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JP4245819B2 - 高純度石膏の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純物の少ない高品質の石膏を製造する方法に関する。さらに詳しくは石灰石などのカルシウム源原料を塩酸によりカルシウム塩として十分に溶解させるとともに、原料中の不純物を不溶解残渣として除去した後、上記カルシウム塩と硫酸とを反応させて石膏を生成および晶析させることにより、不純物含有量が少なく、白色度の高い高品質な石膏、特に二水石膏の結晶を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石膏は、建材用のみならず、種々の分野において広く使用されており、当然のことながら、それぞれの分野においてその分野に特有の品質・性状を有していることが要求される。特に型材用や歯科用の分野においては、不純物を含み、当該不純物に起因して褐色から黒灰色を呈する石膏は受け入れられず、白色度の高い高純度の石膏であることが要求されている。また、これらの分野においては、石膏硬化体に高い機械的強度が要求されることから、粒径が大きく、かつアスペクト比の小さい石膏結晶であることも必要とされる。
【0003】
しかし、天然に産出するいわゆる天然石膏には、このような要求を満足するものは殆ど存在せず、大半の天然石膏は、鉄分、アルミニウム分またはシリカ分などの不純物含有量の高いものである。そこで、従来より不純物含有量の少ない石膏を製造する方法や装置、プロセスの開発に関して種々の試みがなされてきた。その代表例として、石灰石粉末に水を加えてスラリー状とし、所定のpH領域において石灰石と硫酸とを反応させることで石膏を製造する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来行われてきた石膏の製造方法においても、出発原料として使用される石灰石や石灰などのカルシウム源物質が、不純物として鉄分、シリカ分、マグネシウム分などを含有するため、これらの不純物が、硫酸との反応による難溶性生成物として、若しくは未反応のまま、場合によっては未反応のカルシウム源物質とともに生成する石膏中に残留して、得られる石膏の不純物含有量が高くなり、上記の要求を満足させるのは困難であった。そのため、必然的に不純物含有量の少ない石灰石や、予め調製した不純物含有量の少ない炭酸カルシウムなどを出発原料として使用して石膏を製造することが必要となり、石膏の製造コストは必然的に高くなる状況にあった。
【0005】
また、このようにして得られた石膏は、一般には微細な針状結晶であり、このような石膏を焼成して得られる焼石膏は、その使用に際し、混練水量が増大する。混練水量が大である石膏スラリーから得られる硬化成形体は、その強度が低下するなどの品質上の問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、不純物含有量の高いカルシウム源物質を出発原料として使用しても、白色度が高く不純物含有量の少ない石膏を安価に製造することを目的とする。また、本発明は、型材用や歯科用石膏として品質上要求される高い嵩密度を有し、結晶が肥大してアスペクト比の小さい石膏、特に二水石膏の結晶を供給することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、カルシウム源物質を水相中で塩酸と反応させて、該カルシウム源物質をカルシウム塩として水相中に十分に溶解させた後、得られた水相中の不溶解残渣を分離除去し、不溶解残渣を分離することによって得られた水相に、硫酸を添加して二水石膏を晶析させ、その際の水相の全塩素濃度を5〜15重量%、該水相の温度を30〜80℃とし、該晶析させた二水石膏を水相から分離することを特徴とする高純度二水石膏の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
[出発原料]
本発明で使用できるカルシウム源物質としては、一般的に公知のものであり、天然に産するかまたは工業的に生産される広範なカルシウム化合物が挙げられる。このようなカルシウム化合物として、特に石灰石、大理石、方解石、アラレ石などの天然の炭酸カルシウムや消石灰、生石灰のほか、工業的に石灰乳に炭酸ガスを吹き込んで得られる種々の結晶形態の軽質炭酸カルシウムなどを例示することができる。本発明においては、これらを単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0009】
これらのカルシウム源物質の粒度については特に限定されず、微粉状から粒状まで広範な範囲の粒度のものを本発明における原料として使用することができる。例えば、粉状や粒状のものを造粒などの手段を用いてペレット状や顆粒状などに成型することも可能である。カルシウム源物質の粒度により、本発明の使用する装置の規模や運転条件が変更される。
【0010】
特に本発明においては、不純物としてシリカ分、鉄分、アルミニウム分などを相当量含有する低純度のカルシウム化合物を原料として使用できることから、得られる石膏の原料コストを安価にできるという利点がある。
【0011】
これらのカルシウム源物質は、一般的に水に対して難溶性であるが、塩酸または硝酸などの鉱酸には容易に溶解し、水溶性カルシウム塩溶液を生成する性質を有する。そこで、本発明では上記例示のカルシウム源物質の溶解に酸を使用するが、かかる酸は高純度である必要はなく、一般の工業用グレードのもので足りる。また、各種化学工業や半導体工業などから発生する廃酸類も好適に使用することができる。また、本発明で使用する酸の濃度は、特に限定されず、本発明を実施するためのプラントや装置の設計の段階で、生産量との関連で当該濃度を決定することができる。
【0012】
なお、実際に装置またはプラントを運転するには、図1に示す如きプラントにおいて、酸の導管途中にも不図示の流量計および電磁弁を設け、酸の流量を制御することができる。また、かかる酸は一旦貯留槽4に貯留しておいてもよい。
【0013】
さらに、本発明において石膏結晶を晶析させる際の硫酸イオン供給源としては、硫酸が好適である。硫酸の濃度については特に限定されず、上記出発原料中の不純物の種類、含有量および、後述の石膏晶析における水相の滞留時間などの諸要因を考慮して、広範な濃度のものを使用することができる。
【0014】
本発明では、上記装置またはプラントを用いて、バッチ(回分)運転または連続運転のいずれの運転形態においても高純度石膏を製造することができる。本発明により得られる高純度石膏の用途、要求品質や経済性などを考慮して、上記装置またはプラントの運転形態を任意に選択することができる。
【0015】
図1は、本発明の石膏の製造方法に係る装置またはプラントの概略を表す工程図である。以下、図1を参照して本発明をさらに具体的に説明する。また、以下は、塩酸を使用し、カルシウム源物質として炭酸カルシウムを使用し、二水石膏の結晶を製造する本発明の方法の具体的態様である。
【0016】
[炭酸カルシウムの溶解]
炭酸カルシウムと水と塩酸の添加方法については特に限定されず、例えば、炭酸カルシウムと水とを混合した後に塩酸を添加して炭酸カルシウムと塩酸とを反応させてもよいし、先ず塩酸と水とを混合して適当な濃度の塩酸水溶液とし、該塩酸水溶液に粉粒状または塊状の炭酸カルシウムを添加して両者を反応させてもよい。図1では、そのような実施形態の1例として、炭酸カルシウムを予め水と混合してスラリー1を調製し、該スラリー1を炭酸カルシウムスラリー貯槽2に貯留し、ポンプPなどの適当な手段によって、溶解槽3に送る。一方、塩酸タンク4から溶解槽3に塩酸を供給して、溶解槽3において炭酸カルシウムと塩酸とを反応させる工程を示している。上記スラリー1中の炭酸カルシウムの濃度についてもプラントの運転条件やハンドリング性などを考慮して任意に設定することができる。
【0017】
上記溶解槽3における炭酸カルシウムと塩酸との反応は、以下の化学反応式にて表すことができる。
CaCO3+2HCl→CaCl2+CO2↑+H2
この際、水相のpHが酸性領域であれば、炭酸カルシウムの塩酸による溶解および中和反応は速やかに進行し、中性付近では当該反応は緩慢となり、アルカリ性領域では当該反応は進行せず、未反応の炭酸カルシウムが残留する。従って炭酸カルシウムを酸性領域で可能な限り溶解させ、その後さらに当該水相中に炭酸カルシウムおよび/またはそのスラリーを添加するようにし、最終的な水相のpHを好ましい範囲に調整する。
【0018】
上記溶解槽3中の水相のpHは好ましくは2〜6であり、望ましくは3〜5である。この範囲未満のpHでは、炭酸カルシウムの溶解反応は促進され、最終生成物である二水石膏の結晶の収率は向上するが、その反面、鉄分などの不純物も水相中に溶解し、最終的に得られる二水石膏の結晶の純度低下、着色、結晶成長不良などを引き起こす。一方、上記範囲を超えてpHを高くすると、上記不純物は除去分離できるようになるが、炭酸カルシウムの溶解反応は緩慢となり、炭酸カルシウムが未反応のまま残存し、その結果、二水石膏の生成に必要な炭酸カルシウムの使用量が増加する。
【0019】
溶解槽3における反応液の反応・滞留時間および装置仕様は、使用される炭酸カルシウムの種類、粒径、反応時の水相のpHおよび、装置またはプラントの二水石膏の結晶の生成能力などによって決定することができる。また、溶解槽3は、上記反応に使用する塩酸や炭酸カルシウムに対して耐食性を有する材料で構成されていることが好ましい。また、同槽内には攪拌機5を設け、内容物を均一に攪拌できるようにすることが望ましい。この攪拌機5の仕様については、特に限定されず、一般に使用されているものであればよい。
【0020】
なお、実際の装置またはプラントの運転では、スラリー貯槽2および/または塩酸タンク4から溶解槽3への導管途中に不図示の電磁弁および流量計を備え、溶解槽3内の水相の液面レベルによって、または溶解槽3内の水相のpHによってスラリーおよび/または塩酸の流量制御を行うことができる。また、この中和溶解反応に伴い炭酸ガス6が発生するが、種々の不図示の排気装置を設け、このガスを系外に安全に排気する必要がある。
【0021】
[不溶解残渣の分離除去]
次に、溶解槽3から導出された塩化カルシウムを含む水相を濾過などの固液分離手段7によって濾過し、該水相中に存在している鉄分やシリカ分などの不溶解残渣8を分離除去する。分離除去された当該残渣8は、スラッジとして系外に排出し、水相は次の工程に送られる。
【0022】
この固液分離手段7としては、一般的な遠心式、加圧式または減圧式の濾過機・フィルター類のうち、出発原料の純度、不溶解残渣量、処理速度、溶解槽3内での水相の滞留時間などを考慮して、適当な装置またはプラントを採用することが望ましいが、水相のpHが酸性であることから、固液分離手段7は耐食性を有する材質で構成されていることが必要である。
【0023】
[水相の加温]
本発明においては、上記固液分離手段7から水相を結晶槽9に送り、結晶槽9内で二水石膏の結晶を晶析させる。この際、結晶槽9内で晶析する二水石膏の結晶の結晶成長を促進するために、水相中の塩化カルシウムと硫酸10との反応温度は極力高く設定することが好ましい。この反応系におけるカルシウムイオンと塩素イオンとの共存条件下では、水相の温度は30〜80℃、望ましくは40〜75℃の範囲に設定する。この範囲を超えて高く設定した場合には、無水石膏が晶析するようになり、この範囲未満の温度では二水石膏の結晶の結晶成長が緩慢となる。
【0024】
上記の目的を達成するために、前記固液分離手段7と次工程である結晶槽9の中間に、加温手段12を有する調整槽11を設けて、予め当該水相を加温するか、または結晶槽9内において同様の加温手段によって当該水相を加温することが望ましい。加温手段12としては、特に限定されず、一般的な方法であるスチーム吹き込みによる直接加熱若しくはスチームによる間接加熱や電気加熱などを採用することができる。
【0025】
なお、実際の装置またはプラントの運転に際して、上記加温装置12を有する調整槽11と結晶槽9との間の導管途中にも、プロセス管理のために不図示の流量計および電磁バルブを設け、塩化カルシウムを含む水相の流量をコントロールすることができる。
【0026】
[硫酸の供給による二水石膏の結晶の生成]
結晶槽9において二水石膏の結晶を生成させるに当たり、前記した通り、硫酸イオン供給源としては硫酸10が望ましく、その濃度は装置仕様により任意に選択できる。上記の加温した水相に当該硫酸10を添加した場合の二水石膏の結晶の生成反応は、以下の化学反応式にて表すことができる。
CaCl2+H2SO4+2H20→CaSO4・2H20↓+2HCl
【0027】
石膏には、主に二水塩、半水塩、無水塩の3種の結晶形態が存在し、特に上記のような溶液中における石膏の晶析反応においては、水相中に共存する塩類や水相の温度条件によって、それぞれの結晶形態の安定領域が存在する。従って、二水石膏の結晶を安定的に晶析させるためには、上記塩類濃度および水相の温度条件を、二水石膏の結晶の安定領域内に維持する必要がある。二水石膏の結晶を晶析させるための水相の反応温度および共存する塩素イオン濃度は、結晶槽9における二水石膏の結晶の晶析および結晶成長の点から、以下の範囲に維持することが望ましい。
【0028】
また、二水石膏の結晶の結晶成長を促進させるために、反応温度は上記したように高く設定することが好ましいが、高温になる程析出した二水石膏の結晶の水相に対する溶解度が大きくなり、二水石膏の結晶の収率を下げることとなる。望ましくは、生成する二水石膏の結晶が二水塩の状態を維持したまま成長させることができる範囲で高温であることが望ましい。
【0029】
以上のことから、結晶槽9中の反応温度は30〜80℃、望ましくは40〜75℃の範囲に維持し、かつこの水相中の全塩素イオン濃度は、5〜15重量%となるようにする。上記の温度範囲および塩素イオン濃度の範囲を超えて高く維持した場合には、水相は無水石膏の安定領域となり、無水石膏が晶析し、結晶成長においても二水塩としての維持が困難となり、上記範囲よりも低温または低濃度の場合には、二水石膏の微細な針状結晶が晶析し、また、滞留時間を長く設定したとしても所望の大きさ・形状の二水石膏の結晶を得ることが困難になる。
【0030】
一方、上記条件下において結晶槽9中での水相の滞留時間を長く設定するほど、得られる二水石膏の結晶が肥大化し、その粒径は大きくなる。そのため、約0.5〜12時間程度、結晶槽9内において水相を滞留させることが好ましい。例えば、二水石膏の結晶形は、反応初期においてはアスペクト比10〜20の微細な針状となるが、滞留時間を数時間程度とすることにより、例えば、短軸径100μm程度の厚みのある粗大な(板状または短柱状)結晶を得ることができる。従って、得られる二水石膏の結晶の用途、要求される品質などを考慮して滞留時間を決定することができる。
【0031】
また、結晶槽3内の固形分(二水石膏の結晶)濃度は好ましくは5〜30重量%、望ましくは10〜25重量%である。固形分濃度が5重量%未満では、1サイクルの工程での二水石膏の結晶の生成量が少なく、製造コスト的に不利であり、一方、固形分濃度が30重量%を超えると、後述する結晶の水による洗浄性が劣り、最終的に得られる二水石膏の結晶中の不純物が多くなるので好ましくない。
【0032】
上記したように、結晶槽9内で析出する二水石膏の結晶は、晶析反応当初においては微細な針状となり、その後の結晶成長の過程において、結晶槽9内における滞留時間を長く設定することにより、厚みのある二水石膏の結晶を得ることができるが、当該結晶をさらにアスペクト比の小さい、厚みのある板状や短柱状の結晶に容易に制御するために、硫酸添加と同時に公知の媒晶剤18または晶癖制御剤を結晶槽9に添加することもできる。
【0033】
このような媒晶剤としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、スルホコハク酸などの有機カルボン酸およびそれらの塩;パルミチン酸、リノール酸、リシノール酸、グルコホール酸などの脂肪酸の水溶性アルカリ金属塩;アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸の塩または高級アルコールの硫酸エステルの塩などを使用することができる。特に好ましいものはドデシルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。
【0034】
これらの媒晶剤は、その種類によって二水石膏の結晶の結晶成長に対する効果が異なるが、いずれを用いてもその添加量を水相に対して凡そ5000ppm以下に設定することができる。ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダを媒晶剤として使用する場合には、水相に対して約500ppm程度以下、望ましくは5〜100ppm、さらに望ましくは5〜50ppmの濃度とする。上記範囲を超えてデシルベンゼンスルフォン酸ソーダを添加しても、媒晶効果が収斂するため、生成される二水石膏の結晶の成長に効果が認められない。このような媒晶剤を使用することにより、アスペクト比2〜4の板状や短柱状の二水石膏の結晶を得ることができる。
【0035】
また、上記したように二水石膏の結晶が晶析する限り、高温の条件にて当該晶析物の結晶成長を促進させることが必要であるが、反面、当該晶析物の水相に対する溶解度の増加により、二水石膏の結晶の収率の低下を招く点が問題である。この問題を解決するために、結晶槽を2槽またはそれ以上設け、これらの結晶槽を直列に接続し、最初の結晶槽より晶析した二水石膏の結晶を含む水相を抜き出し、これを2番目以降の結晶槽に送り、該槽内で水相を攪拌滞留させて結晶を熟成することが望ましい。
【0036】
図1は、結晶槽を2槽(9及び9’)直列に接続した場合を示している。この2番目以降の結晶槽(熟成槽)9’内の水相温度と第一槽9の水相温度とに前記水相の温度条件内で差を設けることで、二水石膏の結晶の収率の向上を図ることができる。すなわち、最初の結晶槽9内で高い水相温度条件下にて二水石膏を析出させ、次工程の熟成槽9’内で上記温度よりも水相を低温とし、二水石膏の溶解度を下げることによって、水相中への二水石膏の溶解を抑えることができる。なお、この場合、上記塩化カルシウム水溶液および硫酸は、最初の結晶槽9に一括して供給してもよいし、各槽9,9’に分割して供給してもよい。
【0037】
上記の1槽または2槽以上の結晶槽9,9’は、生成する二水石膏の粗大な結晶が沈降しないこと、水相中への硫酸の拡散が速やかに行われることを、装置またはプラントの設計段階で留意する必要がある。また、均一な二水石膏の結晶の晶析反応を生じさせるために、結晶槽9,9’内には攪拌羽根5を備え、かつラジアルバッフルおよび/またはドラフトチューブを有している槽も好適に使用することができる。また、槽9,9’などは塩酸などに対して耐食性を有する材質で構成されていることが好ましい。
【0038】
なお、実際の装置またはプラントの運転に際して、濃硫酸を希釈する必要がある場合には、不図示の希釈槽を別に設けることができる。また、硫酸の供給導管の途中には、不図示の耐酸性を有する電磁バルブおよび流量計を設け、硫酸の流量をコントロールすることが望ましい。
【0039】
[二水石膏の結晶の分離]
このように滞留熟成された二水石膏の結晶を含む水相は、濾過装置などの固液分離装置13で固液分離して二水石膏の結晶14を分離取得する。固液分離に際しては、肥大化または板状あるいは短柱状化した二水石膏の結晶の方が濾別し易い。濾別された二水石膏の結晶は、洗浄水15により水洗し、および/またはpH調整(不図示)した後乾燥することにより、所望の二水石膏の結晶14となる。二水石膏の結晶の水洗は、二水石膏生成量と等量以上の水で1回以上行うことが望ましい。洗浄排水は適当な経路17から系外に排出するか、または分解槽3に戻すことができる。これにより、二水石膏の結晶に含まれている塩素の含有量を50ppm以下とすることができる。なお、この水洗方法は、スプレー散布など、公知の方法により行うことができる。
なお、前記のpH調整は、石灰水溶液などのアルカリ性水溶液にて洗浄するか、または二水石膏の結晶を再度水と混合してスラリー化して石灰水溶液などで洗浄処理することによって行なうことができる。
【0040】
また、固液分離で分離された水相(母液)16は、塩酸の水溶液であるため、この母液16を炭酸カルシウムの溶解工程である溶解槽3へ返送循環して再使用することが経済性などを考慮すると好ましい。このように母液16を再利用することにより、失われた量の塩酸を新規に補給するのみで、本発明の製造方法を効率的に連続運転することが可能となる。例えば、前記の溶解反応のようにCl/Caモル比を約2に設定した場合には、新たに溶解槽3に補給する塩酸量は、循環使用する母液(塩酸水溶液)16の約20重量%程度で足りることとなり、原料費の低減を図ることができる。
【0041】
なお、実際には、本工程における固液分離装置13も、例えば、濾過装置のように公知のいずれの固液分離装置も使用できるが、耐酸性のあるものを使用することが好ましい。なお、以上の説明では、好ましい例として炭酸カルシウムと塩酸を用いる例で説明したが、本発明は、炭酸カルシウム以外のカルシウム源物質および塩酸以外の鉱酸を用いても同様な結果が得られる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
出発原料として低純度の石灰石粉末を用いた。その化学分析結果は次の通りである。
CaCO3 97.0重量%
SiO2 2.5重量%
MgO 0.3重量%
23 0.2重量%
(R:Feおよび/またはAl)
【0043】
上記石灰石粉末618gを等量の水と混合攪拌しながら50重量%スラリーに調製し、石灰石粉末のスラリーを得た。次に該スラリーを濃度15重量%の塩酸2650gとともに溶解槽3中に投入した後、攪拌しながら、石灰石粉末を塩酸中に溶解して塩化カルシウム溶液とした。その過程において発生した炭酸ガス6は、局所排気装置により系外に排出した。次に、上記の塩化カルシウム溶液をラインフィルター7により濾過し、不溶解残渣8を分離除去し、水相を一旦加熱手段12を有する調整槽11に移した。当該不溶解残渣8の乾燥後の重量は26gであった。
【0044】
次に上記槽11中の水相をスチーム吹き込みにより直接加温し、液温を75℃とした後に結晶槽9に送り、媒晶剤18としてドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダを、結晶槽9中の液量に対して約35ppmとなるように添加し、それと同時に濃度80重量%の硫酸10を水相中のカルシウムイオンと当量程度となるように添加し、攪拌しながら6時間反応させた。その後、液温を65℃まで下げ、攪拌しながらさらに6時間攪拌および滞留させながら二水石膏の結晶を熟成させた。その際の水相中の塩素イオン濃度は10重量%であった。
【0045】
その後、二水石膏の結晶を含む水相を固液分離装置13で濾過した後、等量の水を用いて結晶を水洗して二水石膏の結晶を得た。乾燥して得られた当該二水石膏の結晶の性状を調べた結果を以下に示す。
結晶形状 板状結晶
純度 99.9%
Cl含有量 50ppm
Fe23含有量 10ppm以下
白色度 99%
(ハンター白色度計にて測定)
短軸径 150μm
アスペクト比 2〜4
かさ比重 1.15
【0046】
次に、このようにして得られた二水石膏の結晶を焼成して、半水石膏とし、JIS R 9101に従い当該半水石膏の物性を調べた。
散布混水量 84%
凝結時間
開始時間 4分
見掛時間 13分45秒
終結時間 25分
最高温度 42.0℃
ぬれ引張強度 11.5kg/cm2
硬化体のpH 6.9
この結果より、上記の二水石膏の結晶は、白色度を要求される型材用や歯科用焼石膏として十分に使用可能であることが明らかである。
【0047】
二水石膏の結晶14を固液分離した後の母液16として、約3kgを回収することができたが、この母液16中の塩素イオン濃度は9.7重量%(塩酸換算にて10重量%)であり、最初の工程における石灰石粉末の溶解に十分に使用し得るものであった。
【0048】
実施例2
上記で回収した母液16を実施例1で使用した塩酸と同様に用いて同様の試験を行った。実施例1と同量の石灰石粉末を同様にスラリーとし、当該スラリーに実施例1で得られた塩酸水溶液(母液)をスラリー重量に対して20重量%となるように補給してから、スラリー濃度を実施例1と同様にした後、実施例1と同様の試験を行った。その結果、得られた二水石膏の結晶は、実施例1と同様の性状を示した。また、焼成した後の焼石膏の物性も同様であった。
【0049】
実施例3
さらに、実施例2の操作をさらに4回、計5回繰り返し、実施例2と同様に得られた二水石膏の結晶の試験を行なったが、いずれも得られる二水石膏の結晶は、実施例1と同様の性状を示した。また、焼成した後の焼石膏の物性も同様であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、低純度のカルシウム源物質を用いても効果的に高純度で、白色度が高く、嵩密度が大きく、アスペクト比の小さい板状・短柱状の二水石膏の結晶を得ることができる。かかる二水石膏の結晶を焼成して焼石膏とした場合にも、高純度の焼石膏を得ることができ、その散布混水量、凝結時間、引張強度といった物性評価においても満足のいくものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石膏の製造方法に係る装置またはプラントの概略を表す工程図。
【符号の説明】
1:スラリー
2:スラリー貯槽
3:溶解槽
4:塩酸タンク
5:攪拌機
6:炭酸ガス
7:ラインフィルター
8:スラッジ
9,9’:結晶槽
10:硫酸
11:調整槽
12:加熱手段(スチーム)
13:固液分離装置
14:二水石膏の結晶
15:洗浄水
16:母液
17:洗浄排水
18:媒晶剤

Claims (5)

  1. カルシウム源物質を水相中で塩酸と反応させて、該カルシウム源物質をカルシウム塩として水相中に十分に溶解させた後、得られた水相中の不溶解残渣を分離除去し、不溶解残渣を分離することによって得られた水相に、硫酸を添加して二水石膏を晶析させ、その際の水相の全塩素濃度を5〜15重量%、該水相の温度を30〜80℃とし、該晶析させた二水石膏を水相から分離することを特徴とする高純度二水石膏の製造方法。
  2. 前記二水石膏を分離して得られる水相母液を、前記カルシウム源物質と反応させる溶解工程に返送循環して再使用する請求項1に記載の高純度二水石膏の製造方法。
  3. カルシウム源物質が、天然の炭酸カルシウム、消石灰、生石灰および/または工業的に生産されるカルシウム化合物である請求項1または2に記載の高純度二水石膏の製造方法。
  4. カルシウム源物質と塩酸とを反応させる際の水相のpHが2〜6である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度二水石膏の製造方法。
  5. 二水石膏を生成および晶析させる際に、媒晶剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸塩を使用する請求項1〜のいずれか1項に記載の高純度二水石膏の製造方法。
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