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JP4115575B2 - 活性化陰極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換膜法クロルアルカリ電解に使用して低い過電圧を有する活性化陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン交換膜法食塩電解プロセスにおいては、そのエネルギー消費の削減が最も大きな問題である。その構成要因としての陰極並びに陽極の過電圧は全くの無駄であり、他の要因が構造その他から避けがたいものであるのに対して、これは電極の選択により減らすことの出来る要因であり、その削減は可能なものとして種々検討されている。
陽極に関して言えば、いわゆるDSEなる白金族金属酸化物系の被覆を有する不溶性金属電極によって、過電圧が50mV以下まで削減することが出来、これ以上はほぼ望めないレベルに到達している。一方、陰極に関しては、従来から使われていた軟鋼やニッケル又はステンレススチールが300〜400mV程度の過電圧を有するために、この表面を活性化することが行われ多くの特許が出願されている。
【0003】
つまり、通常の陰極は軟鋼やステンレススチール又はニッケルがそのままであるが、この表面を拡大し、又は活性な金属表面で覆うために、ラネーニッケルのような活性金属被覆を電気メッキ法で行ったり、又は大表面積を有するようにプラズマ溶射法で金属を溶射したりしている。また金属や活性炭を懸濁メッキする事により表面を荒らして大表面積を得ることが行われている。これらは大表面積化によって有効表面積が元のものの数百倍〜数万倍に出来、水素発生電極(陰極)としての過電圧が200mV以上下げられ、実質的に150〜200mVにまで下げることが可能となっており、実用化されている。
しかしながら、これらの陰極の表面は、大表面積を与えるためにかなり荒れたものとなっており、表面の状態はヤスリ状となっていると考えて良い。これはイオン交換膜と陰極が直接触れないいわゆるギャップセルとかナロウギャップセルでは問題点は少ないが、イオン交換膜が直接陰極に密着し又は接触している、いわゆるゼロギャップ型のセルでは、樹脂製のイオン交換膜がこの陰極と接触することにより、すれて穴が空いてしまうという問題点を持っていた。
【0004】
一方、陰極物質を選択することにより、陰極物質の電極触媒作用を利用して過電圧を小さくすることが行われており、この方法では電極表面積を大きくする必要がないので、なめらかな表面を有している。
代表的には触媒物質である酸化ルテニウムの微粒をニッケルメッキ浴に懸濁してメッキすることにより、ニッケル中に酸化ルテニウムを含ませた電極が知られており、やはり100〜250mV程度の小さい過電圧を得ている。白金や白金族金属合金の無電解メッキによる電極も知られている。また錫とニッケルの合金をメッキする方法も行われている。
【0005】
これらの電極では、ゼロギャップ型電解セルでも電極表面が平滑であるので、イオン交換膜へのダメージはほとんど起こらない。しかしながら、このような電極を使った電解セルでも安定して電解を行っているときは問題ないが、事故や停電で電解が急に停止した場合、通常は整流器を通じて電気的に陰極陽極が接続されているために、電解生成物の逆分解による逆電流が流れる。これにより陰極成分である金属の部分溶出が起こるなど表面状態が変わるせいか、陰極としての活性が劣化することがある。特にゼロギャップ電解セルの場合は、部分的に溶出したニッケル成分が接触しているイオン交換膜の中に析出することにより、陰極ばかりではなくイオン交換膜をも被毒してしまうことが起こる。
【0006】
この逆電流を防げないまでも、ニッケルの溶出を実質的に防いで、ゼロギャップセルの場合にもイオン交換膜のダメージを少なくするために、ニッケル合金被覆の手段が知られている。例えば、上述したニッケル錫合金メッキはその代表である。これによって、錫が選択的に溶出するためにイオン交換膜のダメージはある程度防げるが、電極の活性の面からは徐々に劣化していくという問題点がある。このような特性を有する電極としてニッケルマンガン合金メッキなどもある。しかしながら、ニッケル金属が表面に出ていることは、長期間の電解においてはやはりニッケル金属の溶出によるイオン交換膜の劣化は避けられなかった。
【0007】
逆電流自体を防止する、又は電極物質の腐食を防止して被毒を防止するために、水素吸蔵合金を電極中に分散したものが提案されている。これにより表面粗度が大きくなりゼロギャップ電解セル用としては場合により問題が出るが、電源停止の場合は、この水素吸蔵金属が働いて電位をゼロ近傍に保持するために、電極自身は保護されるという特徴がある。
これの製法としては、例えば水素吸蔵金属微粉を懸濁メッキすることによっているが、このための条件の設定が困難であるとか、活性化のための触媒物質の担持とは別に、水素吸蔵金属を形成しなければならないと言うわずらわしさがある。本発明者等は、予めニッケル基材表面上に金属水素化物懸濁メッキを行い、その表面にさらに酸化ルテニウム懸濁メッキを行うことによって極めて安定な活性化陰極を得ているが、操作が二重になると言う問題点とともに、条件の設定が比較的複雑な電着を行わなければならないと言うわずらわしさを持っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、新設の電解工場では問題ないが、イオン交換膜法電解は最も進んだ方法であるため、水銀法電解からの置き換えが行われることが多く、この場合には供給塩水中に微量ではあるが水銀が含まれることがある。この水銀はイオン交換膜を通って陰極室に達し、陰極に害を与えることが知られている。大表面積を有する従来型の活性化陰極では比較的害は少ないが、触媒型の活性化陰極の場合には容易に被毒してしまうという問題点があった。
本発明は、叙上の問題点を解決するためになされたもので、特に電解液中の水銀による被毒を少なくした陰極を提供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ニッケルを基材とし、その表面に酸化ルテニウムを分散したニッケルの電着層を有し、更にその表面に主としてルチル型酸化チタンからなる導電性酸化物で覆ったイオン交換膜法クロルアルカリ電解用活性化陰極であり、これにより特にイオン交換膜法クロルアルカリ電解において、イオン交換膜と該陰極とが接触している場合に、通常電解時において極めて小さい過電圧を示すと共に、電解液中の水銀による被毒を小さくして、水銀法電解からイオン交換膜電解法への転換に特に優れた特性を示し、安定した電解が継続できる耐久性の優れた活性化陰極である。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の手段により前記の課題を解決した。
(1)ニッケルを基材とし、その表面に酸化ルテニウムを分散したニッケルの電着層を有し、更にその表面にルチル型酸化チタンを80重量%以上、酸化ルテニウムを20重量%以下含有する導電性酸化物層を形成したことを特徴とするイオン交換膜法クロルアルカリ電解用活性化陰極。
(2)ニッケルを基材とし、その表面に希土類金属とニッケルからなる合金層を設け、更に該合金層表面に酸化ルテニウムを分散したニッケルの電着層を設け、更に該電着層表面にルチル型酸化チタンを80重量%以上、酸化ルテニウムを20重量%以下含有する導電性酸化物層を形成したことを特徴とするイオン交換膜法クロルアルカリ電解用活性化陰極。
以下において、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、イオン交換膜法クロルアルカリ電解におけるイオン交換膜と接触して使われる陰極においては、以下の事実のあることが分かり、又は推定してそれらの対策を施すことによってなされたものである。
▲1▼ 酸化ルテニウムが活性化陰極の電極物質として有効であること。
▲2▼ 酸化ルテニウムをニッケル中に分散した電極は優れた特性を示すこと。
▲3▼ 但し水銀による被毒に比較的弱いこと。
▲4▼ 表面を導電性酸化チタンで覆うことにより水銀による被毒がほとんど起こらなくなること。
▲5▼ 酸化チタンの存在状態はルチル型が安定であること。そのためにはわずかな酸化ルテニウムを酸化チタンに入れることが最適であること。
【0012】
▲6▼ 酸化チタン被覆を形成しても陰極としての特性はほとんど変化しないこと。
▲7▼ イオン交換膜と接触させて使用してもイオン交換膜に対するニッケルの溶出による被毒がほとんど起こらないらしいこと。
▲8▼ 希土類金属とニッケルとの合金がある程度の水素吸蔵機能を有するために通常の電解時に水素の吸蔵を行い、これが電流遮断時に水素の放出を行うことによって逆電流を防ぐらしいこと。
▲9▼ ある程度陰極として働いているルチル型の酸化チタンは、陰分極時には高濃度の苛性ソーダ中でも安定であること、また電流遮断時に逆電流が流れるための陽極としては抵抗作用を示し、電流の流れを減衰又は遮断する働きのあること。
などを見いだしそれに対応できる電極を形成するために検討した結果、本発明に至ったものである。
【0013】
つまりこれらを達成するために、まず基材であるニッケルの表面に、主として酸化ルテニウムからなる粉末を懸濁したニッケルめっき液を使用して、分散めっき手法により酸化ルテニウムを金属ニッケルと共にニッケル基材表面に電着する。
なお、基材形状については特には指定されず、目的によって選択する。穴あき板、エクスパンドメッシュ、ニッケル線を編んで作ったいわゆるウブンメッシュなどが好んで用いられる。酸化ルテニウム粉末は、電極触媒として十分な活性があれば特には製作条件は指定されないが、塩化ルテニウム酸の塩酸又はアルコール溶液を室温で又は110℃以下の温度で乾燥した後、空気中又は酸化雰囲気中で350℃ないし600℃で30分から10時間熱分解することにより得る。このとき、溶液中に塩化チタンやブチルチタネートを20%以下加えることにより、酸化ルテニウムを酸化チタンとの複合酸化物とすることもできる。これによって電極としての特性はほとんど同じでより安定化したものとすることが出来ると共に、表面に形成する酸化チタン層との付着性を増すことが出来るようになる。
【0014】
電着条件は特に指定されず、いわゆるワット浴と呼ばれる硫酸ニッケルと塩化ニッケルの混合水溶液をめっき液として、基材であるニッケルを陰極として電着すればよい。電着液としてはこのほかに、塩化ニッケル水溶液を使うこともできる。この場合は析出したニッケル表面がわずかではあるが荒れるので、表面積の拡大効果が期待できる。酸化ルテニウムの分散量は特には指定されないが、電解液に対して0.5〜5%程度が適当である。これにより液の撹拌の程度にもよるが、電着層に5〜40%の酸化ルテニウムを含有する触媒層が形成される。
めっき層の厚さは、特には指定されないが、酸化ルテニウム量として3〜15g/m程度が望ましく、これに対するニッケル目付量としては5〜20μm程度が望ましい。めっき条件は、通常の推奨される条件で良く、たとえばワット浴を用いた場合、めっき浴は十分に酸化ルテニウム粒子が分散するように撹拌をしながら、温度40℃程度で電流密度5〜20A/dm程度で電気めっきを行う。なお、塩化ニッケルのみの溶液とした場合も、ニッケルとして10〜50g/リットルとした塩化ニッケル浴を用い、温度、電流密度はワット浴とほぼ同じ条件で行えばよい。
【0015】
いずれの電解浴の場合も、通常のめっきで用いる光沢材となる添加剤は用いても良いが、わずかでも大表面積を得るために、また表面層である酸化チタン層との付着性を向上させるために、めっき表面に微少な凹凸を有していることが望ましく、そのためには添加剤は用いなくても良い。
次に、このめっき表面に酸化チタンを主とする熱分解酸化物層を形成する。多孔性の、主としてルチル型である安定な酸化チタン層を形成することにより、物理強度を保持することが出来る。この酸化チタンにはルテニウムを複合酸化物化することにより、電流遮断時には比較的高い過電圧を有する陽極になる様にする。
形成条件は、特には指定されないが、ある程度多孔性でなければならず、このためにはチタン原料としてブチルチタネートを、またルテニウム原料としては塩化ルテニウム酸や塩化ルテニウムを用い、これらをブチルアルコール液に溶解して塗布液とすることが望ましい。塩化チタンを使用することもできるが、この場合も溶媒としてはイソプロピルアルコールやブチルアルコールを加える。
【0016】
この溶液を任意の方法で分散めっきを行った表面上に塗布し、熱分解を行う。熱分解条件は、空気などの酸化性雰囲気中350〜500℃で10分〜15分である。この塗布・熱分解の工程を繰り返して所望の厚さの酸化チタン層を得る。なお、塩化ルテニウムを加えるのは、これによって熱分解によって生成する酸化チタンがルチル型主体になること、また安定な保護層として働かせるためである。ルテニウムの量比は、酸化物として5〜20%含むことが望ましく、特に7〜10%が望ましい。5%以下では酸化チタンの主体がアナターゼ型となり、本目的のような強アルカリ中では安定でなくなる。
この酸化チタン層の厚さについても特には限定されないが、通常は1〜5μmであり、塗布・熱分解を2〜5回繰り返すことによって得られる。なお溶媒にアルコールを加えるのは熱分解時にアルコールの揮散により多孔性を確保するためであり、これにより適度な多孔性が確保できる。但し塗布・熱分解の繰り返し回数があまり大きくなると多孔性が阻害されるので、塗布・熱分解は最大でも5回程度が望ましい。
【0017】
この様にして実質的に表面が安定な酸化物で覆われ、電極物質として酸化ルテニウムを主体とする被覆を有する活性化陰極が製造される。この物を水銀中に浸漬しても、表面にアマルガムの生成はなく、また電極としての特性は変化のないことが確かめられている。
これだけで十分に耐水銀性の目的は達成できるが、陰極としてはしかも高濃度苛性アルカリ中で使用し、しかも電流遮断により逆電流が流れる、つまり、この電極が陽極として作動し、このときにニッケルの腐食を最小限に押さえるためには、被覆とニッケル基材との界面に水素吸蔵能のある合金層を設けることができる。
この条件は特には限定されないが、簡単な方法としては、希土類金属とニッケルを含む塗布液を用いて予めニッケル基材の表面に塗布、熱分解により、ニッケルと希土類の合金層、つまり水素吸蔵合金層を設けることにより、かなりのこの現象を緩和することが出来る。
【0018】
この合金層の形成は、有機ニッケルと希土類金属塩を還元性を有する溶媒である有機溶媒に溶解したものを塗布液として、予め活性化したニッケル金属基材表面に塗布し、200〜600℃で熱分解することによって得ることができる。
ニッケル基材の活性化処理は、常法により行えば良く、たとえばアルミナサンドによるサンドブラスト及び/又は40〜60℃、10〜20%の塩酸による酸洗などによる。
前記の熱分解の雰囲気は、水素気流中や窒素やアルゴン中などの還元又は不活性雰囲気が望ましいが、それが得にくい場合には、わずかに酸化物の生成は見られるが、空気雰囲気中での熱分解でも良い。溶媒は特には指定されないが、還元性を高めるために、出来るだけ炭素数の多い、たとえばアミルアルコールやブチルアルコール、ジエチルケトンなどのケトン類、樹脂酸の高級アルコール溶液などを用いるとよい。この合金層の形成量は特には指定されないが、塗布・熱分解の回数を変えることにより目的量とすることが出来る。
【0019】
なお、合金層を厚くすると、水素吸蔵量が増加する分だけ逆電流に対する耐久性が向上するが、物理強度が弱くなること、また化学的耐食性も必ずしも良いとは言えないので、塗布・熱分解を1〜3回程度行い、厚さ1μm以下程度としておくことが適当である。しかし、条件によってその回数を選択すればよい。この合金層を形成する前に予めニッケル基材表面を酸化性雰囲気中で酸化してニッケル酸化物の薄い層を形成しておいても良い。この条件は特には指定されないが、例えば、空気中、300〜600℃で加熱することによって得られる。時間は10〜200分が適当である。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
実施例1
ニッケル基材として、厚さ1mmの平滑化したニッケル製のエクスパンドメッシュを用い、その表面を平均粒径50μmのアルミナサンドでブラスト掛けした後に、温度60℃、濃度20%の塩酸中で15分間酸洗して、表面に食い込んでいるアルミナサンドを取り除くと共に表面を活性化した。
この表面に、酸化ルテニウムを分散させたニッケルめっき層を形成させた。酸化ルテニウムとしては、塩化ルテニウム酸の水溶液に水酸化ナトリウムを滴下して中和し、沈殿した水酸化ルテニウムを濾別し、純水で洗浄後、温度400℃のマッフル炉中で1時間保持して酸化物にしたものを粉砕して100メッシュ以下としたものを用いた。
次に、塩化ニッケルと硫酸ニッケルを1:3になるようにしたニッケル濃度50g/リットルのニッケルめっき液を作り、金属重量として15g/リットルとなるように作成した酸化ルテニウム粉末を加えてめっき液とし、ニッケル板を陽極とし、供試材であるニッケルメッシュを陰極として、めっきを行った。
【0022】
なお、このめっき液には光沢材は入れなかった。温度40℃、電流密度15A/dm2 で4分間めっきを行った。これにより見かけ厚さが10μmの酸化ルテニウムを分散したニッケルのめっき層が生成した。このめっき層には蛍光エックス線法での分析によると約5g/m2 のルテニウムが担持されていることが認められた。
この様にして出来た被覆層の表面に、ブチルチタネートと塩化ルテニウム酸を金属モル比で85:15となるようにブチルアルコールに溶解した溶液を作成し、酸化ルテニウムを形成したのと同じ条件で塗布し熱分解した。この操作を3回繰り返し、チタンとして2g/m2 の被覆層を形成させた。エックス線回折の結果はわずかにアナターゼ相の生成があったが、ほとんどがルチル相からなることがわかった。
【0023】
これを試料として食塩電解条件で電解試験を行った。
対比用として、表面に酸化チタンを主体とする被覆層を形成しなかった以外、実施例と同じに作った試料を用意した。
電解試験は、イオン交換膜としてduPont社製の商品名ナフィオン961を用い、これを隔膜として2室法のイオン交換膜電解槽に該イオン交換膜を挟んで陽極と陰極を密着するように押しつけ、陽極液としてHg濃度が100ppmとなるように塩化水銀を加えた200g/リットルの食塩水を、また陰極液として32wt%の苛性ソーダ水溶液を入れて、温度85℃、電流密度40A/dm2 で行った。
なお、陽極として、チタンエクスパンドメッシュ表面に酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化チタンからなる複合酸化物被覆を有する不溶性金属陽極を用いた。
【0024】
連続100時間、電流密度40A/dm2 で電解を行ったところ、本実施例の電極の陰極電圧はほとんど変化せず、過電圧が150から170mVであっが、対比例のものは最初140mV程度の低い過電圧を示したものの、徐々に劣化が始まり100時間後には過電圧は300mV以上になった。電解後電解槽を分解し、電極を取り出して希薄塩酸で洗浄後表面付着物を蛍光エックス線により分析したところ、本発明例のものは付着物が認められなかったが、対比例は表面に水銀の付着が認められた。表面ニッケルとのアマルガムを形成したものと考えられる。
【0025】
実施例2
ニッケル基材として厚さ1mmの平滑化したニッケル製のエクスパンドメッシュを用い、その表面を平均粒径50μmのアルミナサンドでプラスト掛けした後に、温度60℃、濃度20%の塩酸中で15分間酸洗して、表面に食い込んでいるアルミナサンドを取り除くと共に活性化した。
このニッケル基材の表面に、ニッケルブトキシドにこれと同じモル数のミッシュメタルに相当する塩化セリウムをジエチルエーテルとブチルアルコールとの混合溶媒中に溶解したものを塗布液として刷毛により塗布し、風乾後窒素を流したマッフル炉中で450℃20分間熱分解を行った。この操作を3回繰り返して表面に厚さ1μmのニッケルミッシュメタルの合金層を形成した。
但し合金を形成する前にニッケル基材を空気中で550℃で1時間加熱して表面に酸化ニッケル層を形成したものを用いた。この様にして作成した合金層の表面に実施例1と同じ条件で酸化ルテニウムを分散させたニッケルめっき層を形成し、更に表面層を形成した。
【0026】
なお、ここでは酸化ルテニウムの粉末は塩化ルテニウム酸水溶液を坩堝に入れ、110℃で乾燥後、450℃で空気を流通しながら3時間熱分解することにより得た。酸化ルテニウム中にはルテニウム量に対して1%程度の塩素の存在が見られた。
この電極について、実施例1と同様の条件で電解試験を行った。なお逆電流耐性を見るために100時間の連続電解の後、1時間通電/10分間電流値を半分つまり電流密度20A/dm2 として逆電流を流した。逆電流の通電試験を20回繰り返した。
最初140mVであった陰極過電圧は、この試験後も全く変わらなかった。また、電解試験後の電極表面にも水銀の析出は認められなかった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1)電極表面全体をルチル型酸化チタンからなる導電性酸化物で覆うようにした陰極を作ることによって、電解液中の水銀に十分に耐性のある安定した活性化陰極を得ることが出来た。
(2)酸化ルテニウムを電極物質として含むニッケルの電着層を有することにより、陰極過電圧の低くする事が出来た。
(3)イオン交換膜に接触させて使用した場合にイオン交換膜への影響が最小となった。
(4)電流遮断に対しても電極の劣化はほとんど起こらないことがわかった。
(5)更にわずかであれば逆電流を流しても電極の劣化は起こらないことがわかった。
(6)陰極基材をニッケルしているが、電解時、電流遮断時ともニッケルの溶出は最小であり、またイオン交換膜へのニッケル分のアタックは認められず、安定した電解が継続できることがわかった。
このため、本発明は、イオン交換膜に接触させて使用する陰極として、特に有効であることがわかった。

Claims (2)

  1. ニッケルを基材とし、その表面に酸化ルテニウムを分散したニッケルの電着層を有し、更にその表面にルチル型酸化チタンを80重量%以上、酸化ルテニウムを20重量%以下含有する導電性酸化物層を形成したことを特徴とするイオン交換膜法クロルアルカリ電解用活性化陰極。
  2. ニッケルを基材とし、その表面に希土類金属とニッケルからなる合金層を設け、更に該合金層表面に酸化ルテニウムを分散したニッケルの電着層を設け、更に該電着層表面にルチル型酸化チタンを80重量%以上、酸化ルテニウムを20重量%以下含有する導電性酸化物層を形成したことを特徴とするイオン交換膜法クロルアルカリ電解用活性化陰極。
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