JP4248055B2 - 油冷式スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は雄ロータ及び雌ロータ対を2組有する油冷式の圧縮機に係り、特に2組のロータ対を同一ケーシングに収納する油冷式スクリュー圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油冷式2段スクリュー圧縮機では、特開平8-109887号公報に記載のように低圧段と高圧段のロータおよびケーシングをタンデムに配列していた。また、特開昭48-21806号公報に記載のように、1つのケーシング内に高圧段及び低圧段のロータを収納していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
2段に構成された油冷式のスクリュー圧縮機では、特開平8-109887号公報に記載のように低圧段と高圧段のロータおよびケーシングをタンデムに配列すると、ロータ軸方向の寸法が長くなり機器の小型化の面で不十分であった。また、この公報に記載のものは、ロータ軸がモータに直結されているのでロータの設定回転数を変更することが困難であり、圧縮機の仕様毎に異なった諸元のロータを製作する必要があった。
【0004】
特開昭48-21806号公報に記載のものは、ロータ軸方向の寸法は比較的短く抑えられているが、高圧段と低圧段の吐出方向が逆向きであり、組立て時に反転を繰り返しながら、スラスト荷重を負荷するアンギュラ玉軸受を取付ける必要があった。また、圧縮機のメンテナンス時にロータをケーシングから抜き取る際に、高圧段と低圧段いずれかを駆動軸方向に引き抜く必要があり、原動機をあらかじめ移動しておく等の余分な作業が必要であった。特に、2段圧縮機は150kW以上の大型機が一般的であり、これらの作業性の悪さはメンテナンスコストの大幅な上昇につながる。
【0005】
2段圧縮機では、低圧段のロータを1サイズまたは2サイズ大型の機種の高圧段のロータに使用して部品の共通化を図っている。低圧段と高圧段の各軸端にピニオンギヤを設け、それぞれを共通のブルギヤで駆動する場合には、高圧段と低圧段の捩れ方向を逆に加工する必要がある。そのため、ロータのシリーズ設計を行う上で共通化が困難である。
【0006】
本発明上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、小型コンパクトな2段の油冷式スクリュー圧縮機を提供することにある。本発明の他の目的は、ロータのシリーズ設計や部品の共通化が容易な2段の油冷式スクリュー圧縮機を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、メンテナンスの容易な2段の油冷式スクリュー圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、同一のケーシング内に雄ロータと雌ロータの対を2組回転自在に並べて収納し、一方のロータ対が低圧段、他方のロータ対が高圧段を形成し、前記高圧段のロータ対が前記低圧段のロータ対よりも短い油冷式スクリュー圧縮機において、前記低圧段は作動ガスの吸込み方向がラジアル方向であり、前記高圧段は作動ガスの吸込み方向がアキシャル方向であり、前記高圧段と前記低圧段は、ともに吐出方向が軸方向であり、
前記低圧段と前記高圧段に挟まれた空間に設けられ、前記低圧段から吐出される吐出ガスを前記高圧段に導く中間段通路と、前記中間段通路と前記高圧段の吸込側との間に位置し、中間段通路を通過したガスの方向を転換する方向転換部と、前記ケーシングの吐出側に取り付けられる複数のDケーシングと、前記ケーシングの吸込み側に取り付けられるギヤケーシングとを備え、前記高圧段と前記低圧段の吐出側の端面を揃えたものである。
【0008】
また好ましくは、ケーシングの上部に低圧段をなす雄ロータと雌ロータ対を水平に配列し、前記中間段通路を前記ロータ対の下部に配置し、さらにその下部に高圧段の雄ロータと雌ロータ対を水平に配列したものである。より好ましくは、ケーシングの吐出側に、高圧段のロータ対を支持する軸受を保持する高圧段Dケーシングと、低圧段のロータ対を支持する軸受を保持する低圧段Dケーシングとを設け、この低圧段Dケーシングに、低圧段から吐出される吐出ガスをケーシングの中段に形成された中間段通路に導く空間を形成し、高圧段Dケーシングには吐出口を形成したものである。
【0009】
このように構成することで、圧縮機本体のロータ軸方向寸法を従来のタンデム配置の圧縮機より大幅に短くした。また、一般的に高圧段ロータは低圧段ロータよりも短いから、高圧段と低圧段のロータ長さの差を利用して各段の吸込ポートを設けて、軸方向の長さを極力低減した。さらに、吐出側のスラスト軸受を収納するDケーシングを高圧段と低圧段とで別個に設けた。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る油冷式2段スクリュー圧縮機の縦断面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。油冷式スクリュー圧縮機は、低圧段部分と高圧段部分がケーシングを共有している。低圧段部分はケーシング1の上部に配置されており、低圧段雄ロータ2と低圧段雌ロータ3は、円筒ころ軸受7により吸込側の軸部を回転自在に支承されている。また、アンギュラ玉軸受13により吐出側の軸部を回転自在に支承されている。そしてこれらの軸受7、13は、ケーシング1に保持されている。低圧段に吸込まれる作動ガスは、低圧段のロータ2、3のラジアル方向から吸込まれる。すなわち、吸込ガスは、ケーシング1の上部に設けられた吸込口6から、回転する低圧段ロータ2、3の歯溝にラジアル方向から流入する。本実施例においては、低圧段ロータ2、3の吸込側の軸部に対応するケーシング部分の軸方向長さは、円筒ころ軸受7を取付ける長さだけあればよい。
【0011】
スクリュー圧縮機において、ラジアル方向からガスを吸い込むものでは、高温の吐出側のガスと潤滑油がロータ間の噛み合い隙間からラジアル方向の吸込ポートへ漏れると、吸込ガスの温度を上昇させて体積効率を低下させる場合がある。本実施例においては、2段圧縮機として各段の圧縮比を小さくしているので、この影響をほとんど無視できる。しかも、大型の圧縮機に適用されることが多い2段圧縮機では、大量の吸込ガスを扱うので、吸込ガスの流れ方向を180度転換する必要のあるアキシャル吸込構造よりもラジアル吸込の方が吸込み抵抗が小さい。その結果、限られたスペースで高い吸込効率を達成することができる。
【0012】
圧縮機内に吸込まれた作動ガスは、低圧段における圧縮過程で潤滑油が注入される。低圧段の雄ロータ2と雌ロータ3により形成される圧縮室内で圧縮された作動ガスは、ケーシングの低圧段側のロータ挿入部の壁面に形成された低圧段ラジアル方向吐出ポート8と低圧段Dケーシング17のロータ吐出側端面に形成された低圧段アキシャル方向吐出ポート9を出て、ケーシングの低圧段と高圧段に挟まれた空間である中間段通路10へ流入する。
【0013】
中間段通路10へも潤滑油が噴射され、圧縮ガスを冷却する。中間段通路10は高圧段のロータ4、5の長さに相当するだけ形成する。中間段を流れる間に十分にガスと噴射される油が熱交換され、中間冷却の効果が上げられ、圧縮機が高い効率を達成できる。中間段で冷却されたガスは、高圧段の吸込ポート11で流れの向きを変えられ、高圧段ロータのアキシャル方向から高圧段雄ロータ4と高圧段雌ロータ5が形成する空間に吸込まれる。
【0014】
高圧段部分はケーシング1の下部に配置されており、高圧段雄ロータ4と雌ロータ5は円筒ころ軸受12により吸込側の軸部を回転自在に支承され、アンギュラ玉軸受14により吐出側の軸ぶを回転自在に支承されている。低圧段と同様に、軸受12、14は、ケーシング1内に保持されている。中間段から高圧段の吸込部にいたる通路には、すでに低圧段で昇圧されたガスが流入する。したがって、流速は低圧段吸込状態の1/3程度かあるいはそれ以下まで低下しており、アキシャル吸込の場合に生じる通路の曲がり等に起因する圧力損失を無視できる。
【0015】
中間段通路を通過したガスを180度方向転換するために、高圧段の吸込側に方向転換部を設ける。これは、高圧段のロータが低圧段のロータより短いから、この差を利用するものである。そして、この場所に方向転換部を設けると、高圧段と低圧段の吐出側の端面をほぼ同一面に揃えることも可能になる。この結果、ケーシングの小型化および加工の容易化が図れる。
【0016】
高圧段の雄ロータ4と雌ロータ5間に形成される圧縮室でさらに所定の圧力まで昇圧された作動ガスは、ケーシング1の高圧段側のロータ挿入部の壁面に形成された高圧段ラジアル方向吐出ポート15と高圧段Dケーシングのロータ吐出側端面に形成された高圧段アキシャル方向吐出ポート16から流出し、高圧段Dケーシング18に形成した吐出口から吐出される。
【0017】
なお、本実施例においては、各段のロータの吸込方向と吐出方向を同一にしているので、ロータに作用するスラスト荷重を負担するアンギュラ玉軸受13、14をDケーシングに収容している。このDケーシングはロータを収容するケーシングとは別個に設けられている。そして、低圧段のDケーシング17と高圧段のDケーシング18とは別体にしている。
【0018】
低圧段のDケーシング17には低圧段アキシャル方向吐出ポート9が形成されており、この吐出ポート9はケーシング1の中間段通路10へ連通する働きもする。
【0019】
本実施例によれば、高圧段ロータ4,5のみ、または低圧段ロータ2,3のみを分解することが可能である。さらに、ロータを分解するためには駆動軸と反対の1方向だけ分解すればよく、ロータを抜出す作業が容易になる。もちろん、組立て時にも同様に高圧段と低圧段を同じ方向から組み立てればよく、メンテナンス性能を向上するのみならず製造時のコストをも低減できる。
【0020】
高圧段と低圧段のロータをロータの捩れ方向が同一の相似形状とすることができるので、ロータの共用化設計が容易である。また、図示しない原動機の回転数を高圧段及び低圧段のロータの回転数に設定するために、歯車変速手段を用いている。この歯車変速手段は、駆動軸23に取付けられたまたは形成されたブルギヤ19と、このブルギヤに噛み合い所望の増速比が得られるピニオンギヤ20、21とからなり、これらギヤ19、20、21は、ケーシング1に隣接して設けたギヤーケーシング22で覆われている。なお、ピニオンギヤ20、21は、低圧段及び高圧段の雄ロータ軸端に取付ける。ギヤ19、20、21の歯数を適宜組合わせることにより、原動機の回転数を所望の設計回転数に容易に設定できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、油冷式スクリュー圧縮機において、低圧段ではラジアル方向から作動ガスを吸い込み、高圧段ではアキシャル方向からガスを吸い込んでいるので、高効率でかつ軸方向にコンパクトな油冷式スクリュー圧縮機が得られる。また、本発明によれば、メンテナンスが容易な油冷式スクリュー圧縮機を得ることができる。さらに、本発明によれば、ロータのシリーズ化設計が容易であり、部品の共通化による製造コストの低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油冷式スクリュー圧縮機の一実施例の縦断面図。
【図2】図1に示した油冷式スクリュー圧縮機のA−A断面図。
【符号の説明】
1;ケーシング、2;低圧段雄ロータ、
3;低圧段雌ロータ、4;高圧段雄ロータ、
5;高圧段雌ロータ、6;吸込口、
7;円筒ころ軸受、8;低圧段ラジアル吐出ポート、
9;低圧段アキシャル吐出ポート、10;中間段通路、
11;高圧段吸込ポート、12;円筒ころ軸受、
13;アンギュラ玉軸受、14;アンギュラ玉軸受、
15;高圧段ラジアル吐出ポート、
16;高圧段アキシャル吐出ポート、
17;低圧段Dケーシング、
18;高圧段Dケーシング、
19;ブルギヤ、20;低圧段ピニオンギヤ、
21;高圧段ピニオンギヤ、22;ギヤケーシング、
23;駆動軸、24;オイルシール、
25;軸受。
Claims (3)
- 同一のケーシング内に雄ロータと雌ロータの対を2組回転自在に並べて収納し、一方のロータ対が低圧段、他方のロータ対が高圧段を形成し、前記高圧段のロータ対が前記低圧段のロータ対よりも短い油冷式スクリュー圧縮機において、
前記低圧段は作動ガスの吸込み方向がラジアル方向であり、前記高圧段は作動ガスの吸込み方向がアキシャル方向であり、
前記高圧段と前記低圧段は、ともに吐出方向が軸方向であり、
前記低圧段と前記高圧段に挟まれた空間に設けられ、前記低圧段から吐出される吐出ガスを前記高圧段に導く中間段通路と、
前記中間段通路と前記高圧段の吸込側との間に位置し、中間段通路を通過したガスの方向を転換する方向転換部と、
前記ケーシングの吐出側に取り付けられる複数のDケーシングと、
前記ケーシングの吸込み側に取り付けられるギヤケーシングとを備え、
前記高圧段と前記低圧段の吐出側の端面を揃えたことを特徴とする油冷式スクリュー圧縮機。 - 前記ケーシングの上部に前記低圧段をなす雄ロータと雌ロータ対を水平に配列し、前記中間段通路を前記ロータ対の下部に配置し、さらにその下部に高圧段の雄ロータと雌ロータ対を水平に配列したことを特徴とする請求項1に記載の油冷式スクリュー圧縮機。
- 前記ケーシングの吐出側に、高圧段のロータ対を支持する軸受を保持する高圧段Dケーシングと、低圧段のロータ対を支持する軸受を保持する低圧段Dケーシングとを設け、この低圧段Dケーシングに、低圧段から吐出される吐出ガスを前記ケーシングの中段に形成された前記中間段通路に導く空間を形成し、前記高圧段Dケーシングには吐出口を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の油冷式スクリュー圧縮機。
Priority Applications (1)
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| JP28067498A JP4248055B2 (ja) | 1998-10-02 | 1998-10-02 | 油冷式スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28067498A JP4248055B2 (ja) | 1998-10-02 | 1998-10-02 | 油冷式スクリュー圧縮機 |
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Family
ID=17628359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP28067498A Expired - Lifetime JP4248055B2 (ja) | 1998-10-02 | 1998-10-02 | 油冷式スクリュー圧縮機 |
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1998
- 1998-10-02 JP JP28067498A patent/JP4248055B2/ja not_active Expired - Lifetime
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