JP4008103B2 - ガスタービンの燃料制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービンの周波数調整機能つまりガバナフリー機能を有する燃料制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンの制御装置においては、従来より、系統周波数の変動があった場合、予め設定された傾斜調定率によってガバナが系統周波数を一定にするように制御している。前記系統周波数が急激に大きく下がった場合、ガバナはこれに対応して急激に大幅に燃料増加方向に変動することになる。
かかる場合には、許容量以上の燃料が急激にガスタービンに送り込まれることとなるため、ガスタービンの動翼・静翼等の高温部品が焼損したり熱応力が過大になる等の、ガスタービン本体に悪影響を与えることから、かかる制御装置においては、ロードリミッタ回路にてガバナ指令の変化幅と変化率とを制限する回路が設けられている。
【0003】
図2は、かかる従来技術の1例を示す。
即ち、図2は従来技術に係るガスタービンの燃料制御装置のブロック図であり、図2において、1はガスタービンの回転数を検出する回転数検出器で、系統周波数と同等の検出信号を得るものである。2はガスタービンの運転条件毎の回転数が設定された回転数設定器、3は減算器、4は乗算器である。
5はガバナ指令6を設定するための傾斜調定率が設定された傾斜調定率設定器、8はガバナ指令6と後述するロードリミッタ指令7との低い方の信号を選択する低値選択器である。
【0004】
15はバイアス値設定器でガスタービンが許容できる燃料変化幅に応じたバイアス値(一定値)が設定されている。
16は変化率設定器で、ガスタービンが許容できる燃料変化率(一定値)が設定されている。
11は加算器で、燃料流量指令9のフィードバック信号に前記バイアス値設定器15からの燃料変化幅のバイアス値を加算するものである。14は変化率制限器で、前記加算器11の出力と前記変化率設定器16からの燃料変化率とによりロードリミッタ指令7を出力するものである。
【0005】
かかる従来のガスタービンの燃料制御装置において、回転数検出器1で検出されたガスタービン回転数(これは前記のように系統周波数と同等の信号である)は減算器3に入力される。該減算器3においては前記検出回転数と回転数設定器2に設定された基準となる回転数との差、即ち回転数偏差を算出する。この回転数偏差は乗算器4に入力される。
【0006】
乗算器4においては、前記減算器3からの回転数偏差に傾斜調定率設定器5に設定された傾斜調定率を乗じてガバナ指令6を低値選択器8に出力する。
該低値選択器8においては、前記ガバナ指令6、及び後述する手法で得られたロードリミッタ指令7のうちの低い方の信号を選択して燃料流量指令9として出力する。
【0007】
前記燃料流量指令9はフィードバック信号として加算器11に入力される。
該加算器11においては、前記燃料流量指令9のフィードバック信号に前記バイアス値設定器15に設定されたバイアス値、即ちガスタービンの許容燃料変化幅を加算し、燃料流量の最大値と最小値とを算出し、変化率制限器14に入力する。
そして変化率制限器14では加算器11からの燃料流量信号に変化率設定器16に設定されているガスタービンの許容燃料変化率を組み込みロードリミッタ指令7を作り、前記低値選択器8に入力する。
【0008】
従って、ガスタービンへの燃料流量指令9としては、全運転域において一定の燃料流量の変化幅及び燃料流量変化率によって燃料流量を補正したロードリミッタ指令7と前記ガバナ指令6との間の低い方の値を採り、この燃料流量指令がガスタービンの系統へ出力されることとなる。
【0009】
即ち、かかるシステムでは、系統周波数の変動幅が小さい通常運転中では、前記ガバナ指令6がそのまま燃料流量指令9となって、ガスタービンの燃料調節弁を制御することになるが、何らかの原因で大幅にかつ急激に系統周波数が減少した場合、ガスタービンに投入される燃料流量を制限してガスタービン本体を保護するため、燃料流量指令9として、前記のようにして算出されたロードリミッタ指令7を低値選択器8にて選択し、ガスタービンの燃料調節弁に出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
かかるガスタービンにおいて、その燃焼温度を決定する要素には、燃料流量の他にガスタービンの空気圧縮機から燃焼器に送り込まれる空気流量がある。該空気流量は前記空気圧縮機の入口に設置されている入口案内翼により制御される。そして、かかる空気流量は、前記燃焼温度を制御する他、前記燃焼器の燃焼性能、ガスタービンの本体性能等を考慮して決定される。
【0011】
一方、系統周波数に変動があった場合にガバナフリー機能によって、ガスタービンに投入可能な燃料流量の変化幅と変化率は、前記のように空気流量も加味して決定する必要があるが、図2に示す従来技術に係る制御装置にあっては、燃料流量指令9にバイアス値設定器15に設定された一定のバイアス値を加算器11にて加算し、変化率制限器14によって一定の変化率で制限しているため、ガスタービンの全運転領域にて最適な燃料流量の制限を行なうことができないという問題点がある。もちろん、実際かかる燃料流量の設定にあたっては、通常、安全サイドにその設定値が決定されることから、前記従来技術による場合は、燃料流量の変化幅、変化率とも小さい値に設定される傾向にある。
従って、かかる従来技術では、ガスタービン強度・耐久性の面では安全サイドな燃料流量であっても、系統周波数を一定値に制御する本来のガバナフリーの機能が制約され、制御機能が低下し、ガスタービン性能の低下をもたらす要因となる。
【0012】
本発明は係る従来技術の課題に鑑み、ガスタービンの全運転域において、運転状態に正しく適応した燃料流量指令が得られるようにして、ガバナフリー機能が制約されず制御性能が向上したガスタービンの燃料制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、第1発明として、
周波数に応じてガスタービンの燃料流量指令を調節するガバナフリー回路において、ガスタービンが許容できる燃料流量指令値の変化幅と変化率を求めるガスタービン制御の基幹信号、例えば、燃料流量指令又はガスタービン発電機出力を基準にした関数発生器を内蔵し、ガバナ上限値(例えばロードリミット回路)を設定する回路を有することを特徴とするガスタービンの燃料制御装置を提案する。
【0014】
また、第2発明として、
ガスタービンの回転数に応じたガバナ指令を上限リミッタに設定されたガバナ上限値で規制した燃料流量指令を出力するガバナフリー回路を備えたガスタービンの燃料制御装置において、前記燃料流量指令をベースとする燃料の許容変化幅が設定された第1の設定器と、前記燃料流量指令をベースとする燃料の許容変化率が設定された第2の設定器と、前記燃料の許容変化幅及び許容変化率を前記ガバナ上限値に組み込む手段とを備えてなることを特徴とするガスタービンの燃料制御装置を提案する。
なお、第2発明において、前記第1及び第2の設定器のベースとなる信号はガスタービンの運転状態を示す基幹となるものを用いることとし、燃料流量指令の他に、例えば発電機出力を用いても良い。
【0015】
ガスタービンの空気圧縮機から燃焼器に送り込まれる空気流量は、前記空気圧縮機の入口に設置される入口案内翼の角度を制御することによって調整するが、その制御方法は、燃料流量指令をベースとした関数で決定される。
燃料流量の許容変動幅及び許容変化率は、燃料流量指令と空気流量で決定されることを前記したが、空気流量が燃料流量指令により決定されるため、結果的に両者は、燃料流量指令をベースとして決めることができる。
【0016】
かかる発明によれば、ガスタービンの運転状態によって決まる燃料流量指令をベースとした燃料流量の許容変動幅及び許容変化率を組み込んだガバナ上限値(ロードリミッタ指令)でガバナ指令を規制する。
これにより、ガスタービンの全運転域において適正な燃料変動幅及び燃料変化率を組み込んだ燃料流量指令をガスタービンに出力でき、系統周波数が変動した場合においても、常時適正な燃料流量が得られ、ガバナフリー機能が制約されずガスタービン性能の向上が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態に係るガスタービンの制御装置のブロック図である。
図1において、1はガスタービンの回転数を検出する回転数検出器で、系統周波数と同等の検出信号を得るものである。2はガスタービンの運転条件毎の回転数が設定された回転数設定器、3は減算器、4は乗算器である。
5はガバナ指令6を決定するための傾斜調定率が設定された傾斜調定率設定器、8はガバナ指令6と後述するロードリミッタ指令7との低い方の信号を選択する低値選択器である。
以上の構成は、図2に示す従来技術と同様である。
【0019】
本発明においては次の点を改良している。
即ち、本発明の実施形態においては、燃料流量指令9をベースとした2つの関数発生器(A)10 及び(B)12を備えている。該関数発生器(A)10は前記燃料流量指令9をベースとした燃料の許容変化幅(バイアス)が設定されており、また前記関数発生器(B)12は、燃料流量指令9をベースとした許容燃料変化率が設定されている。
【0020】
11は前記燃料流量指令9のフィードバック信号と前記関数発生器(A)10の設定信号とを加算する加算器である。14は変化率制限器で、前記加算器11の出力と前記関数発生器(B)12からの燃料変化率13とによりロードリミッタ指令7を出力するものである。
【0021】
次にかかる構成からなる燃料制御装置の動作を説明する。
先ず、ガスタービンの運転制御装置において、制御の基幹信号となるのは、ガスタービンに投入される燃料流量を示す燃料流量指令、または、ガスタービンにより駆動される発電機の出力である。また、ガスタービンに投入される空気流量を設定する際の入口案内翼の制御も、前記燃料流量指令またはガスタービン発電機の出力などをベースに設定される。
【0022】
かかる観点から、燃料流量指令が決まるか、あるいはガスタービン発電機の出力が判明すれば、燃料流量と空気流量が決定されることとなる。従って、前記燃料流量指令またはガスタービン発電機出力等の運転状態を示す値からガスタービンに投入可能な燃料変化幅及び燃料変化率を一義的に決定することが可能となる。
本発明の実施形態においては、従来、一定バイアス、一定変化率としていた設定を、燃料流量指令、またはガスタービン発電機出力等の運転状態を示す値の関数として与えるようにしている。
【0023】
以下、その制御手順の詳細を説明すると、回転数検出器1で検出されたガスタービン回転数(これは前記のように系統周波数と同等の信号である)は減算器3に入力される。該減算器3においては。前記検出回転数と回転数設定器2に設定された基準となる回転数との差、即ち回転数偏差を算出する。この回転数偏差は乗算器4に入力される。
【0024】
乗算器4においては、前記減算器3からの回転数偏差に傾斜調定率設定器5に設定された傾斜調定率を乗じてガバナ指令6を低値選択器8に出力する。
該低値選択器8においては、前記ガバナ指令6、及び後述する手法で得られたロードリミッタ指令7のうち低い方の信号を選択して燃料流量指令9として出力する。
【0025】
次に、前記燃料流量指令9は、後述するように、ロードリミッタ信号として低値選択器8にフィードバックされるとともに、2つの関数発生器(A)10及び(B)12に入力される。
関数発生器(A)10においては、前記のように燃料流量指令9をベースとする燃料の許容変化幅(バイアス)が設定されており、かかる燃料の許容変化幅は加算器11に出力される。
該加算器11においては、前記燃料流量指令9のフィードバック信号に、前記関数発生器(A)10からの燃料の許容変化幅の設定信号を加算する。これにより、運転状態毎に燃料流量の最大値と最小値とが算出され、変化率制限器14に入力される。
【0026】
一方、前記関数発生器(B)12には前記のように、燃料流量指令9をベースとする、各運転状態に対応した許容燃料変化率13が設定されており、この許容燃料変化率13は変化率制限器14に入力される。
該変化率制限器14においては、ガスタービンの燃料流量の変化幅及び変化率が前記関数発生器(A)10及び(B)12に設定された許容燃料変化幅及び変化率以下になるようにロードリミッタ指令7をつくる。
【0027】
従って前記低値選択器8にフィードバックされるロードリミッタ指令7は、前記燃料流量指令9に許容燃料流量変化幅及び許容燃料流量変化率を含んだ指令信号、つまり前記許容燃料流量変化幅及び許容燃料流量変化率の関数としての指令信号となる。
【0028】
これにより、ガスタービンの全運転域において、燃料流量指令信号は、各運転状態に対応する許容燃料流量変化幅及び許容燃料流量変化率でのロードリミッタ指令を受けてガスタービンに出力されることとなり、系統周波数が変動した場合においても常時適正量の燃料流量が得られ、有効にガバナフリー運転がなされる。
関数発生器(A)10及び関数発生器(B)12に入力される信号は、燃料流量指令9の代わりに発電機出力を用いても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、ガスタービンの運転状態によって決まる燃料流量指令又は発電機出力をベースとした燃料流量の許容変動幅及び許容変化率を組み込んだガバナ上限値でガバナ指令を規制して燃料流量指令とするので、ガスタービンの全運転域においてかつ、系統周波数が変動した場合においても適正な燃料変動幅及び変化率を組み込んだ燃料流量指令をガスタービンに出力することができる。
【0030】
これにより、ガスタービンの高温部品の耐久性を保持しつつガバナフリー機能が制約されないガスタービンの燃料制御を行なうことができ、ガスタービン性能の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るガスタービンの燃料制御装置のブロック図である。
【図2】 従来技術に係るガスタービンの燃料制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 回転数検出器
2 回転数設定器
3 減算器
4 乗算器
5 傾斜調定率設定器
6 ガバナ指令
7 ロードリミッタ指令
8 低値選択器
9 燃料流量指令
10 関数発生器A
11 加算器
12 関数発生器B
13 燃料変化率
14 変化率制限器
Claims (2)
- 周波数に応じてガスタービンの燃料流量指令を調節するガバナフリー回路において、ガスタービンが許容できる燃料流量指令値の変化幅と変化率を求めるガスタービン制御の基幹信号を基準にした関数発生器を内蔵し、ガバナ上限値を設定する回路を有することを特徴とするガスタービンの燃料制御装置。
- ガスタービンの回転数に応じたガバナ指令を上限リミッタに設定されたガバナ上限値で規制した燃料流量指令を出力するガバナフリー回路を備えたガスタービンの燃料制御装置において、
前記燃料流量指令をベースとする燃料の許容変化幅が設定された第1の設定器と、
前記燃料流量指令をベースとする燃料の許容変化率が設定された第2の設定器と、
前記燃料の許容変化幅及び許容変化率を前記ガバナ上限値に組み込む手段とを備えてなることを特徴とするガスタービンの燃料制御装置。
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