JP4167761B2 - 熱電変換素子及び熱電変換モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱を電気に直接変換する熱電変換素子及び熱電変換モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の普及に伴い、その熱源が大量となり、熱量も相対的に膨大なものとなりつつある。そこで、放熱により排熱しているだけの実状を考えると、なんとか熱電変換効率を向上させ、熱を捨てるのではなく、有効利用することが要求されている。
【0003】
熱電変換は、これまで放熱や冷却により捨てられていた熱を利用しようというもので、将来の技術として期待されている。
【0004】
しかしながら、それにより電力として得られる効率は、熱起電力をV、ゼーベック係数をα、高温側と低温側の温度差をΔTとすると、
V=αΔT
で示されるように、温度差ΔTを大きくするか、ゼーベック係数αの大きな素材で構成するかによる。現在のところ、その変換効率は温度差ΔT=1000Kで約30%程度まで可能とされているが、実質では〜10%程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排熱として現在、また将来的にも問題とされるのは、PDU、PCU、MPUや家庭用クーラー等から発生する熱の処理で、この場合、温度差ΔTは100K程度ないしはそれ以下でしかなく、その熱電変換効率は〜数%にも満たないと考えられている。
【0006】
また、そのようなPDU、PCU、MPUの高速化、高集積化、高性能化は、発熱の増大を招き、それに伴い、冷却システムが大きくなる傾向にある。当然ながら、微細加工技術や制御技術の進展は、熱の発生も考慮しつつなされているが、それでも回路や素子から発生する熱をそのままにしておくと、ますます温度が上昇し、機能の低下が生じてしまう。
【0007】
そのため、熱を効率よく有効利用しつつ排熱できる安価なシステムが望まれているが、数%の熱電変換効率さえ望めないのでは、実用化は困難である。
【0008】
この熱電変換効率を飛躍的に向上させるためには、使用する材料や素子構成を改善し、ゼーベック係数を大きくすることが必要である。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、半導体部におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、もって熱電変換効率の向上を図ることができる熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
まず、熱起電力の原理は、棒状の半導体物質の一方を低温に、他方を高温にすると、高温側のフェルミ準位が変化して、半導体物質の多数キャリアは低温側に熱拡散で移動する。多数キャリアが電子の場合は高温側はプラスイオンになり、低温側はマイナスイオンとなる。一方、多数キャリアが正孔の場合はその逆の特性を示す。プラスイオンとマイナスイオン間に生じるクーロン力とキャリアの濃度差による拡散の駆動力が釣り合ったところでキャリアの移動は止まる。
【0011】
2つの異なった半導体物質の両端を接続し、温度差ΔTを設けると、物質の熱起電力が異なるため、閉回路に電流が流れる。従って、熱電変換に対する高能率材料とするためには、キャリア密度を高くし、かつ、キャリアの移動度を高くすればよい。
【0012】
キャリア密度は、半導体材料への不純物の注入量、不純物種により変化することから、材料が決まれば、おおよそのキャリア密度の推定がなされるようになる。
【0013】
移動度は生成した正孔や電子が移動するしやすさに焦点を当てているのだが、キャリアの移動が容易に起これば起こるほど新しいキャリアが生まれて輸送されることになるため、大きな電流が引き起こされ、その結果、熱電変換効率が向上する。キャリアの移動度は、1つは電気抵抗で表されるであろうから、電気抵抗が低いことが望まれる。
【0014】
また、熱的には、温度差ΔTが熱起電力の支配因子であり、更にフェルミ準位の温度による変化を考えると、その勾配が急峻であることが望ましいため、低熱伝導であることが必要である。これは実際に材料開発の指針とされてきたものである。
【0015】
ここで、例えばキャリア密度として最大のものが得られたものと想定したとき、キャリアの移動度を考慮する段階において、視点を材料から移動度を加速するようなものが外部から与えられないか検討した。移動度の加減速には磁界、電界が考えられる。キャリアが電子の場合は磁界によって輸送経路を絞ることが可能で、引き出し電圧を与えれば加速されると考えられる。
【0016】
しかしながら、半導体回路が漏洩磁界による誘導電流により誤動作をしたり、回路動作が印加電界により遅延するというようなことが考えられるため、大きな磁界や電界はかけられないとも考えられる。
【0017】
また、磁界は電子の直線運動を一部回転運動に転化するため、この場合、抵抗として作用することになり、熱電変換効率は低下することが考えられる。そのため、電界により効率向上が図れないかどうか詳細に検討を行った。
【0018】
電子の加速で電界利用の代表的なものは電子銃であり、EBWや電子顕微鏡に用いられているものは大電界を印加することによって利用している。
【0019】
図1及び図2は、棒状の半導体物質に対する加熱前と加熱時(片側加熱)の金属フェルミ面の変化をn型半導体を介したときの状態として模式的に示したものである。図1及び図2において「●」は電子を示す。電子はこの図1及び図2では片側加熱により低温側に移動し、高温側は(+)、低温側は(−)となり、電界が生じている。従って、これを閉回路とすれば電流が流れる。図3A及び図3Bに示すように、上述のような温度の高低によって発生する電界の方向を矢印A方向とし、外部からの印加電界の方向を矢印B方向としたとき、その合成ベクトルは、図示するようなベクトル和になる。
【0020】
熱勾配により生成された電界は、温度差ΔTの大きさや材種で変化するものと考えられ、このときの傾きを電界の大きさと想定すると、温度差ΔTや材種が決められたとしても、外部から電界を印加することにより、このベクトルの方向も多少変化してしまうが、大きさを変えることも可能である。
【0021】
即ち、ここで生じている勾配をあたかも温度差ΔTが増大したように、あるいはあたかも電子密度が増加したようにすることが可能となり、熱起電力が向上すると考えられる。
【0022】
p型半導体では温度差ΔTによりホール(正孔)が移動するが、このときもn型半導体ほどの効果はなくとも電界によりその速度を加速することができるものと考えられる。
【0023】
その結果、熱起電力はp型半導体とn型半導体とでその差が増大し、熱起電力の向上、熱発電効率の向上が達成されるものと考えられる。
【0024】
つまり、熱発電の原理を詳細に検討すると、高温で生成された電子や正孔の移動度によって熱電変換効率が左右される。熱電変換効率が現状で低いのは、キャリアの生成の頻度やキャリアの移動に対する障壁等の量子条件と関係する。
【0025】
従って、生成された電子や正孔が再結合等によって消滅する前に移動させて見かけ上の生成頻度を向上させると共に、エネルギー障壁を超えられるように加速することによってキャリアの移動度も向上し、熱電変換効率が飛躍的に向上することになる。
【0026】
[1] このようなことから、本発明に係る熱電変換素子は、第1導体及び第2導体の間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子及びn型半導体素子を有し、且つ、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各一端が同一の前記第1導体に接続され、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各他端が同一の前記第2導体に接続され、前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部から電界を印加する電界印加手段を備えることを特徴とする。印加された電界により、n型半導体素子は、更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子においてもホール移動度が増加する。これにより、それぞれの分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上することとなる。その結果、キャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、もって熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0027】
具体的には、熱電変換効率が従来の数倍〜数10倍となり、本発明に係る熱電変換素子を冷凍機に利用した場合に、これまで困難であったコンプレッサー型冷凍機の性能の向上を得ることができる。
【0029】
[2] [1]において、前記電界印加手段は、前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部に絶縁膜を介して形成された電極膜を有するようにしてもよい。
【0030】
[3] [1]において、前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域を有するようにしてもよい。
[4] [1]において、前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、前記電界印加手段は、前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有するようにしてもよい。
[5] [1]において、前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域と前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有するようにしてもよい。
【0031】
[6] [3]又は[5]において、前記p型半導体素子は、前記第1導体側のp型領域の厚さt1が1μm以上300μm以下であり、前記n型領域の厚さt2が1μm以上50μm以下であり、且つ、t1>t2を満足するようにしてもよい。
[7] この場合、前記第1導体側のp型領域と前記n型領域との間に真性半導体層を設けるようにしてもよい。
【0032】
[8] [4]又は[5]において、前記n型半導体素子は、前記第1導体側のn型領域の厚さt3が1μm以上300μm以下であり、前記p型領域の厚さt4が1μm以上50μm以下であり、且つ、t3>t4を満足するようにしてもよい。
[9] この場合、前記第1導体側のn型領域と前記p型領域との間に真性半導体層を設けるようにしてもよい。
【0033】
[10] [7]又は[9]において、前記真性半導体層の厚さとしては10nm以上3μm以下であることが好ましい。
[11] 更に好ましくは10nm以上30nm以下である。
【0034】
[12] [1]において、前記電界印加手段はバイアス回路を有するようにしてもよい。
[13] 前記バイアス回路としては、固定バイアス方式、自己バイアス方式、直流帰還バイアス方式及び組合せバイアス方式のうち、少なくとも1つの方式を採用することができ、前記電界を形成するための電圧としては0.01V〜3Vが適当である。
【0035】
[14] 次に、本発明に係る熱電変換モジュールは、高温側に位置する第1導体と、低温側に位置する第2導体と、前記第1導体及び前記第2導体の間に設置された半導体部とを有し、温度差に基づいて前記半導体部に発生する起電力を取り出す熱電変換モジュールにおいて、前記半導体部は、前記第1導体及び前記第2導体の間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子及びn型半導体素子を有し、且つ、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各一端が同一の前記第1導体に接続され、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各他端が同一の前記第2導体に接続され、前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部から電界を印加する電界印加手段を備えることを特徴とする。印加された電界により、n型半導体素子は、更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子においてもホール移動度が増加する。これにより、それぞれの分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上することとなる。その結果、キャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、もって熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱電変換素子及び熱電変換モジュールの実施の形態例を図4〜図17を参照しながら説明する。
【0037】
まず、熱発電は発電というより、2つの異種金属を接合し、その接合部を高温にさらすことで生じる起電力を測定に用いる熱電対をイメージした方が理解しやすい。
【0038】
熱電対から想定されるのは、通常、熱電対にて発生する起電力は小さく負荷を駆動できるとは考えにくい。しかし、この実施の形態は、起電力を負荷を駆動できるまで高め、これまで捨てられてきた熱を負荷を駆動できる電気に変換させ、熱を消費することにより、冷却しようとするのが狙いである。
【0039】
熱電変換材料は、これまで大きくはヨッフェの指針に基づき、低格子熱伝導で高電気伝導性をもつ半導体材料で開発がなされてきた。金属では熱伝導率λ、電気伝導率σ、絶対温度Tの間に次式に示すウィーデマン・フランツ・ローレンツの関係
λ=2.43×10-8σT
があり、熱伝導率と電気伝導率は比例関係にある。従って、前記要求の材料は、金属では得にくく、金属とセラミックスの中間の性質を持つ半導体にあると考えられてきた。
【0040】
また、熱発電能(ゼーベック効果)とは、2つの金属を接触させ、その接触部を加熱し、他端に負荷をつないで閉回路とすることで発電することとされているが、マグナスによれば、一様な導体AとBに対し、熱起電力は2つの接合の温度だけに依存し、試料の形や試料に沿っての温度分布の詳細には依存しないとされ、支持されてきた。
【0041】
つまり、熱起電力は導体AとBの起電力の差によるものだけとなり、材料開発はこうして進められてきた。このことは、例えばn型のみ有望な材料が得られたとしても、p型で有望なものが得られない限りn型のみの効果となってしまうことである。従って、熱発電能の高い材料の開発が、前記指針の曖昧さもあり、難しいのが現状である。
【0042】
そのため、材料の開発以外の方法で熱発電能を向上できないかどうか検討した。詳細にその熱発電のメカニズムを見ていくと、電子や正孔の流れが関係し、そこで生じるフェルミ面変化、特にその勾配変化が大きく関与するものと判明した。
【0043】
上述したように、図1では温度差ΔTにより生じるフェルミ面変化に視点を当て、その勾配を急峻にする(温度差ΔTを大きくする)には、外部から電界を印加することで達成できることがわかった。フェルミ面変化の勾配が急峻であれば生成したキャリア電子が流れやすくなるからである。
【0044】
外部から電界(電場)をかければ、キャリアの移動により生成される電界との相互作用によって、電子の移動度や正孔の移動度はこれら電界のベクトル和となり、外部電界を印加しない場合よりも増大する。
【0045】
次に、具体的な実施の形態に係る熱電変換モジュールのいくつかの例を図4〜図13を参照しながら説明する。
【0046】
まず、第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aは、図4に示すように、熱源12に対して近接した位置に配された第1導体14と、低温側に配された第2導体16と、これら第1導体14及び第2導体16の間に設置された半導体部18とを有する。通常は、第1導体14と第2導体16間に負荷を接続して閉回路を構成し、第1導体14と第2導体16での温度差に基づいて半導体部18に発生する起電力を負荷を通じて取り出せるようになっている。なお、熱源12と第1導体14との間には絶縁物20が介在されている。
【0047】
半導体部18は、第1導体14及び第2導体16間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子22とn型半導体素子24を有して構成されている。
【0048】
そして、この第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aは、p型半導体素子22とn型半導体素子24にそれぞれ電極膜(第1及び第2の電極膜26及び28)が形成されて構成されている。更に、第1導体14と第1の電極膜26間には負方向に電源30が接続されて第1の電極膜26の電位が第1導体14よりも低く設定され、第1導体14と第2の電極膜28間に正方向に電源32が接続されて第2の電極膜28の電位が第1導体14よりも高く設定されている。
【0049】
第1及び第2の電極膜26及び28の各構成例としては、例えば金属膜と該金属膜と半導体素子22及び24間に介在された絶縁膜で構成することができる。また、金属膜を半導体膜で形成する場合は、n型半導体素子24に対してはp型の半導体膜とし、p型半導体素子22に対してはn型の半導体膜にする。
【0050】
このように、第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aにおいては、p型半導体素子22に設けられた第1の電極膜26とn型半導体素子24に設けられた第2の電極膜28を通じてそれぞれp型半導体素子22とn型半導体素子24に外部から電界を印加するようにしたので、半導体部18のn型半導体素子24は、更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子22においても正孔の移動度が増加する。これにより、それぞれの分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上することとなる。その結果、半導体部18におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、熱電変換モジュール10Aにおける熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0051】
前記第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aにおいて、各電極膜26及び28を金属膜と絶縁膜との積層膜で構成した場合は、コンデンサを通じて電界を印加することと同様となるため、p型半導体素子22やn型半導体素子24の大きさを考慮する必要性が生じる。
【0052】
一方、電極膜26及び28を半導体膜と絶縁膜の積層膜で構成した場合は、MOS型トランジスタ等と同様になり、p型半導体素子22及びn型半導体素子24自体が多数キャリアを高速に輸送するチャンネル領域として作用することになる。つまり、高温接触部がソース、低温接触部がドレイン、電極膜がゲートになるわけである。従って、金属膜を半導体膜と絶縁膜の積層膜で構成した方が小型化と消費電力の削減化に有利となる。
【0053】
この第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aの変形例としては、例えばp型半導体素子22に第1の電極膜26を形成するのみで、n型半導体素子24には第2の電極膜28を形成しない構成や、その逆の構成が考えられる。これらの変形例においても、前記第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aと同様の効果を得ることができる。
【0054】
次に、第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Bについて図5を参照しながら説明する。なお、図4と対応するものについては同符号を付してその重複説明を省略する。
【0055】
この第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Bは、図5に示すように、第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Aとほぼ同じ構成を有するが、電極膜40がn型半導体素子24のみに形成されている点で異なる。この電極膜40と接地間には正方向に電源42が接続されて電極膜40の電位が接地電位よりも高く設定されている。
【0056】
この場合、n型半導体素子24に設けられた電極膜40を通じてn型半導体素子24に外部電界が印加されるかたちになるため、半導体部18のn型半導体素子24は、更に電子移動が盛んとなり、そのため、n型半導体素子24での分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上することとなる。その結果、半導体部18におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、熱電変換モジュール10Bにおける熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0057】
なお、この第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Bの変形例としては、例えばp型半導体素子22に電極膜40を形成するのみで、n型半導体素子24には電極膜40を形成しない構成が考えられる。この場合、p型半導体素子22と接地間に負方向に電源が接続され、電極膜40の電位が接地電位よりも低く設定される。この変形例においても、前記第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Bと同様の効果を得ることができる。
【0058】
次に、第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Cについて図6〜図10Bを参照しながら説明する。なお、図4と対応するものについては同符号を付してその重複説明を省略する。
【0059】
上述のようにして、熱電変換モジュールを構成すると、例えばn型半導体素子24は電界により、更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子22は正孔の移動度が増加する。言い換えれば、それぞれの分極度が向上し、熱電性能は2つの電極の分極度の差であるから、熱電性能が向上することになる。
【0060】
第1及び第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール10A及び10Bは、キャリアの流れに対し、ほぼ垂直に外部電界をかける方式であるが、外部電界をキャリアの流れに対して平行にかけたらどうなるかを検討した。この場合は、図3Bに示すようになベクトル合成に相当する。
【0061】
図1のエネルギーバンドモデルからフェルミ準位の温度依存性と片側加熱時の詳細なエネルギーバンドを詳細に示すと、図6及び図7のように示すことができ、温度差ΔTの高温部にエネルギー障壁があることがわかる。
【0062】
現実的にこのエネルギー障壁を超えないと、電子の移動は生じない。しかし、外部から電界をかけることによってエネルギー障壁を超えやすくすることが可能であることが考えられた。
【0063】
この理論をもとに第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Cを作製した。この第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Cは、図8に示すように、p型半導体素子22の高温部に近い部分にn型領域50を形成してp−n−pのかたちにし、n型半導体素子24の高温部に近い部分にp型領域52を形成してn−p−nのかたちにしたものである。第2導体16は接地とされている。つまり、高温部に近いp型領域54及びn型領域56、並びに間に挟まるn型領域50及びp型領域52が低温側のp型領域58及びn型領域60より薄くなるように構成されている。
【0064】
そして、n型半導体素子24の間に狭まったp型領域52と第2導体16間に正方向に電源62を接続してp型領域52の電位を接地電位よりも高く設定し、p型半導体素子22の間に挟まったn型領域50に接地電位が印加されるように配線接続することによって、これらp型領域52及びn型領域50に外部電界が印加されるようになっている。なお、p型領域52及びn型領域50の中間にそれぞれ真性半導体層を設けておくと更に効率的であると推定される。
【0065】
この第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Cの構成は、図9に示す等価回路のようにトランジスタ回路と同様の構成となる。図6の図示記号でコンデンサとして示したのは電源としてのエネルギー障壁を示し、また、抵抗は回路の内部抵抗等を示したつもりであるが、必要に応じ素子を挿入したりすることが必要である。ここでは、熱発電をすることが目的であるため、内部抵抗は低い方が効率的である。
【0066】
通常のトランジスタはベース電流により、コレクタ、エミッタ間の電流を制御する。そのため、熱の発生が生じるが、電流の制御が目的ではなく、高温部で発生する電子等のキャリアをいかにスムーズに移動させるかというのが目的となり、この目的が速やかに達成されると吸熱となるはずである。そのため、見かけ上の温度差ΔTも大きくなり、熱電変換モジュールにおける熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0067】
ここで、どのくらいの電界強さを印加すれば現実的な熱電変換効率が向上するのか、外部電界が印加されるn型領域50及びp型領域52としてどのくらいの厚みが必要であるのか、更にどのくらいの熱電変換効率の向上が見込めるのかを検討した。
【0068】
外部電界の印加により、1つにはフェルミ準位のエネルギー変化並びにポテンシャルエネルギー変化が生じると考えられる。これは真性半導体に対して、異元素(不純物)をドープさせ、そのエネルギーを変化させるのと、結果的には同様なことになる。
【0069】
また、見かけの電気抵抗率が減少し、導電性が向上する。これらは電子や正孔の移動しやすさの指標であるから、それらが移動しやすいということは、見かけ上、導電率が向上したことになる。
【0070】
熱伝導率については、通常、その媒体を下の式に示すように、フォトンとフォノンに分けて考えることができる。
【0071】
κ=κph+κe
熱電変換材料の選択基準や合成基準として、電子伝導が主体である金属結合は、熱電変換材料としては不適である。従って、選ばれた材料は格子伝導を主体とするものであり、熱伝導への寄与は小さいものと考えられ、無視できるようなものとなる。
【0072】
温度差ΔTは電界印加により増大するものと考えられるから、熱発電効率そのものも向上することになる。これらのことを式化して示すと以下のようになる。
【0073】
これらの式に電界効果は全て関わると考えられるが、熱収支における発電出力として、電界強さをF、キャリア数をn、距離をxとし、そのポテンシャルエネルギー(−neFx)として代表させた。
【0074】
具体的には、高温部の温度により、キャリア生成がどのくらいか、その流れがどう変化するかが重要な鍵となるが、これらは材種により異なり、また、ドーピングする種や濃度により変化するため、それぞれ実験的に求めなければならない。発電出力の点だけ見れば、電界が大きいほど有利となると見受けられ、高い電圧がよいことになる。
【0075】
しかしながら、熱電変換モジュールを図9のような等価回路としてみる場合に、起電力以上の電界を設けると、回路内での発熱の増大が懸念される。従って、最小印加電圧で最大電界を得ることを考えると、図8に示すように、電界印加部分の厚み、即ち、n型領域50及びp型領域52の厚みは極小とする必要が生じる。
【0076】
現在の配線技術は、数μmであるからこの厚みは、現実的に数μmから数100μm、具体的には1μm〜300μm程度、更に好ましくは2μm〜50μmである。図10A及び図10Bの例は、p型半導体素子22における高温側のp型領域54の厚みt1を300μm以内に設定し、電界印加部を構成するn型領域50の厚みt2を50μm以内に設定し(図10A参照)、n型半導体素子24における高温側のn型領域56の厚みt3を300μm以内に設定し、電界印加部を構成するp型領域52の厚みt4を50μm以内に設定した例を示す(図10B参照)。
【0077】
次に、第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Dについて図11〜図13を参照しながら説明する。なお、図8と対応するものについては同符号を付してその重複説明を省略する。
【0078】
この第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Dは、図11に示すように、第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール10Cとほぼ同じ構成を有するが、外部電界が印加されるn型領域50とp型領域52に隣接してバッファ領域としての真性半導体領域70及び72が設けられている点で異なる。
【0079】
前記真性半導体領域70及び72を設けることによって、キャリアの流れがスムーズとなり、熱電変換モジュール10Dにおける熱電変換効率を更に向上させることができる。この場合、図12A及び図12Bに示すように、p型半導体素子22における高温側のp型領域54の厚みt1を300μm以内に設定し、電界印加部を構成するn型領域50の厚みt2を50μm以内に設定し(図12A参照)、n型半導体素子24における高温側のn型領域56の厚みt3を300μm以内に設定し、電界印加部を構成するp型領域52の厚みt4を50μm以内に設定することが好ましい(図12B参照)。
【0080】
また、真性半導体領域70及び72の役割は、主としてキャリアの安定化のためであるため、各厚みt5及びt6は3μm以内、より好ましくは10nm〜30nm以内がよい。各真性半導体領域70及び72の厚みt5及びt6が大きすぎると、キャリアの消滅等が生じ、これ以下では効果がない。太陽電池等で用いられている真性半導体領域の膜厚に対し、その有効厚さが大きいのは電界形成のためと考えられる。
【0081】
以上のことにより、第1〜第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール10A〜10Dによれば、熱電変換効率は飛躍的に向上し、数倍から数10倍、最も条件のよいものでは100倍近くにもなる。特に、熱電変換系で温度差ΔTがさほど大きくない場合で、高温部がせいぜい500Kにも満たないような系で効果が大きく、数10倍から100倍近くの効率向上が達成される。
【0082】
本方式は、主として高温部の温度がそれほど高くなく、500K以下の場合を想定して話を進めてきたが、それ以上の高温の素子についても適用可能である。
【0083】
特に、第3及び第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール10C及び10Dにおいては、図13に示すように、p型半導体素子22及びn型半導体素子24にバイアス回路80を通じてバイアス電圧ないし逆バイアス電圧を印加した形態となる。
【0084】
従って、p型半導体素子22及びn型半導体素子24にバイアス電圧ないし逆バイアス電圧を印加する方式として、固定バイアス方式、自己バイアス方式、電流帰還バイアス方式、組合せバイアス方式のような構成や、その組合せを採用することができる。
【0085】
固定バイアス方式は、構成が容易で簡略なものであるが、熱起電力の変動が大きくなりがちで、一定な起電力により負荷を駆動しようとすると、モジュールの他にコンデンサや二次電池が必要となる。自己バイアス方式は、構成が簡単で、電界形成用の電源もなくて済み、熱起電力が若干安定する。電流帰還バイアス方式とした場合は、構成が若干複雑になるが、起電力の安定は向上する。
【0086】
組合せバイアス方式は、より複雑な構成となるが、起電力の安定性は最も良好となる。しかしながら、構成が複雑化すると電力を消費しがちとなるため、熱起電力は低下する。また、温度のかかる場に、このような構成をおいた場合の課題も生じがちとなるため、使用環境等に合わせ、これらの中から最適なものを選択したり、それらを組み合わせて構成するようにすればよい。
【0087】
実際に印加するバイアス電圧ないし逆バイアス電圧は0.01V〜3Vがよい。0.01V未満の電圧では構成される電界が小さすぎ、電界印加の効果がなく、3Vを超える電圧を印加しても、効果は飽和していると共に、電界印加部分での発熱の懸念も生じ、意味がない。
【0088】
電界は、(印加電圧)/(極間距離)であるから、中間層(n型領域50及びp型領域52)の厚みを考慮し、そのピーク値をとるように印加電圧を設定した方が、単純に電圧を上げるより効果が大きく、構成も簡単になる。
【0089】
これまで、半導体部18に直接電源を接続して外部電界を印加する構成を主体に説明したが、もちろんコイルを通じて半導体部18に電界を印加するようにしてもよい。この場合は、より大きな電界をかけることができる。
【0090】
なお、この発明に係る熱電変換素子及び熱電変換モジュールは、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0091】
【実施例】
実施例1
熱電変換素子として、p型半導体素子22を(Bi,Sb)2 Te3 、n型半導体素子24をBi2 (Se,Te)3 とし、厚さ0.635mmの基板を2枚用い、これを40×40×4mmの大きさの中に127組、組み込んで1つの熱電変換モジュール100を作製した(図15参照)。1個の半導体素子の大きさは、横1.0mm×縦2.7mmであり、基板材質はアルミナである。これを標準品とする。それぞれの熱電変換素子の分析値を図14に示す。
【0092】
そして、図15に示すような試験装置102、即ち、熱源(図示せず)を有する高温側部材104と冷却水管106内を流れる冷却水によって一定の温度に冷却された低温側部材108との間に前記熱電変換モジュール100を挿入し、該熱電変換モジュール100の第1導体14と第2導体16(例えば図8参照)との間に負荷110と電流計112を直列に接続して実験を行った。
【0093】
この実験は、高温側部材104の温度を120℃、低温側部材108の温度を20℃として熱起電力を求め、指標としてゼーベック係数を測定した。
【0094】
この実験の試験体としては、p型半導体素子22とn型半導体素子24をそれぞれ上述した組成(図14参照)と同一にし、各半導体素子22及び24に電界印加部としてのn型領域50、p型領域52を形成してp−n−p型の半導体素子22、n−p−n型の半導体素子24を用意した(図8参照)。
【0095】
そして、p−n−p型の半導体素子22における高温側のp型領域54の厚さt1、及び電界印加部としてのn型領域50の厚さt2、並びにn−p−n型の半導体素子24における高温側のn型領域56の厚さt3、及び電界印加部としてのp型領域52の厚さt4を種々変化させ、その最適厚さと、熱電変換効率変化としてゼーベック係数を測定した。
【0096】
試験体の構成(パラメータ)を図16に示し、測定したゼーベック係数を図17に示す。この結果から、p型半導体素子22として、高温側のp型領域54の厚みt1を10μm、電界印加部としてのn型領域50の厚みt2を3μmとし、n型半導体素子24として、高温側のn型領域56の厚みt3を10μm、電界印加部としてのp型領域52の厚みt4を3μmとしたものが最も効率がよいことがわかる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る熱電変換素子及び熱電変換モジュールによれば、半導体部に電界を印加するための電界印加手段を設けるようにしている。このため、半導体部におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、もって熱電変換効率の向上を図ることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱前の金属フェルミ面の変化を示すエネルギーバンド模式図である。
【図2】片側加熱を行った場合の金属フェルミ面の変化を示すエネルギーバンド模式図である。
【図3】図3Aはキャリアの流れに対して垂直方向に外部電界をかけた場合のベクトル合成を示す説明図であり、図3Bはキャリアの流れに対して平行に外部電界をかけた場合のベクトル合成を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す構成図である。
【図5】第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す構成図である。
【図6】フェルミ準位の温度依存性を示す特性図である。
【図7】n型半導体素子を片側加熱したときのエネルギーバンド模式図である。
【図8】第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す構成図である。
【図9】第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す等価回路図である。
【図10】図10Aは第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールにおけるp型半導体領域の厚み関係を示す説明図であり、図10Bは同じくn型半導体領域の厚み関係を示す説明図である。
【図11】第4の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す構成図である。
【図12】図12Aは第4の実施の形態に係る熱電変換モジュールにおけるp型半導体領域の厚み関係を示す説明図であり、図12Bは同じくn型半導体領域の厚み関係を示す説明図である。
【図13】第4の実施の形態に係る熱電変換モジュールを示す等価回路図である。
【図14】実験例で用いたp型半導体素子及びn型半導体素子の元素分析結果を示す表図である。
【図15】実験例に用いた装置を示す構成図である。
【図16】実験例に用いた試験体の構成(パラメータ)を示す表図である。
【図17】各試験体に応じたゼーベック係数を示す特性図である。
【符号の説明】
10A、10B、10C、10D、100…熱電変換モジュール
12…熱源 14…第1導体
16…第2導体 18…半導体部
20…絶縁物 22…p型半導体素子
24…n型半導体素子 26…第1の電極膜
28…第2の電極膜 30、32、42、62…電源
40…電極膜 50…n型領域(電界印加部)
52…p型領域(電界印加部) 54…p型領域(高温側)
56…n型領域(高温側) 58…p型領域(低温側)
60…n型領域(低温側) 70、72…真性半導体領域
80…バイアス回路
Claims (26)
- 第1導体及び第2導体の間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子及びn型半導体素子を有し、且つ、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各一端が同一の前記第1導体に接続され、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各他端が同一の前記第2導体に接続され、
前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部から電界を印加する電界印加手段を備えることを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項1記載の熱電変換素子において、
前記電界印加手段は、
前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部に絶縁膜を介して形成された電極膜を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項1記載の熱電変換素子において、
前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項1記載の熱電変換素子において、
前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項1記載の熱電変換素子において、
前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、
前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域と前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項3又は5記載の熱電変換素子において、
前記p型半導体素子は、前記第1導体側のp型領域の厚さt1が1μm以上300μm以下であり、前記n型領域の厚さt2が1μm以上50μm以下であり、且つ、t1>t2を満足することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項3、5又は6記載の熱電変換素子において、
前記p型半導体素子は、前記第1導体側のp型領域と前記n型領域との間に真性半導体層を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項4又は5記載の熱電変換素子において、
前記n型半導体素子は、前記第1導体側のn型領域の厚さt3が1μm以上300μm以下であり、前記p型領域の厚さt4が1μm以上50μm以下であり、且つ、t3>t4を満足することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項4、5又は8記載の熱電変換素子において、
前記n型半導体素子は、前記第1導体側のn型領域と前記p型領域との間に真性半導体層を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項7又は9記載の熱電変換素子において、
前記真性半導体層の厚さが10nm以上3μm以下であることを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項10記載の熱電変換素子において、
前記真性半導体層の厚さが10nm以上30nm以下であることを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項1記載の熱電変換素子において、
前記電界印加手段はバイアス回路を有することを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項12記載の熱電変換素子において、
前記バイアス回路は、固定バイアス方式、自己バイアス方式、直流帰還バイアス方式及び組合せバイアス方式のうち、少なくとも1つの方式であり、
電界を形成するための電圧が0.01V〜3Vであることを特徴とする熱電変換素子。 - 高温側に位置する第1導体と、低温側に位置する第2導体と、前記第1導体及び前記第2導体の間に設置された半導体部とを有し、温度差に基づいて前記半導体部に発生する起電力を取り出す熱電変換モジュールにおいて、
前記半導体部は、前記第1導体及び前記第2導体の間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子及びn型半導体素子を有し、且つ、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各一端が同一の前記第1導体に接続され、前記p型半導体素子と前記n型半導体素子の各他端が同一の前記第2導体に接続され、
前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部から電界を印加する電界印加手段を備えることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項14記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記電界印加手段は、
前記p型半導体素子及び前記n型半導体素子の少なくとも一方の半導体素子の側部に絶縁膜を介して形成された電極膜を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項14記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項14記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項14記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記p型半導体素子は、その一部にn型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってp−n−pの導電型構造を有し、
前記n型半導体素子は、その一部にp型領域が形成され、且つ、前記第1導体から前記第2導体に向かってn−p−nの導電型構造を有し、
前記電界印加手段は、前記p型半導体素子に形成された前記n型領域と前記n型半導体素子に形成された前記p型領域を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項16又は18記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記p型半導体素子は、前記第1導体側のp型領域の厚さt1が1μm以上300μm以下であり、前記n型領域の厚さt2が1μm以上50μm以下であり、且つ、t1>t2を満足することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項16、18又は19記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記p型半導体素子は、前記第1導体側のp型領域と前記n型領域との間に真性半導体層を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項17又は18記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記n型半導体素子は、前記第1導体側のn型領域の厚さt3が1μm以上300μm以下であり、前記p型領域の厚さt4が1μm以上50μm以下であり、且つ、t3>t4を満足することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項17、18又は21記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記n型半導体素子は、前記第1導体側のn型領域と前記p型領域との間に真性半導体層を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項20又は22記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記真性半導体層の厚さが10nm以上3μm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項23記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記真性半導体層の厚さが10nm以上30nm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項14記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記電界印加手段はバイアス回路を有することを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項25記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記バイアス回路は、固定バイアス方式、自己バイアス方式、直流帰還バイアス方式及び組合せバイアス方式のうち、少なくとも1つの方式であり、
電界を形成するための電圧が0.01V〜3Vであることを特徴とする熱電変換モジュール。
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