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JP4034039B2 - 携帯電話 - Google Patents

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JP4034039B2
JP4034039B2 JP2001001887A JP2001001887A JP4034039B2 JP 4034039 B2 JP4034039 B2 JP 4034039B2 JP 2001001887 A JP2001001887 A JP 2001001887A JP 2001001887 A JP2001001887 A JP 2001001887A JP 4034039 B2 JP4034039 B2 JP 4034039B2
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泰弘 田村
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株式会社アモセンス
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地磁気の測定技術に関する。特に本発明は、方位算出の誤差を補正することのできる地磁気センサ及び方位測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地磁気センサは、観測地点の方位を測定するために用いられる。地磁気センサは観測地点において水平面上に設置され、水平面上の地磁気ベクトルの2軸成分を検出する。地磁気センサが検出する2軸成分から磁方位が算出される。地磁気センサは自動車のナビゲーションシステムにも用いられており、着磁による影響を補正するためあらかじめキャリブレーションが行われた後、出荷されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、地図情報を携帯電話や携帯端末に表示する用途が広がっている。この状況に鑑み、本出願人は、まず地磁気センサを携帯電話や携帯端末などの携帯機器へ組み込むことを想定し、その実現を検討する段階で以下の課題を認識するに至った。すなわち、所持者が携帯機器をもつときの姿勢や持ち方によって携帯機器はあらゆる方向を向きうるのであって、また携帯機器の方向は一定には定まらず絶えず変化する。したがって携帯機器に搭載される地磁気センサは水平位置に対してあらゆる傾斜角をもって傾斜し、その傾斜角は絶えず変動する。したがってこのような使用環境においては、着磁による影響や、姿勢や持ち方の変化による影響をリアルタイムに排除し、地磁気ベクトルの検出信号を自動的に補正することが必要となる。
【0004】
本出願人は以上の認識に基づき本発明をなしたもので、その目的は、小型で着磁や傾斜に対する補正が自動的に行える地磁気センサ及びその地磁気センサを用いた方位測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、特願2000−104689号において、2軸磁気センサを組み込んだ携帯端末装置を提案し、携帯端末装置の方位に、携帯端末装置に表示される地図の方位を合わせて地図を加工できる位置情報表示システムを提案している。本出願人はさらに、システムの利便性を高めるために、磁気センサに傾斜センサを組み込み、傾斜に対する補正が自動的に行える全方位磁気センサを提案するものである。
【0006】
本発明のある態様は、3軸磁気センサに関する。3軸磁気センサは、2軸磁気センサと磁気検出素子とをハイブリッドICとして一体に構成したものである。2軸磁気センサは、基板を本体として形成され、前記基板と平行な平面に規定される磁気ベクトルの2軸成分を検出する。磁気検出素子は、前記磁気ベクトルの前記平面とは垂直な方向の成分を検出する。これにより、3軸磁気センサは地磁気の磁気ベクトルを3軸成分を検出することが可能となる。磁気検出素子として、ホール効果によって磁気を検出するホール素子などの磁気感応素子、または強磁性体の磁化に伴い電気抵抗が変化する現象によって磁気を検出するMR素子などの磁気抵抗効果素子を用いてもよい。
【0007】
2軸磁気センサは、磁気ベクトルの2軸成分を検出するためのコイルパターンが、積層される基板にわたって形成されてなるものであってもよい。2軸磁気センサは、アモルファスリングコイルを核として、前記基板と平行な平面のX軸方向の磁界成分を検出するコイル基板と、前記平面のY軸方向の磁界成分を検出するコイル基板とを励磁用のコイル基板の外面に積層してなるものフラックスゲート型磁気センサであってもよい。
【0008】
2軸磁気センサと磁気検出素子とを一体化する実装形態として、2軸磁気センサが形成される基板は磁気検出素子から出力される検出信号を伝達するためのパターンを有し、磁気検出素子が基板上に実装されたとき、前記検出信号が前記パターンを介して基板に直接導入されるようにしてもよい。
【0009】
前記2軸磁気センサと前記磁気検出素子の出力信号を処理する信号処理部をさらに含み、前記信号処理部は、検出された磁気の強度を算出し、前記2軸磁気センサが検出する磁気ベクトルの2軸成分の補正を行ってもよい。この信号処理部は、当該3軸磁気センサに一体化されて基板に形成されてもよく、または当該3軸磁気センサの外部にあって、出力信号を受け取り、所定の信号処理を行ってもよい。
【0010】
本発明の別の態様は、全方位磁気センサに関する。全方位磁気センサは、基板上に形成され、3次元の磁気ベクトルを検出する3軸磁気センサと、前記基板の傾斜角を検出する傾斜センサとをハイブリッドICとして一体に構成したものである。「基板上に形成される」とは、たとえば、3軸磁気センサの少なくとも一部の構成要素が基板を本体として形成され、3軸磁気センサの他の構成要素が基板の外側に装着される場合や、3軸磁気センサの全部の構成が基板を本体として形成される場合などを含む。一例として、基板と平行な平面に規定される磁気ベクトルの2軸成分を検出する2軸磁気センサが、基板を本体として形成されて、前記磁気ベクトルの前記平面とは垂直な方向の成分を検出する磁気検出素子が、基板上に形成されたパターンに接続される形で装着されてもよい。
【0011】
傾斜センサは、前記基板と平行な平面に規定されるx軸方向の傾斜角とy軸方向の傾斜角を検出してもよい。傾斜センサは、3軸方向の傾斜による変位を検出してもよい。このような傾斜センサは、2軸方向または3軸方向の変位を検出する加速度センサまたは角速度センサであってもよい。
【0012】
前記基板は前記傾斜センサから出力される検出信号を伝達するためのパターンを有し、前記傾斜センサが前記基板上に実装されたとき、前記検出信号が前記パターンを介して前記基板に直接導入されるようにしてもよい。
【0013】
前記基板から外に向けて延びる形にて、その基板に装着されるフィルム基板をさらに含み、前記傾斜センサを前記フィルム基板の上に実装し、前記フィルム基板を前記基板の方へ折り返し、全体を固着して形成してもよい。
【0014】
前記3軸磁気センサは、前記基板を本体として形成され、前記基板と平行な平面に規定される磁気ベクトルの2軸成分を検出する2軸磁気センサと、前記磁気ベクトルの前記平面とは垂直な方向の成分を検出する磁気検出素子とを含んでもよい。前記磁気検出素子は、前記フィルム基板の上に実装してもよい。前記フィルム基板の上に素子を実装する方式は、フリップチップ方式であってもよい。
【0015】
前記3軸磁気センサと前記傾斜センサの出力信号を処理する信号処理部をさらに含み、前記信号処理部は、前記3軸磁気センサが検出する3次元の磁気ベクトルと前記傾斜センサが検出する傾斜角に基づいて、水平磁界成分を算出してもよい。前記信号処理部は、前記傾斜センサが検出する3軸方向の傾斜による変位に基づいて、前記傾斜角の補正を行い、前記3軸磁気センサが検出する3次元の磁気ベクトルと補正された前記傾斜角に基づいて、水平磁界成分を算出してもよい。前記信号処理部は、前記3次元の磁気ベクトルから計算される磁気の強度に基づいて、前記水平磁界線分の補正を行ってもよい。
【0016】
本発明の別の態様は、方位測定方法に関する。方位測定方法は、3次元の磁気ベクトルの検出信号を受け取る過程と、前記磁気ベクトルを規定する3次元座標が地平面となす傾斜角の検出信号を受け取る過程と、前記3次元の磁気ベクトルから計算される磁界強度を用いて、3次元の磁気ベクトルの検出信号を補正する過程と、補正された前記3次元の磁気ベクトルを前記傾斜角に基づいて座標変換し、水平磁界成分を算出する過程とを含む。前記傾斜角の検出信号を受け取る過程において、重力の3軸成分を検出して、前記傾斜角の検出信号を補正してもよい。前記水平磁界成分に基づいて方位角を算出する過程をさらに含んでもよい。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明を方法、センサ、システムなどとして表現したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を説明する。図1から図3を用いて、第1の実施の形態に係る全方位磁気センサの構成を説明する。図1において、全方位磁気センサに用いられる2軸磁気センサの構成を説明し、図2において、全方位磁気センサに用いられる傾斜センサの構成を説明し、図3において、全方位磁気センサ全体の構成を示す。
【0019】
図1は、2軸地磁気センサの一例であるフラックスゲート型磁気センサ100の分解説明図である。フラックスゲート型磁気センサ100は、特開平9−43322号公報および特開平11−118892号公報に開示されるフラックスゲート型の磁気センサであり、リング状のアモルファスコアによって形成されたリングコア9を核として、その上下面に、励磁コイルパターン12がエッチングされた励磁コイル用基板8、Yコイルパターン11がエッチングされたY軸方向磁界検出コイル基板7、Xコイルパターン10がエッチングされたX軸方向磁界検出コイル基板6が、同図に示された順に積層されてなる。
【0020】
図2は、傾斜センサ22の原理説明図である。重錘体34を圧電素子の一例であるピエゾ素子32A〜Dによって筐体30から支える構造であり、重錘体34の変位をピエゾ素子32A〜Dが検出することにより、傾斜を測定することができる。
【0021】
図3(A)、(B)は、全方位磁気センサの一例であるハイブリッド磁気センサ200の構成図である。図3(A)に、ハイブリッド磁気センサ200の上面図、図3(B)に、ハイブリッド磁気センサ200の断面図を示す。ハイブリッド磁気センサ200は、フラックスゲート型磁気センサ100を基板として、その基板に形成されたパターン上に演算処理部としてのCPU20、傾斜センサ22、及び磁気検出素子の一例としてのホール素子24がボンディング28により装着され、シリコン樹脂26で全体を固め、ハイブリッド型に一体化したものである。傾斜センサ22とホール素子24が出力する検出信号がパターンを介して基板に直接に導入され、CPU20はフラックスゲート型磁気センサ100が出力する検出信号とともに、傾斜センサ22とホール素子24の検出信号を受け取り、後述の補正計算を行い、補正された信号を出力することができるように構成される。ホール素子24は基板とは垂直な方向の磁気成分を検出する。フラックスゲート型磁気センサ100とホール素子24の組み合わせにより3次元の磁気ベクトルを検出可能な3軸磁気センサが構成される。磁気検出素子として、ホール素子24などの磁気感応素子を用いてもよく、MR素子などの磁気抵抗効果素子を用いてもよい。
【0022】
図4は、他の製造工程で実現されるハイブリッド磁気センサ200の概略図である。フラックスゲート型磁気センサ100の端部にフィルム基板40A〜Cが装着され、フィルム基板40A〜Cに形成されたパターンにCPU20、傾斜センサ22、およびホール素子24が実装される。フィルム基板40A〜Cはフラックスゲート型磁気センサ100の方へ折り畳まれて、全体が固着される。フィルム基板40A〜C上への素子の配置は設計の自由度があり、CPU20、傾斜センサ22、およびホール素子24を含む素子をいずれのフィルム基板40A〜C上に実装してもよく、フィルム基板40A〜Cのすべてを用いる必要はなく、少なくとも1つのフィルム基板にそれらの素子を実装してもよい。このようにフィルム基板を用いてハイブリッド磁気センサ200を形成した場合、ボンディングがない分、厚さを減らすことができる。
【0023】
図3、図4のいずれの構成によっても、ハイブリッド磁気センサ200は、2次元平面における2軸の磁気成分を検出する2軸磁気センサが実装される基板上に、基板とは垂直な方向の磁気成分を検出する磁気検出素子と、基板の傾斜を検出する傾斜センサが一体化して実装されるハイブリッドIC型の構成であり、複数のセンサの融合による小型化が図られている。
【0024】
図5は、ハイブリッド磁気センサ200の機能構成図である。フラックスゲート型磁気センサ100から基板の平面で規定される2次元座標軸におけるX軸、Y軸方向の磁界成分x、yが出力される。ホール素子24から基板の平面とは垂直な方向のZ軸方向の磁界成分zが出力される。傾斜センサ22からは、X軸方向の傾斜角α(以下「ピッチ角」ともいう)、Y軸方向の傾斜角β(以下「ロール角」ともいう)が出力される。
【0025】
ハイブリッド磁気センサ200は携帯電話などに内蔵され、ユーザは携帯電話を自由な角度で手に持って使用する。そのような状況下では、水平磁界がフラックスゲート型磁気センサ100に入射する角度、すなわち地磁気の仰角の違いが検知感度に著しい影響を与える。そこで、ハイブリッド磁気センサ200の基板の傾斜を求め、水平面に座標変換して、水平時の磁気ベクトルを求める。
【0026】
CPU20は、座標変換部202と方位角算出部204とを有する。座標変換部202は、磁気ベクトル(x,y,z)と、ピッチ角α、ロール角βに基づいて、傾斜による影響を排除する補正計算を行い、ハイブリッド磁気センサ200の基板が地平面に対して水平に置かれた場合に検出される水平時の磁気ベクトル(xh,yh,zh)を算出する。方位角算出部204は、水平時の磁気ベクトル(xh,yh,zh)を入力し、地磁気の方位角θを算出する。方位角算出部204はさらに地磁気の伏角φを算出してもよい。
【0027】
図6は、ハイブリッド磁気センサ200のCPU20が行う補正計算のフローチャートである。座標変換部202は、傾斜センサ22からピッチ角αとロール角βを取得し(S10)、フラックスゲート型磁気センサ100から磁気ベクトルのX軸方向、Y軸方向の成分x、y、およびホール素子24から磁気ベクトルのZ軸方向の成分zを取得する(S12)。座標変換部202は、ハイブリッド磁気センサ200の基板が地平面に対して水平に置かれた場合の水平時の磁気ベクトル(xh,yh,zh)を求める(S14)。具体的な補正計算は次のように行う。
【0028】
ハイブリッド磁気センサ200の基板が水平時の空間座標系のX軸回りにα、Y軸回りにβだけ傾斜しているときの磁気ベクトルが(x,y,z)であるから、水平時の磁気ベクトル(xh,yh,zh)は、磁気ベクトル(x,y,z)を次式のようにY軸回りに−β、X軸回りに−αだけ回転させることにより得られる。
【0029】
【数1】
Figure 0004034039
これより、水平時の磁気ベクトル(xh,yh,zh)は、
【数2】
Figure 0004034039
と求められる。
【0030】
方位角算出部204は、座標変換後の磁気ベクトルのX軸成分xh、Y軸成分yhから、地磁気の方位角θを次式により求める(S16)。
θ=arctan(yh/xh) (3)
方位角算出部204は、さらに地磁気の伏角、すなわち地磁気ベクトルと水平磁界ベクトル(xh,yh)とのなす角φを次式により求めてもよい。
φ=arccos(H/r) (4)
ただし、Hは水平磁界ベクトル(xh,yh)の大きさであり、rは磁気ベクトル(xh,yh,zh)の大きさ、すなわち磁界強度である。
【0031】
磁界強度rは着磁等による地磁気の検出誤差を補正するために用いられる。一般に磁気センサは、磁気センサ自身の着磁による影響や、磁気センサが実装される装置が帯びる磁気の影響を受けるため、出力値の補正が必要である。特に、ハイブリッド磁気センサ200は携帯電話や携帯端末に実装され、ユーザが持ち歩くため、都市部や交通網の発達している地域などで機器が磁界を帯びたり、鉄筋構造物の近辺で、相手の対象物が帯びた磁気を拾ってしまい、自然には発生しない動的な磁界が混在することがある。このような自然磁界以外の強磁界が磁気センサに入射し、飽和状態となり、地磁気の検出ができなくなることが起こる。
【0032】
磁気センサの着磁等の影響を除くために、一般的には、使用場所においてキャリブレーションが行われている。磁気センサを水平に設置した状態で、鉛直方向、すなわちZ軸の回りに360度回転させ、X軸方向の出力値と、Y軸方向の出力値が作る円の中心点を求め、その中心点の座標値を補正のためのオフセットとして用いることが行われる。しかしながら、ハイブリッド磁気センサ200は携帯電話や携帯端末等に内蔵され、ユーザが携帯して任意の場所で使用するものであるから、ユーザに使用の度にキャリブレーションを課するのは適当ではない。
【0033】
そこで、測定された磁界強度rにより、着磁等の強磁界の影響をとらえ、強磁界のX軸成分、Y軸成分をハイブリッド磁気センサ200の出力値のオフセットとして用いて、強磁界の影響をキャンセルする。測定された磁界強度から強磁界を排除するために、初期磁界強度や検出される可能性のある磁界強度の範囲をあらかじめテーブルの形にてメモリに格納する。実際に測定された磁界強度とテーブルに格納されたデータとを相互補完して、自然磁界以外の磁界成分の影響をキャンセルして検出値の補正処理を行う。また設定された磁界強度の範囲を超える強磁界が検出された場合は、検出値を破棄し、測定を無効にしてもよい。
【0034】
一般に、磁気センサは使用する度にキャリブレーションを行わないと正確な地磁気の強さと方位を求めることができないが、本実施形態のハイブリッド磁気センサ200は、Z軸方向の磁界成分を検出できるホール素子24を備えたことにより、強磁界を検出することができ、CPU20にて補正処理により自然磁界を正確に算出することができる。したがって、ハイブリッド磁気センサ200は、使用時に自動的なキャリブレーションを行ったことに相当する効果をもたらす。これはハイブリッド磁気センサ200を携帯機器に内蔵する上で非常に有利である。
【0035】
本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、ハイブリッド磁気センサ200の傾斜を検出するために、X軸回り、Y軸回りの傾斜角を検出する2軸の傾斜センサ22を用いた。第2の実施形態では、さらにZ軸回りの傾斜角も検出できる3軸の傾斜センサを設けた点が第1の実施形態と異なり、その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0036】
第1の実施の形態では、3軸の磁気センサを用いて着磁等による強磁界を測定することにより、自動的なキャリブレーションを可能にした。第2の実施の形態では、傾斜センサについても自動的なキャリブレーションを可能とするために、3軸の傾斜センサが用いられる。
【0037】
第2の実施の形態で用いる3軸の傾斜センサは、第1の実施形態で説明した図2の傾斜センサ22と構成は同じであり、重力による重錘体34の変位の3軸成分を検出する。これにより、ハイブリッド磁気センサ200の基板とともに動く動座標系において重力ベクトル(gx,gy,gz)を得ることができる。したがって、ハイブリッド磁気センサ200の基板の傾き、すなわち基板の法線方向と鉛直方向のなす角ψを知ることができる。この情報を用いて、傾斜センサのX軸、Y軸の出力信号の補正を行う。得られた重力ベクトルが(0,0,g)であり、Z軸の出力信号がゼロなら、基板は水平であり、補正は不要である。
【0038】
一般に、傾斜センサにおいても、傾斜角の正確な値を得るためには、傾斜センサを水平に設置した状態でキャリブレーションを行い、出力値の補正をする必要がある。2軸の傾斜センサでは、X軸、Y軸の出力値しか得られないため、傾斜センサ自体が傾いているかどうかがわからないため、水平状態でのキャリブレーションが必要となる。3軸の傾斜センサを用いたことにより、Z軸の出力信号を得ることができ、Z軸の出力信号をリファレンスに用いてX軸、Y軸回りの傾斜角の補正が可能である。これにより、水平に設置した状態で使用前に行うキャリブレーションが不要となり、使用時に自動的なキャリブレーションを行ったことに相当する効果をもたらす。
【0039】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図7は、第3の実施の形態に係るハイブリッド磁気センサ200の上面図である。フラックスゲート型磁気センサ100を基板として上部にCPU20、傾斜センサ23、およびホール素子24が実装される。本実施形態の傾斜センサ23は、第1の実施の形態で説明した図2の傾斜センサ22と同じ構成であるが、柔軟性のあるゲルシリコン50で覆われ、外気圧とセンサ内の内圧との差により、外気圧も検出できる点が異なる。ハイブリッド磁気センサ200の他の構成は第1の実施の形態で説明した図3と同じであり、傾斜センサ22を除いて全体がシリコン樹脂26で固められる。このように実装されたハイブリッド磁気センサ200は、観測地点の方位とともに、外気圧から高度を計測することができる。
【0040】
次に、本発明の第4の実施の形態として、第1から第3の実施の形態のいずれかのハイブリッド磁気センサ200を用いた方位測定システムを説明する。図8は、第4の実施形態の方位測定システムの説明図である。携帯電話110は、ハイブリッド磁気センサ200と、GPS受信部102を内蔵する。携帯電話110は、複数のGPS衛星114から位置情報を受信する。位置情報は観測地点の緯度、経度を含む。携帯電話110は受信した位置情報を地上局112に送信する。地上局112は、サーバ116と、地図データ118と、GPSアンテナ120とを有する。地上局112の緯度、経度は正確にわかっており、サーバ116は、地上局112の既知の緯度、経度を参照データとして用い、GPSアンテナ120が複数のGPS衛星114から受信する位置情報を用いて、携帯電話110が送信する位置情報を補正し、正確な位置情報を携帯電話110へ送信する。またサーバ116は、携帯電話110が要求する現在位置の全磁力データを地図データ118から抽出して携帯電話110へ送信する。またサーバ116は、携帯電話110の現在位置に基づいて地図情報を地図データ118から抽出して携帯電話110へ送信する。携帯電話110はハイブリッド磁気センサ200により測定した地磁気の方位に基づいて、地図情報を加工して表示する。
【0041】
図9は、携帯電話110の機能構成図である。携帯電話110の通話機能などは省略し、本発明の方位測定技術に関わる機能を図示する。携帯電話110は、GPS衛星114からGPS信号を受信するGPS受信部102と、地上局112から全磁力データを取得する全磁力取得部104と、ハイブリッド磁気センサ200と、地図情報処理部206と、表示部208とを有する。ハイブリッド磁気センサ200は、フラックスゲート型磁気センサ100と、傾斜センサ22と、座標変換部202と、方位角算出部204とを有する。
【0042】
GPS受信部102は観測地点の位置情報をGPS衛星114から受信し、全磁力取得部104は、GPS受信部102が受信する位置情報を地上局112に送信して、地上局112から観測地点の全磁力rを受信する。全磁力取得部104は全磁力rを座標変換部202に入力する。フラックスゲート型磁気センサ100が検出して出力する磁気ベクトルのX軸、Y軸成分x、yと、傾斜センサ22が出力するピッチ角α、ロール角βが、座標変換部202に入力される。座標変換部202は、磁気ベクトルのX軸成分x、Y軸成分y、全磁力rに基づいて、磁気ベクトルのZ軸成分zを求め、ピッチ角αとロール角βを用いて、座標変換により、水平時の磁気ベクトル(xh、yh、zh)を求める。方位角算出部204は水平時の磁気ベクトルに基づいて地磁気の方位角θを算出し、地図情報処理部206に出力する。
【0043】
地図情報処理部206は、地上局112から受信した地図データを方位角θに基づいて加工し、表示部208は加工された地図データを画面に表示する。たとえば、地図情報処理部206は、測定された地磁気の方位角θに地図の方位を合わせて地図を回転させる。携帯電話110の画面には携帯電話110の所持者が向いている方位に合わされた地図が表示される。
【0044】
図10は、本実施形態の方位測定方法のフローチャートである。座標変換部202は、傾斜センサ22からピッチ角α、ロール角βを取得し(S20)、フラックスゲート型磁気センサ100から磁気ベクトルのX軸成分x、Y軸成分yを取得する(S22)。GPS受信部102は現在位置情報を取得し(S24)、全磁力取得部104は現在位置情報を地上局112のサーバ116へ送信し、サーバ116から現在位置の全磁力rを受信する(S26)。座標変換部202は、全磁力rと磁気ベクトルのX軸成分x、Y軸成分yより磁気ベクトルのZ軸成分zを次式により算出する(S28)。
【数3】
Figure 0004034039
座標変換部202は、ピッチ角αとロール角βを用いて、前述の(2)式の座標変換により、水平時の磁気ベクトル(xh、yh、zh)を求める(S30)。方位角算出部204は、座標変換後の磁気ベクトルのX軸成分xh、Y軸成分yhから前述の(3)式により方位角θを算出する(S32)。
【0045】
ハイブリッド磁気センサ200として第3の実施の形態で説明した、図7の高度検出が可能なハイブリッド磁気センサ200を用いて、観測地点の緯度、経度とともに観測地点の高度を地上局112のサーバ116へ送信してもよい。また、サーバ116が地域ごとに現在の気圧データを保持しており、携帯電話110に気圧データが提供され、気圧データを用いて、ハイブリッド磁気センサ200が検出する高度の検出値の補正が行われてもよい。
【0046】
また、上記の説明ではハイブリッド磁気センサ200は、Z軸方向の磁界成分を検出していないが、ホール素子24を用いて、Z軸方向の磁界成分を検出し、磁界強度を求め、サーバ116から得た全磁力rと比較して、着磁等による強磁界の影響を補正してもよい。
【0047】
以上述べたように、上記の実施の形態に係るハイブリッド磁気センサ200は、フラックスゲート型磁気センサ100が基板を本体として形成され、基板にホール素子24と傾斜センサ22が実装されて一体化した構成であるため、小型化を図ることができる。
【0048】
またハイブリッド磁気センサ200は、傾斜に対する自動補正により、ハイブリッド磁気センサ200がいかなる方向に傾斜しても、また傾斜角が一定に定まらない場合でも、傾斜による影響を排除するため自動で補正をかけることができ、携帯電話や携帯端末などの携帯機器に簡便に形成することができる。従来の磁気方位センサが振り子など機械的な水平保持機能でキャリブレーションを行っていたことと比べて、このように形成されたハイブリッド磁気センサ200は、純電子式のため、応答性に優れ、機械的な接点がないため半永久的な使用が可能となり、また構造上全姿勢に対応させることが可能である。
【0049】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0050】
そのような変形例を説明する。上記の説明では、ハイブリッド磁気センサ200にCPU20を設けたが、さらにメモリを設けて、補正用のテーブルを格納するようにしてもよい。また、CPU20やメモリをハイブリッド磁気センサ200には実装せず、ハイブリッド磁気センサ200が検出する信号を外部に取り出して、外部に設けられたマイクロコンピュータにより、補正などの計算処理を行ってもよい。また、上記の説明では、磁気センサと傾斜センサを同一基板にて一体化して形成したが、磁気センサと傾斜センサを一体化せずに別の基板上に設けて、両者の出力信号を一つのCPU20で処理するように構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、傾斜による影響を排除する補正を行い、地磁気の方位を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る全方位磁気センサに用いられるフラックスゲート型磁気センサの分解説明図である。
【図2】 全方位磁気センサに用いられる傾斜センサの原理説明図である。
【図3】 全方位磁気センサの一例であるハイブリッド磁気センサの構成図である。
【図4】 他の製造工程で実現されるハイブリッド磁気センサの概略図である。
【図5】 ハイブリッド磁気センサの機能構成図である。
【図6】 ハイブリッド磁気センサのCPUが行う補正計算のフローチャートである。
【図7】 第3の実施の形態に係るハイブリッド磁気センサの上面図である。
【図8】 第4の実施の形態に係るハイブリッド磁気センサを用いた方位測定システムの説明図である。
【図9】 ハイブリッド磁気センサを内蔵する携帯電話の機能構成図である。
【図10】 方位測定方法のフローチャートである。
【符号の説明】
6 X軸方向磁界検出コイル基板、 7 Y軸方向磁界検出コイル基板、 8励磁コイル用基板、 9 リングコア、 10 Xコイルパターン、 11 Yコイルパターン、 12 励磁コイルパターン、 20 CPU、 22,23 傾斜センサ、 24 ホール素子、 26 シリコン樹脂、 32 ピエゾ素子、 40 フィルム基板、 50 ゲルシリコン、 100 フラックスゲート型磁気センサ、 102 GPS受信部、 104 全磁力取得部、 116 サーバ、 200 ハイブリッド磁気センサ、 202 座標変換部、 204 方位角算出部。

Claims (3)

  1. 通話機能を有するとともに、所持者が向いている方位に合わされた地図を画面に表示するとともに、地磁気の方位角に地図の方位を合わせてその地図を回転させて表示させることが可能な携帯電話において、
    前記地磁気の方位角を検出する全方位磁気センサを備え、
    前記全方位磁気センサは、
    基板上に形成され、3次元の磁気ベクトルを検出する3軸磁気センサと、
    前記基板の傾斜角を検出する傾斜センサと、
    前記3軸磁気センサと前記傾斜センサの出力信号を処理する信号処理部と、
    を含み、
    前記3軸磁気センサと前記傾斜センサとがハイブリッドICとして一体に構成され、
    前記基板は前記傾斜センサから出力される検出信号を伝達するためのパターンを有し、前記傾斜センサが前記基板上に実装されたとき、前記検出信号が前記パターンを介して前記基板に直接導入され、
    前記信号処理部は、前記3軸磁気センサが検出する3次元の磁気ベクトルと前記傾斜センサが検出する傾斜角に基づいて水平磁界成分を算出して、その水平磁界成分から地磁気の方位角を算出するとともに、前記3次元の磁気ベクトルから計算される磁気の磁界強度が、あらかじめ設定された検出される可能性のある磁界強度の範囲を超える場合には、前記算出された水平磁界成分を破棄すること、
    を特徴とする携帯電話。
  2. 通話機能を有するとともに、所持者が向いている方位に合わされた地図を画面に表示するとともに、地磁気の方位角に地図の方位を合わせてその地図を回転させて表示させることが可能な携帯電話において、
    前記地磁気の方位角を検出する全方位磁気センサを備え、
    前記全方位磁気センサは、
    基板上に形成され、3次元の磁気ベクトルを検出する3軸磁気センサと、
    前記基板の傾斜角を検出する傾斜センサと、
    前記3軸磁気センサと前記傾斜センサの出力信号を処理する信号処理部と、
    を含み、
    前記3軸磁気センサと前記傾斜センサとがハイブリッドICとして一体に構成され、
    前記基板から外に向けて延びる形にて、その基板に装着されるフィルム基板をさらに含み、前記傾斜センサを前記フィルム基板の上に実装し、前記フィルム基板を前記基板の方へ折り返し、全体を固着して形成され、
    前記信号処理部は、前記3軸磁気センサが検出する3次元の磁気ベクトルと前記傾斜センサが検出する傾斜角に基づいて水平磁界成分を算出して、その水平磁界成分から地磁気の方位角を算出するとともに、前記3次元の磁気ベクトルから計算される磁気の磁界強度が、あらかじめ設定された検出される可能性のある磁界強度の範囲を超える場合には、前記算出された水平磁界成分を破棄すること、
    を特徴とする携帯電話。
  3. 前記信号処理部は、前記傾斜センサが検出する3軸方向の傾斜による変位に基づいて、前記傾斜角の補正を行い、前記3軸磁気センサが検出する3次元の磁気ベクトルと補正された前記傾斜角に基づいて、水平磁界成分を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話
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