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JP4181270B2 - 耳孔式体温計 - Google Patents

耳孔式体温計 Download PDF

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JP4181270B2
JP4181270B2 JP10933899A JP10933899A JP4181270B2 JP 4181270 B2 JP4181270 B2 JP 4181270B2 JP 10933899 A JP10933899 A JP 10933899A JP 10933899 A JP10933899 A JP 10933899A JP 4181270 B2 JP4181270 B2 JP 4181270B2
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桂子 野田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触で耳孔内部の温度を検出する耳孔式体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触で耳孔内部の温度を検出する耳孔式体温計として、耳孔内部から放射された赤外線を導波管や集光レンズを用いて焦電型赤外線検出素子や複数の微少な熱電対を組み合わせたサーモパイル素子等の受光面に導いて、耳孔内部から放射された赤外線の強度を検出し、この赤外線の強度を温度に換算して表示する構成のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成の耳孔式体温計は、測定結果を表示する表示部が見にくいという課題を有している。つまり、表示部を筐体部分に配置しているため、測定結果を知るためには毎回耳孔式体温計を耳から抜いて目の前に持ってきて確認する必要があるものである。このことは、例えば、朝目覚めた直後に体温を測りたい等の場合には、周囲が暗いため使い勝手の悪さを感じるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、測定値または動作状態を報知する音声合成手段を設け、音声合成手段の出力をスピーカによって通知するようにして、測定結果を容易に知ることができる耳孔式体温計としている。更に、プローブの内壁又は外壁に設けられた第1の電極と第2の電極との間の抵抗値を抵抗値測定手段により測定し、抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると体温の測定を実行しないことにより、常に正しい状態で体温の測定ができる耳孔式体温計としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1,2に記載した発明は、耳孔から発生する赤外線を赤外線検出器によって検出し、この信号をAD変換器によってAD変換した信号を温度換算手段によって換算した温度信号を音声合成手段とスピーカとを介して出力するようにして、体温の測定結果を音声によっても容易に知ることができる耳孔式体温計としている。
更に、請求項1に記載した発明は、抵抗値測定手段によってプローブ内壁に設けた第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出した場合には、プローブの内壁等に結露が生じているとして体温の測定を実行しないようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
また、請求項2に記載した発明は、抵抗値測定手段によってプローブ外壁に設けた第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると、耳孔内が発汗によって結露するとして体温の測定を実行しないようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0006】
請求項に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、抵抗値測定手段によって測定した第一の電極と第二の電極との間の電気的抵抗が基準値よりも高いときは、耳孔内にプローブが挿入されていないとして体温の測定を実行しないようにして常に正しい状態で体温の測定ができる耳孔式体温計としている。
【0007】
請求項に記載した発明は、暗状態検出手段が赤外線検出器近傍に配置した可視光受光部によって暗状態を検出した場合に、耳孔内にプローブが挿入されているとして体温の測定を実行するようにして、常に正しい状態で体温の測定ができる耳孔式体温計としている。
【0008】
請求項に記載した発明は、プローブの温度を検出する温度検出器によって検出した温度があらかじめ設定した値よりも大きい場合にはプローブが耳孔内に挿入されたとして体温の測定を実行し、あらかじめ設定した値よりも小さい場合にはプローブが耳孔内に挿入されていないとして体温の測定を実行しないようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0011】
請求項に記載した発明は、赤外線検出器の近傍に可視光を発光する発光手段を配置し、この発光手段を発光させた状態で赤外線検出器の信号が基準値を超えて変動したときには、赤外線を集光する集光手段が結露しているとして体温の測定を実行しないようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0012】
請求項に記載した発明は、温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さいことを測定値判定手段によって検知したときには、ブザーを駆動して異常を報知するようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0013】
請求項に記載した発明は、温度換算手段の出力を受ける測定値判定手段を備え、前記測定値判定手段が温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さい場合には測定不良であるとして振動モータを駆動して異常を報知するようにして、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0014】
請求項に記載した発明は、一定時間毎に信号を出力するタイマーを備え、温度換算手段がこのタイマーの出力信号を受ける毎にそれまでに得られたデータから体温を演算して、この中の最も高い体温を測定値とすることによって、測定中にプローブの方向を修正でき、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計としている。
【0015】
請求項10に記載した発明は、赤外線検出器を包み込むように配置した金属塊によって、赤外線検出器自体の熱容量を大きくでき、測定中の赤外線検出器の温度変動を少なくして正確な測定ができる耳孔式体温計としている。
【0016】
請求項11に記載した発明は、空気ポンプによってプローブ内壁に圧縮空気を吹き付けるようにして、プローブ内壁に耳垢が付着することを防止し、正確な測定ができる耳孔式体温計としている。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の第1の実施例について説明する。図1は本実施例の構成を示すブロック図である。プローブ11は耳孔13内に挿入して使用する、耳孔内から発生する赤外線は、プローブ11によって集光手段12に案内されている。集光手段12はレンズとして作用するもので、プローブ11によって案内された赤外線は、集光手段12の焦点の位置に配置している赤外線検出器1に集められる。このときプローブ11は、前記集光手段12の位置を安定化する機能も有している。
【0018】
赤外線検出器1は図2に示す構成となっている。すなわち、受光部14と温度検出器2とを有している。受光部14は本実施例ではポリエチレンフィルムの表面に設けたセラミック等によって構成した焦電素子によって構成している。すなわち前記ポリエチレンフィルムは熱絶縁体として作用しており、受光した赤外線によってポリエチレンフィルム以外の部分が加熱されないように限定しているものである。また、受光した赤外線によって前記焦電素子の表面には+電荷が発生し、焦電素子の裏面には−電荷が発生するものである。この電荷の総量は、受光した赤外線の総量に比例するものとなっている。この電荷は、図1に示している増幅器3によって増幅され、AD変換器4によってAD変換され、温度換算手段5に伝達されている。
【0019】
前記温度検出器2はサーミスタによって構成しており、赤外線検出器1の受光部14外に配置されており、赤外線検出器1自体の温度を検出して、前記AD変換器4に伝達している。
【0020】
AD変換器4は、伝達されたアナログ信号をディジタル信号に変換して温度換算手段5に伝達している。温度換算手段5は、赤外線検出器1から受けた温度データと、温度検出器2から受けた温度データとを所定の演算式によって演算することによって、鼓膜13の温度を演算し、この信号を音声合成手段6と測定値表示手段7に伝達して報知と表示とを行っている。前記赤外線検出器1の受光部14が出力する直流電圧値は、鼓膜13から照射された赤外線によって上昇した受光部14の温度と、赤外線検出器1自体の温度との差に比例する。前記温度換算手段5が備えている演算式は、この関係に基づいて設定しているものである。
【0021】
音声合成手段6は、温度換算手段5の出力に基づいて数値等の単語の音声信号を出力する。音声合成手段6から出された音声信号は、音声信号増幅手段8で十分な大きさの電気信号に増幅されて、スピーカ10から音声として放射される。
【0022】
以下本実施例の動作について説明する。使用者がプローブ11を耳孔に挿入し、図示していないスイッチをオンする。鼓膜13から放射される赤外線は、プローブ11から集光手段12を介して赤外線検出器1に伝達される。鼓膜13は人体の中枢部に連絡されているため、鼓膜13から放射される赤外線は人体の温度を最も正確に表しているものである。赤外線検出器1は、この人体の温度を示す赤外線信号をアナログ信号として増幅器3に伝達し、更に増幅器3からAD変換器4に伝達しているものである。AD変換器4はこの信号と、赤外線検出器1自体の温度を検出する温度検出器2の信号とをディジタル信号に変換して、温度換算手段5に伝達している。温度換算手段5は例えばマイコンを使用しており、この二つの信号から人体の温度を演算し、この信号を音声合成手段6と測定値表示手段7に伝達している。
【0023】
音声合成手段6は、温度換算手段5の換算信号を受けて、測定値に相当する単語を電気信号として出力する。たとえば測定値が36.5℃であった場合には「さんじゅう」という単語と「ろく」という単語と「てん」という単語と「ご」という単語と「ど」という合計5つの単語の音声信号を連続的に出力する。この音声信号は、音声信号増幅部8で増幅され、スピーカ10から測定者に聞こえるように発音される。
【0024】
このように本実施例は、体温の測定結果を測定値表示手段7に文字として表示すると共に、スピーカ10から音声によって報知するようにしているものである。このため、従来耳孔式体温計が有している表示部が見にくいという課題を解決しているものである。
つまり、測定結果を知るためには毎回プローブ11を耳から抜いて、表示部を目の前に持ってきて確認したりする必要がなく、また、朝目覚めた直後に体温を測定したいときには、周囲が暗い状態であっても容易に体温が測定できるものである。
【0025】
(実施例2)
続いて本発明の第2の実施例について説明する。図3は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、プローブ11の外側に第1の電極26及び第2の電極27を設けている。第1の電極26及び第2の電極27は、プローブ11を耳孔に挿入したときに耳孔内の皮膚に触れるようになっている。前記第1の電極26と第2の電極27との間には、第1の電極26と第2の電極27間の電気抵抗値を測る抵抗値測定手段28を設けている。この抵抗値測定手段28の出力信号は、非導通検出手段29に伝達されている。非導通検出手段29は抵抗値測定手段28が測定した第1の電極26と第2の電極27との間の抵抗値が、たとえば1MΩ以上であれば非導通であると判断する非導通検出手段である。
【0026】
以下本実施例の動作について説明する。前記しているように、第1の電極26及び第2の電極27は、プローブ11を測定者の耳孔に挿入したときに、測定者の耳孔内の皮膚に触れている。従ってプローブ11を耳孔内に挿入していないときには、抵抗値測定手段28が測定する抵抗値は、当然非常に高いものとなっている。つまり、抵抗値測定手段28が測定した第1の電極26と第2の電極27との間の抵抗は1MΩ以上となる。このため非導通検出手段29は、非道通状態であることを検出する。この非導通状態であるにもかかわらず、使用者が図示していないスイッチを操作して測定開始を指示しても、本実施例では体温の測定を実行しないようにしているものである。
【0027】
つまり、意味のない低い温度を表示したりすることがなく、常に正しい状態での体温を報知できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0028】
(実施例3)
続いて本発明の第3の実施例について説明する。図4は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、可視光受光部32と暗状態検出手段33を備えている。可視光受光部32は耳孔式体温計の赤外線検出器1近傍の明るさを検出している。可視光受光部32の出力は暗状態検出手段33に伝達されており、暗状態検出手段33は内蔵している基準値と比較して赤外線検出器1周囲が明るいか暗いかを判断し、この出力を温度換算手段5に伝達している。
【0029】
以下本実施例の動作について説明する。暗状態検出手段33が赤外線検出器1の近傍が暗いと判断する信号を温度換算手段5に伝達すると、温度換算手段5は測定値はプローブ11を正しく耳に挿入して得られたものと判断し測定値表示手段7に測定温度を表示させる。また、暗状態検出手段33が赤外線検出器1の近傍が明るいと判断したときには、プローブ11を正しく耳に挿入して得られたものではない判断して測定値表示手段7には測定温度を表示しない。つまり、プローブ11が正しく耳に挿入されたことを赤外線検出器1の近傍の明るさを検知することにより判断し、プローブ11を耳に正しく入れられたと判断したときにだけ、測定値表示手段に測定温度を表示するようにしている。
【0030】
以上のように本実施例によれば、常に正しい状態での体温を報知できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0031】
(実施例4)
続いて本発明の第4の実施例について説明する。図5は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、赤外線検出器1に第1の温度検出器2を、プローブ11の先端に第2の温度検出器43を設けている。この第2の温度検出器43の出力は、温度変化検出手段44に伝達されている。
【0032】
以下本実施例の動作について説明する。プローブ11が耳孔内に挿入される前はプローブ11の温度はほぼ室温と等しく、このためプローブ11に取り付けられている第2の温度検出器43の出力も安定している。使用者が体温を測定するためにプローブ11を耳孔内に挿入すると、プローブ11の温度は急激に上昇し、第2の温度検出器43の出力は変化する。温度変化検出手段44はこの第2の温度検出器12の温度信号を監視しており、第2の温度検出器43の検出した温度があらかじめ設定した値よりも大きい場合にはプローブが耳孔内に挿入されたとして体温の測定を実行し、あらかじめ設定した値よりも小さい場合にはプローブが耳孔内に挿入されていないとして体温の測定を実行しないようにしているものである。
【0033】
以上のように本実施例によれば、常に正しい状態での体温を報知できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0034】
(実施例5)
続いて本発明の第5の実施例について説明する。図6は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、第1の電極26と第2の電極27をプローブ11の内壁に配置している。また第1の電極26と第2の電極27との間には、抵抗値測定手段28が接続されている。抵抗値測定手段28の出力は、導通検出手段30に接続されており、導通検出手段30の出力は温度換算手段5に伝達されている。
【0035】
従来の構成では、耳孔式体温計の温度が低く、耳孔内の発汗が多いときには、プローブ11の内壁をはじめ集光手段12の反射部表面や、赤外線検出器1の受光面に結露することがあった。この結露が生じると、水滴部分によって鼓膜13が発生した赤外線が吸収される現象が生ずるものである。この状態では、赤外線検出器1に伝達される赤外線の総量が正しく体温を反映するものとはなっていないため、体温は正しく測定されないものである。
【0036】
この点本実施例では、抵抗値測定手段28が測定した第1の電極26と第2の電極27との間の抵抗値がたとえば1MΩ以下であれば結露が生じていると判断する導通検出手段30を使用している。従って導通検出手段30によって、正常状態であることを判定したときにのみ体温の測定を実行することによって、常に正しい状態での体温を報知できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0037】
(実施例6)
続いて本発明の第6の実施例について説明する。図7は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、発光手段60を赤外線検出器1の近傍に設けている。発光手段60は本実施例では可視光を発光する発光ダイオードによって構成しており、温度換算手段5の信号によって駆動されるようになっている。また、発光手段60の発光方向は集光手段12の方向となっている。
【0038】
通常集光手段12の反射鏡表面は鏡面で、赤外線検出器1から来た光線は集光手段12の反射鏡面で反射されプローブ11の開口部から外部に抜けていく。しかし、集光手段12の反射鏡表面に結露が生じている場合は、この光は正しく反射されずに散乱されて、あらゆる方向に向かうものである。従って一部の光は、赤外線検出器1にも入射する。この状態では、体温の測定は正確ではないものである。
【0039】
本実施例では、体温の測定を実行する前に、温度換算手段5を構成しているマイコンが使用者が図示していない測定開始スイッチをオンした段階で発光手段60を駆動しているものである。この状態で赤外線検出器1の出力が大きく変動すれば、発光ダイオード60から放射された可視光が、集光手段12の反射鏡面等の結露によって散乱されている状態と判断するものである。つまり、本実施例ではこのような結露状態では正しい体温測定はできないものとして、測定値表示部7に異常通知を実行し、体温の測定は実行はしないものである。
【0040】
以上のようにして、本実施例では常に正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現しているものである。
【0041】
(実施例7)
続いて本発明の第7の実施例について説明する。図8は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、耳孔式体温計のプローブ11の先端部分に第1の電極51と第2の電極52とを配置している。また、前記第1の電極51と第2の電極52との間に、抵抗値測定手段53を設けており、前記電極間の抵抗値を測定している。抵抗値測定手段53の出力は、導通検出手段54に接続されている。導通検出手段54は、抵抗値測定手段53が検出した抵抗値があらかじめ決められた抵抗値よりも小さい場合には、導通状態であるとして温度換算手段5に伝えている。
【0042】
以下本実施例の動作について説明する。抵抗値測定手段53は、プローブ11の先端部分に配置している第1の電極51と第2の電極52との間の抵抗値を測定している。つまり、測定者がプローブ11を耳孔内に挿入したときの前記電極間の抵抗値を検出しているものである。この抵抗値が、導通検出手段54によって基準値よりも低下していると認識されたときには、導通検出手段54は耳孔内に発汗が異常に多く結露の可能性があるとして、測定値表示部7に異常を報知し、体温の測定は実行しないものである。
【0043】
以上のようにして、本実施例では常に正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現しているものである。
【0044】
(実施例8)
続いて本発明の第8の実施例について説明する。図9は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では温度換算手段5に測定不良検出手段36を接続している。測定不良検出手段36は、内蔵している基準値に比べて温度換算手段5の出力値が低すぎないかどうかを判定している。また、温度換算手段5の出力値が前記した基準状態よりも低い場合には、例えばプローブ11の設定が不良である等として測定不良である報知をブザー61によって行っている。この報知音は本実施例では、ビープ音としているものである。
【0045】
以上の構成とすることによって、常に正しい測定が出来る耳孔式体温計を実現できるものである。
【0046】
(実施例9)
続いて本発明の第9の実施例について説明する。図10は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、図9に示しているブザー61に代えて、振動モータ62を使用している。振動モータ62は携帯電話の着信通知用の小型モータである。測定不良検出手段36の出力信号が測定不良である場合には、測定が正しくなかったとして、振動モータ62を駆動するものである。使用者はこの振動モータの振動によって測定が誤りであることを認識して、再測定を実行するものである。
【0047】
以上の構成とすることによって、常に正しい測定が出来る耳孔式体温計を実現できるものである。
【0048】
(実施例10)
次に本発明の第10の実施例について説明する。図11は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では温度換算手段5にタイマー35を接続している。タイマー35は一定時間毎に、たとえば1秒毎に信号を出力している。このタイマー35から信号が出力される毎に、温度換算手段5はそれまでに得られたデータから測定値を算出し出力する。本実施例では、温度換算手段5は例えば8回の測定データの内から最も高い温度を体温として採用して、音声合成手段6に伝達し、音声合成信号増幅手段7からスピーカ10を介して音声で報知するようにしている。また同時に、測定値表示手段7に8回分の体温データを順次表示するものである。
【0049】
実際の体温測定では、プローブ11の挿入方向によって、測定値がばらつくものである。このばらつきは、測定した体温が高いプローブ11の方向が正しい方向となっているものである。このため、本実施例では、測定結果が最も高いときのプローブ11の方向を知ることができ、プローブ11の方向の修正が容易にできて正しい測定が実行できるものである。
【0050】
(実施例11)
続いて本発明の第11の実施例について説明する。図12は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、赤外線検出器1は金属塊65によって覆っているものである。金属塊65はたとえば亜鉛で構成しており、赤外線検出器1に密着させているものである。このため、本実施例では赤外線検出器1は熱容量が大きくなっている。つまり、使用者が赤外線検出器1を手で持っても、体温の伝達によって赤外線検出器1の温度が大きく変化することはないものである。
【0051】
赤外線検出器1の温度が変化すると、測定した体温の値は誤差を含んだものとなる。この点本実施例によれば、赤外線検出器1は金属塊65によって覆っている構成としているため、前記しているように使用者が赤外線検出器1を手で持ったとしても、赤外線検出器1の温度変化は極めて微少となるものである。
【0052】
以上のように本実施例によれば、赤外線検出器の温度を安定化させることができ、さらに正確な測定ができる耳孔式体温計を実現するものである。
【0053】
(実施例12)
続いて本発明の第12の実施例について説明する。図13は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、圧縮された空気を吹き出す空気ポンプ66を赤外線検出器1の近傍に設けている。また、空気ポンプ66の吐出口となるノズル67を、プローブ11の内壁方向に向けている。
【0054】
耳孔体温計はプローブ11を耳孔内に挿入して測定する。このため、プローブ11の内壁には耳垢が詰まりやすいものである。耳垢がプローブ11内に詰まっている場合は、鼓膜13から放射された赤外線が減衰して、正確な体温測定ができないものである。
【0055】
この点本実施例によれば、測定前あるいは測定後に空気ポンプ66を駆動してノズル67から空気をプローブ11の内壁方向に吹き付けることにより、詰まった耳垢を排除することができる。
【0056】
以上のように本実施例によれば、測定前あるいは測定後に空気ポンプ66を駆動してノズル67から空気をプローブ11の内壁方向に吹き付けることにより、詰まった耳垢を排除することができ、常に正確な体温測定ができる耳孔体温計を実現できるものである。
【0057】
【発明の効果】
請求項1,2に記載した発明は、耳孔から発生する赤外線を案内するプローブと、前記赤外線の温度を検出する赤外線検出器と、前記赤外線検出器の出力信号をAD変換するAD変換器と、AD変換器の信号を受けて被測定物の温度に応じた信号を出力する温度換算手段と、温度換算手段の温度換算結果を表示する測定値表示手段と、前記温度換算手段の信号を受けて電気的な音声信号を発生する音声合成手段と、前記音声合成手段の出力信号によって音声を発生するスピーカとを備えた構成として、体温の測定結果を音声によっても容易に知ることができる耳孔式体温計を実現するものである。
更に、請求項1に記載した発明は、抵抗値測定手段によってプローブ内壁に設けた第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると体温の測定を実行しない構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
また、請求項2に記載した発明は、抵抗値測定手段によってプローブ外壁に設けた第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると体温の測定を実行しない構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0058】
請求項に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記抵抗値測定手段が高抵抗を検出した場合には体温を測定しない構成として、常に正しい状態で体温の測定ができる耳孔式体温計を実現するものである。
【0059】
請求項に記載した発明は、暗状態検出手段が赤外線検出器近傍に配置した可視光受光部によって暗状態を検出した場合にのみ体温を測定する構成として、常に正しい状態で体温の測定ができる耳孔式体温計を実現するものである。
【0060】
請求項に記載した発明は、プローブの温度を検出する温度検出器を有し、この温度検出器が検出した温度があらかじめ設定した値よりも大きい場合には体温の測定を実行し、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には体温の測定を実行しない構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0063】
請求項に記載した発明は、赤外線検出器の近傍に可視光を発光する発光手段を配置し、この発光手段を発光させた状態で赤外線検出器の信号が基準値を超えて変動したときには、測定値表示手段に異常状態であることを表示する構成として、赤外線検出器の近傍に配置した発光手段の信号が基準値を超えて変動したときには測定値表示手段に異常状態であることを表示する構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0064】
請求項に記載した発明は、温度換算手段の出力を受ける測定値判定手段を備え、前記測定値判定手段が温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さい場合にはブザーを駆動して異常を報知する構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0065】
請求項に記載した発明は、温度換算手段の出力を受ける測定値判定手段を備え、前記測定値判定手段が温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さい場合には振動モータを駆動して異常を報知する構成として、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0066】
請求項に記載した発明は、一定時間毎に信号を出力するタイマーを備え、温度換算手段がこのタイマーの出力信号を受ける毎にそれまでに得られたデータから体温を演算し、この中の最も高い体温を測定値として音声合成手段に出力するようにして、測定中にプローブの方向を修正でき、正確な体温の測定が実行できる耳孔式体温計を実現するものである。
【0067】
請求項10に記載した発明は、赤外線検出器を包み込むように配置した金属塊を備えた構成として、赤外線検出器自体の熱容量を大きくでき、測定中の赤外線検出器の温度変動を少なくして正確な測定ができる耳孔式体温計を実現するものである。
【0068】
請求項11に記載した発明は、プローブ内壁に向けて圧縮された空気を吹き付ける空気ポンプを有する構成として、プローブ内壁に耳垢が付着することを防止し、正確な測定ができる耳孔式体温計を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図2】同、赤外線検出器の内部構成を示す説明図
【図3】本発明の第2の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図5】本発明の第4の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図6】本発明の第5の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図7】本発明の第6の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第7の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図9】本発明の第8の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第9の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図11】本発明の第10の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図12】本発明の第11の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【図13】本発明の第12の実施例である耳孔式体温計の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 赤外線検出器
2 温度検出器
3 増幅器
4 AD変換器
5 温度換算手段
6 音声合成手段
7 測定値表示手段
8 音声信号増幅手段
10 スピーカ
11 プローブ
12 集光手段
13 鼓膜
14 受光部
26 第1の電極
27 第2の電極
28 抵抗値測定手段
29 非導通検出手段
30 導通検出手段
32 光センサ
33 暗状態検出手段
34 単一周波数発生手段
35 タイマー
36 測定不良検出手段
41、44 温度変化検出手段
42 温度不安定検出手段
51 第1の電極
52 第2の電極
53 抵抗値測定手段
54 導通検出手段
60 発光手段
61 ブザー
62 振動モータ
65 金属塊
66 空気ポンプ
67 ノズル

Claims (11)

  1. 耳孔から発生する赤外線を案内するプローブと、前記赤外線の温度を検出する赤外線検出器と、前記赤外線検出器の出力信号をAD変換するAD変換器と、AD変換器の信号を受けて被測定物の温度に応じた信号を出力する温度換算手段と、温度換算手段の温度換算結果を表示する測定値表示手段と、前記温度換算手段の信号を受けて電気的な音声信号を発生する音声合成手段と、前記音声合成手段の出力信号によって音声を発生するスピーカと、前記プローブの内壁に設けられた第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段とを備え、前記抵抗値測定手段が測定した第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると体温の測定を実行しない耳孔式体温計。
  2. 耳孔から発生する赤外線を案内するプローブと、前記赤外線の温度を検出する赤外線検出器と、前記赤外線検出器の出力信号をAD変換するAD変換器と、AD変換器の信号を受けて被測定物の温度に応じた信号を出力する温度換算手段と、温度換算手段の温度換算結果を表示する測定値表示手段と、前記温度換算手段の信号を受けて電気的な音声信号を発生する音声合成手段と、前記音声合成手段の出力信号によって音声を発生するスピーカと、前記プローブの外壁に設けられた第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段とを備え、前記抵抗値測定手段が測定した第1の電極と第2の電極間の抵抗値があらかじめ決められた値よりも小さいことを検出すると体温の測定を実行しない耳孔式体温計。
  3. 記抵抗値測定手段が高抵抗を検出した場合には体温を測定しない請求項に記載した耳孔式体温計。
  4. 暗状態検出手段が赤外線検出器近傍に配置した可視光受光部によって暗状態を検出した場合にのみ体温を測定する請求項1から3のいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  5. プローブの温度を検出する温度検出器を有し、この温度検出器が検出した温度があらかじめ設定した値よりも大きい場合には体温の測定を実行し、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には体温の測定を実行しない請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  6. 赤外線検出器の近傍に可視光を発光する発光手段を配置し、この発光手段を発光させた状態で赤外線検出器の信号が基準値を超えて変動したときには、測定値表示手段に異常状態であることを表示する請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  7. 温度換算手段の出力を受ける測定値判定手段を備え、前記測定値判定手段が温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さい場合にはブザーを駆動して異常を報知する請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  8. 温度換算手段の出力を受ける測定値判定手段を備え、前記測定値判定手段が温度換算手段の出力が予め設定した値よりも小さい場合には振動モータを駆動して異常を報知する請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  9. 一定時間毎に信号を出力するタイマーを備え、温度換算手段がこのタイマーの出力信号を受ける毎にそれまでに得られたデータから体温を演算し、この中の最も高い体温を測定値として音声合成手段に出力するようにした請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  10. 赤外線検出器を包み込むように配置した金属塊を備えた請求項1からのいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
  11. プローブ内壁に向けて圧縮された空気を吹き付ける空気ポンプを有する請求項1から10のいずれか1項に記載した耳孔式体温計。
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