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JP4010161B2 - 音響提示システムと音響再生装置及びその方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体と音響提示プログラム。 - Google Patents

音響提示システムと音響再生装置及びその方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体と音響提示プログラム。 Download PDF

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哲彦 有光
大介 菊地
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、音響提示システムと音響再生装置及びその方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体と音響提示プログラムに関する。詳しくは、特定音源からの音を集音手段によって取得して音響信号を生成し、特定音源の方向に対する撮影を行い画像信号を生成し、画像信号画像の動き検出を行い、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成し、音響出力信号に基づいた音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と表示位置信号に基づいて、複数の音響出力信号を生成して複数の音響出力手段に供給することにより、画像の表示位置の移動に合わせて音像の位置を移動させるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の音響提示システムでは、例えばステレオマイクロフォンを用いて右側方向の音響と左側方向の音響を集音して、左右チャンネルの音響信号を生成すると共に、再生時には右側に配置されているスピーカを右チャネルの音響信号に基づいて駆動し、左側に配置されているスピーカを左チャネルの音響信号に基づいて駆動することで、モノラルマイクロフォンを用いる場合よりも臨場感を高める方法が行われている。
【0003】
また、人間の頭蓋骨模型を作り、この模型の左耳と右耳の内部にマイクを設けて、人間の耳から入った音を擬似的に集音すると共に、再生時にはヘッドホンを用いる所謂バイノーラルサウンドも実用化されている。
【0004】
また、近年では、臨場感をさらに向上させるため、前方のスピーカ以外に補助スピーカを設けて、この補助スピーカから反射音や後方からの音および低周波数領域の音等を再生可能とする方式、所謂5.1chや6.1ch方式のサラウンド方式等も実用化されている。
【0005】
さらに、音響信号に対して信号処理を行うことで再生音場を再現や、3次元音場を再現することが行われている。例えば、無響室で集音した音やコンパクトディスク等に記録された音に、所望の空間でのインパルス応答(音響伝達関数)を畳み込み、所望の空間の特性を再生音場で再現させる。すなわち、所望の空間の音源位置で基準音を出力させると共に視聴位置で集音を行い、音源位置で出力された音と視聴位置で集音された音との関係から所望の空間のインパルス応答を求めることができる。このため、インパルス応答を実現するフィルタを登録しておき、音の再生時には、この登録されたフィルタを用いるものとすれば、所望の空間の特性を再生音場で再現できる。また、種々のフィルタを登録して、選択可能とすれば、種々の再生音場を再現できると共に、三次元音場を再現することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像と音響を別々に記録した場合、ビデオカメラの向きに関係なく音響を記録すると、記録された音響信号に基づく再生音は方向性を持たなくなってしまい、臨場感に欠けたものとなってしまう。
【0007】
また、このように記録された音響を、臨場感を高めて再生するためには、画像を見ながら音像の位置を画像に合わせる操作を人偽的に行わなければならず、簡単に臨場感の高い再生音を得ることができない。
【0008】
また、ビデオカメラにマイクロフォンを設けて画像と音響を記録した場合、図19Aに示すように、所望の被写体OBに合わせてビデオカメラ90の撮像方向を変更すると、図19Bに示すように、再生画像がフレーム「Fa」「Fb」「Fc」の順に変更されても所望の被写体OBの位置を表示画像の中央に保つことができる。しかし、所望の被写体に対応する音像も位置Qmに固定されてしまう。このため、再生時には、表示画像の背景の動きによって被写体の動きを表現できるが、音像の位置は固定されてしまい、臨場感の高い再生音場を得ることができない。
【0009】
そこで、この発明では、表示画像に対応させて容易に臨場感の高い再生音場を得ることができる音響提示システム音響再生装置及びその方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体と音響提示プログラムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る音響提示システムは、特定音源からの音を取得して音響信号を生成する集音手段と、特定音源の方向に対する撮影を行い画像信号を生成する撮像手段と、集音手段で生成された音響信号に基づいて複数の音響出力信号を生成する音響出力信号生成手段と、音響出力信号に基づいた音響出力を行う複数の音響出力手段と、画像信号画像の動き検出を行い、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する画像処理手段と、複数の音響出力手段に関する設置情報と表示位置信号に基づき、音響出力信号生成手段における複数の音響出力信号の生成動作を制御する提示制御手段とを有するものである。また、環境音を取得して環境音信号を生成する環境音集音手段と、設置情報と前記環境音信号に基づき、環境音重畳信号を生成する環境音処理手段と、音響出力手段毎に、対応する環境音信号を音響出力信号に加算する信号加算手段とを有するものである。
【0012】
さらに音響再生装置は、特定音源からの音を取得して生成された音響信号に基づいて複数の音響出力信号を生成する音響出力信号生成手段と、特定音源の方向に対する撮影を行うことにより生成された画像信号画像の動き検出を行い、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する画像処理手段と、音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と表示位置信号に基づき、音響出力信号生成手段における複数の音響出力信号の生成動作を制御する提示制御手段とを有するものである。また、環境音を取得して生成された環境音信号と設置情報に基づいて環境音重畳信号を生成する環境音処理手段と、音響出力手段毎に、対応する音響出力信号を環境音信号に加算する信号加算手段とを有するものである。
【0013】
次に、この発明に係る音響提示方法は、特定音源からの音を集音手段によって取得して音響信号を生成し、特定音源の方向に対する撮影を行い画像信号を生成し、画像信号画像の動き検出を行い、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成し、音響出力信号に基づいた音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と表示位置信号に基づいて、複数の音響出力信号を生成して複数の音響出力手段に供給するものである。
【0015】
さらに音響再生方法は、特定音源の方向に対する撮影を行うことにより生成された画像信号画像の動き検出を行い、画像信号表示画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成し、音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、表示位置信号と、特定音源からの音を取得して生成した音響信号に基づいて、複数の音響出力信号を生成するものである。
【0016】
次に、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに、特定音源の方向に対する撮影を行って生成された画像信号画像の動き検出を行って、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する手順と、音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、表示位置信号に基づいて、提示調整信号を生成する手順と、特定音源からの音を取得して生成した音響信号と提示調整信号に基づいて、複数の音響出力手段に供給する音響出力信号を生成する手順とを実行させる実行させるプログラムを記録したものである。
【0017】
また、音響提示プログラムは、コンピュータに、特定音源の方向に対する撮影を行って生成された画像信号画像の動き検出を行って、画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する手順と、音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、表示位置信号に基づいて提示調整信号を生成する手順と、特定音源からの音を取得して生成した音響信号と提示調整信号に基づいて、複数の音響出力手段に供給する音響出力信号を生成する手順とを実行させるものである。
【0018】
この発明においては、撮像手段によって撮影画像の画像信号が生成されると共に、超指向性マイクロフォン等を用いた集音手段によって、特定音源例えば撮影方向の音を取得して音響信号が生成される。また、特定音源と集音手段の位置関係として撮影方向や被写体までの距離を示す位置情報信号や環境音信号が生成される。この音響信号と画像信号および位置検出信号や環境音信号に基づいて情報信号を生成することで音響取得が行われる。
【0019】
また情報信号を用いて音響再生を行う場合には、情報信号から音響信号と画像信号および位置検出信号や環境音信号が分離される。この分離された画像信号を用いて動き検出が行われて、例えば所望の被写体の動きに応じて撮影画像の表示位置が移動させると共に、この撮影画像の表示位置を示す表示位置信号が生成される。また、表示位置信号と、音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段の数や設置位置等を示す設置情報等に基づき提示調整信号が生成される。この提示調整信号と音響信号に基づき、複数の音響出力信号が生成されると共に音響出力信号の信号レベルや位相が制御されて、複数の音響出力手段に供給される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は、この発明におけ音響提示システムの全体構成を示している。音響取得装置10の撮像部12では、撮影画像の画像信号Svを生成して情報信号生成部18に供給する。
【0021】
図2は撮像部12の構成を示している。撮像レンズ121を通して入射された光は、撮像素子部122に入射されて、撮像面上に撮影画像が結像される。撮像素子部122は固体撮像素子例えばCCDを用いて構成されており、光電変換によって得られた撮影画像に基づく信号を後述する駆動部132からの駆動信号RCに基づいて読み出し、撮影画像の三原色撮像信号Svaを生成して前処理部123に供給する。
【0022】
前処理部123では、撮像信号Svaからノイズ成分を除去する処理、例えば相関二重サンプリング処理を行い、ノイズ除去された撮像信号SvaをA/D変換部124に供給する。A/D変換部124では、撮像信号Svaをディジタルの画像信号Svbに変換してフィードバッククランプ部125に供給する。フィードバッククランプ部125では、ブランキング期間の黒レベル信号と基準信号との誤差を検出してA/D変換部124に供給することで、安定した黒レベルで所要の大きさの画像信号Svbを得ることが出来るように、A/D変換動作を制御する。補正処理部126では、画像信号Svbに対してシェーディング補正や撮像素子の欠陥に対する補正処理等を行う。この補正処理部126で補正処理が行われた画像信号Svbは、プロセス処理部127に供給される。
【0023】
プロセス処理部127では、補正処理後の画像信号Svbに対してγ処理、輪郭補償処理、ニー補正処理等を行う。この信号処理が行われた画像信号Svbは、画像信号Svとして情報信号生成部18に供給される。また、画像信号Svは、モニタ部128に供給されて、このモニタ部128に画像信号Svに基づく画像が表示されて、撮影画像の確認が行われる。
【0024】
撮像制御部130には、操作部131が接続されており、操作部131をユーザが操作すると、ユーザの操作に応じた操作信号PSが操作部131から撮像制御部130に供給される。撮像制御部130では、この操作信号PSに基づいて各種の制御信号CTを生成して各部の動作を制御することにより、撮像部12をユーザの操作に応じて動作させる。また、撮像素子部122での信号読み出しフレーム周期を設定する制御信号TCを生成して駆動部132に供給する。この駆動部132では、制御信号TCに基づき駆動信号RCを生成して撮像素子部122に供給する。
【0025】
図1の集音部14は、マイクロフォンを用いて構成されており、撮像部12の前面や上部等に固定して設けられている。この集音部14は、特定音源からの音である撮像部12の撮像方向からの音を集音して例えばディジタルの音響信号Saを生成して情報信号生成部18に供給する。この集音部14で用いるマイクロフォンは、狙った音源の音を拾うことができるように超指向性(鋭指向性)マイクロフォンであるガンマイク等を用いる。このように超指向性マイクロフォンを用いることで、不必要な方向からの雑音や音響を簡単に取り除くことができる。また、相関利用や複数マイクを用いて各マイクの遅延量を補正する等の音源分離手法によって、狙った音源の音を拾うことができる。
【0026】
位置検出部16は、特定音源と集音部14の位置関係、例えば所望の被写体を特定音源として、この所望の被写体を撮影したときの撮像設定情報、すなわち撮像部12の撮像方向や所望の被写体までの距離を検出して、検出結果を示す位置情報信号Spを生成したのち情報信号生成部18に供給する。
【0027】
図3は、撮像部12の撮像方向と所望の被写体までの距離を検出する位置検出部16の構成を示している。角度センサ161は、回転角を測定できるセンサやジャイロ等を用いて角度を測定するものであり、撮像部12の撮像方向を検出して角度信号Spaを極座標算出部163に供給する。例えば基準位置に対する水平方向の角度(以下「方位角」という)φや、基準位置に対する上下方向の角度(以下「ピッチ角」という)δを示す角度信号Spaを生成して極座標算出部163に供給する。測距センサ162は、光や超音波等を用いてあるいは撮像部12における焦点位置に基づいて距離を測定するものであり、所望の被写体までの距離LOを検出して距離信号Spbを極座標算出部163に供給する。極座標算出部163では、角度信号Spaと距離信号Spbから極座標を算出し、ディジタルの位置情報信号Spとして情報信号生成部18に供給する。
【0028】
情報信号生成部18では、供給された画像信号Svや音響信号Saおよび位置情報信号Spに基づいて情報信号WSを生成して信号記録再生装置20に供給する。
【0029】
信号記録再生装置20は、光や磁気あるいは半導体素子等を利用する記録媒体を用いて構成されており、供給された情報信号WSを記録媒体に記録する。また、記録媒体を再生して得られた情報信号RSは、音響再生装置30の情報信号分離部32に供給される。
【0030】
情報信号分離部32は、情報信号RSから画像信号Svと音響信号Saと位置情報信号Spを分離する。さらに、分離された画像信号Svを画像信号処理部40に供給すると共に、音響信号Saを音響出力信号生成部52に供給する。さらに、位置情報信号Spを提示制御部50に供給する。
【0031】
画像信号処理部40は、画像信号Svに基づく画像から動きを検出して、検出した動きに応じて画像の表示位置を移動させた画像出力信号SVoutと、表示位置を示す表示位置信号PDを生成する。図4は、画像信号処理部40の概略構成を示しており、画像信号Svは、画像信号処理部40のシーンチェンジ検出部41と動き検出部42と画像位置移動部43に供給される。
【0032】
シーンチェンジ検出部41は、画像信号Svに基づいてシーンチェンジ検出、すなわち連続シーンとこの連続シーンとは異なるシーンとの繋ぎ目部分である画像の不連続位置を検出する。図5は、シーンチェンジ検出部41の概略構成を示しており、例えば2フレーム分の画像信号を用いて連続するシーンであるか否かを検出するものである。
【0033】
シーンチェンジ検出部41の遅延回路411は、画像信号Svを1フレーム遅延させて遅延画像信号Svjとして差分平均算出回路412に供給する。差分平均算出回路412は、画像信号Svと遅延画像信号Svjに基づき、2フレーム間の差分平均値Davを算出して正規化回路414に供給する。この差分平均値Davの算出は、各画素における2フレーム間の輝度レベルの差分値を算出して、得られた差分値の平均値を差分平均値Davとして正規化回路414に供給する。なお、1フレームの画像の画素数が「N」で、画像信号Svに基づく輝度レベルを「YC」、遅延画像信号Svjに基づく輝度レベルを「YP」としたとき、差分平均値Davは式(1)に基づいて算出できる。
【0034】
【数1】
Figure 0004010161
【0035】
ここで、差分平均値Davは、画像の輝度レベルによって大きく変化する。例えば画像が明るい場合、シーンの切り替えが行われなくとも画像の一部が暗い画像に変化するだけで差分平均値Davが大きくなってしまう。一方、画像が暗い場合、シーンの切り替えが行われても輝度レベルの変化が小さいことから差分平均値Davは大きくならない。このため、シーンチェンジ検出部41に正規化回路414を設けるものとして、画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行い、画像の明るさの影響を少なくして正しくシーンチェンジ検出を可能とする。
【0036】
輝度平均算出回路413は、画像信号Svに基づき、各画素の輝度レベルに基づき1フレームにおける輝度レベルの平均値を算出して輝度平均値Yavとして正規化回路414に供給する。なお、上述のように1フレームの画像の画素数が「N」で画像信号Svに基づく画素の輝度レベルを「YC」としたとき、輝度平均値Yavは式(2)に基づいて算出できる。
【0037】
【数2】
Figure 0004010161
【0038】
正規化回路414は、画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行う。すなわち、式(3)に示すように、画像の明るさを示す輝度平均値Yavに応じて差分平均値Davを補正して差分平均正規化値(以下単に「正規化値」という)Eを生成する。
E=Dav/Yav ・・・(3)
この正規化回路414で生成された正規化値Eは、判定回路415に供給される。
【0039】
判定回路415は、予め設定された閾値Rfを有しており、正規化値Eと閾値Rfを比較して、正規化値Eが閾値Rfよりも大きいときにはシーンチェンジと判定する。また、正規化値Eが閾値Rf以下であるときにはシーンチェンジでない連続シーンと判定する。さらに、判定回路415は、この判定結果を示すシーンチェンジ検出信号CHを生成して図4の動き検出部42と画像位置移動部43に供給する。
【0040】
このように、正規化回路414は画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行い、判定回路415は正規化値Eを用いてシーンチェンジであるか連続シーンであるかの判別を行うので、画像の明るさの影響を少なくして正しくシーンチェンジを検出できる。
【0041】
また、上述のシーンチェンジ検出部41では、正規化値Eを用いてシーンチェンジ検出を行うものとしたが、2フレーム間の画像の相関係数rを求めて、この相関係数rと閾値を比較することで、精度良くシーンチェンジ検出を行うこともできる。
【0042】
動き検出部42は、シーンチェンジ検出部41からのシーンチェンジ検出信号CHによって連続シーンであることが示されたフレームに関して動きベクトルの検出を行い、表示面積の広い部分の動きベクトル例えば背景部分の動きベクトルを検出する。図6は、動き検出部42の構成を示しており、例えばブロックマッチング方法を用いて動きベクトルの検出を行う場合である。
【0043】
動き検出部42の遅延回路421は、画像信号Svを1フレーム遅延させて遅延画像信号Svkとして画像位置切替回路422に供給する。画像位置切替回路422は、遅延画像信号Svkに基づく画像の位置を、予め設定された動き探索範囲内で水平方向や垂直方向に順次変更して新たな画像信号Svlを順次生成する。この生成された画像信号Svlは、差分演算回路423に供給される。また、画像位置切替回路422は、画像の移動方向と移動量を示す動きベクトルMVを最小値判定回路424に供給する。
【0044】
差分演算回路423は、画像信号Svlと画像信号Svとの差分値DMを順次算出して、最小値判定回路424に供給する。
最小値判定回路424は、差分値DMと、この差分値DMの算出に用いた画像信号Svlを生成する際の動きベクトルMVとを関係付けて保持する。また、画像位置切替回路422で動き探索範囲内での画像の移動を完了したとき、最小値判定回路424は、保持している差分値DMから最小値を判別して、この最小値となる差分値DMと関係付けて保持されている動きベクトルMVを、動き検出情報MVDとして図4の画像位置移動部43に供給する。
【0045】
画像位置移動部43は、シーンチェンジ検出信号CHと動き検出情報MVDに基づき表示位置を決定する。さらに、決定した表示位置に画像を表示する画像出力信号SVoutを生成する。
【0046】
図7は、画像位置移動部43の構成を示している。画像位置移動部43の画像位置決定回路431は、シーンチェンジ検出信号CHと動き検出情報MVDに基づき表示位置を決定して、この表示位置を示す表示位置信号PDを書込読出制御回路437と後述する提示制御部50に供給する。
【0047】
図8は、画像位置決定回路431の構成を示している。動き累積回路432は、シーンチェンジ検出信号CHに基づいて連続シーンの期間を判別すると共に、この連続シーンの期間中における動き検出情報MVDで示された動きベクトルを累積して、動きベクトルの時間推移情報である動き累積値MVTを生成して初期位置決定回路433と表示範囲判定回路434に供給する。
【0048】
初期位置決定回路433は、動き累積値MVTの振れ幅EWを求めることでシーン毎に表示位置の移動範囲を判別し、この移動範囲が画像表示領域内の移動可能範囲(画像表示領域の右側端部に画像を表示したときと、画像を水平移動させて左側端部に表示したときの表示画像の中心間の距離)の中央となるように、連続シーンの最初の表示画像に対する表示位置を決定して、初期位置PPとして表示範囲判定回路434と表示位置決定回路436に供給する。
【0049】
表示範囲判定回路434は、初期位置PPに連続シーンの最初の表示画像を表示してから連続シーンの最後の画像を表示するまでの期間中、動き検出情報MVDに基づいて画像の表示位置を移動させたときに、表示画像が画像表示領域に入りきるか否かを、初期位置PPと動き累積値MVTに基づいて判別する。この表示範囲判定回路434での判別結果を示す判別結果信号CJaは動き補正回路435に供給される。
【0050】
動き補正回路435は、判別結果信号CJaで表示画像が画像表示領域に入りきらないことが示されたとき、表示画像が画像表示領域に入りきるように動き検出情報MVDを補正して、動き検出情報MVEとして表示位置決定回路436に供給する。また、判別結果信号CJaで表示画像が画像表示領域に入りきることが示されたとき、動き検出情報MVDの補正を行うことなく表示位置決定回路436に供給する。
【0051】
また、動き累積値MVTの振れ幅WTを初期位置決定回路433から動き補正回路435に供給すると共に、画像表示領域内の移動可能範囲を動き補正回路435に予め記憶させておくものとし、振れ幅と移動可能範囲を用いて動き検出情報MVDを補正するための補正係数を設定することもできる。この場合には、表示位置を移動しても表示画像が画像表示領域内となるように動き量が補正されるので、表示位置が移動可能範囲を超えて制限されてしまうことを防止できる。
【0052】
表示位置決定回路436は、初期位置決定回路433から供給された初期位置PPを連続シーンの最初の表示位置とする。その後、動き検出情報MVEに基づき、動き検出情報MVEで示された動きベクトルの方向とは逆方向に画像を移動させた位置を表示位置として、この表示位置を示す表示位置信号PDを順次出力して、図7の書込読出制御回路437に供給する。また、表示位置信号PDを図1に示す提示制御部に供給する。
【0053】
ここで、表示位置信号PDに基づいて画像の表示位置を切り換える場合、図7に示すように、例えば画像表示領域に対応した記憶領域を有する画像メモリ438を設けるものとし、書込読出制御回路437は、画像メモリ438に画像信号Svを書き込む際の書込位置を、表示位置信号PDに基づいて表示位置に対応させる。このように画像信号Svを書き込むものとすれば、表示領域に対応した画像メモリ438から画像信号を読み出すだけで表示位置を容易に移動できる。
【0054】
書込読出制御回路437は、画像メモリ438に画像信号を書き込むための書込制御信号MWCと、画像メモリ438に書き込まれている画像信号を読み出すための読出制御信号MRCを生成して、画像メモリ438に供給する。ここで、書込読出制御回路437は、上述したように画像位置決定回路431で決定された表示位置と対応する画像メモリ438の記憶位置に画像信号を記憶させるため、表示位置信号PDに基づいて書込制御信号MWCを生成する。
【0055】
画像メモリ438は、書込制御信号MWCに基づき、画像位置決定回路431で決定された表示位置に対応する記憶領域に、この表示位置の決定が行われたフレームの画像信号Svを記憶する。なお、画像信号Svが記憶されていない領域には、例えば黒表示となる信号を記憶させる。また、画像メモリ438は、書込読出制御回路437からの読出制御信号MRCに基づき、記憶領域に記憶されている画像信号を読み出して画像出力信号SVoutとして画像出力部45に供給する。画像出力部45では、供給された画像出力信号SVoutに基づいて表示位置を撮影画像の動きに応じて移動させながら画像提示を行う。
【0056】
図1の提示制御部50は、設置情報供給部501と調整信号生成部502を有している。設置情報供給部501は、後述する複数の音響出力部60-1〜60-nがどのような位置に設けられており、どのようなスピーカが用いられているか等を示す設置情報CSaを保持し、あるいはユーザの操作等によって設置情報CSaを生成して、この設置情報CSaを調整信号生成部502に供給する。
【0057】
調整信号生成部502は、設置情報供給部501から供給された設置情報CSaと画像信号処理部40から供給された表示位置信号PDに基づき、あるいは、さらに情報信号分離部32から供給された位置情報信号Spを用いるものとして、これらの信号に基づいて提示調整信号CPを生成して、音響出力信号生成部52に供給する。この提示調整信号CPは、各音響出力部60-1〜60-nに供給する音響出力信号SAout-1〜SAout-nの信号レベルや出力タイミングを調整して音像の位置や臨場感を制御するものである。
【0058】
音響出力信号生成部52は、音響信号Saに対して提示調整信号CPに基づいた信号レベル調整や出力タイミング調整を行い、音響出力信号SAout-1を生成して音響出力部60-1に供給する。同様に、提示調整信号CPに基づいた信号レベル調整や位相調整を行い、音響出力信号SAout-2〜SAout-nを生成して音響出力部60-2〜60-nに供給する。
音響出力部60-1〜60-nは、スピーカを用いて構成されており、供給された音響出力信号SAout-1〜SAout-nに基づいて音響出力を行う。
【0059】
次に動作について説明する。図9は表示位置信号を用いた場合の動作を説明するための図である。調整信号生成部502は、設置情報CSaと表示位置信号PDで示された表示位置に基づき、音響信号Saに対して式(4),(5)に基づいた音圧比となるように信号レベルの調整を行うための提示調整信号CPを生成して音響出力信号生成部52に供給する。なお、式(4),(5)において、「X,Y」は画像表示領域における画像の移動範囲を示す座標値であり「x,y」は表示位置信号PDで示された表示位置JDを示す座標値である。
【0060】
Figure 0004010161
例えば、図9Aに示すように、設置情報CSaによって音響出力部60-L,60-Rが、画像表示領域の中央で左右の端部側に設けられているときには、音響出力部60-Lと音響出力部60-Rとの音圧比が「(x/X):(X−x)/X」となるように、音響出力部60-L,60-Rに供給する音声出力信号SAout-L,SAout-Rの信号レベルを調整するための提示調整信号CPを生成する。
【0061】
音響出力信号生成部52は、音響信号Saと提示調整信号CPに基づき、音圧比が「(x/X):(X−x)/X」となるように音響信号Saの信号レベルの割合を調整して、音響出力信号SAout-Lと音響出力信号SAout-Rを生成すると共に、この音響出力信号SAout-Lを音響出力部60-L、音響出力信号SAout-Rを音響出力部60-Rにそれぞれ供給する。
【0062】
また、図9Bに示すように、設置情報CSaによって音響出力部60-LU,60-LD,60-RU,60-RDが、画像表示領域の4角に設けられていることが示された場合には、左右方向だけでなく上下方向の音響出力部の位置も考慮して、音響出力部60-LU,60-LD,60-RU,60-RDに供給する音声出力信号SAout-LU,SAout-LD,SAout-RU,SAout-RDの信号レベルを調整するための提示調整信号CPを生成する。
【0063】
このように、表示位置信号PDに基づいて、左右方向に設置された音響出力部や上下方向に設置された音響出力部に供給する音響出力信号の信号レベルが調整されるので、集音部14によって撮影方向の音響のみを集音しても、画像の表示位置に対応させて音像を定位させることができる。
【0064】
また、調整信号生成部502は、位置情報信号Spで示された角度情報を用いて提示調整信号CPを生成すると共に、表示位置信号PDに基づいて、提示調整信号CPを補正するものとしても良い。
【0065】
図10は角度情報を用いた場合の動作を示している。図10Aは、聴取位置HPにおいて、左側に位置する音響出力部60-Lと右側に位置する音響出力部60-Rが、センター位置MPに対して角度αを有するように設置されていると設置情報CSaによって示された場合である。ここで、位置情報信号Spに基づく角度情報、すなわち角度信号Spaによって示されたセンター位置MPに対する右方向の方位角φを正の値、左方向の方位角φを負の値としたとき、音響信号Saに対して式(6)に基づいた音圧比となるように信号レベルの調整を行うための提示調整信号CPを生成して音響出力信号生成部52に供給する。
Figure 0004010161
【0066】
ここで、表示画像が画像表示領域から外れて途切れてしまうことが無いよう画像の動き量より表示位置の移動が少なくされると、角度信号Spaに基づいて信号レベルを調整したとき、被写体の位置よりも音像の位置が外側となってしまうおそれがある。このため、調整信号生成部502は、提示調整信号CPを生成する際に表示位置信号PDを用いて補正を行う。例えば表示位置が画像表示領域の左側端部に近づいたときには、左側の音圧比が高くなるように音圧比を補正して、音像の位置を画像表示領域の中央に近づける。また、表示位置が左側端部に達したときには、その後角度信号Spaによって方位角φが左方向に増加しても、提示調整信号CPを表示位置が左側端部に達した状態で保持させる。
【0067】
音響出力信号生成部52は、音響信号Saと提示調整信号CPに基づき、式(6)に応じた音圧比となるように音響信号Saの信号レベルの割合を調整して、音響出力信号SAout-Lと音響出力信号SAout-Rを生成すると共に、この音響出力信号SAout-Lを音響出力部60-L、音響出力信号SAout-Rを音響出力部60-Rにそれぞれ供給する。
【0068】
図10Bは、上側に位置する音響出力部60-Uと下側に位置する音響出力部60-Dが、センター位置MPに対して角度βを有するように設置されていると設置情報CSaによって示された場合である。ここで、角度信号Spaによって示されたセンター位置MPに対する下方向のピッチ角δを正の値、上方向のピッチ角δを負の値としたときには、音響信号Saに対して式(7)に基づいた音圧比となるように信号レベルの調整を行うための提示調整信号CPを生成して音響出力信号生成部52に供給する。
Figure 0004010161
【0069】
音響出力信号生成部52は、音響信号Saと提示調整信号CPに基づき、式(7)に応じた音圧比となるように音響信号Saの信号レベルの割合を調整して、音響出力信号SAout-Uと音響出力信号SAout-Dを生成すると共に、この音響出力信号SAout-Uを音響出力部60-U、音響出力信号SAout-Dを音響出力部60-Dにそれぞれ供給する。
【0070】
このように、位置情報信号Spで示された方位角φやピッチ角δに基づいて、左右方向に設置された音響出力部や上下方向に設置された音響出力部に供給する音響出力信号の信号レベルが調整されるので、集音部14によって撮影方向の音響のみを集音しても、音像を正しく定位させることができる。すなわち、撮影方向の音のみを集音しても、音源の移動に合わせて音像を移動させることができる。また、表示画像が画像表示領域から外れてしまうことが無いように表示位置が制御されても、表示画像の位置に合わせて音像を定位させることができる。
【0071】
次に、距離情報を用いた動作について説明する。図11は、左側に位置する音響出力部60-Lと右側に位置する音響出力部60-Rがセンター位置MPと角度αを有するように設置されており、聴取位置HPと音響出力部60-L,60-Rとの間隔が距離KSであることが設置情報CSaによって示された場合である。位置情報信号Spの距離情報すなわち距離信号Spbによって所望の被写体OBまでが距離LOで、角度信号Spaによって示された方位角や表示位置JDに基づいて算出した方位角が方位角φであるとき、所望の被写体OBから音響出力部60-Lまでの距離LSLは式(8)で算出できる。また、所望の被写体OBから音響出力部60-Rまでの距離LSRは式(9)で算出できる。
【0072】
LSL=√(KS2+LO2−2×KS×LO×cos(α+φ)) ・・・(8)
LSR=√(KS2+LO2−2×KS×LO×cos(α−φ)) ・・・(9)
このため、被写体OBから音響出力部60-Lまでの距離と被写体OBから音響出力部60-Rまでの距離との距離差DLRは、「DLR=LSL−LSR」となる。すなわち、距離差DLRだけ音響出力部60-Lから出力される音は、音響出力部60-Rから出力される音に比べて遅れたものとなる。
【0073】
調整信号生成部502は、距離差DLRを算出すると共に、この距離差DLRを音速Vauで除算して遅延時間TLRを算出して、この遅延時間TLRだけ音響出力信号の出力が時間差を生じるように位相の制御すなわち出力タイミングを制御する提示調整信号CPを生成して、音響出力信号生成部52に供給する。なお、上述したように信号レベルを調整するための提示調整信号CPを生成して、この提示調整信号CPに対して、遅延時間TLRだけ音響出力信号の出力が時間差を生じるように補正を行い、この補正後の信号を提示調整信号CPとして音響出力信号生成部52に供給しても良い。
【0074】
音響出力信号生成部52は、提示調整信号CPに基づいて音響出力信号SAout-L,SAout-Rの信号レベルを調整するだけでなく、音響出力信号SAout-Lを遅延時間TLRだけ音響出力信号SAout-Rよりも遅延させて音響出力部60-Lに供給する。
【0075】
このように、位置情報信号Spで示された距離LOに基づいて、左右方向に設置された音響出力部や上下方向に設置された音響出力部に供給する音響出力信号の位相を調整することで、集音部14によって撮影方向の音響のみを集音しても、この集音した音に基づいて臨場感の高い音響提示を行うことが可能となり、聴取者は現実感の高い良好な再生音場を得ることができる。
【0076】
例えば図12に示すように、撮影画像を表示する際には表示画像Zaよりも広い画像表示領域Zbを設け、撮影画像の動き検出を行い被写体の動きに合わせて表示画像の表示位置を表示位置P1から表示位置P2に移動させる場合、所望の被写体OBの移動に合わせて音像を位置Q1から位置Q2に移動させることができるので、臨場感の高いと共に移動感のある音響提示を行うことができる。
【0077】
このように上述の実施の形態によれば、集音部14によって撮影方向の音響のみを集音しても、音源の移動に合わせて音像を移動させることができると共に、表示画像が画像表示領域から外れてしまうことが無いように表示位置が制御されても、表示画像の位置に合わせて音像を定位させることができる。
【0078】
さらに、図13Aに示す場合に比べて図13Bや図13Cに示すように多くの音響出力部60を設けるものとして、設置情報CSaと表示位置信号PDに基づいて、表示位置に応じた位置の音響出力部60を選択して、この選択した音響出力部60に対して音響出力信号SAoutを供給するように提示調整信号CPを生成してもよい。この場合には、表示画像に合わせて音像を容易に設定できる。
【0079】
ところで、上述の実施の形態では、超指向性マイクロフォンを用いることで、不必要な方向からの雑音や音響を取り除いている。しかし、自然環境に近い再生音場を作るためには、超指向性マイクロフォンで集音した音だけでなく反射音等の間接音や雑音等も再生することが好ましい。
【0080】
そこで、第2の実施の形態として、周囲の環境音も提示できる音響提示システムの構成を図14に示す。なお、図14において、図1と対応する部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。環境音集音部15は、図15Aに示す指向特性の無指向性マイクロフォンや図15Bに示す指向特性の前方指向性マイクロフォン等を用いて構成されており、環境音を集音して環境音信号Ssaを生成したのち情報信号生成部18に供給する。ここで、前方指向性マイクロフォンを用いる場合には、前方指向性マイクロフォンを撮影者の周囲に複数設けるものとすれば、環境音をもれなく集音できる。なお、図15Cの指向特性は超指向性マイクロフォンを示している。
【0081】
情報信号生成部18は、供給された画像信号Svや音響信号Saと位置情報信号Spおよび環境音信号Ssaに基づいて情報信号WSを生成して信号記録再生装置20に供給する。
【0082】
情報信号分離部32は、情報信号RSから画像信号Svと音響信号Saと位置情報信号Spおよび環境音信号Ssaを分離して、画像信号Svを画像出力部45、音響信号Saを音響出力信号生成部52、位置情報信号Spを提示制御部50、環境音信号Ssaを環境音処理部53に供給する。
【0083】
環境音処理部53は、設置情報供給部531と環境音信号調整部532を有している。設置情報供給部531は、いずれの音響出力部60-1〜60-nから環境音を出力するか、また環境音を出力する音響出力部では、どのようなスピーカが用いられているか等を示す設置情報CSbを保持し、あるいはユーザの操作等によって設置情報CSbを生成して、設置情報CSbを環境音信号調整部532に供給する。なお、音響出力部60-1〜60-kとは別個に、環境音出力のための音響出力部を有している場合には、この音響出力部に関する情報も設置情報CSbに含ませる。
【0084】
環境音信号調整部532は、設置情報供給部531から供給された設置情報CSbに基づき、環境音信号Ssaの信号レベルを使用する音響出力部毎に調整して、各音響出力部から環境音が出力されたとき、環境音の音像が実際の音像位置とは異なった方向に定位されてしまうことを防止する。この環境音信号調整部532で生成された音響出力部毎の環境音重畳信号Ssbは、信号加算部54に供給される。
【0085】
信号加算部54は、音響出力信号生成部52から供給された音響出力信号SAoutと環境音信号調整部532から供給された環境音重畳信号Ssbを、対応する音響出力部60毎に加算して、音響出力信号SBoutとして音響出力部60に供給する。例えば、特定音源からの音と環境音を音響出力部60-kから出力する場合、音響出力信号SAout-kと環境音重畳信号Ssb-kを加算して、音響出力信号SBout-kを音響出力部60-kに供給する。なお、特定音源から出力された音を前方に位置する音響出力部から出力し、環境音を後方に位置する音響出力部から出力する場合には、音響出力信号SAoutを音響出力信号SBoutとして前方に位置する音響出力部に供給すると共に、環境音重畳信号Ssbを音響出力信号SBoutとして後方に位置する音響出力部に供給する。
【0086】
このように、第2の実施の形態によれば、集音部14によって特定音源からの音のみを集音して、音像を正しく定位させることができるだけでなく、周囲の環境音も正しく再生できるので、自然で臨場感の高い音響提示を行うことが可能となり、聴取者は自然でより現実感の高い再生音場を得ることができる。
【0087】
なお、上述の実施の形態では、情報信号を生成して記録媒体に記録する構成を示したが、信号記録再生装置に変えて信号伝送装置を設けるものとし、この情報信号を伝送する構成としても良い。
【0088】
さらに、上述の処理はハードウェアだけでなくソフトウェアで実現するものとしても良い。この場合の構成を図16に示す。コンピュータは、図16に示すようにCPU(Central Processing Unit)701を内蔵しており、このCPU701にはバス720を介してROM702,RAM703,ハード・ディスク・ドライブ704,入出力インタフェース705が接続されている。さらに、入出力インタフェース705には入力部711や記録媒体ドライブ712,通信部713,信号入力部714,信号出力部715が接続されている。
【0089】
外部装置から命令が入力されたり、キーボードやマウス等の操作手段あるいはマイク等の音声入力手段等を用いて構成された入力部711から命令が入力されると、この命令が入出力インタフェース705を介してCPU701に供給される。
【0090】
CPU701は、ROM702やRAM703あるいはハード・ディスク・ドライブ704に記憶されているプログラムを実行して、供給された命令に応じた処理を行う。さらに、ROM702やRAM703あるいはハード・ディスク・ドライブ704には、上述の音響提示システムに於ける信号処理をコンピュータで実行させるための音響提示プログラムを予め記憶させて、信号入力部714に入力された信号に基づいて音響出力信号を生成して、信号出力部715から出力する。また、記録媒体に音響提示プログラムを記録しておくものとし、記録媒体ドライブ712によって、音響プログラムを記録媒体に記録しあるいは記録媒体に記録されている音響プログラムを読み出してコンピュータで実行するものとしても良い。さらに、通信部713によって、音響プログラムを有線あるいは無線の伝送路を介して送信あるいは受信するものとし、受信した音響プログラムをコンピュータで実行するものとしても良い。
【0091】
図17は、音響提示プログラムの全体構成を示すフローチャートである。
ステップST1では、音響取得を行うか否かを判別して、音響取得を行う場合にはステップST2に進み、音響取得を行わない場合にはステップST6に進む。
【0092】
ステップST2では、情報信号の生成を行う。すなわち、信号入力部714に入力された角度信号Spaや距離信号Spbに基づいて位置情報信号Spを生成する。また、この位置情報信号Spと、信号入力部714に入力された画像信号Svや音響信号Saを例えば多重化して1つの情報信号WSを生成する。
【0093】
ステップST3では、生成した情報信号を記録媒体に記録するあるいは外部機器に伝送するように設定されているか否かを判別する。ここで、情報信号の記録や伝送を行うように設定されている場合にはステップST4に進み、情報信号の記録や伝送を行わないように設定されている場合にはステップST5に進む。
【0094】
ステップST4では、情報信号の記録や伝送を行いステップST5に進む。ここで、情報信号を記録する場合には、情報信号を記録媒体ドライブ712に供給して、記録媒体ドライブ712に装着されている記録媒体に記録する。また、情報信号を伝送する場合には、通信部713を介して情報信号を出力する。
【0095】
ステップST5では、音響取得を終了するか否かを判別する。ここで、入力部711を用いて終了操作が行われたときにはステップST6に進み、終了操作が行われていないときにはステップST2に戻り、情報信号の生成を継続する。
ステップST6では、音響再生を行うか否かを判別して、音響再生を行う場合にはステップST7に進み、音響再生を行わない場合にはステップST1に戻る。
【0096】
ステップST7では、音響出力信号に基づいて音響出力を行う音響出力部の設置情報CSaを設定する。例えば、入力部711を操作して音響出力部60の設置位置やどのようなスピーカを用いているか等の設置情報CSaを入力する。あるいはハード・ディスク・ドライブ704等に予め記憶されている設置情報CSaを読み出す。
【0097】
ステップST8では、情報信号の分離処理を行う。すなわち、記録媒体から読み出した情報信号や、通信部713で受信した情報信号あるいは音響取得処理で生成された情報信号から、画像信号Svと音響信号Saと位置情報信号Spを分離してステップST9に進む。
【0098】
ステップST9は、画像信号Svを用いて動き検出を行う。この動き検出によって検出した動きに応じて画像信号Svに基づく画像の表示位置を移動させて、新たな画像出力信号SVoutを生成すると共に画像の表示位置を示す表示位置信号PDを生成してステップST10に進む。
【0099】
ステップST10では、表示位置信号PDと設置情報CSaおよび位置情報信号Spに基づき、提示調整信号CPを生成する。
ステップST11では、音響信号Saと提示調整信号CPに基づき複数の音響出力信号SAout-1〜SAout-nを生成して信号出力部715から出力する。
【0100】
ステップST12では、音響再生を終了するか否かを判別する。ここで、入力部711を用いて終了操作が行われたときにはステップST1に戻る。また、終了操作が行われていないときにはステップST9に戻り、画像の表示位置に応じた音響出力信号SAout-1〜SAout-nの生成および出力を継続する。このような処理を行って得られた音響出力信号SAoutを音響出力部60に供給することで、ソフトウェアによっても臨場感の高い音響提示を行える。
【0101】
【発明の効果】
この発明によれば、集音手段を用いて特定音源からの音を取得して音響信号が生成されると共に、特定音源方向の撮影を行って生成した画像信号を用いて動き検出が行われて画像の表示位置の移動や表示位置を示す表示位置信号が生成される。この音響信号と表示位置信号、および音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報とに基づいて、複数の音響出力信号が生成されて複数の音響出力手段に供給される。このため、画像の表示位置に対応させて音像を定位させることが簡単にできると共に、特定音源の位置が移動したときには音像の位置も移動されて移動感のある音響提示ができる。
【0102】
また、環境音を取得して環境音信号が生成されると共に、複数の音響出力手段の設置情報と環境音信号に基づき、環境音重畳信号が生成されて、この環境音重畳信号が、対応する音響出力信号に加算されるので、より自然で臨場感の高い音響提示を行うことができる。
【0103】
さらに、特定音源と集音手段の位置関係から位置情報信号が生成されて、この位置情報信号も用いて複数の音響出力信号が生成されるので、臨場感の高い音響提示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音響提示システムの構成を示す図である。
【図2】撮像部の構成を示す図である。
【図3】位置検出部の構成を示す図である。
【図4】画像信号処理部の構成を示す図である。
【図5】シーンチェンジ検出部の構成を示す図である。
【図6】動き検出部の構成を示す図である。
【図7】画像位置移動部の構成を示す図である。
【図8】画像位置決定回路の構成を示す図である。
【図9】表示位置信号を用いた場合の動作を説明するための図である。
【図10】角度情報を用いた場合の動作を説明するための図である。
【図11】距離情報を用いた場合の動作を説明するための図である。
【図12】音像の位置を示す図である。
【図13】音響出力部の配置を示す図である。
【図14】第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図15】マイクロフォンの指向特性を示す図である。
【図16】コンピュータを用いた構成を示す図である。
【図17】音響提示プログラムを示すフローチャートである。
【図18】従来の動作を示す図である。
【符号の説明】
10・・・音響取得装置、12・・・撮像部、14・・・集音部、15・・・環境音集音部、16・・・位置検出部、18・・・情報信号生成部、20・・・信号記録再生装置、30・・・音響再生装置、32・・・情報信号分離部、40・・・画像信号処理部、41・・・シーンチェンジ検出部、42・・・動き検出部、43・・・画像位置移動部、45・・・画像出力部、50・・・提示制御部、52・・・音響出力信号生成部、53・・・環境音処理部、54・・・信号加算部、60・・・音響出力部、90・・・ビデオカメラ、161・・・角度センサ、162・・・測距センサ、163・・・極座標算出部、501・・・設置情報供給部、502・・・調整信号生成部、531・・・設置情報供給部、532・・・環境音信号調整部

Claims (13)

  1. 特定音源からの音を取得して音響信号を生成する集音手段と、
    前記特定音源の方向に対する撮影を行い画像信号を生成する撮像手段と、
    前記集音手段で生成された音響信号に基づいて複数の音響出力信号を生成する音響出力信号生成手段と、
    前記音響出力信号に基づいた音響出力を行う複数の音響出力手段と、
    前記画像信号画像の動き検出を行い、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する画像処理手段と、
    前記複数の音響出力手段に関する設置情報と前記表示位置信号に基づき、前記音響出力信号生成手段における前記複数の音響出力信号の生成動作を制御する提示制御手段とを有する
    ことを特徴とする音響提示システム。
  2. 前記提示制御手段は、前記複数の音響出力信号における信号レベルの割合を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の音響提示システム。
  3. 環境音を取得して環境音信号を生成する環境音集音手段と、
    前記設置情報と前記環境音信号に基づき、環境音重畳信号を生成する環境音処理手段と、
    前記音響出力手段毎に、対応する前記環境音信号を前記音響出力信号に加算する信号加算手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の音響提示システム。
  4. 前記特定音源と前記集音手段の位置関係を検出して、検出結果を示す位置情報信号を生成する位置検出手段を設け、
    前記提示制御手段は、前記設置情報と前記表示位置信号と前記位置情報信号に基づき、前記複数の音響出力信号の生成動作を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の音響提示システム。
  5. 前記位置情報信号は、前記特定音源までの距離情報を有することを特徴とする請求項4記載の音響提示システム。
  6. 前記位置情報信号は、集音方向を示す角度情報を有する
    ことを特徴とする請求項4記載の音響提示システム。
  7. 前記提示制御手段は、前記複数の音響出力信号の位相を制御する
    ことを特徴とする請求項5記載の音響提示システム。
  8. 特定音源からの音を取得して生成された音響信号に基づいて複数の音響出力信号を生成する音響出力信号生成手段と、
    前記特定音源の方向に対する撮影を行うことにより生成された画像信号画像の動き検出を行い、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する画像処理手段と、
    前記音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と前記表示位置信号に基づき、前記音響出力信号生成手段における前記複数の音響出力信号の生成動作を制御する提示制御手段とを有する
    ことを特徴とする音響再生装置。
  9. 環境音を取得して生成された環境音信号と前記設置情報に基づいて環境音重畳信号を生成する環境音処理手段と、
    前記音響出力手段毎に、対応する前記音響出力信号を前記環境音信号に加算する信号加算手段とを有する
    ことを特徴とする請求項8記載の音響再生装置。
  10. 特定音源からの音を集音手段によって取得して音響信号を生成し、
    前記特定音源の方向に対する撮影を行い画像信号を生成し、
    前記画像信号画像の動き検出を行い、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成し、
    音響出力信号に基づいた音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と前記表示位置信号に基づいて、複数の前記音響出力信号を生成して前記複数の音響出力手段に供給する
    ことを特徴とする音響提示方法。
  11. 特定音源の方向に対する撮影を行うことにより生成された画像信号画像の動き検出を行い、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成し、
    音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、前記表示位置信号と、前記特定音源からの音を取得して生成した音響信号に基づいて、複数の前記音響出力信号を生成する
    ことを特徴とする音響再生方法。
  12. コンピュータに、
    特定音源の方向に対する撮影を行って生成された画像信号画像の動き検出を行って、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する手順と、
    音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、前記表示位置信号に基づいて、提示調整信号を生成する手順と、
    前記特定音源からの音を取得して生成した音響信号と前記提示調整信号に基づいて、前記複数の音響出力手段に供給する音響出力信号を生成する手順とを実行させる実行させるプログラムを記録した
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. コンピュータに、
    特定音源の方向に対する撮影を行って生成された画像信号画像の動き検出を行って、前記画像信号画像より広い画像表示領域に該検出した動きに応じて表示位置を移動させながら前記画像信号の画像の表示を行う際の該表示位置を示す表示位置信号を生成する手順と、
    音響出力信号に基づいて音響出力を行う複数の音響出力手段に関する設置情報と、前記表示位置信号に基づいて提示調整信号を生成する手順と、
    前記特定音源からの音を取得して生成した音響信号と前記提示調整信号に基づいて、前記複数の音響出力手段に供給する音響出力信号を生成する手順とを実行させる
    ことを特徴とする音響提示プログラム。
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