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JP4189155B2 - 熱膨張性マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

熱膨張性マイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱膨張性マイクロカプセル、特に熱膨張性に優れた熱膨張マイクロカプセルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリマーの軟化点以下の温度で揮発する揮発性膨張剤を、前記熱可塑性ポリマー中にマイクロカプセル化させることにより熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。
【0003】
このような熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法は古くから知られており、例えば、特公昭42-26524号公報には、低沸点の脂肪族炭化水素などの揮発性膨張剤を重合性モノマーに添加した油性混合液に、油溶性触媒を混合し、次いで、無機系分散剤を含有する水系分散媒体中に油性混合液を攪拌させながら添加し、懸濁重合をおこなうことにより揮発性膨張剤を内包する球状マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、特公昭42-26524号公報に記載されている製造方法では、熱膨張性に優れた熱膨張性マイクロカプセルを得ることは出来ず、特に10μm以下の小粒径のマイクロカプセルでは膨張倍率が低下する欠点を有していた。
【0005】
そこで、例えば、特開平5−309262号公報には、重合性モノマーと揮発性膨張剤に加えて長鎖アルキルアルコールなどを含有させた混合液を懸濁させながら重合して得られる、10μm以下の熱膨張性マイクロカプセルが開示されている。 この方法によって得られる小粒径の熱膨張性マイクロカプセルは従来に比べて膨張倍率が若干改善されるものの、膨張倍率が20倍を越えるのはシェル組成に塩化ビニリデンが含まれる粒子に限られており、熱膨張性マイクロカプセルの用途が限定されていた。
【0006】
また、特開平5−329360号公報には、揮発性膨張剤として沸点の異なる2種類以上の低沸点炭化水素を内包させて得られた熱膨張マイクロカプセルを、発泡させるに前にあらかじめ発泡温度以下の温度で加熱処理することが記載されている。この方法によって得られる熱膨張性マイクロカプセルも従来に比べて膨張倍率が改善されるが十分に優れた熱膨張性を有する熱膨張性マイクロカプセルであるとはいえず、実施例において記載されている熱膨張性マイクロカプセルの最高体積膨張倍率は80倍未満である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みて熱膨張性に優れる熱膨張性マイクロカプセルを提供すること、および熱膨張性に優れた熱膨張マイクロカプセルの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、重合性モノマーと、マイクロカプセルのシェル部分を形成するポリマーの軟化点より低い温度で揮発する揮発性膨張剤を分散媒体に分散させ、重合性モノマーの油滴中に揮発性膨張剤を内包させた状態で重合する熱膨張マイクロカプセルの製造方法において、分散媒体および/または油滴中に界面活性剤を存在させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、重合性モノマーと、マイクロカプセルのシェル部分を形成するポリマーの軟化点より低い温度で揮発する揮発性膨張剤を分散媒体に分散させ、重合性モノマーの油滴中に揮発性膨張剤を内包させた状態で重合する熱膨張マイクロカプセルの製造方法において、前記油滴中に重合性モノマーと揮発性膨張剤に加えて反応性界面活性剤を含有させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、請求項1または2記載の熱膨張性マイクロカプセルであって、界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された熱膨張性マイクロカプセルは、界面活性剤が粒子内部および/または粒子表面に含有されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された熱膨張性マイクロカプセルは、請求項4記載の熱膨張性マイクロカプセルであって、界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された熱膨張性マイクロカプセルは、請求項4および5記載の熱膨張性マイクロカプセルであって、界面活性剤がマイクロカプセルのシェル部分を形成するポリマーに化学的に結合していることを特徴とする。
【0014】
請求項7にに記載された熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒径1〜10μm、最高体積膨張倍率20倍以上であって塩素を含む物質を含有しないことを特徴とする。
【0015】
本発明における熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において用いられる重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸およびそれらのエステル類やアミド類、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;塩化ビニリデン等のビニリデン化合物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
なかでも、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルなどのニトリル系モノマー、これらニトリル系モノマーの混合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類などの非ニトリル系モノマーが好ましい。
【0017】
なお、耐溶剤性や高温での発泡性に優れることから重合性モノマーとしてはニトリル系モノマーと非ニトリル系モノマーの混合物が好ましい。ニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが特に好ましく、非ニトリル系モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチルが特に好ましい。
【0018】
また、耐溶剤性や高温での発泡性に特に優れることから、ニトリル系モノマーは重合性モノマー中の80重量%以上、より好ましくは90〜97重量%であり、非ニトリル系モノマーは20重量%以下、好ましくは10〜3重量%であることが好ましい。
【0019】
また、重合性モノマーには必要に応じて多官能モノマーが添加されてもよい。多官能モノマーを用いることによって、シェル部分を形成するポリマーに架橋ネットワークが形成され、ガスバリア性が向上し膨張倍率が向上すると共に、加熱時に膨張性を損なうことなく粒子表面のべたつきを抑制し、粒子の二次凝集を防止することができると考えられる。
【0020】
多官能モノマーの種類は特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、その他の多官能モノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
マイクロカプセル内に包含される揮発性膨張剤は上記の重合性モノマー成分から重合されるポリマーの軟化点以下の温度で揮発する物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。具体的には、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素;CCl3F、CCl22、CClF3、CClF2−CCl22等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシランなどのテトラアルキルシラン;などが挙げられる。 これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、石油エーテル、およびこれらの2種以上の混合物が好ましい。また、所望により、加熱により熱分解してガス状になる化合物を使用してもよい。
【0022】
本発明における分散媒体は、例えば、分散安定剤や補助安定剤を添加した脱イオン水が挙げられる。ここで、重合時の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜決められる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカなどのシリカを使用する場合は、酸性環境で重合がおこなわれる。水性媒体を酸性にするには、塩酸等必要に応じて酸を加えて、系のpHを3〜4に調整する。水酸化マグネシウムまたはリン酸カルシウムを使用する場合は、アルカリ性環境の中で重合させる。
【0023】
本発明における分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
また、補助安定剤としては、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル等を使用することができる。
【0024】
好ましい組み合わせの一つとして、コロイダルシリカと縮合生成物の組み合わせがある。縮合生成物は、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸の縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸の縮合生成物が好ましい。さらに塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加すると、より均一な粒子形状を有する熱膨張性マイクロカプセルが得られやすくなる。コロイダルシリカの使用量は、その粒子径によって調整されるが、重合性モノマー100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部の割合であることがより好ましい。また、縮合生成物は、重合性モノマー100重量部に対して、0.05〜2重量部の割合であることが好ましい。無機塩は、重合性モノマー100重量部に対して、0〜100重量部の割合であることが好ましい。
【0025】
他の好ましい組み合わせとしては、コロイダルシリカと水溶性窒素含有化合物の組み合わせが挙げられる。水溶性窒素含有化合物の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートやポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミンが挙げられる。これらのなかでもコロイダルシリカとポリビニルピロリドンが好適に用いられる。他の好ましい組み合わせには、水酸化マグネシウムおよび/またはリン酸カルシウムと乳化剤との組み合わせがある。
【0026】
なお、コロイダルシリカとポリビニルピロリドンの組み合わせでは、コロイダルシリカ及びポリビニルピロリドンの添加量を変えることにより粒子径を調整することが可能である。
【0027】
本発明の製造方法は、低沸点の揮発性膨張剤の存在下にモノマーを重合して熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法において、重合系中に界面活性剤を存在させることを特徴とする。また、本発明の製造方法により得られた熱膨張性マイクロカプセルは、界面活性剤を粒子内部および/または粒子表面に含有し、膨張時に高い膨張倍率が得られることを特徴とする。
【0028】
本発明の界面活性剤の作用機構については明らかでないが、熱膨張性マイクロカプセルを加熱膨張させる時にシェル部分を形成するポリマーの強度を損なうことなく可塑化することができ、シェル層が均等に伸張することから優れた熱膨張性を示し強度にも優れた熱膨張性マイクロカプセルが形成されると考えられる。すなわち、低分子量アルコールや有機酸などによってもシェル層を可塑化させることができるが、シェル層を形成するポリマーの力学強度を維持するには分子量の大きい界面活性剤が適していたものと推定される。
【0029】
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタン酸アルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン酸アルキルエステル等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンジアルキルアリルエーテルサルフェートアンモニウム、ポリオキシエチレンジアルケニルアリルエーテルサルフェートアンモニウム、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム及びナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム等のアニオン系界面活性剤、その他のカチオン性界面活性剤、及び上記界面活性剤にビニル基を導入した反応性界面活性剤などが挙げられる。
【0030】
上記の界面活性剤において、無機分散剤との塩析を抑えるためにノニオン系界面活性剤の使用が好ましい。
また、分子内に二重結合を有する反応性界面活性剤がより好ましく、例えば、ポリオキシエチレン−プロペニルアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロペニルアルキルフェニルエーテル硫酸塩等があげられる。これらの反応性界面活性剤は1種類または複数種類を混合して用いることができる。具体的には、反応性界面活性剤のなかでもノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルプロピレンフェニルエーテル(第一工業製薬社製アクアロンRN)等が好ましい。
【0031】
上記界面活性剤の添加量は、少なすぎると膨張倍率向上効果が得られず、多すぎると重合反応が不安定になるため、モノマー、揮発性膨張剤、及び重合開始剤を合わせた油性成分100重量部に対して0.1〜10重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
なお、水酸化マグネシウムおよび/またはリン酸カルシウムなどの分散安定剤に対する分散補助剤として界面活性剤が用いられる場合があるが、分散媒体に界面活性剤が過剰に存在しすぎるとマイクロカプセル化が難しくなることから分散補助剤として存在する界面活性剤はそもそも分散媒体にわずかに存在しているだけである。
よって、本発明の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において、分散媒体にのみ界面活性剤を存在させる場合は分散補助剤として必要な界面活性剤量よりやや過剰に分散媒体に存在させることが好ましい。
【0032】
なお、上記界面活性剤は油性混合液または分散媒体のいずれに添加してもよく、さらに油性混合液と分散媒体の混合物に添加しても良いが、上述の理由から分散媒体に存在させる界面活性剤量はそれほど過剰に存在させることは好ましくないことから、界面活性剤は油性混合液もしくは油性混合液と分散媒体の両方に添加する方が界面活性剤を多く含有させることができるとともに重合を安定して行いやすいという理由から好ましい。
【0033】
分散媒体に各成分を添加する順序は、任意であるが、通常は重合器に、水と分散安定剤、必要に応じて補助安定剤を加えて、分散安定剤を含有する分散媒体を調整する。また、必要に応じて亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、重クロム酸カリウム等の化合物を加える。重合性モノマーおよび揮発性膨張剤は、別々に分散媒体に加えて、分散媒体中で油性混合液を形成してもよいが、通常は、予め両者を混合してから、分散媒体に添加する。重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加して使用することができるが、分散媒体と油性混合液を重合器内で攪拌混合した後、添加してもよい。また、油性混合液と分散媒体との混合を別の容器で行って、混合攪拌した後、重合器に仕込んでも良い。
【0034】
本発明において重合に使用することができる重合開始剤は、特に限定されず、一般に使用されているものを使用することができるが、重合性モノマーに可溶の油溶性重合開始剤であることが好ましい。例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物が挙げられる。より具体的には、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1− メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられる。
【0035】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、上記製造方法により得ることができ、界面活性剤が粒子内部および/または粒子表面に含有されていることを特徴とする。
また、熱膨張性マイクロカプセルに含有される界面活性剤は、上述した製造上の理由から界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
さらに、熱膨張性マイクロカプセルは、界面活性剤がマイクロカプセルのシェル部分を形成するポリマーに化学的に結合していることが好ましい。二重結合を有する反応性界面活性剤であれば重合性モノマーが重合してシェル部分を形成するポリマーが生成する際に化学的に結合することができる。
【0036】
また、本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒径1〜10μm、最高体積膨張倍率20倍以上であって塩素を含む物質を含有しない熱膨張性マイクロカプセルであることが好ましい。
なお、ここで最高膨張倍率とは、熱膨張性マイクロカプセルが発泡可能な温度範囲において加熱温度をかえて膨張倍率を測定したときに膨張倍率が最大となる発泡最適温度における熱膨張性マイクロカプセル自体の膨張倍率のことである。
【0037】
【実施例】
実施例1〜4
表1の配合処方によって調製した油性混合液および分散媒体をホモジナイザーで攪拌混合した後、窒素置換した加圧重合器(20L)内へ仕込み加圧して(0.2MPa)60℃で8時間反応させた。得られた反応生成物をろ別、水洗、乾燥して熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルについて、加熱条件をかえて膨張倍率(体積比)を測定した。また、加熱時の二次凝集状態についても評価した。評価結果を表1に示した。
【0038】
比較例1
表1の配合処方によって実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。ただし、界面活性剤を添加しなかったことのみ異なる。得られたマイクロカプセルについて実施例1と同様に評価を行い結果を表1に示した。
【0039】
比較例2
表1の配合処方によって実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。ただし、界面活性剤の添加量を増やしたことのみ異なる。重合の結果、多量の粒子凝集物が発生し、粒子の発泡評価を行うことができなかった。
【0040】
比較例3
表1の配合処方によって実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。ただし、界面活性剤を添加しなかったことのみ異なる。得られたマイクロカプセルについて実施例1と同様に評価を行い結果を表1に示した。
【0041】
〔測定方法〕
(平均粒子径)
堀場製作所社製レーザー回折粒度分布計を用い、熱膨張性マイクロカプセルの体積平均粒子径を測定した。
(膨張倍率)
熱膨張性マイクロカプセル0.5gをギア式オーブン中に入れ、170℃で2分間加熱して発泡させた。得られた発泡体をメスシリンダーに入れて体積を測定し、未発泡時の体積で割って膨張倍率とした。
【0042】
【表1】
Figure 0004189155
【0043】
【発明の効果】
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは膨張倍率が非常に高く、10μm以下の粒子でも高い膨張倍率が得られる。

Claims (1)

  1. 重合性モノマーと、マイクロカプセルのシェル部分を形成するポリマーの軟化点より低い温度で揮発する揮発性膨張剤を分散媒体に分散させ、重合性モノマーの油滴中に揮発性膨張剤を内包させた状態で重合する熱膨張マイクロカプセルの製造方法において、前記油滴中に重合性モノマーと揮発性膨張剤に加えてポリオキシエチレンアルキルプロピレンフェニルエーテルを含有させることを特徴とする熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
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