JP4284451B2 - ポリイミド微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリイミド微粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ポリイミドは、機械的特性に加えて耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ、電気・電子材料、自動車、その他金属・セラミックスの代替材料として幅広く利用されている。
【0003】
従来におけるポリイミドの合成方法としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中で反応させ、ポリイミドの前駆体であるポリイミド前駆体のワニスを調製し、このワニスからポリイミド微粒子を沈殿製造法により製造する。
【0004】
しかしながら、この方法では、重合が進行するに従って沈殿生成したポリイミド微粒子が合一化又は凝集を起こすため、単分散の微細なポリイミド微粒子が得られないという問題がある。
【0005】
また、テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミンとを有機溶媒中で加熱重合させてポリイミド前駆体の溶液を調製し、この溶液をポリマー不溶溶媒中に入れ、生成した沈殿を回収した後、これを加熱閉環してイミド化する方法がある。
【0006】
しかしながら、上記方法によってポリイミドの微粒子を得ようとする場合には、イミド化した後に回収された塊状物を機械的方法により粉砕しなければならず、工程が煩雑になる。また、機械的粉砕による微粒子化では、得られる粉末は粒径が大きく、また独立した単分散の微粒子粉末を調製することも困難である。しかも、上記方法では、所望の粒子形状、粒度分布等に制御することも困難である。
【0007】
これに対し、テトラカルボン酸無水物とジアミン化合物とを特定の条件下で反応させることによって、単分散性に優れたポリイミド微粒子の製造方法が提案されている(特許文献1〜3)。
【0008】
しかしながら、多様な粒子形状(例えば多孔質粒子〜緻密な粒子)等を任意で得るためには、これらの方法でも十分とは言えず、さらなる改善が必要とされていた。
【0009】
【特許文献1】
特願平11−1401181号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−143799号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−248063号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主な目的は、粒子形状、粒度分布、表面積等を幅広く制御できるポリイミド微粒子の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を含む方法によって、上記目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、下記のポリイミド微粒子及びその製造方法に係る。
【0015】
1. 無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物からポリイミドを製造する方法であって、
(a)無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを溶媒中で反応させることによりポリイミド前駆体を合成し、前記ポリイミド前駆体を固液分離した後、前記ポリイミド前駆体をアセトンで洗浄する第一工程、及び
(b)前記洗浄後のポリイミド前駆体をイミド化する第二工程、
を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。
2. 第一工程において、無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジイソシアネート化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製し、両溶液を混合することにより、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させる前記項1記載の製造方法。
3. 第一工程において、アミン触媒の存在下で無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させる前記項1又は2に記載の製造方法。
4. 第一工程を超音波による攪拌下で行う前記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5. 第一溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む前記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6. 第二溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む前記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7. 第二工程において、ポリイミド前駆体を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う前記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
8. 第二工程において、ポリイミド前駆体を有機溶媒中で加熱し、当該加熱により発生した二酸化炭素を反応系外に除去しながらイミド化を行う前記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
9. 第二工程において、溶媒中での加熱を130〜250℃で行う前記項7又は8に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
10. 前記項1〜9のいずれかに記載の製造方法において得られるポリイミド微粒子であって、平均粒径が30nm〜30μmであるポリイミド微粒子。
11. 前記項10記載のポリイミド微粒子であって、比表面積80m 2 /g以上及び平均粒径30nm〜30μmであるポリイミド微粒子であって、少なくとも粒子表面が多数の棒状ないしは板状の凸部及び開放気孔から形成されていることを特徴とする多孔性ポリイミド微粒子。
【0027】
【発明の実施の形態】
1.ポリイミド微粒子の製造方法
本発明の製造方法は、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物からポリイミドを製造する方法であって、
(a)無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させることによりポリイミド前駆体を合成する第一工程、及び
(b)得られたポリイミド前駆体をイミド化する第二工程、
を含むことを特徴とする。
【0028】
第一工程
無水テトラカルボン酸は、特に制限されず、例えば従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものも使用できる。例えば、ヘキサヒドロピロメリット酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の複素環族テトラカルボン酸無水物等を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、特にBTDA、ピロメリット酸二無水物等が好ましい。
【0029】
ジイソシアネート化合物としては限定的でなく、例えば1,4−ヘキサシクロジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートシクロヘキサン、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン、2,4−ジイソシアネート−1−メチルシクロヘキサン、トルエン−2,4−ジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、1,3−ジイソシアネート−2−メチルシクロヘキサン、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、1,4−ヘキサシクロジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好ましい。
【0030】
無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物との反応は、所定のポリイミド前駆体が生成される限りどのような条件・態様であっても良い。特に、反応温度は通常0〜130℃程度、特に20〜40℃とすることが望ましい。また、反応時間は、ポリイミド前駆体が生成されるまで行えば良く、通常は30秒〜120分程度であるが、かかる範囲外となっても差し支えない。両者の使用割合は、モル比で無水テトラカルボン酸:ジイソシアネート化合物=1:0.5〜1.5(特に1:0.9〜1.1)となるように設定すれば良い。
【0031】
上記反応は、必要に応じてアミン触媒の存在下で行うこともできる。アミン触媒を用いることにより、より効率的にポリイミド前駆体を調製することが可能になる。上記アミン触媒としては、アミン化合物を好適に用いることができる。アミン化合物としては、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス−ジメチルアミノメチル−3−イソシアネートフェノール等を使用することができる。この中でも、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエチルアミン等が好ましい。
【0032】
無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物との反応は、攪拌下で行うことが望ましい。攪拌方法としては、公知の攪拌方法(攪拌装置)によって実施することができる。本発明では、特に超音波によって攪拌することがより好ましい。超音波攪拌によって、より微細で単分散性の高いポリイミド微粒子を得ることが可能である。超音波による攪拌は、公知の超音波装置(例えば超音波洗浄器)及び操作条件をそのまま採用できる。超音波の周波数は、所望の粒径等に応じて適宜設定すれば良く、通常は28〜100kHz程度、好ましくは28〜45kHzとすれば良い。
【0033】
また、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物との反応は、溶媒中で行うこと(液相中での反応)が好ましい。例えば、ジイソシアネート化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製し、両溶液を混合することにより、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させることにより、好適にポリイミド前駆体の調製を行うことができる。
【0034】
第一溶液及び第二溶液で用いる溶媒は、実質的に無水テトラカルボン酸又はジイソシアネート化合物が溶解し、かつ、生成するポリイミド前駆体が溶解しないものであれば特に制限されない。例えば、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらの少なくとも1種を含む溶媒を使用することができる。また、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン極性溶媒のようなポリイミド前駆体が溶解する溶媒であっても、アセトン、酢酸エチル、MEK、トルエン、キシレン等のポリイミド前駆体の貧溶媒と混合してポリイミド前駆体が沈殿するように調整すれば、これらも使用することが可能である。
【0035】
第一溶液における無水テトラカルボン酸の濃度は、用いる無水テトラカルボン酸の種類、第二溶液の濃度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜0.20モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.10モル/リットルとする。第二溶液におけるジイソシアネート化合物の濃度は、用いるジイソシアネート化合物の種類、第一溶液の濃度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は0.001〜0.20モル/リットル程度、好ましくは0.01〜0.10モル/リットルとする。
【0036】
第一工程で生成したポリイミド前駆体は、遠心分離法等の公知の方法に従って固液分離して回収すれば良い。ポリイミド前駆体は、一般的には粒子(粉末)の形態で得られる。このようなポリイミド微粒子も本発明に包含される。かかる粒子が、球状として生成される場合は、一般的には、平均粒径30〜30000nm(好ましくは500〜1000nm)であって、標準偏差15〜300000(好ましくは15〜100)、変動係数3〜30%(好ましくは3〜10%)の範囲にある単分散状のものである。なお、粒子が不定形状である場合は、一般的には、一片の大きさ(平均)が通常50〜10000nm程度である。
【0037】
第二工程
第二工程では、第一工程で得られたポリイミド前駆体をイミド化する。本発明におけるイミド化は、通常はポリイミド前駆体の脱二酸化炭素反応による。換言すれば、本発明におけるポリイミド前駆体は、一般的には、脱二酸化炭素によりポリイミドになり得る物質である。例えば、テトラカルボン酸無水物としてヘキサヒドロピロメリット酸無水物を用い、ジイソシアネート化合物としてtrans−1,4−ヘキサシクロジイソシアネートを用い、これらを反応させた場合には、下式のような構造(単位構造)をもつ化合物がポリイミド前駆体として得られる。
【0038】
【化1】
【0039】
そして、このポリイミド前駆体の脱二酸化炭素により下式のような構造(単位構造)をもつ脂肪酸ポリイミドが得られる。
【0040】
【化2】
【0041】
イミド化する方法は、ポリイミド前駆体からそのままポリイミド微粒子が得られる限りは特に制限されないが、本発明では特に有機溶媒中で加熱してイミド化する方法(熱閉環)を採用することが望ましい。
【0042】
上記方法は、例えばポリイミド前駆体を有機溶媒中に分散させ、通常130℃以上、好ましくは130〜250℃程度の温度で加熱すれば良い。この加熱により、二酸化炭素が発生するため、第二工程では二酸化炭素を反応系外に除去しながらイミド化を行うことが望ましい。
【0043】
有機溶媒としては、ポリイミド前駆体の貧溶媒であり、かつ、イミド化反応に必要な温度以上の沸点を有するものであれば制限されない。有機溶媒としては、例えばキシレン、エチルベンゼン、オクタン、シクロヘキサン、ジフェニルエーテル、ノナン、ピリジン、ドデカン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、これらの有機溶媒を使用することによって、未反応のポリイミド前駆体の加水分解を抑制し、粒子の形態の変化、分子量の低下等を防止できる結果、単分散性に優れたポリイミド微粒子がより確実に得られる。
【0044】
有機溶媒中に分散させるポリイミド前駆体の割合は、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は1〜50g/リットル程度、好ましくは5〜10g/リットルとすれば良い。
【0045】
第二工程で生成したポリイミド微粒子は、公知の方法により回収し、必要に応じて石油エーテル、メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば良い。
2.ポリイミド微粒子
本発明方法により得られるポリイミド微粒子(粉末)は、球状として生成される場合は、一般には、平均粒径30〜30000nm(好ましくは500〜1000nm)であって、標準偏差15〜300000(好ましくは15〜100)、変動係数3〜30%(好ましくは3〜10%)の範囲にある単分散状のものである。なお、不定形状である場合は、一片の大きさ(平均)が通常50〜10000nm程度である。ポリイミド微粒子の粒子形状は、通常はポリイミド前駆体の形状に由来し、球状、不定形等の所望の形態をとることができる。
【0046】
ポリイミド微粒子の比表面積は限定的でなく、通常は1〜120m2/gと幅広い範囲の中から任意の比表面積をもつ微粒子を得ることができる。特に、本発明では、80m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、さらに好ましくは120m2/g以上と高比表面積のポリイミド微粒子も調製することが可能である。なお、比表面積の上限は限定されないが、一般的には200m2/g程度である。
【0047】
例えば、本発明ポリイミド微粒子の一態様として、比表面積80m2/g以上及び平均粒径30nm〜30μmであるポリイミド微粒子であって、少なくとも粒子表面が多数の棒状ないしは板状の凸部及び開放気孔から形成されていることを特徴とする多孔性ポリイミド微粒子がある。この凸部及び開放気孔の大きさは、ポリイミド微粒子の大きさに応じて変わり得るものである。一例を挙げると、後記の図1に示すように、平均粒径640nmの多孔性ポリイミド微粒子にあっては、長径10〜300nm程度の棒状ないしは板状の凸部及び開放気孔を有する。
【0048】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物からポリイミド前駆体を経てポリイミド微粒子を合成するので、粒子形状、粒径等を任意に制御されたポリイミド微粒子を得ることができる。例えば、球状の微粒子からなるポリイミド微粒子のほか、多孔質粒子からなるポリイミド微粒子を製造することも可能である。
【0049】
本発明方法により得られるポリイミド微粒子は、耐熱性、電気絶縁性等のポリイミド樹脂本来の特性をそのまま維持していることから、従来のポリイミド樹脂の用途はもとより、特に電気絶縁部品のコーティング材、成形用充填材のほか、クロマトグラフィ用充填材、医療用材料、吸着材、フィルター材、電気・電子材料(液晶用スペーサー等)、さらに複合材料等の用途に幅広く応用することができる。
【0050】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより一層明確にする。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
【0051】
なお、実施例における超音波攪拌は「卓上超音波洗浄器VS-100III」(株式会社ヴェルヴォクリーア製)を用いた。
【0052】
また、本発明における各物性は、次のようにしてそれぞれ測定した。
(1)粒子形状
走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。平均粒径は、SEM写真から任意の100個の微粒子を選び出し、これらの粒径の平均を下式(1)に従って求めた。
【0053】
【数1】
【0054】
また、この平均粒径の値に基づいて下記の数式(2)(3)に従い標準偏差(S)、さらには数式(4)に従って変動係数(C)も求めた。変動係数が小さいほど粒径のバラツキが少ないことを示す。平均粒径及び変動係数については、以下においても同様にして測定した値を示す。
【0055】
【数2】
【0056】
【数3】
【0057】
【数4】
【0058】
(2)熱分解温度
ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm)及び熱分解温度(Td)については、示差走査熱量測定法(DSC)により求めた。測定条件は、昇温速度10℃/min、窒素50ml/minとした。
(3)ポリイミドの同定
生成されたポリイミドの同定は、FT−IR測定によって行った。
(4)表面電位測定
ζ電位の測定により実施した。
(5)比表面積
BET法によって測定した。
【0059】
実施例1
第一溶液としてヘキサヒドロピロメリット酸無水物2.24g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、第二溶液として1,4-ヘキサシクロジイソシアネート1.66g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.4gをアセトン(20ml)に溶解させた溶液をそれぞれ調製した。これらを25℃で混合した後、超音波洗浄器を用いて超音波攪拌下(周波数28KHz、1時間)で混合溶液を反応させた。その後、攪拌子を用いて約12時間攪拌することによって、ポリイミド前駆体を析出させた。析出したポリイミド前駆体を遠心分離機にて回収した後、アセトンで洗浄し、さらに遠心分離するという工程を繰り返し、ポリイミド前駆体を精製した。得られたポリイミド前駆体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることが確認された。
【0060】
次いで、ポリイミド前駆体約3.0gをn-ドデカン(500ml)に分散させ、210℃で5時間還流することによりイミド化してポリイミド微粒子を生成させた。生成したポリイミド微粒子を遠心分離機にて回収した後、アセトンによる洗浄と遠心分離とを繰り返して精製を行った。
【0061】
得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を図1及び図2に示す。特に図1からも明らかなように、ポリイミド微粒子は、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることがわかる。また、個々のポリイミド微粒子は、ロッド状微粒子が凝集して形成されたような外観を有する多孔質粒子があることもわかる。また、このポリイミド微粒子の平均粒径640.1nm、標準偏差43.20、変動係数6.75であり、その比表面積は120m2/gであった。また、ポリイミド微粒子の熱分解温度(Td(5wt%loss))はそれぞれ343℃であった。このポリイミド微粒子の表面ζ電位は-27.34mVであった。
【0062】
実施例2
第一溶液としてBTDA3.22g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、第二溶液としてイソホロンジイソシアネート2.21g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.4gをアセトン(20ml)に溶解させた溶液をそれぞれ調製した。これらを25℃で混合した後、超音波洗浄器を用いて超音波攪拌下(周波数28KHz、1時間)で混合溶液を反応させた。その後、攪拌子を用いて約12時間攪拌することによって、ポリイミド前駆体を析出させた。析出したポリイミド前駆体を遠心分離機にて回収した後、アセトンで洗浄し、さらに遠心分離するという工程を繰り返し、ポリイミド前駆体を精製した。得られたポリイミド前駆体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることが確認された。
【0063】
次いで、ポリイミド前駆体約3.0gをn-ドデカン(500ml)に分散させ、210℃で5時間還流することによりイミド化してポリイミド微粒子を生成させた。生成したポリイミド微粒子を遠心分離機にて回収した後、アセトンによる洗浄と遠心分離とを繰り返して精製を行った。
【0064】
得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を図3に示す。図3に示すように、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。また、このポリイミド微粒子の平均粒径4910.0nm、標準偏差840.25、変動係数17.25であり、その比表面積は1.2m2/gであった。また、ポリイミド微粒子の熱分解温度(Td(5wt%loss))はそれぞれ514℃であった。
【0065】
実施例3
第一溶液としてBTDA3.22g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、第二溶液としてトルエン−2,4−ジイソシアネート1.74g(0.01モル)をアセトン(90ml)に溶解させた溶液、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.4gをアセトン(20ml)に溶解させた溶液をそれぞれ調製した。これらを25℃で混合した後、超音波洗浄器を用いて超音波攪拌下(周波数28KHz、1時間)で混合溶液を反応させた。その後、攪拌子を用いて約12時間攪拌することによって、ポリイミド前駆体を析出させた。析出したポリイミド前駆体を遠心分離機にて回収した後、アセトンで洗浄し、さらに遠心分離するという工程を繰り返し、ポリイミド前駆体を精製した。得られたポリイミド前駆体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることが確認された。
【0066】
次いで、ポリイミド前駆体約3.0gをn-ドデカン(500ml)に分散させ、210℃で5時間還流することによりイミド化してポリイミド微粒子を生成させた。生成したポリイミド微粒子を遠心分離機にて回収した後、アセトンによる洗浄と遠心分離とを繰り返して精製を行った。
【0067】
得られたポリイミド微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を図4に示す。図4のように、単分散状の均一な球状粒子から構成されていることを確認した。また、このポリイミド微粒子の平均粒径1965.4nm、標準偏差240.56、変動係数12.19であり、その比表面積は5.1m2/gであった。また、ポリイミド微粒子の熱分解温度(Td(5wt%loss))はそれぞれ530℃であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリイミド微粒子の粒子形状を示すイメージ図である。
【図2】実施例1で得られたポリイミド微粒子の粒子形状を示すイメージ図である。
【図3】実施例3で得られたポリイミド微粒子の粒子形状を示すイメージ図である。
【図4】実施例4で得られたポリイミド微粒子の粒子形状を示すイメージ図である。
Claims (11)
- 無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物からポリイミドを製造する方法であって、
(a)無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを溶媒中で反応させることによりポリイミド前駆体を合成し、前記ポリイミド前駆体を固液分離した後、前記ポリイミド前駆体をアセトンで洗浄する第一工程、及び
(b)前記洗浄後のポリイミド前駆体をイミド化する第二工程、
を含むことを特徴とするポリイミド微粒子の製造方法。 - 第一工程において、無水テトラカルボン酸を含む第一溶液と、ジイソシアネート化合物を含む第二溶液とをそれぞれ調製し、両溶液を混合することにより、無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させる請求項1記載の製造方法。
- 第一工程において、アミン触媒の存在下で無水テトラカルボン酸とジイソシアネート化合物とを反応させる請求項1又は2に記載の製造方法。
- 第一工程を超音波による攪拌下で行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 第一溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 第二溶液における溶媒が2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 第二工程において、ポリイミド前駆体を有機溶媒中で加熱することによりイミド化を行う請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 第二工程において、ポリイミド前駆体を有機溶媒中で加熱し、当該加熱により発生した二酸化炭素を反応系外に除去しながらイミド化を行う請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 第二工程において、溶媒中での加熱を130〜250℃で行う請求項7又は8に記載のポリイミド微粒子の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法において得られるポリイミド微粒子であって、平均粒径が30nm〜30μmであるポリイミド微粒子。
- 請求項10記載のポリイミド微粒子であって、比表面積80m2/g以上及び平均粒径30nm〜30μmであるポリイミド微粒子であって、少なくとも粒子表面が多数の棒状ないしは板状の凸部及び開放気孔から形成されていることを特徴とする多孔性ポリイミド微粒子。
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