JP4117425B2 - 連結車両の制動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、旋回時に車両の挙動を安定化させるための挙動制御技術に適した連結車両の制動制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
車両の挙動制御技術としては例えば、車両の旋回性を高めるためのヨーモーメント制御技術、また、車両を安全に旋回させるための自動減速制御技術等が知られている。具体的には、前者のヨーモーメント制御技術にあっては、旋回時に左右の制御対象輪の間に制動力差を付与し、これにより、車両に必要な回頭又は復元ヨーモーメントを付加して過大なアンダステア又はオーバステアを抑制している。一方、後者の自動減速制御技術は、旋回時に車速や横加速度が所定の許容値を超えないように自動的に制動力を発生させ、これにより車両のドリフトアウトやスピン、ロールオーバ等を防止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
トラクタでトレーラを牽引する形態の連結車両の場合、トラクタの重心位置とカプラ位置との関係から、走行中にトレーラがトラクタに及ぼす後押し力や引き戻し力(いわゆる突き上げや引っ張り)等の外力が、トラクタの挙動を不安定化させる場合がある。このようなトレーラからの外力は、ヨーモーメント制御に基づくトラクタの回頭又は復元モーメントに対する外乱として入力されるため、制御の安定性が大きく損なわれる。一方、自動減速制御の場合、制動中にトレーラからの外力が作用することで車両の挙動が不安定化してしまい、制御の実効が充分に図れない。
【0004】
この発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、トレーラからトラクタに作用する外力の影響を取り除き、車両挙動制御を有効に働かせることができる連結車両の制動制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的はこの発明により達成され、請求項1の連結車両の制動制御装置は、車両の走行状態を検出して信号出力する走行状態検出手段と、運転者の制動操作とは独立して作動する独立制動手段と、この独立制動手段を作動制御する制御手段とを備えている。独立制動手段は、トラクタ車輪及びトレーラ車輪それぞれに制動力を発生させることができ、また、これら車輪の制動力をそれぞれ調整可能である。制御手段は、車両の旋回時、走行状態検出手段から得た検出信号の情報を評価して、その結果に基づき必要な制動力をトラクタ車輪に発生させることでトラクタのヨー運動制御を行う。そして、請求項1の制動制御装置における制御手段は、このようなヨー運動制御の開始に先立ち、トレーラ車輪に先行制動力を発生させ、ヨー運動制御を開始した後は、この先行制動力をヨー運動制御に伴うトラクタ車輪の制動力よりも小さく作用させるべく独立制動手段を作動制御するものとしている。
【0006】
請求項2の連結車両の制動制御装置は、制御手段が走行状態検出手段から出力される検出信号に基づいて目標ヨーレイトを演算するとともに実ヨーレイトを検出し、これら目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差が第1の閾値を超えると前記トレーラ車輪に前記先行制動力を発生させるとともに、この偏差が第1の閾値より大きい第2の閾値を超えるとトラクタのヨー運動制御を開始するものとしている。
請求項1,2の連結車両の制動制御装置によれば、走行状態情報を評価した結果、トラクタのヨー運動を積極的に制御する必要があると認められるとき、そのヨー運動制御を開始する前にトレーラ車輪に先行制動力を発生させる。これにより、トラクタはトレーラから引き戻し力を受けるので、ヨー運動制御の開始初期のトレーラによるトラクタへの突き上げが未然に防止される。また、ヨー運動制御の実行中、トレーラ車輪に生じる先行制動力はトラクタ車輪の制動力に比べて小さく作用するので、この間、トラクタのヨー運動制御に影響を与える過大なトレーラからの後押し力の発生が抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、連結車両のトラクタ1はエアタンク2,4,6を作動圧力源とするエアブレーキ系を装備しており、このブレーキ系はフロント及びリヤのサービスブレーキ経路8,10、トレーラ用のサービスブレーキ経路12及び独立ブレーキ経路14,16,18を含んでいる。
【0010】
より詳しくは、フロントサービスブレーキ経路8は、ブレーキバルブ20を通じてエアタンク2のエア圧を取り出し、そのエア圧をダブルチェックバルブ22を介してフロントブレーキ経路24に供給する。また、リヤサービスブレーキ経路10は、リレーバルブ26を通じてエアタンク4のエア圧を取り出し、そのエア圧をダブルチェックバルブ28を介してリヤブレーキ経路30に供給する。なお、リレーバルブ26には、ブレーキバルブ20からパイロット圧経路32を通じて信号圧が入力される。
【0011】
また、トレーラ用サービスブレーキ経路12は、デュアルリレーバルブ34を通じてエアタンク6のエア圧を取り出し、そのエア圧をダブルチェックバルブ36を介してブレーキホース38に供給する。ブレーキホース38は、図示しないトレーラのブレーキカップリングに接続される。なお、リレーバルブ34にはブレーキバルブ20からパイロット圧経路40,42を通じて信号圧が入力される。
【0012】
一方、独立ブレーキ経路14は、何れも給気弁44を通じてエアタンク2のエア圧を取り出し、そのエア圧をそれぞれダブルチェックバルブ22を介してフロントブレーキ経路24に供給する。また、独立ブレーキ経路16は、何れも給気弁46を通じてエアタンク4のエア圧を取り出し、そのエア圧をそれぞれダブルチェックバルブ28を介してリヤブレーキ経路30に供給する。
【0013】
また、独立ブレーキ経路18は、給気弁48を通じてエアタンク6のエア圧を取り出し、そのエア圧を、ダブルチェックバルブ36を介してブレーキホース38に供給する。なお、上述の給気弁44,46,48は何れもソレノイド開閉弁からなっている。
【0014】
上述したフロントブレーキ経路24及びリヤブレーキ経路30は、それぞれブレーキチャンバ50に接続されており、図示のようにこれらフロント及びリヤブレーキ経路24,30には、それぞれ圧力制御弁52,54が介挿されている。また、ダブルチェックバルブ36の出口ポートとブレーキホース38との間にも圧力制御弁56が介挿されている。なお、これら圧力制御弁52,54,56は何れもソレノイド切換弁からなり、それぞれ介挿された経路内を通気する通常位置と、ブレーキチャンバ50に接続する下流の圧力を大気に開放する作動位置及び各エアタンク2,4,6からの供給エア圧を遮断してブレーキチャンバ50内の圧力を保持する作動位置との間でその位置を切り換え可能である。
【0015】
トラクタ1は、各給気弁44,46,48及び各圧力制御弁52,54,56の作動を制御するための電子制御ユニット(ECU)58を装備しており、個々の給気弁44,46,48及び圧力制御弁52,54,56は、このECU58に電気的に接続されている。
【0016】
上述した給気弁44,46,48及び圧力制御弁52,54,56を含む独立ブレーキ経路14,16,18は、運転者の制動操作、つまり、ブレーキペダルの踏み込みやトレーラブレーキ等の操作とは独立して作動する独立制動手段をなし、その作動をECU58により制御される。そして、その作動に伴い、トラクタ1については各車輪毎にブレーキエア圧を調整することでトラクタ車輪(FR,FL,RR,RL)に発生する制動力の大きさを調整することができ、また、トレーラ車輪についてもトラクタ車輪とは別にその制動力を調整することができる。
【0017】
またトラクタ1は、その走行状態を検出し、信号出力するための手段として複数のセンサ類を装備しており、具体的には、操舵角センサ60、車輪速センサ62、ヨーレイトセンサ64、前後加速度センサ66及び横加速度センサ68がそれぞれ設けられている。
【0018】
上述したエアブレーキ系において、個々のブレーキチャンバ50には、制動エア圧を検出するためのブレーキエア圧センサ70が設けられている。なお、ブレーキバルブ20には、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた出口エア圧を検出するための踏み込みエア圧センサ72が設けられており、また、圧力制御弁56には、トレーラ側のブレーキ経路(図示されていない)に向けて供給する出口エア圧を検出するためのトレーラエア圧センサ74が設けられている。また、リレーバルブ26(LSV付)には、その出口エア圧を検出するエア圧センサ76が設けられている。
【0019】
図2を参照すると、ECU58がトラクタ1のエアブレーキ系を作動制御するための電気的な接続状態を示したブロック構成図が示されている。図示のように上述した各種センサは、何れもECU58に電気的に接続され、それぞれECU58に検出信号を出力している。
【0020】
ECU58は、これら各種センサからのセンサ信号を処理して車両の走行状態情報を得ることができる。例えば、前輪操舵角δ、車速V、トラクタ1の実ヨーレイトγ、前後加速度Gx及び横加速度Gy等の情報である。ECU58は、これら走行状態の情報を評価して、その評価結果に基づき上述したエアブレーキ系の作動を制御する機能を有している。
【0021】
具体的には、車両の旋回時、トラクタ1のヨー運動を評価した結果、そのヨー運動を積極的に修正する必要があると認められるときは、公知のヨーレイトフィードバック制御則に基づいてトラクタ1に復元又は回頭ヨーモーメントを付加する。この場合、ECU58は給気弁44,46を作動させて独立ブレーキ経路14,16にエア圧を供給すると共に、圧力制御弁52,54を作動制御して各輪のブレーキチャンバ50内に供給されるブレーキエア圧を調整する。このとき、例えば左右の対角線上にある車輪間に制動力差を与えることで、トラクタ1に有用な復元又は回頭ヨーモーメントを発生させることができる。
【0022】
ここで、連結車両にあっては、トラクタ1に対してトレーラから作用する後押し力や引き戻し力がトラクタ1のヨー運動に大きく影響する。そこで、本発明の発明者等は、このような連結車特有の車両挙動に着目して、トレーラからトラクタ1に作用する外力の影響を考慮しつつ、上述したヨーモーメント制御を有効に機能させるための制御ロジックを創案した。
【0023】
図3を参照すると、ECU58が実行するヨーモーメント制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下、このフローに沿って制動制御装置の作動を説明する。
【0024】
図示のようにステップS10では、ヨーレイト偏差γeを演算する。この偏差γeは、目標ヨーレイトγtと検出した実ヨーレイトγとの間の偏差として表される。なお、目標ヨーレイトは公知のように前輪操舵角δ、車速V及び車両のスタビリティファクタA等から求めることができる。
【0025】
次のステップS12及びS14は並行して実行される。すなわち、これらステップS12,S14では、トレーラ及びトラクタのそれぞれについて、制御開始条件が満たされたか否かを判定する。具体的には、ECU58は予め設定された所定の閾値γ1,γ2を記憶しており、これらステップS12,S14では、それぞれ偏差γeが閾値γ1,γ2を超えているか否かを判別する。
【0026】
上述したヨーレイト偏差γeが充分に小さい間は、ステップS12及びS14において、それぞれの判別結果が未だ偽(No)となる。この場合、トラクタ1のヨー運動を積極的に制御する必要がないものと評価され、この間、上述した手順が単に繰り返される。
【0027】
これに対し、偏差γeが大きくなり、何れかの閾値γ1,γ2を超えると、ステップS12,S14での判別結果が真(Yes)となり、次のステップS16又はS18に進む。
【0028】
ここで、閾値γ1と閾値γ2とでは、閾値γ1の方が小さい値に設定されている。それ故、車両の旋回時にはヨーレイト偏差γeが次第に立ち上がっていくことから、ステップS12とステップS14とでは、先にステップS12の判別結果が真となる。従って、必ずステップS16の方がステップS18より先に実行されることが理解される。
【0029】
ステップS16では、トレーラ目標圧、つまり、トレーラの車輪に制動力を発生させるための目標ブレーキエア圧を演算する。このトレーラ目標圧は、例えばヨーレイト偏差γeから求めた要求ヨーモーメントの大きさに基づいて演算することができる。
【0030】
次のステップS20では、ステップS16で演算したトレーラ目標圧に従ってトレーラの制動を行う。具体的には、ECU58は給気弁48を開位置に切り換えて独立ブレーキ経路18を通じてエア圧を供給する一方、圧力制御弁56を作動制御してトレーラのブレーキエア圧を目標圧に一致させる。なお、圧力制御弁56の作動制御は、一定の周期毎にその位置を切り換えることで正確に行われる。
【0031】
図4に示されるように、上述のステップS20を実行することで、トラクタ車輪に先行して、トレーラ車輪にその目標圧に応じた先行制動力Bpが発生する。この先行制動力Bpにより、トラクタ1はそのカプラ位置Cに引き戻し力Pを受ける。このような引き戻し力Pは、カプラ位置Cと重心位置gとの関係からトラクタ1の旋回姿勢を安定化させるべく作用する。このことは、一般的に引き戻し力Pとは逆方向の後押し力が、連結車両のジャックナイフ現象を引き起こす虞があることからも理解される。
【0032】
この後、更にヨーレイト偏差γeが大きくなり、ついに閾値γ2を超えると、ステップS14での判別結果が真となってステップS18もまた並行して実行される。
【0033】
ステップS18では、車両の旋回方向及びステア傾向を判定する。具体的には、車両が左右何れの方向に旋回しているのか、そして、トラクタ1のステア傾向がアンダステア及びオーバステア傾向の何れの傾向にあるのかが判定される。このような判定は、上述した各種センサ信号から得られる信号を評価して行うことができる。
【0034】
いま、例えば図4に示されるようにトラクタ1の実際の旋回円が図中実線の矢印で示す方向にあり、破線の矢印で示す目標旋回円に対してオーバステアの傾向であると判定されたとき、次のステップS22では、制御対象車輪を旋回円の外側前輪及び内側後輪、つまり、右前輪FR及び左後輪RLとして決定する。ただし、左後輪RLについては減圧輪のため、実際にはエア圧を付加しない。
【0035】
そして、次のステップS24では、トラクタ目標圧、つまり、制御対象輪である右前輪FRに対する目標ブレーキエア圧を演算する。この目標圧は、例えばヨーレイト偏差γeから求めた要求ヨーモーメントの大きさに基づいて演算される。
【0036】
ステップS26では、給気弁44を開作動すると共に、演算して求めたトラクタ目標圧に従って圧力制御弁52を作動制御して、右前輪FRに目標圧に応じた制動力Byを発生させる。この結果、図示のようにトラクタ1に復元ヨーモーメントMが発生し、トラクタ1の実旋回円を目標旋回円に略一致させることができる。
【0037】
なお、上述のヨーモーメント制御ルーチンを実行中、ステップS24が実行された後は、ステップS16で演算されるトレーラ目標圧はトラクタ目標圧よりも小さい値に設定されるべくプログラムされている。従って、ヨーモーメント制御に伴うトラクタ車輪(右前輪FR)の制動力Byよりも、トレーラ車輪(4輪)の先行制動力Bpは小さい。これにより、トレーラからの過大な後押し力の発生を抑制して、トラクタ1のヨーモーメント制御を有効に働かせることができる。
【0038】
なお、図示しないがステップS20,S26を実行した後にヨーモーメント制御の終了判定が行われる。具体的には、ステップS16,S24にてそれぞれ求めた目標圧が所定の終了閾値を下回ったとき、この終了判定が成立してヨーモーメント制御ルーチンを終了する。
【0039】
次に、上述した実施例とは異なる制動制御装置の実施例について説明する。なお、図1のエアブレーキ系及び図2のブロック構成は、以下の第2実施例において同様に適用することができる。
【0040】
この第2実施例においてECU58は、各種センサからのセンサ信号を処理して得た車両の走行状態情報を評価して、その評価結果に基づき車両の自動減速制御を実行するものとしている。
【0041】
具体的には、車両の旋回時、車速V及び横加速度Gy等の情報を評価して、これら車速V及び横加速度Gyが所定の許容値を超えないように、公知の自動減速制御則に基づき自動的に制動力を発生させて車両のドリフトアウトやスピン、ロールオーバ等を防止する。
【0042】
ここで、自動減速制御技術を連結車両に適用する場合、トラクタ及びトレーラ車輪の制動力バランスが重要である。すなわち、トレーラ車輪よりもトラクタ車輪の制動力が大きければ、その分、トラクタ1はトレーラからの後押し力を受けるので、車両の挙動が不安定化してしまう。また、トレーラブレーキ系の応答遅れに起因して、実際にトラクタ車輪よりもトレーラ車輪の制動開始が遅れると、その間、トレーラからの後押し力により車両挙動が不安定化することがある。そこで本発明の発明者等は、このように連結車両に特有な制動時の車両挙動に着目し、その挙動を終始安定化させるための制御ロジックを創案した。
【0043】
図6を参照すると、ECU58が実行する自動減速制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下、このフローに沿って制動制御装置の作動を説明する。
【0044】
図示のようにこの制御ルーチンでは、ステップS30とステップS32とが並行して実行される。これらステップS30,S32では、それぞれ制御開始条件が満たされたか否かが判別される。
【0045】
ECU58は、車両の旋回時に実際の車速V及び横加速度Gyを許容値以下に制限するために必要な減速度を求め、この求めた減速度が所定の閾値を超えたとき、制御開始条件が満たされたものと判別する。なお、ECU58は、推定した旋回半径及び路面摩擦係数に応じて車速Vの許容値、つまり、安全車速を求め、また、横加速度Gyについて予め設定された許容値を記憶している。
【0046】
図示のようにステップS30ではトレーラについての制御開始判定を行い、また、ステップS32ではトラクタについて制御開始判定を行う。このとき、ステップS30とステップS32とでは、互いに異なる閾値が設定されており、具体的にステップS30の閾値はステップS32の閾値よりも小さい値に設定されている。それ故、ステップS30とステップS32とでは、必ず先にステップS30での判定が成立する。
【0047】
このように、トラクタに先行してトレーラについての制御開始条件が成立すると、次にステップS34に進む。このステップS34では、トレーラ車輪について目標圧を演算する。このトレーラ目標圧は、上述した減速度を得るのに必要な制動力を発生させるためのブレーキエア圧である。
【0048】
次のステップS36では、ステップS34で演算したトレーラ目標圧に従ってトレーラの制動を行う。この場合、ECU58は給気弁48を開位置に切り換える一方、圧力制御弁56を作動制御してトレーラのブレーキエア圧を目標圧に一致させる。
【0049】
図7に示されるように、上述のステップS36を実行することで、トレーラ車輪にその目標圧に応じた自動制動力B1が発生する。このとき、トラクタ1はトレーラから引き戻し力Pを受けるので、自動減速制御の開始初期のトレーラによるトラクタへの突き上げを未然に防止できると共に、その旋回姿勢を安定化できる。
【0050】
この後、ステップS32での開始判定が成立すると、ステップS38もまた並行して実行される。ステップS38では、トラクタ車輪に必要な制動力を発生させるための目標ブレーキ圧を演算する。
【0051】
そして、次のステップS40では、そのトラクタ目標圧に従って、実際にトラクタ車輪に制動力を発生させる。
【0052】
上述したステップS36及びS40が並行して実行されると、図8に示されるようにトラクタ及びトレーラ車輪にそれぞれ自動制動力B2,B1が発生して車両が自動的に減速される。この結果、車速V及び横加速度Gyが上述した許容値以下に抑えられる。
【0053】
上述した自動減速制御ルーチンを実行中、ステップS40で演算されるトラクタ目標圧は、ステップS36で演算されるトレーラ目標圧よりも小さい値に設定されるべくプログラムされている。従って、自動減速制御に伴うトラクタ車輪の自動制動力B2よりも、トレーラ車輪の自動制動力B1は大きい。これにより、自動減速制御の実行中にトレーラからトラクタへの後押し力の発生を抑制して、車両挙動を終始安定化させることができる。
【0054】
なお、図示しないがステップS36,S40を実行した後に自動減速制御の終了判定が行われる。具体的には、上述のように求めた減速度が所定の終了閾値を下回ったとき、この終了判定が成立して自動減速制御ルーチンを終了する。
【0055】
この発明の制動力制御装置は、上述した2つの実施例のみに制約されることなく、種々に変形して実施することができる。例えば、最初の実施例では閾値γ1,γ2の設定は特に限定されておらず、閾値γ1<閾値γ2の関係を保ったまま適宜に変更することができる。
【0056】
また、図3のフローにおいて、トレーラとトラクタとの間に閾値の大小差を設定してトレーラ車輪の方を先行して制動するように構成したが、ヨーレイト偏差γeが所定値以上になったときにトレーラ側を制動した後、所定設定時間経過後にトラクタ側の制動を開始するように構成してもよい。この場合も制動力Bp,Byの大小関係は上述の例と同様である。
【0057】
第2の実施例では、図6の自動減速制御においてトラクタとトレーラとの間に閾値の大小差を設定してトレーラ車輪の方を先行して制動するように構成したが、減速度が所定値以上になったときにトレーラ側を制動した後、所定設定時間経過後にトラクタ側の制動を開始するように構成してもよい。なお、この場合も制動力B1,B2の大小関係は実施例と同様である。
【0058】
また、図6においても、ステップS30及びステップS32の判定閾値はトレーラ閾値<トラクタ閾値の関係を保ったまま適宜に変更可能である。
【0059】
その他、図1のエアブレーキ系及びセンサ類の具体的な構成は種々に変更可能であることは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,2の連結車両の制動制御装置によれば、ヨー運動制御の開始から終了までの間、車両の不安定な挙動変化を抑制して、ヨー運動制御を効果的に働かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の制動制御装置を装備したトラクタの構成を示した概略図である。
【図2】図1の制動制御装置の制御概念を示したブロック構成図である。
【図3】ヨーモーメント制御ルーチンを示したフロー図である。
【図4】ヨーモーメント制御の開始に先立ち、トレーラ車輪に先行制動力を発生させたときの状態を示した図である。
【図5】図4の状態からヨーモーメント制御を開始したときの状態を示した図である。
【図6】自動減速制御ルーチンを示したフロー図である。
【図7】トレーラ側の自動減速制御を開始したときの状態を示した図である。
【図8】図7の状態からトラクタ側の自動減速制御を開始したときの状態を示した図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
14,16,18 独立ブレーキ経路(独立制動手段)
44,46,48 給気弁(独立制動手段)
52,54,56 圧力制御弁(独立制動手段)
58 ECU(制御手段)
60 操舵角センサ(走行状態検出手段)
62 車輪速センサ(走行状態検出手段)
64 ヨーレイトセンサ(走行状態検出手段)
66 前後加速度センサ(走行状態検出手段)
68 横加速度センサ(走行状態検出手段)
Claims (2)
- トラクタと、このトラクタに連結して牽引されるトレーラとを有した連結車両において、
車両の走行状態を検出し、検出信号を出力する走行状態検出手段と、
運転者による制動操作とは独立して作動し、トラクタ車輪及びトレーラ車輪にそれぞれ制動力を発生させると共に、これらトラクタ車輪及びトレーラ車輪の制動力をそれぞれ調整可能に設けられた独立制動手段と、
車両の旋回時、前記走行状態検出手段から出力される検出信号を評価し、この評価結果に基づき前記トラクタ車輪について前記独立制動手段の作動を制御して前記トラクタのヨー運動制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記ヨー運動制御の開始に先立ち前記トレーラ車輪に先行制動力を発生させ、前記ヨー運動制御を開始した後は前記先行制動力を前記ヨー運動制御に伴う前記トラクタ車輪の制動力より小さく作用させるべく前記独立制動手段の作動を制御することを特徴とする連結車両の制動制御装置。 - 前記制御手段は、前記走行状態検出手段から出力される検出信号に基づいて目標ヨーレイトを演算するとともに実ヨーレイトを検出し、前記目標ヨーレイトと前記実ヨーレイトとの偏差が第1の閾値を超えると前記トレーラ車輪に前記先行制動力を発生させるとともに、前記偏差が前記第1の閾値より大きい第2の閾値を超えると前記トラクタのヨー運動制御を開始することを特徴とする請求項1記載の連結車両の制動制御装置。
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