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JP4170015B2 - 偏光板 - Google Patents

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JP4170015B2
JP4170015B2 JP2002116501A JP2002116501A JP4170015B2 JP 4170015 B2 JP4170015 B2 JP 4170015B2 JP 2002116501 A JP2002116501 A JP 2002116501A JP 2002116501 A JP2002116501 A JP 2002116501A JP 4170015 B2 JP4170015 B2 JP 4170015B2
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孝徳 磯▲ざき▼
哲史 林
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐湿熱性に優れた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光の透過および遮断機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時計などの小型機器から、近年では、ノート型パソコン、ワープロ、液晶カラープロジェクタ、車載用ナビゲーションシステム、液晶テレビ等の広範囲での使用が増えてきたことから、従来品以上に耐久性、特に高温・高湿度下での耐湿熱性に優れた偏光板が求められるようになってきている。
【0003】
偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールフィルム(以下、これを「PVAフィルム」と略記し、これの原料であるポリビニルアルコールを「PVA」と略記することがある)を一軸延伸させ、ヨウ素や二色性染料を用いて染色するか、または染色して一軸延伸させた後、ホウ素化合物で固定処理を行うことにより(染色と固定処理が同時の場合もある)得られた偏光フィルムに、三酢酸セルロース(TAC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルムなどの保護フィルムを貼り合わせることにより製造される。
【0004】
これらのうち、ヨウ素を用いて染色した偏光フィルムは、製造後の初期における偏光性能には優れるものの、熱に対する耐久性や水に対する耐久性が劣るため、高温・高湿の状態では偏光性能が低下するという問題がある。偏光フィルムの耐久性を向上させるために、PVAを変性したり、偏光フィルムの製造時にホウ素化合物で固定処理するなどして架橋させたり、熱処理を施したり、あるいは偏光フィルムに透湿度の低い高分子化合物からなるフィルムを貼り合わせるなどの方法が試みられているが、いずれの方法も十分であるとは言いがたい。
【0005】
また、二色性染料を用いて染色した偏光フィルムは、ヨウ素系偏光フィルムと比べて熱及び水に対する耐久性に優れるものの、高温・高湿度下ではPVA分子の配向緩和が起こり、徐々に偏光性能が低下すると言った問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術における欠点を解消して、高温・高湿度下でも偏光性能の著しい低下が起こらない、耐湿熱性に優れた偏光板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、偏光板を構成するポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムの接着層に着目して検討を重ねた結果、ビニルアルコール系重合体無機層状化合物および架橋剤を含有する樹脂組成物を接着層として用いることにより、高温・高湿度下でも偏光性能の著しい低下が起こらない、耐湿熱性に優れた偏光板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に、ビニルアルコール系重合体(以下、これを「PVA系重合体」と略記することがある)無機層状化合物および架橋剤を含有する樹脂組成物からなる接着層を介して酢酸セルロース系保護フィルムを設けてなることを特徴とする偏光板を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明において偏光フィルムの原料として用いられるPVAは、例えばビニルエステルを重合して得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造される。またPVAの主鎖に不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%未満の割合でグラフト共重合した変性PVAや、ビニルエステルと不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%未満の割合で共重合した変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造される変性PVAや、未変性または変性PVAをホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド類で水酸基の一部を架橋したいわゆるポリビニルアセタール樹脂などを挙げることができる。
【0009】
前記のビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例示される。
【0010】
変性PVAに使用されるモノマーは、主として変性を目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用される。このようなモノマーとして、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。これらのなかでもα−オレフィンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0011】
変性PVAの変性量は15モル%未満であるのが好ましい。
【0012】
PVAのけん化度は、耐久性の点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上がさらに好ましく、特に99モル%以上が最も好ましい。
【0013】
前記けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。なお、PVAのけん化度は、JIS記載の方法により測定を行った。
【0014】
PVAの重合度は、偏光性能の点から500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、1500以上がさらに好ましく、特に2500以上が最も好ましい。PVA重合度の上限は8000以下が好ましく、6000以下がより好ましい。
【0015】
なお、前記PVAの重合度は、JIS K 6726に準じて測定される。すなわち、PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から求められる。
【0016】
前記PVAを使用してPVAフィルムを製造する方法としては、例えばPVAを溶剤に溶解したPVA溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る方法)、およびこれらの組み合わせによる方法や、含水PVA(有機溶剤などを含んでいても良い)を溶融して行う溶融押出製膜法などを採用することができる。これらのなかでも流延製膜法および溶融押出製膜法が、良好な偏光フィルムが得られることから好ましい。
【0017】
PVAフィルムを製造する際に使用されるPVAを溶解する溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、グリセリン、水などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、水、あるいはグリセリンと水の混合溶媒が好適に使用される。
【0018】
PVAフィルムを製造する際に使用するPVA溶液または含水PVAのPVA濃度は、10〜70重量%が好適であり、10〜60重量%がより好適であり、13〜55重量%がさらに好適であり、特に15〜50重量%が最も好適である。このPVA溶液または含水PVAには、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させてもよい。
【0019】
PVAフィルムを製造する際に可塑剤として、多価アルコールを添加することが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも延伸性向上効果からジグリセリンやエチレングリコールやグリセリンが好適に使用される。
【0020】
多価アルコールの添加量としては、PVA100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜25重量部がより好ましく、特に5〜20重量部が最も好ましい。1重量部より少ないと、染色性や延伸性が低下する場合があり、30重量部より多いと、PVAフィルムが柔軟になりすぎて、取り扱い性が低下する場合がある。
【0021】
PVAフィルムを製造する際には、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類としては特に限定はないが、アニオン性あるいはノニオン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノニオン性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤の1種あるいは2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0022】
界面活性剤の添加量としてはPVA100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.02〜0.5重量部がより好ましく、特に0.05〜0.3重量部が最も好ましい。0.01重量部より少ないと延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重量部より多いと、PVAフィルムの表面に溶出してブロッキングの原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
【0023】
PVAフィルムの厚さは好ましくは5〜150μmであり、より好ましくは20〜100μmであり、さらに好ましくは30〜90μmであり、最も好ましくは35〜80μmである。
【0024】
PVAフィルムから偏光フィルムを製造するには、例えば該PVAフィルムを染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を行えばよく、染色、一軸延伸、固定処理の操作順に特に制限はない。また、一軸延伸を二回またはそれ以上行っても良い。
【0025】
染色は、一軸延伸前、一軸延伸時、一軸延伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料としては、ヨウ素−ヨウ化カリウム;ダイレクトブラック 17、19、154;ダイレクトブラウン 44、106、195、210、223;ダイレクトレッド 2、23、28、31、37、39、79、81、240、242、247;ダイレクトブルー 1、15、22、78、90、98、151、168、202、236、249、270;ダイレクトバイオレット 9、12、51、98;ダイレクトグリーン 1、85;ダイレクトイエロー 8、12、44、86、87;ダイレクトオレンジ 26、39、106、107などの二色性染料などが、1種または2種以上の混合物で使用できる。通常染色は、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中に浸漬させることにより行うことが一般的であるが、PVAフィルムに混ぜて製膜するなど、その処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
【0026】
一軸延伸には、PVAフィルムを温水溶液中(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中でもよい)で延伸する湿式延伸法、または含水後のPVAフィルムを空気中で延伸する乾熱延伸法を使用することができる。延伸温度は、特に限定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は30〜90℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃が好適である。また一軸延伸の延伸倍率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)は、偏光性能の点から4倍以上が好ましく、特に5倍以上が最も好ましい。延伸倍率の上限は特に制限はないが、8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後のフィルムの厚みは、3〜75μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
【0027】
PVAフィルムへの上記染料の吸着を強固にすることを目的に、固定処理を行うことが多い。固定処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/またはホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添加してもよい。
【0028】
延伸フィルムの乾燥処理(熱処理)は、30〜150℃で行うのが好ましく、50〜150℃で行うのがより好ましい。
【0029】
以上のようにして得られた偏光フィルムの両面に、接着層を介して酢酸セルロース系保護フィルムを貼り合わせることにより偏光板を製造する。酢酸セルロース系保護フィルムとしては、三酢酸セルロースフィルム、二酢酸セルロースフィルム、酢酸・酪酸セルロースフィルムなどが用いられる。酢酸セルロース系保護フィルムは、プラズマ処理、プラズマコーティング処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処理等の公知の物理的処理、あるいは酸またはアルカリ溶液による化学的処理が施されていてもよい。酢酸セルロース系保護フィルムの厚みについて特に制限はなく、通常25〜200μmの厚みのものが用いられる。
【0030】
本発明において接着層を構成する樹脂組成物の成分として用いられるPVA系重合体は、ビニルエステルを重合して得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造される。ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例示され、一般的には酢酸ビニルが用いられる。
【0031】
また、ビニルエステルと炭素数2〜30のα−オレフィンを共重合した変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造される変性PVA系重合体を樹脂組成物の成分として用いることで、偏光板の高温・高湿度下での耐湿熱性をより一層向上させることができる。このようなα−オレフィンとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどを例示することができ、これらの中でもエチレンが好ましい。変性PVA系重合体におけるα−オレフィンの含有量は1〜15モル%であり、好ましくは2〜15モル%、さらに好ましくは3〜15モル%である。α−オレフィンの含有量が1モル%未満の場合には、α−オレフィンを含有させたことによる効果が十分発現しないことがあり、また、α−オレフィンの含有量が多くなり過ぎると、変性PVA系重合体の水溶性が低下してPVAが本来有する特長が損なわれやすくなり、α−オレフィンの含有量が15モル%を超えると、この傾向は著しくなる。
【0032】
ビニルエステルとα−オレフィンを共重合させる際には、必要に応じて、共重合可能な不飽和単量体を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。このような不飽和単量体として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フタル酸、無水フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。
変性PVA系重合体における不飽和単量体の含有量は10モル%未満であることが好ましく、5モル%未満であることがより好ましく、2モル%未満であることが特に好ましい。
【0033】
PVA系重合体の重合度は、好ましくは100〜3000であり、より好ましくは200〜2000であり、特に好ましくは300〜1500である。
PVA系重合体の重合度が100未満の場合には、PVA系重合体および無機層状化合物を含有する樹脂組成物から形成される接着層の接着力および強度が不足する傾向がある。また、PVA系重合体の重合度が3000を超える場合には、PVA系重合体および無機層状化合物を含有する樹脂組成物から調製される接着剤溶液の粘度が高くなり過ぎるために、接着剤溶液を塗布する際の作業性が低下して偏光板の生産性が低下する傾向がある。
【0034】
なお、前記PVA系重合体の重合度は、JIS K 6726に準じて測定される。すなわち、PVA系重合体を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から求められる。
【0035】
PVA系重合体のけん化度は、PVA系重合体および無機層状化合物を含有する樹脂組成物から形成される接着層の耐久性の点から90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上が特に好ましい。
【0036】
前記けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。なお、PVA系重合体のけん化度は、JIS記載の方法により測定を行った。
【0037】
本発明において用いられる無機層状化合物とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列したシートが、ファンデルワールス力、静電気力などの弱い力によってほぼ平行に積み重なった構造を持つ無機化合物を言う。無機層状化合物は、目的とする偏光板の耐水性の点から、シート同士の間隔(X線回折法により求めることができる)で、粒子の平均粒径(粒子が板状の場合には、平面方向の平均粒子径)を除した値が100〜10000の範囲にあることが好ましく,500〜9000の範囲にあることがより好ましく,1000〜8000の範囲にあることが特に好ましい。無機層状化合物は粒子の平均粒径が異なるものをブレンドして使用した方が好ましい。
【0038】
本発明において使用可能な層状無機化合物としては、例えば、雲母類、タルク、モンモリロナイト、カオリナイト、バーミキュライトなどが挙げられる。
【0039】
上記した層状無機化合物の中でも、有機溶剤又は無機溶剤に浸漬することで膨潤しまたは劈開する性質を有する層状無機化合物(本明細書中では、このような層状無機化合物を一括して「膨潤性無機化合物」と称する)が、PVA系重合体と組み合わせて樹脂組成物としたときに特に優れた耐水性を発現することから、好ましく用いられる。ここで、層状無機化合物が膨潤するとは、層状無機化合物を大過剰の有機溶剤又は無機溶剤に浸漬した際に、X線回折法で見た層相互の間隔が広がる現象を言い、層状無機化合物が劈開するとは、同様の操作を加えたときに、層相互の間隔を示すピークが小さくなるか又は消滅するような挙動を示す現象をいう。なお、膨潤性無機化合物のうちでも、水によって膨潤しまたは劈開するものが、耐湿熱性に優れた偏光板を得る観点から最も優れており、好ましい。
【0040】
膨潤性無機化合物としては、バーミキュライト、モンモリロナイト、層間にリチウム、ナトリウム等がインターカレートされた合成膨潤性フッ素雲母等が挙げられる。なかでも水溶媒で劈開性を有するモンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母が好ましく、劈開性に特に優れ、かつ合成物であることによる品質の均一性、高純度などの特性を有することから層間にリチウム、ナトリウム等がインターカレートされた膨潤性フッ素雲母が最適である。
【0041】
PVA系重合体および無機層状化合物を用いて樹脂組成物を製造するに当たって、PVA系重合体と無機層状化合物の配合比については、樹脂組成物から形成される接着層にバリアー性を付与するという観点から、PVA系重合体と無機層状化合物の両者に対する無機層状化合物の重量比率(無機層状化合物/(PVA系重合体+無機層状化合物))で3重量%以上であり、5重量%以上が特に好ましく、8重量%が最も好ましい。また、PVA系重合体と無機層状化合物の両者に対する無機層状化合物の重量比率は、接着層の透明性の点、接着剤溶液の粘度の上昇を抑えて、その均一な塗布を実現するという観点から30重量%以下である。無機層状化合物の重量比率が30重量%を超える場合には、接着剤溶液の粘度が高くなり過ぎて、接着剤溶液を塗布する際の作業性が低下する傾向がある
【0042】
本発明においては、樹脂組成物の成分として、PVA系重合体および層状無機化合物にさらにPVA系重合体の架橋剤を添加し、接着層の耐水性を向上させるこの目的に使用できる架橋剤としてはテトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタネートなどのチタン化合物を挙げることができる。
【0043】
上記した架橋剤のテトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタネートなどのチタン化合物は粘度と接着強度などのバランスに優れており、最適である。
【0044】
架橋剤の添加量は、(架橋剤/(PVA系重合体+架橋剤))で0.5重量%以上であり、1重量%以上がより好ましく、2重量%以上が特に好ましい。PVA系重合体と架橋剤の両者に対する架橋剤の重量比率が0.5重量%未満の場合には、架橋剤を添加したことにより効果が発現しない。また、PVA系重合体と架橋剤の両者に対する架橋剤の重量比率は30重量%以下である。架橋剤の重量比率が30重量%を越えると、樹脂組成物から形成される接着層の透明性および耐水性などが低下する傾向がある。
【0045】
PVA系重合体および無機層状化合物を含有する樹脂組成物から接着剤溶液を製造する方法としては特に制限はなく、例えば、(1)あらかじめ層状無機化合物を水に分散させた中にPVA系重合体を加えた後、加熱し溶解する方法、(2)層状無機化合物の分散液とPVA系重合体溶液をそれぞれ別個に調製し、これらをブレンドする方法、(3)水、PVA系重合体および層状無機化合物を一度に容器に投入し、溶解する方法などが挙げられる。架橋剤をさらに添加する場合には、上記した方法にしたがって接着剤溶液を製造する際に任意の段階で架橋剤を投入するか、あるいは上記した方法にしたがって製造した接着剤溶液を塗布する際に、接着剤溶液にあらかじめ別個に調製しておいた架橋剤の溶液を混合しながら塗布する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
接着剤溶液の塗布量は、乾燥した状態で測定した厚み(接着層の厚み)が0.5〜20μmであり、1〜5μmであることがより好ましい。接着層の厚みが0.5μm未満では、十分な耐水性が発現しないことがあり、一方20μmを超えると接着剤溶液の乾燥時の負荷が大きくなる傾向があり、偏光板を製造する上で問題である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において「%」および「部」は、特に断らないかぎり重量基準である。また、実施例および比較例中の二色性比は以下の方法により評価した。
【0048】
二色性比:
得られた偏光フィルムの偏光性能を評価する指標として二色性比を使用した。この二色性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源、2度視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。
二色性比=log(Ts/100−(Ts/100)×P/100)/log(Ts/100+(Ts/100)×P/100)
【0049】
実施例1
1)接着剤溶液の調製
ビニルアルコール系重合体として、重合度500、 けん化度99.0モル%、 エチレン含量8モル%のエチレン変性ポリビニルアルコールを熱水に溶解し、20%の溶液(樹脂溶液A)を調製した。
無機層状化合物として、膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製 ME−100)を6%の濃度になるように水に分散し、これを家庭用ミキサーを用いて15分間攪拌して分散液(フィラー分散液B)を調製した。
樹脂溶液Aとフィラー分散液Bを全固形分に対するフッ素雲母の比率が20%になるように混合し、これにさらに架橋剤としてテトライソプロピルチタネートを全固形分に対して2重量%の割合で混合し、接着剤溶液を調製した。
2)偏光板の作製
ポリビニルアルコール系偏光フィルムに、上記1)において調製した接着剤溶液をグラビアコートし、これに表面をけん化処理した三酢酸セルロースフィルムを貼り合わせた。この三酢酸セルロースフィルムの貼り合わせを片面ずつ2回繰り返し、偏光フィルムの両面に三酢酸セルロースフィルムを貼り合わせた後、50℃で乾燥して接着させ、偏光膜の両面に三酢酸セルロースフィルムが貼り合わされた偏光板を得た。偏光板の断面を観察したところ、接着剤層の厚みは3μmであり、接着剤溶液の塗工斑は認められなかった。
得られた偏光板の透過率は42.57%、偏光度は99.98%であり、それらの値から計算により求めた二色性比は58.22であった。この偏光板を80℃90%RHの恒温恒湿機に入れて1000時間の耐久性試験を行った。1000時間後の偏光性能は43.64%、偏光度99.85%、二色性比53.51であった。
【0050】
実施例2および参考例1〜3
接着剤溶液に用いるビニルアルコール系重合体、無機層状化合物および架橋剤の種類および添加量を表1に示すように変化させた以外は実施例1と同様の操作を行い偏光板を作製した。得られた偏光板について、透過率、偏光度および二色性比を求めた結果を表2に示した。さらに実施例1と同様にして耐久性試験を行い、得られた結果を表2に示した。
【0051】
比較例1および2
接着剤溶液に用いるビニルアルコール系重合体、無機層状化合物および架橋剤の種類および添加量を表1に示すように変化させた以外は実施例1と同様の操作を行い偏光板を作製した。得られた偏光板について、透過率、偏光度および二色性比を求めた結果を表2に示した。さらに実施例1と同様にして耐久性試験を行い、得られた結果を表2に示した。
【0052】
【表1】
Figure 0004170015
【0053】
【表2】
Figure 0004170015
【0054】
【発明の効果】
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルムの中間に設けたビニルアルコール系重合体および無機層状化合物を含有する樹脂組成物からなる接着層が耐水性に優れており、そのため高温・高湿度下においても偏光性能の著しい低下が起こることがなく、耐湿熱性に優れている。

Claims (1)

  1. ポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面に、炭素数2〜30のα−オレフィン単位を1〜15モル%含有する変性ビニルアルコール系重合体膨潤性を有する無機層状化合物を3〜30重量%(無機層状化合物/(変性ビニルアルコール系重合体+無機層状化合物))、および、チタン化合物からなる架橋剤を0.5〜30重量%(架橋剤/(変性ビニルアルコール系重合体+架橋剤))含有する樹脂組成物を含む接着剤溶液をコートし、これに酢酸セルロース系保護フィルムを貼り合わせてなる、接着剤層の厚みが0.5〜20μm、80℃90%RHの恒温恒湿機に入れて1000時間の耐久性試験を行ったときの二色性比が53.46以上の偏光板。
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