JP4261921B2 - 半導体集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロジックの組込み自己試験機構によるテストにおけるテスト容易化のための半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
乱数をテストデータに使用したスキャンベースの組込み自己テスト法(以降、ロジックBIST(Built−in―self−Test)と呼ぶ。)の技術の詳細は、特開平5−241882号公報(特許文献1)、特許第2711492号公報(特許文献2)を参照する。
【0003】
USP6,070,261(特許文献3)は、ロジックBISTのテスト期間をいくつかのフェーズに分割し、回路中に埋め込まれたテスト回路を各フェーズでスイッチ切り替えを行わせる技術が記載されている。この結果、回路中の分岐処理の偏りを分散させ得る。
【0004】
特許第3052937号公報(特許文献4)では、エンコーダが送出するモード信号やテスト信号を伝送する信号線数の削除に関する技術が考案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−241882号公報
【特許文献2】
特許第2711492号公報
【特許文献3】
米国特許第6,070,261号明細書
【特許文献4】
特許第3052937号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロジックBISTでは、テストデータが擬似乱数であるために十分な故障検出率が得られないケースがある。特にエンコーダやネストした条件分岐処理をもつ回路は、擬似乱数によるテストで条件分岐先の活性化頻度に偏りが発生し、その結果、未活性の分岐処理やテストされない回路が残ってしまうという問題がある。
【0007】
USP 6,070,261の技術の結果、回路中の特定のロジックに関し、テスト効率とテスト品質を向上させるために、活性化頻度の偏りを分散させるが、ここではテストポイントインサーション(Test Point Insertion、TPI)技術が前提である。TPIはゲートレベルのネットリストを一旦故障シミュレーションを実施して可制御性・可観測性の解析を行い、可制御性・可観測性が悪い箇所にはテスト回路を挿入するという技術である。しかし、こうした場合は、TPIによって、回路スピードの劣化が発生してしまい、場合によっては、再度論理圧縮が必要になるケースが発生してしまう。
【0008】
特許第3052937号公報は、エンコーダが送出するモード信号やテスト信号を伝送する信号線数の削除に関する技術が考案されているが、ロジックBISTの擬似乱数のテストデータによるテスト容易化に関する技術ではない。
【0009】
本発明の目的は、ロジックBISTによる半導体集積回路において、擬似乱数がテストデータに与えられたときに、エンコーダ又はデコーダのエンコード条件又はデコード条件に印加される乱数の候補を絞り込む事によって、テストの効率とテスト品質を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト機構を備えた半導体集積回路は、複数の入力と少なくとも1つの出力を有し、該出力が前記複数の入力の組み合わせによって決定されるワンホットエンコーダと、半導体集積回路の機能を実現するために、前記ワンホットエンコーダの入力へデータを供給するロジックと、スキャンフリップフロップで構成された少なくとも1つの順序回路と、該順序回路の送出データ、又は前記ロジックが送出するデータを選択して、前記ワンホットエンコーダへ出力するセレクタとを有し、該セレクタは、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト時は、前記順序回路の送出データを選択して前記ワンホットエンコーダへ出力し、前記順序回路は、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト中は、前記ワンホットエンコーダの分岐条件にあたるワンホットデータのみを生成することを特徴とする。
【0011】
上記半導体集積回路は、回路の本来機能にあるエンコーダ又はデコーダ又はレジスタトランスファレベルで表現されるif−else条件をネストして連接した記述による条件分岐処理回路に対して、テストデータに擬似乱数が与えられたときに、前記エンコーダ又はデコーダ、又はネストした条件分岐処理へ印加すべく入力信号の組み合わせを限定するための順序回路を補助回路として設けることで、ロジックBIST実施時に印加される擬似乱数によって活性化が困難であった前記エンコーダ又はデコーダ、又はネストした条件分岐処理に対して活性化容易性を与え、テスト効率を向上させることを可能にする。
【0012】
同じく、本発明に係る、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト機構を備えた半導体集積回路は、複数の入力と少なくとも1つの出力を有し、該出力が前記複数の入力の組み合わせによって決定されるエンコーダと、半導体集積回路の機能を実現するために、前記エンコーダの入力へデータを供給するロジックと、スキャンフリップフロップの出力を入力とし、カスケード型の条件分岐処理に対して、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテス中は、前記条件分岐のいずれもが活性化されるようにデータ出力するテスト用デコーダと、該テスト用デコーダの送出データ、又は前記ロジックが送出するデータを選択して、前記エンコーダへ出力するセレクタとを有し、該セレクタは、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト時は、前記テスト用デコーダの送出データを選択して前記エンコーダへ出力することを特徴とする。
【0013】
上記半導体集積回路は、回路の本来機能にあるエンコーダ又はデコーダ又はレジスタトランスファレベルで表現されるif−else条件をネストして連接した記述による条件分岐処理回路に対して、テストデータに擬似乱数が与えられたときに、前記エンコーダ又はデコーダ、又はネストした条件分岐処理へ印加すべく入力信号の組み合わせに絞り込まれたデータを供給し、ロジックBIST実施時に印加される擬似乱数によって活性化が困難であった前記エンコーダ又はデコーダ、又はネストした条件分岐処理に対して活性化容易性を与え、テスト効率を向上させることを可能にする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、請求項1の半導体集積回路の実施例を示す。
ここでは、16ビット入力から4ビット出力を行うワンホットエンコーダに対して、ロジックBISTの擬似乱数の印加であっても、前記ワンホットエンコーダの16状態のエンコーディング条件を生成する順序回路が付加されている。
【0015】
101はテスト用に設けた順序回路であって、4ビットの状態レジスタで構成し、16個の状態をもつ。102は、テスト対象となるワンホットエンコーダであって、16ビットを入力してから4ビット出力信号を生成する。103はテスト時に、エンコーダ102の入力が、順序回路101からの出力信号に切り替えるためのセレクタであって、lbisten105がロジックBISTのテストイネーブル信号である。104は、エンコーダ102の入力を制御する本来の回路機能を実現するためのロジックである。
【0016】
図2には、図1のワンホットエンコーダ102をVerilogHDL(Verilog Hardware Description Language)で記述した例である。
【0017】
この例において、ワンホットエンコーダ102の入力の組み合わせは16ビットデータの場合の2の16乗通り、65536通りであり、仮にロジックBISTのテストデータが真の乱数だとすると、ワンホットエンコーダ102の16通りのエンコード条件に一致する確立は16/65536であり、実際のロジックBISTによる擬似乱数下においてもいずれの条件を満たさないケースに陥り、図2に示すVerilogHDL記述のdefault条件で活性化される回路ばかりがテストされ、その他はほとんど未活性であり、テストされにくい。仮に“ENC_OUT”の信号が周辺回路の制御信号である場合は、周辺回路のテスト容易性に関して著しい悪影響を与えてしまう。
【0018】
図3は、図1の順序回路101をVerilogHDLで記述した例である。この例では、図2のワンホットエンコーダの分岐条件にあたるワンホットデータのみを生成するようにした。テスト中はこのワンホットデータがワンホットエンコーダ102の分岐条件とされるので、エンコード条件に一致する確率は、順序回路101を構成する4ビットのレジスタから送出される16の状態に支配され、ワンホットエンコーダ102の16通りのエンコード条件のいずれかに必ず一致し、擬似乱数のテストデータが印加される場合であっても、エンコード条件の活性化頻度の偏りが抑制され、テスト効率とテスト品質が向上する。ここで当該順序回路101の状態レジスタは、スキャンレジスタで構成され、ロジックBISTのテストにおいては、スキャン機構を介して擬似乱数のテストデータが送出される。
【0019】
図4に、請求項2の半導体集積回路の実施例を示す。
ここでは、16ビット入力から4ビット出力を行うワンホットエンコーダに対してロジックBISTの擬似乱数の印加であっても、前記ワンホットエンコーダの16状態のエンコーディング条件を生成するテスト用デコーダが付加されている。
【0020】
401は、スキャンレジスタ、402は、テスト用に設けたテスト用のデコーダであって、4ビットスキャンレジスタ401から16ビットのワンホットデータを出力するものである。403は、テスト対象となるエンコーダであって、16ビットを入力してから4ビット出力信号を生成する。404は、テスト時にエンコーダ403の入力がデコーダ402出力へ切り替えるためのセレクタであって、lbisten406がロジックBISTのテストイネーブル信号である。405は、エンコーダ403の入力を制御する本来の回路機能を実現するためのロジックである。ロジックBISTのテスト中はエンコーダ403の分岐条件がデコーダ402の出力によって一意的に決定されるので、テスト容易性が飛躍的に向上する。なお、スキャンレジスタ401はロジックBISTのテストにおいてはスキャン機構を介して擬似乱数のテストデータが送出される。
【0021】
図5は、if−else等のカスケード型の条件分岐処理に対して、テスト用デコーダを設け、ロジックBISTの擬似乱数の印加であっても、いずれもの条件分岐が活性化されるように条件式にテスト用デコーダ出力を配置させた例である。図5の(A)は請求項2のテスト用デコーダ出力を配置する前のVerilogHDLコードであって、(B)がテスト用デコーダを条件式に配置させた後のVerilogHDLコードである。ここでテスト用デコーダは既存のレジスタ“q”のうち下位2ビットで決定させた。図中の“lbisten”ロジックBISTのテストイネーブル信号である。
【0022】
図5の(A)の条件分岐処理は、仮に分岐条件の信号“condition0”、“condition2”、“condition3”の信号が図6に示すような、論理回路によって生成される場合には、ロジックBISTの擬似乱数の印加によって条件が真になるには、仮にテストデータが真の乱数だと仮定すると、確率的に極めて困難である。
【0023】
なお、レジスタ“q”は、論理合成後のゲートレベルのネットリストにおいてスキャンセルで構成され、ロジックBISTの擬似乱数発生器からスキャン機構を通して、擬似乱数のテストデータが出力される。仮に、テストデータが真の乱数と仮定しても、“q”の2ビットの信号によって条件分岐が決定できるので、テスト容易性が飛躍的に向上する。
【0024】
本発明は、IC内に組み込まれたテスト機能(BIST)に関する発明であり、テスト時間を短縮すると伴に確実に被テスト回路のテストを行うようにした半導体集積回路を提供するものである。
【0025】
従来、本テストは乱数を用いて、エンコーダ等の回路をテストしていたが、乱数ということで全ての回路をテストするということを偶然性にまかせていた部分があり、完全なテストができないという課題があった。すなわち、乱数の候補が多すぎて、条件に当てはまらない確率が高い被テスト回路が存在することが原因となっている。
【0026】
本発明は、前記問題点を解決するために、被テスト回路に必要な乱数の候補に絞り、テストを行うようにしたので、テスト時間の短縮が可能になると伴に、全ての被テスト回路が確実にテストできるようになった。
【0027】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1による半導体集積回路は、回路の本来機能にあるエンコーダ又はデコーダ又はレジスタトランスファレベルで表現されるif−else条件をネストして連接した記述による条件分岐処理回路が、ロジックBISTのテスト時は、前記エンコーダ又はデコーダ又は条件分岐処理回路の、エンコード条件又はデコード条件又は条件分岐処理の活性化条件に一致するデータを生成する順序回路の出力信号によってテストされるので、擬似乱数のテストデータであっても前記エンコーダ又はデコーダ又は条件分岐処理回路の、活性化頻度の偏りを抑制し、いずれの条件分岐に対しても活性化が容易で、テスト効率とテスト品質を向上させる。
【0028】
また、請求項2による半導体集積回路は、回路の本来機能にあるエンコーダ又はデコーダ、又はレジスタトランスファレベルで表現されるif−else条件をネストして連接した記述による条件分岐処理回路が、ロジックBISTのテスト時は、前記エンコーダ又はデコーダ又は条件分岐処理回路の、エンコード条件又はデコード条件又は条件分岐処理の活性化条件に一致するデータを生成するテスト用デコーダの出力信号によってテストされるので、擬似乱数のテストデータであっても前記エンコーダ又はデコーダ又は条件分岐処理回路の活性化頻度の偏りを抑制し、いずれの条件分岐に対しても活性化が容易で、テスト効率とテスト品質を向上させる。また、前記テスト用デコーダの入力は該半導体集積回路の本来機能を実現するために設けられているレジスタから供給するので、テスト容易化設計による面積のオーバーヘッドを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、半導体集積回路の第1の実施例図である。
【図2】ワンホットエンコーダをVerilogHDLで記述した例図である。
【図3】順序回路をVerilogHDLで記述した例図である。
【図4】本発明に係る、半導体集積回路の第2の実施例図である。
【図5】if−else等のカスケード型の条件分岐処理に対して、テスト用デコーダを設け、ロジックBISTの擬似乱数の印加であっても、条件分岐が活性化されるように条件式にテスト用デコーダ出力を配置させた例図である。
【図6】論理回路の例図である。
【符号の説明】
101 テスト用に設けた順序回路
102 テスト対象となるワンホットエンコーダ
103 セレクタ
104 ロジック
105 lbisten
401 スキャンレジスタ
402 テスト用のデコーダ
403 テスト対象となるエンコーダ
404 セレクタ
405 ロジック
406 lbisten
Claims (2)
- スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト機構を備えた半導体集積回路において、
複数の入力と少なくとも1つの出力を有し、該出力が前記複数の入力の組み合わせによって決定されるワンホットエンコーダと、
半導体集積回路の機能を実現するために、前記ワンホットエンコーダの入力へデータを供給するロジックと、
スキャンフリップフロップで構成された少なくとも1つの順序回路と、
該順序回路の送出データ、又は前記ロジックが送出するデータを選択して、前記ワンホットエンコーダへ出力するセレクタとを有し、
該セレクタは、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト時は、前記順序回路の送出データを選択して前記ワンホットエンコーダへ出力し、
前記順序回路は、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト中は、前記ワンホットエンコーダの分岐条件にあたるワンホットデータのみを生成することを特徴とする半導体集積回路。 - スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト機構を備えた半導体集積回路において、
複数の入力と少なくとも1つの出力を有し、該出力が前記複数の入力の組み合わせによって決定されるエンコーダと、
半導体集積回路の機能を実現するために、前記エンコーダの入力へデータを供給するロジックと、
スキャンフリップフロップの出力を入力とし、カスケード型の条件分岐処理に対して、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテス中は、前記条件分岐のいずれもが活性化されるようにデータ出力するテスト用デコーダと、
該テスト用デコーダの送出データ、又は前記ロジックが送出するデータを選択して、前記エンコーダへ出力するセレクタとを有し、
該セレクタは、スキャンベースの組込み自己テスト法によるテスト時は、前記テスト用デコーダの送出データを選択して前記エンコーダへ出力する ことを特徴とする半導体集積回路。
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