JP4038361B2 - 非調質高強度・高靭性鍛造品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は鍛造品及び鍛造方法に関し、さらに詳しくは、自動車、建設機械および各種産業機械等の部品として使用される材料として、熱間鍛造後に調質処理を行わずに優れた強度と靭性を有する鍛造品及び鍛造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械構造用熱間鍛造品は、一般に、中炭素鋼または低合金鋼素材を熱間鍛造した後、再加熱し、焼入れ・焼戻し、すなわち調質処理を施し、目的、用途に応じた強度および靭性を付与して、使用に供されていた。しかし、上記調質処理には多大の熱エネルギー費用を要すると共に、処理工程の増加、仕掛品の増大等のために製造費用が高くならざるを得ない。そこで近年、機械構造用熱間鍛造品の製造において、製造工程を簡略化、特に、熱間鍛造後の調質処理を省略するために、種々の非調質型熱間鍛造用鋼や、非調質熱間鍛造品の製造方法が提案されている。このような従来の非調質型熱間鍛造用鋼の多くは、中炭素鋼に微量のV、Nb、Ti、Zr等のいわゆる析出硬化型合金元素を添加した析出硬化型非調質鋼であって、熱間鍛造後の冷却工程においてこれらを析出させ、その析出硬化によって高強度を得ようとするものである。
【0003】
例えば、特公昭58−2243号公報には、中炭素鋼に微量のVを添加し、これを1100℃以上の温度に加熱して型打鍛造し、この後、500℃まで10〜100℃/分の冷却速度で空冷することにより、フェライト中に微細なV炭窒化物を析出させたフェライト・パーライト組織からなる非調質鍛造品の製造方法が記載されている。しかし、このような析出硬化型非調質鋼を用いる場合には、上記のように1000〜1100℃またはそれ以上の高温に加熱することが必要であり、そのまま通常の鍛造を行った場合、鍛造品においても結晶粒が著しく粗大化するので、充分な靭性を得ることができない。
【0004】
このような問題を解決するために、素材鋼や鍛造方法に関して、析出硬化型元素の添加量を極力少なくする(例えば、特開昭55−82750号公報)、低C高Mn化する、(例えば特開昭54−121225号公報)、析出物の種類を制御する、(例えば、特開昭56−38448号公報)、制御冷却によって結晶粒を微細化する、(例えば特開昭56−169723号公報)等の方法が従来より提案されているが、いずれによっても、強度・靭性共に優れる非調質熱間鍛造品を得ることは、容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は強度・靭性共に優れる非調質熱間鍛造品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、その要旨とするところは、下記の通りである。
(1) 質量%で、C:0.1〜0.6%、Si:0.05〜2.5%、Mn:0.2〜3%、Al:0.005〜0.1%、N:0.001〜0.02%を含有し、更に、V:0.05〜0.5%、Nb:0.005〜0.1%の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、平均パケット・サイズが10μm以下のマルテンサイトからなることを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品。
(2) (1)の成分に、質量%で、Mg:0.0001〜0.005%、Zr:0.0001〜0.005%の1種または2種を含有することを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品。
(3) (1)又は(2)の成分に、質量%で、Cr:0.05〜3%、Ni:0.05〜3%、Mo:0.05〜3%、Cu:0.01〜2%、Ti:0.003〜0.05%、B:0.0005〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品。
(4) (1)〜(3)の何れか1項に記載の成分に、質量%で、S:0.01〜0.3%、Pb:0.03〜0.3%、Ca:0.001〜0.05%、Bi:0.03〜0.3%の1種または2種以上を含有することを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品。
(5) 引張強さが1300〜1800MPa であることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項に記載の非調質高強度・高靭性鍛造品。
(6) 降伏比が0.65〜0.95であることを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の非調質高強度・高靭性鍛造品
(7) (1)〜(4)の何れか1項に記載の成分からなる鋼を熱間鍛造する際に、1050℃以上1350℃以下に加熱し、対数歪みで0.3〜3の加工を与える熱間鍛造を700℃以上未再結晶上限温度以下で少なくとも1回以上行うことを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品の製造方法。
(8) 鍛造後、300℃以上Ar3点以下の温度域を下記(1)式で示した冷速(CR)で冷却することを特徴とする(7)記載の非調質高強度・高靭性鍛造品の製造方法。
(6ε+12)℃/sec≦CR≦60℃/sec …(1)
(ε:未再結晶温度域で与えた対数歪み)
(9) (7)または(8)に記載の対数歪みが、鍛造前素材の鍛造方向の高さの平均値である元厚高さ平均と、鍛造後の高さの平均値である仕上げ厚高さ平均により下記式(4)で示した対数歪みであることを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品の製造方法。
対数歪み=ln(元厚高さ平均/仕上げ厚高さ平均) …(4)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の根幹をなす技術思想は以下の通りである。
強度・靭性共に優れる鍛造品を得るためには、その鍛造品の金属組織を微細にすれば良いことは知られてきた。最終組織を微細化するには、その前組織であるγ(オーステナイト)に熱間鍛造により歪みを与えて再結晶により微細化する方法、および、より鍛造温度を低めて未再結晶温度で鍛造することにより通常再結晶により減少してしまう転位を変態時まで残留させ核生成速度を増加させる方法がある。従来は、再結晶温度域での鍛造、すなわち高温での鍛造の方が反力が少ないこと、および反力が少ない方が鍛造精度を上げやすい等の理由で、再結晶温度域の鍛造により組織を微細化することが前提であった。本発明者等は、従来鍛造で用いられなかった未再結晶温度域での鍛造を行うことにより、飛躍的に組織が微細化し、材質も向上することを見いだした。
【0009】
以下に本発明の限定理由を述べる。
【0010】
Cは、鋼を強化するのに有効な元素であるが、0.1%未満では充分な強度が得られない。一方、過多に添加すると靭性が低下するため、添加量の上限を0.6%とする。
【0011】
Siは、鋼の強化元素として有効であるが、0.05%未満ではその効果がない。一方、過多に添加すると靭性および被削性が低下するため、添加量の上限を2.5%とする。
【0012】
Mnは、鋼の強化に有効な元素であるが、0.2%未満では充分な効果が得られない。一方、過多に添加すると靭性および被削性が低下するため、添加量の上限を3%とする。
【0013】
Alは、鋼の脱酸および結晶粒の微細化のために有効な元素であるが、0.005%未満ではその効果がない。一方、過多に添加すると被削性が低下するため、添加量の上限を0.1%とする。
【0014】
Nは、V炭窒化物やNb炭窒化物を生成し析出強化のために必要な元素であるが、0.001%未満では充分な効果が得られない。一方、過多に添加すると靭性が劣化するため、添加量の上限を0.02%とする。
【0015】
Vは、固溶原子が転位の回復および再結晶を遅らせる効果がある。すなわち未再結晶温度域を高温側に広げ、未再結晶域鍛造を容易にする元素である。また、未再結晶圧延後、転位のもつれた部分にVの炭窒化物が微細に析出し、いわゆる加工誘起析出により、強度が上昇するため有効な元素である。これらの効果を享受するためには0.05%以上の添加が必要である。一方、過多に添加すると靭性が劣化するため、添加量の上限を0.5%とする。
【0016】
NbもVと同様、未再結晶を容易にし、析出強化のために必要な元素であるが、0.005%未満では充分な効果が得られない。一方、過多に添加すると靭性が劣化するため、添加量の上限を0.1%とする。
【0017】
MgおよびZrはともに酸化物や硫化物、あるいはこれらの複合物を形成し、加熱時のオーステナイトの粗大化を抑制する効果を持つ元素であるので組織微細化に有効である。またこれらの酸化物はMnSの析出核になるため被削性も向上する。いずれも、0.0001%未満ではその効果はなく、0.005%を越えると、靱性が劣化するため、添加量の上限を0.005%とする。
【0018】
Cr,Ni,Mo,Cuはいずれも適量の添加においては靱性を損なうことなく強度を増大する元素である。Cr,Ni,Moは、いずれも0.05%未満ではその効果はなく、3%を越えると靱性が大きく劣化するため、その添加量の下限をそれぞれ0.05%、上限を3%とする。また、Cuは0.01%未満ではその効果はなく、2%を越えると靱性が大きく劣化するため、その添加量の下限をそれぞれ0.01%、上限を2%とする。
【0019】
Tiは,窒化物・炭化物を生成する。窒化物は高温まで固溶せずに残るため、加熱時のオーステナイト粗大化を防止するのに有効である。また炭化物は微細に分散して析出強化に有効である。0.003%未満ではこれらの効果は現れず、0.05%を越えると靱性が劣化するため、その添加量の下限を0.003%、上限を0.05%とする。
【0020】
Bは焼き入れ性を増加する元素である。焼き入れ性を増加することにより強度を増し、さらに粗大な初析フェライトの生成を防止して組織を微細化を促進するのに有効な元素である。0.0005%未満ではこれらの効果は現れず、0.005%を越えると靱性が劣化するため、その添加量の下限を0.0005%、上限を0.005%とする。
【0021】
S,Pb,Ca,Biは、いずれも被削性を向上する元素である。いずれも過小の添加はその効果がなく、過大の添加は靱性を劣化させるため、Sは0.01%以上0.3%以下に、Pbは0.03%以上0.3%以下に、Caは0.001%以上0.05%以下に、Biは0.03%以上0.3%以下に添加量を限定する。
【0022】
次に、本発明の、組織の形態について述べる。
【0023】
通常、再結晶γでは再結晶により粒内の転位は整理され転位密度は低い。このため、ほとんどの変態はγ粒界を基点として始まり、粒内に向かって成長していく。また再結晶γである限り、粒界単位面積当たりの変態核生成数はほぼ一定の値をとる。このため変態後の組織の粒数は単位体積当たりのγ粒界の面積にほぼ比例し、再結晶後のγ粒径が小さいほど、変態後の組織は細かくなる。一方、未再結晶γでは再結晶による転位の整理が未だ行われていない状態であるので、粒内の転位密度は高い。これにより、粒界のみならず粒内からも変態が開始する。さらに粒界にも加工の影響が残っており、粒界単位面積当たりの変態核生成数も再結晶γと比べ大きい値をとる。このため粗大なγからでも、微細な変態組織が得られる。未再結晶γからの変態によって得られる変態組織は、加工後の冷速によってフェライト+パーライト、ベイナイト、マルテンサイトに大別できるが、いずれも平均結晶粒径が10μm以下となる。ただし、冷速によっては、これらの組織の混合組織となり、靭性が著しく劣化するため、後述の冷速制御によりマルテンサイト鋼とする。尚、ここで述べる平均結晶粒径とは、破壊の単位となる結晶粒径であり、フェライト+パーライトの場合はフェライトの平均粒径、ベイナイトおよびマルテンサイトの場合は平均パケット・サイズを指す。マルテンサイトを選定した理由は、組織強化により強度が得やすく、合金コストの削減に有効だからである。一方、粒径が微細になると強度、靭性、降伏比、伸びが向上する事は知られているが、平均粒径が10μm以下であると、これらの効果が顕著に現れてくる。さらに効果を求めるのであれば、平均粒径が5μm 以下であることが望ましい。一方、平均粒径の下限は特に定めないが、鍛造コストの面から、2μm 以上とすることが好ましい。
【0024】
尚、本発明において、平均粒径は光学顕微鏡により断面厚1/4t位置を200〜1000倍で3〜5視野観察し、切断法により求めた値と定義する。
【0025】
引張強さは、鍛造品の軽量化の点で下限を1300MPa に限定した。一方、1800MPa を越えると、靭性が著しく低下し、切削寿命および金型寿命も著しく低下するため、上限を1800MPa 以下にした。
【0026】
また、降伏比は疲労強度向上のため、0.65に下限を限定した。一方、0.95以上に降伏比を上げても疲労強度の向上は飽和するので、上限は0.95に限定した。
【0027】
次に、製造方法について述べる。
【0028】
加熱温度は、鍛造時にγ単相である必要性からAc3点以上とする。また、その上限は現在の炉の最高加熱温度1350℃とした。前述のように、未再結晶圧延を容易にするためには、VないしはNbをある程度固溶させておくことが望ましいため、1050℃以上の加熱が望ましい。
尚、Ac3 点は(2)式により求めた値と定義する。
【0029】
Ac3 =910−203(C)1/2 −15.2(Ni)+44.7(Si)+104(V)+31.5(Mo)+13.1(W) …(2)
未再結晶上限温度は、(3)式により求めた値と定義する。(3)式は、加工フォーマスターを用い、V、Nb含有成分の鋼について加工焼入試験を行い、組織観察を行った結果得られた回帰式である。尚、(3)式は加工度の影響を表す項を除いた簡易式である。
【0030】
未再結晶上限温度(℃)=819+61((V)+10(Nb))0.2 …(3)
未再結晶γからの変態による組織微細化の効果は、未再結晶温度域で与える歪みに依存する。対数歪みで0.3未満の歪みでは、充分な組織微細化ができないため、その下限を対数歪み0.3とする。でき得れば、0.8以上の歪みが望ましい。一方、歪みの増加は鍛造反力の増加を招きコストが上昇するため対数歪みは3以下とする。複数回の鍛造で成形する場合には、再結晶温度域での鍛造と組み合わせてもよい。更に今回規定した未再結晶温度域の鍛造で、特に800℃未満の鍛造は顕著に組織が微細化し強度上昇・靭性向上に寄与するので、800℃未満の鍛造が望ましい。また、700℃未満の鍛造温度では鍛造前にフェライトが生成し、鍛造時に加工フェライトとなり靭性を劣化させるため、鍛造下限温度を700℃とする。
【0031】
尚、ここで述べた対数歪みとは、(4)式で定義した歪みである。元厚高さ平均とは、鍛造前素材の鍛造方向を高さとしたときの平均値であり、仕上げ厚高さ平均とは、鍛造後の高さの平均値である。ただし、押し出し等の加工の場合は、(5)式に従うものとする。元断面積平均とは鍛造前素材の鍛造方向に垂直な面の平均断面積であり、仕上げ断面積平均とは、鍛造後の断面積平均である。
【0032】
対数歪み=ln(元厚高さ平均/仕上げ厚高さ平均) …(4)
対数歪み=ln(元断面積平均/仕上げ断面積平均) …(5)
鍛造後の冷速によって組織形態が異なることは前述したが、以下冷速について述べる。
未再結晶γからの変態は、核生成速度が増大しているため、T−T−Tノーズが短時間側にシフトし、フェライトが生成しやすくなっている。このため、マルテンサイトを生成するためには、300℃以上Ar3 点以下の温度域を(1)式に示した冷速で冷却すればよい。(1)式は図1の直線から求めた式である。冷却速度の下限を(6ε+12)℃/secとしたのは、それより遅い冷速であると、ベイナイト変態が生じてしまうからである。一方、上限を60℃/secとしたのは、これより速い冷速で冷却することが困難だからである。また、冷却制御温度域をAr3点以下としたのは、変態が始まる温度だからである。一方、その下限を300℃としたのは、この温度ではすでにマルテンサイト変態が終了しているからである。(1)式に示した冷速の冷却制御温度域の冷却方法は水冷、油冷、強制空冷等が考えられるが、特に限定しない。また、冷却後、焼戻しを行うことにより降伏比、靭性が向上するので、焼戻し処理を行ってもよい。
【0033】
(6ε+12)℃/sec≦CR≦60℃/sec …(1)
(ε:未再結晶温度域で与えた対数歪み)
尚、Ar3 点は(6)式により求めた値と定義する。
【0034】
Ar3 =868−396(C)+24.6(Si)−58.7(Mn)−50(Ni)−35(Cu)+190(V) …(6)
【0035】
【実施例】
第1表に示す成分の鋼から、φ50×h60の鍛造用試験片を切り出し、高周波で加熱して、第2表に示す本発明方法および比較方法を適用して高さ方向の平板圧縮鍛造を行った。第2表中の歪みは(4)式を適用して求めた。さらに本発明方法を適用して冷却した場合、第2表中に示したような粒径、強度、降伏比、靭性となった。尚、冷却時の温度制御は衝風ないしは水スプレー冷却で行った。組織は鍛造品の中央から30mm離れた場所の1/4t位置を光顕撮影し、切断法により平均粒径(平均パケット・サイズ)を求めた。中央から30mm離したのはデッドメタル部を避けるためである。機械特性はJISA3号引張試験片およびJIS3号シャルピー試験片(幅5mm)を用いて測定した。第2表中、比較鋼1,2,9は本発明必須元素のNb,Vを必要量含んでいないため再結晶が生じ、粗大な組織となっている。このため強度・降伏比・靭性が低値である。比較鋼8,10は、Nb,Vを必要以上含んでいるため、靭性が低値である。比較鋼3は、加熱温度が低すぎたため加熱時にγ単相とならず、γ+α二相状態で鍛造したため、αが加工されて強度・降伏比・靭性が低値である。比較鋼4は加工温度が高く再結晶が生じたため、粗大な組織となり強度・降伏比・靭性が低値である。比較鋼5は加工度が少ないため、充分な核生成速度が得られず、粗大な組織となり強度・降伏比・靭性が低値である。比較鋼6は加工後の冷速が遅すぎたため、一部ベイナイトが生成し、強度・降伏比・靭性が低値である。比較鋼7は加工温度が低すぎ、加工時に一部αが生成した状態で加工したため、αが加工されて強度・降伏比・靭性が低値である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】
本発明により、明らかに強度、降伏比、靭性が向上しており、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組織生成に及ぼす未再結晶域で付与する対数歪みと500℃〜Ar3 の温度域の冷速の影響を示す図である。
Claims (9)
- 質量%で
C 0.1〜0.6%
Si 0.05〜2.5%
Mn 0.2〜3%
Al 0.005〜0.1%
N 0.001〜0.02%
を含有し、更に
V 0.05〜0.5%
Nb 0.005〜0.1%
の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、平均パケット・サイズが10μm以下のマルテンサイトからなることを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品。 - 質量%で
Mg 0.0001〜0.005%
Zr 0.0001〜0.005%
の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1記載の非調質高強度・高靭性鍛造品。 - 質量%で
Cr 0.05〜3%
Ni 0.05〜3%
Mo 0.05〜3%
Cu 0.01〜2%
Ti 0.003〜0.05%
B 0.0005〜0.005%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の非調質高強度・高靭性鍛造品。 - 質量%で
S 0.01〜0.3%
Pb 0.03〜0.3%
Ca 0.001〜0.05%
Bi 0.03〜0.3%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の非調質高強度・高靭性鍛造品。 - 引張強さが1300〜1800MPa であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の非調質高強度・高靭性鍛造品。
- 降伏比が0.65〜0.95であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の非調質高強度・高靭性鍛造品
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の成分からなる鋼を熱間鍛造する際に、1050℃以上1350℃以下に加熱し、対数歪みで0.3〜3の加工を与える熱間鍛造を700℃以上未再結晶上限温度以下で少なくとも1回以上行うことを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品の製造方法。
- 鍛造後、300℃以上Ar3点以下の温度域を下記(1)式で示した冷速(CR)で冷却することを特徴とする請求項7記載の非調質高強度・高靭性鍛造品の製造方法。
(6ε+12)℃/sec≦CR≦60℃/sec …(1)
(ε:未再結晶温度域で与えた対数歪み) - 請求項7または8に記載の対数歪みが、鍛造前素材の鍛造方向の高さの平均値である元厚高さ平均と、鍛造後の高さの平均値である仕上げ厚高さ平均により下記式(4)で示した対数歪みであることを特徴とする非調質高強度・高靭性鍛造品の製造 方法。
対数歪み=ln(元厚高さ平均/仕上げ厚高さ平均) …(4)
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