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JP4039871B2 - 圧電磁器 - Google Patents

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JP4039871B2
JP4039871B2 JP2002078577A JP2002078577A JP4039871B2 JP 4039871 B2 JP4039871 B2 JP 4039871B2 JP 2002078577 A JP2002078577 A JP 2002078577A JP 2002078577 A JP2002078577 A JP 2002078577A JP 4039871 B2 JP4039871 B2 JP 4039871B2
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piezoelectric
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oxide
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尚吾 室澤
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペロブスカイト型酸化物を含む圧電磁器に係り、特に、アクチュエータなどの振動素子,発音体またはセンサーなどに適した圧電磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電磁器を用いたアクチュエータは、電界を加えると機械的な歪みおよび応力を発生するという圧電現象を利用したものである。このアクチュエータは、微量な変位を高精度に得ることができると共に、発生応力が大きい等の特徴を有し、例えば、精密工作機械や光学装置の位置決めに用いられている。アクチュエータに用いる圧電磁器としては、従来より、優れた圧電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が最も多く利用されている。しかし、チタン酸ジルコン酸鉛は鉛を多く含んでいるので、最近では、酸性雨による鉛の溶出など地球環境におよぼす悪影響が問題となっている。そこで、チタン酸ジルコン酸鉛に代替する、鉛を含有しない圧電磁器の開発が望まれている。
【0003】
鉛を含有しない圧電磁器としては、例えば、ニオブ酸ナトリウム銀を主成分として含むもの(特公昭55−18058号公報参照)、または、ニオブ酸ナトリウムカリウムリチウムを主成分として含むものが知られている(特開昭49−125900号公報または特公昭57−6713号公報参照)。この圧電磁器は、キュリー温度が350℃以上と高く、電気機械結合係数krも優れていることから、圧電材料として期待されている。更に、最近では、ニオブ酸ナトリウムカリウムとタングステンブロンズ型酸化物とを複合化したものも報告されている(特開平9−165262号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの鉛を含まない圧電磁器は、鉛系の圧電磁器に比べて圧電特性が低く、十分に大きな発生変位量を得ることができないという問題があった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、大きな発生変位量を得ることができ、低公害化、対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧電磁器は、ナトリウム,カリウム,リチウムおよび銀と、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともニオブと、酸素とからなる化1に示した化合物を含むものである。
【0007】
本発明による圧電磁器では、化1に示した化合物を含んでいるので、大きな発生変位量が得られる。
【0008】
なお、この化1に示した化合物を主成分とし、更に、副成分として、マンガン(Mn)を含む酸化物を含有することが好ましい。中でも、マンガンを含む酸化物の含有量は、MnOに換算して、主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内であることが好ましい。
【0009】
また、化1に示した化合物に加えて、化2に示した化合物を含む組成物を含有することが好ましい。
【0010】
この場合も、この組成物を主成分とし、更に、副成分として、マンガンを含む酸化物を含有することが好ましい。中でも、マンガンを含む酸化物の含有量は、MnOに換算して、主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る圧電磁器は、主成分として、第1の元素と第2の元素と酸素とからなるペロブスカイト型酸化物を含有している。第1の元素はナトリウム,カリウムおよびリチウムに加えて、銀を含んでいる。第2の元素はニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含み、更にタンタルも含むことが好ましい。このような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性を得ることができるからである。このペロブスカイト型酸化物の化学式は、例えば化で表される。
【0014】
【化3】
式中、xは0<x<1、yは0<y<1、zは0<z<1、wは0≦w<1の範囲内の値である。mは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組成は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0015】
なお、第1の元素におけるカリウムの含有量は、10mol%以上90mol%以下の範囲内であることが好ましい。すなわち、例えば化におけるxは、モル比で、0.1≦x≦0.9の範囲内であることが好ましい。カリウムの含有量が少なすぎると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることができず、カリウムの含有量が多すぎると、焼成時におけるカリウムの揮発が激しく、焼成が難しいからである。
【0016】
第1の元素におけるリチウムの含有量は20mol%以下であることが好ましい。すなわち、例えば化におけるyは、モル比で、0<y≦0.2の範囲内であることが好ましい。リチウムの含有量が多すぎると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることができないからである。
【0017】
第1の元素における銀の含有量は5mol%以下であることが好ましい。すなわち、例えば化におけるzは、モル比で、0<z≦0.05の範囲内であることが好ましい。銀の含有量が多すぎると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることができないからである。
【0018】
第2の元素におけるタンタルの含有量は、50mol%以下であることが好ましい。すなわち、例えば化におけるwは、モル比で、0≦w≦0.50であることが好ましい。タンタルの含有量が多くなり過ぎると、キュリー温度が低くなると共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量も小さくなってしまうからである。
【0019】
第2の元素に対する第1の元素の組成比(第1の元素/第2の元素)、例えば化におけるmは、モル比で0.95以上1.05以下の範囲内であることが好ましい。0.95未満であると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくなり、1.05を超えると、焼結密度が低下することにより分極が難しくなってしまうからである。
【0020】
この圧電磁器は、また、主成分であるペロブスカイト型酸化物に加え、副成分として、長周期型周期表における3〜12族元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を含有することが好ましい。焼結性を向上させることにより圧電特性をより向上させることができるからである。中でも、副成分として、マンガンを含む酸化物を含有するようにすれば高い効果を得ることができるので好ましい。酸化マンガンの含有量は、MnOに換算して、主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内であることが好ましい。副成分の含有量が多くなりすぎると、主成分の本来の特性が得られず、発生変位量が小さくなってしまうからである。この副成分の酸化物は、主成分の粒界に存在していることもあるが、主成分の一部に拡散して存在していることもある。
【0021】
なお、この圧電磁器は鉛(Pb)を含んでいてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態学的見地から好ましいからである。
【0022】
この圧電磁器は、例えば、圧電素子であるアクチュエータなどの振動素子,発音体あるいはセンサーなどの材料として好ましく用いられる。
【0023】
図1は本実施の形態に係る圧電磁器を用いた圧電素子の一構成例を表すものである。この圧電素子は、本実施の形態の圧電磁器よりなる圧電基板1と、この圧電基板1の一対の対向面1a,1bにそれぞれ設けられた一対の電極2,3とを備えている。圧電基板1は、例えば、厚さ方向、すなわち電極2,3の対向方向に分極されており、電極2,3を介して電圧が印加されることにより、厚み方向に縦振動および径方向に広がり振動するようになっている。
【0024】
電極2,3は、例えば、金(Au)などの金属によりそれぞれ構成されており、圧電基板1の対向面1a,1bの全面にぞれぞれ設けられている。これら電極2,3には、例えば、図示しないワイヤなどを介して図示しない外部電源が電気的に接続される。
【0025】
このような構成を有する圧電磁器および圧電素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0026】
まず、主成分の原料として、例えば、ナトリウム,カリウム,リチウム,銀,ニオブおよびタンタルを含む酸化物粉末を必要に応じてそれぞれ用意する。また、副成分の原料として、必要に応じて、長周期型周期表における3〜12族元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物粉末を用意する。なお、これら主成分および副成分の原料には、酸化物でなく、炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよい。次いで、これら原料を十分に乾燥させたのち、最終組成が上述した範囲となるように秤量する。
【0027】
続いて、例えば、秤量した原料をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で十分に混合したのち、乾燥し、プレス成形して、750℃〜1100℃で1時間〜4時間仮焼する。仮焼したのち、例えば、この仮焼物をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で十分に粉砕し、再び乾燥して、バインダを加えて造粒する。造粒したのち、この造粒粉を一軸プレス成形機あるいは静水圧成形機(CIP)などを用いプレス成形する。
【0028】
成形したのち、例えば、この成形体を加熱して脱バインダを行い、更に950℃〜1350℃で2時間〜4時間焼成する。焼成ののち、得られた焼結体を必要に応じて加工して圧電基板1を形成し、電極2,3を設け、加熱したシリコーンオイル中で電界を印加して分極処理を行う。これにより、上述した圧電磁器および図1に示した圧電素子が得られる。
【0029】
このように本実施の形態によれば、ナトリウム,カリウムおよびリチウムに加えて銀を含むペロブスカイト型酸化物を含有するようにしたので、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくすることができる。よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器および圧電素子の活用を図ることができる。
【0030】
特に、第1の元素における銀の含有量が5mol%以下となるようにすれば、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくすることができる。
【0031】
また、副成分として長周期型周期表における3〜12族元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を含有するようにすれば、焼結性を向上させることができ、圧電特性をより向上させることができる。中でも、マンガンを含む酸化物を、酸化マンガンの含有量がMnOに換算して主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有するようにすればより高い効果を得ることができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る圧電磁器は、第1の実施の形態で説明したペロブスカイト型酸化物に加えて、タングステンブロンズ型酸化物を含む組成物を、主成分として含有することを除き、第1の実施の形態と同様の構成を有している。また、第1の実施の形態と同様にして用いられ、同様にして製造することができる。よって、ここでは、第1の実施の形態と同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0033】
この圧電磁器は、タングステンブロンズ型酸化物を含むことにより、焼成を容易とすると共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくするものである。主成分の組成物において、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とは、固溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。
【0034】
タングステンブロンズ型酸化物は、第3の元素と第4の元素と酸素とからなる。第3の元素は、例えば、長周期型周期表2族元素のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、中でも、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウムおよびバリウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。第4の元素は、例えば、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含むことが好ましく、更にタンタルも含んでいればより好ましい。このような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性を得ることができるからである。このタングステンブロンズ型酸化物の化学式は、例えば化で表される。
【0035】
【化
M(Nb1-v Tav 2 6
式中、Mは第3の元素を表し、vは0≦v<1の範囲内の値である。なお、第3の元素と第4の元素と酸素との組成比は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0036】
なお、ペロブスカイト型酸化物の第2の元素と、タングステンブロンズ型酸化物の第4の元素とは、同一でもよく、異なっていてもよい。第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量は、50mol%以下であることが好ましい。第1の実施の形態で説明したように、タンタルの含有量が多くなり過ぎると、キュリー温度が低くなると共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量も小さくなってしまうからである。
【0037】
ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物との組成比は、モル比で、化に示した範囲内であることが好ましい。すなわち、組成物におけるタングステンブロンズ型酸化物の含有量は、0mol%よりも大きく5.3mol%以下であることが好ましい。タングステンブロンズ型酸化物の含有量が多すぎると、電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくなってしまうからである。
【0038】
【化
(1−n)A+nB
式中、Aはペロブスカイト型酸化物、Bはタングステンブロンズ型酸化物をそれぞれ表し、nは0<n≦0.053の範囲内の値である。
【0039】
なお、副成分および鉛の含有量については第1の実施の形態と同一である。
【0040】
このように本実施の形態によれば、ナトリウム,カリウム,リチウムおよび銀を含むペロブスカイト型酸化物と、タングステンブロンズ型酸化物とを含むようにしたので、焼成を容易とすることができると共に、発生変位量をより大きくすることができる。よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子について、利用の可能性をより高めることができる。
【0041】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0042】
(実施例1−1〜1−3)
に示したペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する圧電磁器を用い、図1に示したような圧電素子を作製した。本実施例では図1を参照し、図1に示した符号を用いて説明する。
【0043】
【化
(Na0.95-x-zx Li0.05Agz )NbO3
【0044】
まず、主成分の原料として、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )粉末、炭酸カリウム(K2 CO3 )粉末、炭酸リチウム(Li2 CO3 )粉末、酸化銀(Ag2 O)粉末、および酸化ニオブ(Nb2 5 )粉末をそれぞれ用意した。また、副成分の原料として、炭酸マンガン(MnCO3 )粉末を用意した。次いで、これら主成分および副成分の原料を十分に乾燥させ秤量したのち、ボールミルにより水中で5時間混合し、乾燥して原料混合粉末を得た。
【0045】
その際、実施例1−1〜1−3の原料混合粉末の配合比を調整し、ペロブスカイト型酸化物の組成、すなわち化におけるxおよびzの値を表1に示したように変化させた。また、副成分である酸化マンガンの含有量はMnOを基準とし主成分に対して0.31質量%となるようにした。なお、副成分の含有量は、主成分の原料のうち炭酸塩をCO2 が解離した酸化物に換算し、その換算した主成分の原料の合計質量に対して副成分の原料である炭酸マンガン粉末の混合量が0.5質量%となるようにしたものである。
【0046】
【表1】
【0047】
続いて、この原料混合粉末をプレス成形して、850℃〜1000℃で2時間仮焼した。仮焼したのち、ボールミルを用いて水中で粉砕し、再び乾燥して、ポリビニルアルコールを加えて造粒した。造粒したのち、この造粒粉を一軸プレス成形機により約40MPaの圧力で直径17mmの円柱状に成形し、更に約400MPaの圧力で静水圧成形した。
【0048】
成形したのち、この成形体を650℃で4時間加熱して脱バインダを行い、更に950℃〜1350℃で4時間焼成した。そののち、この焼成体をスライス加工およびラップ加工により厚さ0.6mmの円板状として圧電基板1を作製し、両面に銀ペーストを印刷して650℃で焼き付け、電極2,3を形成した。電極2,3を形成したのち、30℃〜250℃のシリコーンオイル中で3kV/mm〜10kV/mmの電界を1分〜30分間印加して分極処理を行った。これにより、実施例1−1〜1−3の圧電磁器を用いた圧電素子を得た。
【0049】
得られた実施例1−1〜1−3の圧電素子について、24時間放置したのち、圧電特性として、比誘電率εr、電気機械結合係数kr、および3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。比誘電率εrおよび電気機械結合係数krの測定にはインピーダンスアナライザー(ヒューレット・パッカード社製HP4194A)を用い、比誘電率εrを測定する際の周波数は1kHzとした。発生変位量の測定には、図2に示したような渦電流による変位測定装置を用いた。この変位測定装置は、一対の電極11,12の間に試料13を挟み、直流電流を印加した場合の試料13の変位を変位センサ14により検出し、変位検出器15によりその発生変位量を求めるものである。それらの結果を表1に示す。なお、表1に示した発生変位量は、測定値を試料の厚さで割り100を掛けた値(測定値/試料の厚さ×100)である。
【0050】
また、本実施例に対する比較例1−1として、銀を含まないようにしたことを除き、すなわち化におけるzの値を零にしたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして圧電素子を作製した。比較例1−1についても、本実施例と同様にして、比誘電率εr、電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果についても表1に合わせて示す。
【0051】
表1に示したように、銀を含む実施例1−1〜1−3によれば、銀を含まない比較例1−1よりも、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。また、第1の元素における銀の含有量が0.5mol%の場合に発生変位量が最も大きくなり、銀の含有量が多くなると、それよりは小さくなる傾向が見られた。
【0052】
すなわち、ナトリウム,カリウム,リチウムおよび銀を含むペロブスカイト酸化物を含有するようにすれば、発生変位量を大きくできることが分かった。また、第1の元素における銀の含有量を5mol%以下とすれば、より好ましいことも分かった。
【0053】
(実施例2−1〜2−3)
に示した組成物を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例2−1〜2−3で、ペロブスカイト型酸化物の組成、すなわち化におけるxおよびzの値を表2に示したように変化させた。タングステンブロンズ型酸化物の含有量、すなわち化におけるnの値は0.005とし、副成分の含有量は実施例1−1〜1−3と同様に主成分に対して0.31質量%とした。なお、主成分のうちペロブスカイト型酸化物の組成は、実施例2−1は実施例1−2と同一であり、実施例2−2は実施例1−3と同一である。
【0054】
【化7】
【0055】
【表2】
【0056】
実施例2−1〜2−3についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0057】
表2と表1とを比較すれば明らかなように、ペロブスカイト型酸化物が銀を含み、かつ、タングステンブロンズ型酸化物を含有するようにした実施例2−1〜2−3によれば、比較例1−1よりも、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。また、実施例2−2,2−3の方が、タングステンブロンズ型酸化物を含有しない実施例1−2,1−3よりも大きな発生変位量が得られた。すなわち、ペロブスカイト型酸化物に加えて、タングステンブロンズ型酸化物を含むようにすれば、発生変位量をより大きくできることが分かった。
【0058】
更に、化におけるzの値が大きくなるに従い、つまり銀の含有量が多くなるに従い、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量は極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。すなわち、第1の元素における銀の含有量を5mol%以下とすれば、より好ましいことも分かった。
【0059】
なお、上記実施例では、主成分および副成分の組成について例を挙げて具体的に説明したが、上記実施の形態において説明した組成の範囲内であれば、他の組成であっても同様の結果を得ることができる。
【0060】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、上記実施の形態および実施例では、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物との組成物を含有する場合について説明したが、この組成物にペロブスカイト型酸化物およびタングステンブロンズ型酸化物以外の他の成分を更に含んでいてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態および実施例では、主成分の組成物が第1の元素としてナトリウム,カリウム,リチウムおよび銀を含み、第2の元素としてニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含み、第3の元素として長周期型周期表2族元素のうちの少なくとも1種を含み、第4の元素としてニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む場合について説明したが、これら第1の元素,第2の元素,第3の元素および第4の元素は、これら以外の他の元素を更に含んでいてもよい。
【0062】
更に、上記実施の形態および実施例では、主成分の組成物に加えて副成分を含む場合について説明したが、本発明は、主成分の組成物を含んでいれば副成分を含まない場合についても広く適用することができる。また、他の副成分を含む場合についても同様に適用することができる。
【0063】
加えて、上記実施の形態では、単層構造の圧電素子を例に挙げて説明したが、積層構造など他の構造を有する圧電素子についても、本発明を同様に適用することができる。また、圧電素子としてアクチュエータなどの振動素子,発音体およびセンサを例に挙げたが、他の圧電素子についても本発明を適用することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の圧電磁器によれば、ナトリウム,カリウム,リチウムおよび銀と、ニオブおよびタンタルのうちの少なくともニオブと、酸素とからなる化1に示した化合物を含有するようにしたので、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくすることができる。よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器および圧電素子の活用を図ることができる。
【0065】
特に、請求項2または請求項3または請求項5または請求項6記載の圧電磁器によれば、副成分としてマンガンを含む酸化物を含有するようにしたので、焼結性を向上させることができ、圧電特性をより向上させることができる。
【0066】
また、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の圧電磁器によれば、 1 に示した化合物に加えて、化2に示した化合物を含有するようにしたので、焼成を容易とすることができると共に、発生変位量をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器を用いた圧電素子を表す構成図である。
【図2】本発明の実施例において発生変位量の測定に用いた変位測定装置を表す構成図である。
【符号の説明】
1…圧電基板、1a,1b…対向面、2,3…電極、11,12…電極、13…試料、14…変位センサ、15…変位検出器。

Claims (7)

  1. ナトリウム(Na),カリウム(K),リチウム(Li)および銀(Ag)と、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)のうちの少なくともニオブと、酸素(O)とからなる化1に示した化合物を含む
    ことを特徴とする圧電磁器。
    (式中、xは0.1≦x≦0.9、yは0<y≦0.2、zは0<z≦0.05、wは0≦w≦0.5を表す。mは0.95≦m≦1.05を表す。)
  2. 前記化1に示した化合物を主成分とし、更に、副成分としてマンガン(Mn)を含む酸化物を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。
  3. 記マンガンを含む酸化物の含有量は、MnOに換算して、前記主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧電磁器。
  4. 前記化1に示した化合物に加えて、化2に示した化合物を含む組成物を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。
    (式中、Mはマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。vは0≦v≦0.5を表す。)
  5. 前記組成物を主成分とし、更に、副成分としてマンガン(Mn)を含む酸化物を含有する
    ことを特徴とする請求項4記載の圧電磁器。
  6. 記マンガンを含む酸化物の含有量は、MnOに換算して、前記主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項5に記載の圧電磁器。
  7. 前記化1に示したxは0.36以上0.38以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の圧電磁器。
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