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JP4037485B2 - エンジンの触媒劣化診断装置 - Google Patents

エンジンの触媒劣化診断装置 Download PDF

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JP4037485B2
JP4037485B2 JP14166697A JP14166697A JP4037485B2 JP 4037485 B2 JP4037485 B2 JP 4037485B2 JP 14166697 A JP14166697 A JP 14166697A JP 14166697 A JP14166697 A JP 14166697A JP 4037485 B2 JP4037485 B2 JP 4037485B2
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれ空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの空燃比制御においては、触媒コンバータの上流に配設した空燃比センサ(O2センサ)の出力によって空燃比状態を検出し、空燃比をフィードバック制御するようにしているが、O2センサの出力特性のばらつき、燃料噴射弁等の部品の経時劣化等に起因する空燃比制御精度の悪化を改善するため、触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロントO2センサ、リアO2センサを配設し、両O2センサの出力により空燃比を制御する、いわゆるダブルO2センサシステムが種々、提案されている。
【0003】
そして、このダブルO2センサシステムにおいては、両O2センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するようにしている。
【0004】
ここで、触媒の浄化性能は、触媒の有する酸素(O2)ストレージ効果と強い相関があり、触媒が新品のときには、図39(a)に示すフロントO2センサの出力(出力電圧FVO2)のリッチ(出力電圧がスライスレベルよりも大きい状態)からリーン(出力電圧FVO2がスライスレベルよりも小さい状態)、リーンからリッチへの反転周期に対し、リアO2センサの出力(出力電圧RVO2)の反転周期は、触媒のO2ストレージ効果により図39(b)に示すように、長くなる。そして、触媒の劣化が進むに従い触媒のO2ストレージ効果が低下し、図39(c)に示すように、リアO2センサの出力の反転周期は短くなる。
【0005】
すなわち、触媒の劣化が進行するに従い、触媒コンバータ下流に配設したリアO2センサの出力特性が触媒コンバータ上流に配設したフロントO2センサの出力特性に近づき、両O2センサの出力電圧の反転回数の差が小さくなる。従って、フロントO2センサの出力電圧の反転回数に対するリア02センサの出力電圧の反転回数の比を判定値と比較することで、触媒の劣化を診断することが可能となる。
【0006】
例えば、本出願人による特開平5−2890402号公報(第1の先行例)には、エンジン運転状態パラメータに基づいて、フロントO2センサ出力電圧に対する上下1組の第1のスライスレベルと、リアO2センサ出力電圧に対する上下1組の第2のスライスレベルとをそれぞれ設定し、各O2センサの出力電圧をそれぞれ対応するスライスレベルと比較して、各O2センサの出力電圧がスライスレベルを横切る回数、すなわち各O2センサ出力電圧の反転回数をカウントし、所定時間における両O2センサの出力電圧の反転回数の比を予め設定された判定値と比較して、この反転回数の比が判定値以上のとき、触媒の劣化と診断する技術が開示されている。
【0007】
また、特開平5−106493号公報(第2の先行例)には、リアO2センサの出力がリッチからリーンに反転するまでの時間TLとリーンからリッチの反転するまでの時間TRとを計測し、各時間TL,TRの平均値が所定時間よりも短くなったときに、触媒の劣化判定を行い、上記時間TL,TRの和もしくは平均値が所定時間以下のときに触媒が劣化したと診断する技術が開示されている。
【0008】
また、特開平5−106494号公報(第3の先行例)には、運転状態が所定のモニタ条件を満足するとき、リアO2センサの出力のみに基づいて空燃比をフィードバック制御し、その際に空燃比を増加させるスキップ量(リッチ→リーン)を発生してからリアO2センサの出力がリッチ→リーンに反転するまでの時間TLを測定すると共に、空燃比を減少させるスキップ量(リーン→リッチ)を発生してからリアO2センサの出力がリーン→リッチに反転するまでの時間TRを測定し、これら時間TL,TRに基づいて触媒の劣化を診断することで、触媒の劣化判定を行う際に、フロントO2センサの出力を使用せずに、リアO2センサの出力のみを使用して劣化判定を行い、フロントO2センサの単体特性や劣化による影響を受けることなく正確に触媒の劣化診断を行う技術が開示されている。
【0009】
さらに、特開平5−98947号公報(第4の先行例)には、リアO2センサの出力電圧の波形と該リアO2センサの出力電圧の極小値とで囲まれる面積を算出し、リアO2センサの出力電圧が理論空燃比に対応するスライスレベルを上下しない時間が所定時間継続したとき、上記面積に基づいて触媒の劣化を診断することで、リアO2センサの出力が理論空燃比より大きくずれたり、触媒の劣化が進行しておらずリアO2センサの出力電圧の振幅が大きい場合であっても、適切に触媒の劣化を診断可能とする技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記第1の先行例においては、図40に示すように、O2センサの出力電圧VO2が上側スライスレベルRHを下から上、すなわちリーンからリッチ側に横切った時に、反転回数をカウントアップし、その後、O2センサ出力電圧VO2を下側スライスレベルRLと比較し、O2センサ出力電圧が下側スライスレベルRLを上から下、すなわちリッチからリーン側に横切ったときに反転回数をカウントアップするようにしている。
【0011】
すなわち、上側スライスレベルRHによってO2センサ出力電圧VO2のリーンからリッチ側への反転を判断し、下側スライスレベルRLによってO2センサ出力電圧VO2のリッチからリーン側への反転を判断することで、反転回数をカウントする際に各スライスレベルRH,RLによってヒステリシスを与え、O2センサ出力電圧VO2の反転回数の誤カウントを防止するようにしている。
【0012】
このため、例えば、図41(a)に示すように、リアO2センサの出力電圧RVO2がリーンシフトした場合、触媒の劣化に伴う該リアO2センサ出力電圧RVO2の反転により、該リアO2センサ出力電圧RVO2は、下側スライスレベルRLを横切るものの、上側スライスレベルRHを横切らず、従って、このときには、リアO2センサ出力電圧RVO2が反転しているにも係わらず、リアO2センサ出力電圧RVO2の反転回数をカウントアップすることができない。
【0013】
また、逆にリアO2センサ出力電圧RVO2がリッチシフトした場合にも、リアO2センサ出力電圧RVO2が下側スライスレベルRLを横切らず、反転回数をカウントアップすることができない。
【0014】
また、フロントO2センサの出力電圧FVO2がリーンシフトしたり、或いはリッチシフトした場合にも、同様にフロントO2センサ出力電圧FVO2の反転回数をカウントアップすることができない。
【0015】
これに対処するに、上側スライスレベルRHと下側スライスレベルRLとのヒステリシス幅を狭めることも考えられるが、この場合には、図41(b)に示すように、触媒の劣化がさほど進行していない場合であっても、リアO2センサの出力電圧RVO2がスライスレベルRH,RLを横切ることで、反転回数をカウントアップしてしまう。
【0016】
更に、ある程度、触媒が劣化した場合には、リアO2センサの出力電圧RVO2は、図42に示すような波形を示し、スライスレベルの設定如何によって反転回数の計数値が変化する。
【0017】
すなわち、第1の先行例においては、各スライスレベルRH,RLの設定如何によってO2センサ出力電圧の反転回数の計数値が変わってしまい、誤診断を生じる虞があり、触媒の劣化診断精度を十分に向上することができない。
【0018】
更に、エンジン運転状態毎に各スライスレベルRH,RLを設定しなければならず、設計開発段階での各スライスレベルRH,RLのマッチング工数が著しく増大する不都合がある。
【0019】
また、上記第2,第3の先行例においても、上記第1の先行例と同様に、各O2センサの出力電圧をスライスレベル(基準電圧)と比較することで、O2センサの出力のリッチからリーンへの反転、或いは、リーンからリッチの反転を判断しているため、上述と同様の不都合がある。
【0020】
そして、上記第3の先行例においては、フロントO2センサの単体特性や劣化の影響を受けることなく触媒の劣化を診断することができるものの、触媒の劣化診断に際して、強制的に空燃比を変動させるため、この間、空燃比制御性が悪化して排気エミッションが悪化する不都合がある。
【0021】
さらに、上記第4の先行例においては、リアO2センサの出力電圧の極小値を求めるための処理、及び、リアO2センサの出力電圧の波形と該リアO2センサの出力電圧の極小値とで囲まれる面積を算出するための算出処理を要し、触媒に対する劣化診断処理が煩雑化する不都合がある。
【0022】
本発明は上記事情に鑑み、触媒の劣化に伴うフロント空燃比センサとリア空燃比センサとの出力電圧波形の差を簡単且つ正確に捕捉することができ、触媒に対する劣化診断精度を向上すると共に、触媒の劣化診断に際して、空燃比を強制的に変動させることなく実現でき、排気エミッションの悪化を生じることなく触媒の劣化診断を行うことが可能なエンジンの触媒劣化診断装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、図2(b)の基本構成図に示すように、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づき上記積算値比に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、上記積算値比を上記補正係数により補正する積算値比補正手段と、補正後の上記積算値比を所定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項2記載の発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、図2(c)の基本構成図に示すように、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づきテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する触媒劣化判定値設定手段と、上記積算値比を上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項3記載の発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、図3(a)の基本構成図に示すように、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づき触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、予め設定された触媒劣化判定値を上記補正係数により補正する触媒劣化判定値補正手段と、上記積算値比を補正後の上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項4記載の発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、図3(b)の基本構成図に示すように、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、上記診断条件の成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出するエンジン負荷平均値算出手段と、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値と上記エンジン負荷平均値とに基づきテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する触媒劣化判定値設定手段と、上記積算値比を上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項5記載の発明は、エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、図3(c)の基本構成図に示すように、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、上記診断条件の成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出するエンジン負荷平均値算出手段と、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値と上記エンジン負荷平均値とに基づき触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、予め設定された触媒劣化判定値を上記補正係数により補正する触媒劣化判定値補正手段と、上記積算値比を補正後の上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の発明において、上記診断条件判別手段は、診断条件を判断するための運転状態を検出する各センサの出力値が正常で、上記各空燃比センサが共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、エンジン回転数及びエンジン負荷が予め設定された範囲内にあるとき、診断許可条件成立と判断し、又、エンジン過渡運転時、或いは、触媒劣化診断中に失火を検出した場合に、診断中止条件成立と判断し、上記診断許可条件が成立し、且つ、上記診断中止条件が非成立のとき、診断条件の成立とすることを特徴とする。
【0033】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の発明において、上記積算値比算出手段は、診断条件の成立下において設定時間以上係属したときに、上記リア空燃比センサ出力電圧変化量による積算値をフロント空燃比センサ出力電圧変化量による積算値により除算して積算値の比を算出し、上記診断手段は、積算値比を触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値と比較して、上記積算値比が触媒劣化判定値以上のとき、触媒の劣化と診断することを特徴とする。
【0038】
すなわち、請求項1記載の発明では、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出する。また、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、両積算値の比を算出して、この積算値比を上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づき算出した補正係数によって補正することで、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する積算値比の変化分を補償し、この補正後の積算値比を所定値と比較して触媒の劣化を診断する。
【0039】
請求項2記載の発明では、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出する。また、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、両積算値の比を算出すると共に、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいてテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する積算値比の変化分に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定し、上記積算値比を該触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断することで、フロント空燃比センサに応答劣化が生じても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0040】
請求項3記載の発明では、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出する。また、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、両積算値の比を算出すると共に、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいて算出した補正係数によって予め設定された触媒劣化判定値を補正する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する積算値比の変化分に対応して触媒劣化判定値を補正する。そして、上記積算値比をこの補正後の触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断することで、フロント空燃比センサに応答劣化が生じても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0041】
請求項4記載の発明では、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出する。また、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、両積算値の比を算出する。さらに、上記診断条件成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出し、該エンジン負荷平均値と上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値とに基づいてテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷に応じて変化する積算値比に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定し、上記積算値比を該触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断することで、フロント空燃比センサに応答劣化が生じたり、診断時においてエンジン負荷が相違しても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0042】
請求項5記載の発明では、所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出する。また、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、両積算値の比を算出する。さらに、上記診断条件成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出し、該エンジン負荷平均値と上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいて算出した補正係数によって予め設定された触媒劣化判定値を補正する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷に応じて変化する積算値比に対応して触媒劣化判定値を補正する。そして、上記積算値比をこの補正後の触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断することで、フロント空燃比センサに応答劣化が生じたり、診断時においてエンジン負荷が相違しても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0043】
この際、請求項6記載の発明では、診断条件を判別するに際し、診断条件を判断するための運転状態を検出する各センサの出力値が正常で、上記各空燃比センサが共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、エンジン回転数及びエンジン負荷が予め設定された範囲内にあるとき、診断許可条件成立と判断し、又、エンジン過渡運転時、或いは、触媒劣化診断中に失火を検出した場合に、診断中止条件成立と判断する。そして、上記診断許可条件が成立し、且つ、上記診断中止条件が非成立のとき、診断条件の成立とする。
【0044】
また、請求項7記載の発明では、上記積算値比を算出するに際し、診断条件の成立下において設定時間以上係属したとき、上記リア空燃比センサ出力電圧変化量による積算値をフロント空燃比センサ出力電圧変化量による積算値により除算して積算値の比を算出する。そして、上記積算値比を触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値と比較し、上記積算値比が触媒劣化判定値以上のとき、触媒の劣化と診断する。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図4〜図8は本発明の実施の第1形態を示す。
【0046】
先ず、図7に基づいてエンジンの全体構成について説明する。同図において、符号1はエンジンであり、本形態においては水平対向式4気筒ガソリンエンジンである。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bが形成されている。
【0047】
このエンジン1の吸気系は、各吸気ポート2aにインテークマニホルド3が連通され、このインテークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通されている。そして、このスロットルチャンバ5上流側に吸気管6を介してエアクリーナ7が取り付けられ、このエアクリーナ7がエアインテークチャンバ8に連通されている。
【0048】
また、上記スロットルチャンバ5には、アクセルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられている。上記吸気管6には、スロットル弁5aをバイパスするバイパス通路9が接続され、このバイパス通路9に、アイドル時にその弁開度によって該バイパス通路9を流れるバイパス空気量を調整することでアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御弁(ISC弁)10が介装されている。
【0049】
更に、上記インテークマニホルド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流側にインジェクタ11が配設されている。上記インジェクタ11は燃料供給路12を介して燃料タンク13に連通されており、この燃料タンク13にはインタンク式の燃料ポンプ14が設けられている。この燃料ポンプ14からの燃料が、上記燃料供給路12に介装された燃料フィルタ15を経て上記インジェクタ11及びプレッシャレギュレータ16に圧送され、このプレッシャレギュレータ16から上記燃料タンク13にリターンされて、上記インジェクタ11への燃料圧力が所定の圧力に調圧される。
【0050】
一方、上記シリンダヘッド2の各気筒毎に、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ17が取り付けられ、この点火プラグ17に、各気筒毎に配設された点火コイル18を介してイグナイタ19が接続されている。
【0051】
また、エンジン1の排気系としては、上記シリンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾーストマニホルド20の集合部にフロント触媒コンバータ21が配設され、このフロント触媒コンバータ21の直下流にリア触媒コンバータ22が配設されて排気管23を介してマフラ24に連通されている。
【0052】
次に、エンジン運転状態を検出するためのセンサ類について説明する。上記吸気管6のエアクリーナ7の直下流に、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた熱式の吸入空気量センサ25が介装され、更に、上記スロットルチャンバ5に設けられたスロットル弁5aに、スロットル開度センサ26aとスロットル弁5aの全閉でONするアイドルスイッチ26bとを内蔵したスロットルセンサ26が連設されている。
【0053】
また、エンジン1のシリンダブロック1aにノックセンサ27が取り付けられていると共に、シリンダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路28に冷却水温センサ29が臨まされている。
【0054】
そして、上記フロント触媒コンバータ21の上流にフロント空燃比センサとして排気ガス中の酸素濃度を検出するフロントO2 センサ(以下、「FO2センサ」と略記する)30が配設され、リア触媒コンバータ22の下流にリア空燃比センサとしてリアO2センサ(以下、「RO2センサ」と略記する)31が配設されている。
【0055】
また、エンジン1のクランクシャフト32に軸着するクランクロータ33の外周に、クランク角センサ34が対設され、更に、クランクシャフト32に対して1/2回転するカムシャフト35に連設するカムロータ36に、気筒判別用のカム角センサ37が対設されている。
【0056】
上記クランクロータ33の外周には、所定クランク角毎にクランク角検出用の突起が形成されており、また、上記カムロータ36の外周に気筒判別用の突起が形成されている。そして、エンジン運転に伴いクランクシャフト32及びカムシャフト35が回転し、これに伴い上記クランクロータ33、カムロータ36が回転してクランクロータ33の各突起が上記クランク角センサ34によって検出され、クランク角センサ34から所定クランク角に対応するクランクパルスが出力され、また、上記カムロータ36の気筒判別用突起が上記カム角センサ37によって検出され、カム角センサ37からカムパルスが出力される。
【0057】
そして、後述する電子制御装置40(図8参照)において、上記クランク角センサ34から出力されるクランクパルスの入力間隔時間に基づいてエンジン回転数NEを算出し、また、上記カム角センサ37からのカムパルスと、各気筒の燃焼行程順(例えば、#1気筒→#3気筒→#2気筒→#4気筒)とのパターンに基づいて、燃料噴射対象気筒や点火対象気筒等の気筒判別を行う。
【0058】
上記インジェクタ11、点火プラグ17、ISC弁10等のアクチュエータ類に対する制御量の演算、制御信号の出力、すなわち燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等のエンジン制御は、図8に示す電子制御装置(ECU)40によって行われる。
【0059】
上記ECU40は、CPU41、ROM42、RAM43、バックアップRAM44、カウンタ・タイマ群45、及びI/Oインターフェイス46がバスラインを介して互いに接続されるマイクロコンピュータを中心として構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧回路47、上記I/Oインターフェイス46に接続される駆動回路48及びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。
【0060】
なお、上記カウンタ・タイマ群45は、フリーランカウンタ、カム角センサ信号(カムパルス)の入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイマ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための定期割り込み用タイマ、クランク角センサ出力信号(クランクパルス)の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常監視用のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上総称するものであり、その他、各種のソフトウエアカウンタ・タイマが用いられる。
【0061】
上記定電圧回路47は、2回路のリレー接点を有する電源リレー50の第1のリレー接点を介してバッテリ51に接続され、バッテリ51に、上記電源リレー50のリレーコイルがイグニッションスイッチ52を介して接続されている。また、上記定電圧回路47は、直接、上記バッテリ51に接続されており、イグニッションスイッチ52がONされて電源リレー50の接点が閉となるとECU40内の各部へ電源を供給する一方、上記イグニッションスイッチ52のON,OFFに拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバックアップ用の電源を供給する。更に、上記バッテリ51には、燃料ポンプリレー53のリレー接点を介して燃料ポンプ14が接続されている。尚、上記電源リレー50の第2のリレー接点には、上記バッテリ51から各アクチュエータに電源を供給するための電源線が接続されている。
【0062】
上記I/Oインターフェイス46の入力ポートには、アイドルスイッチ26b、ノックセンサ27、クランク角センサ34、カム角センサ37、及び車速を検出するために車速センサ38が接続されており、更に、上記A/D変換器49を介して、吸入空気量センサ25、スロットル開度センサ26a、冷却水温センサ29、FO2センサ30、及びRO2センサ31が接続されると共に、バッテリ電圧VBが入力されてモニタされる。
【0063】
一方、上記I/Oインターフェイス46の出力ポートには、上記燃料ポンプリレー53のリレーコイル、ISC弁10、インジェクタ11、及び、図示しないインストルメントパネルに配設され各種警報を集中表示するMILランプ(警報ランプ)39が上記駆動回路48を介して接続されると共に、イグナイタ19が接続されている。
【0064】
また、上記I/Oインターフェイス46には、外部接続用コネクタ55が接続されており、この外部接続用コネクタ55にシリアルモニタ(携帯型故障診断装置)60を接続することで、シリアルモニタ60によってECU40における入出力データ、及び、ECU40の自己診断機能により上記バックアップRAM44にストアされた後述する触媒劣化の診断結果を表す触媒NGフラグFCATNGを含む故障部位、故障内容を示すトラブルデータを読み出して診断可能としている。更に、上記シリアルモニタ60によって、上記トラブルデータのイニシャルセット(クリア)が行えるようになっている。
【0065】
なお、このシリアルモニタ60によるトラブルデータの診断、及びイニシャルセットについては、本出願人による特公平7−76730号公報に詳述されている。
【0066】
上記CPU41では、ROM42に記憶されている制御プログラムに従って、I/Oインターフェイス46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に格納される各種データ、及びバックアップRAM44に格納されている各種学習値データ,ROM42に記憶されている固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火時期、ISC弁10に対する駆動信号のデューティ比等を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等のエンジン制御を行う。
【0067】
このようなエンジン制御系において、ダブルO2センサシステムにより触媒の劣化を診断するに際し、ECU40は、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断条件の成立時、所定時間毎にFO2センサ30の出力電圧変化量の絶対値とRO2センサ31の出力電圧変化量の絶対値とを各々積算し、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したときに、上記RO2センサ31の出力電圧変化量による積算値RDSVPをFO2センサ30の出力電圧変化量による積算値FDSVPにより除算し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する。そして、この積算値比CHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較し、積算値比CHANTが触媒劣化判定値NGCHT以上のとき、触媒の劣化と診断する。
【0068】
ここで、図6に示すように、エンジン1の排気ガス中の酸素濃度すなわち空燃比に応じてFO2センサ30の出力電圧FVO2が上下し、また、触媒コンバータ22の下流に配設されたRO2センサ31の出力電圧RVO2は、触媒の劣化が進行するに従い触媒の酸素(O2)ストレージ効果が低下するため、位相遅れがあるもののFO2センサ30の出力電圧波形に近似する。また、各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2の変化は、リーンからリッチへの上昇過程による変化と、リッチからリーンへの下降過程による変化とがある。
【0069】
従って、触媒診断条件の成立時に、所定時間毎(例えば、50msec毎)に、FO2センサ30の出力電圧変化量FDVPとして、前回(すなわち、50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1と現在のFO2センサ出力電圧FVO2nとの差の絶対値を算出して(FDVP←|FVO2n-1−FVO2n|)、このFO2センサ出力電圧変化量FDVPを積算すると共に(FDSVP←FDSVP+FDVP)、RO2センサ31の出力電圧変化量として、前回のRO2センサ出力電圧RVO2n-1と現在のRO2センサ出力電圧RVO2nとの差の絶対値を算出して(RDVP←|RVO2n-1−RVO2n|)、このRO2センサ出力電圧変化量RDVPを積算することで(RDSVP←RDSVP+RDVP)、これら積算値FDSVP,RDSVPの比によって触媒の劣化を捉えることが可能となる。
【0070】
より具体的には、診断条件成立下において設定時間以上係属したとき、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するROセンサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出することで、この積算値比CHANTによって、FO2センサ30とRO2センサ31との出力電圧波形の差、すなわち触媒の劣化を簡単且つ正確に捕捉することができる。
【0071】
すなわち、触媒コンバータ21,22を構成する触媒の劣化が進行するに従い、触媒のO2ストレージ効果が低下し、RO2センサ出力電圧波形がFO2センサ出力電圧波形に近似していくため、触媒の劣化に伴いRO2センサ出力電圧RVO2の変化量による積算値RDSVPが増加する。その結果、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)は、触媒が劣化するに従って必然的に増加する。
【0072】
従って、上記積算値比CHANTを、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定された触媒劣化判定値NGCHTと比較することで、上記積算値比CHANTが触媒劣化判定値NGCHT以上のとき、触媒の劣化と診断することができる。
【0073】
その結果、各O2センサ30、31の出力電圧FVO2,RVO2をスライスレベルと比較することなく、触媒の劣化診断を行うことができ、触媒の劣化を簡素にして正確且つ確実に診断することが可能となり、触媒に対する劣化診断精度を向上することが可能となる。
【0075】
以下、上記ECU40による本発明に係る触媒劣化診断処理について、図4〜図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0076】
先ず、イグニッションスイッチ52がONされ、ECU40に電源が投入されると、システムがイニシャライズされ、バックアップRAM44に格納されている各種学習値等のデータ及びトラブルデータを除く、各フラグ、各カウンタ類が初期化される。そして、スタータスイッチ(図示せず)がONされてエンジンが起動すると、クランク角センサ34からのクランクパルス入力毎に、クランクパルスの入力間隔時間に基づきエンジン回転数NEを算出し、また、カム角センサ37からのカムパルス入力により気筒判別を行う。尚、この気筒判別結果は、ここでは詳述しないが、燃料噴射制御、点火時期制御等に反映される。
【0077】
そして、システムイニシャライズ後、図4〜図5に示す触媒劣化診断ルーチンが所定時間(例えば、50msec)毎に実行される。
【0078】
この触媒劣化診断ルーチンにおいては、先ず、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、触媒劣化診断が終了しているか否かを判断する。
【0079】
すなわち、本実施の形態においては、エンジンを始動してエンジン暖機完了状態となり、暖機完了状態でエンジンを運転して、イグニッションスイッチ52のOFFによりエンジンを停止するまでの間、すなわち1暖機サイクルにおいて触媒に対する劣化診断結果が1回得られた時点で、上記触媒診断終了フラグFCATENDがセットされ、この暖機サイクルでの触媒劣化診断は終了する。そして、2暖機サイクル連続して触媒の劣化と診断されたとき、触媒の劣化と確定する。
【0080】
従って、上記ステップS1で、FCATEND=1の時には、本暖機サイクルにおいて既に触媒の劣化診断結果が得られており、このときは、そのままルーチンを抜ける。
【0081】
一方、FCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する。
【0082】
ステップS2では、入力された各センサ類の出力値から診断許可条件が成立しているか否かを判断する。この診断許可条件としては、FO2センサ30,RO2センサ31を含む診断条件を判断するための運転状態を検出する各センサ類の出力値が正常で、FO2センサ30及びRO2センサ31が共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、更に、エンジン回転数NE、エンジン負荷を表し基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tp(=K×Q/NE;Kはインジェクタ特性補正定数、Qは吸入空気量)、スロットル開度や車速等が予め設定された範囲内にあるとき、すなわち、運転状態が予め設定された診断領域にあるとき、診断許可条件成立と判断する。
【0083】
すなわち、エンジン運転状態を検出するセンサが異常のときには、診断条件を判断できず、このとき触媒の劣化診断を行うと、誤診断を招き、また、FO2センサ30,RO2センサ31の非活性時には、FO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2,RVO2が得られず、触媒の劣化を診断することができない。また、空燃比オープンループ制御時には、空燃比がストイキオ(理論空燃比)外のリッチ或いはリーンに制御されている場合があり、このときにもFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2,RVO2に基づいて触媒の劣化を診断することができない。更に、エンジン運転状態が診断領域外の高負荷高回転領域にあるときには、空燃比がリッチ制御されており、同様に、FO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2,RVO2に基づいて触媒の劣化を診断することができない。
【0084】
従って、FO2センサ30,RO2センサ31を含むエンジン運転状態を検出する各センサ類の出力値が正常で、FO2センサ30及びRO2センサ31が共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、更に、運転状態が診断領域にありエンジン安定状態にあるときに、触媒劣化診断許可条件の成立と判断する。
【0085】
そして、診断許可条件の成立時には、ステップS3へ進み、診断中止条件を判断する。この診断中止条件としては、触媒劣化診断開始時からの上記基本燃料噴射パルス幅Tpの変化量、或いはスロットル開度の変化量が予め定められた設定値を越えた場合、すなわちエンジン過渡運転時や、触媒劣化診断中に失火を検出した場合に、診断中止条件成立とする。
【0086】
すなわち、加減速等のエンジン過渡運転時には、空燃比がリッチシフト或いはリーンシフトしており、FO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2,RVO2に基づいて触媒の劣化を診断することができない。また、失火時には、オーバリーンによってFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2,RVO2が異常値を示し、このときにも、触媒の劣化診断を行うと誤診断を生じる。
【0087】
従って、基本燃料噴射パルス幅Tpの変化量やスロットル開度変化量が設定値を越えたエンジン過渡運転時、或いは失火時には、触媒の劣化診断を中止する。そして、上記ステップS2において診断許可条件の非成立時、或いは上記ステップS3で診断中止条件の成立時には、ステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、触媒劣化診断の継続時間を計時する診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ,RO2センサ出力電圧変化量による各積算値FDSVP,RDSVP、触媒劣化診断の初回ルーチン実行を判断するための初回判別フラグFINIを、それぞれクリアして、ルーチンを抜ける。
【0088】
一方、上記ステップS2で診断許可条件が成立し、且つ、ステップS3で診断中止条件が非成立でエンジン定常運転状態の時には、ステップS4へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし(MTMCAT←MTMCAT+1)、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照して、触媒劣化診断の初回ルーチン実行か否かを判断する。
【0089】
すなわち、触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、前回の値が得られていないため、FO2センサ出力電圧変化量FDVP、及びRO2センサ出力電圧変化量RDVPを算出することができない。従って、FINI=0で触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし(FINI←1)、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし(FVO2n-1←FVO2n、RVO2n-1←RVO2n)、ルーチンを抜ける。
【0090】
そして、上記ステップS5においてFINI=1で、初回判別フラグFINIのセットにより、診断条件成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9に進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0091】
ステップS9では、前回(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1から現在のFO2センサ出力電圧FVO2nを減算し、FO2センサ出力電圧変化量の絶対値FDVPを算出し(FDVP←|FVO2n-1−FVO2n|)、続くステップS10で、前回(50msec前)のRO2センサ出力電圧RVO2n-1から現在のRO2センサ出力電圧RVO2nを減算して、RO2センサ出力電圧変化量の絶対値RDVPを算出する(RDVP←|RVO2n-1−RVO2n|)。
【0092】
次いでステップS11で、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに、上記ステップS9により算出したFO2センサ出力電圧変化量絶対値FDVPを加算して該積算値FDSVPを更新し(FDSVP←FDSVP+FDVP)、続くステップS12で、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに、上記ステップS10において算出したRO2センサ出力電圧変化量絶対値RDVPを加算し、該積算値RDSVPを更新する(RDSVP←RDSVP+RDVP)。
【0093】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを、設定値TMCATと比較する。すなわち、触媒の劣化状態が上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに反映されるまで、ある程度の時間を要する。従って、この時間を上記設定値TMCATによって与える。
【0094】
そして、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを、前回のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし、ルーチンを抜ける。
【0095】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、ステップS14へ進み、ステップS14〜S23で触媒に対する劣化判定処理を行う。
【0096】
ステップS14では、上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPを、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPにより除算し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0097】
そして、ステップS15で、上記積算値比CHANTを、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定された触媒劣化判定値NGCHTと比較する。そして、CHANT<NGCHTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目の触媒劣化判定における触媒劣化を示す第1回目触媒NGフラグFCATNG1,第2回目触媒NGフラグFCATNG2をクリアする(FCATNG1←0、FCATNG2←0)。尚、このとき前記MILランプ39の点灯或いは点滅により触媒の劣化を警告中であれば、触媒の劣化なしによりMILランプ39を消灯する。
【0098】
そして、ステップS22へ進み、上記第1回目触媒NGフラグFCATNG1,第2回目触媒NGフラグFCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットする(FCATEND←1)。 従って、この場合、本暖機サイクルにおいて触媒劣化なし(触媒が正常)の触媒劣化診断結果が得られたことで、触媒劣化診断フラグFCATENDがセットされ、次回以降のルーチン実行時には、FCATEND=1によりステップS1からそのままルーチンを抜ける。これにより、1暖機サイクルにおいて、触媒に対する劣化診断結果が1回得られた時点で、触媒に対する劣化診断が終了される。
【0099】
そして、上記ステップS24〜S27を経て、それぞれ上記診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0100】
一方、上記ステップS15においてCHANT≧NGCHTで、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPFに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTが、上記触媒劣化判定値NGCHT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされ触媒劣化と判定されたときセットされる第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0101】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、該第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットして(FCATNG1←1)、上記ステップS22へ進んで、第1回目触媒NGフラグFCATNG1によるデータをモニタ用データとしてセットして、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットし(FCATEND←1)、上記ステップS24〜S27を経てルーチンを抜ける。
【0102】
また、上記ステップS18においてFCATNG1=1で、既に触媒の劣化と判断されているときには、ステップS20へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされ触媒の劣化と確定する2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットし(FCATNG2←1)、この触媒劣化の確定により、ステップS21で、警告処理を行い、具体的には上記MILランプ39を点灯或いは点滅させ、触媒が劣化したことを運転者に報知する。そして、上記ステップS22で、第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をモニタ用データとしてセットし、上記ステップS23〜S27を経てルーチンを抜ける。すなわち、2暖機サイクル連続して触媒の劣化と判定したときに、触媒の劣化と確定することで、触媒劣化診断の信頼性を向上する。
【0103】
その結果、触媒の劣化時には、MILランプ39の点灯或いは点滅により報知され、運転者は容易に触媒の劣化を知ることができる。また、ディーラ等のサービス工場でのトラブルシューティングの際に、外部接続用コネクタ55にシリアルモニタ60を接続することで、シリアルモニタ60によってECU40における第1回目触媒NGフラグFCATNG1,第2回目触媒NGフラグFCATNG2によるトラブルデータを読み出して、触媒の劣化を的確に判断することができる。
【0104】
そして、触媒コンバータ21,22の少なくとも一方を交換後、上記シリアルモニタ60により上記触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアする。尚、本実施の形態においては、触媒コンバータの交換後、シリアルモニタ60にて上記触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアしなくても、上記触媒劣化診断ルーチンのステップS13において、CHANT<NGCHTとなり、各触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2はクリアされる。
【0105】
また、本実施の形態においては、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RVSDPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出し、この積算値比CHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較することで触媒の劣化を診断しているが、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPを触媒の劣化と見なし得る比率値と比較することで触媒の劣化を診断するようにしてもよい。この場合には、上記比率値は、上記触媒劣化判定値NGCHTに対し、1/NGCHTにより設定され、FDSVP/RDSVP≦1/NGCHTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0106】
以上のように、触媒劣化診断条件の成立時に、所定時間毎にFO2センサ30の出力電圧変化量の絶対値の積算値FDSVPと、RO2センサ31の出力電圧変化量の絶対値の積算値RDSVPとを各々算出し、この積算値比CHANTを所定値としての触媒劣化判定値NGCHTと比較して触媒の劣化を診断するので、各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2をスライスレベルと比較して各出力電圧FVO2,RVO2の反転回数を求めることなく、触媒の劣化を診断することができる。
【0107】
従って、触媒の劣化に伴うFO2センサ30とRO2センサ31との出力電圧波形の差を、簡易且つ確実に捕捉することが可能となり、簡単に触媒の劣化診断を行うことができ、触媒に対する劣化診断精度を向上することが可能となる。また、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPとRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPとの比CHANTを、触媒劣化判定値NGCHTと比較して触媒の劣化を診断するため、先行例のようにエンジン運転状態毎にスライスレベルを設定することなく実現でき、設計開発段階でのマッチング工数を大幅に減少することが可能となる。
【0108】
さらに、触媒の劣化診断に際して、空燃比を強制的に変動させることなく実現でき、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく触媒の劣化診断を行うことができる。
【0109】
次に、図9〜図12に基づいて、実施の第2形態を説明する。
【0110】
本実施の形態においては、各O2センサ30、31の劣化に伴い該O2センサ30,31の出力電圧特性が変化した場合であっても、正確に触媒の劣化診断を行うことを可能としたものである。
【0111】
すなわち、図9(a)に示すように、O2センサ30,31が劣化していないときには、空燃比のリッチ,リーンの切り換わりに伴う各O2センサ30,31の出力電圧FVO2,RVO2の振幅が大きいが、O2センサ30,31が劣化するに従い、図9(b)に示すように、各O2センサ30,31の出力電圧FVO2,RVO2が相対的に低下して振幅が小さくなる、いわゆる電圧劣化が生じる。
【0112】
ここで、FO2センサ30,RO2センサ31が共に電圧劣化を生じていない場合、或いは両O2センサ30,31の電圧劣化の度合いが等しい場合には、問題ないが、例えば、FO2センサ30が電圧劣化を生じておらず、RO2センサ31のみ出力電圧RVO2が相対的に低下する電圧劣化を生じた場合、RO2センサ出力電圧RVO2の振幅の減少に伴って上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが減少し、その結果、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、触媒劣化診断値としてのFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)が減少してしまい、この積算値比CHANTと触媒劣化判定値NGCHTとの比較によって、触媒が劣化しているにも係わらず、CHANT<NGCHTとなって、触媒が劣化してしないと誤診断する虞がある。
【0113】
また逆に、RO2センサ31が電圧劣化を生じておらず、FO2センサ30のみ出力電圧FVO2が相対的に低下する電圧劣化を生じた場合、FO2センサ出力電圧FVO2の振幅の減少に伴ってFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少し、その結果、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、上記積算値比CHANT(=RDSVP/FDSVP)が増加してしまい、この積算値比CHANTと触媒劣化判定値NGCHTとの比較によって、触媒が劣化していないにも係わらず、CHANT≧NGCHTとなり、触媒が劣化していると誤診断する虞がある。尚、これらの触媒劣化と各O2センサ30,31の電圧劣化とによる各積算値FDSVP,RDSVP、及び積算値比CHANTの大小関係、並びに触媒劣化診断結果の可否、及びその整合性についての関係を図10の図表に示す。
【0114】
従って、各O2センサ30,31の電圧劣化の進行度合いに応じて、各O2センサ出力電圧読込み値を補正する必要がある。
【0115】
このため、本実施の形態では、診断条件の成立時、触媒劣化診断を行うに際し、先ず、ダブルO2センサシステムによる空燃比フィードバック補正係数設定ルーチン等において算出されている周知の各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2の極大値と極小値との差、すなわち極大極小値(Peak to Peak値;以下「P−P値」と略記する)FVPP,RVPPを読み出す。ここで、上記各P−P値FVPP,RVPPは、それぞれO2センサ30,31の出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する毎に算出され、それぞれ現在の各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2の実際の振幅を表す。
【0116】
そして、基準値として予めROM42にメモりされている各O2センサ30,31が電圧劣化を生じていないときに対応する基準P−P値BVPPを、それぞれ各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2の現在の実際の振幅に相当する上記各P−P値FVPP,RVPPにより除算することで、FO2センサ出力電圧補正係数FKVP,RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを算出し(FKVP←BVPP/FVPP,RKVP←BVPP/RVPP)、これら各補正係数FKVP,RKVPによって各々O2センサ出力電圧読込み値FVO2,RVO2を補正してFO2センサ補正出力電圧FKVO2,RO2センサ補正出力電圧RKVO2を算出する。
【0117】
そして、この補正後の各補正出力電圧FKVO2,RKVO2を用い、上記実施の第1形態と同様に、それぞれFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPを得る。
【0118】
すなわち、O2センサ30,31の電圧劣化が進行するに従って、各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2の振幅すなわちP−P値FVPP,RVPPが減少することに着目し、このP−P値FVPP,RVPPと電圧劣化なしに相当する基準P−P値BVPPとの比率によって、各O2センサ出力電圧読込み値FVO2,RVO2を補正することで、各O2センサ30,31に電圧劣化が生じても、電圧劣化なしに相当する出力電圧値を算出することが可能となる。そして、この値に基づいて各積算値FDSVP,RDSVPを算出することで、各O2センサ30,31の少なくとも一方が電圧劣化を生じても、適正に触媒の劣化を診断することが可能となる。
【0120】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の第1形態の図4に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図11の触媒劣化診断ルーチン、及び、図12に示すO2センサ出力電圧劣化補正ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの後半については、上記実施の第1形態の図5のルーチンをそのまま採用する。また、上記実施の第1形態の触媒劣化診断ルーチンと同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0121】
図11に示す触媒劣化診断ルーチンは、上記実施の第1形態と同様に、所定時間(例えば、50msec)毎に実行され、先ず、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、触媒劣化診断が終了しているか否かを判断し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0122】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、上記実施の第1形態と同様に、図5のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0123】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS201へ進み、図12に示すO2センサ出力電圧劣化補正ルーチンを実行し、各O2センサ30,31の電圧劣化に応じて各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2を補正する。
【0124】
このO2センサ出力電圧劣化補正ルーチンについて説明すると、ステップS31,S32で、それぞれ図示しない空燃比フィードバック補正係数設定ルーチン等において算出されている周知の所定周期における各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2のP−P値FVPP,RVPPを読み出す。
【0125】
次いで、ステップS33へ進み、基準値として予めROM42の所定アドレスにメモリされているO2センサ30,31が電圧劣化を生じていないときに対応する基準P−P値BVPPを読み出し、ステップS33,S34で、それぞれこの基準P−P値BVPPを上記各P−P値FVPP,RVPPにより除算してFO2センサ出力電圧補正係数FKVP,RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを算出する(FKVP←BVPP/FVPP、RKVP←BVPP/RVPP)。
【0126】
続くステップS35では、現在のFO2センサ出力電圧FVO2を読み込み、このFO2センサ出力電圧FVO2に上記FO2センサ出力電圧補正係数FKVPを乗算することでFO2センサ30の電圧劣化を補償し、FO2センサ補正出力電圧FKVO2nを算出する(FKVO2n←FVO2×FKVP)。そして、ステップS36で、現在のRO2センサ出力電圧RVO2を読み込み、このRO2センサ出力電圧RVO2に上記RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを乗算することでRO2センサ31の電圧劣化を補償し、RO2センサ補正出力電圧RKVO2nを算出する(RKVO2n←RVO2×RKVP)。
【0127】
そして、O2センサ出力電圧劣化補正ルーチンの終了により、触媒劣化診断ルーチン(図11参照)のステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照する。
【0128】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS202,S203で、それぞれ上記O2センサ電圧劣化補正ルーチンのステップS35,S36において算出した今回のFO2センサ補正出力電圧FKVO2n,RO2センサ補正出力電圧RKVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ補正出力電圧FKVO2n-1,RO2センサ補正出力電圧RKVO2n-1とし(FKVO2n-1←FKVO2n、RKVO2n-1←RKVO2n)、ルーチンを抜ける。
【0129】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS204へ進み、ステップS204〜S12の処理により各O2センサ補正出力電圧FKVO2,RKVO2に基づいて各々積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0130】
すなわち、ステップS204では、前回(50msec前)のFO2センサ補正出力電圧FKVO2n-1から上記O2センサ出力電圧劣化補正ルーチンのステップS35において算出した今回のFO2センサ補正出力電圧FKVO2nを減算して、この減算値の絶対値をFO2センサ出力電圧変化量FDVPとし(FDVP←|FKVO2n-1−FKVO2n|)、続くステップS205で、前回(50msec前)のRO2センサ補正出力電圧RKVO2n-1から今回算出したRO2センサ補正出力電圧RKVO2nを減算して、この減算値の絶対値をRO2センサ出力電圧変化量RDVPとする(RDVP←|RKVO2n-1−RKVO2n|)。
【0131】
次いでステップS11,S12で、それぞれFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに、上記FO2センサ出力電圧変化量FDVP,RO2センサ出力電圧変化量RDVPを加算して、各々積算値FDSVP,RDSVPを更新し(FDSVP←FDSVP+FDVP、RDSVP←RDSVP+RDVP)、ステップS13で、上記診断時間カウント値MTMCATを、設定値TMCATと比較する。
【0132】
そして、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS202,S203を経て、それぞれ今回のFO2センサ補正出力電圧FKVO2n,RO2センサ補正出力電圧RKVO2nを、前回のFO2センサ補正出力電圧FKVO2n-1,RO2センサ補正出力電圧RKVO2n-1とし、ルーチンを抜ける。
【0133】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、上記実施の第1形態と同様に、図5のステップS14へ進み、ステップS14〜S23で、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出し(CHANT←RDSVP/FDSVP)、この積算値比CHANTを、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定された触媒劣化判定値NGCHTと比較して触媒に対する劣化判定処理を行った後、上記ステップS24〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0134】
尚、ここで、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPを触媒の劣化と見なし得る比率値と比較することで触媒の劣化を診断するようにしてもよい。この場合には、上記比率値は、1/NGCHTにより設定され、FDSVP/RDSVP≦1/NGCHTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0135】
以上のように、本実施の形態では、各O2センサ30,31の電圧劣化の進行に伴い減少する出力電圧FVO2,RVO2の振幅を表す現在のP−P値FVPP,RVPPと、各O2センサ30,31が電圧劣化を生じていないときに対応する基準P−P値BVPPとの比率によって各O2センサ出力電圧補正係数FKVP,RKVPを算出し、この各補正係数FKVP,RKVPによって各々O2センサ出力電圧FVO2,RVO2を補正することで、各O2センサ30,31の電圧劣化を補償して電圧劣化なしに相当する各補正出力電圧FKVO2,RKVO2を算出する。すなわち、各O2センサ30,31の電圧劣化の進行度合いに応じて、各O2センサ出力電圧読込み値FVO2,RVO2が補正され、この補正出力電圧FKVO2,RKVO2に基づいて各積算値FDSVP,RDSVPを算出し、これらの積算値の比CHANTに基づいて触媒の劣化を診断するので、例えば、FO2センサ30が電圧劣化を生じておらず、RO2センサ31のみ出力電圧RVO2が相対的に低下する電圧劣化を生じた場合であっても、RO2センサ出力電圧RVO2が電圧劣化に応じて補正され、電圧劣化なしに相当する補正出力電圧RKVO2によってRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが算出されるため、RO2センサ31の電圧劣化によりRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが減少することが補償され、従って、RO2センサ31のみ電圧劣化が生じても、触媒が劣化しているにも係わらず劣化していないと誤診断することはなくなる。
【0136】
また、RO2センサ31が電圧劣化を生じておらず、FO2センサ30のみ出力電圧FVO2が相対的に低下する電圧劣化を生じた場合でも、FO2センサ出力電圧FVO2が電圧劣化に応じて補正され、電圧劣化なしに相当する補正出力電圧FKVO2によってFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが算出されるため、FO2センサ30の電圧劣化に起因してFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少することが補償され、従って、FO2センサ30のみ電圧劣化が生じても、触媒が劣化していないにも係わらず劣化していると誤診断することはなくなる。
【0137】
すなわち、本実施の形態においては、FO2センサ30とRO2センサ31との少なくとも一方が電圧劣化を生じても、これに伴う触媒劣化の誤診断を確実に防止することが可能となり、触媒に対する劣化診断精度をより向上させることが可能となる。
【0138】
次に、図13〜図16に基づいて、実施の第3形態を説明する。
【0139】
上記実施の第2形態においては、各P−P値FVPP,RVPPと基準P−P値BVPPとの比率による出力電圧補正係数FKVP,RKVPによって、各々O2センサ出力電圧FVO2,RVO2を補正してO2センサ補正出力電圧FKVO2,RKVO2を算出し、この各O2センサ補正出力電圧FKVO2,RKVO2を積算することで、各O2センサ30,31の電圧劣化を補償するのに対し、本実施の形態では、各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2に対しては補正を行わず、最終パラメータとしての各積算値FDSVP,RDSVPに対して補正を行い、上記実施の第2形態と同様に、各O2センサ30、31の劣化に伴い該O2センサ30,31の出力電圧特性が変化した場合であっても、正確に触媒の劣化診断を行うことを可能としたものである。
【0140】
すなわち、本実施の形態では、診断条件の成立時に、所定時間毎に各P−P値FVPP,RVPPを各々積算すると共に、各O2センサ出力電圧変化量の絶対値を各々積算する。そして、各P−P値FVPP,RVPPを各々積算したP−P積算値FSVPP,RSVPPに基づいて診断条件成立下における各O2センサ30,31の平均P−P値FAVPP,RAVPPを算出し、各平均P−P値FAVPP,RAVPPと、基準値として予めROM42にメモりされている各O2センサ30,31が電圧劣化を生じていないときに対応する基準P−P値BVPPとに基づいてFO2センサ出力電圧補正係数FKVP,RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを算出する。そして、これら各補正係数FKVP,RKVPによって各々O2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RDSVPを補正し、この補正後のFO2センサ補正出力電圧変化量積算値FKDSVPとRO2センサ補正出力電圧変化量積算値RKDSVPとの比CHANTを算出して、この積算値の比CHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較することで、触媒の劣化を診断する。
【0142】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の各形態の触媒劣化診断ルーチン、及び上記実施の第2形態の図12に示すO2センサ出力電圧劣化補正ルーチンに代えて、図13〜図14の触媒劣化診断ルーチン、図15に示すP−P値積算ルーチン、及び図16に示すO2センサ電圧劣化補正ルーチンを採用する。尚、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0143】
図13に示す触媒劣化診断ルーチンは、上記各実施の形態と同様に、所定時間(例えば、50msec)毎に実行され、先ずステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、触媒劣化診断が終了しているか否かを判断し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0144】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、ステップS24(図14参照)へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアし、ステップS304,S305で、それぞれ各P−P値FVPP,RVPPを各々積算したP−P積算値FSVPP,RSVPPをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0145】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップして、続くステップS301で、図15に示すP−P値積算ルーチンを実行し、各々P−P値FVPP,RVPPを積算する。
【0146】
このP−P値積算ルーチンについて説明すると、ステップS41,S42で、それぞれ図示しない空燃比フィードバック補正係数設定ルーチン等において算出されている周知の所定周期における各O2センサ出力電圧FVO2,RVO2のP−P値FVPP,RVPPを読み出す。
【0147】
次いで、ステップS43へ進み、ステップS43,S44で、それぞれP−P積算値FSVPP,RSVPPに上記P−P値FVPP,RVPPを加算して、該P−P値FVPP,RVPPを積算する(FSVPP←FSVPP+FVPP、RSVPP←RSVPP+RVPP)。
【0148】
そして、P−P値積算ルーチンの終了により、触媒劣化診断ルーチン(図13参照)のステップS5へ進み、初回判別フラグFINIを参照する。
【0149】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし(FVO2n-1←FVO2n、RVO2n-1←RVO2n)、ルーチンを抜ける。
【0150】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0151】
ステップS9,S10では、それぞれ前回の各O2センサ出力電圧FVO2n-1,RVO2n-1から現在の各O2センサ出力電圧FVO2n,RVO2nを各々減算して、FO2センサ出力電圧変化量絶対値FDVP,RO2センサ出力電圧変化量絶対値RDVPを算出する(FDVP←|FVO2n-1−FVO2n|、RDVP←|RVO2n-1−RVO2n|)。
【0152】
次いでステップS11,S12で、各O2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RDSVPに、それぞれ上記各O2センサ出力電圧変化量絶対値FDVP,RDVPを加算して各々積算値FDSVP,RDSVPを更新する(FDSVP←FDSVP+FDVP、RDSVP←RDSVP+RDVP)。
【0153】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較する。そして、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0154】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、ステップS302へ進み、図16に示すO2センサ電圧劣化補正ルーチンを実行して、各O2センサ30,31の電圧劣化に応じて上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPをそれぞれ補正する。
【0155】
このO2センサ電圧劣化補正ルーチンについて説明すると、ステップS51,S52で、それぞれ上記FO2センサP−P積算値FSVPP,RO2センサP−P積算値RSVPPを、上記診断時間カウント値MTMCATにより除算して各O2センサ30,31の平均P−P値FAVPP,RAVPPを算出する(FAVPP←FSVPP/MTMCAT、RAVPP←RSVPP/MTMCAT)。
【0156】
ここで、上記診断時間カウント値MTMCATは、診断条件の成立時に本ルーチンの実行毎にカウントアップされ、且つこのとき、各P−P値FVPP,RVPPが読み出されて、これらP−P値FVPP,RVPPが積算される。従って、上記診断時間カウント値MTMCATはP−P値FVPP,RVPPのサンプリング回数を表し、上記各P−P積算値FSVPP,RSVPPを該診断時間カウント値MTMCATにより除算することで、それぞれFO2センサ30の平均P−P値FAVPP及びRO2センサ31の平均P−P値RAVPPを得ることができる。
【0157】
そして、ステップS53へ進み、基準値として予めROM42の所定アドレスにメモりされているO2センサ30,31が電圧劣化を生じていないときに対応する基準P−P値BVPPを読み出し、ステップS53,S54で、それぞれこの基準P−P値BVPPを上記各平均P−P値FAVPP,RAVPPにより除算してFO2センサ出力電圧補正係数FKVP,RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを算出する(FKVP←BVPP/FAVPP、RKVP←BVPP/RAVPP)。
【0158】
次いでステップS55で、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに、上記FO2センサ出力電圧補正係数FKVPを乗算してFO2センサ補正出力電圧変化量積算値FKDSVPを算出することで、FO2センサ30の電圧劣化による積算値FDSVPの減少分を補償し(FKDSVP←FDSVP×FKVP)、続くステップS56で、上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに、上記RO2センサ出力電圧補正係数RKVPを乗算してRO2センサ補正出力電圧変化量積算値RKDSVPを算出することで、RO2センサ31の電圧劣化による積算値RDSVPの減少分を補償する(RKDSVP←RDSVP×RKVP)。
【0159】
そして、以上のO2センサ電圧劣化補正ルーチンの終了により、触媒劣化診断ルーチン(図13参照)のステップS303へ進み、上記RO2センサ補正出力電圧変化量積算値RKDSVPを、FO2センサ補正出力電圧変化量積算値FKDSVPにより除算し、FO2センサ補正出力電圧変化量積算値FKDSVPに対するRO2センサ補正出力電圧変化量積算値RKDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RKDSVP/FKDSVP)。
【0160】
そして、ステップS15〜S23で、この積算値比CHANTを、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定された触媒劣化判定値NGCHTと比較して触媒に対する劣化判定処理を行った後、上記ステップS24〜S305を経て、ルーチンを抜ける。
【0161】
尚、ここで、RO2センサ補正出力電圧変化量積算値RKDSVPに対するFO2センサ補正出力電圧変化量積算値FKDSVPの比FKDSVP/RKDSVPを算出し、この積算値比FKDSVP/RKDSVPを触媒の劣化と見なし得る比率値と比較することで触媒の劣化を診断するようにしてもよい。この場合には、上記比率値は、1/NGCHTにより設定され、FKDSVP/RKDSVP≦1/NGCHTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0162】
以上のように、本実施の形態では、各O2センサ30,31の電圧劣化の進行に伴い減少する出力電圧FVO2,RVO2の振幅を表す現在の各O2センサ30,31のP−P値FVPP,RVPPを各々積算し、このP−P積算値FSVPP,RSVPPを診断時間カウント値MTMCATにより除算して平均P−P値FAVPP,RAVPPを算出し、この平均P−P値FAVPP,RAVPPと、各O2センサの劣化なしに対応する基準P−P値BVPPとの比によって求めたFO2センサ出力電圧補正係数FKVP,RO2センサ出力電圧補正係数RKVPにより、各々O2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP,RDSVPを補正することで、O2センサ30,31の電圧劣化に伴う各積算値FDSVP,RDSVPの減少分を補償する。
【0163】
すなわち、本実施の形態においては、各P−P値FVPP,RVPPを直接用いず、これを平均化した平均P−P値FAVPP,RAVPPに基づいて各O2センサ出力電圧補正係数FKVP,RKVPを算出するので、P−P値FVPP,RVPPの一時的な変動の影響を受けることなく上記平均P−P値FAVPP,RAVPPによって的確に各O2センサ30,31の電圧劣化の度合いが捕捉され、又、この平均P−P値FAVPP,RAVPPによる補正係数FKVP,RKVPによって各々積算値FDSVP,RDSVPを補正するため、FO2センサ30とRO2センサ31との少なくとも一方が電圧劣化を生じ、この電圧劣化に起因して積算値FDSVP,RDSVPが減少しても、これを的確に補償して、触媒劣化の誤診断を確実に防止することができ、上記実施の第2形態に対し、触媒に対する劣化診断精度を更に向上させることが可能となる。
【0164】
次に、図17〜図19に基づいて、本発明の実施の第4形態を説明する。
【0165】
本実施の形態においては、FO2センサ30の劣化に伴い該FO2センサ30の応答特性が変化した場合には、触媒劣化診断を中止することで、誤診断を防止する。
【0166】
すなわち、図17(a)に示すように、O2センサ30,31が劣化していないときには、空燃比のリッチ,リーンの切り換わりに伴い各O2センサ30,31が直ちに応答するため、各O2センサ30,31の出力電圧FVO2,RVO2のリッチからリーン、或いはリーンからリッチへの切換わり周期、すなわち応答周期が短いが、O2センサ30,31が劣化するに従い、各O2センサ30,31の応答性が悪化する、いわゆる応答劣化を生じる。
【0167】
ここで、ダブルO2センサシステムにおける空燃比制御は、基本的にFO2センサ30の出力電圧FVO2とスライスレベルとの比較結果に応じて比例積分制御(PI制御)により空燃比フィードバック補正係数を設定し、この空燃比フィードバック補正係数によって燃料噴射量を補正することで、空燃比を補正している。そして、RO2センサ31の出力電圧RVO2とスライスレベルとの比較結果に応じて上記比例積分制御の制御定数に対する修正を行うようにしている。
【0168】
従って、FO2センサ30に応答劣化が生じると、空燃比フィードバック制御における制御周期が相対的に長くなり、図17(b)に示すように、FO2センサ30の出力電圧FVO2のリッチからリーン、或いはリーンからリッチへの切換わり周期が相対的に長くなる。
【0169】
その結果、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少すると共に、空燃比フィードバック制御周期が長くなることによる空燃比制御性の悪化によって、空燃比のリッチ,リーンの変化幅が大きくなり、触媒のストレージ効果(触媒のウインド幅)を超えて排気ガスが吹き抜けてしまい、RO2センサ31の出力電圧RVO2の振幅が大きくなり、上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが増加してしまう。
【0170】
このため、FO2センサ30に応答劣化が生じると、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、図18に示すように、触媒劣化診断値としてのFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)が増加してしまい、この積算値比CHANTと触媒劣化判定値NGCHTとの比較によって、触媒が劣化していないにも係わらず、同図に斜線で示す誤診断領域において、CHANT≧NGCHTとなって、触媒が劣化していると誤診断する虞がある。
【0171】
尚、図18における横軸は、FO2センサ30の応答劣化の度合いを示すFO2センサ応答劣化診断値O2RTM(単位;msec)であり、本実施の形態においては、直接採用しない。このFO2センサ応答劣化診断値O2RTMは、詳しくは後述の実施の第5形態において記述するが、所定の条件成立時に(空燃比フィードバック制御中、且つ、空燃比がリッチ或いはリーンに張り付いていない等)、FO2センサ30の出力電圧FVO2のリーン→リッチ応答時間、及びリーン→リッチ応答時間に基づいて算出される時間値であり、この時間値が長いほど、FO2センサ30の応答劣化が進行したことを表す。
【0172】
本実施の形態においては、FO2センサ30に応答劣化が生じると上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少することに着目し、診断条件の成立時、触媒劣化診断を行うに際し、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPを、FO2センサ30が応答劣化を生じていると見なし得る応答劣化判定値FSVCANと比較することで、FO2センサ30の応答劣化を判断する。
【0173】
そして、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが応答劣化判定値FSVCAN以下の時、FO2センサ30に応答劣化が生じている(FO2センサ応答劣化あり)と判断して、触媒劣化診断を中止し、FO2センサ30の応答劣化に起因する触媒劣化診断の誤診断を防止する。
【0175】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の第1形態の図4に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図19に示す触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの後半については、上記実施の第1形態の図5のルーチンをそのまま採用する。また、上記実施の第1形態の触媒劣化診断ルーチンと同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0176】
図19に示す触媒劣化診断ルーチンは、上記実施の第1形態と同様に、所定時間(例えば、50msec)毎に実行され、先ず、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、触媒劣化診断が終了しているか否かを判断し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0177】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、実施の第1形態と同様に、図5のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0178】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照する。
【0179】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1としてルーチンを抜ける。
【0180】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0181】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較する。そして、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0182】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、ステップS401へ進み、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPを、FO2センサ30に応答劣化が生じていると見なし得る積算値として予め設定された応答劣化判定値FSVCANと比較する。
【0183】
上記応答劣化判定値FSVCANは、予めシミュレーション或いは実験等により、FO2センサ30が応答劣化を生じているときの上記設定値TMTCATにより定まる設定時間におけるFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPを求め、この積算値を応答劣化判定値FSVCANとして設定し、ROM42の所定アドレスに固定データとしてメモリされているものである。
【0184】
従って、上記積算値FDSVPを、応答劣化判定値FSVCANと比較することで、上記積算値FDSVPが応答劣化判定値FSVCAN以下の時、FO2センサ30に応答劣化が生じていると判断することができる。
【0185】
尚、上述の図18に示すように、上記応答劣化判定値FSVCANは、触媒の劣化なしの状態において、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)が触媒劣化判定値NGCHTとの比較によって、CHANT≧NGCHTとなる斜線で示す誤診断領域に掛かる前に、触媒の劣化診断を中止する値に設定される。
【0186】
そして、FDSVP≦FSVCANで、FO2センサ30が応答劣化しているときには、触媒劣化診断を中止して、上記ステップS24(図5参照)へジャンプし、上記ステップS24〜S27を経て、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0187】
一方、上記ステップS401で、FDSVP>FSVCANのときには、FO2センサ30に応答劣化が生じていないと判断し、上記実施の第1形態と同様に、図5のステップS14へ進み、ステップS14〜S23で、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出し(CHANT←RDSVP/FDSVP)、この積算値比CHANTを、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定された触媒劣化判定値NGCHTと比較して触媒に対する劣化判定処理を行った後、上記ステップS24〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0188】
尚、ここで、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPを触媒の劣化と見なし得る比率値と比較することで触媒の劣化を診断するようにしてもよい。この場合には、上記比率値は、1/NGCHTにより設定され、FDSVP/RDSVP≦1/NGCHTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0189】
以上のように、本実施の形態では、診断条件の成立時、所定時間毎にFO2センサ30の出力電圧FVO2の変化量の絶対値を積算したFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPを、予め設定されたFO2センサが応答劣化を生じたと見なし得る応答劣化判定値FSVCANと比較して、FO2センサ30の応答劣化を判断するので、容易にFO2センサ30の応答劣化を判断することができ、また、このとき、強制的に空燃比を変動させることなくFO2センサ30の応答劣化を判断することができ、この場合においても、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく実現できる。
【0190】
そして、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが応答劣化判定値FSVCAN以下の時、FO2センサ30に応答劣化が生じていると判断し、触媒に対する劣化診断を中止するので、FO2センサ30の応答劣化に起因して、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少すると共にRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが増加し、触媒劣化診断値としてのFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)が増加することにより、触媒が劣化していないにも係わらず触媒が劣化していると誤診断することが、未然に防止される。
【0191】
すなわち、本実施の形態においては、FO2センサ30の応答劣化による触媒劣化診断の誤診断を未然に防止することが可能となり、触媒に対する劣化診断精度をより向上させることが可能となる。
【0192】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態におけるFO2センサ30の応答劣化時の触媒劣化診断中止処理を組み込むことで、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化に伴う誤診断をも確実に防止することが可能となり、触媒に対する劣化診断精度をさらに向上することが可能となる。
【0193】
ここで、上記実施の第2形態に、本実施の形態における触媒劣化診断中止処理を組み込む場合には、本形態のステップS401による処理を、図11のステップS13と図5のステップS14との間に挿入し、FDSVP≦FSVCANのとき、ステップS24へジャンプし、FDSVP>FSVCANのとき、ステップS14へ進むようにする。
【0194】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態における触媒劣化診断中止処理を組み込む場合には、本形態のステップS401による処理を、図13のステップS13と、ステップS302との間に挿入し、FDSVP≦FSVCANのとき、図14のステップS24へジャンプし、FDSVP>FSVCANのとき、ステップS302へ進むようにする。
【0195】
次に、本発明の実施の第5形態を図20〜図26に基づいて説明する。
【0196】
上記実施の第4形態においては、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPを、予め設定されたFO2センサが応答劣化を生じたと見なし得る応答劣化判定値FSVCANと比較し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが応答劣化判定値FSVCAN以下の時、FO2センサ30に応答劣化が生じていると判断して、触媒に対する劣化診断を中止するのに対し、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化を補償し、触媒劣化診断を中止することなく実現可能としたものである。
【0197】
すなわち、本実施の形態においては、FO2センサ30の出力電圧FVO2がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるFO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを採用し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって補正することで、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比CHANTの増加を補償する。そして、この補正後の積算値比KCHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較して、触媒の劣化を診断する。
【0198】
すなわち、本実施の形態においては、前記ECU40は、請求項1記載の発明に係るフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、補正係数算出手段、積算値比補正手段、診断手段としての機能を実現する。
【0199】
具体的には、本実施の形態では、図20〜図23に示すFO2センサ応答劣化診断ルーチンによって上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを算出し、また、上記実施の第1形態の図5に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図24の触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの前半については、上記実施の第1形態の図4のルーチンをそのまま採用する。また、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0200】
先ず、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを得るためのFO2センサ応答劣化診断ルーチンについて説明する。
【0201】
図20〜図23に示すFO2センサ応答劣化診断ルーチンは、システムイニシャライズ後、所定時間(例えば、10msec)毎に実行され、先ずステップS101で、FO2センサ応答劣化診断終了フラグF02ENDを参照し、FO2センサ30に対する応答劣化診断が終了しているか否かを判断する。
【0202】
すなわち、本実施の形態においては、エンジンを始動してエンジン暖機完了状態となり、暖機完了状態でエンジンを運転して、イグニッションスイッチ52のOFFによりエンジンを停止するまでの間、すなわち1暖機サイクルにおいてFO2センサ30に対する応答劣化診断結果が1回得られた時点で、上記FO2センサ応答劣化診断終了フラグFO2ENDがセットされ、この暖機サイクルでのFO2センサ応答劣化診断は終了する。
【0203】
従って、上記ステップS101で、FO2END=1の時には、本暖機サイクルにおいて既にFO2センサ30に対する応答劣化診断結果が得られており、このときは、そのままルーチンを抜ける。
【0204】
一方、FCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だFO2センサ30に対する応答劣化診断が終了していないときにはステップS102へ進み、所定の条件によりFO2センサ応答劣化診断条件が成立するか否かを判断する。
【0205】
この診断条件として、具体的には、FO2センサ30が活性状態で、空燃比フィードバック制御がクローズループ制御中であり、且つ空燃比フィードバック補正係数LAMBDAがクランプ中でなく、且つ、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの平均値が許容範囲にあり(例えば、0.93≦LAMBDA≦1.125)空燃比がリッチ或いはリーンに張り付いておらず、更に、失火が検出されていないとき、すなわち、空燃比フィードバック制御によって空燃比がストイキオ(理論空燃比)を中心としてリッチとリーンとを交互に繰り返し、確実にFO2センサ出力電圧FVO2が振幅していると判断されるとき、診断条件成立と判断する。
【0206】
すなわち、FO2センサ30の非活性時には、FO2センサ30の出力電圧FVO2が得られず、FO2センサ30の応答劣化を診断することができない。また、空燃比オープンループ制御時には、空燃比がストイキオ(理論空燃比)外のリッチ或いはリーンに制御されている場合があり、また、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAがクランプ中の時には、FO2センサ30の出力電圧FVO2が振幅せず、従って、このときにもFO2センサ出力電圧FVO2に基づいてFO2センサ30の応答劣化を診断することができない。更に、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの平均値が許容範囲外のときには、空燃比がリッチ或いはリーンに張り付いており、同様に、FO2センサ出力電圧FVO2に基づいてFO2センサ30の応答劣化を診断することができない。また、失火時には、オーバリーンによってFO2センサ30の出力電圧FVO2が異常値を示し、このときにも、FO2センサ30の応答劣化診断を行うと誤診断を生じる。
【0207】
従って、上記ステップS102において診断条件の非成立時には、ステップS103へ進み、FO2センサ応答劣化診断に係る各計数値が初期設定(クリア)されていることを示す初期設定フラグFO2INIを参照し、F02INI=1で各計数値がクリアされているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0208】
また、FO2INI=0でFO2センサ応答劣化診断に係る各計数値がクリアされていないときには、ステップS103からステップS104へ進み、診断条件非成立の継続時間をカウントする診断条件非成立継続時間カウント値TMOCANをカウントアップし(TMOCAN←TMOCAN+1)、ステップS105で、診断条件非成立継続時間カウントTMOCANを設定値TOCAN(例えば、10sec相当値)と比較する。
【0209】
そして、TMOCAN<TOCANで診断条件非成立の継続時間が上記設定値TOCANによる設定時間に達していないときには、そのままルーチンを抜け、TMOCAN≧TOCANで、診断条件非成立の継続時間が設定時間に達したとき、ステップS106へ進み、ステップS106〜S112で、リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間最大値O2LRMX,リーン→リッチ応答時間積算値SGLRTM,FO2センサ出力電圧FVO2によるリーン→リッチの切換わり回数をカウントするリーン→リッチ回数カウント値CTLR,リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間最大値O2RLMX,リッチ→リーン応答時間積算値SGRLTM,リッチ→リーンの切換わり回数をカウントするリッチ→リーン回数カウント値CTRL,FO2センサ応答劣化診断の診断時間を計時する診断時間計測用カウント値TMO2RSをそれぞれクリアし、これら各計数値のクリアによりステップS113で、上記初期設定フラグFO2INIをセットして、ルーチンを抜ける。
【0210】
すなわち、診断条件非成立の継続時間が設定時間(本形態においては、10sec)に達するまでは、診断条件の成立時にそれぞれ計数された値を保持することで、診断条件の一時的な非成立であっても各計数値を有効として、FO2センサ応答劣化診断に要する時間を短縮し、また、診断条件非成立の持続時間が設定時間に達したとき、各計数値を無効とすることで、各計数値の信頼性を向上する。
【0211】
一方、上記ステップS102で診断条件の成立時には、ステップS114へ進み、ステップS114〜S116で、FO2センサ応答劣化診断の終了条件を判断する。
【0212】
すなわち、ステップS114で、診断条件成立の継続時間すなわちFO2センサ30に対する応答劣化診断時間を計時する診断時間計測用カウント値TMO2RSを設定値TO2RES(例えば、20sec相当値)と比較して、TMO2RS≧TO2RESで診断時間が上記設定値TO2RESによる設定時間に達したとき、或いは、ステップS115で、FO2センサ出力電圧FVO2によるリーン→リッチの切換わり回数をカウントするリーン→リッチ回数カウント値CTLRを設定値CNTLR(例えば、15回)と比較して、CTLR≧CNTLRでFO2センサ出力電圧FVO2によるリーン→リッチの切換わり回数が上記設定値CNTLRにより定まる設定回数に達したとき、或いは、ステップS116で、FO2センサ出力電圧FVO2によるリッチ→リーンの切換わり回数をカウントするリッチ→リーン回数カウント値CTRLを設定値CNTRL(例えば、15回)と比較して、CTRL≧CNTRLでFO2センサ出力電圧FVO2によるリッチ→リーンの切換わり回数が上記設定値CNTRLにより定まる設定回数に達したとき、診断条件成立と判断して、ステップS159(図23参照)へ進み、ステップS159以下の処理によってFO2センサ30に対する応答劣化診断結果を得ると共に、FO2センサ30の応答劣化の度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを算出する。
【0213】
一方、上記ステップS114〜S116において、TMO2RS<TO2RESで診断時間が設定時間(本形態では、20sec)に達しておらず、且つ、CTLR<CNTLRでFO2センサ出力電圧FVO2によるリッチ→リーンの切換わり回数が設定回数(15回)に達しておらず、且つ、CTRL<CNTRLでリッチ→リーンの切換わり回数が設定回数(15回)に達していないとき、FO2センサ応答劣化診断の終了条件の非成立と判断して、ステップS117へ進む。
【0214】
そして、ステップS117,S118で、それぞれ上記初期設定フラグFO2INI,診断条件非成立継続時間カウントTMOCANをクリアし、上述の診断条件非成立への移行へ備える。
【0215】
次いで、ステップS119〜S121で、リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTM,リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTM,上記診断時間計測用カウント値TMO2RSをそれぞれカウントアップする。
【0216】
上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMは、図25に示すように、FO2センサ出力電圧FVO2が下降してスライスレベルSLLを横切り、リーン空燃比を検出し、その後リッチ空燃比を検出して、FO2センサ出力電圧FVO2が再び下降してスライスレベルSLLを横切るまでの時間を計時するためのものであり、FO2センサ出力電圧FVO2のリーン→リッチ1周期における応答遅れ時間を表す。また、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMは、同図に示すように、FO2センサ出力電圧FVO2が上昇してスライスレベルSLHを横切り、リッチ空燃比を検出し、その後リーン空燃比を検出して、FO2センサ出力電圧FVO2が再び上昇してスライスレベルSLHを横切るまでの時間を計時するためのものであり、FO2センサ出力電圧FVO2のリッチ→リーン1周期の応答遅れ時間を表す。
【0217】
その後、図21のステップS122へ進み、空燃比検出状態判別フラグFRを参照する。この空燃比検出状態判別フラグFRは、前回の空燃比検出がリッチ空燃比検出かリーン空燃比検出かを判断するためのものであり、今回の空燃比検出に反映させる。
【0218】
すなわち、FR=1で、前回ルーチン実行時にリッチ空燃比が検出されているときには、ステップS123へ進み、現在のFO2センサ出力電圧FVO2をリーン判定用スライスレベルSLLと比較することで、リーン空燃比検出に反転したか否かを判断する。
【0219】
ここで、上記リーン判定用スライスレベルSLLは、FO2センサ出力電圧FVO2による最新のP−P値FVPP及び極小値FVPLにより次式によって設定される。
【0220】
SLL←FVPP×KL+FVPL KL;係数
尚、図25に示す後述のリッチ判定用スライスレベルSLHは、FO2センサ出力電圧FVO2がリーン空燃比検出からリッチ空燃比検出に移行したことを判断するためのものである。また、リッチ側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSHは、FO2センサ出力電圧が該スライスレベルO2DGHSHを交差したとき、後述のリッチ側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFRLHISをセットするためのものである。そして、この交差判別フラグFRLHISと、リーン空燃比検出からリッチ空燃比検出に移行したときセットされる後述のリッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFとが共にセット状態で、FO2センサ出力電圧FVO2がリッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHに対し、FVO2≧O2DGSLHの状態から該リッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHと交差してFVO2<O2DGSLHに変化した時点(図25の時間t1,t7)で、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMにより計測されたリッチ→リーン応答時間をリッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMに積算する。
【0221】
また、図25に示す後述のリーン側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSLは、FO2センサ出力電圧が該スライスレベルO2DGHSLを交差したとき、後述のリーン側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFLRHISをセットするためのものである。そして、この交差判別フラグFLRHISと、リッチ空燃比検出からリーン空燃比検出に移行したときセットされる後述のリーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFとが共にセット状態で、FO2センサ出力電圧FVO2がリーン側診断用スライスレベルO2DGSLLに対し、FVO2<O2DGSLLの状態から該リーン側診断用スライスレベルO2DGSLLと交差してFVO2≧O2DGSLLに変化した時点(図25の時間t4)で、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMにより計測されたリーン→リッチ応答時間をリーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMに積算する。
【0222】
従って、上記各スライスレベルO2DGHSH,O2DGSLH,SLH,O2DGSLL,O2DGHSLは、それぞれ次式によって設定され、
O2DGHSH←FVPP×KSH+FVPL KSH;係数
O2DGSLH←FVPP×KLH+FVPL KLH;係数
SLH←FVPP×KH+FVPL KH;係数
O2DGSLL←FVPP×KLL+FVPL KLL;係数
O2DGHSL←FVPP×KSL+FVPL KSL;係数
上記各係数が、KSH>KLH>KH>KL>KLL>KSLに設定されることで、図25に示すように、各スライスレベルの大小関係が、O2DGHSH>O2DGSLH>SLH>SLL>O2DGSLL>O2DGHSLに設定される。
【0223】
そして、上記ステップS123において、FVO2<SLLのとき(図25の時間t2,t8)、FO2センサ出力電圧FVO2が下降して上記リーン判定用スライスレベルSLLを横切り、リッチ空燃比検出からリーン空燃比検出に移行したと判断して、ステップS124へ進み、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMをクリアし、FO2センサ出力電圧FVO2のリーン→リッチ1周期における応答遅れ時間の計測に備える。
【0224】
続くステップS125では、FO2センサ出力電圧FVO2が上記リーン判定用スライスレベルSLLを交差した後、リーン側診断用スライスレベルO2DGSLLに対しFVO2<O2DGSLLからFVO2≧O2DGSLLに変化して、該リーン側診断用スライスレベルO2DGSLLと交差したかを判断する(図25の時間t4における状態を判断する)ためのリーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFをセットする。そして更に、ステップS126で、リッチ側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFRLHISをクリアして、次回のリッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMに対する積算時点の検出に備え、ステップS127で、リーン空燃比検出への移行により空燃比検出状態判別フラグFRをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0225】
そして、上記空燃比検出状態判別フラグFRがクリア(FR=0)されたことで、次回のルーチン実行時に診断条件が成立していれば、上記ステップS122から図22のステップS128へ進む。
【0226】
ステップS128では、現在のFO2センサ出力電圧FVO2をリッチ判定用スライスレベルSLHと比較することで、リーン空燃比検出からリッチ空燃比検出に反転したか否かを判断する。
【0227】
そして、FVO2<SLHでリーン空燃比検出状態が継続しているときには、ステップS129へ進み、上記リーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFを参照する。そして、このときには、上述のようにリーン空燃比検出への移行に伴って上記リーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFがセットされているため(FLRBF=1)、ステップS130へ進み、リーン側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFLRHISを参照し、FLRHIS=0でリーン空燃比検出に移行後、FO2センサ出力電圧FVO2が下降過程において、未だ上記リーン側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSLを横切っていないときには、ステップS131へ進み、該FO2センサ出力電圧FVO2をリーン側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSLと比較する。
【0228】
そして、FVO2≧O2DGHSLのときには(図25の時間t2〜t3,t8〜t9の間に相当する)、そのままルーチンを抜け、一方、FVO2<O2DGHSLでFO2センサ出力電圧FVO2がリーン側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSLを交差したとき(図25の時間t3,t9)、ステップS132へ進み、上記リーン側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFLRHISをセットして、ルーチンを抜ける。
【0229】
この交差判別フラグFLRHISと上記リーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFとが共にセット状態となったことで、次回以降のルーチン実行時には、上記ステップS130からステップS133へ進み、FO2センサ出力電圧FVO2をリーン側診断用スライスレベルO2DGSLLと比較し、FVO2<O2DGSLLのときには(図25の時間t3〜t4の間に相当する)、そのままルーチンを抜ける。
【0230】
やがて、FO2センサ出力電圧FVO2が下降から上昇に転じ、その上昇過程において、上記ステップS133でFVO2≧O2DGSLLになると、すなわち、上記各交差判別フラグFLRBF,FLRHISが共にセット状態で、FO2センサ出力電圧FVO2がリーン側診断用スライスレベルO2DGSLLに対し、FVO2<O2DGSLLの状態から該リーン側診断用スライスレベルO2DGSLLと交差してFVO2≧O2DGSLLに変化した時点(図25の時間t4)で、ステップS133からステップS134へ進み、ステップS134以下の処理により上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMにより計測されたリーン→リッチ応答時間をリーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMに積算する。
【0231】
すなわち、ステップS134では、上記リーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFをクリアして次回以降の判定に備え、続くステップS135で、吸入空気量センサ25による吸入空気量QAをパラメータとしてテーブル参照により空燃比フィードバック制御によるリーン→リッチ基本遅れ時間TLR(単位;msec)を設定する。
【0232】
このリーン→リッチ基本遅れ時間TLRは、空燃比フィードバック制御によって生じるリーン→リッチの遅れ時間、すなわち、空燃比フィードバック補正においてリーン空燃比に伴い燃料噴射量を増量補正し、この増量補正された燃料噴射量の燃料が噴射されて燃焼後、この燃焼後の排気ガスがFO2センサ30に至るまでの遅れ時間であり、この遅れ時間を予め実験或いはシミュレーション等により吸入空気量QAによる運転領域毎に求めて、吸入空気量QAをパラメータとするテーブルとして設定しROM42の一連のアドレスにメモリされているものである。ステップS135中に示すように、上記リーン→リッチ基本遅れ時間TLRは、吸入空気量QAが増加するに従い漸次的に減少する。すなわち、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMからリーン→リッチ基本遅れ時間TLRを減算することで、空燃比フィードバック制御による遅れ分を排除し、FO2センサ30による真のリーン→リッチ応答時間を得ることが可能となる。
【0233】
そして、ステップS136で、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMからリーン→リッチ基本遅れ時間TLRを減算し、この減算値(O2LRTM−TLR)を上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間最大値O2LRMXと比較する。
【0234】
そして、O2LRMX≧(O2LRTM−TLR)のときには、そのままステップS138へ進み、O2LRMX<(O2LRTM−TLR)のときには、ステップS137で、上記減算値(O2LRTM−TLR)によりリーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間最大値O2LRMXを更新し(O2LRMX←O2LRTM−TLR)、ステップS138へ進む。
【0235】
続くステップS138では、上記減算値(O2LRTM−TLR)をゼロと比較し、(O2LRTM−TLR)≧0のときには、そのままステップS140へ進み、(O2LRTM−TLR)<0のときには、ステップS139で、上記減算値(O2LRTM−TLR)をゼロに設定して((O2LRTM−TLR)←0)、ステップS140へ進む。すなわち、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMによって計測されたリーン→リッチ応答時間は、基本的に空燃比フィードバック制御によるリーン→リッチ基本遅れ時間TLRよりも短くなることは通常有り得ないが、本実施の形態では、図25に示すように、上記リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2LRTMによりリーン→リッチ1周期の応答遅れ時間を計測する中途で、上記カウント値O2LRTMをリーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMに積算するため、上記減算値(O2LRTM−TLR)がマイナス値を示すときには、該減算値(O2LRTM−TLR)をゼロに設定するのである。
【0236】
そして、ステップS140で、上記減算値(O2LRTM−TLR)すなわち空燃比フィードバック補正による遅れ時間を排除したFO2センサ30のリーン→リッチ応答時間をリーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMに積算し(SGLRTM←SGLRTM+(O2LRTM−TLR))、続くステップS141で、FO2センサ出力電圧FVO2によるリーン→リッチの切換わり回数をカウントするリーン→リッチ回数カウント値CTLRをカウントアップして(CTLR←CTLR+1)、ルーチンを抜ける。
【0237】
そして、上記ステップS134においてリーン側診断用スライスレベル交差判別フラグFLRBFがクリアされたことで、次回以降のルーチン実行時には、ステップS129からそのままルーチンを抜ける(図25の時間t4〜t5の間に相当する)。
【0238】
やがて診断条件の成立下において、FO2センサ出力電圧FVO2の上昇過程において、FO2センサ出力電圧FVO2が上記リッチ判定用スライスレベルSLHを交差した時点で、上記ステップS128でFVO2≧SLHとなり(図25の時間t5)、リーン空燃比検出からリッチ空燃比検出に移行したと判断して、ステップS142へ進む。
【0239】
ステップS142では、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMをクリアし、FO2センサ出力電圧FVO2のリッチ→リーン1周期における応答遅れ時間の計測に備える。
【0240】
続くステップS143では、FO2センサ出力電圧FVO2が上記リッチ判定用スライスレベルSLHを交差した後、リッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHに対しFVO2≧O2DGSLHからFVO2<O2DGSLLに変化して、該リッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHと交差したかを判断する(図25の時間t7における状態を判断する)ためのリッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFをセットする。そして更に、ステップS144で、上記リーン側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFLRHISをクリアして、次回のリーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMに対する積算時点の検出に備え、ステップS145で、リッチ空燃比検出への移行により空燃比検出状態判別フラグFRをセットして、ルーチンを抜ける。
【0241】
そして、上記空燃比検出状態判別フラグFRがセット(FR=1)されたことで、次回のルーチン実行時に診断条件が成立していれば、上記ステップS122からステップS123へ進み(図21参照)、現在のFO2センサ出力電圧FVO2をリーン判定用スライスレベルSLLと比較する。
【0242】
そして、FVO2≧SLLでリッチ空燃比検出状態が継続しているときには、上記ステップS123からステップS146へ進み、上記リッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFを参照する。そして、このときには、上述のようにリッチ空燃比検出への移行に伴って上記リッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFがセットされているため(FRLBF=1;ステップS143参照)、ステップS147へ進み、リッチ側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFRLHISを参照し、FRLHIS=0でリッチ空燃比検出に移行後、FO2センサ出力電圧FVO2が上昇過程において、未だ上記リッチ側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSHを横切っていないときには、ステップS148へ進み、該FO2センサ出力電圧FVO2をリッチ側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSHと比較する。
【0243】
そして、FVO2<O2DGHSHのときには(図25の時間t5〜t6の間に相当する)、そのままルーチンを抜ける。一方、FVO2≧O2DGHSHでFO2センサ出力電圧FVO2がリッチ側ヒステリシス用スライスレベルO2DGHSHを交差したとき(図25の時間t6)、ステップS149へ進み、上記リッチ側ヒステリシス用スライスレベル交差判別フラグFRLHISをセットして、ルーチンを抜ける。
【0244】
この交差判別フラグFRLHISと上記リッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFとが共にセット状態となったことで、次回以降のルーチン実行時には、上記ステップS147からステップS150へ進み、FO2センサ出力電圧FVO2をリッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHと比較し、FVO2≧O2DGSLHのときには(図25の時間t6〜t7の間に相当する)、そのままルーチンを抜ける。
【0245】
やがて、FO2センサ出力電圧FVO2が上昇から下降に転じ、その下降過程において、上記ステップS150でFVO2<O2DGSLHになると、すなわち、上記各交差判別フラグFRLBF,FRLHISが共にセット状態で、FO2センサ出力電圧FVO2がリッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHに対し、FVO2≧O2DGSLHの状態から該リッチ側診断用スライスレベルO2DGSLHと交差してFVO2<O2DGSLHに変化した時点(図25の時間t7,或いは時間t1)で、ステップS150からステップS151へ進み、ステップS151以下の処理により上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMにより計測されたリッチ→リーン応答時間をリッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMに積算する。
【0246】
すなわち、ステップS151では、上記リッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFをクリアして次回以降の判定に備え、続くステップS152で、吸入空気量センサ25による吸入空気量QAをパラメータとしてテーブル参照により空燃比フィードバック制御によるリッチ→リーン基本遅れ時間TRL(単位;msec)を設定する。
【0247】
このリッチ→リーン基本遅れ時間TRLは、空燃比フィードバック制御によって生じるリッチ→リーンの遅れ時間、すなわち、空燃比フィードバック補正においてリッチ空燃比に伴い燃料噴射量を減量補正し、この減量補正された燃料噴射量の燃料が噴射されて燃焼後、この燃焼後の排気ガスがFO2センサ30に至るまでの遅れ時間であり、この遅れ時間を、予め実験或いはシミュレーション等により吸入空気量QAによる運転領域毎に求めて、吸入空気量QAをパラメータとするテーブルとして設定しROM42の一連のアドレスにメモリされているものである。ステップS152中に示すように、上記リッチ→リーン基本遅れ時間TRLは、吸入空気量QAが増加するに従い漸次的に減少する。
【0248】
すなわち、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMから上記リッチ→リーン基本遅れ時間TRLを減算することで、空燃比フィードバック制御による遅れ分を排除し、FO2センサ30による真のリッチ→リーン応答時間を得ることが可能となる。
【0249】
そして、ステップS153で、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMから上記リッチ→リーン基本遅れ時間TRLを減算し、この減算値(O2RLTM−TRL)を上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間最大値O2RLMXと比較する。
【0250】
そして、O2RLMX≧(O2RLTM−TRL)のときには、そのままステップS155へ進み、O2RLMX<(O2RLTM−TRL)のときには、ステップS154で、上記減算値(O2RLTM−TRL)によりリッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間最大値O2RLMXを更新し(O2RLMX←O2RLTM−TRL)、ステップS155へ進む。
【0251】
ステップS155では、上記減算値(O2RLTM−TRL)をゼロと比較し、(O2RLTM−TRL)≧0のときには、そのままステップS157へ進み、(O2RLTM−TRL)<0のときには、ステップS156で、上記減算値(O2RLTM−TRL)をゼロに設定して((O2RLTM−TRL)←0)、ステップS157へ進む。すなわち、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMによって計測されたリッチ→リーン応答時間は、基本的に空燃比フィードバック制御によるリッチ→リーン基本遅れ時間TRLよりも短くなることは通常有り得ないが、本実施の形態では、図25に示すように、上記リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間計測用カウント値O2RLTMによりリッチ→リーン1周期の応答遅れ時間を計測する中途で、上記カウント値O2RLTMをリッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMに積算するため、上記減算値(O2RLTM−TRL)がマイナス値を示すときには、該減算値(O2RLTM−TRL)をゼロに設定する。
【0252】
そして、ステップS157で、上記減算値(O2RLTM−TRL)すなわち空燃比フィードバック補正による遅れ時間を排除したFO2センサ30のリッチ→リーン応答時間をリッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMに積算し(SGRLTM←SGRLTM+(O2RLTM−TRL))、続くステップS158で、FO2センサ出力電圧FVO2によるリッチ→リーンの切換わり回数をカウントするリッチ→リーン回数カウント値CTRLをカウントアップして(CTRL←CTRL+1)、ルーチンを抜ける。
【0253】
そして、上記ステップS151においてリッチ側診断用スライスレベル交差判別フラグFRLBFがクリアされたことで、次回以降のルーチン実行時には、ステップS146からそのままルーチンを抜ける(図25の時間t7〜t8,t1〜t2の間に相当する)。
【0254】
以上の処理により、診断条件の成立下において、診断時間が設定時間に達したとき(TMO2RS≧TO2RES)、或いは、リーン→リッチ回数カウント値CTLRが設定値CNTLRに達したとき(CTLR≧CNTLR)、或いはリッチ→リーン回数カウント値CTRLが設定値CNTRLに達したとき(CTRL≧CNTRL)、FO2センサ応答劣化診断の終了条件が成立し、上記ステップS114〜S116(図20参照)の該当ステップから図23のステップS159へ進み、ステップS159以下の処理によって、FO2センサ30に対する応答劣化判定を行うと共に、FO2センサ30の応答劣化度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを算出する。
【0255】
すなわち、ステップS159〜S163の処理により先ずFO2センサ30によるリーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMを算出する。
【0256】
ステップS159では、上記リーン→リッチ回数カウント値CTLRを参照し、CTLR=0すなわち診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリーンからリッチへの切換わりが一度もなかったときには、ステップS160へ進み、FO2センサ応答劣化診断時間を定める上記設定値TO2RES(本形態においては、20sec)をFO2センサ30によるリーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMとする(AVLRTM←TO2RES)。
【0257】
また、上記ステップS159においてCTLR≠0のときには、ステップS161へ進み、更に上記リーン→リッチ回数カウント値CTLRが、CTLR=1か否かを判断する。
【0258】
そして、CTLR=1すなわち診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリーンからリッチへの切換わりが一度しかなかった時には、ステップS162へ進み、上記リーン→リッチ応答時間積算値SGLRTMをリーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMとする(AVLRTM←SGLRTM)。
【0259】
更に、上記ステップS161において、CTLR≠1すなわちCTLR≧2で、診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリーンからリッチへの切換わりが2回以上あったときには、ステップS163へ進み、上記リーン→リッチ応答時間積算値SGLRTM、リーン→リッチFO2センサ応答遅れ時間最大値O2LRMX、及び上記リーン→リッチ回数カウント値CTLRを用い、次式によってFO2センサ30によるリーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMを算出する。
【0260】
AVLRTM←(SGLRTM−O2LRMX)/(CTLR−1)
そして、上記リーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMの算出後、更にステップS164〜S168の処理によってFO2センサ30によるリッチ→リーン応答時間平均値AVRLTMを算出する。
【0261】
ステップS164では、上記リッチ→リーン回数カウント値CTRLを参照し、CTRL=0すなわち診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリッチからリーンへの切換わりが一度もなかったときには、ステップS165へ進み、上記設定値TO2RES(本形態においては、20sec)をFO2センサ30によるリッチ→リーン応答時間平均値AVRLTMとする(AVRLTM←TO2RES)。
【0262】
また、上記ステップS164においてCTRL≠0のときには、ステップS166へ進み、更に上記リッチ→リーン回数カウント値CTRLが、CTRL=1か否かを判断する。
【0263】
そして、CTRL=1で、診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリッチからリーンへの切換わりが一度しかなかった時には、ステップS167へ進み、上記リッチ→リーン応答時間積算値SGRLTMをリッチ→リーン応答時間平均値AVRLTMとする(AVRLTM←SGRLTM)。
【0264】
更に、上記ステップS166において、CTRL≠1すなわちCTRL≧2で、診断実行時にFO2センサ出力電圧FVO2によるリッチからリーンへの切換わりが2回以上あったときには、ステップS168へ進み、上記リッチ→リーン応答時間積算値SGRLTM、リッチ→リーンFO2センサ応答遅れ時間最大値O2RLMX、及び上記リッチ→リーン回数カウント値CTRLを用い、次式によってFO2センサ30によるリッチ→リーン応答時間平均値AVRLTMを算出する。
【0265】
AVRLTM←(SGRLTM−O2RLMX)/(CTRL−1)
上記平均化処理の終了後、ステップS169へ進み、上記リーン→リッチ応答時間平均値AVLRTMとリッチ→リーン応答時間平均値AVRLTMとを加算して合計応答時間平均値AVSUTMを算出する(AVSUTM←AVRLTM+AVLRTM)。
【0266】
そして、ステップS170で、上記合計応答時間平均値AVSUTMを、FO2センサ30が応答劣化したと見なし得る予め設定されたFO2センサ応答劣化判定値NGO2SUと比較する。そして、AVSUTM<NGO2SUのときには、FO2センサ30が応答劣化しておらず正常状態(応答劣化なし)と判断して、ステップS171へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされるFO2センサ30の応答劣化を示すFO2センサNGフラグFFO2NGをクリアする(FFO2NG←0)。
【0267】
一方、上記ステップS170においてAVSUTM≧NGO2SUで、FO2センサ30による合計応答時間平均値AVSUTMが、上記FO2センサ応答劣化判定値NGO2SU以上のときには、FO2センサ30が応答劣化した(応答劣化あり)と判断して、ステップS172へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされFO2センサ応答劣化を示すFO2センサNGフラグFFO2NGをセットして、上記MILランプ39を点灯或いは点滅させ、FO2センサ30が応答劣化したことを運転者に報知する。
【0268】
そして、FO2センサ30に対する応答劣化判定の終了後、ステップS173で、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされているFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出して、該FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと上記合計応答時間平均値AVSUTMとを平均し、この平均値によってFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを更新し(O2RTM←(O2RTM+AVSUTM)/2)、続くステップS174で、上記FO2センサ応答劣化診断終了フラグFO2ENDをセットして(FO2END←1)、ルーチンを抜ける。
【0269】
従って、本暖機サイクルにおいてFO2センサ30に対する応答劣化診断結果が得られたことで、FO2センサ応答劣化診断終了フラグFO2ENDがセットされ、次回以降のルーチン実行時には、FO2END=1により上記ステップS101からそのままルーチンを抜ける。これにより、1暖機サイクルにおいて、FO2センサ30に応答劣化診断結果が1回得られた時点で、FO2センサ30に対する応答劣化診断が終了される。
【0270】
そして、上記触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2と同様に、トラブルシューティングの際に、外部接続用コネクタ55にシリアルモニタ60を接続することで、シリアルモニタ60によってECU40における上記FO2センサNGフラグFFO2NGによるトラブルデータを読み出して、FO2センサ30の応答劣化を的確に判断することが可能となる。
【0271】
また、ここで、FO2センサ30によるリーン→リッチ応答時間と、リッチ→リーン応答時間との双方を用い、且つ、各応答時間の平均値を採用して、合計応答時間平均値AVSUTMを算出し、この合計応答時間平均値AVSUTMに基づいてFO2センサ30に対する応答劣化を判断するので、外乱等による影響を排除して確実にFO2センサ30の応答劣化を判断することができ、FO2センサ30に対する応答劣化診断の信頼性が向上されると共に、上記合計応答時間平均値AVSUTMとの平均処理によってFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを算出するので、該FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに的確にFO2センサ30の応答劣化の度合いが反映される。すなわち、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMによる時間値が長いほど、FO2センサ30の応答劣化が進行していることを表す。
【0272】
そして、以上のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを、図24に示す触媒劣化判定ルーチンにおいて参照し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって補正することで、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比CHANTの増加を補償する。
【0273】
次に、本形態の触媒劣化診断ルーチンについて説明する。
【0274】
図4の触媒劣化診断ルーチンにおいて、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0275】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、図24のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0276】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照する。
【0277】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし、ルーチンを抜ける。
【0278】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0279】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較し、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0280】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、図24のステップS14へ進み、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0281】
そして、ステップS501で、上述のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出し、続くステップS502で、該FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと、予めROM42に固定データとしてメモリされているFO2センサ応答劣化補正基準値O2RAとに基づいて、次式により上記積算値比CHANTのFO2センサ30の応答劣化による増加分を補償するための応答劣化補正係数KO2Rを算出する。
【0282】
KO2R←O2RTM/O2RA+1
上記FO2センサ応答劣化補正基準値O2RAは、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定される前記触媒劣化判定値NGCHTとの兼ね合いによって定まる固定値であり、予め実験或いはシミュレーション等によって最適値を求め、ROM42に固定データとしてメモリされるものである。
【0283】
従って、上記応答劣化補正係数KO2Rは、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長く、FO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、大きい値に設定される。
【0284】
次いで、ステップS503へ進み、上記積算値比CHANTを上記ステップS502において算出した応答劣化補正係数KO2Rによって除算して補正し、補正積算値比KCHANTを算出する(KCHANT←CHANT/KO2R)。
【0285】
ここで、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長く、FO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、上記応答劣化補正係数KO2Rが大きい値に設定されるため、この応答劣化補正係数KO2Rにより除算して算出される補正積算値比KCHANTは、小さい値となる。
【0286】
すなわち、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって補正し、補正積算値比KCHANTを得ることで、図26に実線で示す積算値比CHANTに対し、補正積算値比KCHANTは、同図に破線で示すように、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比CHANTの増加分を減少補正した値となり、FO2センサ30の応答劣化に応じて積算値比CHANTの増加分を的確に補償することが可能となる。
【0287】
そして、ステップS504で、この補正後の補正積算値比KCHANTを、上記触媒劣化判定値NGCHTと比較して、触媒の劣化を診断する。
【0288】
そして、KCHANT<NGCHTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、上記実施の第1形態と同様に、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアし、ステップS22で、上記第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットして、上記ステップS24〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0289】
一方、上記ステップS504においてKCHANT≧NGCHTで、上記補正積算値比KCHANTが触媒劣化判定値NGCHT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされ触媒劣化と判定されたときセットされる第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0290】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットして上記ステップS22〜S27を経て、ルーチンを抜ける。また、上記ステップS18においてFCATNG1=1のときには、ステップS20へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされ触媒の劣化と確定する2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットし、ステップS21で、警告処理を行い、上記ステップS22〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0291】
尚、ここで、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPに上記応答劣化補正係数KO2Rを乗算して補正し、この補正後の積算値比((FDSVP/RDSVP)×KO2R)を触媒の劣化と見なし得る比率値と比較することで触媒の劣化を診断するようにしてもよい。この場合には、上記比率値は、1/NGCHTにより設定され、(FDSVP/RDSVP)×KO2R≦1/NGCHTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0292】
以上のように、本実施の形態では、FO2センサ30の出力電圧FVO2がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるFO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを採用し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって補正することで、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比CHANTの増加を補償し、この補正後の補正積算値比KCHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較して、触媒の劣化を診断するため、上記実施の第4形態に対し、FO2センサ30に応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0293】
また、本実施の形態においても、強制的に空燃比を変動させることなくFO2センサ30の応答劣化を判断することができ、このFO2センサ30の応答劣化を補償して触媒劣化診断を行うので、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく実現できる。
【0294】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態におけるFO2センサ30の応答劣化補正処理を組み込むことで、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化をも補正して、触媒に対する劣化診断精度をより向上することが可能となる。
【0295】
ここで、上記実施の第2形態に、本実施の形態におけるFO2センサ応答劣化補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS501〜S503による処理を、図5のステップS14とステップS15との間に挿入し、ステップS15に代え、本形態のステップS504を採用する。
【0296】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態におけるFO2センサ30の応答劣化補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS501〜S503による処理を、図13のステップS303と、図14のステップS15との間に挿入し、ステップS15に代えて、本形態のステップS504を採用する。
【0297】
次に、本発明の実施の第6形態を図27〜図29に基づいて説明する。
【0298】
上記実施の第5形態においては、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を補正し、FO2センサ30の応答劣化に起因する積算値比CHANTの増加を補償し、この補正後の補正積算値比KCHANTを触媒劣化判定値NGCHTと比較して、触媒の劣化を診断するのに対し、本実施の形態では、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいてテーブル参照により触媒劣化判定値HCHANTを設定する。
【0299】
すなわち、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化に起因する積算値比CHANTの増加分に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値HCHANTを設定し、上記積算値比CHANTをこの触媒劣化判定値HCHANTと比較して触媒の劣化を診断することで、FO2センサ30の応答劣化を補償し、上記実施の第5形態と同様に、触媒劣化診断を中止することなく実現可能としたものである。
【0300】
すなわち、本実施の形態においては、前記ECU40は、請求項2記載の発明に係るフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、触媒劣化判定値設定手段、診断手段としての機能を実現する。
【0301】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の第5形態の図24に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図27の触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの前半については、上記実施の第5形態と同様、上記実施の第1形態の図4のルーチンをそのまま採用する。また、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0302】
本形態の触媒劣化診断ルーチンについて説明すると、図4の触媒劣化診断ルーチンにおいて、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0303】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、図27のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0304】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照する。
【0305】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1としてルーチンを抜ける。
【0306】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0307】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較し、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0308】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、図27のステップS14へ進み、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0309】
そして、ステップS601で、上述のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出し、続くステップS602で、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて触媒劣化判定値テーブルを補間計算付きで参照して触媒が劣化したと見なし得る比率値としての触媒劣化判定値HCHANTを設定する。
【0310】
すなわち、上記各実施の形態においては、触媒劣化判定値NGCHTは、一義的な値に設定されるが、本実施の形態では、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいてFO2センサ30の応答劣化の進行度合いに応じて触媒劣化判定値HCHANTが可変設定される。
【0311】
上記触媒劣化判定値HCHANTは、予め実験或いはシミュレーション等によりFO2センサ応答劣化診断値O2RTMによる領域毎に、FO2センサ30の応答劣化に伴う上記積算値比CHANT(=RDSVP/FDSVP)の増加分を求め、この積算値比CHANTの増加分に対応して触媒劣化と見なし得る比率値を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMをパラメータとする1次元の触媒劣化判定値テーブルとして設定し(図28参照)、ROM42の一連のアドレスにメモリされているものである。
【0312】
ここで、上記触媒劣化判定値テーブルには、FO2センサ30の応答劣化の進行に伴いFO2センサ応答劣化判定値O2RTMが増加するほど、これに伴って上記積算値比CHANTが増加するため、このFO2センサ30の応答劣化による積算値比CHANTの増加分に対応して、増大関数的な値の触媒劣化判定値HCHANTが格納されている。従って、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長く、FO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、上記触媒劣化判定値HCHANTは大きい値に設定される。
【0313】
そして、ステップS603で、上記積算値比CHANTを、上記ステップS602において設定した触媒劣化判定値HCHANTと比較することで、触媒の劣化を診断する。
【0314】
すなわち、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、図29に一点鎖線で示す一義的な値の触媒劣化判定値NGCHTと比較した場合には、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加するに従い、前述のようにFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少することで上記積算値比CHANTが増加するため、同図に斜線で示す領域(誤診断領域)において触媒が劣化していないにも係わらず、触媒が劣化していると判定する誤診断を生じる。
【0315】
これに対し、本実施の形態では、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値HCHANTを設定し、この触媒劣化判定値HCHANTは、図29に破線で示すように、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加し上記積算値比CHANTが増加するに従い、これに対応して増加されるため、FO2センサの30の応答劣化に起因して上記積算値比CHANTが増加することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することが可能となる。
【0316】
そして、上記ステップS603においてCHANT<HCHANTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアし、ステップS22で、上記第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットして、上記ステップS24〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0317】
一方、上記ステップS603においてCHANT≧HCHANTで、上記積算値比CHANTが触媒劣化判定値HCHANT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0318】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットし、また、上記ステップS18においてFCATNG1=1のときには、ステップS20へ進み、2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットして、ステップS21で、警告処理を行い、上記ステップS22〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0319】
尚、本実施の形態では、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出し、この積算値比CHANTをFO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて設定した触媒劣化判定値HCHANTと比較することで触媒の劣化を診断しているが、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPにより触媒の劣化を判断するようにしてもよい。この場合、FDSVP/RDSVP≦1/HCHANTのとき、触媒の劣化と診断する。また、1/HCHANTをFO2センサ応答劣化診断値O2RTMをパラメータとするテーブルとして設定してもよいことは勿論である。
【0320】
以上のように、本実施の形態では、FO2センサ30の出力電圧FVO2がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるFO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを採用し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいてテーブル参照により設定したFO2センサ30の応答劣化による上記積算値比CHANTの増加に対応する触媒劣化判定値HCHANTと比較して触媒の劣化を診断するので、上記実施の第5形態と同様に、FO2センサ30に応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0321】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込み、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化に伴う誤診断を防止し、触媒に対する劣化診断精度をより向上することが可能である。
【0322】
ここで、上記実施の第2形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込む場合には、本形態のステップS601,S602による処理を、図5のステップS14とステップS15との間に挿入し、ステップS15に代え、本形態のステップS603を採用する。
【0323】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込む場合には、本形態のステップS601,S602による処理を、図13のステップS303と、図14のステップS15との間に挿入し、ステップS15に代えて、本形態のステップS603を採用する。
【0324】
次に、本発明の実施の第7形態を図30及び図31に基づいて説明する。
【0325】
上記実施の第5形態においては、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を補正し、FO2センサ30の応答劣化に起因する積算値比CHANTの増加を補償し、この補正後の補正積算値比KCHANTを一義的な値の触媒劣化判定値NGCHTと比較して、触媒の劣化を診断するのに対し、本実施の形態では、上記積算値比CHANTに対しては補正を行わず、上記補正係数KO2Rによって予め設定された上記触媒劣化判定値NGCHTを補正して補正触媒劣化判定値SCHANTを算出する(SCHANT←NGCHT×KO2R)。すなわち、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比の増加分に対応して触媒劣化判定値NGCHTを補正し、上記積算値比CHANTを補正触媒劣化判定値SCHANTと比較して触媒の劣化を診断することで、FO2センサ30の応答劣化を補償し、上記実施の第5形態と同様に、触媒劣化診断を中止することなく実現可能としたものである。
【0326】
すなわち、本実施の形態においては、前記ECU40は、請求項3記載の発明に係るフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、補正係数算出手段、触媒劣化判定値補正手段、診断手段としての機能を実現する。
【0327】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の第5形態の図24に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図30の触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの前半については、上記実施の第5形態と同様、上記実施の第1形態の図4のルーチンをそのまま採用する。また、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0328】
本形態の触媒劣化診断ルーチンについて説明すると、図4の触媒劣化診断ルーチンにおいて、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0329】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、図30のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0330】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS5で、初回判別フラグFINIを参照する。
【0331】
そして、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし、ルーチンを抜ける。
【0332】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0333】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較し、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0334】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、図30のステップS14へ進み、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0335】
そして、ステップS501で、上述のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出し、続くステップS502で、該FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと、予めROM42に固定データとしてメモりされているFO2センサ応答劣化補正基準値O2RAとに基づいて応答劣化補正係数KO2Rを算出する(KO2R←O2RTM/O2RA+1)。
【0336】
本形態における上記FO2センサ応答劣化補正基準値O2RAは、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定される前記触媒劣化判定値NGCHTとの兼ね合いによって定まる固定値であり、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表す上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて、一義的な値の上記触媒劣化判定値NGCHTをFO2センサ30の応答劣化による積算値比CHANTの増加分に対応して補償するに適正な応答劣化補正係数KO2Rを得る最適値を、予め実験或いはシミュレーション等によって求め、ROM42に固定データとしてメモりされるものである。
【0337】
従って、上記応答劣化補正係数KO2Rは、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長く、FO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、大きい値に設定される。
【0338】
次いで、ステップS701へ進み、予め設定されている一義的な値の上記触媒劣化判定値NGCHTに、上記ステップS502において算出した応答劣化補正係数KO2Rを乗算して、該触媒劣化判定値NGCHTを補正し、補正触媒劣化判定値SCHANTを算出する(SCHANT←NGCHT×KO2R)。
【0339】
ここで、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出された応答劣化補正係数KO2Rにより、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いに応じて触媒劣化判定値NGCHTが増加補正される。上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長く、FO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、上記応答劣化補正係数KO2Rが大きい値に設定されるため、この応答劣化補正係数KO2Rによって上記触媒劣化判定値NGCHTが増加補正され、補正触媒劣化判定値SCHANTは、大きい値となる。
【0340】
すなわち、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化の進行に伴いFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加するほど、これに伴って上記積算値比CHANTが増加するため、このFO2センサ30の応答劣化による積算値比CHANTの増加分に対応して、上記応答劣化補正係数KO2Rにより触媒劣化判定値NGCHTを増加補正するのである。
【0341】
そして、ステップS702で、上記積算値比CHANTを、上記ステップS701において算出した補正触媒劣化判定値SCHANTと比較することで、触媒の劣化を診断する。
【0342】
ここで、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、図31に一点鎖線で示す一義的な値の触媒劣化判定値NGCHTと比較した場合には、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加するに従い、前述のようにFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少することで上記積算値比CHANTが増加するため、同図に斜線で示す領域(誤診断領域)において触媒が劣化していないにも係わらず、触媒が劣化していると判定する誤診断を生じる。
【0343】
これに対し、本実施の形態では、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて設定した応答劣化補正係数KO2Rにより触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値NGCHTを補正し、補正触媒劣化判定値SCHANT(=NGCHT×KO2R)を算出する。この補正触媒劣化判定値SCHANTは、図31に破線で示すように、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加し上記積算値比CHANTが増加するに従い、これに対応して増加されるため、FO2センサの30の応答劣化に起因して上記積算値比CHANTが増加することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することが可能となる。
【0344】
そして、上記ステップS702においてCHANT<SCHANTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアし、ステップS22で、上記第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットして、上記ステップS24〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0345】
一方、上記ステップS702においてCHANT≧SCHANTで、上記積算値比CHANTが補正触媒劣化判定値SCHANT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0346】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットし、また、上記ステップS18においてFCATNG1=1のときには、ステップS20へ進み、2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットして、ステップS21で、警告処理を行い、上記ステップS22〜S27を経て、ルーチンを抜ける。
【0347】
尚、本実施の形態では、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出し、この積算値比CHANTを補正触媒劣化判定値SCHANTと比較することで触媒の劣化を診断しているが、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPにより触媒の劣化を判断するようにしてもよい。この場合、FDSVP/RDSVP≦1/SCHANTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0348】
以上のように、本実施の形態では、FO2センサ30の出力電圧FVO2がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるFO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMを採用し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を、予め設定された触媒劣化判定値NGCHTを上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて算出した補正係数KO2Rによって補正したFO2センサ30の応答劣化による上記積算値比CHANTの増加に対応する補正触媒劣化判定値SCHANTと比較して触媒の劣化を診断するので、上記実施の第5形態と同様に、FO2センサ30に応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0349】
また、上記実施の第6形態に対し、触媒劣化判定値HCHANTを設定するための触媒劣化判定値テーブルを必要としないため、触媒劣化診断処理に係るメモリ(ROM42)の使用容量を低減することが可能となる。
【0350】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込み、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化に伴う誤診断を防止することが可能である。
【0351】
上記実施の第2形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS501,S502,S701による処理を、図5のステップS14とステップS15との間に挿入し、ステップS15に代え、本形態のステップS702を採用する。
【0352】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS501,S502,S701による処理を、図13のステップS303と、図14のステップS15との間に挿入し、ステップS15に代えて、本形態のステップS702を採用する。
【0353】
次に、本発明の実施の第8形態を図32〜図36に基づいて説明する。
【0354】
上記実施の第6形態においては、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMのみをパラメータとして一次元の触媒劣化判定値テーブルを検索し触媒劣化判定値HCHANTを設定するのに対し、本実施の形態では、診断条件の成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出し、該エンジン負荷平均値と上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMとに基づいてテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する。
【0355】
上述のように、ダブルO2センサシステムによる空燃比制御においては、基本的にFO2センサ30の出力電圧FVO2とスライスレベルとの比較結果に応じて比例積分制御(PI制御)により空燃比フィードバック補正係数を設定し、この空燃比フィードバック補正係数によって燃料噴射量を補正することで、空燃比を補正している。そして、RO2センサ31の出力電圧RVO2とスライスレベルとの比較結果に応じて上記比例積分制御の制御定数に対する修正を行うようにしている。
【0356】
このため、FO2センサ30に応答劣化が生じると、空燃比フィードバック制御における制御周期が相対的に長くなり、上記実施の第4形態における図17に示すように、FO2センサ30の出力電圧FVO2のリッチからリーン、或いはリーンからリッチへの切換わり周期が相対的に長くなる。
【0357】
その結果、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPが減少すると共に、空燃比フィードバック制御周期が長くなることによる空燃比制御性の悪化によって、空燃比のリッチ,リーンの変化幅が大きくなり、触媒のストレージ効果(触媒のウインド幅)を超えて排気ガスが吹き抜けてしまい、RO2センサ31の出力電圧RVO2の振幅が大きくなり、上記RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPが増加してしまう。
【0358】
ここで、排気ガス流量はエンジン負荷に比例し、エンジン負荷が増加するに伴い、触媒のストレージ効果を超えた排気ガスの吹き抜け量が増加する。
【0359】
従って、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、エンジン負荷が増加するほど、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの増加割合が増し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)は、図32に破線で示す低負荷走行時に対し、実線で示す高負荷走行時のように、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行し、且つ、エンジン負荷が大きいほど、大きい値となる。
【0360】
このため、図32に2点鎖線で示すように、低負荷走行時に対応して上記触媒劣化判定値HCHANTを設定すると、高負荷走行時において、触媒が劣化していないにも係わらず、上記積算値比CHANTと触媒劣化判定値HCHANTとの比較によって、同図に斜線で示す誤診断領域において、CHANT≧HCHANTとなって、触媒が劣化していると誤診断する虞がある。
【0361】
また、高負荷走行時に対応して上記触媒劣化判定値HCHANTを設定すると、低負荷走行時において、上記積算値比CHANTと触媒劣化判定値HCHANTとの間隔が大きくなり過ぎ、触媒が劣化しても、積算値比CHANTが触媒劣化判定値HCHANTに到達せず、触媒が劣化していないと誤診断する虞が生じる。 すなわち、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMのみをパラメータとして触媒の劣化を判定するための劣化判定値HCHANTを設定した場合には、触媒劣化診断精度の向上に限界がある。
【0362】
従って、本実施の形態においては、エンジン負荷の一例として排気ガス流量と一義的な関係にある吸入空気量QAを用い、診断条件の成立時における吸入空気量QAの平均値すなわち平均吸入空気量CATAVQを算出し、該平均吸入空気量CATAVQと上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMとに基づいてテーブル参照により触媒劣化判定値HCHANTを設定する。すなわち、FO2センサ30の応答劣化およびエンジン負荷に応じて変化する上記積算値比CHANTに対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値HCHANTを設定し、上記積算値比CHANTを該触媒劣化判定値HCHANTと比較して触媒の劣化を診断することで、FO2センサ30に応答劣化が生じたり、診断時においてエンジン負荷が相違しても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0363】
すなわち、本実施の形態においては、前記ECU40は、請求項4記載の発明に係るフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、エンジン負荷平均値算出手段、触媒劣化判定値設定手段、診断手段としての機能を実現する。
【0364】
具体的には、本実施の形態では、図33〜図34に示す触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0365】
図33〜図34に示す触媒劣化診断ルーチンは、上記実施の各形態と同様に、システムイニシャライズ後、所定時間(例えば、50msec)毎に実行され、先ずステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0366】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、図34のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、及び、初回判別フラグFINIをクリアし、更にステップS806で、診断条件成立時において吸入空気量QAを積算した吸入空気量積算値SQAをクリアして(SQA←0)、ルーチンを抜ける。
【0367】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、ステップS801で、吸入空気量センサ25による吸入空気量QAを積算する(SQA←SQA+QA)。
【0368】
そして、ステップS5で、初回判別フラグFINIを参照し、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1としてルーチンを抜ける。
【0369】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0370】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較し、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7,S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0371】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、図34のステップS14へ進み、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0372】
そして、ステップS802で、上述のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出し、続くステップS803で、上記ステップS801において積算した吸入空気量積算値SQAを、上記診断時間カウント値MTMCATにより除算して診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQを算出する(CATAVQ←SQA/MTMCAT)。
【0373】
ここで、上記診断時間カウント値MTMCATは、診断条件の成立時に本ルーチンの実行毎にカウントアップされ、且つこのとき、上記吸入空気量QAが吸入空気量積算値SQAに積算される。従って、上記診断時間カウント値MTMCATは吸入空気量QAのサンプリング回数を表し、上記吸入空気量積算値SQAを該診断時間カウント値MTMCATにより除算することで、診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQを得ることができる。
【0374】
そして、ステップS804へ進み、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTM及び平均吸入空気量CATAVQに基づいて触媒劣化判定値テーブルを補間計算付きで参照して触媒が劣化したと見なし得る比率値としての触媒劣化判定値HCHANTを設定する。
【0375】
この触媒劣化判定値HCHANTは、予め実験或いはシミュレーション等によりFO2センサ応答劣化診断値O2RTMと診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQとによる領域毎に、FO2センサ30の応答劣化および吸入空気量の増加に伴う上記積算値比CHANT(=RDSVP/FDSVP)の増加分を求め、この積算値比CHANTの増加分に対応して触媒劣化と見なし得る比率値を、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTM及び平均吸入空気量CATAVQをパラメータとする2次元の触媒劣化判定値テーブルとして設定し(図35参照)、ROM42の一連のアドレスにメモリされているものである。
【0376】
ここで、上記触媒劣化判定値テーブルには、FO2センサ30の応答劣化の進行に伴いFO2センサ応答劣化判定値O2RTMが増加し、且つ、吸入空気量が増加するほど、これに伴って上記積算値比CHANTが増加するため、このFO2センサ30の応答劣化および吸入空気量の増加による積算値比CHANTの増加分に対応して、増大関数的な値の触媒劣化判定値HCHANTが格納されている。従って、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行し、且つ、上記平均吸入空気量CATAVQが増加するほど、上記触媒劣化判定値HCHANTは大きい値に設定される。
【0377】
そして、ステップS805で、上記積算値比CHANTを、上記ステップS804において設定した触媒劣化判定値HCHANTと比較することで、触媒の劣化を診断する。
【0378】
ここで、上述のように、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、エンジン負荷が増加するほど、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの増加割合が増し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)は、図36に破線で示す低負荷走行時に対し、同図に実線で示す高負荷走行時のように、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行し、且つ、エンジン負荷が大きいほど、大きい値となる。
【0379】
これに対応して、本実施の形態では、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQとに基づいて触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値HCHANTを設定する。そして、この触媒劣化判定値HCHANTは、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加し上記積算値比CHANTが増加するに従い、これに対応して増加され、且つ、平均吸入空気量CATAVQすなわちエンジン負荷が増大し、図36に破線で示す低負荷走行時の積算値比CHANTに対して、同図に実線で示すように高負荷走行時の積算値比CHANTが増加すると、これに伴って、同図に2点鎖線で示す低負荷走行時対応の状態から一点鎖線で示す高負荷走行時対応の状態に増加設定される。
【0380】
従って、触媒の劣化度合いが同一状態の下では、図36に示すように、エンジン負荷の相違に係わらず上記積算値比CHANTと触媒劣化判定値HCHANTとの間隔Aが略同一となり、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違しても、誤診断を生じることなく、常に正確に触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0381】
すなわち、FO2センサ30の応答劣化の進行度合い、及びエンジン負荷に応じて変化する積算値比CHANTに対し、このFO2センサ30の応答劣化およびエンジン負荷による積算値CHANTの変化に対応して的確に触媒劣化判定値HCHANTを設定することが可能となる。従って、FO2センサ30に応答劣化が生じたり、診断時においてエンジン負荷が相違しても正確な触媒劣化診断結果を得ることができ、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMのみをパラメータとして触媒劣化判定値HCHANTを設定する上記実施の第6形態に対し、更に触媒劣化診断精度を向上することが可能となる。
【0382】
そして、上記ステップS805においてCHANT<HCHANTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアし、ステップS22で、上記第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットして、上記ステップS24〜S27,S806を経て、ルーチンを抜ける。
【0383】
一方、上記ステップS805においてCHANT≧HCHANTで、上記積算値比CHANTが触媒劣化判定値HCHANT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0384】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットし、また、上記ステップS18においてFCATNG1=1のときには、ステップS20へ進み、2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットして、ステップS21で、警告処理を行い、上記ステップS22〜S27,S806を経て、ルーチンを抜ける。
【0385】
尚、本実施の形態では、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出し、この積算値比CHANTをFO2センサ応答劣化診断値O2RTM及び診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQに基づいて設定した触媒劣化判定値HCHANTと比較することで触媒の劣化を診断しているが、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPにより触媒の劣化を判断するようにしてもよい。この場合、FDSVP/RDSVP≦1/HCHANTのとき、触媒の劣化と診断する。また、1/HCHANTをFO2センサ応答劣化診断値O2RTMと平均吸入空気量CATAVQとをパラメータとするテーブルとして設定してもよいことは勿論である。
【0386】
また、本実施の形態では、エンジン負荷の一例として吸入空気量を用いているが、本発明はこれに限定されず、エンジン負荷を表すものであれば良く、吸入空気量に代えて、スロットル開度、スロットル弁下流の吸気管圧力、或いは、上記吸入空気量QAとエンジン回転数NEとにより算出され基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tp(=K×QA/NE;Kはインジェクタ特性補正定数)等を用いるようにしてもよい。
【0387】
以上のように、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMと共に、診断条件成立時におけるエンジン負荷平均値として平均吸入空気量CATAVQを採用し、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと平均吸入空気量CATAVQとに基づいてテーブル参照により触媒劣化判定値HCHANTを設定するため、FO2センサ30の応答劣化およびエンジン負荷の相違による上記積算値比CHANTの変化に対応して的確な触媒劣化判定値HCHANTを設定することが可能となり、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を上記触媒劣化判定値HCHANTと比較することで、FO2センサの30の応答劣化に起因して上記積算値比CHANTが増加することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することができるのは勿論のこと、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違して上記積算値比CHANTが変化することによる誤診断をも確実に防止することが可能となる。
【0388】
従って、上記実施の各形態に対し、本形態では、触媒劣化診断可能領域をより拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく更に精度の高い触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0389】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込み、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化及びエンジン負荷の相違に伴う誤診断を防止し、触媒に対する劣化診断精度を更により向上することが可能である。
【0390】
ここで、上記実施の第2形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込む場合には、本形態のステップS801による処理を、図11のステップS4とステップS5との間に挿入し、また、本形態のステップS802〜S804による処理を、図5のステップS14とステップS15との間に挿入し、ステップS15に代え、本形態のステップS805を採用し、更に、本形態のステップS806を図5のステップS24以降に挿入する。
【0391】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値設定処理を組み込む場合には、本形態のステップS801による処理を、図13のステップS4とステップS5との間に挿入し、また、本形態のステップS802〜S804による処理を、図13のステップS303と、図14のステップS15との間に挿入し、ステップS15に代えて、本形態のステップS805を採用し、更に、本形態のステップS806を図14のステップS24以降に挿入する。
【0392】
次に、本発明の実施の第9形態を、図37及び図38に基づいて説明する。
【0393】
上記実施の第8形態においては、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMと共に、診断条件成立時におけるエンジン負荷平均値として平均吸入空気量CATAVQを採用し、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと平均吸入空気量CATAVQとに基づいてテーブル参照により触媒劣化判定値HCHANTを設定しているが、本実施の形態においては、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと上記平均吸入空気量CATAVQとに基づいて算出した補正係数KO2Rによって、予め設定された前記触媒劣化判定値NGCHTを補正して補正触媒劣化判定値SCHANTを算出する(SCHANT←NGCHT×KO2R)。すなわち、FO2センサ30の応答劣化に起因する上記積算値比の増加分、及び触媒劣化診断時のエンジン負荷の相違による上記積算値の変化分に対応して触媒劣化判定値NGCHTを補正し、上記積算値比CHANTを補正触媒劣化判定値SCHANTと比較して触媒の劣化を診断することで、上記実施の第8形態と同様に、FO2センサ30に応答劣化が生じたり、診断時においてエンジン負荷が相違しても正確な触媒劣化診断結果を得る。
【0394】
すなわち、本実施の形態においては、前記ECU40は、請求項5記載の発明に係るフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、エンジン負荷平均値算出手段、補正係数算出手段、触媒劣化判定値補正手段、診断手段としての機能を実現する。
【0395】
具体的には、本実施の形態では、上記実施の第8形態の図34に示す触媒劣化診断ルーチンに代えて、図37の触媒劣化診断ルーチンを採用する。尚、触媒劣化診断ルーチンの前半については、上記実施の第8形態の図33のルーチンをそのまま採用する。また、上記各実施の形態と同一のステップについては、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0396】
本形態の触媒劣化診断ルーチンについて説明すると、図33の触媒劣化診断ルーチンにおいて、ステップS1で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDを参照し、FCATEND=1で既に本暖機サイクルにおいて触媒の劣化診断結果が得られているときには、そのままルーチンを抜ける。
【0397】
また、上記ステップS1においてFCATEND=0で、本暖機サイクルにおいて未だ触媒の劣化診断が終了していないときにはステップS2へ進み、ステップS2,S3で、運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断し、診断許可条件の非成立時、或いは診断中止条件の成立時には、図37のステップS24へジャンプして、ステップS24〜S27,S806で、それぞれ診断時間カウント値MTMCAT、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVP、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVP、初回判別フラグFINI、及び吸入空気量積算値SQAをクリアして、ルーチンを抜ける。
【0398】
一方、ステップS2で診断許可条件が成立し、且つステップS3で診断中止条件の非成立時には、ステップS4へ進み、診断時間カウント値MTMCATをカウントアップし、続くステップS801で、吸入空気量積算値SQAに吸入空気量QAを積算する。
【0399】
そして、ステップS5で、初回判別フラグFINIを参照し、FINI=0の触媒劣化診断の初回ルーチン実行時には、ステップS6へ進み、初回判別フラグFINIをセットし、次回に備えステップS7,S8で、それぞれ現在のFO2センサ30,RO2センサ31の出力電圧FVO2n,RVO2nを読込み、この読込み値FVO2n,RVO2nを、前回すなわち本ルーチンの実行周期により定まる所定時間前(50msec前)のFO2センサ出力電圧FVO2n-1,RO2センサ出力電圧RVO2n-1とし、ルーチンを抜ける。
【0400】
また、上記ステップS5においてFINI=1で、診断条件が成立中での2回目以降のルーチン実行時には、ステップS5からステップS9へ進み、ステップS9〜S12の処理により各積算値FDSVP,RDSVPを算出する。
【0401】
その後、ステップS13へ進み、上記診断時間カウント値MTMCATを設定値TMCATと比較し、MTMCAT<TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達していないときには、上記ステップS7、S8を経て、ルーチンを抜ける。
【0402】
一方、上記ステップS13においてMTMCAT≧TMCATで、診断条件の成立下において触媒劣化診断の開始後、診断時間が上記設定値TMCATにより定まる設定時間に達したとき、すなわち、エンジン運転状態が予め設定された診断領域に設定時間以上係属したとき、図37のステップS14へ進み、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANTを算出する(CHANT←RDSVP/FDSVP)。
【0403】
そして、ステップS802で、上述のFO2センサ応答劣化診断ルーチンによりバックアップRAM44にストアされた上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMを読み出し、続くステップS803で、上記ステップS801において積算した吸入空気量積算値SQAを、上記診断時間カウント値MTMCATにより除算して診断条件成立時における平均吸入空気量CATAVQを算出する(CATAVQ←SQA/MTMCAT)。
【0404】
そして、ステップS901へ進み、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTM、平均吸入空気量CATAVQ、予めROM42に固定データとしてメモりされているFO2センサ応答劣化補正基準値O2RA及びエンジン負荷補正基準値O2RBとに基づいて応答劣化補正係数KO2Rを算出する(KO2R←(O2RTM×CATAVQ)/(O2RA×O2RB)+1)。
【0405】
本形態における上記FO2センサ応答劣化補正基準値O2RAは、触媒が劣化したと見なし得る比率値として予め設定される前記触媒劣化判定値NGCHTとの兼ね合いによって定まる固定値であり、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表す上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMに基づいて、一義的な値の上記触媒劣化判定値NGCHTをFO2センサ30の応答劣化による積算値比CHANTの増加分に対応して補償するに適正な応答劣化補正係数KO2Rを得る最適値を、予め実験或いはシミュレーション等によって求め、ROM42に固定データとしてメモりされるものである。
【0406】
また、上記エンジン負荷補正基準値O2RBは、触媒劣化診断時におけるエンジン負荷平均値の一例としての上記平均吸入空気量CATAVQに基づいて、一義的な値の上記触媒劣化判定値NGCHTを触媒劣化診断時のエンジン負荷の相違による積算値比CHANTの変化分に対応して、これを補償するに適正な応答劣化補正係数KO2Rを得る最適値を、予め実験或いはシミュレーション等によって求め、ROM42に固定データとしてメモりされるものである。
【0407】
従って、上記応答劣化補正係数KO2Rは、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行し、且つ、上記平均吸入空気量CATAVQが増加するほど、大きい値に設定される。
【0408】
次いで、ステップS902へ進み、予め設定されている一義的な値の上記触媒劣化判定値NGCHTに、上記ステップS901において算出した応答劣化補正係数KO2Rを乗算して、該触媒劣化判定値NGCHTを補正し、補正触媒劣化判定値SCHANTを算出する(SCHANT←NGCHT×KO2R)。
【0409】
ここで、上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTM及び平均吸入空気量CATAVQに基づいて算出された応答劣化補正係数KO2Rにより、FO2センサ30の応答劣化の進行度合い、及び触媒劣化診断時のエンジン負荷に対応して触媒劣化判定値NGCHTが補正される。上記FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行しているほど、且つ、平均吸入空気量CATAVQが高く触媒劣化診断時にエンジン負荷が高いほど、上記応答劣化補正係数KO2Rが大きい値に設定されるため、この応答劣化補正係数KO2Rによって上記触媒劣化判定値NGCHTが、FO2センサ30の応答劣化の進行、及びエンジン負荷の増大に伴い増加補正され、補正触媒劣化判定値SCHANTは、大きい値となる。
【0410】
すなわち、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化の進行に伴いFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加するほど、且つ、触媒劣化診断時においてエンジン負荷が高負荷であるほど、これに伴って上記積算値比CHANTが増加するため、このFO2センサ30の応答劣化による積算値比CHANTの増加分、及び、触媒劣化診断時におけるエンジン負荷の相違による積算値比CHANTの変化分に対応して、上記応答劣化補正係数KO2Rにより触媒劣化判定値NGCHTを補正するのである。
【0411】
そして、ステップS903で、上記積算値比CHANTを、上記ステップS902において算出した補正触媒劣化判定値SCHANTと比較することで、触媒の劣化を診断する。
【0412】
ここで、上述のように、触媒の劣化度合いが同一状態の下でも、エンジン負荷が増加するほど、上記FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの増加割合が増し、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)は、図38に破線で示す低負荷走行時に対し、同図に実線で示す高負荷走行時のように、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMが長くFO2センサ30の応答劣化が進行し、且つ、エンジン負荷が大きいほど、大きい値となる。
【0413】
これに対応して、本実施の形態では、FO2センサ応答劣化診断値O2RTM及び平均吸入空気量CATAVQに基づいて設定した応答劣化補正係数KO2Rにより触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値NGCHTを補正し、補正触媒劣化判定値SCHANT(=NGCHT×KO2R)を算出する。そして、この補正触媒劣化判定値SCHANTは、FO2センサ30の応答劣化の進行に応じFO2センサ応答劣化診断値O2RTMが増加し上記積算値比CHANTが増加するに従い、これに対応して増加され、且つ、平均吸入空気量CATAVQすなわちエンジン負荷が増大し、図38に破線で示す低負荷走行時の積算値比CHANTに対して、同図に実線で示すように高負荷走行時の積算値比CHANTが増加すると、これに対応して、同図に2点鎖線で示す低負荷走行時対応の状態から一点鎖線で示す高負荷走行時対応の状態に増加されるため、上記実施の第8形態と同様に、FO2センサの30の応答劣化に起因して上記積算値比CHANTが増加することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することができると共に、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違して上記積算値比CHANTが変化することによる誤診断をも確実に防止することが可能となる。
【0414】
そして、上記ステップS903においてCHANT<SCHANTのときには、触媒が劣化しておらず正常状態(触媒劣化なし)と判断して、ステップS16へ進み、ステップS16,S17で、それぞれバックアップRAM44の所定アドレスにストアされる第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2をクリアし、ステップS22で、上記第1回目,第2回目触媒NGフラグFCATNG1,FCATNG2による各データをモニタ用データとしてセットし、ステップS23で、触媒劣化診断終了フラグFCATENDをセットして、上記ステップS24〜S27,S806を経て、ルーチンを抜ける。
【0415】
一方、上記ステップS903においてCHANT≧SCHANTで、上記積算値比CHANTが補正触媒劣化判定値SCHANT以上のときには、触媒が劣化した(触媒劣化あり)と判断して、ステップS18へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1を参照する。
【0416】
そして、FCATNG1=0で、触媒劣化と判定した初回のときには、ステップS19へ進み、第1回目触媒NGフラグFCATNG1をセットし、また、上記ステップS18においてFCATNG1=1のときには、ステップS20へ進み、2回目触媒NGフラグFCATNG2をセットして、ステップS21で、警告処理を行い、上記ステップS22〜S27,S806を経て、ルーチンを抜ける。
【0417】
尚、本実施の形態では、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を算出し、この積算値比CHANTを補正触媒劣化判定値SCHANTと比較することで触媒の劣化を診断しているが、RO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPに対するFO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPの比FDSVP/RDSVPを算出し、この積算値比FDSVP/RDSVPにより触媒の劣化を判断するようにしてもよい。この場合、FDSVP/RDSVP≦1/SCHANTのとき、触媒の劣化と診断する。
【0418】
以上のように、本実施の形態では、FO2センサ30の応答劣化の進行度合いを表すFO2センサ応答劣化診断値O2RTMと共に、診断条件成立時におけるエンジン負荷平均値として平均吸入空気量CATAVQを採用し、FO2センサ応答劣化診断値O2RTMと平均吸入空気量CATAVQとに基づいて算出した応答劣化補正係数KO2Rによって上記触媒劣化判定値NGCHTを補正して補正触媒劣化判定値SCHANTを設定するため、FO2センサ30の応答劣化およびエンジン負荷の相違による上記積算値比CHANTの変化に対応して的確な補正触媒劣化判定値SCHANTを設定することが可能となり、FO2センサ出力電圧変化量積算値FDSVPに対するRO2センサ出力電圧変化量積算値RDSVPの比CHANT(=RDSVP/FDSVP)を上記補正触媒劣化判定値SCHANTと比較することで、FO2センサの30の応答劣化に起因して上記積算値比CHANTが増加することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することができるのは勿論のこと、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違して上記積算値比CHANTが変化することによる誤診断をも確実に防止することが可能となる。
【0419】
従って、上記実施の第8形態と同様に、触媒劣化診断可能領域をより拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく更に精度の高い触媒劣化診断を行うことが可能となる。
【0420】
また、上記実施の第8形態に対し、本実施の形態では、触媒劣化判定値HCHANTを設定するための触媒劣化判定値テーブルを必要としないため、触媒劣化診断処理に係るメモリ(ROM42)の使用容量を低減することが可能となる。
【0421】
尚、上記実施の第2形態、或いは第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込み、各O2センサ30,31の電圧劣化を補正すると共に、FO2センサ30の応答劣化及びエンジン負荷の相違に伴う誤診断を防止することが可能である。
【0422】
上記実施の第2形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS801による処理を、図11のステップS4とステップS5との間に挿入し、また、本形態のステップS802〜S902による処理を、図5のステップS14とステップS15との間に挿入し、ステップS15に代え、本形態のステップS903を採用し、更に、本形態のステップS806を図5のステップS24以降に挿入する。
【0423】
また、上記実施の第3形態に、本実施の形態における触媒劣化判定値補正処理を組み込む場合には、本形態のステップS801による処理を、図13のステップS4とステップS5との間に挿入し、また、本形態のステップS802〜S902による処理を、図13のステップS303と、図14のステップS15との間に挿入し、ステップS15に代えて、本形態のステップS903を採用し、更に、本形態のステップS806を図14のステップS24以降に挿入する。
【0424】
さらに、本実施の形態では、エンジン負荷の一例として吸入空気量を用いているが、本発明はこれに限定されず、エンジン負荷を表すものであれば良く、吸入空気量に代えて、スロットル開度、スロットル弁下流の吸気管圧力、或いは、上記吸入空気量QAとエンジン回転数NEとにより算出され基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tp(=K×QA/NE;Kはインジェクタ特性補正定数)等を用いるようにしてもよい。
【0435】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値と、リア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、所定の条件成立時にフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を採用し、上記両積算値による比を、上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいて算出した補正係数によって補正することで、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する上記積算値比の変化分を補償し、この補正後の積算値比を所定値と比較して触媒の劣化を診断するのでフロント空燃比センサに応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことができる。
【0436】
また、強制的に空燃比を変動させることなくフロント空燃比センサの応答劣化を判断することができ、このフロント空燃比センサの応答劣化を補償して触媒劣化診断を行うので、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく実現できる。
【0437】
請求項2記載の発明によれば、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値と、リア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、所定の条件成立時にフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を採用し、このフロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいてテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する上記両積算値の比の変化分に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定し、上記積算値比を該触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断するので、上記請求項1記載の発明と同様に、フロント空燃比センサに応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことができ、且つ、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく実現できる。
【0438】
請求項3記載の発明によれば、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値と、リア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、所定の条件成立時にフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間に基づいて算出されるフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を採用し、このフロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づいて算出した補正係数によって予め設定された触媒劣化判定値を補正する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化に起因する積算値比の変化分に対応して触媒劣化判定値を補正し、上記両積算値による比を補正後の触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断するので、上記請求項1記載の発明と同様に、フロント空燃比センサに応答劣化が生じても、触媒劣化診断を中止することなく実現でき、触媒劣化診断可能領域を拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく精度の高い触媒劣化診断を行うことができ、且つ、空燃比の強制変動による排気エミッションの悪化を生じることなく実現できる。
【0439】
また、上記請求項2記載の発明に対し、触媒劣化判定値を設定するためのテーブルを必要としないため、触媒劣化診断処理に係るメモリの使用容量を低減することができる効果を有する。
【0440】
請求項4記載の発明によれば、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値と、リア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、フロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を採用すると共に、診断条件成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出し、このエンジン負荷平均値と上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値とに基づいてテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷に応じて変化する上記両積算値の比に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定し、上記積算値比を該触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断するので、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷の相違による上記積算値比の変化に対応して的確な触媒劣化判定値を設定することが可能となり、フロント空燃比センサの応答劣化に起因して上記積算値比が変化することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することができるのは勿論のこと、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違して上記積算値比が変化することによる誤診断をも確実に防止することができる。
【0441】
従って、上記請求項1ないし請求項3記載の発明に対し、触媒劣化診断可能領域をより拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく更に精度の高い触媒劣化診断を行うことができる。
【0442】
請求項5記載の発明によれば、運転状態に基づいて診断条件を判断し、診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値と、リア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する。そして、フロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を採用すると共に、診断条件成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出し、このエンジン負荷平均値と上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値とに基づいて算出した補正係数によって予め設定された触媒劣化判定値を補正する。すなわち、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷に応じて変化する上記両積算値の比に対応して触媒の劣化を判定するための触媒劣化判定値を補正し、上記積算値比を補正後の触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断するので、上記請求項4記載の発明と同様に、フロント空燃比センサの応答劣化およびエンジン負荷の相違による上記積算値比の変化に対応して的確な触媒劣化判定値を設定することが可能となり、フロント空燃比センサの応答劣化に起因して上記積算値比が変化することによる触媒劣化の誤診断を確実に防止することができるのは勿論のこと、触媒劣化診断時にエンジン負荷が相違して上記積算値比が変化することによる誤診断をも確実に防止することができ、触媒劣化診断可能領域をより拡大することが可能となり、市場(ユーザによる使用状態下)での診断頻度を低下することなく更に精度の高い触媒劣化診断を行うことができる。
【0443】
また、上記請求項4記載の発明に対し、触媒劣化判定値を設定するためのテーブルを必要としないため、触媒劣化診断処理に係るメモリの使用容量を低減することができる効果を有する。
【0444】
その際、請求項6記載の発明では、上記診断条件を判別するに際し、診断条件を判断するための運転状態を検出する各センサの出力値が正常で、上記各空燃比センサが共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、エンジン回転数及びエンジン負荷が予め設定された範囲内にあるとき、診断許可条件成立と判断し、又、エンジン過渡運転時、或いは、触媒劣化診断中に失火を検出した場合に、診断中止条件成立と判断する。そして、上記診断許可条件が成立し、且つ、上記診断中止条件が非成立のとき、診断条件の成立とするので、上記各請求項記載の発明の効果に加え、診断条件を判断するための運転状態を検出するセンサの異常、各空燃比センサの非活性、空燃比オープンループ制御によるリッチ或いはリーン空燃比、及び、エンジン回転数及びエンジン負荷が設定範囲外の高負荷高回転領域にあるときのリッチ空燃比に起因する触媒劣化診断の誤診断を未然に防止することができ、且つ、加減速等のエンジン過渡運転時における空燃比のリッチシフト或いはリーンシフト、及び、失火によるオーバリーンによって各空燃比センサの出力電圧が異常値を示すことに起因する触媒劣化診断の誤診断を未然に防止することができる効果を有する。
【0445】
また、請求項7記載の発明では、上記積算値比を算出するに際し、診断条件の成立下において設定時間以上係属したとき、上記リア空燃比センサ出力電圧変化量による積算値をフロント空燃比センサ出力電圧変化量による積算値により除算して積算値の比を算出するので、上記設定時間によって触媒の劣化状態がリア空燃比センサ出力電圧変化量積算値に確実に反映されるまでの時間が与えられる。また、触媒コンバータを構成する触媒の劣化が進行するに従い、触媒の酸素ストレージ効果が低下し、次第にリア空燃比センサ出力電圧波形がフロント空燃比センサ出力電圧波形に近似するため、触媒の劣化に伴いリア空燃比センサ出力電圧による積算値が増加し、リア空燃比センサ出力電圧変化量による積算値をフロント空燃比センサ出力電圧変化量による積算値により除算して算出した上記積算値比は、触媒が劣化するに従って増加する。従って、この積算値比によって、フロント空燃比センサとリア空燃比センサとの出力電圧波形の差、すなわち触媒の劣化を簡単且つ正確に捕捉することができる。そして、上記積算値比を触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値と比較し、上記積算値比が触媒劣化判定値以上のとき、触媒の劣化と診断するので、触媒の劣化を簡素にして確実に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の基本構成図(続き)
【図3】本発明の基本構成図(続き)
【図4】本発明の実施の第1形態に係り、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図5】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図6】同上、O2センサの出力電圧と出力電圧変化量との関係を示すタイムチャート
【図7】同上、エンジンの全体概略図
【図8】同上、電子制御系の回路構成図
【図9】本発明の実施の第2形態に係り、O2センサが電圧劣化していないときのO2センサ出力電圧の波形と、電圧劣化を生じたときのO2センサ出力電圧波形を示すタイムチャート
【図10】同上、触媒劣化と各O2センサの電圧劣化とによる各積算値FDSVP,RDSVP、及び積算値比CHANTの大小関係、並びに触媒劣化診断結果の可否、及びその整合性についての関係を示す図表
【図11】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図12】同上、O2センサ出力電圧劣化補正ルーチンのフローチャート
【図13】本発明の実施の第3形態に係り、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図14】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図15】同上、P−P値積算ルーチンのフローチャート
【図16】同上、O2センサ電圧劣化補正ルーチンのフローチャート
【図17】本発明の実施の第4形態に係り、O2センサが応答劣化していないときのO2センサ出力電圧の波形と、応答劣化を生じたときのO2センサ出力電圧波形を示すタイムチャート
【図18】同上、FO2センサの応答劣化に伴うFO2センサ出力電圧変化量積算値と、触媒劣化診断値としての積算値比との変化を示す説明図
【図19】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図20】本発明の実施の第5形態に係り、FO2センサ応答劣化診断ルーチンのフローチャート
【図21】同上、FO2センサ応答劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図22】同上、FO2センサ応答劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図23】同上、FO2センサ応答劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図24】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図25】同上、FO2センサ出力電圧変化と各スライスレベルとの関係、各スライスレベル交差判別フラグ、各応答遅れ時間計測用カウント値、各応答時間積算値、及び各回数カウント値の関係を示すタイムチャート
【図26】同上、FO2センサ応答劣化診断値に対する積算値比と、補正積算値比との関係を示す説明図
【図27】本発明の実施の第6形態に係り、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図28】同上、触媒劣化判定値テーブルの説明図
【図29】同上、FO2センサ応答劣化診断値に対する積算値比及び触媒劣化判定値の関係を示す説明図
【図30】本発明の実施の第7形態に係り、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図31】同上、FO2センサ応答劣化診断値に対する積算値比及び触媒劣化判定値の関係を示す説明図
【図32】本発明の実施の第8形態に係り、FO2センサ応答劣化診断値に対する低負荷走行時の積算値比と高負荷走行時の積算値比、及び触媒劣化判定値の関係を示す説明図
【図33】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図34】同上、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート(続き)
【図35】同上、触媒劣化判定値テーブルの説明図
【図36】同上、FO2センサ応答劣化診断値に対する低負荷走行時の積算値比と高負荷走行時の積算値比、及び各積算値比に対応して設定される触媒劣化判定値の関係を示す説明図
【図37】本発明の実施の第9形態に係り、触媒劣化診断ルーチンのフローチャート
【図38】同上、FO2センサ応答劣化診断値に対する積算値比及び補正触媒劣化判定値の関係を示す説明図
【図39】従来例に係り、FO2センサの出力電圧波形に対する触媒新品時のRO2センサの出力電圧波形と、触媒劣化時のRO2センサの出力電圧波形との関係を示すタイムチャート
【図40】同上、O2センサ出力電圧とスライスレベルとの比較によるO2センサ出力電圧反転回数の計測状態を示すタイムチャート
【図41】同上、リアO2センサの出力電圧RVO2がリーンシフトした場合のリアO2センサ出力電圧反転回数の計測状態と、上側スライスレベルRHと下側スライスレベルRLとのヒステリシス幅を狭めた場合のリアO2センサ出力電圧反転回数の計測状態を示すタイムチャート
【図42】同上、触媒の劣化進行過程でのリアO2センサ出力電圧波形を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 エンジン
21,22 触媒コンバータ
30 フロントO2センサ(FO2センサ;フロント空燃比センサ)
31 リアO2センサ(RO2センサ;リア空燃比センサ)
40 電子制御装置(診断条件判別手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算手段、積算値比算出手段、診断手段、空燃比センサ出力電圧補正係数算出手段、空燃比センサ出力電圧補正手段、空燃比センサ補正出力電圧変化量積算手段、極大極小値積算手段、平均極大極小値算出手段、空燃比センサ出力電圧変化量積算値補正手段、診断中止手段、フロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段、補正係数算出手段、積算値比補正手段、触媒劣化判定値設定手段、触媒劣化判定値補正手段、エンジン負荷平均値算出手段)
FVO2 FO2センサ出力電圧(フロント空燃比センサ出力電圧)
RVO2 RO2センサ出力電圧(リア空燃比センサ出力電圧)
FDSVP FO2センサ出力電圧変化量積算値
RDSVP RO2センサ出力電圧変化量積算値
CHANT 積算値比
NGCHT,HCHANT 触媒劣化判定値(所定値)
BVPP 基準P−P値(空燃比センサ出力電圧の極大値と極小値との差に対応する基準値)
FVPP FO2センサ出力電圧P−P値(フロント空燃比センサ出力電圧の極大値と極小値との差による実極大極小値)
RVPP RO2センサ出力電圧P−P値(リア空燃比センサ出力電圧の極大値と極小値との差による実極大極小値)
FKVP FO2センサ出力電圧補正係数(フロント空燃比センサ出力電圧補正係数)
RKVP RO2センサ出力電圧補正係数(リア空燃比センサ出力電圧補正係数)
FKVO2 FO2センサ補正出力電圧(フロント空燃比センサ補正出力電圧)
RKVO2 RO2センサ補正出力電圧(リア空燃比センサ補正出力電圧)
FSVPP FO2センサP−P積算値(フロント空燃比センサの極大極小積算値)
RSVPP RO2センサP−P積算値(リア空燃比センサの極大極小積算値)
FAVPP FO2センサ平均P−P値(フロント空燃比センサの平均極大極小値)
RAVPP RO2センサ平均P−P値(リア空燃比センサの平均極大極小値)
FKDSVP FO2センサ補正出力電圧変化量積算値(補正後の積算値)
RKDSVP RO2センサ補正出力電圧変化量積算値(補正後の積算値)
FSVCAN 応答劣化判定値
O2RTM FO2センサ応答劣化診断値(フロント空燃比センサ応答劣化診断値)
KO2R 応答劣化補正係数(補正係数)
KCHANT 補正積算値比(補正後の積算値比)
SCHANT 補正触媒劣化判定値(補正後の触媒劣化判定値)
CATAVQ 平均吸入空気量(エンジン負荷の平均値)

Claims (7)

  1. エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、
    所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、
    運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、
    診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、
    上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、
    上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づき上記積算値比に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    上記積算値比を上記補正係数により補正する積算値比補正手段と、
    補正後の上記積算値比を所定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  2. エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、
    所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、
    運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、
    診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、
    上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、
    上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づきテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する触媒劣化判定値設定手段と、
    上記積算値比を上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  3. エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、
    所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、
    運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、
    診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、
    上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、
    上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値に基づき触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    予め設定された触媒劣化判定値を上記補正係数により補正する触媒劣化判定値補正手段と、
    上記積算値比を補正後の上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  4. エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、
    所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、
    運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、
    診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、
    上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、
    上記診断条件の成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出するエンジン負荷平均値算出手段と、
    上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値と上記エンジン負荷平均値とに基づきテーブル参照により触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値を設定する触媒劣化判定値設定手段と、
    上記積算値比を上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  5. エンジンの排気系に介装された触媒コンバータの上流と下流とにそれぞれフロント空燃比センサ、リア空燃比センサを配設し、両空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置において、
    所定の条件成立時に、フロント空燃比センサ出力電圧の挙動に基づいて計時される応答遅れ時間と吸入空気量をパラメータとして求まる基本遅れ時間とに基づいてフロント空燃比センサ出力電圧がリッチとリーンとを交互に反転する応答時間を算出し、当該応答時間に基づいてフロント空燃比センサの応答劣化の進行度合いを表すフロント空燃比センサ応答劣化診断値を算出するフロント空燃比センサ応答劣化診断値算出手段と、
    運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する診断条件判別手段と、
    診断条件の成立時、所定時間毎に上記フロント空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とリア空燃比センサの出力電圧の変化量の絶対値とを各々積算する空燃比センサ出力電圧変化量積算手段と、
    上記両積算値の比を算出する積算値比算出手段と、
    上記診断条件の成立時におけるエンジン負荷の平均値を算出するエンジン負荷平均値算出手段と、
    上記フロント空燃比センサ応答劣化診断値と上記エンジン負荷平均値とに基づき触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値に対する補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    予め設定された触媒劣化判定値を上記補正係数により補正する触媒劣化判定値補正手段と、
    上記積算値比を補正後の上記触媒劣化判定値と比較して触媒の劣化を診断する診断手段とを備えたことを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  6. 上記診断条件判別手段は、診断条件を判断するための運転状態を検出する各センサの出力値が正常で、上記各空燃比センサが共に活性状態、且つ空燃比フィードバック制御中であり、エンジン回転数及びエンジン負荷が予め設定された範囲内にあるとき、診断許可条件成立と判断し、又、エンジン過渡運転時、或いは、触媒劣化診断中に失火を検出した場合に、診断中止条件成立と判断し、上記診断許可条件が成立し、且つ、上記診断中止条件が非成立のとき、診断条件の成立とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のエンジンの触媒劣化診断装置。
  7. 上記積算値比算出手段は、診断条件の成立下において設定時間以上係属したときに、上記リア空燃比センサ出力電圧変化量による積算値をフロント空燃比センサ出力電圧変化量による積算値により除算して積算値の比を算出し、上記診断手段は、積算値比を触媒劣化を判定するための触媒劣化判定値と比較して、上記積算値比が触媒劣化判定値以上のとき、触媒の劣化と診断することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のエンジンの触媒劣化診断装置。
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