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JP4170141B2 - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は皮革様シートおよびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、繊維質基材中に特定の複合樹脂が付与されている皮革様シートおよびその製造方法に関する。本発明の皮革様シートは、従来の樹脂水性分散液を用いて得られた皮革様シートに比べて、外観・風合い・物性・耐光性・製造時の工程通過性が優れている。
【0002】
【従来の技術】
従来より、皮革様シートとして、不織布などの繊維質基材中に弾性を有する樹脂を付与した基体の表面に繊維立毛を存在させたものや該基体の表面に樹脂層を積層したものが知られている。不織布に付与する弾性を有する樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル系重合体などが知られており、皮革様シートの風合、機械的物性などの観点からウレタン樹脂が好ましく使用されている。
【0003】
繊維質基材に弾性を有する樹脂を付与した皮革様シートを製造する一般的な方法としては、不織布などの繊維質基材に、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を溶媒とする弾性を有する樹脂の溶液などを含浸・凝固させて製造する方法が用いられているが、有機溶剤を用いる製造方法は、環境適合性、作業環境の安全性などの観点から好ましくない。弾性を有する樹脂の有機溶剤溶液を用いる方法に代えて、弾性を有する樹脂の水性分散液を含浸させて皮革様シートを製造する方法が従来より種々検討されており、布帛にウレタン樹脂の水性分散液およびアクリル系重合体の水性分散液の混合液を含浸させ、温水処理して合成皮革用基布を製造する方法(例えば、特許文献1参照)や、平均粒度が0.1〜2.0μmであるウレタン樹脂の水性分散液に無機塩類を溶解混合した液を不織布に付与し、加熱乾燥して人工皮革を製造する方法(例えば、特許文献2参照)、2種以上のポリマーからなる繊維の不織布を、脂肪族ジイソシアネート、ポリテトラメチレングリコールおよび脂肪族ジアミンより形成されたウレタン樹脂の水性分散液で加工した後に、アルカリ水溶液または有機溶剤を用いて繊維を極細化して人工皮革を製造する方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1〜3の方法により得られる皮革様シートは、柔軟性、充実感などが十分ではなく、風合いが十分に改良されているとは言い難い。また、特許文献2および3の方法では、繊維質基材に付与する樹脂としてウレタン樹脂を用いているが、ウレタン樹脂は耐久性と柔軟性の両立が困難である上、水性分散型のウレタン樹脂は有機溶剤溶液型のウレタン樹脂に比べて非常にコストが高い問題がある。特許文献1では、ウレタン樹脂とともにコストの低いアクリル系重合体を用いているが、ウレタン樹脂とアクリル系重合体の単なる混合物は相溶性が不十分でそれぞれの短所が現れやすく、皮革様シートの物性や製造工程通過性が不十分である。
これらの問題を改良するために、本発明者らは既に、極細繊維形成性繊維からなる繊維質基材にウレタン樹脂とアクリル系重合体とが複合化された樹脂の水性分散液を含浸し、感熱ゲル化させた後、繊維を極細化して人工皮革を製造する方法(例えば、特許文献4参照)を提案している。
特許文献4の方法により得られる皮革様シートは良好な風合いを有するものの、カーシートなどの要求性能の厳しい用途では耐光性や堅牢性が必ずしも十分ではなかった。また、該皮革様シートを高温で染色する際に含浸樹脂が変形しやすいため染色後に熱プレスなどによる平坦化処理が必要であったり、皮革様シート表面を毛羽立てて立毛を形成させる際にサンドペーパーの目が含浸樹脂によって詰まったりしやすいなど、工程通過性の改良が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−128078号公報
【特許文献2】
特開平6−316877号公報
【特許文献3】
特開平9−132876号公報
【特許文献4】
特開2000−303370号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、樹脂水性分散液を用いて、柔軟性、充実感、表面外観・感触などの風合いの他に、耐光性、物性、製造時の工程通過性などにも優れる皮革様シートおよびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、繊維質基材に含浸する樹脂として、特定の構造を有する樹脂を用いることにより、上記課題を達成できることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、繊維質基材内部に樹脂(A)が付与されてなる皮革様シートにおいて、前記樹脂(A)が4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を15〜40質量%の割合で有している原料成分を用いて得られたウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂であることを特徴とする皮革様シートである。
【0009】
そして、本発明は、繊維質基材内部に、ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を付与して上記皮革様シートを製造する、皮革様シートの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の皮革様シートに用いられる繊維質基材としては、適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有するものであればよく、従来より皮革様シートの製造に使用されている各種の繊維質基材を使用することができる。特に不織布が天然皮革調の風合いや物性が得られることから好ましい。これらの繊維質基材を構成する繊維は、通常の天然繊維、半合成繊維、合成繊維のいずれであってもよいが、好ましくは極細合成繊維または極細化可能な合成繊維(極細繊維形成性繊維)を極細化させた極細合成繊維である。なかでも、複数の高分子物質からなり、繊維横断面において複数の高分子物質が積層状または海島状の断面形状を有している極細繊維形成性繊維を用いることが好ましい。積層状の断面形状を有する極細繊維形成性繊維は積層部分を剥離させることにより、または積層されている一成分高分子物質を除去することにより、また海島状の断面形状を有する極細繊維形成性繊維の場合には、海成分高分子物質を除去することにより、いずれも極細繊維が得られる。なお、高分子物質を除去する場合には、該高分子物質として水溶性の高分子物質を用いて水性液により除去することが、環境や安全面で有害な有機溶剤を使用しないことから好ましい。
【0011】
繊維質基材を構成する高分子物質としては、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン912(ノナメチレンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンとドデカン二酸からなるナイロン)、ナイロン6/12(カプロラクタムとラウロラクタムの共重合体)、ナイロン6T(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなるナイロン)、ナイロン9T(ノナメチレンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンとテレフタル酸からなるナイロン)、ポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマー)などのポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエステルブロック共重合体(ポリエステルエラストマー)などのポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン類;ポリスチレン、ポリスチレン系ブロック共重合体(ポリスチレン系エラストマー)などで代表されるポリスチレン系重合体類;ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリメタクリル酸エステル、ポリウレタンエラストマーなどを挙げることができ、用途、要求性能に応じて任意に選ぶことができる。
【0012】
本発明で繊維質基材内部に付与されている樹脂(A)は、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを原料として用いて得られたウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂であることが必要である。
ウレタン樹脂(B)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が、ウレタン樹脂に対して15〜40質量%であることが得られる皮革様シートの風合い、工程通過性などの面から必要であり、20〜35質量%であることが好ましい。ウレタン樹脂(B)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が15質量%よりも少ない場合には、皮革様シートを製造する際の工程通過性が不十分となりやすく、一方、ウレタン樹脂(B)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が40質量%を超えると樹脂の柔軟性が劣り、得られる皮革様シートの風合いが低下する傾向である。
【0013】
また、繊維質基材内部に付与されている樹脂(A)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が5〜20質量%の割合であることが得られる皮革様シートの風合い、工程通過性などの面から好ましく、7〜15質量%であることがより好ましい。樹脂(A)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が5質量%よりも少ない場合には、皮革様シートを製造する際の工程通過性が不十分となりやすく、一方、樹脂(A)中の4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格の割合が20質量%を超えると樹脂の柔軟性が劣り、得られる皮革様シートの風合いが低下する傾向である。
【0014】
さらに、樹脂(A)中におけるウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)との質量比は15/85〜70/30であることが好ましく、20/80〜60/40であることがより好ましい。ウレタン樹脂(B)の割合が15質量%未満である場合には、皮革様シートを製造する際の工程通過性が不十分となりやすい。一方、ウレタン樹脂(B)の割合が70質量%を超える場合には、得られる皮革様シートの耐光堅牢性や、風合い、表面外観が劣る傾向であり、またコスト的にも高くなるため好ましくない。
【0015】
繊維質基材内部に付与されている樹脂(A)は、周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定した際の50℃における動的弾性率が5.0×10Pa以下であることが得られる皮革様シートの風合いが一層優れることから好ましく、4.0×10Pa以下であることがより好ましく、3.0×10Pa以下であることがさらに好ましい。
また、繊維質基材内部に付与されている樹脂(A)は、周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定した際の150℃における動的弾性率が1.0×10Pa以上であることが皮革様シートを製造する際の工程通過性が一層優れることから好ましく、2.0×10Pa以上であることがより好ましく、3.0×10Pa以上であることがさらに好ましい。
さらに、皮革様シートを製造する際に染色を行う場合には、樹脂(A)を染色処理に近い条件の熱水で処理、すなわち、ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を乾燥して得られるフィルムを130℃×60分間熱水処理した際に、50℃における動的弾性率の保持率(熱水処理後の50℃における動的弾性率/熱水処理前の50℃における動的弾性率×100)が50%以上であることが、皮革様シートを製造する際の工程通過性が一層優れることから好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明に用いられるウレタン樹脂(B)は、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを主成分とする有機ジイソシアネートとともに、高分子ポリオール、鎖伸長剤などを適宜組み合わせて反応させることによって製造することができる。
ウレタン樹脂(B)の製造に用いることができる有機ジイソシアネートとしては、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとともに、ウレタン樹脂の製造に従来から用いられている有機ポリイソシアネートのいずれもが併用でき、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
有機ジイソシアネートとして、芳香環を有しない有機ジイソシアネートのみを用いるのが耐黄変性の点から好ましい。また、有機ジイソシアネートのうち4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの割合が70質量%以上であることが、皮革様シートを製造する際の工程通過性の点から好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
【0018】
ウレタン樹脂(B)の製造に用いうる高分子ポリオールとしては、公知の高分子ポリオールのいずれも使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などのポリエーテルポリオール;ポリブチレンアジペートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン アジペート)ジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン セバケート)ジオール、ポリカプロラクトンジオールなどのポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン カーボネート)ジオールなどのポリカーボネートポリオール;ポリエステルカーボネートポリオールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらの中でもポリカーボネートポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを用いることが耐久性の面から好ましい。
【0019】
高分子ポリオールの数平均分子量は、樹脂製造の容易性や、得られる皮革様シートの風合いなどの点から、その数平均分子量が600〜5,000であることが好ましく、800〜4,000であることがより好ましく、1,000〜3,000であることがさらに好ましい。
【0020】
ウレタン樹脂(B)の製造に用いうる鎖伸長剤としては、ウレタン樹脂の製造に従来から使用されている鎖伸長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応性の活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物が好ましく用いられる。好ましく用いられる鎖伸長剤の具体例としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;ジエチレントリアミン等のトリアミン類;トリエチレンテトラミン等のテトラミン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類;トリメチロールプロパン等のトリオール類;ペンタエリスリトール等のペンタオール類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、鎖伸長反応時に、鎖伸長剤とともに、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンなどのモノアミン類;4−アミノブタン酸、6−アミノヘキサン酸などのカルボキシル基含有モノアミン化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのモノオール類を併用してウレタン樹脂の分子量を調整してもよい。
【0021】
また、本発明に用いられるアクリル系重合体(C)は、(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とするエチレン性不飽和モノマー(c)を重合することによって製造することができる。なお、本発明において(メタ)アクリル酸誘導体とは、アクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体を意味する。
【0022】
用いうるエチレン性不飽和モノマー(c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸またはその誘導体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミドなどの不飽和カルボン酸のアミド類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはこれらの誘導体;ビニルピロリドンなどの複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミドなどのビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
エチレン性不飽和モノマー(c)のうち、(メタ)アクリル酸誘導体の割合が60質量%以上であることが、得られる皮革様シートの耐光性や耐久性などの点から好ましく、(メタ)アクリル酸誘導体の割合が70質量%以上であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸誘導体の割合が80質量%以上であることがさらに好ましい。
【0023】
さらに必要に応じて、エチレン性不飽和モノマー(c)として、2官能以上の多官能性エチレン性不飽和モノマーを併用することができる。多官能性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官能性芳香族ビニル化合物;アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレートなどの2個以上の異なるエチレン性不飽和結合含有化合物;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの2:1付加反応物、グリセリンジメタクリレートとトリレンジイソシアネートの2:1付加反応物などの分子量が1500以下のウレタンアクリレートなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
【0024】
多官能性エチレン性不飽和モノマーの割合が、エチレン性不飽和モノマー(c)全体に対して0.5〜10質量%であることが得られる皮革様シートの風合い、物性や、皮革様シートを製造する際の工程通過性などの点から好ましく、1〜9質量%であることがより好ましく、1.5〜8質量%であることがさらに好ましい。
【0025】
ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とを複合化させる方法としては、ウレタン樹脂の水性分散液(b)を製造した後に、その存在下で(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とするエチレン性不飽和モノマー(c)を乳化重合する方法が、複合化が容易であり、しかも皮革様シートを製造する工程において有機溶剤を使用する必要がないため好ましい。
【0026】
ウレタン樹脂の水性分散液(b)を製造する方法としては、公知の方法のいずれも使用可能であるが、そのうちでも、有機ジイソシアネートと高分子ポリオールおよび必要に応じて鎖伸長剤の一部を反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、そのプレポリマーを界面活性剤の存在下または非存在下に水中に乳化分散させた後/または同時に鎖伸長剤を反応させて高分子量化したウレタン樹脂の水性分散液を製造する方法が好ましい。乳化には、ホモミキサー、ホモジナイザー等の乳化分散装置を使用することもでき、その際、イソシアネート基と水との反応を抑制するために、乳化温度を40℃以下とすることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーを水中に乳化分散し易くするために、ウレタンプレポリマーをアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒で希釈して水性液体中に乳化分散させてもよい。ウレタンプレポリマーの希釈に用いた有機溶媒は、ウレタン樹脂の水性分散液の製造後に減圧留去等により除去することができる。
【0027】
本発明では、特に、ウレタン樹脂の水性分散液(b)が下記の要件▲1▼〜要件▲3▼;
▲1▼水性液中で界面活性剤の存在下にイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて調製したウレタン樹脂の水性分散液である;
▲2▼ウレタン樹脂骨格中に、ウレタン樹脂100g当たり、中和されたカルボキシル基を5〜25mmolの割合で有するウレタン樹脂の水性分散液である;および
▲3▼ウレタン樹脂100g当たり界面活性剤を0.5〜6gの割合で有するウレタン樹脂の水性分散液である;
を満足することが、エチレン性不飽和モノマー(c)を重合した際にウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)との粗大相分離が起こらず良好に複合化され、得られる皮革様シートの風合いや物性が優れ、皮革様シートを製造する際の工程通過性も良好であることから好ましい。
【0028】
ウレタン樹脂骨格中への中和されたカルボキシル基の導入は、ウレタン樹脂の原料としてカルボキシル基を有し且つイソシアネート反応性基を1個以上有する化合物を併用し、カルボキシル基を例えばトリエチルアミン、トリメチルアミンなどの三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物などの塩基性化合物で中和処理することにより達成される。
用いうるカルボキシル基を有し且つイソシアネート反応性基を1個以上有する化合物としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸などのカルボキシル基含有ジオールなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0029】
ウレタン樹脂の水性分散液(b)の製造に用いることができる界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、界面活性剤の少なくとも一部がアニオン性界面活性剤からなることが、アクリル系重合体(C)との複合化が容易であり、得られる皮革様シートの風合い、物性、皮革様シートを製造する際の工程通過性が一層優れていることから好ましい。
【0030】
ウレタン樹脂の水性分散液(b)中に含まれる粒子の平均粒子径が、動的光散乱法により測定し且つキュムラント法で解析して求めたときに、80〜400nmであることがアクリル系重合体(C)との複合化が容易であり、得られる皮革様シートの風合い、物性、皮革様シートを製造する際の工程通過性が一層優れていることから好ましい。平均粒子径が90〜350nmであることがより好ましく、100〜300nmであることがさらに好ましい。
【0031】
ウレタン樹脂の水性分散液(b)の存在下にエチレン性不飽和モノマー(c)を乳化重合して複合樹脂の水性分散液(a)を製造する方法としては公知の乳化重合方法を用いることができるが、0〜100℃の温度で行うことが好ましい。重合系へのエチレン性不飽和モノマー(c)の供給は、重合の進行とともに分割または連続して添加する方式や、最初の段階でエチレン性不飽和モノマー(c)の全量を供給する方式で行うことができるが、重合の進行とともに連続して添加する方式がウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)との複合化が容易であり、得られる皮革様シートの風合い、物性、皮革様シートを製造する際の工程通過性が一層優れていることから好ましい。
また、重合系へのウレタン樹脂の水性分散液(b)の仕込み量およびエチレン性不飽和モノマー(c)の供給量は、乳化重合により得られる複合樹脂の水性分散液(a)中での複合樹脂(A)の含有量が、水性分散液の全質量に基づいて、10〜60質量%、特に20〜55質量%の範囲内になるような量とすることが、重合安定性、得られる水性分散液の安定性、コストなどの点から好ましい。
【0032】
ウレタン樹脂の水性分散液(b)の存在下でエチレン性不飽和モノマー(c)を乳化重合する際に用いる開始剤としては従来公知の重合開始剤のいずれも用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどで代表される水溶性過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などで代表される水溶性アゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシドなどで代表される油溶性過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)などで代表される油溶性アゾ化合物などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0033】
また、前記重合開始剤とともに、還元剤、および必要に応じてキレート化剤を併用したレドックス開始剤系を用いても良い。還元剤としては、例えば、ロンガリット(ナトリウム ホルムアルデヒドスルホキシレート)などで代表されるアルカリ金属ホルムアルデヒドスルホキシレート類;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどで代表される亜硫酸塩;ピロ亜硫酸ナトリウムなどで代表されるピロ亜硫酸塩;チオ硫酸ナトリウムなどで代表されるチオ硫酸塩;亜リン酸、亜リン酸ナトリウムなどで代表される亜リン酸塩類;ピロ亜リン酸ナトリウムなどで代表されるピロ亜リン酸塩;メルカプタン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどで代表されるアスコルビン酸塩類;エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウムなどで代表されるエリソルビン酸塩類;グルコース、デキストロースなどで代表される糖類;硫酸第一鉄、硫酸銅などで代表される金属塩;二酸化チオ尿素などが挙げられる。キレート化剤としては、ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩などが挙げられる。これらの使用量は、それぞれの開始剤系の組み合わせに応じ適量を用いる。
複合樹脂の水性分散液(a)の製造の容易性の点から、油溶性過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス開始剤系を用いることが特に好ましい。
【0034】
本発明に用いられるウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)は、感熱ゲル化性を有していることが得られる皮革様シートの風合いが一層優れることから好ましい。水性分散液(a)が感熱ゲル化性を有することにより、繊維質基材内部で樹脂が表面にマイグレーションすることなく厚み方向に均一に樹脂を付着させることが可能となり、これにより得られる皮革様シートの風合いが一層優れたものとなる。なお、本発明で感熱ゲル化性とは、温度の上昇により水性分散液が不可逆的に増粘し流動性を失う性質をいう。
水性分散液(a)への感熱ゲル化性の付与は、感熱ゲル化剤の添加により行うことができる。感熱ゲル化剤としては公知の感熱ゲル化剤のいずれも用いることができ、例えば、無機塩類、ポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、シリコーン系化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0035】
本発明に用いられるウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)は、得られる皮革様シートの性質を損なわない限り、樹脂水性分散液にさらに他の樹脂成分を含有してもよい。そのような樹脂成分としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、ポリブタジエン系重合体、ポリイソプレン系重合体、シリコーンなどを挙げることができる。
【0036】
また、本発明に用いられるウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)が複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)は、得られる皮革様シートの性質を損なわない限り、さらに、架橋剤、浸透剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、防黴剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料などを適宜含有していてもよい。
【0037】
本発明の皮革様シートを製造する方法としては特に限定されないが、好ましくは下記工程(i)〜(iii)を順次行うことにより得られる。
(i)繊維質基材にウレタン樹脂とアクリル系重合体とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を含浸する工程、
(ii)水性分散液(a)を乾燥させる工程、
(iii)少なくとも一面に立毛を形成するか、あるいは少なくとも一面に樹脂層を形成する工程。
また、繊維質基材を構成する繊維が極細繊維形成性繊維である場合には、上記工程(i)の前または(ii)の後に下記工程(iv)を含むことができる。
(iv)極細繊維形成性繊維を極細繊維化する工程。
そして、水性分散液(a)が感熱ゲル化性を有する場合には、工程(i)と(ii)の間に下記工程(v)を含むことができる。
(v)水性分散液(a)を感熱ゲル化させる工程。
さらに、必要により工程(iii)の前または後に、以下の工程(vi)を付加してもよい。
(vi)得られたシートを染色する工程。
【0038】
工程(i)において、繊維質基材内部に水性分散液を付与する方法は、繊維質基材中に均一に含浸させうる方法であればいずれの方法を用いてもよく、一般的には、樹脂水性分散液中に繊維質基材を浸漬する方法が好ましく採用される。さらに、繊維質基材に水性分散液を含浸した後、プレスロールやドクターナイフなどを用いて樹脂水性分散液の含浸量を適量なものに調整することができる。
また、工程(iii)において、立毛の形成は公知の起毛方法、例えばサンドペーパー、針布等で起毛処理することによって行うことができる。
そして、工程(iv)において、極細繊維形成性繊維を極細繊維化する方法としては、上記した方法で行うことができ、得られた極細繊維の単繊維繊度が0.5デシテックス以下であることが皮革様シートの風合いの点から好ましく、0.4デシテックス以下であることがより好ましく、0.0001〜0.3デシテックスであることがさらに好ましい。
さらに、工程(v)において、感熱ゲル化を行う方法としては、(1)水性分散液を含浸した繊維質基材を60〜100℃の熱水浴中に浸漬する方法、(2)水性分散液を含浸した繊維質基材を60〜180℃の加熱水蒸気雰囲気下にさらす方法、(3)水性分散液を含浸した繊維質基材を60〜180℃の乾燥装置中にそのまま導入する方法などを挙げることができる。
【0039】
皮革様シート中での繊維質基材と樹脂との質量比は、40/60〜90/10であることが好ましく、50/50〜85/15であることがより好ましく、60/40〜80/20であることがさらに好ましい。繊維質基材の比率が40質量%未満の場合にはシートの柔軟性が損なわれやすく、90質量%を超える場合には得られるシートの充実感が不十分な傾向である。
得られる皮革様シートは、厚みが0.3〜3.0ミリメートルであり、見掛け密度が0.2〜0.6g/cmであることが皮革様の風合いの点から好ましい。
【0040】
本発明の皮革様シートは、風合いが極めて良好で、かつ耐久性、物性に優れたもので、スエードタイプまたは銀付きタイプとして、衣料用はもとより、服飾品、インテリア用、靴、カーシート、鞄、袋物、各種手袋、グローブやボール等のスポーツ用品などに好適である。
【0041】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されない。
【0042】
[ウレタン樹脂水性分散液中の粒子の平均粒子径]
大塚電子株式会社製「ELS−800」を使用して、動的光散乱法により測定し、キュムラント法により解析して、ウレタン樹脂水性分散液中の粒子の平均粒子径を求めた。
【0043】
[キャストフィルムの動的弾性率]
エマルジョンを50℃で乾燥して得られた厚さ200μmのフィルムを、130℃で30分間熱処理した後、粘弾性測定装置(レオロジ社製FTレオスペクトラー「DVE−V4])を用いて周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定を行い、50℃および150℃における動的弾性率を求めた。
【0044】
[熱水処理後の動的弾性率保持率]
エマルジョンを50℃で乾燥して得られた厚さ200μmのフィルムを、130℃で30分間熱処理した。次いで、加圧容器中で130℃の熱水中に60分間浸した後、50℃で乾燥した。粘弾性測定装置(レオロジ社製FTレオスペクトラー「DVE−V4])を用いて、熱水処理前後のフィルムをそれぞれ周波数11Hz、昇温速度3℃/分で測定を行い50℃における動的弾性率を求め、下記式より動的弾性率の保持率を求めた。
動的弾性率の保持率=(熱水処理後の動的弾性率/熱水処理前の動的弾性率)×100
【0045】
[皮革様シートの引裂強力]
20cm×4cmの試験片を皮革様シートの縦方向または横方向から切り取り、短辺の中央に辺と直角に5cmの切れ目を入れ、各舌片をチャックに挟み引張試験機で10cm/分の速度で引き裂いたときの最大荷重を測定し、皮革様シートの縦方向と横方向の平均値を求めて引裂強力(N)とした。
【0046】
[皮革様シートの摩擦堅牢性]
JIS L 0849の湿潤試験に準拠して摩擦試験機II形を用いて測定した。
【0047】
[皮革様シートの耐光堅牢性]
染色後の皮革様シートの表面にフェードテスター(スガ試験機株式会社製紫外線ロングライフフェードメーターFAL−5H・B・BL、紫外線カーボンアークランプ、63℃)で160時間光照射し、皮革様シート表面の退色度を変退色用グレースケール(JIS L 0804)を用いて号判定を行った。なお、この値が小さいほど、著しく退色していることを示す。
【0048】
[ウレタン樹脂水性分散液の製造]
《参考例1》
フラスコに、数平均分子量が1000のポリテトラメチレングリコール100g、数平均分子量が2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール100g、2,2−ジメチロールブタン酸6.00g、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート83.0gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で3時間撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート基末端のプレポリマーを得た。これに2−ブタノン151gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、トリエチルアミン4.02gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤(界面活性剤)としてラウリル硫酸ナトリウム2.86gおよびポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム2.86gを蒸留水486gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで3分間撹拌して乳化した後、直ちにイソホロンジアミン7.72gおよびジエチレントリアミン4.68gを蒸留水111gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで3分間撹拌し、鎖伸長反応を行った.その後、2−ブタノンをロータリーエバポレーターにより除去し、樹脂濃度33質量%のウレタン樹脂水性分散液を得た。ウレタン樹脂水性分散液の平均粒子径は145nmであり、またこのウレタン樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を27.6質量%有している。
【0049】
《参考例2》
フラスコに、数平均分子量が1000のポリテトラメチレングリコール100g、数平均分子量が2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール100g、1,4−ブタンジオール5.00g、2,2−ジメチロールブタン酸6.61g、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート104.5gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で3時間撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート基末端のプレポリマーを得た。これに2−ブタノン165gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、トリエチルアミン4.42gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤(界面活性剤)としてラウリル硫酸ナトリウム3.31gおよびポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム3.31gを蒸留水533gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで3分間撹拌して乳化した後、直ちにイソホロンジアミン9.08gおよびジエチレントリアミン5.50gを蒸留水122gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで3分間撹拌し、鎖伸長反応を行った.その後、2−ブタノンをロータリーエバポレーターにより除去し、樹脂濃度33質量%のウレタン樹脂水性分散液を得た。ウレタン樹脂水性分散液の平均粒子径は170nmであり、またこのウレタン樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を31.6質量%有している。
【0050】
《参考例3》
参考例1において、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート83.0gの代わりに、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート63.0gおよびイソホロンジイソシアネート21.0gを用いること以外は参考例1と同様にして樹脂濃度33質量%のウレタン樹脂水性分散液を得た。ウレタン樹脂水性分散液の平均粒子径は160nmであり、またこのウレタン樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を20.8質量%有している。
【0051】
《参考例4》
参考例1において、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの代わりにイソホロンジイソシアネート70.7gを用いること以外は参考例1と同様にして樹脂濃度33質量%のウレタン樹脂水性分散液を得た。ウレタン樹脂水性分散液の平均粒子径は150nmであり、またこのウレタン樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を有していない。
【0052】
《参考例5》
参考例1において、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの代わりに2,4−トリレンジイソシアネート51.2gを用いること以外は参考例1と同様にして樹脂濃度33質量%のウレタン樹脂水性分散液を得た。ウレタン樹脂水性分散液の平均粒子径は180nmであり、またこのウレタン樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を有していない。
【0053】
[複合樹脂水性分散液の製造]
《参考例6》
冷却管付きフラスコに、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液409g、硫酸第一鉄・7水和物0.003g、ピロリン酸カリウム0.47g、ロンガリット(ナトリウム ホルムアルデヒドスルホキシレート)0.95g、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩0.016gおよび蒸留水271gを秤取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。次いで、アクリル酸n−ブチル264g、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル5.67g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート8.51g、メタクリル酸アリル5.67g、ノニオン性界面活性剤(三洋化成株式会社製「ナロアクティN−140」)4.25gおよびクメンヒドロパーオキシド0.57gからなる混合液をフラスコ内に240分かけて滴下し、さらに滴下終了後40℃に30分間保持した。続いて、メタクリル酸メチル30.9g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.63g、ノニオン性界面活性剤(三洋化成株式会社製「ナロアクティN−140」)0.47gおよびクメンヒドロパーオキシド0.063gからなる混合液をフラスコ内に60分かけて滴下し、さらに滴下終了後40℃に60分間保持して重合を完了させ、樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を8.3質量%有している。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は8.3×10Pa、150℃における動的弾性率は5.5×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は71%であった。
【0054】
《参考例7》
参考例6において、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いる代わりに参考例2で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いること以外は、参考例6と同様にして樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を9.5質量%有している。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は1.2×10Pa、150℃における動的弾性率は7.2×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は77%であった。
【0055】
《参考例8》
参考例6において、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いる代わりに参考例4で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いること以外は、参考例6と同様にして樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を有していない。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は7.5×10Pa、150℃における動的弾性率は3.9×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は41%であった。
【0056】
《参考例9》
参考例6において、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いる代わりに参考例5で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いること以外は、参考例6と同様にして樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格をを有していない。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は7.8×10Pa、150℃における動的弾性率は4.3×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は49%であった。
【0057】
《参考例10》
冷却管付きフラスコに、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液682g、硫酸第一鉄・7水和物0.002g、ピロリン酸カリウム0.34g、ロンガリット(ナトリウム ホルムアルデヒドスルホキシレート)0.68g、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩0.011gおよび蒸留水89gを秤取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換した。次いで、アクリル酸n−ブチル195g、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル4.14g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5.18g、メタクリル酸アリル3.11g、ノニオン性界面活性剤(三洋化成株式会社製「ナロアクティN−140」)4.14gおよびクメンヒドロパーオキシド0.41gからなる混合液をフラスコ内に180分かけて滴下し、さらに滴下終了後40℃に30分間保持した。続いて、メタクリル酸メチル17.6g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.36g、ノニオン性界面活性剤(三洋化成株式会社製「ナロアクティN−140」)0.36gおよびクメンヒドロパーオキシド0.036gからなる混合液をフラスコ内に40分かけて滴下し、さらに滴下終了後40℃に60分間保持して重合を完了させ、樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を13.8質量%有している。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は9.2×10Pa、150℃における動的弾性率は5.0×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は86%であった。
【0058】
《参考例11》
参考例10において、参考例1で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いる代わりに参考例3で得られたウレタン樹脂水性分散液を用いること以外は、参考例10と同様にして樹脂濃度45質量%の複合樹脂水性分散液を得た。この複合樹脂は4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を10.4質量%有している。また、この複合樹脂水性分散液から得られたフィルムの50℃における動的弾性率は9.5×10Pa、150℃における動的弾性率は4.7×10Paであり、熱水処理後の動的弾性率保持率は83%であった。
【0059】
[繊維質基材の製造]
《参考例12》
IPA変性PETを島成分とし、エチレン共重合PVAを海成分とし、IPA変性PETとエチレン共重合PVAをそれぞれ別々の押出機で溶融押出し、IPA変性PETとエチレン共重合PVAの質量比が60/40となるようにギアポンプで計量した後、紡糸パック内に供給し、紡糸口金部で繊維形状を規定して、口金温度260℃で吐出し、速度500m/分で巻き取った。紡糸後、延伸し、単糸繊度3.0デシテックスの海島繊維が得られた。得られた海島繊維を切断した切断面は、島数が25本である海島状であった。延伸後、機械捲縮を付与し、その後51mmにカットし、ステープル繊維を得た。得られたステープル繊維より、カード、クロスラッパーを経てウエッブを作製した。次にパンチ数1200パンチ/cmのニードルパンチを行い繊維絡合不織布とした。続いて、90℃の熱水が入った浴槽に、この繊維絡合不織布を浸し、不織布を収縮させた。収縮率[((収縮前の不織布の長さ−収縮後の不織布の長さ)/収縮前の不織布の長さ)×100]はタテ方向に18%,ヨコ方向に17%であった。収縮した不織布を乾燥した後、180℃で加圧処理して、見掛密度0.27g/cmの海島状の断面形状を有する極細繊維形成性繊維からなる繊維質基材を得た。
【0060】
《実施例1》
参考例6で製造した複合樹脂水性分散液100部に対してポリシロキサン系感熱ゲル化剤(GE東芝シリコーン株式会社製「TPA−4380」)5部を均一に添加した後、参考例12で得られた不織布100部に対して複合樹脂が40部付与されるように含浸し、次いで140℃の熱風乾燥機中で40分間加熱してゲル化および乾燥を行った。その後、160℃に加熱したローラーで押圧することで表面を平滑にするとともに厚みを調整して厚さ約1mmの繊維質基体を得た。これらの処理を行った際、繊維質基体の黄変は起こらなかった。
次に、95℃熱水に繊維質基体を浸漬、ローラでの圧搾を繰り返し、海島断面多成分系繊維の海成分であるエチレン共重合PVAを溶解除去し、繊維を極細化した(極細繊維の平均繊度:0.087デシテックス)。続いて、サーキュラー液流染色機により、分散染料としてKayalon polyester Blue AUL-S(日本化薬株式会社製)を4.5%owfで用い、浴比1:30で、130℃×60分間(50℃から130℃に30分かけて昇温し、130℃に60分間保持)染色を行った。染色後、水酸化ナトリウム6g/L、テックライト(東海電化工業株式会社製)6g/Lにて80℃×60分間還元洗浄し、更に酢酸1g/Lにて60℃×10分間中和処理した後、水洗、乾燥を行った。この際、染色処理前後の皮革様シートの形態にはほとんど変化がなく良好であった。
次いで、表面を320メッシュのサンドペーパーでバフィングして仕上げをし、見掛密度が0.52g/cmのスエード調の皮革様シートを得た。この際、サンドペーパーの目の詰まりはほとんどなく工程性が極めて優れていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感に優れ、良好な風合いを示した。また、この皮革様シートの表面外観は表面立毛が緻密かつ均一に存在し非常に良好であった。引裂強力は65N、摩擦堅牢性は4級、耐光堅牢性は4−5号と優れた値を示した。
【0061】
《実施例2》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例7で製造した複合樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.53g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる繊維質基体の黄変は起こらず、また、染色処理前後の皮革様シートの形態にはほとんど変化がなく良好であった。さらに、バフィングした際のサンドペーパーの目の詰まりはほとんどなく工程性が極めて優れていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感に優れ、良好な風合いを示した。また、この皮革様シートの表面外観は表面立毛が緻密かつ均一に存在し非常に良好であった。引裂強力は64N、摩擦堅牢性は4級、耐光堅牢性は4−5号と優れた値を示した。
【0062】
《実施例3》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例10で製造した複合樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.52g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる繊維質基体の黄変は起こらず、また、染色処理前後の皮革様シートの形態にはほとんど変化がなく良好であった。さらに、バフィングした際のサンドペーパーの目の詰まりはほとんどなく工程性が極めて優れていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感に優れ、良好な風合いを示した。また、この皮革様シートの表面外観は表面立毛が緻密かつ均一に存在し非常に良好であった。引裂強力は67N、摩擦堅牢性は4級、耐光堅牢性は4号と優れた値を示した。
【0063】
《実施例4》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例11で製造した複合樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.50g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる繊維質基体の黄変は起こらず、また、染色処理前後の皮革様シートの形態にはほとんど変化がなく良好であった。さらに、バフィングした際のサンドペーパーの目の詰まりはほとんどなく工程性が極めて優れていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感に優れ、良好な風合いを示した。また、この皮革様シートの表面外観は表面立毛が緻密かつ均一に存在し非常に良好であった。引裂強力は63N、摩擦堅牢性は4級、耐光堅牢性は4号と優れた値を示した。
【0064】
《比較例1》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例8で製造した複合樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.50g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる繊維質基体の黄変は起こらなかったが、染色処理により皮革様シートが変形し、また皮革様シート表面に繊維のほつれが多く見られた。このため、染色後にも加熱したローラーによる皮革様シート表面の平滑化が必要であった。さらに、バフィングした際にサンドペーパーの目の詰まりが多く工程性が非常に劣っていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感が劣っており、また表面外観は立毛が不均一に存在し劣ったものであった。引裂強力は49N、摩擦堅牢性は2級、耐光堅牢性は4号であった。
【0065】
《比較例2》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例9で製造した複合樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.51g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる繊維質基体の黄変が起こり、また、染色処理により皮革様シートがやや変形し、繊維のほつれが若干見られた。さらに、バフィングした際にサンドペーパーの目の詰まりがややあり、工程性がやや劣っていた。得られた皮革様シートは柔軟性、充実感は優れていたものの、表面立毛が不均一で外観が劣っていた。引裂強力は62N、摩擦堅牢性は3級、耐光堅牢性は2−3号であった。
【0066】
《比較例3》
実施例1において、参考例6で製造した複合樹脂水性分散液の代わりに、参考例1で製造したウレタン樹脂水性分散液を用いること以外は実施例1と同様にして、見掛密度が0.50g/cmのスエード調の皮革様シートを製造した。この際、熱風乾燥機や加熱ローラーによる基体の黄変は起こらず、また、染色処理前後の基体の形態にはほとんど変化がなく良好であった。さらに、バフィングした際のサンドペーパーの目の目の詰まりはほとんどなく工程性が極めて優れていた。しかし、得られた皮革様シートは柔軟性がやや劣っていた。また、この皮革様シートの表面外観は表面立毛が均一に存在していたものの立毛の数が少なく、高級感が劣っていた。引裂強力は58N、摩擦堅牢性は4級、耐光堅牢性は3号であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、柔軟性、充実感、表面外観・感触などの風合いの他に、耐光性、物性、製造時の工程通過性などにも優れる皮革様シートおよびその製造方法を提供する。

Claims (11)

  1. 繊維質基材内部に樹脂(A)が付与されてなる皮革様シートにおいて、前記樹脂が、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を15〜40質量%の割合で有している原料成分用いて得られたウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂であることを特徴とする皮革様シート。
  2. 繊維質基材内部に付与された樹脂(A)が、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに由来する骨格を5〜20質量%の割合で有している請求項1に記載の皮革様シート。
  3. 繊維質基材内部に付与された樹脂(A)中のウレタン樹脂(B)およびアクリル系重合体(C)の質量比が、15/85〜70/30である請求項1または2に記載の皮革様シート。
  4. 繊維質基材を構成する繊維が極細繊維である請求項1〜のいずれか1項に記載の皮革様シート。
  5. 皮革様シートが表面に立毛を有する皮革様シートである請求項1〜のいずれか1項に記載の皮革様シート。
  6. 繊維質基材内部に、ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を付与して、請求項1〜のいずれか1項に記載の皮革様シートを製造することを特徴とする皮革様シートの製造方法。
  7. 繊維質基材内部に、ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を含浸した後、該水性分散液を感熱ゲル化させ、次いで乾燥をする請求項に記載の皮革様シートの製造方法。
  8. ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)が、ウレタン樹脂の水性分散液(b)の存在下に(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とするエチレン性不飽和モノマー(c)を乳化重合して得られた複合樹脂の水性分散液である請求項6または7に記載の皮革様シートの製造方法。
  9. ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)が複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を乾燥して得られるフィルムの150℃における動的弾性率が1.0×106Pa以上である請求項6〜8のいずれか1項に記載の皮革様シートの製造方法。
  10. ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)を乾燥して得られるフィルムを130℃×60分間熱水処理した際に、50℃における動的弾性率の保持率(熱水処理後の50℃における動的弾性率/熱水処理前の50℃における動的弾性率×100)が50%以上である請求項6〜9のいずれか1項に記載の皮革様シートの製造方法。
  11. 繊維質基材を構成する繊維が極細繊維形成性繊維であり、ウレタン樹脂(B)とアクリル系重合体(C)とが複合化されてなる樹脂の水性分散液(a)の付与前または付与後に該繊維を極細繊維化する請求項6〜8のいずれか1項に記載の皮革様シートの製造方法。
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