JP4268345B2 - 平版印刷版用支持体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平版印刷版原版の現像性を向上させるため、陽極酸化処理後の平版印刷版用支持体の表面に、シリケート処理に代表される親水化処理を施すことが知られている。平版印刷版用支持体の表面に親水化処理を施すと、印刷の際、平版印刷版の非画像部に疎水性であるインキが付着しにくくなり、耐汚れ性が向上するのである。
しかし、平版印刷版用支持体の表面に親水化処理を施すと、平版印刷版原版において疎水性である感光層と支持体との密着性が低下し、平版印刷版としたときの耐刷性が低下する場合が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明は、親水化処理を施すことにより平版印刷版としたときの耐汚れ性を向上させた平版印刷版用支持体であって、更に、耐刷性にも優れる平版印刷版用支持体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、アルミニウム板に陽極酸化処理およびシリケート処理を施した平版印刷版用支持体において、表面に存在するアルカリ土類金属とケイ素の原子数比を0.1〜0.95とすることにより、耐刷性を向上させることができることを見出した。更に、本発明者は、アルミニウム板に陽極酸化処理および親水化処理を施した平版印刷版用支持体において、表面にアルカリ土類金属を1mg/m2 以上存在させることにより、耐刷性を向上させることができることを見出した。
本発明者は、上記知見に基づき、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明の第一の態様は、アルミニウム板に陽極酸化処理およびシリケート処理を施した平版印刷版用支持体であって、表面に存在するアルカリ土類金属とケイ素の原子数比が、0.1〜0.95である平版印刷版用支持体を提供する。
【0006】
前記シリケート処理後に、アルカリ土類金属を5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施した平版印刷版用支持体であるのが好ましい。
【0007】
また、本発明の第二の態様は、アルミニウム板に陽極酸化処理および親水化処理を施した平版印刷版用支持体であって、表面にアルカリ土類金属が1mg/m2 以上存在する平版印刷版用支持体を提供する。
【0008】
本発明の第一および第二の態様の平版印刷版用支持体においては、表面にアルカリ土類金属が所定量で存在する。このアルカリ土類金属は、平版印刷版用支持体の表面で2価のカチオンとして存在し、親水化処理により平版印刷版用支持体の表面に設けられたSiO2 等と結合していると考えられる。そして、このアルカリ土類金属のカチオンは、感光層または下塗り層を構成するポリマー等の有するカルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、スルホンアミド等の極性基と電気的に引き合い、これにより感光層または下塗り層と支持体との密着性が向上し、平版印刷版としたときの耐刷性が優れたものとなるのだと考えられる。
【0009】
本発明においては、上述したような機構により耐刷性を向上させるものであるので、ジアゾ基を有する樹脂を感光層または下塗り層として用いるコンベンショナルネガタイプでは耐刷性を向上させる効果が大きくなく、それ以外の平版印刷版原版の製造に好適に用いられる。例えば、コンベンショナルポジタイプ、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプの平版印刷版原版の製造に好適に用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
<アルミニウム板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版用支持体に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。 純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板や、アルミニウムまたはアルミニウム合金がラミネートされまたは蒸着されたプラスチックフィルムまたは紙を用いることもできる。更に、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートを用いることもできる。
【0011】
以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をアルミニウム板と総称して用いる。 前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。 特に、銅の含有量は、0〜0.05質量%であるのが好ましい。
【0012】
本発明においては、純アルミニウム板を用いるのが好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えば、JIS A1050、JIS A1100、JIS A3005、JIS A3004、国際登録合金 3103A等のアルミニウム合金板を適宜利用することができる。 また、アルミニウム板の製造方法は、連続鋳造方式およびDC鋳造方式のいずれでもよく、DC鋳造方式の中間焼鈍や、均熱処理を省略したアルミニウム板も用いることができる。最終圧延においては、積層圧延や転写等により凹凸を付けたアルミニウム板を用いることもできる。また、本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0. 1〜0. 6mm程度である。 この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。
【0013】
本発明の平版印刷版用支持体は、上記アルミニウム板に陽極酸化処理および親水化処理を施して得られるが、このアルミニウム支持体の製造工程には、陽極酸化処理および親水化処理以外の各種の工程が含まれていてもよい。
【0014】
<粗面化処理(砂目立て処理)>
上記アルミニウム板は、通常、より好ましい形状に砂目立て処理される。砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的砂目立て(機械的粗面化処理)、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に、塩酸電解液中または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て法(電気化学的粗面化処理、電解粗面化処理)や、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法等の機械的砂目立て法(機械的粗面化処理)を用いることができる。これらの砂目立て法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。例えば、ナイロンブラシと研磨剤とによる機械的粗面化処理と、塩酸電解液または硝酸電解液による電解粗面化処理との組み合わせや、複数の電解粗面化処理の組み合わせが挙げられる。
【0015】
ブラシグレイン法の場合、研磨剤として使用される粒子の平均粒径、最大粒径、使用するブラシの毛径、密度、押し込み圧力等の条件を適宜選択することによって、アルミニウム支持体表面の長い波長成分の凹部の平均深さを制御することができる。ブラシグレイン法により得られる凹部は、平均波長が3〜15μmであるのが好ましく、平均深さが0.3〜1μmであるのが好ましい。
【0016】
電気化学的粗面化方法としては、塩酸電解液中または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法が好ましい。好ましい電流密度は、陽極時電気量50〜400C/dm2 である。更に具体的には、例えば、0.1〜50質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中で、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dm2 の条件で直流または交流を用いて行われる。電解粗面化処理によれば、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、感光層と支持体との密着性を向上させるうえでも好適である。
【0017】
機械的粗面化処理の後の電気化学的粗面化処理により、平均直径約0.3〜1.5μm、平均深さ0.05〜0.4μmのクレーター状またはハニカム状のピットをアルミニウム板の表面に80〜100%の面積率で生成させることができる。なお、機械的粗面化方法を行わずに、電気化学的粗面化方法のみを行う場合には、ピットの平均深さを0.3μm未満とするのが好ましい。
設けられたピットは、印刷版の非画像部の汚れにくさおよび耐刷性を向上する作用を有する。電解粗面化処理では、十分なピットを表面に設けるために必要なだけの電気量、即ち、電流と電流を流した時間との積が、重要な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成できることは、省エネの観点からも望ましい。
粗面化処理後の表面粗さは、JIS B0601−1994に準拠してカットオフ値0.8mm、評価長さ3.0mmで測定した算術平均粗さ(Ra)が、0.2〜0.5μmであるのが好ましい。
【0018】
<化学エッチング処理>
このように砂目立て処理されたアルミニウム板は、化学エッチング処理をされるのが好ましい。
化学エッチング処理としては、酸によるエッチングやアルカリによるエッチングが知られているが、エッチング効率の点で特に優れている方法として、アルカリ溶液を用いる化学エッチング処理が挙げられる。
【0019】
本発明において好適に用いられるアルカリ剤は、特に限定されないが、例えば、カセイソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。
アルカリエッチング処理の条件は、Alの溶解量が0.05〜1.0g/m2 となるような条件で行うのが好ましい。また、他の条件も、特に限定されないが、アルカリの濃度は1〜50質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、また、アルカリの温度は20〜100℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
アルカリエッチング処理は、1種の方法に限らず、複数の工程を組み合わせることができる。
なお、本発明においては、機械的粗面化処理の後、電気化学的粗面化処理の前にアルカリエッチング処理を行うこともできる。この場合、Alの溶解量は、0.05〜30g/m2 とするのが好ましい。
【0020】
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。特に、電解粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法が挙げられる。
【0021】
また、化学エッチング処理を酸性溶液で行う場合において、酸性溶液に用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、硫酸、硝酸、塩酸が挙げられる。
酸性溶液の濃度は、1〜50質量%であるのが好ましい。
また、酸性溶液の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。
【0022】
<陽極酸化処理>
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等の単独のまたは2種以上を組み合わせた水溶液または非水溶液の中で、アルミニウム板に直流または交流を流すとアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
【0023】
この際、少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0024】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温−5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10〜200秒であるのが適当である。
これらの陽極酸化処理の中でも、英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸電解液中で高電流密度で陽極酸化処理する方法が特に好ましい。
【0025】
本発明においては、陽極酸化皮膜の量は1〜10g/m2 であるのが好ましい。1g/m2 未満であると版に傷が入りやすくなり、一方、10g/m2 を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の量は、1.5〜7g/m2 であるのがより好ましく、2〜5g/m2 であるのが特に好ましい。
【0026】
<親水化処理>
本発明においては、陽極酸化処理を施した後、更に、親水化処理を施す。
親水化処理は、特に限定されず、例えば、米国特許第2,714,066号明細書および同第3,181,461号明細書に記載されているアルカリ金属ケイ酸塩(アルカリ金属シリケート)で処理する方法、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウムで処理する方法、米国特許第4,153,461号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸で処理する方法、特開平9−244227号公報に記載されているリン酸塩と無機フッ素化合物とを含有する水溶液で処理する方法、特開平10−252078号公報および特開平10−263411号公報に記載されているチタンとフッ素とを含有する水溶液で処理する方法が挙げられる。中でも、アルカリ金属ケイ酸塩で処理する方法で処理する方法が好ましい。本発明の第一の態様においては、アルカリ金属ケイ酸塩での処理(シリケート処理)を用いる。
【0027】
シリケート処理の方法は、従来公知の種々の方法を採用することができる。
シリケート処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。
シリケート処理は、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩濃度が0.01〜30質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜3質量%で、25℃でのpHが10〜13であるアルカリ金属ケイ酸塩水溶液に、上記粒子層が設けられたアルミニウム支持体を4〜80℃で、好ましくは0.5〜120秒間、より好ましくは2〜30秒間浸せきするにより行うことができる。上記のアルカリ金属ケイ酸塩濃度、pH、温度、処理時間等の処理条件は、適宜選択することができる。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHが10より低いと、液はゲル化しやすく、また、pHが13より高いと粒子層および陽極酸化皮膜が溶解されるおそれがあるので、この点に注意を要する。
【0028】
上記親水化処理においては、必要に応じ、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高く調整するために、水酸化物を配合することができる。水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。
【0029】
また、必要に応じ、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液にアルカリ土類金属塩および/または4族(第IVB族)金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、アルカリ土類金属の硝酸塩(例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム)、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩等の水溶性の塩が挙げられる。4族(第IVB族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。アルカリ土類金属塩および4族(第IVB族)金属塩は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの金属塩の使用量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5.0質量%である。
【0030】
本発明においては、シリケート処理におけるアルカリ金属ケイ酸塩のアルミニウム支持体の表面への付着量は、特に限定されないが、本発明の第一の態様においては、後述するように、得られる平版印刷版用支持体の表面のアルカリ土類金属とケイ素の原子数比が特定範囲にある必要がある。そのため、後述する蛍光X線分析装置(XRF;X−ray Fluorescence Spectrometer)を用いて検量線法により測定される単位面積あたりのSi原子の質量が、0.5mg/m2 以上であるのが好ましく、1mg/m2 以上であるのがより好ましく、また、20mg/m2 以下であるのが好ましく、15mg/m2 以下であるのがより好ましく、10mg/m2 以下であるのが特に好ましい。
【0031】
<水洗処理>
本発明においては、上記親水化処理後、アルカリ土類金属を5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施すのが好ましい。アルカリ土類金属を5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施すことにより、平版印刷版用支持体の表面に存在するアルカリ土類金属とケイ素の原子数比が、0.1〜0.95とすることや、平版印刷版用支持体の表面にアルカリ土類金属を1mg/m2 以上存在させることが容易にでき、これにより平版印刷版の耐刷性が向上する。
なお、上述したように、シリケート処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩水溶液にアルカリ土類金属塩を含有させても、水洗処理を行う必要があり、通常の水洗処理、即ち、アルカリ土類金属を含有しない水洗水での水洗処理を行えば、塩交換によりアルカリ土類金属は除去されてしまう。したがって、シリケート処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩水溶液にアルカリ土類金属塩を含有させるだけでは、平版印刷版の耐刷性を向上させる効果はない。
【0032】
水洗処理に用いる水(水洗水)は、アルカリ土類金属を5ppm以上含有するものであれば、特に限定されない。本発明においては、水洗水として、濃度が5ppm以上となるようにアルカリ土類金属を添加した井水、工業用水等を用いてもよく、初めからアルカリ土類金属を5ppm以上含有する井水、工業用水等を用いてもよい。
水洗水におけるアルカリ土類金属の濃度は、10ppm以上であるのが好ましく、15ppm以上であるのがより好ましい。また、水洗水におけるアルカリ土類金属の濃度の上限は特に限定されず、平版印刷版の用途、製造コスト等を考慮して、適宜決定することができる。
また、水洗水は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分を含有することができる。
水洗水の温度は、特に限定されず、水洗水におけるアルカリ土類金属の濃度等に応じて、適宜決定される。
【0033】
水洗処理の方法は、特に限定されず、例えば、スプレー法、浸せき法が挙げられる。これらは単独で1回または複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水洗処理の時間は、特に限定されず、水洗水におけるアルカリ土類金属の濃度等に応じて、適宜決定される。
【0034】
このようにして得られる本発明の第一の態様の平版印刷版用支持体は、表面に存在するアルカリ土類金属とケイ素の原子数比が、0.1〜0.95であることを特徴とする。即ち、本発明の第一の態様においては、平版印刷版用支持体の表面にアルカリ土類金属が存在し、かつ、アルカリ土類金属と、シリケート処理に由来するケイ素の原子数比が、0.1〜0.95であることが特徴である。
即ち、本発明の第一の態様は、アルカリ土類金属を平版印刷版用支持体の表面に存在させ、かつ、アルカリ土類金属とケイ素の原子数比を上記範囲にすることにより、平版印刷版原版の現像性(耐汚れ性)および平版印刷版の耐刷性のいずれにも優れる平版印刷版用支持体を実現したものである。
【0035】
本発明に用いられるアルカリ土類金属は、特に限定されない。アルカリ土類金属は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ土類金属の中でも、CaおよびMgが好ましく、特にCaが好ましい。
なお、本明細書においては、2種以上のアルカリ土類金属を併用する場合、アルカリ土類金属に関する各数値(原子数、含有量、存在量等)としては、各アルカリ土類金属についての数値の和が適用される。
【0036】
アルカリ土類金属(M)とケイ素(Si)の原子数比(M/Si)は、耐刷性の点で、0.1以上であり、0.2以上であるのが好ましい。
また、アルカリ土類金属とケイ素の原子数比は、耐汚れ性の点で、0.95以下であり、0.9以下であるのが好ましい。
【0037】
なお、本発明の第一の態様においては、平版印刷版用支持体の表面に存在するアルカリ土類金属の量は、特に限定されないが、アルカリ土類金属とケイ素の原子数比が特定範囲にある必要がある。そのため、単位面積あたりのアルカリ土類金属原子の質量が、1mg/m2 以上であるのが好ましい。
【0038】
また、本発明の第二の態様の平版印刷版用支持体は、表面にアルカリ土類金属が1mg/m2 以上存在することを特徴とする。
即ち、本発明の第二の態様は、アルカリ土類金属を平版印刷版用支持体の表面に特定量存在させることにより、平版印刷版の耐刷性に優れる平版印刷版用支持体を実現したものである。
【0039】
本発明においては、第一の態様と第二の態様のいずれをも満たす平版印刷版用支持体が好ましい。即ち、アルミニウム板に陽極酸化処理およびシリケート処理を施した平版印刷版用支持体であって、表面にアルカリ土類金属が1mg/m2 以上存在し、かつ、表面に存在するアルカリ土類金属とケイ素の原子数比が、0.1〜0.95である平版印刷版用支持体が好ましい。また、前記シリケート処理後に、アルカリ土類金属を5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施した前記平版印刷版用支持体はより好ましい。
【0040】
本発明の第一および第二の態様において、表面にアルカリ土類金属を存在させる方法としては、上述したアルカリ土類金属を5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施す方法が好適に挙げられるが、その他の方法を用いてもよい。例えば、親水化処理した後、通常の水洗水で水洗した場合、アルカリ土類金属を含有する感光層または下塗り層を平版印刷版用支持体の表面に設けることにより、平版印刷版用支持体の表面にアルカリ土類金属を存在させるようにしてもよく、このようにして得られる平版印刷版原版は、本発明の好適な態様の一つである。
【0041】
上記の各項目で記載した各処理の詳細については、公知の条件を適宜採用することができる。また、本明細書に挙げた文献の内容は、引用して本明細書の内容とする。
【0042】
本発明の平版印刷版用支持体を平版印刷版原版とするには、表面に感光剤を塗布、乾燥して感光層を形成すればよい。感光剤は特に限定されるものではなく、通常の感光性平版印刷版原版に用いられるものを使用することができる。
例えば、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドを含有するコンベンショナルボジタイプの感光層が挙げられる。この感光層を形成して得られる平版印刷版原版は、リスフィルムを用いて画像を焼き付け、更に、現像処理、ガム引き処理を行うことで、印刷機に取り付けることができる平版印刷版とすることができる。
【0043】
また、レーザに感度を持つ素材を用いた感光層を設けると、レーザを使って画像を直接焼き付けることもできる。例えば、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプの感光層が挙げられる。具体的には、赤外線吸収剤、熱によって酸を発生させる化合物、および、酸によって架橋する化合物を含有する感光層;赤外線吸収剤、熱によって酸を発生させる化合物、および、酸によって分解する結合部を有する化合物を含有する感光層;レーザ光照射によってラジカルを発生させる化合物、アルカリ可溶のバインダー、および、多官能性のモノマーまたはプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む感光層;物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層との2層からなる感光層;多官能性モノマーと多官能性バインダーからなる重合層と、ハロゲン化銀および還元剤からなる層と、酸素遮断層との3層を含む感光層;ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む感光層;有機光導電体を含有する感光層;レーザ光照射によって除去されるレーザ光吸収層と、親油性層および/または親水性層とからなる感光層;エネルギーを吸収して酸を発生させる化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生させる官能基を側鎖に有する高分子化合物、および、可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する感光層が挙げられる。
【0044】
サーマルポジタイプの感光層は、(A)水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性高分子化合物」という。)と、(B)光熱変換物質とを含有する。以下、このようなサーマルポジタイプの感光層について、具体的に説明する。
【0045】
(A)アルカリ可溶性高分子化合物
本発明に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、水に不溶であり、かつ、アルカリ水溶液に可溶である高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、公知汎用のノボラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル樹脂、ウレタン系の樹脂が挙げられる。
【0046】
ノボラック樹脂としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−/p−混合、m−/o−混合およびo−/p−混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。ノボラック樹脂は、重量平均分子量が12,000以下程度であるのが好ましい。
【0047】
ウレタン系の樹脂としては、例えば、特開昭63−124047号公報、同63−261350号公報、同63−287942号公報、同63−287943号公報、同63−287944号公報、同63−287946号公報、同63−287947号公報、同63−287948号公報、同63−287949号公報、特開平1−134354号公報および同1−255854号公報に記載されているものが好適に挙げられる。
【0048】
本発明においては、アルカリ可溶性高分子化合物は、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R)および(3)置換スルホンアミド系酸基(−SO2 NHCOR、−SO2 NHSO2 R、−CONHSO2 R)(以下「活性イミド基」という。)のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物であるのが好ましい。
【0049】
(1)フェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を用いるのが好ましい。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合とをそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0050】
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル;ヒドロキシスチレンが挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。
【0051】
かかるフェノール性水酸基を有する高分子化合物は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体を併用してもよい。
【0052】
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、例えば、1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2 −と、重合可能な不飽和結合とをそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基またはビニロキシ基と、モノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、下記一般式(I)〜(V)で示される化合物が挙げられる。
【0053】
【化1】
【0054】
式中、X1 およびX2 は、それぞれ−O−または−NR7 −を示す。R1 およびR4 は、それぞれ水素原子または−CH3 を表す。R2 、R5 、R9 、R12およびR16は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。R3 、R7 およびR13は、水素原子またはそれぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。また、R6 およびR17は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。R8 、R10およびR14は、水素原子または−CH3 を表す。R11およびR15は、それぞれ単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基もしくはアラルキレン基を表す。Y1 およびY2 は、それぞれ単結合または−CO−を表す。具体的には、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0055】
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物は、下記式で表される活性イミド基を分子内に有するものが好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に、下記式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和結合とをそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0056】
【化2】
【0057】
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0058】
更に、本発明に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、および活性イミド基を有する重合性モノマーのうちの2種以上を重合させた高分子化合物、またはこれら2種以上の重合性モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が好適に挙げられる。
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーに、スルホンアミド基を有する重合性モノマーおよび/または活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら成分の配合質量比は50:50から5:95の範囲にあるのが好ましく、40:60から10:90の範囲にあるのがより好ましい。
【0059】
アルカリ可溶性高分子化合物が前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、活性イミド基を有する重合性モノマー等のアルカリ可溶性を付与するモノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、アルカリ可溶性を付与するモノマーを10モル%以上含むものが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないことがある。
【0060】
前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、または活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマー成分としては、例えば、下記(1)〜(12)に挙げるモノマーを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
【0061】
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドおよびメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
【0062】
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0063】
本発明においてアルカリ可溶性高分子化合物が、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、または活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体または共重合体である場合、重量平均分子量が2,000以上であり、数平均分子量が500以上であるものが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000であり、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10であるものである。
【0064】
これらアルカリ可溶性高分子化合物は、それぞれ単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、感光層の全固形分中、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子化合物の添加量が30質量%未満であると感光層の耐久性が悪化し、また、99質量%を超えると感度および耐久性の両面で好ましくない。
【0065】
(B)光熱変換物質
本発明に用いられる光熱変換物質は、光を吸収して発熱する物質である。光熱変換物質は、露光エネルギーを熱に変換して感光層の露光部領域の相互作用解除を効率よく行うことを可能とする。
本発明における光熱変換物質は、記録に用いられる光を吸収して熱に変換する機能を有するものであれば特に限定されないが、記録感度の観点から、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料または染料が好ましい。
顔料としては、市販の顔料またはカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)および「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0066】
前記顔料の種類としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックを用いることができる。
【0067】
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0068】
前記顔料の粒径は、0.01〜10μmの範囲にあるのが好ましく、0.05〜1μmの範囲にあるのがより好ましく、0.1〜1μmの範囲にあるのが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを超えると感光層の均一性の点で好ましくない。
【0069】
前記顔料を分散する方法としては、インキ製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、例えば、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダーが挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0070】
前記染料としては、市販の染料および文献(例えば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)等の染料を用いることができる
【0071】
本発明においては、これらの顔料または染料の中でも、赤外光または近赤外光を吸収するものが、赤外光または近赤外光を発光するレーザの利用に適する点で特に好ましい。
【0072】
そのような赤外光または近赤外光を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられる。また、赤外光または近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭59−202829号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書に記載のシアニン染料、米国特許第5,380,635号明細書に記載のジヒドロペリミジンスクアリリウム染料を挙げることができる。
【0073】
また、前記染料として米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、特開昭58−220143号公報、特開昭59−41363号公報、特開昭59−84248号公報、特開昭59−84249号公報、特開昭59−146063号公報、特開昭59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、特公平5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物;Epolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125、Epolight IV−62A(いずれもエポリン社製)等は特に好ましく用いられる。
【0074】
また、前記染料として特に好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)または(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0075】
これらの顔料または染料は、感光層の全固形分に対して、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.01〜30質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合、特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合、特に好ましくは1〜10質量%の割合で前記感光性組成物中に添加することができる。顔料または染料の添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また、50質量%を超えると感光層の均一性が失われ、感光層の耐久性が悪くなる。
これらの染料または顔料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよい。別の層とする場合、本発明の熱分解性でありかつ分解しない状態ではアルカリ可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を含む層に隣接する層へ添加するのが好ましい。
【0076】
サーマルポジタイプの感光層は、更に、必要に応じて、種々の添加剤を含有することができる。例えば、熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用すると、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図ることができるので、好ましい。そのような物質としては、例えば、オニウム塩、キノンジアジド類、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物が挙げられる。
【0077】
オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩が挙げられる。
【0078】
中でも、好適なものとしては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)および特開平5−158230号公報に記載されているジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書および特開平3−140140号公報に記載されているアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p.478,Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号明細書および同4,069,056号明細書に記載されているホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& amp、Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書、特開平2−150848号公報および特開平2−296514号公報に記載されているヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号明細書、同233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、同3,902,114号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、独国特許第2,904,626号明細書、同3,604,580号明細書および同3,604,581号明細書に記載されているスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)およびJ.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載されているセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)に記載されているアルソニウム塩が挙げられる。
【0079】
オニウム塩の対イオンとしては、例えば、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸;トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸が好ましい。
【0080】
オニウム塩の添加量は、感光層の全固形分に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。
【0081】
本発明において、添加剤とバインダーは、同一層に含有させるのが好ましい。
【0082】
また、感光層は、更に感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を含有することもできる。
環状酸無水物類としては、例えば、米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸が挙げられる。
【0083】
フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4´−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4´,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4´,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3´,5´−テトラメチルトリフェニルメタンが挙げられる。
【0084】
有機酸類としては、例えば、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報等に記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類、カルボン酸類が挙げられる。具体的には、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸が挙げられる。
【0085】
上記の環状酸無水物類、フェノール類および有機酸類の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.05〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜15質量%であるのがより好ましく、0.1〜10質量%であるのが特に好ましい。
【0086】
また、感光層は、現像条件の変化に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報および特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報および特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許出願公開第950,517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を含有することができる。
【0087】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」、第一工業社製)が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の添加量は、それぞれ、添加される層の全固形分に対して、0.05〜15質量%であるのが好ましく、0.1〜5質量%であるのがより好ましい。
【0088】
また、感光層は、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を含有することができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成しうる有機染料との組み合わせが例示される。具体的には、特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組み合わせや、特開昭53−36223号公報、特開昭54−74728号公報、特開昭60−3626号公報、特開昭61−143748号公報、特開昭61−151644号公報および特開昭63−58440号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料との組み合わせが挙げられる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、いずれも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0089】
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料が挙げられる。具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、メチルバイオレット(C.I.42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(C.I.145170B)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、メチレンブルー(C.I.52015)が挙げられる。また、特開昭62−293247号公報および特開平5−313359号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.1〜3質量%であるのがより好ましい。
【0090】
また、感光層は、塗膜の柔軟性等を付与するために、必要に応じ、可塑剤を含有することができる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマーが用いられる。
【0091】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.平版印刷版原版の製造
(実施例1〜3ならびに比較例1および2)
Si:0. 06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0. 005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmのアルミニウム板に仕上げた。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理を連続的に行った。
【0092】
(a)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2 溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0093】
(b)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0094】
(c)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、温度50℃であった。交流電源波形が、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は2個使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0095】
(d)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0096】
(e)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0097】
(f)陽極酸化処理
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電解部長各6m、第一および第二給電部長各3m、第一および第二給電電極長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2 であった。
【0098】
(g)シリケート処理
陽極酸化処理を施したアルミニウム支持体を濃度1.1質量%、温度30℃のケイ酸ナトリウム水溶液に10秒間浸せきしてシリケート処理し、その後、第1表に示す水洗水1〜5のいずれかでスプレーにより水洗し、平版印刷版用支持体1〜5を得た。
【0099】
【表1】
【0100】
(h)下塗り層の形成
上記で得られた平版印刷版用支持体1〜5上に、下記組成の下塗り液1を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0101】
<下塗り液1組成>
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100 g
・水 1 g
【0102】
【化3】
【0103】
(i)感光層の形成
更に、下記組成の感光層塗布液1を調製し、下塗りした平版印刷版用支持体1〜5に、この感光層塗布液1を乾燥後の塗布量(感光層塗布量)が1.5g/m2 になるよう塗布し、乾燥して感光層(コンベンショナルボジタイプ)を形成させ、平版印刷版原版1〜5を得た。
【0104】
<感光層塗布液1組成>
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量7,000、未反応クレゾール0.5質量%含有) 1.0 g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.1 g
【0105】
【化4】
【0106】
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05 g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02 g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.05 g
・メチルエチルケトン 12 g
【0107】
(実施例4〜6ならびに比較例3および4)
上記で得られた平版印刷版用支持体1〜5上に、上記組成の下塗り液1を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0108】
更に、下記組成の感光層塗布液2を調製し、下塗りした平版印刷版用支持体1〜5に、この感光層塗布液2を乾燥後の塗布量(感光層塗布量)が1.2g/m2 になるよう塗布し、乾燥して感光層(サーマルポジタイプ)を形成させ、平版印刷版原版6〜10を得た。
【0109】
<感光層塗布液2組成>
・下記構造式で表されるフッ素含有ポリマー 0.03 g
【0110】
【化5】
【0111】
【0112】
<特定の共重合体1>
かくはん機、冷却管および滴下ロートを備えた500mL容の三つ口フラスコに、メタクリル酸31.0g(0.36mol)、クロロギ酸エチル39.lg(0.36mol)およびアセトニトリル200mLを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物をかくはんした。この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36mol)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴を取り去り、室温下で30分間混合物をかくはんした。
【0113】
この反応混合物に、p−アミノベンゼンスルホンアミド51.7g(0.30mol)を加え、油浴にて70℃に温めながら混合物を1時間かくはんした。反応終了後、この混合物を水1Lにこの水をかくはんしながら投入し、30分間得られた混合物をかくはんした。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500mLでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られた固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた(収量46.9g)。
【0114】
つぎに、かくはん機、冷却管および滴下ロートを備えた20mL容の三つ口フラスコに、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.0192mol)、メタクリル酸メチル2.58g(0.0258mol)、アクリロニトリル0.80g(0.015mol)およびN,N−ジメチルアセトアミド20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物をかくはんした。この混合物に「V−65」(和光純薬社製)0.15gを加え、65℃に保ちながら窒素気流下で、混合物を2時間かくはんした。この反応混合物に更にN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル0.80g、N,N−ジメチルアセトアミドおよび「V−65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、更に、得られた混合物を65℃で2時間かくはんした。反応終了後、メタノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2Lにこの水をかくはんしながら投入し、30分混合物をかくはんした後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白色固体の特定の共重合体1を得た。
得られた特定の共重合体1の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、54,000(ポリスチレン標準)であった。
【0115】
(実施例7〜9ならびに比較例5および6)
上記で得られた平版印刷版用支持体1〜5上に、上記組成の下塗り液1を塗布し、90℃で60秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0116】
更に、下記組成の感光層塗布液3Aを調製し、下塗りした平版印刷版用支持体1〜5に、この感光層塗布液3Aを乾燥後の塗布量が0.8g/m2 になるよう塗布し、100℃で2分間乾燥して、(A)層を形成させた。ついで、下記組成の感光層塗布液3Bを調製し、この感光層塗布液3Bを乾燥後の合計塗布量(感光層塗布量)が1.0g/m2 になるよう塗布し、100℃で2分間乾燥して、(B)層を形成させ、(A)層と(B)層の2層からなる感光層(サーマルポジタイプ)を有する平版印刷版原版11〜15を得た。
【0117】
<感光層塗布液3A組成>
・上述した特定の共重合体1 0.75 g
・シアニン染料A 0.04 g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05 g
・ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学社製)の対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.015g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.02 g
・γ−ブチルラクトン 8 g
・メチルエチルケトン 7 g
・1−メトキシ−2−プロパノール 7 g
【0118】
<感光層塗布液3B組成>
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量4,500、未反応クレゾール0.5質量%含有) 0.25 g
・シアニン染料A 0.05 g
・ステアリン酸n−ドデシル 0.02 g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.05 g
・メチルエチルケトン 15 g
【0119】
(実施例10〜12ならびに比較例7および8)
厚さ0.24mm、幅1030mmのアルミニウム板(JIS A1050材)について、以下に示す表面処理を連続的に行った。
【0120】
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は40〜45μm、最大粒径は200μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0121】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を13g/m2 溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0122】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0123】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、温度50℃であった。交流電源波形が、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は2個使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で180C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0124】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を70℃で行い、アルミニウム板を1.3g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0125】
(f)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0126】
(g)陽極酸化処理
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電解部長各6m、第一および第二給電部長各3m、第一および第二給電電極長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度100g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度50℃、比重1.1、電導度0.39S/cmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.4g/m2 であった。
【0127】
(h)シリケート処理
陽極酸化処理を施したアルミニウム支持体を濃度1質量%、温度20℃のケイ酸ナトリウム水溶液に10秒間浸せきしてシリケート処理し、その後、第1表に示す水洗水1〜5のいずれかでスプレーにより水洗し、平版印刷版用支持体6〜10を得た。
【0128】
(i)バックコート層の形成
上記のようにして得られた平版印刷版用支持体の裏面(粗面化処理をされていない面)に、後述するバックコート塗布液をバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥し、バックコート層を形成させた。乾燥後のバックコート層の被覆量は60mg/m2 であった。
【0129】
<バックコート塗布液>
初めに、下記組成のゾル−ゲル反応液を調製した。ゾル−ゲル反応液は、各成分を混合しかくはんすると、約35分間で発熱したので、更に40分間かくはんして反応させて得た。
【0130】
<ゾル−ゲル反応液組成>
・テトラエチルシリケート 50.0質量部
・水 86.4質量部
・メタノール 10.8質量部
・リン酸(85質量%) 0.08質量部(有姿)
【0131】
つぎに、得られたゾル−ゲル反応液と下記組成の希釈液とを混合して、バックコート塗布液を得た。
【0132】
<希釈液組成>
・ピロガロールアセトン縮合樹脂 15.0質量部
・マレイン酸ジブチル 5.0質量部
・メタノールシリカゾル(日産化学工業社製) 70.0質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.1質量部
・メタノール 650質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 200質量部
【0133】
(j)有機中間層の形成
バックコート層を設けた平版印刷版用支持体の表面(粗面化処理を施した面)に、下記組成の有機中間層塗布液を塗布し、100℃で10秒間乾燥し、有機中間層を形成させた。乾燥後の有機中間層の被覆量は4mg/m2 であった。
【0134】
<有機中間層塗布液組成>
・下記高分子化合物 0.15質量部
・メタノール 100.0質量部
【0135】
【化6】
【0136】
(k)感光層の形成
平版印刷版用支持体の有機中間層上に、下記組成の感光層塗布液4をバーコーターで塗布し、120℃で45秒間乾燥して感光層(サーマルポジタイプ)を形成させた。乾燥後の塗布量(感光層塗布量)は、1.25g/m2 であった。
【0137】
【0138】
【化7】
【0139】
【0140】
【化8】
【0141】
・メチルエチルケトン 30.0質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 15.0質量部
・後述するフルオロ脂肪族基含有化合物A 0.05質量部
・後述するフルオロ脂肪族基含有化合物B 0.07質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.005質量部
【0142】
<フルオロ脂肪族基含有化合物A>
下記式で表される化合物(a)25.6g、下記式で表される化合物(b)26.4g、メタアクリル酸ラウリル20.4gおよびジメチルアセトアミド20.4gを500mL容の三つ口フラスコに取り、窒素気流下でかくはんしながら65℃に保った。更に、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.30gを加え、かくはんを続けた。4時間後、75℃まで昇温し、1時間保った。反応終了後、室温まで冷却し、反応液を400mLの水中に注いだ。析出した固体をろ取し、乾燥することにより68.4gのフルオロ脂肪族基含有化合物Aを得た。
得られたフルオロ脂肪族基含有化合物Aの重量平均分子量をGPCにより測定したところ、40,000(ポリスチレン標準)であった。
【0143】
【化9】
【0144】
<フルオロ脂肪族基含有化合物B>
かくはん機、冷却管および滴下ロートを備えた500mL容の三つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン117gを入れ、湯水浴により75℃に加熱し、窒素気流下で、下記式で表される化合物(c)36.0g、下記式で表される化合物(d)27.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.0g、メチルメタクリレート25.0g、メチルイソブチルケトン117gおよびV−601(和光純薬社製)1.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、75℃で2時間かくはんし、更に90℃で2時間かくはんした。これによりフルオロ脂肪族基含有化合物Bが得られた。
得られたフルオロ脂肪族基含有化合物Bの重量平均分子量をGPCにより測定したところ、35,000(ポリスチレン標準)であった。
【0145】
【化10】
【0146】
(l)マット層の形成
下記組成のマット層形成用樹脂液を、回転霧化静電塗装機を用いて、霧化頭回転数を15,000rpm、マット層形成用樹脂液の送液量を65mL/分、霧化頭への印荷電圧を−75kV、塗布時の周囲温度を25℃、塗布時の相対湿度を50%として、感光層の上に塗布し、ついで塗布後1.5秒で塗布面に上記を吹き付けて湿潤させ、更にその3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾燥し、マット層を形成させ、平版印刷版原版16〜20を得た。乾燥後のマット層の被覆量は、130mg/m2 であった。
【0147】
【0148】
【化11】
【0149】
・ポリエチレン−ポリプロピレンオキサイド重合体(重量平均分子量13,000)とフタル酸との重縮合物(PX3035、第一工業製薬社製、重量平均分子量80,000) 2.0質量部
【0150】
2.平版印刷版用支持体の表面の単位面積あたりのCa原子およびSi原子の質量(Ca量およびSi量)の測定、ならびに、原子量比(Ca/Si)の算出
平版印刷版用支持体1〜10の表面のCa量およびSi量を蛍光X線分析装置を用いて検量線法により測定した。検量線を作成するための標準試料としては、Caについては、原子吸光分析用CaCO3 標準溶液を用い、Siについては、既知量のSi原子を含むケイ酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム基板の上の30mmφの面積内に均一に滴下した後に乾燥させたものを用いた。
【0151】
Caの蛍光X線分析の条件を以下に示す。
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Ca−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:GE、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):61.95deg.、バックグランド(2θ):60.00deg.および64.00deg.、積算時間:40秒/sample
Siの蛍光X線分析の条件を以下に示す。
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Si−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:RX4、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):144.75deg.、バックグランド(2θ):140.70deg.および146.85deg.、積算時間:80秒/sample
【0152】
ついで、上記で得られたCa量およびSi量から、Ca/Siを算出した。
【0153】
平版印刷版用支持体の表面のCa量およびSi量ならびにCa/Siの測定結果を第2表に表す。
平版印刷版用支持体1〜3および6〜8は、表面のCa/Si(原子数比)が0.1〜0.95の範囲にあるので、本発明の第一の態様に該当し、また、表面のCa量が1mg/m2 以上の範囲にあるので、本発明の第二の態様に該当する。
一方、平版印刷版用支持体4、5、9および10は、本発明に該当しない。
【0154】
【表2】
【0155】
3.平版印刷版原版の露光および現像
(1)上記で得られた平版印刷版原版1〜5をプレートセッター(TrendSetter3244F、クレオ社製)を用いて、回転数150rpm、出力6Wの条件で、版面エネルギー量が94mJ/cm2 となるように露光した。
ついで、浸せき型現像槽を有する市販の自動現像機(LP−900H、富士写真フイルム(株)製)の現像処理槽に、下記組成のアルカリ現像液Aを20L仕込み、30℃に保温した。LP−900Hの第二浴には、水道水を8L仕込み、第三浴には、FP−2W(富士写真フイルム(株)製)を水で1:1に希釈したフィニッシングガム液を8L仕込んだ。露光した平版印刷版原版をこの自動現像機を用いて、現像し、平版印刷版1〜5を得た。
【0156】
【0157】
(2)上記で得られた平版印刷版原版6〜15を、アルカリ現像液Aの代わりに下記組成のアルカリ現像液Bを用いた以外は、平版印刷版原版1〜5と同様の方法により露光し現像して、平版印刷版6〜15を得た。
【0158】
【0159】
(3)上記で得られた平版印刷版原版16〜20を製版フィルムを通して、1mの距離から3kWのメタルハライドランプにより1分間露光した。
ついで、富士写真フイルム(株)製のPSプロセッサー900Vを用いて、富士写真フイルム(株)製の現像液DP−4(1:8)水希釈液により30℃で12秒間現像し、平版印刷版16〜20を得た。
【0160】
4.平版印刷版の耐刷性
上記で得られた平版印刷版1〜20を印刷機(KOR−D機、ハイデルベルグ社製)で印刷し、耐刷性を評価した。耐刷性は、印刷初期の画質が維持できなくなったと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。なお、いずれの平版印刷版を用いた場合も、印刷中に非画像部へのインキの付着は観察されなかった。
【0161】
平版印刷版の耐刷性の結果を第3表に示す。
本発明の平版印刷版用支持体(支持体1〜3および6〜8)を用いた平版印刷版原版(原版1〜3、6〜8、11〜13および16〜18)は、現像性(耐汚れ性)に優れるだけではなく、平版印刷版としたときの耐刷性に優れることが分かる(実施例1〜12)。
これに対して、表面のCa/Siが所定範囲になく、かつ、表面のCa量が所定範囲にない平版印刷版用支持体(支持体4、5、9および10)を用いた平版印刷版原版(原版4、5、9、10、14、15、19および20)は、平版印刷版としたときの耐刷性に劣る(比較例1〜8)。
【0162】
【表3】
【0163】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版用支持体は、親水化処理を施されているので耐汚れ性に優れ、それに加え、耐刷性にも優れる。本発明の平版印刷版用支持体は、特に、コンベンショナルポジタイプ、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプの平版印刷版原版の製造に好適に用いられる。
Claims (2)
- アルミニウム板に陽極酸化処理およびシリケート処理を施した平版印刷版用支持体であって、表面にCaが1mg/m2以上存在し、該表面に存在するCaとケイ素の原子数比が、0.1〜0.95であり、該表面にカルボキシル基を有するポリマーを含む下塗り層がさらに形成された平版印刷版用支持体。
- アルミニウム板に陽極酸化処理およびシリケート処理を施した後、Caを5ppm以上含有する水を用いて水洗処理を施すことを特徴とする、請求項1に記載の平版印刷版用支持体の作製方法。
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