JP4116901B2 - バーリング性高強度薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、材質バラツキの少ない引張強度640MPa以上のバーリング性高強度薄鋼板およびその製造方法に関するものであり、特に、せん断加工端面が伸びフランジ成形される場合等の成形性指標である穴拡げ値のバラツキが少ない鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の燃費向上などのために軽量化を目的として、Al合金等の軽金属や高強度鋼板の自動車部材への適用が進められている。ただし、Al合金等の軽金属は比強度が高いという利点があるものの鋼に比較して著しく高価であるため、その適用は特殊な用途に限られている。従ってより広い範囲で自動車の軽量化を推進するためには安価な高強度鋼板の適用が強く求められている。
【0003】
一般に材料は高強度になるほど延性が低下して成形性が悪くなる。鉄鋼材料においても例外ではなく、これまでに高強度と高延性の両立の試みがなされてきた。一方、自動車の足廻り部品等に使用される材料には、これらの特性に加えて伸びフランジ性、バーリング性が求められている。しかし、高強度化に伴って伸びフランジ性、バーリング性は低下する傾向を示すばかりでなく、そのバラツキも大きくなる場合があり、伸びフランジ性、バーリング性の平均値を向上させる試み(絶対値の向上による)とともにその下限値を向上させ、バラツキを低減することも、自動車の足廻り部品等への高強度鋼板の適用にあたっては重要な検討課題である。
【0004】
伸びフランジ性またはバーリング加工性に優れた高強度熱延鋼板として、伸びフランジ性の優れた高強度熱延鋼板を、Ti,Nbを添加することにより第二相を低減し主相であるポリゴナルフェライト中にTiC,NbCを析出強化させることによって得る発明が開示されている(例えば特許文献1)。
しかし、高い伸びフランジ性を得るために面積率で85%以上のポリゴナルフェライトが必須であるが、85%以上のポリゴナルフェライトを得るためには熱間圧延後にフェライト粒の成長を促進するため長時間の保持が必要であり、操業コスト上好ましくない。
【0005】
また、Ti,Nbを添加することにより第二相を低減してミクロ組織をアシキュラーフェライトとし、TiC,NbCで析出強化することによって伸びフランジ性の優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示されている(例えば特許文献2)。
しかし、転位密度が高いミクロ組織と微細なTiC及び/又はNbCの析出によって、784.5MPa(80kgf/mm2 )で17%程度の延性しかなく、成形性が不十分である。
【0006】
また、Ti,NbをC当量以上添加しミクロ組織をフェライト単相にすると共にCuを添加し、TiC,NbCと共にε−Cuを析出させることにより、高強度化した伸びフランジ加工性の優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示されている(例えば特許文献3)。
しかし、フェライト相にε−Cuを析出させているため、延性が低下して加工性が悪くなる可能性がある。
【0007】
さらに、Ti,NbをC当量以上添加しミクロ組織をフェライト単相にすると共にNi/Cuの値を規定してフェライトをポリゴナルからベイニティックに変化させて伸びフランジ性を向上させた伸びフランジ性の優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示されている(例えば特許文献4)。
しかし、転位密度が高いミクロ組織と微細なTiC及び/又はNbCの析出によって、784.5MPa(80kgf/mm2 )で20%程度の延性しかなく、成形性が不十分である。
【0008】
また、これまでに酸化物を核としたTiの窒化物を制御することにより鋼の特性改善を目指した発明としては、船舶、海洋構造物、中高層ビルなどに使用される鋼材を対象としたものがある(例えば特許文献5)。
しかし、その目的も超大入熱溶接時の溶接熱影響部のγ粒成長抑制による靭性向上であり、本発明とは全く異なっている。
【0009】
また、穴拡げ性の改善に関しては、Tiの窒化物の核となる酸化物としてMgの酸化物を用いる発明がある(例えば特許文献6)。
しかし、Tiの窒化物の核となる酸化物として、Mgの酸化物にCaを用いる本発明と異なっている。
【0010】
さらに、これらの発明はバラツキについては何ら言及していない。しかしながら、サスペンションアーム等一部の部品用鋼板においては、伸びフランジ性、バーリング性等の加工性とともにそのバラツキが非常に重要であり、上記従来技術では満足する特性が得られない。また、例え伸びフランジ性、バーリング性とそのバラツキの低減の両立が満足されたとしても、安価に安定して製造できる製造方法を提供することが重要であり、上記従来技術では不十分であると言わざるを得ない。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−200351号公報
【特許文献2】
特開平7−011382号公報
【特許文献3】
特開平7−70696号公報
【特許文献4】
特開平8−157957号公報
【特許文献5】
特開平10−183295号公報
【特許文献6】
特開2001−342543号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、せん断加工端面が伸びフランジ成形される場合等の成形性指標である穴拡げ値のバラツキが少ない鋼板およびその製造方法に関する。すなわち本発明は、穴拡げ値のバラツキが少ない引張強度640MPa以上のバーリング性高強度薄鋼板およびその鋼板を安価に安定して製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、現在通常に採用されている製造設備により工業的規模で生産されている高強度薄鋼板の製造プロセスを念頭において、引張強度640MPa以上のバーリング性高強度薄鋼板の穴拡げ値のバラツキを改善すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、C:0.01〜0.1%、Si:0.01〜2%、Mn:0.05〜3%、P≦0.1%、S≦0.03%、Al:0.005〜0.02%、N≦0.005%、Ca:0.0005〜0.003%、Ti:0.05〜0.3%、を含み、さらにTi−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であって、そのミクロ組織が主にフェライトから成り、鋼中に含まれるTiを含む窒化物の平均円相当径が7μm以下であり、さらにTiを含む窒化物のうちその個数の3割以上にCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物を含有することが、引張強度640MPa以上のバーリング性高強度薄鋼板の穴拡げ値のバラツキ改善に非常に有効であることを新たに見出し、本発明をなしたものである。
【0014】
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 質量%にて、
C :0.01〜0.1%、 Si:0.01〜2%、
Mn:0.05〜3%、 P ≦0.1%、
S ≦0.03%、 Al:0.005〜0.02%、
N ≦0.005%、 Ca:0.0005〜0.003%、
Ti:0.05〜0.3%
を含み、さらにTi−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%、を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼板であって、そのミクロ組織がフェライト単相、もしくはフェライトと10%以下のベイナイトから成り、鋼板中に含まれるTiを含む窒化物の平均円相当径が7μm以下であり、その窒化物のうちその個数の3割以上にCaを含み、TiとAlのいずれか一種以上を含む複合酸化物を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
(2) 前記(1)に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
Nb:0.01〜0.5%、 Mo:0.05〜1%、
V :0.02〜0.2%、 Cr:0.01〜1%
を含み、さらにTi+(48/93)Nb+(48/96)Mo+(48/51)V+(48/52)Cr−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%を満たす範囲でTiとNb、Mo、V、Crのいずれか一種類以上を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
(3) 前記(1)または(2)に記載の鋼板が、さらに質量%にて、B:0.0002〜0.002%を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の鋼板が、さらに質量%にて、REM:0.0005〜0.02%を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
Cu:0.2〜1.2%、Ni:0.1〜0.6%、Zr:0.02〜0.2%
の一種または二種以上を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のバーリング性高強度薄鋼板に亜鉛めっきが施されていることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
【0015】
(7) 前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の成分を有する薄鋼板を得るための溶鋼を調整する際に、Si濃度が0.05〜0.2%、溶存酸素濃度が0.002〜0.008%になるように調整した溶鋼中に、最終含有量が0.05〜0.3%となる範囲でTiを添加して脱酸した後、最終含有量が0.005〜0.02%となるAlを添加し、さらに最終含有量が0.0005〜0.003%となるCaを添加し、その後、必要に応じて不足する合金を添加することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(8) 前記(7)で得られた溶鋼の鋳造後の鋼片を熱間圧延する際に、該鋼片を粗圧延後にAr3 変態点温度以上の温度域で仕上圧延を終了し、その後冷却して350℃以上700℃以下の温度範囲で巻き取ることを特徴とする高バーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(9) 前記(8)に記載の熱間圧延に際し、鋼片を粗圧延終了した後の粗バーを仕上げ圧延開始までの間、および/または粗バーの仕上げ圧延中に加熱することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(10) 前記(8)または(9)に記載の熱間圧延に際し、粗圧延終了後、デスケーリングを行うことを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(11) 前記(7)で得られた溶鋼の鋳造後の鋼片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延をした後、800℃以上の温度域で5〜150秒間保持し、その後平均冷却速度が50℃/秒以上の冷却速度で700℃以下の温度域まで冷却する工程の熱処理をすることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(12) 前記(8)または(9)に記載の製造方法に際し、亜鉛めっき浴中に浸漬させて鋼板表面を亜鉛めっきすることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
(13) 前記(12)に記載の製造方法に際し、亜鉛めっき浴中に浸漬して亜鉛めっき後、合金化処理することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詳細を説明する。
まず、本発明に至った経緯であるが、特許文献7に記載のごとく、ミクロ組織中の鉄炭化物を低減すると穴拡げ性が向上することが知られている。そこで、Ti,Nb等の炭化物を形成する元素を添加してミクロ組織中の鉄炭化物を低減する試みがなされている。特にTiはその原子量が小さく、炭化物形成に必要な化学量論組成を得るために他の炭化物形成元素と比較して添加量が少なくて済むだけでなく、比較的安価であるため多用される。しかし、Tiは溶鋼を鋳造する際の凝固時に窒化物として晶出し、また低温でγ相に析出するため、その添加量が多くなると10μm超のサイズのTi窒化物がミクロ組織中に多数存在することになる。
【0017】
【特許文献7】
特開平5−295485号公報
【0018】
一方、本発明者らの調査によると、Tiを添加した鋼板において、日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001−1996記載の穴拡げ試験方法に従って評価するところの穴拡げ値であるλ値が100%程度である鋼板では、そのバラツキは40〜60%であることが判明した。
ここでλ値のバラツキとは、例えば板幅900L×板長さ600Wmmから碁盤の目状に150×150mmの板を24枚切出し、前記穴拡げ試験方法に従って得られた穴拡げ率の最大値と最小値の差で表され、少なくとも12枚で穴拡げ値を評価した場合の穴拡げ率の最大値と最小値の差と定義する。
【0019】
この原因を詳細に調査したところ、個々の試験片においてλ値を決定する板厚貫通き裂の発生位置は、圧延方向に平行にき裂が発生する位置が圧倒的に多く、またこの方向はランクフォード値が最も低い位置と一致していることが判明した。さらに、この位置にき裂が発生した場合のき裂発生位置を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均値に対して低いλ値の試験片のき裂発生位置に10μm超のTiを含む窒化物がほとんど例外なく観察された。
【0020】
これらの調査結果より、き裂が発生するランクフォード値が低い位置にTiNが存在するとλ値が低下し、当該位置に10μm超のTiを含む窒化物が存在することが低いλ値が存在する(バラツキが生ずる)原因であることが強く示唆された。
実際に、本発明の要件のごとく10μm超のTiを含む窒化物の生成を抑制し、Tiを含む窒化物のサイズを小さくした鋼板においては、そのバラツキの範囲が10〜30%と半減した。このバラツキはTiを含む窒化物のサイズが小さいほど小さくなる傾向を示すが、少なくとも平均円相当径で7μm以下ならば、バラツキ低減の効果が上記方法での見積もりで30%以下程度に明確になる。
【0021】
さらに、これらTiを含む窒化物を詳細に観察した結果、その多くに核となった微細な酸化物が観察され、これらを分析するとCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物であることが判明した。従って、これら微細な複合酸化物がTiを含む窒化物の晶出もしくは析出核となり、Tiを含む窒化物が数多く微細になることが穴拡げ値の低値を改善する効果があると推察される。
【0022】
次に本発明の構成について詳しく説明する。
本発明における鋼板のミクロ組織は、優れたバーリング加工性(穴拡げ性)を確保するためにフェライト単相が望ましい。ただし、必要に応じ一部ベイナイトを含むことを許容するものである。なお、良好なバーリング加工性を確保するためには、ベイナイトの体積分率は10%以下が望ましい。ただし、不可避的なマルテンサイト、残留オーステナイトおよびパーライトを含むことを許容するものである。
【0023】
なお、ここで言うフェライトとは、ベイニティックフェライトおよびアシュキュラーフェライト組織も含む。また、良好な疲労特性を確保するためには、粗大な炭化物を含むパーライトの体積分率は5%以下が望ましい。また、良好なバーリング性(穴拡げ性)を確保するためには、残留オーステナイトおよびマルテンサイトを合わせた体積分率は5%未満が望ましい。
ここで、フェライト、ベイナイト、残留オーステナイト、パーライト、マルテンサイトの体積分率とは、鋼板板幅の1/4Wもしくは3/4W位置より切出した試料を圧延方向断面に研磨し、ナイタール試薬を用いてエッチングし、光学顕微鏡を用い200〜500倍の倍率で観察された板厚の1/4tにおけるミクロ組織の面積分率で定義される。
【0024】
一方、鋼中に含まれるTiを含む窒化物の平均円相当径は、7μm超であると穴拡げ値の低値を顕著に低下させ、そのバラツキを増大させる。従って、Tiを含む窒化物の平均円相当径は7μm以下とする。さらに、Tiを含む窒化物のサイズを小さくするためには、その析出核としてCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物があることが望ましく、その効果を得るためには少なくともTiを含む窒化物の3割以上にこれら複合酸化物が含まれることが必要であった。ただし、複合酸化物に若干のMg,Ce,Zrが含まれることは許容される。
【0025】
ここで、Tiを含む窒化物の平均円相当径とは、鋼板板幅の1/4Wもしくは3/4W位置より切出した試料を圧延方向断面に研磨し、ナイタール試薬を用いてエッチングし、光学顕微鏡を用い1000倍の倍率で観察された板厚の1/4tにおける20視野以上のミクロ組織写真から画像処理装置等より得られる値を採用し、その平均値と定義される。
【0026】
また、Tiを含む窒化物の核となるCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物の割合は、上記ミクロ写真で観察されたTiを含む窒化物のうち核となる複合酸化物を含むものの割合で、(核となる複合酸化物を含むTiを含む窒化物の個数)/(観察されたTiを含む窒化物の総数)と定義される。さらに、その核の複合酸化物組成の特定は各視野で1個以上を分析することとし、走査型電子顕微鏡に付加されているエネルギー分散型X線分光(Energy Dispersive X-ray Spectroscope:EDS)や、電子エネルギー損失分光(Electron Energy Loss Spectroscope :EELS)にて確認した。
【0027】
続いて、本発明の化学成分の限定理由について説明する。
Cは、0.1%超含有していると加工性及び溶接性が劣化するので、0.1%以下とする。また0.01%未満であると強度が低下するので、0.01%以上とする。
【0028】
Siは、予備脱酸に必要な元素であると共に固溶強化元素として強度上昇に有効である。所望の強度を得るためには0.01%以上含有する必要がある。しかし、2%超含有すると加工性が劣化する。そこでSiの含有量は0.01%以上、2%以下とする。
【0029】
Mnは、固溶強化元素として強度上昇に有効である。所望の強度を得るためには0.05%以上必要である。また、Mn以外にSによる熱間割れの発生を抑制するTiなどの元素が十分に添加されない場合には、質量%でMn/S≧20となるMn量を添加することが望ましい。一方、3%超添加するとスラブ割れを生ずるため、3%以下とする。
【0030】
Pは、不純物であり低いほど望ましく、0.1%超含有すると加工性や溶接性に悪影響を及ぼすと共に疲労特性も低下させるので、0.1%以下とする。
【0031】
Sは、多すぎると熱間圧延時の割れを引き起こすので極力低減させるべきであるが、0.03%以下ならば許容できる範囲である。
【0032】
Alは、溶鋼脱酸時に微細な酸化物を多数分散させるために必要な元素であり、その効果を得るためには0.005%以上添加する。一方、過剰に添加するとその効果が失われるため、その上限を0.02%とする。
【0033】
Nは、Cよりも高温にてTiおよびNbと析出物を形成し、Cを固定するのに有効なTi及びNbを減少させるばかりでなく、穴拡げ値のバラツキを増大させる大きなサイズのTi窒化物を形成する。従って極力低減させるべきであるが、0.005%以下ならば許容できる範囲である。
【0034】
Caは、溶鋼脱酸時に微細な酸化物を多数分散させるために必要な元素であり、その効果を得るためには0.0005%以上添加する。一方、0.003%超添加してもその効果が飽和するので、その上限を0.003%とする。
【0035】
Tiは、本発明における最も重要な元素の一つである。すなわち、Tiは析出強化により鋼板の強度上昇に寄与する。ただし、0.05%未満ではこの効果が不十分であり、0.3%超含有してもその効果が飽和するだけでなく合金コストの上昇を招く。従ってTiの含有量は0.05%以上、0.3%以下とする。
【0036】
さらに、バーリング加工性を劣化させるセメンタイト等の炭化物の原因となるCを析出固定し、バーリング加工性の向上に寄与するためには、Ti−(48/12)C≧0であることが望ましいが、SおよびNはCよりも比較的高温域でTiと析出物を形成するので、上記条件を満たすためには必然的にTi−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧0%の条件を満たすことが望ましい。ただし、Ti−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%であれば、例えば780MPa級の鋼板であっても穴拡げ率λを70%程度確保でき、バーリング加工性がそれほど劣化せず許容できる範囲なので、本発明においてTiとC、N、Sの関係は、Ti−(48/12)C− (48/14)N−(48/32)S≧−0.03%とする。
またTiは、溶鋼脱酸時に微細な酸化物を多数分散させるために必要な元素でもあり、さらに、これら微細な酸化物を核としてTiを含む窒化物が微細に晶出または析出するため、Tiを含む窒化物の平均円相当径を小さくし、穴拡げ値のバラツキを低減する。
【0037】
Nb,Mo,V,Crは、Tiと同様に析出強化により鋼板の強度上昇に寄与し、また、結晶粒を細粒化してバーリング加工性を改善する効果もあるので、必要に応じてこれらの少なくとも1種を含有させる。ただし、それぞれ0.01%、0.05%、0.02%、0.01%未満ではこの効果が不十分であり、0.5%、1%、0.2%、1%超含有してもその効果が飽和するだけでなく合金コストの上昇を招く。
【0038】
さらに、バーリング加工性を劣化させるセメンタイト等の炭化物の原因となるCを析出固定し、バーリング加工性の向上に寄与するためには、前記と同様にTi+(48/93)Nb+(48/96)Mo+(48/51)V+(48/52)Cr−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧0%の条件を満たすことが望ましい。
ただし前記と同様に、Ti+(48/93)Nb+(48/96)Mo+(48/51)V+(48/52)Cr−(48/12)C−(48/14)N− (48/32)S≧−0.03%であれば、例えば780MPa級の鋼板であっても穴拡げ率λを70%程度確保でき、バーリング加工性がそれほど劣化せず許容できる範囲なので、本発明においてTi,Nb,Mo,V,CrとC,N,Sの関係は、Ti+(48/93)Nb+(48/96)Mo+(48/51)V+(48/52)Cr−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%とする。
【0039】
Bは、固溶C量の減少が原因と考えられるPによる粒界脆化を抑制することによって疲労限を上昇させる効果があるので、必要に応じ添加する。ただし、0.0002%未満ではその効果を得るために不十分であり、0.002%超添加するとスラブ割れが起こる。よってBの添加は、0.0002%以上、0.002%以下とする。
【0040】
REMは、破壊の起点となったり、加工性を劣化させる非金属介在物の形態を変化させて無害化する元素である。ただし、0.0005%未満添加してもその効果がなく、0.02%超添加してもその効果が飽和するので、0.0005〜0.02%添加する。
【0041】
さらに、強度を付与するために、Cu,Ni,Zrの析出強化もしくは固溶強化元素の一種または二種以上を添加してもよい。ただし、それぞれ0.2%、0.1%、0.02%未満ではその効果を得ることができない。また、それぞれ1.2%、0.6%、0.2%を超え添加してもその効果は飽和する。
【0042】
なお、これらを主成分とする鋼にSn,Co,Zn,W,Mgを合計で1%以下含有しても構わない。しかしながらSnは熱間圧延時に疵が発生する恐れがあるので、0.05%以下が望ましい。
【0043】
次に、本発明の製造方法の限定理由について、以下に詳細に述べる。
本発明は、鋳造後、熱間圧延後冷却ままもしくは、熱間圧延後冷却・酸洗し冷延した後に熱処理、あるいは熱延鋼板もしくは冷延鋼板を溶融めっきラインにて熱処理を施したまま、更にはこれらの鋼板に別途表面処理を施すことによっても得られる。
【0044】
本発明において熱間圧延に先行する製造方法のうち、鋼成分を調整する溶製工程以外は特に限定するものではない。すなわち、高炉や電炉等による溶製に引き続き各種の2次製錬で目的の成分含有量になるように、後述する方法で成分調整を行い、次いで通常の連続鋳造、インゴット法による鋳造の他、薄スラブ鋳造などの方法で鋳造すればよい。原料にはスクラップを使用しても構わない。連続鋳造よって得たスラブの場合には、高温鋳片のまま熱間圧延機に直送してもよいし、室温まで冷却後に加熱炉にて再加熱した後に熱間圧延してもよい。
【0045】
溶製工程は本発明の最も重要な製造工程の一つである。すなわち、目的とする組成及び大きさのTiを含む窒化物を得るためには、脱酸工程で鋼中にCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物を微細に分散させる必要がある。これは、脱酸工程で強脱酸元素を逐次添加することで初めて実現できる。
【0046】
弱強逐次脱酸とは、弱脱酸元素酸化物が存在する溶鋼へ強脱酸元素を添加することで弱脱酸元素酸化物が還元され、遅い供給速度かつ、過飽和度が小さい状態で酸素が放出されると添加された強脱酸元素から生成する酸化物は微細になるという現象を適用したもので、弱脱酸元素であるSiから順次Ti、Al、強脱酸元素であるCaと段階的に脱酸元素を添加することで、これらの効果を最大限に発揮させる脱酸方法である。以下に順を追って説明する。
【0047】
まず、脱酸処理を行う前にTiよりも弱脱酸元素であるSi量を調整して、Si量と平衡する溶存酸素濃度を0.002〜0.008%とする。この溶存酸素濃度が0.002%未満では、最終的にTiを含む窒化物のサイズを小さくするのに十分な量のCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物が得られない。一方、0.008%超では、生成した複合酸化物が粗大化してTiを含む窒化物のサイズを小さくする効果が失われる。
また、脱酸処理を行う前段階において溶存酸素濃度を安定的に調整するためには、Siの添加が必要であり、Si濃度が0.05%未満ではSiと平衡する溶存酸素濃度が0.008%超となり、0.2%超ではSiと平衡する溶存酸素濃度が0.002%未満となる、従って、脱酸処理を行う前段階でのSi濃度は0.002%以上、0.008%以下とする。
【0048】
次に、この溶存酸素濃度の状態で最終含有量が0.05〜0.3%となる範囲でTiを添加して脱酸した後、直ちに最終含有量が0.005〜0.02%となるAlを添加する。このときTi投入後時間の経過と共に生成したTi酸化物は成長、凝集粗大化して浮上してしまうので、Alの投入は直ちに行う。ただし、5分以内であればTi酸化物の浮上がそれほど顕著ではないので、Alの投入はTi投入後5分以内が望ましい。また、Alの投入量が最終含有量0.005%未満になるような量であると、Ti酸化物は成長、凝集粗大化して浮上してしまう。一方、Alの投入量が最終含有量0.02%超になるような量であると、Ti酸化物が完全に還元されてしまい、最終的にCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物が十分に得られない。
【0049】
続いて、Ti,Alより更に強脱酸元素であるCaを最終含有量が0.0005〜0.003%となるように望ましくは5分以内に投入する。ただしその後、必要に応じて、これら元素およびこれら以外の元素を加えてもよい。ここでCaの投入量が最終含有量0.0005%未満になるような量であると、Caを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物が十分に得られない。0.003%超になるように添加しても効果が飽和する。
【0050】
続いて、熱間圧延工程以降であるが、再加熱温度については特に制限はないが、1400℃以上であると、スケールオフ量が多量になり歩留まりが低下するので、再加熱温度は1400℃未満が望ましい。また、1000℃未満の加熱はスケジュール上操業効率を著しく損なうため、再加熱温度は1000℃以上が望ましい。さらには、1100℃未満での加熱はTiおよび/またはNbを含む析出物がスラブ中で再溶解せず粗大化し析出強化能を失うばかりでなく、バーリング加工性にとって望ましいサイズと分布のTiおよび/またはNbを含む析出物が析出しなくなるので、再加熱温度は1100℃以上が望ましい。
【0051】
粗圧延終了から後の粗バーを仕上げ圧延開始までの間、および/または粗バーの仕上げ圧延中に加熱は必要に応じて行う。特に本発明のうちでも優れた破断延びを安定して得るためには、MnS等の微細析出を抑制することが有効である。通常、MnS等の析出物は1250℃程度のスラブ再加熱で再固溶が起こり、後の熱間圧延中に微細析出する。従って、スラブ再加熱温度を1150℃程度に制御しMnS等の再固溶を抑制できれば延性を改善できる。
ただし、スラブ再加熱温度が1150℃程度になると圧延終了温度がAr3 未満となる場合があり、圧延終了温度を本発明の範囲にするためには、粗圧延終了から仕上圧延開始までの間および/または仕上げ圧延中での粗バーまたは圧延材の加熱が有効な手段となる。
【0052】
粗圧延終了と仕上げ圧延開始の間にデスケーリングを行う場合は、鋼板表面での高圧水の衝突圧P(MPa)×流量L(リットル/cm2 )≧0.0025の条件を満たすことが望ましい。
鋼板表面での高圧水の衝突圧Pは以下のように記述される(「鉄と鋼」1991,vol.77,No.9,p1450参照)。
P(MPa)=5.64×Po ×V/H2
ただし、
Po (MPa):液圧力
V(リットル/min):ノズル流液量
H(cm):鋼板表面とノズル間の距離
【0053】
流量Lは以下のように記述される。
L(リットル/cm2 )=V/(W×v)
ただし、
V(リットル/min):ノズル流液量
W(cm):ノズル当たり噴射液が鋼板表面に当たっている幅
v(cm/min):通板速度
衝突圧P×流量Lの上限は、本発明の効果を得るためには特に定める必要はないが、ノズル流液量を増加させるとノズルの摩耗が激しくなる等の不都合が生じるため、0.02以下とすることが望ましい。
【0054】
さらに、仕上げ圧延後の鋼板表面の最大高さRyがJIS B 0601で定義するところの15μm(最大高さ15μm,基準長さ2.5mm,評価長さ12.5mm)以下であることが望ましい。これは、例えば「金属材料疲労設計便覧」、日本材料学会編、84頁に記載されている通り、熱延または酸洗ままの鋼板の疲労強度は鋼板表面の最大高さRyと相関があることから明らかである。またその後の仕上げ圧延は、デスケーリング後に再びスケールが生成してしまうのを防ぐために5秒以内に行うのが望ましい。
また、粗圧延後またはそれに続くデスケーリング後にシートバーを接合し、連続的に仕上げ圧延をしてもよい。その際に粗バーを一旦コイル状に巻き、必要に応じて保温機能を有するカバーに格納し、再度巻き戻してから接合を行ってもよい。
【0055】
仕上げ圧延は、熱延鋼板として最終製品にする場合においては、その仕上げ圧延をAr3 変態点温度以上の温度域で終了する必要がある。ここでAr3 変態点温度とは、例えば以下の計算式により鋼成分との関係で簡易的に示される。すなわち、
Ar3 =910−310×%C+25×%Si−80×%Mn
熱間圧延中に圧延温度がAr3 変態点を切ると、ひずみが残留して延性が低下するためである。仕上げ温度の上限は、本発明の効果を得るためには特に定める必要はないが、操業上スケール疵が発生する可能性があるため、1000℃以下とすることが望ましい。
【0056】
本発明において仕上圧延を終了した後、所定の巻取温度(CT)で巻取るまでの工程については特に定めないが、バーリング性をそれほど劣化させずに延性との両立を目指す場合は、Ar3 変態点からAr1 変態点までの温度域(フェライトとオーステナイトの二相域)で1〜20秒間滞留させてもよい。ここでの滞留は、二相域でフェライト変態を促進させるために行うが、1秒未満では、二相域におけるフェライト変態が不十分なため、十分な延性が得られず、20秒超では、Tiおよび/またはNbを含む析出物のサイズが粗大化し、析出強化による強度上昇に寄与しなくなる恐れがある。
また、1〜20秒間の滞留をさせる温度域は、フェライト変態を容易に促進させるためにはAr1 変態点以上860℃以下が望ましい。さらに、1〜20秒間の滞留時間は生産性を極端に低下させないためには、1〜10秒間とすることが望ましい。
【0057】
また、これらの条件を満たすためには、仕上げ圧延終了後20℃/s以上の冷却速度で当該温度域に迅速に到達させることが必要である。冷却速度の上限は特に定めないが、冷却設備の能力上300℃/s以下が妥当な冷却速度である。さらに、あまりにもこの冷却速度が早いと冷却終了温度を制御できず、オーバーシュートしてAr1 変態点以下まで過冷却されてしまう可能性があり、延性改善の効果が失われるので、ここでの冷却速度は150℃/s以下が望ましい。
【0058】
次に、その温度域から所定の巻取温度(CT)まで冷却するが、その冷却速度は本発明の効果を得るためには特に定める必要はない。ただし冷却速度があまりに遅いと、Tiおよび/またはNbを含む析出物のサイズが粗大化し、析出強化による強度上昇に寄与しなくなる恐れがあるので、冷却速度の下限は20℃/s以上が望ましい。また、巻取温度までの冷却速度の上限は特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、熱ひずみによる板そりが懸念されることから、300℃/s以下とすることが望ましい。
【0059】
次に巻取温度が350℃未満では、十分なTiおよび/またはNbを含む析出物が生じなくなり、鋼中に固溶Cが残留して加工性を低下させる恐れがあり、700℃超ではTiおよび/またはNbを含む析出物のサイズが粗大化し、析出強化による強度上昇に寄与しなくなるばかりでなく、析出物が大きすぎると析出物と母相の界面にボイドが生じやすくなり、穴拡性が低下する恐れがある。従って巻取温度は350〜700℃とする。
【0060】
さらに、巻取り後の冷却速度は特に限定しないが、Cuを1%以上添加した場合、巻取温度(CT)が450℃超であると、巻取り後にCuが析出して加工性が劣化するばかりでなく、疲労特性向上に有効な固溶状態のCuが失われる恐れがあるので、巻取温度(CT)が450℃超の場合、巻取り後の冷却速度は200℃までを30℃/s以上とすることが望ましい。
【0061】
熱間圧延工程終了後は必要に応じて酸洗し、その後インラインまたはオフラインで圧下率10%以下のスキンパスまたは圧下率40%程度までの冷間圧延を施しても構わない。
【0062】
次に、冷延鋼板として最終製品にする場合であるが、熱間での仕上げ圧延条件は特に限定しない。また、仕上げ圧延の最終パス温度(FT)はAr3 変態点温度未満で終了しても差し支えないが、その場合は、圧延前もしくは圧延中に強い加工組織が残留するため、続く巻取処理または加熱処理により回復、再結晶させることが望ましい。続く酸洗後の冷間圧延工程は特に限定することなく本発明の効果が得られる。
【0063】
この様に冷間圧延された鋼板の熱処理は連続焼鈍工程を前提としている。まず、800℃以上の温度域で5〜150秒間行う。この熱処理温度が800℃未満の場合には、冷間圧延で加工されたフェライト相の再結晶が不十分であるばかりでなく、後の冷却においてバーリング加工性にとって好ましいベイニティックなフェライト,またはフェライトおよびベイナイトが得られない懸念があるので、熱処理温度は800℃以上とする。また、熱処理温度の上限は特に定めないが、連続焼鈍設備の制約上実質的に900℃以下である。
【0064】
一方、この温度域での保持時間は、5秒未満では、TiおよびNbの炭窒化物が再固溶するのに不十分であり、150秒超の熱処理を行ってもその効果が飽和するばかりでなく生産性を低下させるので、保持時間は5〜150秒間とする。
【0065】
次に冷却終了までの平均冷却速度であるが、50℃/秒以上が必要である。これは冷却終了までの平均冷却速度が50℃/秒未満であると、バーリング加工性にとって好ましいベイニティックなフェライト、またはフェライトおよびベイナイトの体積分率が減少する恐れがあるからである。また冷却速度の上限は、実際の工場設備能力等を考慮すると200℃/秒以下である。
【0066】
冷却終了温度は700℃以下の温度域であることが必要であるが、連続焼鈍設備を用いる場合、冷却終了温度が550℃超になることは通常はないので、特に配慮する必要はない。また冷却終了温度の下限は、本発明の効果を得るためには特に定める必要はない。
さらにその後、必要に応じてスキンパス圧延を施してもよい。
【0067】
酸洗後の熱延鋼板、もしくは上記の熱処理工程終了後の冷延鋼板に亜鉛めっきを施すためには、亜鉛めっき浴中に浸漬し、必要に応じて合金化処理してもよい。
【0068】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
表1に示す化学成分を有するA〜Nの鋼は、転炉にて溶製して、CASまたはRHで二次精錬を実施した。脱酸処理は二次精錬工程にて実施し、表2に示すようにTi投入前に溶鋼の溶存酸素をSi濃度にて調整し、その後、表2に示すようにTi,Al,Caにて逐次脱酸を行った。これらの鋼は、連続鋳造後、表2に示す加熱温度で再加熱し、粗圧延に続く仕上げ圧延で1.2〜5.5mmの板厚にした後に巻き取った。
粗バーについては、FTがAr3 変態点を切らないように、粗圧延終了から仕上げ圧延中までの間で50〜100℃昇温するように加熱した(表中のバーヒータ適用)。表1中の化学組成についての表示は質量%である。なお、表2に示すように一部については熱間圧延工程後、酸洗、冷延、熱処理を行った。板厚は0.7〜2.3mmである。一方、上記鋼板のうち鋼E−5および鋼Iについては、亜鉛めっきを施した。
【0069】
製造条件の詳細を表2に示す。ここで、「SRT」はスラブ加熱温度、「FT」は最終パス仕上げ圧延温度、「冷却速度」とは、仕上げ圧延後の冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度、「冷却終了温度」とは前記冷却停止での温度、「CT」は巻き取り温度である。ただし、後に冷延工程にて圧延を行う場合はこのような制限の限りではないので「―」とした。
【0070】
このようにして得られた熱延板の引張試験は、供試材を、まずJIS Z 2201記載の5号試験片に加工し、JIS Z 2241記載の試験方法に従って行った。表2に降伏強度(YP)、引張強度(TS)、破断伸び(El)を併せて示す。一方、バーリング加工性(穴拡げ性)については、日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001−1996記載の穴拡げ試験方法に従って評価した。
表2に穴拡げ率(λ)を示す。穴拡げ率のバラツキ(Δλ)とは、例えば板幅900×板長さ600mmから碁盤の目状に150×150mmの板を24枚切出し、前記日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001−1996記載の穴拡げ試験方法に従って得られた穴拡げ率の最大値と最小値の差と定義する。
【0071】
Tiを含む窒化物の平均円相当径とは、鋼板板幅の1/4Wもしくは3/4W位置より切出した試料を圧延方向断面に研磨し、ナイタール試薬を用いてエッチングし、光学顕微鏡を用い1000倍の倍率で観察された板厚の1/4tにおける20視野以上のミクロ組織写真から画像処理装置等より得られる値を採用し、その平均値と定義される。
【0072】
Tiを含む窒化物の核となるCaを含み、TiとAlのいずれか一種類以上を含む複合酸化物の割合は、上記ミクロ写真で観察されたTiを含む窒化物のうち核となる複合酸化物を含むものの割合で、(核となる複合酸化物を含むTiを含む窒化物の個数)/(観察されたTiを含む窒化物の総数)と定義される。
さらに、その核の複合酸化物組成の特定は各視野で1個以上を分析することとし、走査型電子顕微鏡に付加されているエネルギー分散型X線分光(Energy Dispersive X-ray Spectroscope:EDS)や、電子エネルギー損失分光(Electron Energy Loss Spectroscope :EELS)にて確認した。
【0073】
本発明に沿うものは、鋼A、E−1、E−4、F、I、J、K、L、Mの9鋼であり、所定の量の鋼成分を含有し、鋼中に含まれるTiを含む窒化物の平均円相当径が7μm以下であることを特徴とするバーリング性高強度鋼板が得られている。従って、本発明記載の方法によって評価した従来鋼の穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が40%以上であるのに対して有意差が認められる。
【0074】
上記以外の鋼は、以下の理由によって本発明の範囲外である。
すなわち、鋼Bは、溶製工程においてTi脱酸後のAlを投入するまでの時間が長くTi窒化物径が7μm超となり、穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が大きい。鋼Cは、溶製工程においてTi投入前の溶存酸素量が小さくTi窒化物径7μm超となり、穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が大きい。鋼Dは、溶製工程において逐次脱酸元素の投入順序が本発明の範囲外であり、Ti窒化物径7μm超となるので、穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が大きい。
【0075】
鋼E−2は、仕上圧延終了温度が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、十分な伸び(El)が得られていない。鋼E−3は、巻き取り温度が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、十分な強度(TS)が得られていない。鋼Gは、Al含有量が本発明の範囲外であるので、穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が大きい。鋼Hは、Ca含有量が本発明の範囲外であるので、穴拡げ率(λ)のバラツキ(Δλ)が大きい。鋼Nは、Ti*が本発明の範囲外であるので、所要の穴拡げ率(λ)が得られていない。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、穴拡げ値のバラツキが少ないバーリング性高強度薄鋼板およびその製造方法に関するものであり、これらの高強度薄鋼板を用いることにより、プレス加工時の割れ等の成形不良が回避できるばかりでなく、歩留を向上させることもできるため、工業的価値が高い発明である。
Claims (13)
- 質量%にて、
C :0.01〜0.1%、
Si:0.01〜2%、
Mn:0.05〜3%、
P ≦0.1%、
S ≦0.03%、
Al:0.005〜0.02%、
N ≦0.005%、
Ca:0.0005〜0.003%、
Ti:0.05〜0.3%
を含み、さらに
Ti−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%を満たす範囲でTiを含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼板であって、そのミクロ組織がフェライト単相、もしくはフェライトと10%以下のベイナイトから成り、鋼板中に含まれるTiを含む窒化物の平均円相当径が7μm以下であり、その窒化物のうちその個数の3割以上にCaを含み、TiとAlのいずれか一種以上を含む複合酸化物を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。 - 請求項1に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
Nb:0.01〜0.5%、
Mo:0.05〜1%、
V :0.02〜0.2%、
Cr:0.01〜1%
を含み、さらに
Ti+(48/93)Nb+(48/96)Mo+(48/51)V+48/52)Cr−(48/12)C−(48/14)N−(48/32)S≧−0.03%
を満たす範囲でTiとNb、Mo、V、Crのいずれか一種類以上を含有する鋼板であることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。 - 請求項1または2に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
B:0.0002〜0.002%
を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
REM:0.0005〜0.02%
を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼板が、さらに質量%にて、
Cu:0.2〜1.2%、
Ni:0.1〜0.6%、
Zr:0.02〜0.2%
の一種または二種以上を含有することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼板に亜鉛めっきが施されていることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分を有する薄鋼板を得るための溶鋼を調整する際に、Si濃度が0.05〜0.2%、溶存酸素濃度が0.002〜0.008%になるように調整した溶鋼中に、最終含有量が0.05〜0.3%となる範囲でTiを添加して脱酸した後、最終含有量が0.005〜0.02%となるAlを添加し、さらに最終含有量が0.0005〜0.003%となるCaを添加し、その後、不足する合金を添加することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項7で得られた溶鋼の鋳造後の鋼片を熱間圧延する際に、該鋼片を粗圧延後にAr3 変態点温度以上の温度域で仕上圧延を終了し、その後冷却して350℃以上700℃以下の温度範囲で巻き取ることを特徴とする高バーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項8に記載の熱間圧延に際し、鋼片を粗圧延終了した後の粗バーを仕上げ圧延開始までと、粗バーの仕上げ圧延中のいずれか一方または両方の間に加熱することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項8または9に記載の熱間圧延に際し、粗圧延終了後、デスケーリングを行うことを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項7で得られた溶鋼の鋳造後の鋼片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延をした後、800℃以上の温度域で5〜150秒間保持し、その後平均冷却速度が50℃/秒以上の冷却速度で700℃以下の温度域まで冷却する工程の熱処理をすることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項8または9に記載の製造方法に際し、亜鉛めっき浴中に浸漬させて鋼板表面を亜鉛めっきすることを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
- 請求項12に記載の製造方法に際し、亜鉛めっき浴中に浸漬して亜鉛めっき後、合金化処理することを特徴とするバーリング性高強度薄鋼板の製造方法。
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