JP4147321B2 - 固体高分子型燃料電池用電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池用電極に係り、特に、触媒層を有効に機能させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、平板状の電極構造体の両側にセパレータが積層されて構成されている。電極構造体は、一般に、正極(カソード)側の触媒層と負極(アノード)側の触媒層との間に高分子電解質膜が挟まれ、各触媒層の外側にガス拡散層がそれぞれ積層された積層体である。この触媒層は、▲1▼触媒ペーストを電解質膜に塗布した後、ホットプレスを行う方法や、▲2▼触媒ペーストをカーボンペーパーやFRPシートに塗布して電極シートを作成した後、ホットプレスを行い電解質膜と接合する方法等により形成される。なお、触媒ペーストは、白金等の触媒物質、カーボン粒子等の電子伝導性物質、およびイオン伝導性物質(高分子電解質)からなり、必要に応じてPTFE等の結合剤および撥水剤が添加される。
【0003】
このような燃料電池によると、負極の触媒層では、燃料ガス(水素)からプロトンと電子とを取り出す反応が、また、正極の触媒層では、プロトンと電子と酸化性ガス(空気)とが水になる反応が起こっており、これらの反応により燃料電池が発電する。
【0004】
したがって、燃料電池の発電効率を向上させるためには、燃料ガスおよび酸化性ガスを触媒層全体に均等に供給することが必要となる。そこで、ガス通路となる触媒層の細孔について、即ち触媒層中の最適な細孔構造について種々検討が行われている。
【0005】
特開平9−92293号公報では、直径0.04〜1.0μmの細孔(空孔)がガスチャンネルとして機能し、その比容積が0.04cm3/g以上であると、ガスの拡散性が良好であるとている。しかしながら、上記の空孔容積はイオン伝導性物質量またはホットプレス条件によって制御されており、空孔を増加させるためにはイオン伝導性物質を減少させなければならず(イオン伝導チャンネルの減少)、またはホットプレス条件の温度・圧力を下げねばならず、膜と電極との密着性が悪化するという問題がある。また、この方法では、空孔密度を0.1cm3/g以上にすることは困難である。
【0006】
また、特開平6−203840号公報では、触媒層の空孔率が65〜90容量%である電極が提案されている。しかしながら、この電極においても、空孔はホットプレス条件によって制御されている。
【0007】
さらに、上記触媒層の形成方法で作成した触媒層は、ホットプレスをする前にある程度の空孔は存在しているものの、ホットプレスの工程後では空孔が潰れて減少するため、ホットプレス工程前の空孔量より増加させることはできない。
【0008】
そこで、この問題を解決するために、特開平6−203852号公報、特開平6−236762号公報、特開平7−176310号公報、特開平8−180879号公報、特開平9−199138号公報、特開平10−3929号公報、特開平10−189005号公報、特開平10−189012号公報では、触媒ペーストに、亜鉛粉末、シリカゾル、炭酸水素アンモニウム、水溶性短繊維、ショウノウ、炭酸リチウム等の造孔剤を添加し、ホットプレス後に造孔剤を除去して空孔を増加させる方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、ホットプレス後に造孔剤を取り除く工程が必要であり、工程が煩雑となってしまう。
【0009】
また、特開平9−223503号公報では、触媒ペーストに高沸点の溶剤を添加し、焼成工程で蒸発させることにより空孔を増加させる方法が提案されている。しかしながら、この方法においても、焼成工程という付加工程が必要となり、工程の煩雑化の問題を有している。
【0010】
さらに、特開平11−329452号公報では、イオン伝導性物質を含むインキAと、ドデカン酸メチルエステル等のイオノマー溶解能を示さない溶媒を含むインキBとを混合してインキCを調製し、このインキCで触媒層を形成後、ドデカン酸メチルエステル等の有機溶剤を蒸発させることにより、空孔を増加させる方法が提案されている。しかしながら、この方法では、2種類のインキを用意しなければならず、また、有機溶剤を蒸発させる作業雰囲気を厳重に管理する必要がある等の問題がある。
【0011】
特開平10−223233号公報では、多孔質基体(拡散層)中の細孔を触媒ペーストが塞がないように、触媒ペーストに炭素繊維を添加することが提案されている。しかしながら、この電極はカーボンペーパー内部の表面層に触媒層を形成する構成であるため、カーボンペーパーを含まない触媒層を有する本発明の形態とは異なるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
固体高分子型燃料電池にあっては、上記のように、触媒層の体積当たりの発電効率を高めるために様々な試みがなされているが、満足の得られる発電効率を発揮するものは未だに製造されていないのが実情である。よって、本発明は、煩雑な工程を付加することなく、発電効率の高い空孔構造を有する触媒層を形成できる固体高分子型燃料電池用電極を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体高分子型燃料電池用電極は、触媒物質、イオン伝導性物質、電子伝導性物質および造孔剤からなる触媒層を有し、前記触媒層中には前記造孔剤の作用による空孔が形成された固体高分子型燃料電池用電極において、前記空孔の直径は1000nm以下であり、前記触媒層中の直径60〜1000nmの空孔容積が、0.17〜0.22cm3/gであり、前記造孔剤は、直径が0.4μm以下の微細な炭素ウィスカーであることを特徴としている。
【0014】
本発明の固体高分子型燃料電池用電極は、例えば電子伝導物質とイオン伝導物質とにより多数の空孔を有する多孔質体の触媒層において、触媒物質が電子伝導物質の表面に担持され、またはイオン伝導物質に分散され、あるいは、この両方の形態として含有された構成である。
【0015】
本発明によれば、上記の構成を形成する際に特定の造孔剤を用いることにより、触媒層中の直径60〜1000nmの空孔容積を0.15〜0.25cm3/gの範囲内にすることができ、良好なガスチャンネルとして機能する空孔構造を有した触媒層が形成され、高い発電効率を実現することができる。さらに、本発明においては、上記の空孔容積が0.17〜0.22cm3/gであることがより好ましい形態である。
【0016】
本発明における造孔剤は、直径が0.4μm以下の微細な繊維状物質であることが望ましい。このような微細な繊維状物質を造孔剤として触媒ペーストに添加することにより、繊維がピラーとなってプレス時の荷重を受け持ち、カーボンや固体高分子電解質に必要以上の圧縮加重が作用することなく、ガスチャンネルが潰されずに保持されるため、発電効率が向上される。さらに、このような繊維状物質を用いる利点としては、プレス工程後の触媒層の空孔率を繊維状物質の添加量により自在に制御することが可能となる。
【0017】
また、本発明によれば、形成した触媒層中に繊維状物質を残した状態で触媒層が構成されるため、造孔剤の除去工程を必要とせず、簡素化された工程により高い発電効率を発揮する固体高分子型燃料電池用電極を製造することができる。
【0018】
上記の繊維状物質は、炭素ウィスカーであり、この炭素ウィスカーは、触媒層を構成する触媒物質や、触媒物質を担持した電子伝導物質に絡みつくことにより、この電子伝導物質の点接触による導電パスに加えて新たな導電パスが発現し、このため、触媒層の電子伝導性が向上する。また、炭素ウィスカーは、電子伝導性を有するので、触媒物質の電極内での面積密度の向上を目的として、触媒物質を炭素ウィスカーの表面にも担持させて用いることもできる。
【0019】
また、本発明に係る繊維状物質は、自身が撥水性を有するもの、または表面が撥水化処理されているものであることを好ましい形態としている。前述の如く、繊維状物質は絡み合って触媒層中に存在することにより空孔が生じやすく、この空孔がガスチャンネルとして機能する。燃料電池にあっては、発電に伴い正極(カソード)側の触媒層内では水蒸気が生成し、その水蒸気は触媒層の表面側に形成される拡散層を通って系外に排出される。ここで、その水蒸気が結露すると水がガスチャンネルを閉塞し、ガスの流動性を著しく低下させる。そこで、繊維状物質が撥水性を有していたり表面が撥水化処理されていたりすれば、結露が防止されて空孔すなわちガスチャンネルの閉塞が防止され、ガスの透過性が確保される。
【0020】
さらに、本発明に係る繊維状物質は、上記のように結露によるガスチャンネルの閉塞を防ぐ観点から、自身が親水性を有するもの、または表面が親水化処理されているものであってもよい。この形態によれば、発電によって生成した水蒸気が結露する状況になった場合、水が毛細管現象によって繊維状物質に広がり液滴が生じない。このため、水の投影面積が小さくなると同時に、水は乾いた部分に移動し、ガスチャンネルの閉塞が防止される。例えば、ガスチャンネルの下流側は湿度が高くなって結露が起こりやすいが、このような場所でも結露が防止され、発電性能は低下しにくい。また、毛細管現象によって、水が過剰な場所から水の不足している場所への水の速やかな移動が起こり、これによって電極内部では自発的な水不足の解消がなされる。その結果、加湿量に応じた電圧変動の発生が抑制されるといった効果が奏される。
【0021】
本発明に係る繊維状物質の触媒層への含有量は、触媒層の総量に対して5〜25重量%含有されていることが好ましい。その理由としては、含有量が5重量%未満では上記の各効果が発揮されにくくなり、一方、25重量%を超えると、体積当たりの触媒反応点の絶対量が少なくなって発電効率の低下を招くからである。
【0022】
本発明においては、電子伝導物質として、例えばカーボンブラック粒子を用いることができ、触媒物質としては、白金、パラジウム等の白金族金属を用いることができる。また、イオン伝導物質としては、フッ素樹脂系イオン交換樹脂を用いることができる。
【0023】
イオン伝導物質に分散された触媒物質は、電子伝導物質に担持された触媒物質よりも小さいことが望ましい。すなわち、より微細な触媒物質がイオン伝導物質に分散することにより、燃料ガスが活性化される点が増加して触媒物質の利用率が向上するからである。イオン伝導物質に分散された触媒物質の平均粒径は、0.5〜5nmが望ましく、1〜3nmであればさらに好適である。また、電子伝導物質に担持された触媒物質の平均粒径は、1〜8nmが望ましく、3〜5nmであればさらに好適である。
【0024】
イオン伝導物質に分散された触媒物質の量は、触媒物質の総量の1〜80重量%とすることが望ましい。この触媒物質の量が1%未満では、活性化過電圧が高くなって利用に供し得る電圧が低下し、触媒担持粒子のみによって触媒物質を賄う場合に対する利点が得難くなる。また、イオン伝導物質に分散される触媒物質の量が80重量%を超えると、ほとんどの触媒物質をイオン伝導物質中に分散させることとなり、耐久性を考慮すると発電に必要な触媒物質量の担持が困難となる。例えば、触媒イオンの置換・還元のみで触媒物質を導入する場合は、イオン伝導物質のイオン交換容量で触媒物質量が決定するが、触媒物質を増加させるには置換・還元を繰り返し行うかイオン伝導物質量を多くすることが挙げられる。しかしながら、前者では触媒物質の粒径の成長が起こり、後者では電極中のガス拡散性が低下するという問題がある。そのため、イオン伝導物質に分散される触媒物質の量は、全体の触媒物質の量の3〜50重量%であるとより望ましく、3〜20重量%であればさらに好適である。また、電子伝導物質に担持させた触媒物質を増加させることにより、イオン伝導物質と電子伝導物質との接触面およびその近傍に前記触媒物質を偏在させることができ、触媒の利用率を大きくすることができる。さらに、イオン伝導物質中に触媒物質を均一に分散させることにより、有効な電子伝導ネットワークを構築することができる。
【0025】
電子伝導物質に対するイオン伝導物質の重量比は、1.2以下にすることが望ましい。イオン伝導物質の量が少ないと空孔率が増加してガス拡散性が向上するが、その一方で白金担持電子伝導物質が充分に被覆されなくなり、燃料ガスが活性化される点が減少して触媒物質の利用率が低下してしまう。
【0026】
本発明の燃料電池用電極は、次のようにして製造することができる。先ず、表面に触媒物質を担持させた電子伝導物質または触媒物質を有さない電子伝導物質と、イオン伝導物質と、造孔剤を混合し、この混合物を触媒物質を含む溶液で処理してイオン置換する。例えば、イオン伝導物質がスルホン基を有する場合には、スルホン基のプロトンが触媒物質を含む陽イオンによって置換される。次いで、イオン置換後の混合物を還元雰囲気にさらすことにより、微細な触媒物質をイオン導電物質中に分散された触媒ペーストとする。
【0027】
還元方法は、水素や一酸化炭素などの還元性ガスを用いる気相法(乾式)と、NaBH4、ホルムアルデヒド、ブドウ糖、ヒドラジン等を用いる液相法(湿式)に大きく分けることができる。本発明ではいずれの還元方法も採用することができるが、液相法の方が好ましい。その理由は、液相法による還元では、イオン伝導物質中の触媒金属イオンが全て還元され、イオン伝導物質中に触媒物質が均一に分散されるからである。
【0028】
また、この触媒ペーストは、シート状に形成してから上記のイオン置換を行うこともできる。あるいは、触媒ペースト作製後、これを乾燥固化して粉砕し、粉末化した状態でイオン置換・還元を行った後に、ペースト状にしてシート状に成形することもできる。また、ペースト作製後にイオン置換・還元を行うこともできる。シート状に成形するには、触媒ペーストを膜電極複合体作製後に剥がすことになるフィルムに塗布する方法、または触媒ペーストをカーボンペーパーや電解膜に塗布する方法等、公知の製造方法で作製することができる。
【0029】
イオン置換には、触媒金属が白金の場合には、Pt(NH3)4(OH)2、Pt(NH3)4Cl2、PtCl4等の溶液を用いることができる。また、イオン置換される触媒金属イオンは、Pt+等の金属イオンそのものの他、Pt(NH3)4 2+のような錯体イオンであってもよい。なお、イオン置換を用いないでも触媒物質をイオン伝導物質に分散させることができる。例えば、Pt(NH3)2(NO2)2、H2PtCl6、H2Pt(OH)6等をイオン伝導物質と良く混合し、その後に触媒金属イオンを還元することで触媒含有高分子電解質とすることもできる。なお、触媒金属イオンとは、触媒金属イオンのみならず、錯体イオン等触媒物質を含むイオン等まで含まれる。
【0030】
【実施例】
次に、具体的な実施例により本発明を詳細に説明する。
<試料1〜6>
イオン伝導性ポリマー溶液(Nafion SE5112、Dupont社製)100gと、触媒前駆体物質である10%[Pt(NO2)2(NH3)2]硝酸水溶液27.4gと、炭素粒子(ケッチェンブラックEC)5.0gと、造孔剤としての炭素ウィスカー(VGCF(昭和電工社の登録商標)、昭和電工社製)0〜4.4g(固形分比で0〜25重量%)とを混合した後、この混合物にエタノール溶液を還元剤として添加し、Ptを析出させて、炭素ウィスカーの添加量を種々変化させた触媒ペーストを調製した。
【0031】
次いで、上記の触媒ペーストをテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)製のシート上に塗布乾燥させ、触媒層厚20μmの電極シートとした。この電極シートの白金塗布量は0.30mg/cm2であった。次に、電極シートをデカール法にて高分子電解膜(Nafion 112、Dupont社製)の両面に転写し、膜厚50μmの試料1〜6の膜電極複合体(MEA)を得た。なお、デカール法による転写とは、電極シートを高分子電解膜に熱圧着した後にFEPシートを剥離することを言う。
【0032】
・炭素ウィスカーの添加量と空孔率
上記の試料1〜6の電極シートの触媒層について、水銀圧入法により触媒層の空孔率を調べた。また、これらの電極シートに対してプレス工程を行った後についても、同様の方法により触媒層の空孔率を調べた。これらの結果は図1に示した。
【0033】
図1から明らかなように、触媒層の空孔率は、プレス工程の前後ともに、触媒層への炭素ウィスカーの添加量が増えるにしたがって上昇することが判る。空孔は、添加された炭素ウィスカーが絡み合うことにより形成されるため、炭素ウィスカーが多いほど空孔率が上昇したと推察される。また、この炭素ウィスカーの繊維がピラーとなってプレス時の荷重を受け止めるため、炭素ウィスカーの添加量によりプレス工程後の触媒層の空孔率を60〜70%の範囲で自在に制御することができることが分かった。
【0034】
・炭素ウィスカーの添加量と微分細孔容積との関係
上記の試料1〜6の電極シートの触媒層のうち、炭素ウィスカーの添加量が固形分比で0重量%、15重量%、20重量%のものについて、水銀圧入法により、微分細孔容積の変化を測定した。この結果は図2に示した。
【0035】
図2から明らかなように、炭素ウィスカーを添加することにより、直径60nm以上の細孔容積が大幅に増加し、特に、15重量%のもので直径90nm付近に、また、20重量%のもので直径200nm付近に大幅な増加のピークが見られた。このように造孔剤である炭素ウィスカーの添加量の変化により、所望の直径の細孔を増減させることができることが分かった。
【0036】
・炭素ウィスカーの添加量と空孔容積の関係
上記の試料1〜6の電極シートの触媒層について、水銀圧入法により、触媒層における直径10〜60nmの空孔および60〜1000nmの空孔の比容積を調べた。この結果は図3に示した。
【0037】
図3から明らかなように、直径10〜60nmの空孔容積は、炭素ウィスカー添加量の増加にかかわらずほぼ横ばいなのに対し、60〜1000nmの空孔容積は顕著に増加している。この直径60〜1000nmの空孔はガスチャンネルとして有効なものであり、造孔剤である炭素ウィスカーの添加量の増減によりこの有効なガスチャンネル量を制御できることが分かった。
【0038】
・直径60〜1000nmの空孔容積と端子電圧
上記の試料1〜6の膜電極複合体について、負極側とした一方の触媒層に水素ガスを供給し、正極側とした他方の触媒層に空気を供給して発電を行い、電流密度が1A/cm2時の細孔比容積に対する端子電圧を測定した。水素ガスは、温度80℃、湿度25%RH、利用率50%で供給した。また、空気は、温度80℃、湿度45%RH、利用率50%で供給した。その結果は図4に示した。
【0039】
図4から明らかなように、電流密度1A/cm2時の端子電圧は、直径60〜1000nmの空孔の細孔比容積が0.15〜0.25cm3/gである場合に高い値を示すことが分かった。したがって、本発明の固体高分子型燃料電池用電極においては、触媒層中の直径60〜1000nmの空孔容積が、0.15〜0.25cm3/gであることが好適であることが分かった。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の固体高分子型燃料電池によれば、触媒物質、イオン伝導性物質、電子伝導性物質および造孔剤からなる触媒層において、造孔剤として繊維状物質、例えば炭素ウィスカーを用いることにより、煩雑な工程を付加することなく、直径60〜1000nmの空孔容積を、0.15〜0.25cm3/gとし、その結果、高効率の発電を実現するといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体高分子型燃料電池用電極における、炭素ウィスカーの添加量と触媒層の空孔率との関係を示す線図である。
【図2】 本発明の固体高分子型燃料電池用電極における、炭素ウィスカーの添加量と微分細孔容積との関係を示す線図である。
【図3】 本発明の固体高分子型燃料電池用電極における、炭素ウィスカーの添加量と、直径10〜60nmの空孔および60〜1000nmの空孔細孔比容積との関係を示す線図である。
【図4】 本発明の固体高分子型燃料電池用電極における、直径60〜1000nmの空孔細孔比容積と、電流密度1A/cm2時の端子電圧との関係を示す線図である。
Claims (1)
- 触媒物質、イオン伝導性物質、電子伝導性物質および造孔剤からなる触媒層を有し、前記触媒層中には前記造孔剤の作用による空孔が形成された固体高分子型燃料電池用電極において、前記空孔の直径は1000nm以下であり、前記触媒層中の直径60〜1000nmの空孔容積が、0.17〜0.22cm3/gであり、前記造孔剤は、直径が0.4μm以下の微細な炭素ウィスカーであることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極。
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