JP4159211B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の着火装置として用いられるスパークプラグに関し、特に耐火花消耗部材となるチップに融点の高いイリジウム(Ir)基合金を用いたスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、標準型のスパークプラグの電極には耐食性があり融点も高いニッケル(Ni)基合金、具体的には90%以上高Ni合金材料が用いられている。そして、より高性能で高寿命が求められるスパークプラグには発火部に、インコネルを母材としてインコネルより融点の高い貴金属チップを母材に固着することが行われる。貴金属チップとしては白金(Pt)若しくは白金基合金を用いたものが実用化されている。いわゆる白金プラグである。
しかし、近年、さらなる高性能化(着火性の向上)と長寿命化(耐火花消耗性)が求められ、チップに白金(Pt)より融点の高いイリジウム(Ir)の合金を用いたスパークプラグの研究が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの高出力化や直噴ガソリンエンジンへの適用の拡大に伴い、スパークプラグのチップに対する熱負荷が大幅に増加してきている。このため、また、イリジウム(Ir)の酸化物は高温で揮発性を有するため、耐久性の高いイリジウム(Ir)合金であっても、チップ温度の上昇によると見られる急激な異常チップ消耗や偏消耗が発生することがあった。さらに、チップを支えるインコネルからなる中軸の温度が過熱し、中軸が熱膨張し変形して絶縁碍子に割れが発生することがあった。
【0004】
本願発明者は多数の実験を行った結果、イリジウム(Ir)合金からなるチップとそのチップを支えるインコネルからなる中軸に一定の寸法的制約を加えることにより、チップの異常消耗や偏消耗、それに中軸の過熱を防止することができることを見出した。
そこで、本発明は、イリジウム(Ir)のチップを用いたスパークプラグであって、異常消耗や偏消耗を起こさず、中軸の過熱も抑制することのできるスパークプラグを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のうち請求項1記載の発明は、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中心貫通孔に保持された中心電極と、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、その主体金具に電気的に導通している接地電極とを備えたスパークプラグにおいて、前記中心電極は、中心に配設された銅(Cu)からなる中軸銅芯をニッケル(Ni)基合金で被った中軸と、その中軸の先端に自身と前記中軸との合金部を円錐台形状にして固着され、接地電極との間で火花放電ギャップを形成する耐火花消耗部材からなるチップとを備え、前記チップは、白金(Pt)、ロジウム(Rh)の中から少なくとも一種以上を組成として含むイリジウム(Ir)基の溶解合金からなり、前記チップから前記中軸銅芯の先端までの距離が、3.0mm以下であり、前記中軸の径が、2.0mm未満であり、前記中軸の径をD1とし前記チップの火花放電ギャップ部の径をD2としたとき、D2/D1≦0.4であり、前記チップの火花放電ギャップ部の径D2と該チップの軸方向の露出長Lとの関係が、L≦1.2×D2を満たすことを特徴とする。
【0006】
このように形成すると、熱伝導度が高い中軸銅芯からチップまでの距離が3.5mm以下と小さいから熱引きが良くなりチップの受熱温度が下がる。そして、チップの火花放電ギャップ部の径D2と中軸の径D1との比D2/D1を0.4以下とすると、さらに熱引きが良くなるためか理由は必ずしも明確ではないが、チップの急激な異常消耗や中軸温度の過熱を抑制できた。また、中軸の径D1が2.0mm未満であっても、チップの異常消耗を抑制することができた。
また、チップを純粋なイリジウム(Ir)ではなく、白金(Pt)、ロジウム(Rh)を含むイリジウム基溶解合金とすることにより、イリジウム(Ir)の高温における酸化揮発を抑制しチップの異常消耗を抑制する効果があるものと考える。特に異常消耗は、白金(Pt)、ロジウム(Rh)の含有量が25wt%以上50wt%未満の場合に生じやすいため、上記のような寸法にすることでより効果が顕著になる。
【0009】
また、前記チップの火花放電ギャップ部の径D2と該チップの軸方向の露出長Lとの関係が、L≦1.2×D2を満たすことを特徴とすることができる
このように形成すると、チップの偏消耗を抑制することができた。チップの軸方向長さが余りに長くなるとチップから中軸への熱引きが悪くなり、チップの一部の温度が異常に上昇してイリジウム(Ir)の酸化蒸発を引き起こしチップの偏消耗が発生すると考えられる。このため、チップの軸方向の露出長Lを上記のように制限することにより偏消耗を抑制することができたと考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は本発明に係るスパークプラグ20の部分断面図である。周知のように、アルミナ等からなる絶縁碍子1は、その上部に沿面距離を稼ぐためのコルゲーション部1Aを、下部に内燃機関の燃焼室に曝される脚長部1Bを備え、その軸中心には中心貫通孔1Cを備えている。中心貫通孔1Cの下端(先端)には、インコネル等のニッケル合金からなる中心電極2が保持され、中心電極2は絶縁碍子1の下端面から下方に突出している。中心電極2は実際にはインコネル単体で構成されるものではなく、その中心に芯材として銅(Cu)が封入され熱伝導度の改善を図っているが、図面が複雑になるので図示していない。中心電極2は中心貫通孔1Cの内部に設けられた導電性ガラスシール層12,13及び抵抗体3を経由して上方の端子4に電気的に接続されている。端子4には図示しない高耐圧ケーブルが接続され高電圧が印加される。上記絶縁碍子1は主体金具5に囲まれ支持されている。
【0011】
主体金具5は低炭素鋼材で構成され、スパークプラグレンチと嵌合する6角形部5Aと、シリンダヘッドに螺合するねじ部5Bとを備えている。主体金具5はそのかしめ部5Cにより絶縁碍子1にかしめられ、主体金具5と絶縁碍子1が一体にされる。湾曲部5Dはかしめによる主体金具5の軸方向の変形を吸収する部分である。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5の内周段部5Eと絶縁碍子1との間に板状のパッキン部材6を介在して燃焼室に曝される脚長部1Bと絶縁碍子1の上部とのシールを完全にしている。また、かしめ部5Cと絶縁碍子1との間にワイヤ状のシール部材7,8を介在し、シール部材7,8の間にタルク(滑石)9の粉末を充填して弾性的にシールをし主体金具5と絶縁碍子1との固定を完全にしている。勿論、タルク9の無い形式のスパークプラグでも良い。また、ねじ部5Bの上端にはガスケット10が嵌挿されている。主体金具5の下端にニッケル合金からなる接地電極11が溶接により接合されている。接地電極11は直角に折り曲げられ、その先端部の平面が中心電極2の先端に対向するように形成されている。
【0012】
図2はスパークプラグの先端部を拡大して示す正面図である。図1とは上下を逆にして先端を上にして描いている。主体金具5の端面から絶縁碍子1が僅かに突出し顔をのぞかせている。絶縁碍子1からは中心電極2が突出している。中心電極2はニッケル合金であるインコネルを主体とする中軸21と、その中軸21の先端に固着されたイリジウム(Ir)基合金からなるチップ31とから構成される。中軸21はその根本部を絶縁碍子1に埋没され、絶縁碍子1から出た突出部でテーパ状に縮径され細径にされている。絶縁碍子1の主体金具5からの突出量Aは、A=1.5mm、中心電極2の絶縁碍子1からの突出量Bは、B=2.0mm、中心電極2と接地電極11とのギャップCは、C=1.05mm、に設定した。
【0013】
図3は中心電極2の先端付近を絶縁碍子1から取り出して示す正面図であり、図4は中心電極2の先端付近の断面図である。インコネルを主体とする中軸21の先端に固着されるチップ31には、イリジウム(Ir)に白金(Pt)を25wt%添加したIr−25Pt合金を用いた。チップ31を中軸21に固着するにはレーザ溶接を用いた。このため、チップ31と中軸21との接合部にはIr−25Pt合金とインコネルが溶融して両者の合金状態となった溶接ビート部22が形成されている。溶接ビート部22は、図4(A)に示すように、チップ31や中軸21の中心までは達せず中心部でチップ31と中軸21が直接接触するようになっているものと、図4(B)に示すように、溶接ビート部22が中心まで達しチップ31と中軸21との間に溶接ビート部22が介在するようになっているものがある。中軸21の径をD1、チップ31の径をD2、チップ31の軸方向の露出長をLとする。
【0014】
中軸21の中心部には銅(Cu)からなる中軸銅芯23が封入されている。熱伝導度の高い銅(Cu)を封入することにより中軸の熱引きを良くするためである。中軸銅芯23の先端からチップ31までの距離Eは、E=3.0mm、になるようにした。図4(B)に示すように、溶接ビート部22が中心まで達しチップ31と中軸21との間に溶接ビート部22が介在するようになっているものでは溶接ビート部22を越えてチップ31に達するまでの距離を距離Eとした。
【0015】
中軸21の径D1、チップ31の径D2、チップ31の軸方向の露出長Lには種々のものを用意して実際のエンジンに装着し実機耐久試験を行った。ここでは、まず、中軸径D1が、D1=1.7mm、のものについて報告する。何故、D1=1.7mmのものについて報告するかというと、中軸径D1が2.0mm以上の標準のものでは通常のエンジンによる運転ではスパークプラグに過酷な条件とならないためである。スパークプラグの先端部の温度が700〜900℃に達する過酷な運転での耐久性を見るため、あえて細い中軸21のスパークプラグでテストしたのである。
【0016】
図5は使用前のスパークプラグでの中心電極2の断面写真をトレースした図面である。図5(A)、(B)共に中軸径D1は1.7mmである。(A)はチップ径D2が径小な、D2=0.7mm、つまり、径比D2/D1=0.4、のもであり、(B)はチップ径D2が径大な、D2=1.2mm、つまり、径比D2/D1=0.7、のものである。
【0017】
図6及び図7は実機耐久試験後のスパークプラグにおける中心電極2の断面写真をトレースした図面である。スパークプラグはそれぞれ図5(A)、(B)のスパークプラグと同一ロットで製作したものを用いた。図6は図5(A)に対応するものであり、中軸径D1=1.7mm、チップ径D2=0.7mm、つまり、径比D2/D1=0.4、のものであり、図7は図5(B)に対応するものであり、中軸径D1=1.7mm、チップ径D2=1.2mm、つまり、径比D2/D1=0.7、のものである。実機耐久試験は6気筒2リッターDOHCエンジンを用い、スロットル全開WOT(wide open throttle)の5600rpmで40時間の運転を行った。これは180km/hでの運転に相当し約7200kmの走行に相当する。
【0018】
径小なチップ31を用いた図6のものでは、図5(A)と比較すると明らかなように、チップ31の消耗は僅かである。また、中軸21のインコネルの結晶粒24の成長も小さく中軸21の受熱温度が低かったことを示している。これに対して、径大なチップ31を用いた図7のものでは、図5(B)と比較すると明らかなように、チップ31の消耗が異常消耗と言えるほど極めて激しい。そして、中軸21のインコネルの結晶粒25が大きく成長しており、さらに、中軸21の左側にはインコネルが溶け始めたと見られる溶融痕26までも見られ、中軸21の受熱温度が極めて高かったことを示している。これらの実験結果は、イリジウム(Ir)基合金からなるチップ31を備えたスパークプラグでは、中軸径D1に比べチップ径D2をかなり小さくしておく必要があることを示している。
【0019】
チップ31の消耗の程度を評価するため、図8に示すように、チップ31の断面をトレースし、同一ロットで試作されたスパークプラグでの使用前の断面と実機耐久試験後の断面を比較して消失した断面積で評価することとした。図面において細かいハッチを施した部分が耐久試験により消失した部分である。図8(A)、(B)共に中軸径D1は、D1=1.7mm、であり、チップ径D2は、(A)がチップ径D2=0.7mm、つまり径比D2/D1=0.4、のものであり、(B)はチップ径D2=1.2mm、つまり径比D2/D1=0.7、のものである。径比D2/D1=0.4の図8(A)に示すものではチップ31の側周部に僅かな消失部32,33,34,35が見られるものの、その消失した断面積は僅かである。これに対して径比D2/D1=0.7の図8(B)に示すものではチップ31の全面にわたって大きな消失部36が観察され消失した断面積が大きかった。
【0020】
発明者らは種々の中軸径D1のスパークプラグで種々のチップ径D2を持つものについて実機耐久試験を行い、チップ31の消耗を上述の消失した断面積で評価した。その多数のデータを評価する過程で、チップ径D2そのものではなく、チップ径D2と中軸径D1との径比D2/D1に着目してデータを整理すると解りやすい結果が得られることを見出した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1において縦軸は中軸径D1を、2.6mmから1.4mmまで0,1mmおきに変化させたデータを示している。単位はmmである。横軸はチップ径D2と中軸径D1との径比D2/D1を0.7から0.2まで変化させたデータを示している。表において、記号×はチップ31の断面トレースで20%以上の断面積の消失が見られたものを示し、記号△は10〜20%の断面積の消失が見られたものを示し、記号□は3〜10%の断面積の消失が見られたものを示し、記号○は3%未満の断面積の消失しか見られなかったものを示している。
【0023】
表1から明らかなように、径比D2/D1が小さくなるほど○印が増えチップ31の消耗が減少しているのが解る。中軸径D1が2.6mmから2.4mmまでの範囲では、径比D2/D1が0.5以下の範囲が□印○印となりチップ消耗量が10%未満であり、実用上許容できる範囲であることを示している。同様に、中軸径D1が2.3mmから2.0mmまでの範囲では、径比D2/D1が0.45以下の範囲が□印○印となりチップ消耗量が10%未満であり、実用上許容できる範囲であることを示している。さらに、中軸径D1が1.9mmから1.4mmまでの範囲では、径比D2/D1が0.4以下の範囲が□印○印となりチップ消耗量が10%未満であり、実用上許容できる範囲であることを示している。この実験結果は請求項1の発明を支持するものである。
【0024】
但し、中軸径D1が1.4mmで径比D2/D1が0.2の場合はチップ31自体の消耗は3%未満であるが、チップ径D2が0.28mmと0.3mm未満になる。チップ径D2が0,3mm未満であると径比D2/D1にかかわらずスパークプラグとしての寿命が4万km程度に低下し、コストと比較して不経済になる。従って、本発明の趣旨とは別の意味で、チップ径D2は0.3mm以上であることが望ましい。
【0025】
以上述べた実機耐久試験では、チップ径D2と中軸径D1との径比D2/D1とチップ消耗との関係について説明したが、次にチップ31の露出長Lとチップ消耗との関係について説明する。
【0026】
図9はチップ31の露出長Lの異なるスパークプラグでの実機耐久試験後のチップ消耗を示す中心電極2の断面写真をトレースした図面である。図面において細かいハッチを施した部分38が耐久試験により消失した部分である。図9(A)、(B)共に、中軸径D1は1.7mm、チップ径D2は0.7mmであり、径比D2/D1は0.4である。図9(A)のチップ露出長Lは0.88mmでありチップ露出長Lとチップ径D2との比L/D2は1.3となる。これに対して図9(B)のチップ露出長Lは0.70mmでありチップ露出長Lとチップ径D2との比L/D2は1.0となる。実機耐久試験は6気筒2.5リッターDOHCエンジンを用い、スロットル全開WOT(wide open throttle)の5600rpmで35時間の運転を行った。
【0027】
図9(A)から明らかなように、軸方向のチップ露出長Lがチップ径D2に比して長いものではチップ側部に激しい偏消耗による消失部38が見られた。これに対してチップ露出長Lの短い図9(B)に示すものでは、ほとんどチップ消耗が見られなかった。チップ露出長Lとチップ消耗の関係を調べるためチップ露出長Lの異なるスパークプラグを用意し実機耐久試験を行った。中軸径D1は1.7mm、チップ径D2は0.7mmであり、径比D2/D1は0.4のスパークプラグである。中軸径D1が1.7mmの細いスパークプラグを用いたのは、前述の耐久試験と同じく、スパークプラグの先端部の温度が700〜900℃に達する過酷な運転での耐久性を見るためである。チップ露出長Lは露出長Lとチップ径D2との比、L/D2、で評価し、露出長比L/D2が1.0から1.4のものについて調べた。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2において記号は表1と同じであり、記号×はチップ31の断面トレースで20%以上の断面積の消失が見られたものを示し、記号○は3%未満の断面積の消失しか見られなかったものを示している。ここでは中間の△印や□印に相当するチップ消耗は観察できなかった。表2から明らかなように、露出長比L/D2が1.2以下であるとチップ消耗は微少であり良好であったが、露出長比L/D2が1.3以上になると急激にチップ消耗が大きくなった。このことから露出長比L/D2は1.2以下であることが好ましい。この結果は請求項1の発明を支持するものである。
【0030】
上述の図8(B)や図9(A)に示すような激しい異常消耗や偏消耗が何故発生するかについては必ずしも明確になっていない。しかし、次のようではないかと推定している。チップ径D2と中軸径D1との径比D2/D1が大きかったり、チップの露出長Lとチップ径D2との露出長比L/D2が大きいと、チップ31から中軸21への熱引きが悪くなり、チップ31の一部が過熱する。その結果イリジウム(Ir)が酸化イリジウムになり、その酸化イリジウムが高温で直接揮発するためではないかと考えられる。特に、白金(Pt)を25〜50wt%含有する場合には上述のようにチップ31から中軸21への熱引きが悪くなることによるチップ温度の上昇とともにチップの融点低下に伴う火花消耗の増加ともあいまって、異常消耗が加速度的に多くなると考えられる。
【0031】
以上説明した実施の形態ではチップ31にIr−25Pt合金を用いたものについて説明したが、イリジウム(Ir)にロジウム(Rh)を30wt%若しくは40wt%添加したIr−30Rh合金やIr−40Rh合金を用いたものでも大略同じような傾向を示した。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、イリジウム(Ir)基合金からなるチップを備えるスパークプラグであって、チップの径と中軸の径との関係に所定の制限を設けたものであるから、チップが異常消耗や偏消耗を起こさず、また、中軸の過熱も抑制することができるので、イリジウム(Ir)の高融点という特徴を生かした高性能かつ長寿命のスパークプラグを提供することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパークプラグの部分断面図である。
【図2】スパークプラグの先端部を拡大して示す正面図である。
【図3】中心電極のみを取り出して示す正面図である。
【図4】中心電極の先端付近の断面図である。
【図5】使用前の中心電極の断面写真をトレースした図面である。
【図6】実機耐久試験後の中心電極の断面写真をトレースした図面である。
【図7】実機耐久試験後の中心電極の断面写真をトレースした図面である。
【図8】径比の異なるスパークプラグでのチップ消耗を示す中心電極の断面写真をトレ−スした図面である。
【図9】チップ露出長の異なるスパークプラグでのチップ消耗を示す中心電極の断面写真をトレ−スした図面である。
【符号の説明】
1 絶縁碍子
2 中心電極
5 主体金具
11 接地電極
21 中軸
23 中軸銅芯
31 チップ
36 異常消耗による消失部
38 偏消耗による消失部
D1 中軸径
D2 チップ径
L チップの露出長
Claims (1)
- 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中心貫通孔に保持された中心電極と、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、その主体金具に電気的に導通している接地電極とを備えたスパークプラグにおいて、
前記中心電極は、中心に配設された銅(Cu)からなる中軸銅芯をニッケル(Ni)基合金で被った中軸と、その中軸の先端に自身と前記中軸との合金部を円錐台形状にして固着され、接地電極との間で火花放電ギャップを形成する耐火花消耗部材からなるチップとを備え、
前記チップは、白金(Pt)、ロジウム(Rh)の中から少なくとも一種以上を組成として含むイリジウム(Ir)基の溶解合金からなり、
前記チップから前記中軸銅芯の先端までの距離が、3.0mm以下であり、
前記中軸の径が、2.0mm未満であり、
前記中軸の径をD1とし前記チップの火花放電ギャップ部の径をD2としたとき、D2/D1≦0.4、であり、
前記チップの火花放電ギャップ部の径D2と該チップの軸方向の露出長Lとの関係が、L≦1.2×D2を満たすこと
を特徴とするスパークプラグ。
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-
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