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JP4149145B2 - 移動通信システムの網側装置及び電力管理方法 - Google Patents

移動通信システムの網側装置及び電力管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システムの網側装置及び電力管理方法に係わり、特に、各通信チャネルの最大送信電力を送信電力制御に基づいて随時更新することにより電力使用効率を改善し、かつ、収容加入者数を増大させることが可能な移動通信システムの網側装置及び電力管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15に示すように、移動局2との間で無線により通信を行う無線基地局装置(BTS: Base Station Transceiver Subsystem)1は、アンプ部1a、無線部1b、複数チャネル分のベースバンド信号処理を行うベースバンド信号処理部1c1〜1cn、局内制御装置(BTSC)1d、基地局制御装置(BSC: Base Station Controller)3とのインターフェース部1eを備えている。
【0003】
アンプ部1aは送受信信号を増幅し、無線部1bはアンテナよりアンプ部1aを介して入力する高周波信号をべースバンド信号に周波数変換すると共に、べースバンド信号を高周波信号に変換してアンプ部1aを介してアンテナに入力する。べースバンド信号処理部1c1〜1cnはそれぞれ、複数チャネル分の通信信号(各種制御信号、音声信号、データ信号など)に対して拡散、直交変調などの処理を施して無線部1bに入力し、また、無線部から入力する複数チャネル分の通信信号に対して直交検波、逆拡散、データ復調などの処理を施し、復調データをインターフェース部1eに入力する。インターフェース部1eはNチャネル分の信号多重・信号分離処理や基地局装置(BTS)/基地局制御装置(BSC)間の信号変換処理を行う。局内制御装置1dは呼制御、通話チャネル設定制御、電力管理制御などの各種制御を行う。
【0004】
局内制御装置1dによる電力管理制御は以下のように行われる。予め伝送速度や音声呼、データ呼等の要因により通信チャネルの最大送信電力を決定しておく。そして、通信チャネルの設定要求があると、割当可能な電力範囲内で該設定要求された通信チャネルに前記最大送信電力を割り当てることが可能であるか判定する。割り当て可能であれば該通信チャネルに最大送信電力を割り当て、且つ、べースバンド信号処理部1c1〜1cnのいずれかに該通信チャネルの処理を割り当てる。割り当て不可能であれば送信電力の割り当てをせず、チャネル接続不可を要求元に応答する。図16はチャネル#0、#1に対して最大送信電力の割り当てが可能であり、該チャネル#0、#1の処理をべースバンド信号処理部1c1に割り当てた場合を示している。
【0005】
ベースバンド信号処理部1c1〜1cnにおける送信電力制御は、チャネル毎にClosed Loop制御に代表されるチャネル単位の送信電力制御を行うことである。この送信電力制御により、実際の送信電力は前記割り当てられた最大送信電力より小さくなる。図17はベースバンド信号処理部におけるチャネル単位の下り回線閉ループ送信電力制御の説明図であり、1チャネル分の構成を示している。
【0006】
基地局のべースバンド信号処理部1c1において、拡散変調部5aは指定されたチャネルに応じた拡散コードを用いて送信データを拡散変調し、電力増幅器5bは拡散変調後に、直交変調、周波数変換などの処理を施されて入力した信号を増幅してアンテナより移動局2に向けて送信する。移動局の受信部の逆拡散部2aは受信信号に逆拡散処理を施し、復調部2b受信データを復調する。SIR測定部2cは受信信号と干渉信号との電力比を測定する。比較部2dは目標SIRと測定SIRを比較し、測定SIRが目標SIRより大きければTPC(Transmission Power Control)ビットで送信電力を下げるコマンドを作成し、測定SIRが目標SIRより小さければTPCビットで送信電力をあげるコマンドを作成する。目標SIRはた問えば、10-3(1000回に1回の割合でエラー発生)を得るために必要なSIR値であり、目標SIR設定部2eより比較部2dに入力される。拡散変調部2fは送信データ及びTPCビットを拡散変調する。拡散変調後、移動局2はDA変換、直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアンテナより基地局1に向けて送信する。基地局の側のべースバンド信号処理部の逆拡散部5cは、移動局2から受信した信号に逆拡散処理を施し、復調部5dは受信データ、TPCビットを復調し、該TPCビットで指示されたコマンドにしたがって電力増幅器5bの送信電力を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、局内制御装置(BTSC)1dとべースバンド信号処理部1c1〜1cnは電力制御を行うがそれぞれの電力制御は連携を持たず独自に行われている。このため、チャネル毎の送信電力制御により、送信電力がチャネル設定時に設定された初期送信電力よりも低下した状態で安定し、これにより余剰電力が発生しても(図16参照)、従来は何らの処置を取らなかった。このため、従来は各チャネルに過分に電力を割り当てていることになり基地局あたりの多重チャネル数、すなわち収容加入者数が減少する問題がある。
また、通信状態が悪くなると割り当てられた最大送信電力以上の電力が必要になる場合があるが、従来は最大送信電力以上の電力を割り当てることが出来ず、通信品質を向上できない問題がある。
【0008】
本発明の目的は、限られた無線基地局の電力を効率よく利用出来るようにすることである。
本発明の別の目的は、各通信用チャネルで余剰となっている送信電力を新規呼の通信チャネルに再割り当てして活用できるようにすることである。
本発明の別の目的は、最大送信電力以上の電力を割り当てれるようにして通信品質を向上することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は電力割当制御部と、チャネル電力制御部と、複数チャネル電力管理部とを備えた移動通信システムの網側装置である。電力割当制御部は、割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、割り当てが不可能なときは送信電力の割り当てをしない。チャネル電力制御部は、チャネル毎に設けられ、チャネル毎の送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力を要求する。複数チャネル電力管理部は、各チャネル電力制御部より返還された電力を余剰電力として管理すると共に各チャネル電力制御部より要求された電力を余剰電力より割り当て、該余剰電力が開放閾値以上になった時、閾値以上の余剰電力分を電力割当制御部に返還し、余剰電力が取得閾値以下になった時、閾値以下の不足分を電力割当制御部に要求する。
【0011】
複数チャネル電力管理部は、各チャネルの前記割り当て送信電力を管理し、通信チャネルの切断要求により、該通信チャネルに割り当てられている送信電力を電力割当制御部に返還する。
以上、本発明によれば、限られた無線基地局の電力を効率よく利用することができ、収容ユーザ数を増加することができる。また、本発明によれば、各通信用チャネルで余剰となっている送信電力を電力割当制御部に返還するようにしたから、容易に新規呼の通信チャネルに余剰電力を再割り当てして活用することができる。又、第1、第2の発明によれば、最大送信電力以上の電力をチャネルに割り当てることができるため、通信状態が悪くても通信品質を向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(A)無線基地局制御装置の構成
図1は本発明の無線基地局装置を含む移動無線システム全体の構成図であり、11は移動局との間で無線により通信を行う無線基地局装置(BTS: Base Station Transceiver Subsystem)、12は移動局(携帯電話端末)、13は基地局制御装置(BSC: Base Station Controller)、14は基地局制御装置に接続され、局運用データなどを入力する保守・操作制御部、15は公衆網等のネットワークである。
無線基地局装置11は、アンテナ21、アンプ部22、無線部23、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部24、チャネル割り当て制御、電力管理制御等を行う基地局内の制御装置(局内制御装置)25、伝送インターフェース部26を備えている。
【0013】
アンプ部22は送受信信号を増幅し、無線部23はアンテナよりアンプ部を介して入力する高周波信号をべースバンド信号に周波数変換すると共に、べースバンド信号を高周波信号に変換してアンプ部を介してアンテナに入力する。べースバンド部24には複数のべースバンド信号処理部24a〜24nが設けられ、それぞれ複数チャネル分の通信信号(各種制御信号、音声信号、データ信号など)に対して拡散、直交変調などの処理を施して無線部23に入力し、また、無線部23から入力する複数チャネル分の通信信号に対して直交検波、逆拡散、データ復調などの処理を施し、復調データをインターフェース部26に入力する。インターフェース部26はNチャネル分の信号多重・信号分離処理や基地局(BTS)/基地局制御装置(BSC)間の信号変換処理を行う。局内制御装置25は、呼制御、通話チャネルの設定制御を行うと共に、本発明に係わる送信電力管理制御を行う。電力管理制御やチャネル割り当て制御に必要なBTS運用データは保守・操作制御部14により設定され、基地局制御装置(BSC)13より伝送インターフェース26を介して局内制御装置25に入力される。
【0014】
局内制御装置25には、基地局全体の送信電力を管理する送信パワー管理テーブル25aが設けられており、図2に示すように割り当て可能な総電力Pmax、使用中電力Pused、割り当て可能な残り電力(空き電力)Pempが管理されている。
べースバンド信号処理部24a〜24nのそれぞれには、nチャネルチャネル分のチャネル単位べースバンド部31a〜31n、これら複数のチャネルの電力を管理する電力管理部32が設けられている。
チャネル単位べースバンド部31a〜31nのそれぞれには電力制御部41が設けられ、チャネル毎の送信電力制御を行い(図17参照)、実際の送信電力がチャネル設定時に割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力(余剰電力)を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返えす。また、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力(不足電力)を要求する。
【0015】
電力管理部32には、チャネル送信電力テーブル32a、余剰電力管理テーブル32bが設けられている。チャネル送信電力テーブル32aは、図3(a)に示すように、チャネル単位べースバンド部31a〜31nに割り当てた送信電力を管理し、余剰電力管理テーブル32bは、図3(b)に示すように、チャネル単位べースバンド部31a〜31nから返還された余剰電力の総計Pe、余剰電力を局内制御装置25に返還するための解放閾値PTHB、不足電力を局内制御装置25に追加要求するために取得閾値PTHRを管理する。
【0016】
電力管理部32は、チャネル単位べースバンド部31a〜31nより返還された電力を余剰電力Peとして管理すると共に、各チャネル単位べースバンド部31a〜31nより追加要求された電力を余剰電力より割り当てる。また、電力管理部32は、余剰電力Peが開放閾値PTHB以上になった時、閾値以上の余剰電力分を局内制御装置25に返還し、余剰電力が取得閾値PTHR以下になった時、閾値以下の不足分を局内制御装置2に要求する。
【0017】
(B)電力管理制御
(a)チャネル接続時の送信電力割当処理
図4、図5はチャネル接続時の送信電力割当処理フローである。
通話チャネルの接続要求が発生すると(ステップ101)、局内制御装置25はチャネル接続に必要な電力(チャネル電力)を取得する(ステップ102)。チャネル電力には、図6(a)に示すように最大送信電力、最小送信電力、初期送信電力が含まれるが、最小送信電力、初期送信電力は必ずしも必要でない。予め伝送レートとチャネル電力の対応テーブルを用意しておくことにより、該テーブルより最大送信電力、最小送信電力、初期送信電力を取得することができる。又、後述するように、計算により求めることも出来る。
【0018】
ついで、局内制御装置25は送信パワー管理テーブル25aを参照して必要な電力(最大送信電力Pi)が残っているチェックし(ステップ103)、残っていなければ(Pemp<Pi)チャネル接続不可をチャネル接続要求元に通知する(ステップ104)。一方、必要な電力が残っていればPemp>Pi)、要求されている通話チャネルの処理を実行するべースバンド信号処理部の電力管理部32にパワーリソース割当をおこない、ステップ102で取得済みのチャネル電力を通知する(ステップ105)。ついで、最大送信電力をPiとすれば、次式
Pemp−Pi→Pemp
により残り電力Pempを更新する(ステップ106)。
【0019】
以上と並行して、べースバンド信号処理部の電力管理部32はパワーリソース割当がなされたか監視しており(ステップ151)、局内制御装置25よりパワーリソース割当がなされると、所定のチャネル単位べースバンド部の電力制御部41にチャネル電力を設定する(ステップ152)。なお、このチャネル単位べースバンド部は要求された通話チャネルのべースバンド処理を行うものである。ついで、電力管理部32はチャネル送信電力テーブル32aに前記チャネル単位べースバンド部に対応させて最大送信電力Piを登録する(ステップ153)。
チャネル単位べースバンド部の電力制御部41は図5に示すようにチャネル電力が設定されると(ステップ201)、以後、チャネル切断指示があるまで送信中電力制御を実行し(ステップ202)、チャネル切断指示があれば(ステップ203)、電力制御を終了する。
【0020】
(b)チャネル単位べースバンド部の送信中電力制御処理
図7はチャネル単位べースバンド部の電力制御部41の送信中電力制御処理(図5のステップ202の処理)のフローである。電力制御部41はチャネル電力が設定されると(図5のステップ201)、電力制御ループにより送信電力制御を行う(ステップ202a)。この送信電力制御により図6(b)に示すように所定の品質を得るための送信電力Pmが決まる。最大送信電力は送信電力Pmに保証ダイナミックレンジPd(急激な送信出力の上昇に対応するための電力量)を加えた電力に更新され、更新前後の最大送信電力の差ΔPが余剰電力となる。
【0021】
最大送信電力の具体的な更新処理はステップ202b以降の処理により行われる。ただし、図8に示すようにサンプリング回数c1で1区間が定義され、現区間の最大送信電力PM(保証ダイナミックレンジを加えたもの)を求め、該現区間の最大送信電力PMと前区間の最大送信電力PM′の大小を比較し、現区間の最大送信電力PMの方が小さければ差分PBを余剰電力として返還して現区間の最大送信電力PMを最新の最大送信電力とする。また、現区間の最大送信電力の方が大きければ差分PRを不足電力として要求し、現区間の最大送信電力を最新の最大送信電力とする。
【0022】
まず、最初に現区間の最大送信電力を決定する。このため、所定サンプリング時間T1毎の送信電力Pを監視し(ステップ202b)、それまでの現区間における最大送信電力Pmと大小比較し(ステップ202c)、P>Pmであれば、Pを現区間の最大送信電力Pmにする(ステップ202d)。
ついで、上記処理を設定回数(=c1)行ったか、すなわち、現区間の終了か判断し(ステップ202e)、現区間の終了でなければステップ202a以降の処理を繰り返し、現区間の終了であれば最大送信電力Pmに保証ダイナミックレンジPdを加えた電力を現区間の真の最大送信電力PMとする(Pm+Pd→PM、ステップ202f)。
【0023】
しかる後、現区間の最大送信電力PMと前区間の最大送信電力PM′の大小を比較し(ステップ202g)、PM<PM′であれば余剰電力PBを次式
B=PM′−PM
により計算し、該余剰電力PBをべースバンド信号処理部の電力管理部32に返還すると共に(ステップ202h)、PM→PM′とする(最大送信電力の更新:ステップ202i)。以後、始めに戻り以降の処理を行う。
ステップ202gにおいて、PM>PM′であれば、不足電力PRを次式
R=PM−PM
により計算し、該不足電力PRをべースバンド信号処理部の電力管理部32に要求すると共に(ステップ202j)、PM→PM′とする(最大送信電力の更新:ステップ202k)。以後、始めに戻り以降の処理を行う。
【0024】
(c)べースバンド信号処理部の余剰電力返還・不足電力要求処理
図9はべースバンド信号処理部24a〜24mの電力管理部32における余剰電力返還・不足電力要求処理フローである。
各チャネル単位べースバンド部31a〜31nの電力制御部41から余剰電力PBの返還要求があったか(ステップ301)、あるいは、不足電力PRの要求があったか監視する(ステップ302)。
余剰電力PBの返還要求があれば、余剰電力管理テーブル32bで管理している余剰電力Peを次式
Pe+PB→Pe
により更新する(ステップ303)。また、チャネル送信電力テーブル32bで管理しているチャネル単位べースバンド部への割当電力Piを次式
Pi−PB→Pi
により更新する(ステップ304)。尚、割当電力Piの初期値はチャネル設定時に割り当てた最大送信電力である。
【0025】
不足電力PRの要求があれば、余剰電力管理テーブル32bで管理している余剰電力Peを次式
Pe−PR→Pe
により更新する(ステップ305)。また、チャネル送信電力テーブル32bで管理しているチャネル単位べースバンド部への割当電力Piを次式
Pi+PR→Pi
により更新する(ステップ306)。
【0026】
しかる後、べースバンド信号処理部の電力管理部32は余剰電力Peが解放閾値PTHBより大きくなったかチェックし(ステップ307)、Pe>PTHBであれば、閾値以上の余剰電力分PE(=Pe−PTHB)を局内制御装置25に返還し(ステップ308)、余剰電力Peを解放閾値PTHBにする(PTHB→Pe、ステップ309)。
ステップ307において、Pe≦PTHBであれば、電力管理部32は余剰電力Peが取得閾値PTHRより小さくなったかチェックし(ステップ310)、Pe<PTHRであれば、取得閾値に満たない不足電力分PS(=PTHR−Pe)を局内制御装置25に要求し(ステップ311)、要求が許されれば(ステップ312)、余剰電力Peを取得閾値PTHRにする(PTHR→Pe、ステップ313)。なお、不足電力分の要求が認められない場合には始めに戻り以降の処理を行う。
【0027】
図10はチャネル端末べースバンド部の電力制御部41から余剰電力PBがべースバンド信号処理部24aの電力管理部32に返えされ、電力管理部32の余剰電力管理テーブル32bで管理する余剰電力Peが解放閾値PTHBを以上になり、閾値以上分が局内制御装置25に返還された場合を示している。
【0028】
(d)局内制御装置の余剰電力返還・不足電力要求時の処理
図11は局内制御装置の余剰電力返還・不足電力要求時の処理フローである。局内制御装置25は、べースバンド信号処理部の電力管理部32から余剰電力PEの返還要求があったか(ステップ401)、あるいは、不足電力PSの要求があったか監視する(ステップ402)。
余剰電力PEの返還要求があれば、送信パワー管理テーブル25aで管理している残り電力Pempを次式
Pemp+PE→Pemp
により更新する(ステップ403)。
【0029】
一方、不足電力PSの要求があれば、該不足電力PSと残り電力Pempの大小を比較し(ステップ404)、Pemp<PSで要求された不足電力の融通が出来なければ電力管理部32に要求に応じられない旨(要求NO)を通知する(ステップ405)。Pemp≧PSで要求された不足電力の融通が可能であれば、電力管理部32に要求に応じられる旨(要求OK)を通知し(ステップ406)、送信パワー管理テーブル25aで管理している残り電力Pempを次式
Pemp−PS→Pemp
により更新する(ステップ407)。
【0030】
(e)チャネル切断時の処理
図12はチャネル切断時の処理フローである。
通話チャネルの切断要求が発生すると(ステップ501)、局内制御装置25は該通話チャネルが割当てられているべースバンド信号処理部にチャネル切断要求を送出し(ステップ502)、該べースバンド信号処理部から割当電力が通知されるのを待つ(ステップ503)。
【0031】
べースバンド信号処理部の電力管理部32は局内制御装置25からチャネル切断要求が出されたか監視しており(ステップ601)、チャネル切断要求を受信すれば、チャネル切断処理を実行し(ステップ602)、チャネル送信電力テーブル32aから切断したチャネルと割当電力Piの対応を削除し、割当電力Piを局内制御装置25に通知する(ステップ603)。
局内制御装置25は割当電力Piが通知されれば、送信パワー管理テーブル25aで管理している残り電力Pempを次式
Pemp+Pi→Pemp
により更新する(ステップ504)。
【0032】
(C)解放閾値及び取得閾値の決定法
ベースバンド信号処理部の電力管理部32は余剰電力管理テーブル32bで周期的に余剰電力Peを監視し、電力解放閾値PTHBを越えた際には越えた分PB(=Pe−PTHB)を局内制御装置25へ返還する。逆に、余剰電力Peが取得閾値PTHRを下回った際には下回った分PR(=PTHR−Pe)を局内制御装置25に対して追加要求する。
解放閾値PTHB、取得閾値PTHRは一定値ではなく、ベースバンド信号処理部毎に、それぞれに割り当てたチャネルの割当総電力に応じて決定する必要がある。そこで、局内制御装置25は、以下のようにして解放閾値PTHB、取得閾値PTHRを決定して各ベースバンド信号処理部の電力管理部32に設定する。
【0033】
所定のベースバンド信号処理部にm個のチャネルCH#1、CH#2、 ・・・、CH#mが設定されている場合を考える。各チャネルCH#k (1≦k≦m)にチャネル設定時に割り当てられている最大送信電力量をそれぞれG#k、ベースバンド信号処理部に設定されている総電力量をSとすれば、
S = G#1 + G#2 + ・・・ +G#m
となる。ここで、電力返還の解放閾値PTHBを定める比率(電力返還比率)をP#REL(0≦P#REL≦1)、不足電力の追加要求する取得閾値PTHRを定める比率(電力取得比率)をP#ADD(0≦P#ADD<P#REL≦1)とする。局内制御装置25はべースバンド信号処理部毎に解放閾値PTHB、取得閾値PTHRを次式
THB= S×P#REL
THR= S×P#ADD
により決定してベースバンド信号処理部に設定する。ベースバンド信号処理部の電力管理部32は余剰電力Peが解放閾値PTHBを越えた際には越えた分を局内制御装置25へ返還する。逆に余剰電力Peが取得閾値PTHRを下回った際には下回った電力量を局内制御装置25に追加要求する。
【0034】
(D)最大送信電力値の決定法
送信データサイズが常時変化する音声呼のように電力上昇及び降下が発生しやすい呼とそうでない呼を考慮して、ベースバンド信号処理部から局内制御装置に余剰電力の返還、不足電力の追加要求を行う解放閾値PTHB、取得閾値PTHRを決定する必要がある。
前記(C)より解放閾値、取得閾値はベースバンド信号処理部に割り当てられている各チャネルの最大送信電力値に依存する。従って、通信チャネルの最大送信電力値を伝送レートにより可変に設定する。このようにすれば、解放閾値PTHB、取得閾値PTHRを呼(伝送レート)に応じて変化させることが出来る。
【0035】
ところで、呼によっては伝送速度が可変するものがある。かかる場合にも適切に最大送信電力を決定して解放閾値PTHB、取得閾値PTHRを設定する必要がある。このため、本発明では伝送速度可変の通話チャネルの最大送信電力を以下のように計算する。例えば、図13に示すように伝送速度が可変の通話チャネルネルがあったとし、各可変速度R#k(0≦k≦n)の送信出力をH#k、発生確率をP#kとすれば、この通話チャネルの平均送信出力を次式
H#1・P#1+ H#2・P#2+ … + H#n・P#n
により計算する。ただし、ΣP#k=1である。そして、この平均送信出力の上限値を最大送信電力G#1とし、(C)の各式を用いて閾値設定を行う。
【0036】
(E)チャネル多重度に応じた解放閾値、取得閾値の決定法
ベースバンド信号処理部毎に、通信中チャネルの多重度および音声/高速データ通信のピーク性を考慮して余剰電力の返還/不足電力の要求を行う閾値を決定する。これは、通信中チャネルの多重度が高いほど1つのチャネルに対して干渉が大きくなっているため必要となる電力量が上昇するからである。すなわち、チャネルの多重度が高いほど取得閾値PTHRと解放閾値PTHBを大きくする必要がある。
【0037】
そこで、1つのベースバンド信号処理部に設定可能な総チャネル数を30チャネルとすれば、図14に示すように接続チャネル数を5チャネル毎に区切り、べースバンド信号処理部単位の解放閾値、取得閾値の比率(電力返還比率、電力取得比率)を、チャネル多重度が高くなるほど大きくなるようにする。このようにすれば、CH1〜CH12の12チャネルが通信中の場合、電力返還比率、電力取得比率はそれぞれP#REL#11#15、P#ADD#11#15となり、解放閾値PTHB,取得閾値PTHR
THB= S × P#REL#11#15
THR= S × P#ADD#11#15
となる。
【0038】
(F)データ呼の音声呼への換算
データ呼と音声呼とでは伝送レートが異なるため、前記(E)においてチャネル多重度に応じて解放閾値PTHB,取得閾値PTHRを変更する場合、データ呼の1チャネルを音声呼のチャネル数に換算して処理する必要がある。そこで、Voice Activity(ボイスアクティビティ)VAとData Activity(データアクティビティ)DAをて定義する。ボイスアクティビティVAは、設定された物理帯域に対して平均的に音声呼が占有する帯域比率であり、データアクティビティDAは設定された物理帯域に対して平均的にデータ呼が占有する帯域比率である。ここで、VA = 0.45、DA = 1としたとき153.6 kbpsのデータ呼は9.6 kbpsの音声呼換算すると、
(153.6 × DA ) / ( 9.6 × VA ) ≒36 (チャネル/9.6kbps音声呼)
となる。よって、(E)における通信中チャネルの多重度計算において153.6 kbpsのデータ呼は36チャネルとして計算して電力解放比率、電力取得比率を求め、解放閾値、取得閾値を決定する。
以上実施例では、電力管理を無線基地局で行う場合について説明したが、基地局制御装置で同様の電力管理を行うように構成することも出来、又、無線基地局と基地局制御装置とが分担、協同して同様の電力管理を行うように構成することも出来る。
【0039】
・付記
(付記1) 移動通信システムの網側装置において、
割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、割り当てが不可能なときは送信電力の割り当てをしない電力割当制御部、送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、その差分電力を前記電力割当管理部に返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返すチャネル電力制御部、
を備えたことを特徴とする移動通信システムの網側装置。
【0040】
(付記2) 前記チャネル電力制御部は、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、その差分電力を前記電力割当管理部に要求することを特徴とする付記1記載の移動通信システムの網側装置。
(付記3) 通信チャネルの切断要求により、前記チャネル電力制御部は割り当てられている送信電力を電力割当制御部に返還する、
ことを特徴とする付記2記載の移動通信システムの網側装置。
【0041】
(付記4) 移動通信システムの網側装置において、
割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、割り当てが不可能なときは送信電力の割り当てをしない電力割当制御部、チャネル毎に設けられ、チャネル毎の送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力を要求するチャネル電力制御部、
各チャネル電力制御部より返還された電力を余剰電力として管理すると共に各チャネル電力制御部より要求された電力を余剰電力より割り当て、該余剰電力が開放閾値以上になった時、閾値上の余剰電力分を電力割当制御部に返還し、余剰電力が取得閾値以下になった時、閾値以下の不足分を電力割当制御部に要求する複数チャネル電力管理部、
を備えたことを特徴とする移動通信システムの網側装置。
【0042】
(付記5) 前記複数チャネル電力管理部は、各チャネルに割り当てた前記送信電力を管理し、通信チャネルの切断要求により、前記チャネル電力制御部は該通信チャネルに割り当てられている送信電力を電力割当制御部に返還する、
ことを特徴とする付記4記載の移動通信システムの網側装置。
(付記6) 前記複数チャネル電力管理部は、各チャネルに割り当てられている送信電力の総和に電力返還比率及び電力取得比率をそれぞれ乗算して前記開放閾値及び取得閾値を決定する、
ことを特徴とする付記4記載の移動通信システムの網側装置。
【0043】
(付記7) 前記電力割当制御部は、各通信チャネルに割り当てる送信電力を伝送速度に応じて決定する、
ことを特徴とする付記6記載の移動通信システムの網側装置。
(付記8) 前記電力割当制御部は、伝送速度可変の通信チャネルに割り当てる送信電力を、各伝送速度の発生確率を考慮して決定する、
ことを特徴とする付記6記載の移動通信システムの網側装置。
(付記9) 前記複数チャネル電力管理部は、通信中チャネルの多重度に基づいて前記電力返還比率及び電力取得比率を決定する、
ことを特徴とする付記6記載の移動通信システムの網側装置。
【0044】
(付記10) データ呼を音声呼に換算して通信中チャネルの多重度を求め、該多重度に基づいて前記電力返還比率及び電力取得比率を決定する、
ことを特徴とする付記9記載の移動通信システムの網側装置。
(付記11) 移動通信システムの網側装置における電力管理方法において、
割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、
送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、その差分電力を電力割当手段に返還し、以後、実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、
実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、その差分電力を前記電力割当手段に追加要求する、
ことを特徴とする電力管理方法。
【0045】
(付記12) 通信チャネルの切断要求により、該通信チャネルに割り当てられている送信電力を電力割当手段に返還する、
ことを特徴とする付記11記載の電力管理方法
【0046】
(付記13) 移動通信システムの網側装置における電力管理方法において、
割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、
チャネル毎に送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力を要求し、
各チャネルより返還された電力を余剰電力として管理すると共に各チャネルより追加要求された電力を余剰電力から割り当て、該余剰電力が開放閾値以上になった時、閾値以上の余剰電力分を電力割当手段に返還し、余剰電力が取得閾値以下になった時、閾値以下の不足分を電力割当手段に要求する、
ことを特徴とする電力管理方法。
【0047】
(付記14) 各チャネルの前記割り当て送信電力を管理し、通信チャネルの切断要求により、該通信チャネルに割り当てられている送信電力を電力割当手段に返還する、
ことを特徴とする付記13記載の電力管理方法。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、限られた無線基地局の電力を効率よく利用することができ、収容ユーザ数を増加することができる。
また、本発明によれば、各通信用チャネルで余剰となっている送信電力を電力割当制御部に返還するようにしたから、新規呼の通信チャネルに余剰電力を再割り当てして活用することができる。
又、本発明によれば、最大送信電力以上の電力をチャネルに割り当てることができるため、通信状態が悪くても通信品質を向上することができる。
また、本発明によれば、送信電力の上昇および降下が発生しやすい通信用チャネルに対して、送信電力の上下動を考慮した余剰電力の管理をすることができ、これにより適度な電力割り当てを実現することができる。
【0049】
また、本発明によれば、通信中チャネルの多重度により、通信用チャネルの相互干渉を考慮した余剰電力の管理をすることができ、これにより、適度な電力割り当てを実施することができる。
また、本発明によれば、音声呼、データ呼、および低速、高速を考慮した通信中チャネルの多重度を考慮することにより、通信用チャネルの相互干渉を考慮した余剰電力の管理をすることができ、これにより、適度な電力割り当てを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無線基地局装置を含む移動無線システム全体の構成図である。
【図2】送信パワー管理テーブルの説明図である。
【図3】電力管理部に設けられたテーブル説明図である。
【図4】チャネル接続時の送信電力割当処理フロー(局内制御装置、電力管理部)である。
【図5】チャネル接続時の送信電力割当処理フロー(チャネル単位べースバンド部)である。
【図6】チャネル電力説明図である。
【図7】チャネル単位べースバンド部における電力制御部の送信中電力制御処理のフローである。
【図8】最大送信電力の更新処理及び余剰電力返還説明図である。
【図9】べースバンド信号処理部の余剰電力返還・不足電力要求処理フローである。
【図10】余剰電力返還説明図である。
【図11】局内制御装置の余剰電力返還・不足電力要求時の処理フローである。
【図12】図12はチャネル切断時の処理フローである。
【図13】伝送速度、可変の通話チャネルの速度、最大送信電力、発生確率の対応説明図である。
【図14】チャネル多重度と電力返還比率、電力取得比率の対応説明図ある。
【図15】従来の無線基地局装置を含む移動無線システム全体の構成図である。
【図16】従来の電力割当説明図である。
【図17】ベースバンド信号処理部におけるチャネル単位の下り回線閉ループ送信電力制御の説明図である。
【符号の説明】
11 無線基地局装置(BTS: Base Station Transceiver Subsystem)
12 移動局(携帯電話端末)
13 基地局制御装置(BSC: Base Station Controller)
14 保守・操作制御部
15 公衆網等のネットワーク
24 ベースバンド部
24a〜24n べースバンド信号処理部
25 基地局内の制御装置(局内制御装置)
25a 送信パワー管理テーブル
26 伝送インターフェース部
31a〜31n チャネル単位べースバンド部
32 電力管理部
32a チャネル送信電力テーブル
32b 余剰電力管理テーブル
41 電力制御部

Claims (5)

  1. 移動通信システムの網側装置において、
    割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、割り当てが不可能なときは送信電力の割り当てをしない電力割当制御部、
    チャネル毎に設けられ、チャネル毎の送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力を要求するチャネル電力制御部、
    各チャネル電力制御部より返還された電力を余剰電力として管理すると共に各チャネル電力制御部より要求された電力を余剰電力より割り当て、該余剰電力が開放閾値以上になった時、閾値以上の余剰電力分を電力割当制御部に返還し、余剰電力が取得閾値以下になった時、閾値以下の不足分を電力割当制御部に要求する複数チャネル電力管理部、
    を備えたことを特徴とする移動通信システムの網側装置。
  2. 前記複数チャネル電力管理部は、各チャネルに割り当てた前記送信電力を管理し、通信チャネルの切断要求により、前記チャネル電力制御部は該通信チャネルに割り当てられている送信電力を電力割当制御部に返還する、
    ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システムの網側装置。
  3. 前記複数チャネル電力管理部は、各チャネルに割り当てられている送信電力の総和に電力返還比率及び電力取得比率をそれぞれ乗算して前記開放閾値及び取得閾値を決定する、ことを特徴とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システムの網側装置。
  4. 前記電力割当制御部は、各通信チャネルに割り当てる送信電力を伝送速度に応じて決定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の移動通信システムの網側装置。
  5. 移動通信システムの網側装置における電力管理方法において、
    割当可能な電力範囲内で設定要求された通信チャネルに所定の送信電力を割り当て、
    チャネル毎に送信電力制御を行い、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より小さくなった時、差分電力を返還し、以後、該実際の送信電力を割り当てられた送信電力とみなして同様の制御を繰り返し、実際の送信電力が前記割り当てられた送信電力より大きくなった時、差分電力を要求し、
    各チャネルより返還された電力を余剰電力として管理すると共に各チャネルより要求された電力を余剰電力から割り当て、該余剰電力が開放閾値以上になった時、閾値以上の余剰電力分を電力割当手段に返還し、余剰電力が取得閾値以下になった時、閾値以下の不足分を電力割当手段に要求する、
    ことを特徴とする電力管理方法。
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