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JP4030359B2 - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

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JP4030359B2
JP4030359B2 JP2002181621A JP2002181621A JP4030359B2 JP 4030359 B2 JP4030359 B2 JP 4030359B2 JP 2002181621 A JP2002181621 A JP 2002181621A JP 2002181621 A JP2002181621 A JP 2002181621A JP 4030359 B2 JP4030359 B2 JP 4030359B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱転写記録媒体に関し、さらに詳しくは、低エネルギーで印字可能であり、かつ耐摩擦性、シャープ性に優れた画像形成が可能な感熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、着色剤と結合剤とからなる感熱転写層が支持体上に設けられた感熱転写記録媒体(インクリボン)を用い、感熱転写記録装置で印字することが広く行われている。このような感熱転写記録装置を用いた印字方法は、感熱転写記録媒体の支持体側にサーマルヘッドを当接し、サーマルヘッドに設けられた加熱点(ドット)を、出力しようとする情報に対応させて加熱することにより、感熱転写層をこの加熱点に対応させて溶融または軟化状態にして、支持体から離脱させ、紙などの被転写媒体の表面に移行させる方法である。
【0003】
このような感熱転写記録媒体としては、例えば特開平4−59293号公報には、感熱転写記録媒体の熱溶融性インク層に針入度30以上、密度0.93以下と比較的柔らかいポリエチレンワックスを用いて高速印字性を向上させることが示されている。しかしかかる柔らかいポリエチレンワックスを用いると、印字された画像の耐摩擦性が悪いといった問題点が発生することがある。
【0004】
また特公平5−48756号公報には、感熱離型層および感熱転写インク層を順次積層した感熱転写記録媒体のインク層に分子量1,000〜100,000、溶融粘度100〜10,000cpsのポリエチレン樹脂を用いると、低平滑紙への印字でボイドの少ない画像が得られることが示されている。しかしポリエチレン樹脂の溶融粘度が高い為、ブリッジ効果による印字画像のボイドの減少には効果があるが、その反面、インク層の剪断力の増大が起こり印字画像のシャープ性(ドット再現性)、および熱感度の低下が起こることがある。
【0005】
さらに特公平5−80355号公報には、ポリエチレンワックスを主成分とする水性分散液で剥離層を設け、剥離層上にワックスを含まない熱溶融性樹脂と着色剤のインク層を設けた感熱転写記録媒体が示されているが、印字画像のシャープ性(ドット再現性)、および熱感度の低下が起こることがある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、低エネルギーでの印字が可能であり、シャープ性(ドット再現性)の優れた印字画像が得られ、かつ印字画像の耐摩擦性に優れた熱転写記録媒体を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係る感熱転写記録媒体は、支持体と、該支持体の上に設けられた熱溶融性層とを有する感熱転写記録媒体において、上記熱溶融層形成成分中に、メタロセン系触媒により製造されたエチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜 , 500の範囲にあり、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量)が2.8以下であり、密度勾配管法で測定した密度が880〜930kg/m 3 の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70〜110℃の範囲にあるポリオレフィンワックスを含むことを特徴としている。
【0008】
本発明では、前記ポリオレフィンワックスが、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい
【0009】
本発明の感熱転写記録媒体は、前記熱溶融性層中に着色剤が含有されていてもよく、また前記熱溶融性層の上に着色剤と熱溶融性物質とを含む熱溶融性インク層が設けられていてもよい。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る熱転写記録媒体について具体的に説明する。
本発明に係る感熱転写記録媒体は、支持体と、該支持体の上に設けられた熱溶融性層とを有する感熱転写記録媒体において、上記熱溶融層形成成分中に、下記のようなポリオレフィンワックスが含まれている。
【0011】
〔ポリオレフィンワックス〕
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、エチレン単独重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体である。
ここでα-オレフィンとしては、炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどの炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく挙げられ、特に好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。このようなα-オレフィンから導かれれる構成単位は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で含まれる。
【0012】
ポリオレフィンワックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜3,000、好ましくは500〜2700、より好ましくは600〜2500の範囲にある。
ポリオレフィンワックスの数平均分子量が上記範囲内にあると、サーマルヘッドから与えられる熱によりシャープに溶解し、かつ転写性が良好である。
【0013】
ポリオレフィンワックスは、Mw/Mnが3.2以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下である。
Mw/Mnが上記範囲内にあると、地汚れが少なく、かつ、シャープ性の優れた印字画像が得られる。
ポリオレフィンワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が60〜120℃、好ましくは65〜110℃、より好ましくは70〜100℃の範囲にある。
【0014】
ポリオレフィンワックスの融点が上記範囲内にあると、印字画像のシャープ性、転写性に優れる。
ポリオレフィンワックスは、密度勾配管法で測定した密度が880〜950kg/m3、好ましくは880〜930kg/m3、より好ましくは880〜910kg/m3の範囲にある。
【0015】
ポリオレフィンワックスの密度が上記範囲内にあると、地汚れが少なく、かつ、感熱感度が高くシャープ性の優れた印字画像が得られる。
ポリオレフィンワックスは、JIS K2207法で測定した針入度が通常1〜30、好ましくは2〜25である。
ポリオレフィンワックスの針入度が上記範囲内にあると、耐摩耗性が良好な印字画像が得られる。
【0016】
ポリオレフィンワックスは、アセトン抽出分量が0〜30重量%、好ましくは0〜15重量%の範囲にある。
ポリオレフィンワックスのアセトン抽出分量が上記範囲内にあると、地汚れが少なく、かつ、感熱感度が高くシャープ性の優れた印字画像が得られる。
なお、アセトン抽出分量は以下のようにして測定される。
ソックスレー抽出装置を用いて5時間抽出して、抽出量(g)/仕込み量(g)×100を計算して求めた。
【0017】
ポリオレフィンワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−366.5 ≧ Tc …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc …(Ib)
を満たすことが望ましい。
【0018】
ポリオレフィンワックスにおいて結晶化温度(Tc)と、密度(D)との関係が上記式を満たすと、ポリオレフィンワックスのコモノマー組成がより均一になる結果、ポリオレフィンワックスのベタつき成分が減少する傾向がある。
ポリオレフィンワックスは、エチレンと、プロピレンまたは1-ブテンとから得られるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0019】
ポリオレフィンワックスは、常温で固体であり、80〜120℃以上で、低粘度の液体となる。
上述したようなポリオレフィンワックスは、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
【0020】
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
1Lx …(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M1の原子価、Lは配位子である。
【0021】
1で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどがある。Lは遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0022】
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0023】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO31)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0024】
(メタロセン化合物の例−1)
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記一般式(2)で表される。
2 k3 l4 m5 n1 …(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0025】
1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0026】
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
【0027】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0028】
(メタロセン化合物の例−2)
また別のメタロセン化合物の例としては、下記一般式(3)で表される特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合物が挙げられる。
【0029】
【化1】
Figure 0004030359
【0030】
ここで、M1は周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子であり、R11およびR12は、塩素原子であることが好ましい。
【0031】
13およびR14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;−N(R20)2、−SR20、−OSi(R20)3、−Si(R20)3または−P(R20)2基である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13およびR14は、特に水素原子であることが好ましい。
【0032】
15およびR16は、水素原子が含まれないことを除きR13およびR14と同じであって、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R15およびR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
【0033】
上記一般式(3)において、R17は次の群から選ばれる。
【0034】
【化2】
Figure 0004030359
【0035】
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR21、=CO、=PR21、=P(O)R21など。M3はケイ素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。
ここで、R21、R22およびR23は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40アリールアルキル基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22」または「R21とR23」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0036】
また、R17は、=CR2122、=SiR2122、=GeR2122、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。
18およびR19は互いに同一でも異なっていてもよく、R21と同じものが挙げられる。
mおよびnは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
【0037】
上記一般式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライドなど。これらのメタロセン化合物は、例えば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
【0038】
(メタロセン化合物の例−3)
また、メタロセン化合物としては、下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0039】
【化3】
Figure 0004030359
【0040】
式中、M3は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。
24およびR25は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。
【0041】
24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0042】
26、R27、R28およびR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中では水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0043】
1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR30−、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−(ただし、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0044】
式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、M3に配位する配位子としては、次式で表されるものなどが挙げられる。
【0045】
【化4】
Figure 0004030359
【0046】
(式中、Yは前式に示したものと同じである。)
(メタロセン化合物の例−4)
メタロセン化合物としては、また下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0047】
【化5】
Figure 0004030359
【0048】
式中、M3、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、上記一般式(4)と同じである。
26、R27、R28およびR29のうち、R26を含む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24、R25で例示した置換基が挙げられる。
【0049】
26、R27、R28およびR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
またR26、R27、R28およびR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24およびR25と同様のものが挙げられる。
【0050】
1、X2およびYとしては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0051】
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−5)
メタロセン化合物として、下記一般式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0052】
【化6】
Figure 0004030359
【0053】
式中、M3、R24、X1、X2およびYは、上記一般式(4)と同じである。
24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0054】
1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0055】
(メタロセン化合物の例−6)
またメタロセン化合物として、下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM43 2 …(7)
ここで、M4は周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M4活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。X3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
【0056】
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
【0057】
【化7】
Figure 0004030359
【0058】
4は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
3は上記一般式(7)で説明したものと同様である。
CpはM4にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。
Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。
【0059】
Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。
このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなど。またこのメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
【0060】
(メタロセン化合物の例−7)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0061】
【化8】
Figure 0004030359
【0062】
3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。
【0063】
アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
32は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0064】
また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0065】
なお、R32で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様も含まれる。
【0066】
【化9】
Figure 0004030359
【0067】
32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。このような置換基としてR32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合の2,7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0068】
33およびR34は互いに同一でも異なっていてもよく、上記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33およびR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0069】
1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。
1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0070】
1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−(ただし、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0071】
これらの2価の基のうちでも、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
【0072】
(メタロセン化合物の例−8)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0073】
【化10】
Figure 0004030359
【0074】
式中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
36は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基およびアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0075】
36はこれらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。
37は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。
【0076】
37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。また、上記R36とR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。
38およびR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0077】
これらのうち、R38およびR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。
1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0078】
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−(ただし、R40は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0079】
これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
以上に説明したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
【0080】
(有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には次式で表される。
【0081】
【化11】
Figure 0004030359
【0082】
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。
アルミノオキサンは式(OAl(R’))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R''))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R'およびR''はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R'およびR''は相異なる基を表す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
【0083】
(イオン化イオン性化合物)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0084】
上記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0085】
上記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
上記ボラン化合物としては、デカボラン(9);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0086】
上記カルボラン化合物としては、4−カルバノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
このようなイオン化イオン性化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。また有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物は、上記担体化合物に担持させて用いることもできる。
【0087】
またメタロセン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とともに、以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる、このような化合物としては、例えば下記一般式(11)で表される有機アルミニウム化合物、
(R6)m Al(OR7)np4 q …(11)
(式中、R6およびR7は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基である。X4はハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。)
下記一般式(12)で表される第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などが挙げられる。
【0088】
(M5)Al(R6) …(12)
(式中、M5はLi、NaまたはKであり、R6は上記一般式(11)のR6と同じである。)
(重合)
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
【0089】
重合方法は、ポリオレフィンワックスがヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリオレフィンワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
【0090】
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、上記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
【0091】
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
【0092】
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
【0093】
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、上記した特定組成のポリオレフィンワックスが得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理すると、本発明に係るポリオレフィンワックスが得られる。
【0094】
重合反応は、特に(メタロセン化合物の例−6)で示したメタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。さらに本発明では、エチレン・α-オレフィン共重合体を製造することが好ましい。
(変性ポリオレフィンワックス)
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、未変性のポリオレフィンワックス(以下「原料ポリオレフィンワックス」ともいう。)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
【0095】
原料ポリオレフィンワックスとしては、変性後に上述したような性状のポリオレフィンワックスが得られるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であれば特に限定されないが、好ましくは上述したようなメタロセン系触媒を用いて製造された、数平均分子量が400〜3000の範囲にあり、密度が885〜960kg/m3の範囲にあり、融点が60〜120℃の範囲にあるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0096】
(酸化変性)
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスは、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させることにより得られる。
原料ポリオレフィンワックスは、通常130〜200℃、好ましくは140〜170℃の温度で溶融状態にする。
【0097】
酸化変性する際には、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させて酸化反応を行うが、「酸素または酸素含有ガス」という語は、純酸素(通常の液体空気分留や水の電解によって得られる酸素であって、他成分を不純物程度含んでいても差し支えない)、純酸素と他のガスとの混合ガス、例えば空気、およびオゾンを含んで用いられる。
【0098】
原料ポリオレフィンワックスと酸素等との接触方法としては、具体的には、酸素含有ガスを反応器下部より連続的に供給して、原料ポリオレフィンワックスと接触させる方法が好ましい。またこの場合、酸素含有ガスは、原料混合物1kgに対して1分間当たり1.0〜8.0NL相当の酸素量となるように供給することが好ましい。
【0099】
このようにして得られる変性ポリオレフィンワックスの酸価(JIS K5902)は、好ましくは6〜30mgKOH/g、より好ましくは10〜25mgKOH/gである。
ここに、酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。
【0100】
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスの酸価が6〜30mgKOH/gであるとき、この変性ポリオレフィンワックスは、針入硬度(JIS K 2207)が通常1.0mm以下となる。
(酸グラフト変性)
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、従来公知の方法で調製することができ、例えば▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを、▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に溶融混練するか、または▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを有機溶媒に溶解した溶液中で▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に混練することにより得られる。
【0101】
酸グラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヘキシルエチル、メタクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類:マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類:フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、ナジック酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸などの無水物などが挙げられる。
【0102】
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性量が、KOH滴定換算で、重合体1g当たり30〜100mgKOHであることが好ましく、30〜60mgKOHであることがさらに好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性量が上記範囲内にあると、水性分散体から得られる微粒子の吸湿性が適度であり、耐水性、耐候性等に優れる傾向がある。また、水添加後の転相が十分であり、水性分散体が高収率で得られる傾向がある。
【0103】
スルフォン酸塩で変性されている場合は、変性量が重合体1g当たり0.1〜100ミリモルであることが好ましく、5〜50ミリモルであることがさらに好ましい。
スルフォン酸塩での変性量が上記範囲内にあると、未乳化物が発生し難く、かつ乳化物以外にスルフォン酸塩の凝集物が発生し難くなる傾向がある。
【0104】
(感熱転写記録媒体)
本発明に係る感熱転写記録媒体は、支持体と、該支持体の上に設けられた熱溶融性層とを有する。
(支持体)
支持体としては、適度な耐熱性を有しておれば、その材質については特に限定されるものではなく、例えばコンデンサーペーパー、グラシン紙、セロファンフィルム、または、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。好ましいのはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネートかなるフィルムである。フィルムの厚さは0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmが特に好ましい。樹脂フィルムの熱溶融性層が形成されない面には、バックコート層が設けられていてもよく、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース等からなる公知の耐熱保護層を設けることにより、支持体の耐熱性を向上することができる。
【0105】
(熱溶融性層)
熱溶融性層は、ポリオレフィンワックスを含むインク層(I)またはインク層(I')と支持体との間に介在させるポリオレフィンワックスを含む剥離層(II)であり、インク層(I)、(I')は着色剤を含んでいる。
(ポリオレフィンワックス)
インク層(I)および剥離層(II)に含まれるポリオレフィンワックスは、上述したようなポリオレフィンワックスであり、このようなポリオレフィンワックスはインク層(I)には、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは30〜70重量%の割合で含まれ、剥離層(II)には、好ましくは5〜99重量%、より好ましくは20〜90重量%の割合で含まれる。
【0106】
(着色剤)
インク層(I)に含まれる着色剤(II)としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、アルカリブルー、ファーストエローG、ベンジジン・エロー、ピグメント・エロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンF8、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメントオレンジR、リソール・レッド20、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリヤント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストエローCGC、カヤセットY963、カヤセットYG、スミブラスト・エローGG、ザボンファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、スミブラストオレンジG、オラゾール・ブラウンB、ザボンファーストスカーレットCG、アイゼンスピロン・レッドBEH、オイルピンクOP、ビクトリアブルーF4R、ファーストゲンブルー5007、スーダンブルー、オイルピーコックブルー等の公知の染料が単独または必要に応じて2種以上組み合わされて使用される。着色剤は、インク層に好ましくは1〜95重量%、より好ましくは2〜80重量%の割合で含まれる。
【0107】
(他のワックス成分)
インク層(I)および剥離層(II)は上記ポリオレフィンワックスに加えて、上記ポリオレフィンワックス以外の他のワックス成分を含有してもよく、このようなワックス成分としては、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスなどの植物性ワックス、ラノリン、蜜ろう、セラックワックスなどの動物性ワックス;モンタンワックスなどの鉱物性ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィンワックス、塩素化パラフィンワックス、リシノール酸アマイド、ラウリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ポリエチレンワックス、ポリエチレンオキシドワックスなどの合成ワックスなどが挙げられる。ポリエチレンワックスと他のワックス成分の使用量は重量比で50〜100:0〜50が適当である。
【0108】
(熱可塑性樹脂)
また、インク層(I)および剥離層(II)は支持体への接着性を持たせるために熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては軟化点が60〜150℃の範囲にあるものが好ましく、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンワックス以外のポリオレフィンおよびポリオレフィン共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレン共重合体、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル共重合体、ダイアセトンアクリルアミドポリマー、酢酸ビニル共重合体、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、ポリカーボネート、アイオノマー、環状ケトンとホルムアルデヒドとの縮合物、o−キシレンまたはメシチレンとホルマリンとの縮合物、この縮合物のロジン変性物、石油樹脂等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、必要に応じて、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0109】
熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンワックスの含有量を超えても、超えない割合で含まれても、どちらでもよい。
(インク層(I'))
インク層(I')は、上記着色剤と、上記他のワックス成分、熱可塑性樹脂などからなる結合剤とからなり、上記ポリオレフィンワックスを含んでいてもよい。
【0110】
(感熱転写記録媒体の製造方法)
本発明に係る感熱転写記録媒体は、例えば支持体上にインク層(I)を形成するか、または支持体上にインク層(I')および剥離層(II)を形成することにより製造することができる。
インク層層(I)、(I')および剥離層(II)は、例えば、層を形成する成分の少なくとも一部を溶融状態にして塗布する方法(ホットメルト法)、層を形成する成分を溶媒に溶解し、もしくは分散させて塗布する方法(溶媒法)などの公知の方法を利用して形成することができる。
【0111】
ホットメルト法を採用してインク層(I)、(I')または剥離層(II)を形成する場合、これらの層を形成する上記の成分を配合し、ワックスまたは熱可塑性樹脂が溶融状態になる温度までこの混合物を加熱した後、支持体上にこの加熱された混合物を塗布し、次いで所望の形状に裁断することにより感熱転写記録媒体を製造することができる。
【0112】
また、溶媒法を採用してインク層(I)、(I')または剥離層(II)を形成する場合、これらの層を形成する上記の成分を、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、シクロヘキサノンなどの脂環族溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒、アルコール系溶剤;エーテル系溶剤などの有機溶媒またはこれらの混合溶媒中に配合して塗布液を調製し、この塗布液を基体上に塗布する。このような塗布液の塗布方法としては、グラビアコート、リバースロールコート、エアーナイフコート、ディップコートおよびスピナーコートなどの公知の方法を利用することができる。上記のようにして支持体上に塗布液を塗布した後、溶媒の少なくとも一部を除去し、所望の形状に裁断することにより感熱転写記録媒体を製造することができる。
【0113】
本発明においては、ポリオレフィンワックスを粒子状で、熱溶融性層すなわちインク層(I)または剥離層(II)に含有させることが好ましく、特にポリオレフィンワックスを有機溶剤に分散して、ポリオレフィンワックスを含有するインク層形成液および/または剥離層形成液とし、感熱転写記録媒体を製造することが好ましい。これにより、分散剤のような余分な材料を多量に使用することがないため、ポリオレフィンワックスの有している特性を充分発揮でき、耐摩擦性、画像シャープ性がより向上する。
【0114】
有機溶剤に分散したときの粒径としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.2〜5μmの範囲であることが好ましい。粒径が上記囲外にあると画像シャープ性が低下したり、画像のボイドが多く発生したりすることがある。
ポリエチレンワックスをこれら有機溶剤に分散する方法としては、ワックス成分を加熱溶媒中で溶解し、次いで、冷却分散する方法、またはワックス成分の微粉末を有機溶剤に混合し、分散する方法等が用いられる。
【0115】
このようにして製造された熱転写記録媒体は、インク層が4〜10g/m2の量で形成され、剥離層が形成される場合は1〜4g/m2の量で形成されることが好ましい。
【0116】
【発明の効果】
本発明に係る熱転写記録媒体は、低エネルギーでの印字が可能であり、地汚れがなくシャープ性の優れた印字画像が得られ、かつ印字画像の耐摩擦性に優れている。
【0117】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0118】
【合成例1】
(ポリオレフィンワックス(I)の合成)
充分に窒素置換した内容責2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン935ml及び1−ブテンを65ml装入し、水素を3.5kg/cm2(ゲージ圧)となるまで導入した。次いで、系内温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm2に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン及び1−ブテンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。得られたワックスの物性を評価して次の値を得た。
Figure 0004030359
【0119】
【合成例2】
(ポリオレフィンワックス(II)の合成)
ヘキサン920ml及びプロペンを80ml装入し、水素を1.0kg/cm2(ゲージ圧)となるまで導入した以外は合成例1と同様に重合した。その結果、以下の物性を有するワックスを得た。
Figure 0004030359
【0120】
【合成例3】
(触媒の調製)
内容積1.5リットルのガラス製オートクレーブ内で、市販の無水塩化マグネシウム25gをヘキサン500mlに懸濁させた。これを30℃に保ち攪拌しながらエタノール92mlを1時間で滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、ジエチルアルミニウムモノクロリド93mlを1時間で滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、4塩化チタンを90mlを滴下し、反応容器を80℃に昇温して1時間反応させた。
【0121】
反応終了後、固体部をデカンテーションにより遊離のチタンが検出されなくなるまでヘキサン洗浄した。このものをヘキサン懸濁液としてチタン濃度を滴定により定量し、以下の実験に供した。
(ポリオレフィンワックス(III)の合成)
充分に窒素置換した内容責2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン930mlを装入し、1−ブテン70mlを装入し、水素を20.0kg/cm2(ゲージ圧)となるまで導入した。、次いで、系内の温度を170℃に昇温した後、トリエチルアルミニウム0.1ミリモル、エチルアルミニウムセスキクロライド0.4ミリモル、前記で得た触媒をチタン成分原子換算で0.008ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を40kg/cm2に保ち、170℃で40分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン及び1−ブテンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。得られたワックスの物性を評価して次の値を得た。
Figure 0004030359
【0122】
【実施例1】
(感熱転写用インク層形成液の調製)
ポリオレフィンワックス(I)20重量部と、カルナバワックス 30重量部と、エチレン酢酸ビニル共重合体(商品名:V−577−2、三井デュポンポリケミカル社製)35重量部と、カーボンブラック15重量部とを溶融混合して感熱転写用インク層形成液を調製した。
【0123】
(感熱転写記録媒体の製造)
上記感熱転写用インク成形液を付着量が3.0g/m2となるように支持体上にホットメルト塗布法で塗設して感熱転写記録媒体を得た。
上記のようにして得られた感熱転写記録媒体をリボン状にし、薄膜型のサーマルヘッドを持つプリンタ上を走行させ印字エネルギー1mg/ドット(4×10-4cm2)の条件で、上質紙(「KYP」135g、日本製紙社製)を非転写体として感熱記録して地汚れを目視で評価した。さらに感熱記録した上記非被写体を用いて耐摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
【0124】
【実施例2】
実施例1においてポリオレフィンワックス(I)に代えてポリオレフィンワックス(II)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱転写記録媒体を得た。得られた感熱転写記録媒体を用いて実施例1と同様にして地汚れの評価および耐摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
【0125】
【実施例3】
実施例1においてポリオレフィンワックス(I)50重量部、カルナバワックス0重量部に変えて用いて以外は実施例1と同様にして感熱転写記録媒体を得た。得られた感熱転写記録媒体を用いて実施例1と同様にして感熱記録して地汚れの評価および耐摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
【0126】
【実施例4】
(感熱転写用剥離層形成液の調製)
ポリオレフィンワックス(I)95重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:EV−210、三井デュポンポリケミカル社製)5重量部とを溶融混合して、感熱転写用剥離層形成液を調製した。
【0127】
(感熱転写用インク層形成液の調製)
ポリオレフィンワックス(I)40重量部と、パラフィンワックス(HNP−10、日本精蝋社製)20重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:EV−40Y、三井デュポンポリケミカル社製)125重量部と、カーボンブラック15重量部とを溶融混合して感熱転写用インク層形成液を調製した。
【0128】
(感熱転写記録媒体の製造)
上記感熱転写用剥離層成形液を乾燥後の付着量が1.5g/m2となるように支持体上にホットメルト塗布法で塗設して剥離層を形成し、次いで上記感熱転写用インク成形液を付着量が3.0g/m2となるように剥離層上にホットメルト塗布法で塗設して、感熱転写記録媒体を得た。得られた感熱転写記録媒体を用いて実施例1と同様にして感熱記録して地汚れの評価および耐摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
【0129】
【比較例1】
実施例1においてポリオレフィンワックス(I)に代えてポリオレフィンワックス(III)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱転写記録媒体を得た。得られた感熱転写記録媒体を用いて実施例1と同様にして感熱記録して地汚れの評価および耐摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
Figure 0004030359
【0131】
耐摩試験は感熱記録した紙に未使用の紙を重ね、その上に500gの荷重を載せて学振式耐摩擦試験機II型(テスター産業)にかけて100回摩擦して印字の状態から耐摩耗性を評価した。

Claims (4)

  1. 支持体と、該支持体の上に設けられた熱溶融性層とを有する感熱転写記録媒体において、上記熱溶融層形成成分中に、メタロセン系触媒により製造されたエチレン単独重合体またはエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜 , 500の範囲にあり、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量)が2.8以下であり、密度勾配管法で測定した密度が880〜930kg/m 3 の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70〜110℃の範囲にあるポリオレフィンワックスを含むことを特徴とする感熱転写記録媒体。
  2. 前記ポリオレフィンワックスが、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
  3. 前記熱溶融性層中に着色剤が含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
  4. 前記熱溶融性層の上に着色剤と熱溶融性物質とを含む熱溶融性インク層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
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