く、高い断熱性を有し、又、水に対する浮力も大きく、製造も容易でコストも安く抑えられる等の面から、浮体40の材料として好適である。
【0037】
浮体40は、図3(A)に示すように中空球状体41aとしたり、図3(B)に示すように中空楕円状体41bとしたり、図3(C)に示すように中実球状体41cとすることができる。又、図3(A)〜図3(C)に示したような形状の浮体40を発泡性材料或いは上記高分子材料以外の軽い材料で構成し、その外表面を、氷7が付着し難い塗料、或いはテフロン、又はフッ素等を主成分とする非付着性材のコーティング膜で被覆したものとしてもよい。
【0038】
図3(D)は、金属によって浮体40を構成する場合を示している。金属は、熱伝導性が良く、生成した氷7が付着・成長し易い問題があり、又、氷7と大気との熱移動が大きいために生成された氷7が溶け易いという問題がある。このため、金属による中空球状体42を構成し、その中空球状体42の外表面を、氷7が付着し難い塗料、或いはテフロン、又はフッ素等を主成分とする非付着性材43によって被覆している。
【0039】
一方、図3(E)は、大径体40aと小径体40bのように大きさが異なる複数種類の浮体40を混合して投入するようにした場合を示している。
【0040】
浮体40は、図3(A)〜図3(E)に示した形状以外に、多面体、円柱、多角柱、円錐、多角錐、更には不定形状としてもよい。
【0041】
このとき、浮体40が水が溜まるような形状を有していると、その水溜まりの水が凍結・付着し、浮体40表面での氷の成長を引き起こし、他の氷が凝結した浮体40と凝集し、氷塊を形成する可能性がある。氷塊の生成は、利用し易いシャーベット状の氷を作る本氷蓄熱装置に反しており、冷水が利用し難くなる。又、水面上に大きな氷塊が形成されると、その頂上が過冷却器6まで達し、過冷却器6内での過冷却状態の解除の引き金にもなりかねない。
【0042】
従って、浮体40は、氷7の付着の問題を考慮すると、浮体40には水溜まりが生じるような凹みや、尖った部分や角張った部分が無い方が好ましい。又、浮体40の自由な浮遊・移動を考慮した場合にも、尖った部分や角張った部分が無い方が好ましい。
【0043】
従って、上記から、球状の浮体40とすることが最も好適と言える。投入する浮体40の大きさは、取扱い性等を考慮して任意に選定することができる。このとき、浮体40の形状が小さ過ぎると、比重が水4に近い材質の場合には、水4を循環する取水口まで吸引されて、装置トラブルの原因にもなるので、このような問題を生じない大きさのものとするのがよい。
【0044】
氷蓄熱槽8には任意の量の浮体40を投入することができる。例えば、氷蓄熱槽8の水面を略覆う量の浮体40を投入したり、或いは、氷蓄熱槽8の水面を覆う量より多い量の浮体40を投入して、浮体40が氷蓄熱槽8の水面で重なり合うようにしてもよい。
【0045】
以下に、上記形態例の作用を説明する。
【0046】
図1において、過冷却器6で過冷却された過冷却水5は、過冷却器6から放出されて氷蓄熱槽8に落下する。
【0047】
このとき、氷蓄熱槽8の水面には浮体40が投入されて浮遊しているので、過冷却水5は浮体40に衝突し、その衝撃力によって過冷却が解除されて氷7が生成される。
【0048】
氷蓄熱槽8に、氷蓄熱槽8の水面を略覆う量の浮体40を投入しておくと、過冷却器6から落下してくる過冷却水5の殆どはまんべんなく浮体40に衝突し、これによって過冷却の解除が良好に行なわれて、氷7の生成が促進される。生成した氷7は浮体40と水4の間に蓄積される。このとき、過冷却水5の落下により浮体40及び水4は衝撃を受け、これによって水4は、図1、図2中破線で示すように流動し、これにより生成した氷7は氷蓄熱槽8内に均一に分散されるようになる。又このとき、衝撃を受けた浮体40は水面下に一旦沈んでも直ちに浮上して水面を覆い、又過冷却水5が落下する以外の部分の浮体40は水面を常に覆った状態で水面上を循環移動するようになる。
【0049】
又、水面を浮遊する浮体40の少なくとも外表面は、氷7が付着し難い非付着性材で構成されているので、生成した氷7は付着し難く、しかも浮体40は落下する過冷却水5の衝撃によって変動している水面によって常時上下に揺動すると共に循環移動しているので氷7が付着し難くなっている。氷7は浮体40の表面上で一旦付着するものもあるが、水の勢いや、氷7が付着した浮体40のバランスが崩れ、氷7の付着した箇所が水4に接触するように回転し、氷7が水4に洗われて浮体40から剥離し、浮体40の下部に蓄積される。
【0050】
このように浮体40は、常時水面を覆っており、氷7が直接大気に接触するのを防止するので、氷蓄熱槽8の上部からの入熱を遮断して断熱・保温の効果を発揮することができ、よって生成された氷7が融解するのを防止できる。従って、氷蓄熱装置の運転コストを抑えることができる。
【0051】
更に、氷蓄熱槽8に投入する浮体40の量を、氷蓄熱槽8の水面を覆う量より多く投入すると、浮体40が水面において重なり合うように配置されることになり、これにより、過冷却水5が浮体40に衝突する機会が更に増加して氷7の生成効果が促進されると共に、水面を覆って氷蓄熱槽8の上部からの入熱を遮断する効果を更に高めることができる。
【0052】
過冷却器6の安定した過冷却状態の持続には、精密な温度調整と流量調整が必要とされる。このため、従来の装置では、過冷却器単体の温度・流量を変えることはあまり行なわれていない。季節や需要による蓄熱容量の変動に対応する方法としては、一般に蓄熱時間を調整したり、複数台の装置を有している場合には運転台数を調整することで対処している。
【0053】
本発明者等が実施した試験によれば、過冷却水5の流量を減少させると過冷却器6内での閉塞が生じ難くなるという試験結果を得た。従って、過冷却器6の閉塞を回避する手段として、流量を定格より落とすことも有効な対策の一つである。
【0054】
しかし、従来装置では、衝突板等の過冷却解除器が固定であるために、過冷却水の流量変動に伴って過冷却水の落下位置が変化したとき、その位置へ衝突板を移動させる必要があり、機構の複雑さとコストの増加を招くことになるが、本発明の浮体40によれば、このような問題を全く生じることがない。
【0055】
更に、図5に示したように、過冷却器6が複数台設置される構成においても、浮体40は常に氷蓄熱槽8の水面を覆っているので、改めて特別な過冷却解除器を設置する必要もない。
【0056】
上記したように、過冷却器6から過冷却水5が落下する氷蓄熱槽8の水面に、表面が氷7が付着し難い材料で作られた多数の浮体40を投入して浮遊させておき、過冷却器6から落下する過冷却水5がそれらの浮体40と衝突するようにしたので、過冷却水5は浮体40との衝突による衝撃力によって過冷却状態が解除されて氷7を効果的に生成することができ、且つ浮遊する浮体40には生成した氷7が付着し難い効果があり、しかも水面を覆う浮体40は、氷蓄熱槽8上部からの入熱を抑制して氷7の融解を抑える効果がある。
【0057】
従って、従来の氷蓄熱装置に比して、簡略な構成にて、高い製氷効果と高い蓄冷性能を発揮することができ、システム効率の向上が図れる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、簡略な構成にて、高い製氷効果と高い蓄冷性能を発揮することができ、よってシステム効率を向上できる効果がある。
【0059】
投入した浮体によって、少なくとも氷蓄熱槽の水面が覆われるようにしたので、前記製氷効果と蓄冷性能が更に高められる効果がある。
【0060】
浮体の少なくとも外表面を、氷が付着し難い非付着性材で構成すると、浮体に氷が付着するような問題を防止できる。
【0061】
又、氷蓄熱槽内に浮体を浮遊させた構成は、過冷却水の流量等の運転状態の変化にも容易に対応できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略系統図である。
【図2】浮体と水と氷の作動を示す模式図である。
【図3】(A)(B)(C)(D)は夫々浮体の形状例を示す断面図、(E)は浮体の側面図である。
【図4】従来の氷蓄熱装置の概略系統図である。
【図5】過冷却器が複数並設された従来の氷蓄熱装置の概略系統図である。
【図6】従来の過冷却器の一例を示す概略側方断面図である。
【図7】従来の過冷却器の他の例を示す概略側方断面図である。
【図8】従来の過冷却器の更に他の例を示す概略側方断面図である。
【図9】間接冷却方式の冷凍機を有する氷蓄熱装置の概略系統図である。
【図10】間接冷却方式の冷凍機を有する他の氷蓄熱装置の概略系統図である。
【図11】直接冷却方式の冷凍機を有する氷蓄熱装置の概略系統図である。
【符号の説明】
4 水
5 過冷却水
6 過冷却器
8 氷蓄熱槽
40 浮体
43 非付着性材
Claims (2)
- 氷蓄熱装置の過冷却器出口から放出される過冷却水を受ける氷蓄熱槽に、氷蓄熱槽内部の水面に浮遊して自由に移動できる浮体を少なくとも氷蓄熱槽の水面が覆われるように投入し、過冷却器出口からの過冷却水を浮体に衝突させて過冷却を解除するようにしたことを特徴とする氷蓄熱装置。
- 浮体の少なくとも外表面は、氷が付着し難い非付着性材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の氷蓄熱装置。
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| JP30420399A JP4288795B2 (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | 氷蓄熱装置 |
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