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JP4012169B2 - 複数種のイオン測定用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、水系試料中の複数種のイオンを測定できるイオン測定用器具に関する。
水道水等の飲料水、河川水や湖水等の農業用水等の水質検査の1つとして、各種イオン濃度を測定することが行われている。試料となる水が存在する野外等でその場で簡便、迅速に試料水中のイオンを測定するための手段として、水質試験紙、溶液目視比色キット及び簡易光度計等が用いられている。
水質試験紙は、目的とするイオンに応答する指示薬(主に吸光試薬)を紙に塗布したものであり、試験紙を試料水に浸す又は試料水を試験紙に滴下すると、含まれるイオンの濃度に応じて試験紙の色が変化する。この変化から目視にて目的イオンの定量又は検出を行う。
しかしながら、水質試験紙は、紙に吸着保持できる指示薬が限られている、1枚の試験紙で1種類のイオンしか測定できない、感度が低い、定量性が悪い等の欠点を有する。
これらの水質試験紙の問題を解決した水質検査用の器具として、溶液目視比色キットや、これに簡易な光度計を付加したものも用いられている。これらの器具では、膜剤と呼ばれるマトリックスに指示薬を混合したものを容器内壁に固相化し、測定時に試料及び必要な添加剤を加え、固相化した指示薬を溶出させて溶液中で反応を行う。この種の公知の水質検査器具では、膜剤としてポリ塩化ビニルが用いられている。
しかしながら、これらの器具では、一度に一成分のみしか測定できず、また、分析操作が測定成分毎に異なり、煩雑である。さらに、測定感度及び正確性も必ずしも満足することができない。
太田宣秀、ぶんせき、661(2001) 岡内完治"だれでもできるパックテストで環境しらべ"(2000),合同出版 東亜DKK"多項目水質計LASA1分析ハンドブック",2002
本発明の目的は、単一の器具で複数種のイオンを簡便にかつ、許容できる程度に高感度に正確に測定することができる、水系試料中の複数種のイオン測定用器具を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、膜剤として重合度が500〜2000であるポリエチレングリコールを用いることにより、水系試料中のイオンを許容できる程度に高感度に正確に測定することができることを見出し、さらに、測定に用いられるオプトード、及び測定に前記オプトード以外の他の成分が必要な場合には該他の成分をポリエチレングリコール中に含めて固相化することにより、複数種のイオンを簡便に測定することができ、さらに、マイクロプレートのような1枚のプレートに複数の反応領域を設けることができる基体を用いることにより、単一の器具で複数種のイオンが測定可能であることに想到し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、イオンの測定に用いられるオプトード、及び前記測定に前記オプトード以外の他の成分が必要な場合には該他の成分を、重合度が500〜2000であるポリエチレングリコールと混合したものを基体上に固相化した領域が複数形成された基体を含み、前記複数の各領域には、異なるイオンを測定するための異なるオプトードが固相化されている、水系試料中の複数種のイオン測定用器具を提供する。
本発明の器具を用いると、単一の器具で複数種のイオンを簡便にかつ許容できる程度に高感度に正確に測定することができる。
本発明の器具を適用する試料としては、水を主成分とする水系試料であれば何ら限定されるものではなく、水道水、井戸水等の飲料水、河川水、湖水等の農業用水や、海水、さらには各種の人工飲料や食品、体液(血液、血清、血漿、リンパ液、尿、唾液、組織液、髄液、ぬぐい液等)これらの希釈物、懸濁水、水溶液等を例示することができるがこれらに限定されるものではない。
測定すべきイオンも何ら限定されるものではなく、河川水中の主なイオンであるCa2+、Mg2+、環境基準が定められているF-、BO3 3-、Cd2+、Pb2+、Cr6+、Hg2+、Zn2+、Fe3+、Cu2+、Mn2+、H+、As5+、NO3 -、NH4 +、農業用水中の含有量のモニタリングが必要とされているNO2 -、PO4 3-及びK+、その他H+、Cd2+、Pb2+、Cr6+、As5+等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明において、「イオンの測定」とは、イオンの検出又はイオンの濃度の測定(すなわち、イオンの定量若しくは半定量)を意味する。
上記の通り、本発明の複数種のイオン測定用器具は、イオンの測定に用いられるオプトード及び必要な添加剤を、重合度が500〜2000であるポリエチレングリコールに混合したものを基体上に固相化した領域を含む。
ここで、オプトードとは、測定すべきイオンと反応して、その光化学的性質(吸光、蛍光、偏光、散乱、屈折等)を変化させる物質のことであり、代表的なものはいわゆる指示薬である。目的のイオンを測定するためのオプトードは、各イオンについてそれぞれ公知であり、また、そのオプトードを用いるイオンの測定に必要な添加剤も公知であり、本発明では、公知のオプトード及び添加剤を用いることができる。また、単一のイオンを測定するために、複数のオプトードを用いてもよい。測定可能なpH域が異なる複数のオプトードを組み合わせて用いることにより、広範囲のpH域での測定が可能になる。単一のイオンを測定するために、複数のオプトードを用いる場合、該複数のオプトードは、通常、それぞれ異なる領域に固相化されるが、同一領域に固相化した場合でも検量線が作製可能なオプトードの組合せの場合には同一領域に固相化することもできる。
各イオンの測定に用いられるオプトード及び添加剤の好ましい例として、下記表1に示すものを挙げることができる。もっとも、各イオンの測定に用いることができるオプトード及び添加剤は、これらに限定されるものではない。
Figure 0004012169
本発明の器具では、オプトード以外の他の成分(いわゆる添加剤)が測定に必要な場合には該他の成分(添加剤)もオプトードと共に固相化される。添加剤の例としては、上記表1に示されるように、緩衝剤、他のイオンとの反応をマスクするマスキング剤、オプトードどイオンとの反応のために必要な還元剤及び結合剤、並びに発色のために必要な発色剤及び発色安定剤を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。オプトード以外の添加剤も、基体上に固相化しておくことにより、測定は水系試料を基体に添加するだけで行うことができ、簡便で好ましい。
上記したオプトード及び必要な添加剤は、ポリエチレングリコールと混合し、該混合物を基体上に固相化する。ポリエチレングリコールは、いわゆる膜剤として用いるものである。膜剤としてポリエチレングリコールを用いることは本発明の重要な特徴である。ポリエチレングリコールにオプトード及び必要な添加剤を封入して基体上に固相化すると、使用前は、オプトード及び添加剤の保存性が良好であり、使用時には、ポリエチレングリコールが溶解してオプトード及び添加剤が良好に溶出し、しかも、溶解したポリエチレングリコールがオプトードとイオンとの反応を妨害せず、さらに、無色透明であるため測定も妨害せず、その結果、測定を感度良く正確に行うことができる。
なお、NO3 -の測定は、表1に示す成分を固相化し、これに試料を添加して行なってもよいが、試料を予め金属亜鉛で処理してNO2 -に還元し、還元処理済みの試料をNO2 -測定用の領域に添加してその光化学的変化に基づき測定を行うこともできる(下記実施例参照)。この場合、金属亜鉛として、顆粒状の金属亜鉛を用い、これをマイクロピペットのチップに充填し、このチップを用いて試料を添加することが簡便で好ましい(下記実施例参照)。
本発明で用いるポリエチレングリコールの重合度(重縮合しているエチレングリコール単位の数)は、試薬類の保存性と水中への溶解性の観点から、500〜2000であり、好ましくは800〜1200程度である。
固相化は、オプトード、必要な添加剤及びポリエチレングリコールを水に溶かして混合し、得られた混合液を基体上に塗布し、乾燥させることにより容易に行うことができる。固相化するオプトード及び添加剤の量は、所定量の試料に溶解した際に、各試薬が適切な濃度となる量であり、オプトード及び添加剤の種類並びに測定すべきイオンの種類に応じて、公知の情報に基づき、又はルーチンな実験により適宜設定することができる。固相化されるポリエチレングリコールの量は、特に限定されないが、所定量の試料に全量が溶解した場合の濃度が通常、0.001〜0.1重量%程度、好ましくは0.005〜0.2重量%程度になる量である。
なお、膜剤は、ポリエチレングリコールのみから成ることが好ましいが、測定の感度及び正確性に悪影響を与えない範囲ならば少量の他の成分や不純物を含有していてもよい。このような他の成分や不純物の合計量は、悪影響がない範囲であれば特に限定されないが、通常、ポリエチレングリコールに対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。また、ポリエチレングリコールは、エチレングリコール単位のみが重縮合したものであることが好ましいが、測定の感度及び正確性に悪影響を与えない範囲ならば少量の他の単位が含まれていてもよい。このような他の単位の合計量は、悪影響がない範囲であれば特に限定されないが、通常、ポリエチレングリコールの全単位中、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
水質検査において、pHの測定は広く行われている項目であるので、前記したイオン測定のためのオプトードと同様に、pHを測定できるオプトードを固相化した領域を設けておくと、単一の器具でpHの測定まで行うことができるので便利である。この目的のためには、公知のpH指示薬を採用することができ、測定可能なpH範囲の異なる複数のpH指示薬を組み合わせて固相化しておくことにより、広範囲のpHが測定可能になる。また、水質検査に供される飲料水や農業用水のpHの範囲は、比較的限定されているので、検査に供される水について予測される範囲の中で、pKaが異なる複数のpH指示薬を組み合わせて用いることにより、その範囲内での測定精度を高めることができるので好ましい。このような目的に用いられる好ましい組合せの例として、ブロムクレゾールパープル(pKa 6.1)、ブロムチモールブルー(pKa7.2)及びクレゾールレッド(pKa 8.3)を挙げることができる。この組合せによれば、pH6.0〜8.5の範囲でpHを高精度に測定することができ、飲料水及び農業用水のpHは、ほとんどの場合この範囲内に入っている。なお、pH指示薬を組み合わせて用いる場合、各pH指示薬は、それぞれ別個の領域に固相化することが好ましい。pH指示薬の固相量は、特に限定されず、用いるpH指示薬の種類等に応じて適宜設定できるが、所定量の試料に全量が溶解した場合の濃度が通常、0.01〜0.1モル%程度になる量である。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 イオン及びpH測定用プレートの作製
下記表2に示す試薬類及び膜剤として重合度1000のポリエチレングリコール(Aldrich社製)を含む水溶液を、各イオン及びpH測定用の試薬類ごとにマイクロプレートのウェルに入れ(pH指示薬は、それぞれ別のウェルに入れた)、溶液の入ったマイクロプレートをデシケーター内で一晩減圧乾燥させた。作製されたプレートはプレートシールで封をし、測定までデシケーター内で保管した。なお、ウェルに入れた各試薬の量は、200μlの試料水で全量を溶解した際にそれぞれ表2に示す濃度となる量であった。また、ウェルに入れたポリエチレングリコールの量は、200μlの試料水で全量を溶解した際に0.01重量%となる量であった。なお、試薬類は全て市販のものを用いた。
Figure 0004012169
標準イオン水溶液の測定
実施例1で作製したイオン及びpH測定用プレートを用いてイオンが測定できることを確認するために、既知の種々の濃度の測定イオンをそれぞれ1種類含む水溶液を表2に示す各イオン種について調製した。各イオンの濃度は、後述する図1ないし図7に記載されている。なお、イオン濃度の表示で、例えば「5.0E-05」という表示は、5.0 x 10-5 Mを意味する。また、表2に示す各イオン種を含む各水溶液の調製に用いた塩は、それぞれ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化ナトリウム、ホウ酸、亜硝酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム及び塩化カリウムであった。
200μlの水溶液をマイクロピペッターで取り、それぞれのイオンに対応するマイクロプレートのウェルに注入した。このとき、同じ濃度の溶液を4つのウェルに注入した。プレートをマイクロプレートリーダーの撹拌機能にて1分間撹拌し、試薬を溶解した後、5分間放置して反応を完了させた。その後、再び1分間撹拌して溶液を均一にし、マイクロプレートリーダーで吸光スペクトルを測定した。
各イオン濃度に対し、ウェルごとに定めた波長における吸光度をプロットし、検量線を描いた。吸光度は4つのウェルの平均値とし、その標準偏差値からエラーバーを作成した。検量線は、試薬と測定イオンが1対1で応答すると仮定し、理論式より描いた。この式は以下の通りである。
指示薬Iに対し、測定イオン A が次の反応によって応答する。
I + A ⇔ IA [I: 指示薬、 A: 測定イオン]
このときの平衡定数 Ka は、
Ka = [IA] / [I][A]
指示薬およびイオンの総量は、以下のとおりである。
Itot = [I] + [IA]、 Atot = [A] + [IA]
一方、定数α を次のように定義すると、下の式が成り立つ。
α = [IA] / Itot = (Abs Absfree) / (AbsA Absfree) ・・・ (1)
[Abs: 吸光度、 Absfree: イオンフリー、 AbsA: 飽和]
Ka = α / [(1 α) (Atot α Itot)] ・・・ (2)
このときの各濃度は、
[I] = Itot [IA]、 [A] = Atot [IA]
(2)式に代入すると、錯形成定数 Ka は、
Ka = [IA] / {(Itot [IA]) (Atot [IA])} ・・・ (3)
(1)式から、
A = [IA] (AA Afree) / Itot + Afree ・・・ (4)
Lambert-Beer の法則に従って、測定された吸光度Abs、Absfree、および AbsA よりαを求め (1)、見かけの平衡定数 Ka を算出した (2)。その値をもとに (3)、(4) 式から 吸光度の理論値を計算し、検量線を描いた。
測定値のばらつき(エラーバーの大きさ)、検量線の傾き、機械の精度を考慮し、各ウェルの検量範囲を定めた。
結果を図1ないし図7に示す。各図には、吸光スペクトルと、検量線が描かれている。検量線のうち、プロットが実線で結ばれている領域が、上記した検量範囲である。また、それぞれの吸光スペクトルにおいて、ピーク波長における吸光度は、イオンフリー(イオン濃度0)が最低であり、イオン濃度が高いほど吸光度は大きくなった(マグネシウムイオン添加の場合、イオン濃度の増加に伴い、吸光度は減少した)。したがって、実施例1のプレートにより、各イオンが簡便に測定可能であることがわかる。
pHの測定
実施例1で作製したプレートでpHを測定することが可能であることを確認するために、pH測定試験用の標準水溶液を調製した。標準水溶液は、次のとおりであった。
(1) ブロムクレゾールパープル用
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 Mクエン酸(pH 4.0〜5.4)
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 M MES(pH 5.8〜7.8)
(2) ブロムチモールブルー用
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 Mクエン酸(pH 5.4)
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 M MES(pH 5.8〜7.8)
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 M ホウ酸(pH 8.0〜9.0)
(3) クレゾールレッド用
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 M MES(pH 6.4〜7.8)
0.1 M TMACl + 0.1 M TMAOH + 0.01 M ホウ酸(pH 8.0〜10.0)
(TMACl: テトラメチルアンモニウムクロライド
TMAOH: テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
MES: 2-モルフォリノエタンスルホン酸
実施例2と同じ操作を行い、各ウェルの吸光スペクトルを測定した。
結果を図8〜10に示す。各図には、吸光スペクトルと、検量線が描かれている。検量線のうち、プロットが実線で結ばれている領域が、pHの測定可能域である。図8〜10において、ピークの吸光度は、いずれの場合もpHが高くなるほど大きくなっている。したがって、実施例1のプレートにより、pHが簡便に測定可能であることがわかる。また、実施例1のプレートには、pKaが異なる3種類のpH指示薬が固相化されているので、図8〜10からわかるように、pH5.0〜9.0の範囲でpH測定が可能であり、飲料水や農業用水の水質検査用には十分である。
実施例1で作製したプレートを用い、実施例2記載の方法により、実際の河川水(鶴見川及び矢上川)中の各イオン濃度及びpHを測定した。比較のため、高精度であるが操作が煩雑な公知のイオンクロマトグラフィー法(IC)によってもイオン濃度を測定した。また、pHは、ガラス電極を用いたpHメーターによっても測定した。結果を下記表3及び表4に示す。表3が鶴見川についての結果、表4が矢上川についての結果を示す。
Figure 0004012169
Figure 0004012169
*1: IC法の検出範囲外
*2: 検出せず
以上の結果から、実施例1で作製したプレートにより、簡便に各種イオン及びpHを測定できることがわかる。
下記表5に示す試薬類を用いることを除き、実施例1と同様にしてプレートを作製した。もっとも、NO3 -の測定に用いられる金属亜鉛は、プレートの領域に固相化したのではなく、マイクロピペットのチップ内に顆粒状の金属亜鉛を充填し、このチップを用いて試料を分注した。この場合、試料をチップ内に吸引し、そのまま室温で3分間放置して十分に還元反応を行なわせた後、固相化領域に添加した。
Figure 0004012169
測定に供した標準試料は、塩化アンモニウム水溶液及び硝酸カリウム水溶液であり、各水溶液の濃度は50mM〜1μMであった。これらの標準試料を用い、実施例2と同様にして測定を行った。ただし、マイクロプレートリーダーの撹拌機能を駆使した撹拌後の放置時間は15分間とした。また、波長350〜700nmの範囲で、4nm間隔で吸光度を測定した。
アンモニウムイオンの測定における、各濃度の標準試料に対する波長と吸光度の関係を図11−1及び図11−2に示す。また、波長705nm及び710nmにおける、アンモニウムイオン濃度の対数と吸光度の関係を示す検量線を図12−1及び図12−2に示す。[NH4 +]=1×10-4M を境に最大吸収波長がシフトし、またこの濃度よりも低い濃度の場合は、波長=705 nm において濃度が低くなれば吸光度も低下するのだが、高い濃度の場合は、波長= 710 nm において濃度が低くなれば吸光度が増大する。そして [NH4 +]=1×10-4M のところで最大吸収をむかえる。したがってこの2つの波長それぞれの検量線をかいた(図12−1及び図12−2)。波長 710 nm と 705 nm のところの吸光度を比較し、どちらか大きい方の吸光度をしめす検量線から濃度を調べればよい。およそ 5.0 × 10-2〜 5.0 × 10-6Mの濃度範囲で測定が可能であることがわかる。
また、硝酸イオンの測定における、各濃度の標準試料に対する波長と吸光度の関係を図13−1に示す。また、波長512nmにおける、硝酸イオン濃度の対数と吸光度の関係を示す検量線を図13−2に示す。図13−2の検量線から明らかなようにおよそ 2.5 × 10-2〜 1.0 × 10-4Mの範囲内では検量線は右肩上がりであり、この範囲で硝酸イオン濃度の測定が可能であることが明らかになった。
実施例1で作製したプレートを用いてCa2+を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてMg2+を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてF-を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてBO3 3-を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてNO2 -を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてPO4 3-を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレートを用いてK+を測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレート中のブロムクレゾールパープル固相化領域を用いてpHを測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレート中のブロムチモールブルー固相化領域を用いてpHを測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例1で作製したプレート中のクレゾールレッド固相化領域を用いてpHを測定した場合の吸光スペクトル及び検量線を示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いてアンモニウムイオンを測定した場合の吸光スペクトルを示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いてアンモニウムイオンを測定した場合の吸光スペクトルを示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いてアンモニウムイオンを測定した場合の検量線を示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いてアンモニウムイオンを測定した場合の検量線を示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いて硝酸イオンを測定した場合の吸光スペクトルを示す図である。 実施例5で作製したプレートを用いて硝酸イオンを測定した場合の検量線を示す図である。

Claims (8)

  1. イオンの測定に用いられるオプトード、及び前記測定に前記オプトード以外の他の成分が必要な場合には該他の成分を、重合度が500〜2000であるポリエチレングリコールと混合したものを基体上に固相化した領域が複数形成された基体を含み、前記複数の各領域には、異なるイオンを測定するための異なるオプトードが固相化されている、水系試料中の複数種のイオン測定用器具。
  2. pHの測定に用いられるオプトードをポリエチレングリコールと混合したものを前記基体上に固相化した領域をさらに含み、pHの測定も行うことができる請求項1記載の器具。
  3. 前記他の成分が、緩衝剤、マスキング剤、還元剤、結合剤、発色剤及び発色安定剤から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2のいずれか1項に記載の器具。
  4. Ca2+、Mg2+、F-、BO3 3-、NO2 -、PO4 3-、K+及びNH4 +から成る群より選ばれる少なくとも2種のイオンを測定する領域を含む請求項1ないしのいずれか1項に記載の器具。
  5. 前記基体がマイクロプレートであり、前記複数の領域のそれぞれが、マイクロプレートの各ウェル内に形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の器具。
  6. 請求項1ないしのいずれか項に記載の器具上の前記複数の領域に、水系試料を加え、該領域の光化学的性質の変化に基づき前記水系試料中の複数種のイオンを測定する、水系試料中の複数種のイオン測定方法。
  7. 前記水系試料を亜鉛で処理することにより還元した後、得られた還元試料を、NO2 -測定用の領域に添加して水系試料中のNO3 -濃度を測定することを含む請求項記載の方法。
  8. 顆粒状の金属亜鉛をマイクロピペットのチップの中に充填し、該チップを用いて前記水系試料をNO2 -測定用の領域に添加することを含む請求項記載の方法。
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