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JP4100581B2 - 防水遮水シート - Google Patents

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JP4100581B2 JP26526596A JP26526596A JP4100581B2 JP 4100581 B2 JP4100581 B2 JP 4100581B2 JP 26526596 A JP26526596 A JP 26526596A JP 26526596 A JP26526596 A JP 26526596A JP 4100581 B2 JP4100581 B2 JP 4100581B2
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  • Building Environments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特に建築物の屋根、床、壁、溜め池又は産業廃棄物処理場等に敷設してソリが発生せず、審美性かつ耐候性に優れ、更に変色の問題がない防水遮水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に外界に露出した状態で長期間放置される外装材等の用途、例えば建築物の屋根、床、壁又は溜め池、産業廃棄物処理場等に敷設する防水遮水シートの用途に用いられるシートは、第一義的には雨水が建築物内部に侵入するのを防止したり、溜め池の水が地中に染み込んでしまわないようにすることに使用されるものであり、現在、建築物の屋根防水や、溜め池等の防水工法として通常、ゴムや、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、塩素化ポリエチレン、改質アスファルト等からなるエラストマーシートを敷設するという方法が多く採用されている。しかし、このようなシートのうちゴムシートについては素材自体の耐候性が比較的優れており、長期の使用に耐えうることができるが、その他のポリビニルクロライドやポリエチレン等のシートは、初期物性,耐衝撃性等の機能には優れているが、耐候性において不充分であり改善が求められていた。そこで実開平3−92228号に開示されているようにシートの上に耐候性に優れたフッ素樹脂層を積層しシートの耐候性を改善することが提案されている。
【0003】
また、近年、建築物の屋根、床、壁または溜め池等に敷設する防水遮水シートには、防水性や耐候性だけではなく、外観及び美観の問題から、着色されたエラストマーシートも要求されるに至っている。
【0004】
ところで、外観及び美観上の要求から近時、エラストマー素材自体に着色剤を配合して着色エラストマーシートとしたり、着色ゴムシートを従来の黒色のゴムシートの上に積層して加硫一体化したものを該防水遮水シートとして用いることが行なわれている。
また、着色したテドラー(デュポン社製、ポリビニルフルオライド)フィルムをゴムシートに積層一体化することも行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記のようなフッ素樹脂を積層したシートには、フッ素樹脂とゴムやポリビニルクロライド、ポリエチレン,クロロスルフォン化ポリエチレン等からなるシートとの間で膨張収縮性状の違いがあり、両者を積層した場合にその違いからソリが発生してしまうという問題がある。また、着色したエラストマーシートについていうと、両者性状の違いからソリが発生するという問題以外にも次のような問題がある。例えば、ゴムに着色剤を混ぜたカラーゴムシートは、確かに従来の黒色のゴムシートと比べると外観上優れたものと言えるが、黒色のシートより耐候性に劣る。また色調としては明度が低く繊細な色調と言うには程遠いものしか得られなかった。更に、ロット間の色のばらつきが激しいなどの問題のほか、耐候性にも乏しく時間の経過に連れて変色してしまうという問題があり、要求を満足したものではなかった。
【0006】
更に、ポリビニルクロライドの着色シートとクロロスルフォン化ポリエチレンからなる着色シートやポリエチレンからなる着色シートは、それ自体、耐候性に劣っており、長期間にわたる屋外での使用には不向きであった。そして、ポリビニルクロライドのフィルムを加硫ゴムシートと積層したシートには両者性状の違いからソリが発生するという問題があった。
【0007】
また、ポリビニルフルオライド(テドラー)は耐候性に優れているので、該フィルムとゴムシートを一体積層化した防水遮水シートには、自然劣化や変色を防止する改善が加えられているといえるが、やはり膨張収縮性状の違いによるソリの発生という問題は解消されるには至らない。
【0008】
本発明は、上述の如き実状に対処し、特にePTFEフィルムを使用することにより、色のばらつきが少なく、繊細な色調を出すことができるとともに、ソリが発生せず、耐候性に優れ、かつ着色しても変色の問題がないゴムシートを含むエラストマーシートよりなる防水遮水シートを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、所定の厚み、孔径の下にエラストマーシートに熱可塑性樹脂フィルムを介在させてePTFEフィルムを積層一体化し、複合シートとして防水遮水シートを構成することが、上記目的を達成する上に効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明は、上記の観点に立脚するものであり、建築物の屋根、床、壁、溜め池又は産業廃棄物処理場に敷設する防水遮水シートにおいて上記の構成を採り入れ、厚み1.0〜2.0mmのエラストマーシートに熱可塑性樹脂フィルムを介在させてバブルポイント法で測定した最大孔径が0.01〜10μmで、ダイヤルゲージで測定した平均厚みが3〜300μmであるePTFEフィルムを積層したことを特徴とする。
【0013】
また、ePTFEフィルムとして着色されたePTFEフィルムを用いること、エラストマーシートとして加硫ゴムシートを用い、更に前記熱可塑性樹脂フィルムとして着色されたフィルムを用いて上記構成と互いに組み合わせることも特徴であり、本発明に含まれるものである。
【0014】
【作用】
本発明に係るエラストマーシート積層体よりなる防水遮水シートは、紫外線による劣化がなく、耐候性に極めて優れた所定のePTFEフィルムを所定厚みのエラストマーシート表面に積層するため、耐候性を大巾にアップすることができるので、従来、初期物性には優れるが耐候性の問題で長期曝露の用途に用いることができなかったエラストマー素材でも使用することが可能になる。また、上記ePTFEフィルムは柔軟で、可塑性があり、任意の形状のものに沿う独特の性質があり、ゴムのような柔軟なエラストマー素材と積層してもエラストマーの形状変化に自由に追随できる。従って、本発明の所定のePTFEフィルムは所定厚みのエラストマーシートと積層した場合、エラストマーシートの変形に追随できないことによって剥がれたり、エラストマーシートにソリを生じさせたりすることがない。
【0015】
エラストマーシートの表面に熱可塑性樹脂フィルムを介在させてePTFEフィルムを積層するときは、熱可塑性樹脂フィルムに熱をかけて融解すると融解した熱可塑性樹脂がePTFEフィルムの孔へ入り込むことができるため、通常熱融着では強固に接着することができないフッ素系樹脂フィルムであるポリテトラフロロエチレン(PTFE)のフィルムであっても十分な強度を持って融着することができ、色調や耐候性に優れ、変色や積層シートの剥離、ソリ等の問題がない防水遮水シートを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、上記本発明に係るエラストマーシート積層体及び該積層体による防水遮水シートについて、更に詳しく説明する。図1に示す本発明に係るエラストマーシート積層体による防水遮水シート1は、例えば加硫ゴム等のエラストマーシート2の片面に熱可塑性樹脂フィルム3を介してePTFEフィルム4を積層一体化した三層構造からなる。なお、図2に示すようにエラストマーシート2に直接ePTFEフィルム4を積層した二層構造のものも可能であり、これは積層体シート1全体の重量が上記三層構造に比し比較的軽くなるという利点がある。
【0017】
なお、本発明においてはエラストマーシート2又は防水遮水シート1に色を付与するために上記ePTFEフィルム4には目的の色に着色を施したフィルム4を用いるか、もしくは着色を施さない本来のePTFEが有する白色フィルムが用いられる。
また、外観上及び美観上の要求から積層体シート1の両面に着色が必要な場合にはエラストマーシート2の両面に着色したePTFEフィルム4を設けてもよい。
【0018】
本発明に使用するエラストマーシートは、従来の加硫ゴム、ポリビニルクロライド等のエラストマーからなる防水遮水シートと同様の機能(防水遮水性、機械強度、その他、防水遮水シートに要求される物理的及び化学的特性)を有するものが用いられる。従って、ePTFEフィルム4は、あくまでも防水遮水シートに、ソリを発生させることなく、紫外線を遮断することによって耐候性やその他の機能を向上させ、優れた色調を付与するエラストマーシートの補填物として機能する。
【0019】
エラストマーシート2を構成するエラストマーの例としては、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどのゴムあるいは、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体熱可塑性エラストマー等の熱可塑性弾性体、もしくはこれらのブレンド物を使用することができる。ゴムについては加硫剤、加硫促進剤などを添加し加硫したものでよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーについては完全架橋したもの、半架橋したものも含まれる。これらの素材の中で最も好ましいのはエチレンプロピレンターポリマーかエチレンプロピレンターポリマーとブチルゴムのブレンド物である。エチレンプロピレンターポリマーは、現在知られているゴム素材の中で最も耐候性に優れた素材であるということと、エチレンを含んでいることから熱可塑性樹脂と融着しやすい事が挙げられる。また、ブチルゴムを配合したものについては、素材の加工性がよくなることと接着性が良くなることが理由として挙げられる。
【0020】
ここでエラストマーシート2の厚みとしては、0.3 〜3.0 mmのものが好ましく、更に好ましくは1.0 〜2.0 mmの範囲のものが最も適切である。厚みが3.0mmより大きいとシートの可撓性が損なわれ下地に沿いにくくなるので好ましくない。より好ましい範囲として 1.0 2.0 mmとしているが、 1.0 mmより薄いと積層したePTFEフィルムとエラストマーシートとの熱膨張係数の違いによるシートのソリが顕著になり、2.0 mmより厚いとシート同士の接合部の段差が大きくなり外観が悪くなったり歩行性を阻害することになり好ましくない。
【0021】
次に本発明の1の構成要素である熱可塑性樹脂フィルム3は、エラストマーシート2と、ePTFEフィルム4を熱融着によって積層一体化するための介在物である。三層構造のシートに用いる熱可塑性樹脂フィルムとしてはエラストマーシート2及びePTFEフィルム4の双方と融着が可能な素材であればいずれも使用できるが、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルメタクリレート等が好ましい。更に好ましくは、ポリエチレンが加工性、接着性、加工後の化学的安定性等の面から最も適切である。熱可塑性樹脂フィルム3の厚みは、好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上のものが最も適切である。厚みが10μm未満であると加工性が悪く、しかも融着領域が少なく、融着不良が起こるため好ましくない。
また、着色した熱可塑性樹脂フィルム3を使用することが次の理由により好ましい。本発明において、着色したePTFEフィルムを用いて外観や美観に優れたシートとする場合は特に問題になることであるが、ePTFEフィルム4の厚みによっては積層したエラストマーシート2の色が表面に透けて見えてしまうことがある。熱可塑性樹脂フィルム3を着色しておくことによってエラストマーシート2の色が表面に出るのを防止することができ、より鮮明な色を呈することができる。尚、熱可塑性樹脂フィルム3の色は、表面ePTFEフィルム4と同色にしてもよいし、異なる色にしてもよい。
【0022】
以上のように熱可塑性樹脂フィルム3は、エラストマーシート2とePTFEフィルム4を積層一体化するための接着剤として機能し、熱可塑性樹脂フィルム3を用いることにより、融着加工による積層加工が可能になる。PTFEは通常、極めて融着加工や接着加工が難しい素材として知られているが、本発明では前述の如きePTFEフィルム4を用いることにより、延伸多孔質フィルムの孔を利用して、加熱溶融状態の熱可塑性樹脂を孔内部に食い込ませるアンカー効果により、エラストマーシート2とePTFEフィルム4を強固に積層一体化することができる。
【0023】
一方、本発明の特徴形成に重要な構成要素であるePTFEフィルム4は、前述の如くあくまでも防水遮水シートに、ソリを発生させることなく、紫外線を遮断することによって耐候性やその他の機能を向上させ、優れた色調を付与するエラストマーシートの補填物として機能するものである。
【0024】
上記ePTFEフィルム4は、特公昭53−39719号、51−18991号等に記載される製法により製造され、その微細構造も該製法とともに公知である。具体的には、該ePTFEフィルムは、基本的にPTFEファインパウダーと石油ナフサ等の潤滑助剤の混合物からなるペースト成形体をダイを経て押し出した後、得られたテープ状押出物を、加熱することによって潤滑助剤を蒸発除去した後、PTFEの融点以下の高温で1軸方向以上の方向に延伸することにより製造される。また、延伸により発生した微細構造を固定し、寸法安定性を増すために延伸の後に延伸後の状態を固定したままPTFEの融点以上の温度に加熱してから冷却する焼成処理がなされることがあるが、本発明におけるePTFEフィルムにあっては、最後の焼成処理は必須の処理ではない。
【0025】
このようにして製造されるePTFEフィルムは、純白色でマシュマロのような感触がある柔軟なフィルムである。また、このフィルムには通気性があり、その「孔」と称される空孔はフィルムの表面から裏面まで連続していることがわかる。電子顕微鏡で観察すると、該フィルムの微細構造は、表面及び内部ともフィブリル(小繊維)とそれらを繋ぐノード(結節)からなる独特の繊維質の多孔質体構造を有する。このフィブリル/ノード構造は延伸方向及び延伸倍率によって様相を変化する。例えば1軸方向に延伸すると、フィブリルは延伸方向の1方向に配向しすだれ状になり、それらフィブリルを繋ぐノードは延伸方向に直角に細長い島状として観察される。一方、2軸方向に延伸すると、フィブリルは延伸方向の放射状に広がり、それらを繋ぐノードは島状というよりむしろ細かい粒子状として観察される。また、延伸倍率を大きくしていくと、延伸方向にかかわらず、一般にフィブリルは長くなり相対的にノード形状は小さくなり、究極的にはフィブリルのみからなるいわゆるノードレス構造にまでなる。ePTFEフィルムの比重は純粋なPTFE充実体の比重より小さく、空孔率にもよるが、多くは水の比重より小さい。
【0026】
ePTFEは純粋なPTFEからなり、その構造を特徴づけているフィブリルとノードはいずれもPTFEである。ところで、PTFEは化学的に極めて安定な素材であり、長期間にわたって太陽光や外気に晒される屋根水や溜め池の遮水用途に用いても劣化、腐食しにくい。したがって、ePTFEは本質的にPTFEの優れた化学的安定性を備えており、紫外線に対して耐久性があり、空気によって酸化もされない。また、PTFEは自然界では合成されないためバクテリアによる侵食を受けない、など優れた耐候性を有する。
【0027】
しかし、ePTFEはPTFE充実体とは異なる機械的物理的性質を有する。PTFE充実体からなるフィルムは透明なスリガラスのような乳白色を呈するが、ePTFEフィルムは際だった純白色である。これはePTFEの微細多孔質構造に由来する全反射現象によるものと考えられている。また、PTFE充実体は一般に剛直な素材であると考えられているが、ePTFEフィルムは既に述べたようにマシュマロのような感触があり、他の物体の形状にいかようにも沿わせることができる可塑性の強い材料である。これもその独特の繊維質構造によるものと考えられている。しかも、その網目構造のためゆるやかな弾性回復力も有している。したがって、本発明のエラストマーシート積層体として積層しても、エラストマーの伸縮に対して容易に追随することができることとなる。また、PTFEは他の物質との親和性がなく、なかでも接着しにくい材料と考えられているが、ePTFEは多孔質構造であるがためにいわゆるアンカー効果によって接着が容易である。特に表面張力の小さい有機媒体を容易に浸透させるのでこれを利用して接着、含浸、コーティングなどの処理がなされている。
【0028】
PTFE充実体フィルム、PTFE以外のフッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリビニルクロライドフィルムのような素材自体の剛性が大きく、柔軟性に欠けるフィルムとエラストマーシートとを積層すると構成素材の膨張収縮率の違いにより積層体にソリが発生したり、屈曲の繰り返しにより剥がれが発生してしまう。例えば、エラストマーシートにフッ素樹脂フィルムやポリエステルを積層した場合、フッ素樹脂フィルムやポリエステルフィルムの剛性が高すぎ、エラストマーシートの変形に追随できないため、シートにソリや剥がれが生じる。しかし、ePTFEフィルム4の場合は、前述した構成から引張弾性率が小さな値をとっており、柔軟性に優れているのでエラストマーシート2と積層一体化しても積層シートのソリの発生が防止される。
【0029】
表1に代表的なフッ素樹脂フィルム及び一フッ化ポリエチレンフィルムとePTFEフィルムの引張弾性率を示す。表1より一般的なフッ素樹脂フィルム(ポリビニルジフロライド)(PVDF)やポリビニルフロライドフィルム(PVF)と比較してePTFEフィルムの引張弾性率が極めて低い値であり、柔軟性に優れていることが分かる。
【0030】
【表1】
Figure 0004100581
【0031】
ePTFEフィルム4の好ましい厚みは、ダイヤルゲージで測定した平均厚み(テクロック社製1/1000mmダイヤルシックネスゲージで、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した)で好ましくは3〜300μmの範囲のもの、更に好ましいものは20〜100μmのものである。厚さ3μm未満では十分な機械耐久性が得られず、しかも積層加工が困難になる。逆に、厚さ300μm超過では生産性が悪く、材料費も高くなるため、コスト面で妥当ではない。
【0032】
前記ePTFEフィルム4は、その孔径から特定すると、バブルポイント法(ASTM F−316)で測定した最大孔径が好ましくは0.01〜10μm、更に好ましくは0.05〜5μmのものである。最大孔径が0.01μm未満であればアンカー効果を利用した融着が困難になり、最大孔径が10μm超過では十分な機械的強度が得られない。
また、ePTFEフィルム4は、エンボス加工を施し凹凸を付けたものでもよい。ePTFEフィルム4の厚みによってエラストマーシート2の色が表面に透けてしまう場合、ePTFEフィルム4にエンボス加工を施しておくことによって透けてみえる色が均質なパターンとなり、見かけ上の外観を良くすることができる。ePTFEフィルム4のエンボス加工は、エラストマーシート2や熱可塑性樹脂フィルム3と積層するに先立って加工しておいたものでもよいし、積層する際に加工してもよい。
【0033】
ePTFEフィルムを着色する方法としてはフィルムの製造時に顔料を混入しておき、フィルムの空孔に顔料を埋設させる方法、フィルムを形成した後に、溶剤系の塗料を塗布することによってフィルムの空孔に顔料を埋設させる方法、フィルムを形成した後にそのフィルムを塗料浴中でディップし顔料をフィルムの空孔に埋設させる方法が挙げられる。
以下にePTFEフィルムに顔料を混入して着色する方法を説明する。
【0034】
PTFE樹脂に色調に応じた無機顔料、例えばカーボンブラックを0.5 〜30wt%混合する。色合いや顔料の種類により配合量は調整されるが、30wt%以上では、フィルム延伸においてピンホールが発生したり強度低下を招く。混合方法は1)造粒されるPTFE樹脂に、十分乾燥した顔料を加えて混合機で混合する方法と、2)ディスパージョンと呼ばれるPTFE一次粒子を水中に分散させた液に顔料を加えて混合し、造粒する方法があり、いずれの方法でも可能であるが、後者2)の方法が顔料分散がより均一で、最終的に得られる着色e−PTFEフィルムに色むらが出にくいため、より好適である。造粒したPTFEに押出用潤滑剤として炭化水素系溶剤を17〜22wt%添加し、混合した後、予備成形をしてペースト押出を行なう。押出物を所定の厚さに圧延したフィルムから潤滑剤を乾燥、除去した後、PTFEの融点(327℃)以下の高温で幅方向に50〜1,500%、好ましくは500〜1000%延伸し、必要があるときは、PTFEの融点以上の温度で加熱・熱処理する。このときのフィルム幅は好ましくは500mm以上、更に好ましくは1,200mm以上にする。フィルム幅が500mm未満の場合、最終的に得られる防水遮水シートの幅が500mm以下に制限されるため、現場での施工性が低下し好ましくない。
【0035】
通常、ePTFEフィルムは、白色をしており、そのままの状態でエラストーマーシートに積層すると白色の防水遮水シートとして使用する事もでき、このような場合も本願に含まれるものである。また、着色したものを用いれば結果的に任意の色に着色したエラストマーシートが得られ、優れた色調を防水遮水シートの外観に付与することが可能である。
また、ePTFEフィルムの空孔に顔料を埋設させると、任意の色に着色したフィルムを得ることもできる。また、顔料をまったく添加しないePTFEフィルムを用いればそのまま純白色のフィルムが得られる。
【0036】
次に本発明エラストマーシート積層体及び着色防水遮水シートの製造方法について説明する。
エラストマーシートとして、例えば前記加硫ゴムシート2を用い、これとePTFEフィルム4を熱可塑性樹脂を介して熱融着によって積層一体化する方法としては、熱可塑性樹脂フィルムとePTFEフィルム4をあらかじめ、ヒートロールによる融着等の方法により積層一体化した後、熱可塑性樹脂フィルム3とePTFEフィルム4を一体化したフィルムの熱可塑性樹脂フィルム3側に加硫ゴムシート2を重ね合わせヒートロール等により加熱・加圧することにより積層一体化する方法、熱可塑性樹脂フィルム3と加硫ゴムシート2を重ね合わせ、ヒートロール等により加熱加圧することによって積層一体化した後、熱可塑性樹脂フィルム3と加硫後2を一体化したシートとePTFEフィルム4とをヒートロールによる融着等の方法で積層一体化する方法、ePTFEフィルム4と熱可塑性樹脂フィルム3、加硫ゴムシート2を重ね合わせ、ヒートロール等により加熱・加圧することによって熱可塑性樹脂フィルムとePTFEフィルム間と熱可塑性樹脂フィルム3と加硫ゴムシート2間を同時に積層一体化する方法等、いずれの方法も可能である。
【0038】
また、次のような方法で製造することにより本発明のシートの生産性を高め、効率よく生産することができる。
即ち、加硫して間もないゴムシート2は未だ加熱された状態にあり、その熱を利用して熱可塑性樹脂フィルム3またはePTFEフィルム4と積層一体化した熱可塑性樹脂フィルム3と積層する方法である。具体的には図3に示す如くであり、同図に示すような装置を用い押出機(図示しない)から押出された未加硫ゴムシート10はエンドレスベルト11に乗せられて導入ロール12から所定温度(150〜180℃)に設定された加硫缶13内に送り込まれて加硫され、導出ロール14から加硫缶13外へ送り出されて複数個のガイドロールを経由して圧接ロール16で熱可塑性樹脂フィルム17もしくはePTFEフィルムと積層一体化した熱可塑性樹脂フィルム17と圧着されテンションロール18を経て巻取ロール19に巻き取られる。この場合、加硫缶13から送り出されたばかりの加硫ゴムシート15は表面温度が130〜150℃の範囲となっており、熱可塑性樹脂フィルム17を容易に融着することができる。この方法であると圧接ロール16を予備加熱する必要がなく、生産性の向上と相俟って製造コストの低減にも寄与することができる。
【0039】
かくて、以上のような本発明の製造方法を用いることによって、本発明における前記加硫ゴムシート2の表面に熱可塑性樹脂フィルム3を介してePTFEフィルム4を積層してあり、熱可塑性樹脂フィルム3に熱をかけて融解すると融解した熱可塑性樹脂が多孔質フィルムの孔へ入り込むことができるので、通常熱融着では強固に接着することができないフッ素樹脂フィルムであるPTFE樹脂フィルムを十分な強度をもって融着することができ、色調や耐候性に優れ、変色や積層シートの剥離、ソリ等の問題がない着色ゴムシート積層体及び着色防水遮水シート1を得ることができる。
【0040】
【実施例】
実施例1
加硫ゴムシート2にポリエチレン樹脂フィルムを介在してPTFEからなるePTFEフィルム4を積層した図1に示す構成のシート積層体を以下の如く作成した。
【0041】
上記加硫ゴムシート2はエチレンプロピレンターポリマーを主成分とした表2に示すような配合のシートを用いた。
ポリエチレン樹脂フィルムは、三和化成株式会社のポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を使用した。
(以下、余白)
【0042】
【表2】
Figure 0004100581
【0045】
また、ePTFEフィブリル4はグレーに着色したものであり、下記製法により試作した。
PTFEは三井・デュポンフロロケミカル株式会社のディスパージョンテフロン(登録商標)を使用した。
着色するために添加する顔料は三菱化学製のケッチンブラックを使用し、上記ディスパージョンテフロン(登録商標)に3wt%混合し、PTFEを造粒し、造粒したPTFE押出し用潤滑剤、出光石油化学株式会社のスーパーゾルを18.5wt%添加し、混合した後、幅方向に700%延伸し、360℃で熱処理し、明灰色のePTFEフィルム4を得た。得られたePTFEフィルムの厚みは43μm(テクロック社製1/1000mmダイヤルシックネスゲージで、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した)、最大孔径は0.5μmだった。(ASTM F−316)
【0046】
前記ケッチェンブラックの配合を1,3,7,10,25wt%と変えて前記加工方法によりePTFEフィルムを試作したところ、得られたePTFEフィルムの色調は、ケッチェンブラックの配合量の増加に伴い、明るい灰色から黒色へと変化したが、3wt%の配合で最も灰色としての色調に優れたePTFEフィルムが得られた。
【0047】
次に防水遮水シートを得るため、上記夫々を下記のようにして積層した。
まず前記明灰色に着色したePTFEフィルムとポリエチレンフィルムをヒートロールでニップさせることにより融着した。この際、ポリエチレンフィルムが溶けてヒートロールに付着するのを防ぐために、ePTFEフィルムをヒートロール側とし、ポリエチレンフィルム側をニップロール側とした。ヒートロールの温度は170℃、ニップ圧力7Kg/cm2 、加工スピード5m/minで加工した。
【0048】
このようにして得られたePTFEフィルムとポリエチレンフィルムの2層積層品を加硫ゴムシートと図3に示すような装置にてゴムシートが加硫缶から送り出されると同時に圧接ロールを用いて融着加工した。加工条件は、加硫ゴムシート表面の温度153℃、ニップ圧力5Kg/cm2 、加工スピード5m/minであった。そして、ePTFEフィルムとポリエチレンフィルム、加硫ゴムシートの3層積層品が得られた。
【0049】
比較例1
エチレンプロピレンターポリマーとブチルゴムを主成分とした表に示す配合のカラーゴムシート(0.3mm厚み)とエチレンプロピレンターポリマーを主成分として表2に配合を示す黒色ゴムシート(1.2mm厚み)を積層したカラーシートを比較例1とした。
以下余白
【0050】
【表4】
Figure 0004100581
【0051】
比較例2
実施例1のePTFEフィルムの代わりに厚み30μmのテドラー(デュポン社製 ポリビニルフロライド)フィルムをグリーンに着色したものを積層し、比較例2とした。
比較例3
次に高密度ポリエチレンを主成分として実施例2のポリエチレンシートのみを積層し、比較例3とした。
に前記実施例と各比較例との比較データを示す。
表中、ウェザオメーター,屋外露試験は夫々、次の条件に拠った。
ウェザオメーター;JIS A 1415にもとづき1000時間後
屋外露試験;半年後
【0052】
【表5】
Figure 0004100581
以下余白
【0053】
上記表より比較例1のカラーゴムシートは、シートの色調は良いが、ロット間で色のばらつきがあり、ウェザオメーター、屋外暴露試験後に著しい褪色があった。また、比較例2のポリビニルフロライド積層シートは、色調は良く色のばらつきもなく、また、ウェザオメーター、屋外暴露試験後の褪色も見られなかったが、ゴムとポリビニルフロライドとの間の熱膨張係数の差によりソリが発生しており、しかも、剥離試験では部分的にフィルム破断するところと界面剥離するところが現れるという結果がでた。また比較例3は色調に変色がみられ、褪色もあった。
これに対し、本発明実施例によるものは何れも色調が良好で、しかも各種耐光暴露試験後も、褪色やePTFEフィルムの剥離、ソリを生じず、比較例1、比較例2、比較例3と比較して極めて良好な結果が得られた。
【0054】
【発明の効果】
本発明は以上のようにePTFEフィルムを用い、これとエラストマーシートとを積層したものであり、防水性、遮水性を有するシートとして従来、各種シートで一長一短があり、必らずしも充分でなかった点を改善し、色のばらつきの少ない、かつ、繊細な色調を顕現することができると共に、ソリが発生せず、また、従来、耐候性に劣っているため使用できなかったエラストマー素材に十分な耐候性を付与することができ、変色や剥離の問題のない防水遮水シートを得ることができる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエラストマーシート積層体による防水遮水シートの1実施例を示す断面図である。
【図2】 本発明の比較対照例としてエラストマーシート積層体による二層構造防水遮水シートを示す断面図である。
【図3】 本発明に係るエラストマーシート積層体による防水遮水シートの製造法における加硫工程及びフィルム圧着工程を示す説明図である。

Claims (4)

  1. 建築物の屋根、床、壁、溜め池又は産業廃棄物処理場に敷設する防水遮水シートにおいて
    ラストマーシートに熱可塑性樹脂フィルムを介在させて延伸多孔質ポリテトラフロロエチレン(ePTFE)フィルムを積層してなり、
    前記エラストマーシートは厚みが1.0〜2.0mmの範囲であって、前記ePTFEフィルムはバブルポイント法で測定した最大孔径が0.01〜10μmで、ダイヤルゲージで測定した平均厚みが3〜300μmであることを特徴とする防水遮水シート。
  2. 請求項1に記載の防水遮水シートにおいて、ePTFEフィルムとして着色されたフィルムを用いた防水遮水シート。
  3. 請求項1または2に記載の防水遮水シートにおいて、熱可塑性樹脂フィルムとして着色されたフィルムを用いた防水遮水シート。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防水遮水シートにおいて、エラストマーシートとして加硫ゴムシートを用いた防水遮水シート。
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