(実施形態1)
以下、本実施形態のセンサ素子について図2〜図11を参照しながら説明した後、特徴となる製造方法について図1を参照しながら説明する。
本実施形態のセンサ素子は、加速度センサであり、図2(c)および図3に示すように後述のセンシング部が形成されたセンサ基板1と、センサ基板1のセンシング部に電気的に接続される貫通孔配線24を有しセンサ基板1の一表面側(図2(c)の上面側)に封着された貫通孔配線形成基板(第1のパッケージ用基板)2と、センサ基板1の他表面側(図2(c)の下面側)に封着されたカバー基板(第2のパッケージ用基板)3とを備えている。ここにおいて、センサ基板1および貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3の外周形状は矩形状であり、貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3はセンサ基板1と同じ外形寸法に形成されている。なお、図2(c)は図3のA−A’断面に相当する図である。
上述のセンサ基板1は、シリコン基板からなる支持基板10a上のシリコン酸化膜からなる絶縁層(埋込酸化膜)10b上にn形のシリコン層(活性層)10cを有するSOIウェハを加工することにより形成してあり、貫通孔配線形成基板2は第1のシリコンウェハを加工することにより形成し、カバー基板3は第2のシリコンウェハを加工することにより形成してある。なお、本実施形態では、SOIウェハにおける支持基板10aの厚さを300μm〜500μm程度、絶縁層10bの厚さを0.3μm〜1.5μm程度、シリコン層10cの厚さを4μm〜10μm程度とし、また、第1のシリコンウェハの厚さを200μm〜300μm程度、第2のシリコンウェハの厚さを100〜300μm程度としてあるが、これらの数値は特に限定するものではない。また、SOIウェハの主表面であるシリコン層10cの表面は(100)面としてある。
センサ基板1は、図5〜図7に示すように、枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム部11を備え、フレーム部11の内側に配置される重り部12が一表面側(図2(c)および図5(b)の上面側)において可撓性を有する4つの短冊状の撓み部13を介してフレーム部11に揺動自在に支持されている。言い換えれば、センサ基板1は、枠状のフレーム部11の内側に配置される重り部12が重り部12から四方へ延長された4つの撓み部13を介してフレーム部11に揺動自在に支持されている。ここで、フレーム部11は、上述のSOIウェハの支持基板10a、絶縁層10b、シリコン層10cそれぞれを利用して形成してある。これに対して、撓み部13は、上述のSOIウェハにおけるシリコン層10cを利用して形成してあり、フレーム部11よりも十分に薄肉となっている。
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、センサ基板1の上記一表面側から見てコア部12aの四隅それぞれに連続一体に連結された直方体状の4つの付随部12bとを有している。言い換えれば、重り部12は、フレーム部11の内側面に一端部が連結された各撓み部13の他端部が外側面に連結されたコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11との間の空間に配置される4つの付随部12bとを有している。つまり、各付随部12bは、センサ基板1の上記一表面側から見て、フレーム部11とコア部12aと互いに直交する方向に延長された2つの撓み部13,13とで囲まれる空間に配置されており、各付随部12bそれぞれとフレーム部11との間にはスリット14が形成され、撓み部13を挟んで隣り合う付随部12b間の間隔が撓み部13の幅寸法よりも長くなっている。ここにおいて、コア部12aは、上述のSOIウェハの支持基板10a、絶縁層10b、シリコン層10cそれぞれを利用して形成し、各付随部12bは、SOIウェハの支持基板10aを利用して形成してある。しかして、センサ基板1の上記一表面側において各付随部12bの表面は、コア部12aの表面を含む平面からセンサ基板1の上記他表面側(図2(c)および図5(b)の下面側)へ離間して位置している。なお、センサ基板1の上述のフレーム部11、重り部12、各撓み部13は、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成すればよい。
ところで、図5(a),(b)それぞれの右下に示したように、センサ基板1の上記一表面に平行な面内でフレーム部11の一辺に沿った一方向をx軸の正方向、この一辺に直交する辺に沿った一方向をy軸の正方向、センサ基板1の厚み方向の一方向をz軸の正方向と規定すれば、重り部12は、x軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13と、y軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13とを介してフレーム部11に支持されていることになる。なお、上述のx軸、y軸、z軸の3軸により規定した直交座標では、センサ基板1において上述のシリコン層10cにより形成された部分の表面における重り部12の中心位置を原点としている。
重り部12のコア部12aからx軸の正方向に延長された撓み部13(図5(a)の右側の撓み部13)は、コア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx2,Rx4が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz2が形成されている。一方、重り部12のコア部12aからx軸の負方向に延長された撓み部13(図5(a)の左側の撓み部13)は、コア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx1,Rx3が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz3が形成されている。ここに、コア部12a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rx1,Rx2,Rx3,Rx4は、x軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部13の長手方向に一致するように形成してあり、図8における左側のブリッジ回路Bxを構成するように配線(センサ基板1に形成されている拡散層配線、金属配線17など)によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4は、x軸方向の加速度がかかったときに撓み部13において応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、重り部12のコア部12aからy軸の正方向に延長された撓み部13(図5(a)の上側の撓み部13)はコア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry1,Ry3が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz1が形成されている。一方、重り部12のコア部12aからy軸の負方向に延長された撓み部13(図5(a)の下側の撓み部13)はコア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry2,Ry4が形成されるとともに、フレーム部11側の端部に1つのピエゾ抵抗Rz4が形成されている。ここに、コア部12a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Ry1,Ry2,Ry3,Ry4は、y軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部13の長手方向に一致するように形成してあり、図8における中央のブリッジ回路Byを構成するように配線(センサ基板1に形成されている拡散層配線、金属配線17など)によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Ry1〜Ry4は、y軸方向の加速度がかかったときに撓み部13において応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、フレーム部11近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rz1,Rz2,Rz3,Rz4は、z軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、図8における右側のブリッジ回路Bzを構成するように配線(センサ基板1に形成されている拡散層配線、金属配線17など)によって接続されている。ただし、2つ1組となる撓み部13,13のうち一方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗Rz1,Rz4は長手方向が撓み部13,13の長手方向と一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗Rz2,Rz3は長手方向が撓み部13,13の幅方向(短手方向)と一致するように形成されている。
なお、図2〜図5では、センサ基板1における金属配線17のうち第1の接続用接合金属層19近傍の部位のみを図示してあり、拡散層配線の図示は省略してある。
ここで、センサ基板1の動作の一例について説明する。
いま、センサ基板1に加速度がかかっていない状態で、センサ基板1に対してx軸の正方向に加速度がかかったとすると、x軸の負方向に作用する重り部12の慣性力によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的にx軸方向を長手方向とする撓み部13,13が撓んで当該撓み部13,13に形成されているピエゾ抵抗Rx1〜Rx4の抵抗値が変化することになる。この場合、ピエゾ抵抗Rx1,Rx3は引張応力を受け、ピエゾ抵抗Rx2,Rx4は圧縮応力を受ける。一般的にピエゾ抵抗は引張応力を受けると抵抗値(抵抗率)が増大し、圧縮応力を受けると抵抗値(抵抗率)が減少する特性を有しているので、ピエゾ抵抗Rx1,Rx3は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗Rx2,Rx4は抵抗値が減少することになる。したがって、図8に示した一対の入力端子VDD,GND間に外部電源から一定の直流電圧を印加しておけば、図8に示した左側のブリッジ回路Bxの出力端子X1,X2間の電位差がx軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。同様に、y軸方向の加速度がかかった場合には図8に示した中央のブリッジ回路Byの出力端子Y1,Y2間の電位差がy軸方向の加速度の大きさに応じて変化し、z軸方向の加速度がかかった場合には図8に示した右側のブリッジ回路Bzの出力端子Z1,Z2間の電位差がz軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。しかして、上述のセンサ基板1は、各ブリッジ回路Bx〜Bzそれぞれの出力電圧の変化を検出することにより、当該センサ基板1に作用したx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度を検出することができる。本実施形態では、重り部12と各撓み部13とで可動部を構成しており、各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4それぞれが、センサ基板1におけるセンシング部を構成している。
ところで、センサ基板1は、図8に示すように、上述の3つのブリッジ回路Bx,By,Bzに共通の2つの入力端子VDD,GNDと、ブリッジ回路Bxの2つの出力端子X1,X2と、ブリッジ回路Byの2つの出力端子Y1,Y2と、ブリッジ回路Bzの2つの出力端子Z1,Z2とを備えており、これらの各入力端子VDD,GNDおよび各出力端子X1,X2,Y1,Y2,Z1,Z2が、上記一表面側(つまり、貫通孔配線形成基板2側)に第1の接続用接合金属層19として設けられており、貫通孔配線形成基板2に形成された貫通孔配線24と電気的に接続されている。すなわち、センサ基板1には、8つの接続用接合金属層19が形成され、貫通孔配線形成基板2には、8つの貫通孔配線24が形成されている。なお、8つの第1の接続用接合金属層19は、外周形状が矩形状(本実施形態では、正方形状)であり、フレーム部11の周方向に離間して配置されている(矩形枠状のフレーム部11の4辺それぞれに2つずつ配置されている)。
また、センサ基板1のフレーム部11上には、フレーム部11よりも開口面積が大きな枠状(矩形枠状)の第1の封止用接合金属層18が形成されており、上述の8つの接続用接合金属層19は、フレーム部11において第1の封止用接合金属層18よりも内側に配置されている。要するに、センサ基板1は、第1の封止用接合金属層18の幅寸法をフレーム部11の幅寸法に比べて小さく設定し、第1の封止用接合金属層18と各接続用接合金属層19とを同一平面上に形成してある。
ここにおいて、センサ基板1は、上記一表面側において上記シリコン層10c上にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜からなる絶縁膜16が形成されており、第1の接続用接合金属層19および第1の封止用接合金属層18および金属配線17は絶縁膜16上に形成されている。
また、第1の封止用接合金属層18および第1の接続用接合金属層19は、接合用のAu膜と絶縁膜16との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第1の封止用接合金属層18および第1の接続用接合金属層19は、絶縁膜16上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の接続用接合金属層19と第1の封止用接合金属層18とは同一の金属材料により形成されているので、第1の接続用接合金属層19と第1の封止用接合金属層18とを同時に形成することができるとともに、第1の接続用接合金属層19と第1の封止用接合金属層18とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用接合金属層18および第1の接続用接合金属層19は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあり、金属配線17の膜厚は1μmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜16との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
上述の各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4および上記各拡散層配線は、上記シリコン層10cにおけるそれぞれの形成部位に適宜濃度のp形不純物をドーピングすることにより形成されており、上述の金属配線17は、絶縁膜16上にスパッタ法や蒸着法などにより成膜した金属膜(例えば、Al膜、Al合金膜など)をリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより形成されており、金属配線17は絶縁膜16に設けたコンタクトホールを通して拡散層配線と電気的に接続されている。また、第1の接続用接合金属層19と金属配線17とは、第1の接続用接合金属層19における金属配線17との接続部位19b(図4(b)参照)が、貫通孔配線形成基板2におけるセンサ基板1との対向面に形成された後述の変位空間形成用凹部21内に位置する形で電気的に接続されている。
貫通孔配線形成基板2は、図9および図10に示すように、センサ基板1側(図2(c)における下面側)の表面に、センサ基板1の重り部12と各撓み部13とで構成される可動部の変位空間を確保する上述の変位空間形成用凹部21が形成されるとともに、変位空間形成用凹部21の周部に厚み方向に貫通する複数(本実施形態では、8つ)の貫通孔22が形成されており、厚み方向の両面および貫通孔22の内面とに跨って熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜23が形成され、貫通孔配線24と貫通孔22の内面との間に絶縁膜23の一部が介在している。ここにおいて、貫通孔配線形成基板2の8つの貫通孔配線24は当該貫通孔配線形成基板2の周方向に離間して形成されている。また、貫通孔配線24の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
また、貫通孔配線形成基板2は、センサ基板1側の表面において変位空間形成用凹部21の周部に、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数(本実施形態では、8つ)の第2の接続用接合金属層29が形成されている。貫通孔配線形成基板2は、センサ基板1側の表面の周部には、全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用接合金属層28が形成されており、上述の8つの第2の接続用接合金属層29は、外周形状が細長の長方形状であり、第2の封止用接合金属層28よりも内側に配置されている。ここにおいて、第2の接続用接合金属層29は、長手方向の一端部が貫通孔配線24と接合されており、他端側の部位がセンサ基板1の金属配線17よりも外側でセンサ基板1の第1の接続用接合金属層19と接合されて電気的に接続されるように配置してある。要するに、貫通孔配線形成基板2の周方向において貫通孔配線24と当該貫通孔配線24に対応する第1の接続用接合金属層19との位置をずらしてあり、第2の接続用接合金属層29を、長手方向が第2の封止用接合金属層28の周方向に一致し且つ貫通孔配線24と第1の接続用接合金属層19とに跨る形で配置してある。
また、第2の封止用接合金属層28および第2の接続用接合金属層29は、接合用のAu膜と絶縁膜23との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第2の封止用接合金属層28および第2の接続用接合金属層29は、絶縁膜23上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の接続用接合金属層29と第2の封止用接合金属層28とは同一の金属材料により形成されているので、第2の接続用接合金属層29と第2の封止用接合金属層28とを同時に形成することができるとともに、第2の接続用接合金属層29と第2の封止用接合金属層28とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用接合金属層28および第2の接続用接合金属層29は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜23との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、貫通孔配線形成基板2におけるセンサ基板1側とは反対側の表面には、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極25が形成されている。なお、各外部接続用電極25の外周形状は矩形状となっている。
カバー基板3は、図11に示すように、センサ基板1との対向面に、重り部12の変位空間を形成する所定深さ(例えば、5μm〜10μm程度)の凹部31を形成してある。ここにおいて、凹部31は、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成してある。なお、本実施形態では、カバー基板3におけるセンサ基板1との対向面に、重り部12の変位空間を形成する凹部31を形成してあるが、重り部12のコア部12aおよび各付随部12bのうち支持基板10aを利用して形成されている部分の厚さを、フレーム部11において支持基板10aを利用して形成されている部分の厚さに比べて、センサ基板1の厚み方向への重り部12の許容変位量分だけ薄くするようにすれば、カバー基板3に凹部31を形成しなくても、センサ基板1の上記他表面側には上記他表面に交差する方向への重り部12の変位を可能とする隙間が重り部12とカバー基板3との間に形成される。
ところで、上述の加速度センサにおけるセンサ基板1と貫通孔配線形成基板2とは、第1の封止用接合金属層18と第2の封止用接合金属層28とが接合されるとともに、第1の接続用接合金属層19と第2の接続用接合金属層29とが接合され、センサ基板1とカバー基板3とは、互いの対向面の周部同士が接合されている。また、本実施形態の加速度センサは、図2(a),(b)に示すように、上述のSOIウェハにセンサ基板1を複数形成したセンサウェハ10と、上述の第1のシリコンウェハに貫通孔配線形成基板2を複数形成した第1のパッケージウェハ20と、上述の第2のシリコンウェハにカバー基板3を複数形成した第2のパッケージウェハ30とをウェハレベルで常温接合することでウェハレベルパッケージ構造体100を形成してから、個々の加速度センサに分割する分割工程(ダイシング工程)により個々の加速度センサに分割されている(なお、図2(c)は図2(a)に示すウェハレベルパッケージ構造体100のうち丸Aで囲んだ部分の概略断面図である)。したがって、貫通孔配線形成基板2とカバー基板3とがセンサ基板1と同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。なお、本実施形態では、センサ基板1のフレーム部11と第1のパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板2と第2のパッケージ用基板であるカバー基板3とで気密パッケージを構成しており、当該気密パッケージ内で重り部12と各撓み部13とで構成される可動部が変位可能となっている。
ここにおいて、本実施形態では、センサウェハ10と第1のパッケージウェハ20および第2のパッケージウェハ30との接合方法として、センサ基板1の残留応力を少なくするためにより低温での接合が可能な常温接合法を採用している。以下、本実施形態の加速度センサの製造方法において特徴となる工程について図1を参照しながら説明する。なお、図1中のセンサ基板1、第1のパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板2、第2のパッケージ用基板であるカバー基板3はそれぞれ、センサウェハ10、第1のパッケージウェハ20、第2のパッケージウェハ30の一部であるが、必ずしもウェハの状態である必要はない。
まず、図1(a)に示すように、チャンバCH内にセンサ基板1、貫通孔配線形成基板2、カバー基板3を導入してからチャンバCH内が規定真空度(例えば、1×10−5Pa)以下となるように真空排気し、その後、真空中においてセンサ基板1と貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3との互いの接合面それぞれをスパッタエッチングすることで清浄・活性化する活性化工程を行う。ここにおいて、活性化工程では、各接合面に対してアルゴンのイオンビームをチャンバCH内で所定時間(例えば、300秒)だけ照射して各接合面を清浄・活性化する。なお、活性化工程を行っているときのチャンバCH内の真空度は、活性化工程を開始する前の上記規定真空度よりも低真空の1×10−2Pa程度となる。また、活性化工程では、アルゴンのイオンビームに限らず、アルゴンのプラズマ若しくは原子ビームを照射するようにしてもよい。また、活性化工程で用いるガスは、アルゴンに限らず、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスであればよい。
活性化工程の後、センサ基板1および各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)の存在する空間の雰囲気を所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整する雰囲気調整工程を行う。ここにおいて、本実施形態の加速度センサでは、ダンピング効果により周波数特性および耐衝撃性を向上するために、上記設計雰囲気を、不活性ガス(例えば,アルゴン)が大気圧で封入された雰囲気に設計してあり、本実施形態における雰囲気調整工程では、排気用バルブV2を閉じてから、ガス導入用バルブV1を開いて不活性ガスをチャンバCH内へ導入してチャンバCH内を大気圧まで戻すことによりチャンバCH内の雰囲気を上記設計雰囲気に調整するようにしている。なお、チャンバCH内を大気圧まで戻した後はガス導入用バルブV1を閉じる。
上記雰囲気調整工程が終了した後、図1(b)に示すように、雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板1と第2のパッケージ用基板であるカバー基板3とを互いの接合面を突き合せて接合(本実施形態では、常温接合)し、続いて、図1(c)に示すように上記雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板1と第1のパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板2とを互いの接合面を突き合せて接合(本実施形態では、常温接合)する接合工程を行う。ここで、本実施形態では、センサ基板1とカバー基板3とを常温接合する際には、チャンバCH内においてセンサ基板1のフレーム部11とカバー基板3の周部とを常温接合している。また、センサ基板1と貫通孔配線形成基板2とを常温接合する際には、適宜の荷重(例えば、300N)を印加して、第1の封止用接合金属層18と第2の封止用接合金属層28とを常温接合するのと同時に、第1の接続用接合金属層19と第2の接続用接合金属層29とを常温接合している。要するに、本実施形態では、センサウェハ10と第2のパッケージウェハ30とが、Si−Siの常温接合(つまり、ウェハ材料同士の常温接合)により接合され、センサウェハ10と第1のパッケージウェハ20との封止用接合金属層18,28同士および接続用接合金属層19,29同士が金属−金属(ここでは、Au−Au)の常温接合により接合されている。
以上説明した本実施形態の加速度センサの製造方法によれば、活性化工程の後でセンサ基板1および各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)の存在する空間の雰囲気を所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板1と各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)とを互いの接合面を突き合せて接合する接合工程とを備え、活性化工程と雰囲気調整工程と接合工程とを同一チャンバCH内で連続的に行うので、活性化工程により清浄・活性化されたセンサ基板1の接合面と各パッケージ用基板それぞれの接合面とを大気に曝すことなく所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整された雰囲気下で突き合せて接合することができ、所望のセンサ特性の加速度センサを容易に形成することができる。なお、本実施形態の加速度センサの製造方法によれば、センサ基板1と各パッケージ用基板とを常温接合により接合するので、半田などの熱処理を必要とする材料を用いて接合する場合に比べて、センサ基板1と各パッケージ用基板との接合時に発生する残留応力を低減できる。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法によれば、雰囲気調整工程では、チャンバCH内へ不活性ガスを導入することによりチャンバCH内の雰囲気を上記設計雰囲気に調整するので、チャンバCH内の雰囲気を調整する際に活性化工程にて清浄・活性化された接合面を清浄・活性な状態に保つことができるとともに、加速度センサの信頼性を高めることができる。また、雰囲気調整工程では、活性化工程の後でチャンバCH内へ不活性ガスを導入してチャンバCH内を大気圧まで戻すことでチャンバCH内の雰囲気を上記設計雰囲気に調整するので、センサ素子である加速度センサの周波数特性および耐衝撃性をダンピング効果により向上できる。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法によれば、接合工程が終了するまでの全工程をセンサ基板1および各パッケージ用基板それぞれについてウェハレベルで行うことでセンサ素子である加速度センサを複数備えたウェハレベルパッケージ構造体100を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体100からセンサ素子である加速度センサに分割する分割工程を備えているので、上記気密パッケージの平面サイズをセンサ基板1の平面サイズに合わせることができるから、より小型の加速度センサを提供でき、また、量産性を高めることができる。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法では、センサウェハ10と第1のパッケージウェハ20との封止用接合金属層18,28同士および接続用接合金属層19,29同士が金属−金属の常温接合により接合されており、金属−金属の組み合わせが、化学的に安定な材料であるAu−Auの組み合わせなので、製造歩留まりを向上できるとともに接合安定性を向上できる。ここにおいて、金属−金属の組み合せは、Au−Auに限らず、例えば、Cu−Cuの組み合わせや、Al−Alの組み合わせでもよく、Cu−Cuの組み合わせの場合には、各接続用接合金属層19,29の低抵抗化を図れることができ、Al−Alの組み合わせの場合には、Au−Auの組み合わせを採用する場合に比べて、材料コストを低減することができる。また、Al−Alの組み合わせはパッケージ基板にICを形成するような場合に、ICにおける配線の形成プロセスと同様のプロセスを利用できるという利点がある。
また、本実施形態では、センサウェハ10および第1のパッケージウェハ20それぞれに封止用接合金属層18,28を形成してあるが、封止用接合金属層18,28を形成せずに、センサウェハ10と第1のパッケージウェハ20との周部同士がSi−Si、Si−SiO2、SiO2−SiO2の群から選択される1組の組み合わせの常温接合により接合され、接続用接合金属層19,29同士が金属−金属の常温接合により接合されるようにすることも考えられる。また、センサウェハ10に対して貫通孔配線24が形成された第1のパッケージウェハ20とは反対側に常温接合する第3のパッケージウェハ30とセンサウェハ10とは、Si−Siの組み合わせの常温接合により接合されているが、Si−Siの組み合わせに限らず、Si−Si、Si−SiO2、SiO2−SiO2の群から選択される1組の組み合わせの常温接合により接合されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、貫通孔配線形成基板2の第2の接続用接合金属層29におけるセンサ基板1の第1の接続用接合金属層19との接合部位を、当該第2の接続用接合金属層29における貫通孔配線24との接続部位からずらしてあるので、第2の接続用接合金属層29において第1の接続用接合金属層19との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ(第2の接続用接合金属層29の成膜時の表面の平滑性を高めることができ)、第1の接続用接合金属層19と第2の接続用接合金属層29とを上述のように常温接合法により直接接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となる。
(参考例)
以下、本参考例のセンサ素子について図12〜図17を参照しながら説明した後、特徴となる製造方法について説明する。
本参考例のセンサ素子は、ジャイロセンサであり、第1の半導体基板を用いて形成されたセンサ本体101と、第2の半導体基板を用いて形成されセンサ本体101の一表面側(図12の下面側)に接合されセンサ本体101を支持する支持基板103と、第3の半導体基板を用いてセンサ本体101の他表面側(図12の上面側)に封着された貫通孔配線形成基板(パッケージ用基板)102とを備えており、センサ本体101と支持基板103とでセンサ基板を構成している。ここにおいて、センサ本体101および貫通孔配線形成基板102および支持基板103の外周形状は矩形状であり、貫通孔配線形成基板102および支持基板103はセンサ本体101と同じ外形寸法に形成されている。また、本参考例では、第1の半導体基板として抵抗率が0.2Ωcmのシリコン基板を用い、第2の半導体基板および第3の半導体基板として抵抗率が20Ωcmのシリコン基板を用いているが、各シリコン基板の抵抗率の値は一例であって、特に限定するものではない。
センサ本体101は、平面視において外周形状が矩形状である駆動質量体111および検出質量体112が当該センサ本体101の上記一表面に沿って並設されるとともに、駆動質量体111および検出質量体112の周囲を囲む枠状(本参考例では、矩形枠状)のフレーム部110が形成されている。なお、本参考例では、図12〜図17の各図の右下に示した直交座標系のように、駆動質量体111と検出質量体112とが並ぶ方向をy軸方向、センサ本体101の上記一表面に沿う面内でy軸方向に直交する方向をx軸方向、x軸方向とy軸方向とに直交する方向(つまり、センサ本体101の厚み方向)をz軸方向として説明する。
上述のセンサ本体101は、駆動質量体111と検出質量体112とが、x軸方向に延長された一対の駆動ばね113を介して連続一体に連結されている。すなわち、センサ本体101は、x軸方向において検出質量体112の全長よりもやや短いスリット溝114aと、駆動質量体111におけるx軸方向の各側縁にそれぞれ一端が開放されx軸方向の一直線上に並ぶ2本のスリット溝114bとが形成され、スリット溝114aと各スリット溝114bとの間にそれぞれ駆動ばね113が形成されている。ここで、各駆動ばね113の一端部はスリット溝114aの各一端と検出質量体112の側縁との間に連続し、各駆動ばね113の他端部は2本のスリット溝114bの間の部位において駆動質量体111にそれぞれ連続している。駆動ばね113は、ねじれ変形が可能なトーションばねであって、駆動質量体111は、検出質量体112に対して駆動ばね113の回りで変位可能になっている。つまり、駆動質量体111は、検出質量体112に対してz軸方向の並進とx軸方向の軸回りの回転とが可能となっている。また、センサ本体101は、駆動ばね113にトーションばねを用いているから、当該センサ本体101の厚み方向における駆動ばね113の寸法を小さくする必要がなく、駆動ばね113を形成する際の加工が容易である。
センサ本体101の検出質量体112におけるx軸方向の各側縁にはy軸方向に延長された検出ばね115の一端部がそれぞれ連続し、両検出ばね115の他端部同士はx軸方向に延長された連結片116を介して連続一体に連結されている。すなわち、一対の検出ばね115と連結片116とにより平面視コ字状の部材が形成されている。ただし、連結片116は駆動ばね113および検出ばね115に比較して十分に剛性が高くなるように設計されている。連結片116の長手方向の中間部には固定片117が突設され、固定片117は支持基板103に接合され定位置に固定されている。駆動質量体111および検出質量体112と検出ばね115および連結片116との間は、コ字状のスリット溝114cにより分離されており、スリット溝114bの一端は、スリット溝114cに連続している。検出ばね115はx軸方向に曲げ変形が可能であって駆動質量体111および検出質量体112は固定片117に対してx軸方向に変位可能になっている。
ところで、センサ本体101は、検出質量体112に、厚み方向に貫通する4個の切抜孔118が形成されており、各切抜孔118それぞれの内側に固定子120が配置されている。固定子120は、検出質量体112のx軸方向の両端付近に配置される電極片121と、電極片121からx軸方向に延長された櫛骨片122とを有し、電極片121と櫛骨片122とでL字状の形状をなしている。電極片121と櫛骨片122とは支持基板103に接合され、固定子120は定位置に固定されている。切抜孔118の内側面は固定子120の外周面の形状に沿った形状であって、固定子120との間には間隙が形成されている。検出質量体112のx軸方向の両端部には2個ずつの電極片121が配置されている。図15に示すように、櫛骨片122の幅方向の両端面にはそれぞれ多数本の固定櫛歯片123がx軸方向に列設されている。一方、切抜孔118の内側面であって櫛骨片122との対向面には、図15に示すように、固定櫛歯片123にそれぞれ対向する多数本の可動櫛歯片124がx軸方向に列設されている。各固定櫛歯片123と各可動櫛歯片124とは互いに離間しており、検出質量体112がx軸方向に変位する際の固定櫛歯片123と可動櫛歯片124との距離変化に伴う静電容量の変化を検出できるようにしてある。すなわち、固定櫛歯片123と可動櫛歯片124とにより検出質量体112の変位を検出する検出手段が構成されている。
センサ本体101は、フレーム部110、固定片117および固定子120が支持基板103に接合されることで支持基板103に連結されている。これらに対し、駆動質量体111および検出質量体112は、z軸方向に変位可能でなければならないから、図12に示すように、駆動質量体111および検出質量体112それぞれにおける支持基板103との対向面を支持基板103から後退させる(センサ本体101の厚み方向における駆動質量体111および検出質量体112それぞれの厚さをフレーム部110に比べて薄くする)ことにより、駆動質量体111および検出質量体112と支持基板103との間に間隙を確保している。なお、本参考例では、駆動質量体111と支持基板103との間のギャップ長を10μmに設定してあるが、この数値は一例であって特に限定するものではない。
また、センサ本体101は、フレーム部110において固定片117の近傍部位に、固定片117を挟む形で一対の接地片119が形成されるとともに、一方の接地片119の近傍に後述の固定駆動電極125が電気的に接続される電極片127が形成されており(なお、各接地片119および電極片127は、支持基板103に接合されることで支持基板103に連結されている)、上記一表面側において、固定片117および各電極片121および他方の接地片119および電極片127それぞれの表面に第1の接続用接合金属層128が形成されている。ここにおいて、1つの固定片117、4つの電極片121、1つの接地片119、1つの電極片127は支持基板103の一表面側において分離独立して配置されており、貫通孔配線形成基板102をフレーム部110に接合していない状態では、それぞれ電気的に絶縁されている。また、センサ本体101の上記一表面側において、フレーム部110上には第1の封止用接合金属層126が全周に亘って形成されている。ここで、第1の接続用接合金属層128および第1の封止用接合金属層126は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の封止用接合金属層126と第1の接続用接合金属層128とは同一の金属材料により形成されているので、第1の封止用接合金属層126と第1の接続用接合金属層128とを同時に形成することができるとともに、第1の封止用接合金属層126と第1の接続用接合金属層128とを同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用接合金属層126および第1の接続用接合金属層128は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。
貫通孔配線形成基板102は、センサ本体101側(図12における下面側)に駆動質量体111および検出質量体112の変位空間を確保する変位空間形成用凹部129が形成されるとともに、厚み方向に貫通する複数の貫通孔132が形成されており、厚み方向の両面および貫通孔132の内面とに跨って熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜133が形成され、貫通孔配線134と貫通孔132の内面との間に絶縁膜133の一部が介在している。ここにおいて、貫通孔配線134の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
また、貫通孔配線形成基板102は、変位空間形成用凹部129の内底面において駆動質量体111との対向面には上記絶縁膜133の一部を介してTi膜とAu膜との積層膜からなる上述の固定駆動電極125(図12および図17参照)が形成されている。なお、本参考例では、駆動質量体111と固定駆動電極125との間のギャップ長を10μmに設定してあるが、この数値は一例であって特に限定するものではない。
また、貫通孔配線形成基板102は、センサ本体101側の表面に、各貫通孔配線134それぞれと電気的に接続された複数の第2の接続用接合金属層138が形成されている。また、貫通孔配線形成基板102は、センサ本体101側の表面の周部の全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用接合金属層136が形成されている。ここにおいて、第2の接続用接合金属層138は、センサ本体101の第1の接続用接合金属層128と接合されて電気的に接続されるように配置してあり、第2の封止用接合金属層136は、センサ本体101の第1の封止用接合金属層126と接合されて電気的に接続されるように配置してある。ここにおいて、第2の封止用接合金属層136および第2の接続用接合金属層128は、絶縁膜133上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の封止用接合金属層136と第2の接続用接合金属層138とは同一の金属材料により形成されているので、第2の封止用接合金属層136と第2の接続用接合金属層138とを同時に形成することができるとともに、第2の封止用接合金属層136と第2の接続用接合金属層138とを同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用接合金属層136および第2の接続用接合金属層138は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本参考例では、各Au膜と絶縁膜133との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、貫通孔配線形成基板102におけるセンサ本体101側とは反対側の表面には、各貫通孔配線134それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極135が形成されている。なお、各外部接続用電極135の外周形状は矩形状となっている。また、各外部接続用電極135は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。
一方、支持基板103は、厚み方向の両面に熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜141,142が形成されている。
ところで、本参考例のジャイロセンサにおけるセンサ本体101と貫通孔配線形成基板102とは、第1の封止用接合金属層126と第2の封止用接合金属層136とが接合される(貫通孔配線形成基板102はセンサ本体101のフレーム部110の全周に亘って周部が封着される)とともに、第1の接続用接合金属層128と第2の接続用接合金属層138とが接合されて電気的に接続され、センサ本体101と支持基板103とは、互いの対向面の周部同士が接合されている(支持基板103はセンサ本体101のフレーム部110の全周に亘って周部が封着されている)。したがって、センサ本体101の複数の第1の接続用接合金属層128は、それぞれ、第2の接続用接合金属層138および貫通孔配線134を介して外部接続用電極135と電気的に接続されている。ここにおいて、貫通孔配線形成基板102は、固定駆動電極125から変位空間形成用凹部129の周部まで延長された配線部125a(図17参照)が、センサ本体101の電極片127上の第1の接続用接合金属層128に接合される第2の接続用接合金属層138と連続一体となっている。
なお、本参考例のジャイロセンサは、後述のように、センサ本体101と貫通孔配線形成基板102および支持基板103との接合方法として常温接合法を採用しており、センサ本体101と支持基板103とがSi−SiO2の組み合わせの常温接合により接合され、センサ本体101と支持基板103とで構成されるセンサ基板におけるセンサ本体101と貫通孔配線形成基板102とがAu−Auの組み合わせの常温接合により接合されている。
次に、本参考例のジャイロセンサの動作について説明する。
本参考例のジャイロセンサは、駆動質量体111に規定の振動を与えておき、外力による角速度が作用したときの検出質量体112の変位を検出するものである。ここにおいて、駆動質量体111を振動させるには固定駆動電極125と駆動質量体111との間に正弦波形ないし矩形波形の振動電圧を印加すればよい。振動電圧は、交流電圧が望ましいが、極性を反転させることは必須ではない。駆動質量体111は駆動ばね113と検出質量体112と検出ばね115と連結片116とを介して固定片117に電気的に接続され、固定片117の表面には第1の接続用接合金属層128が形成されており、また、固定駆動電極125は電極片127上の第1の接続用接合金属層128に電気的に接続されているから、固定片117上の第1の接続用接合金属層128と電極片127上の第1の接続用接合金属層128との間に振動電圧を印加すれば、駆動質量体111と固定駆動電極125との間に静電力を作用させて駆動質量体111をz軸方向に振動させることができる。振動電圧の周波数は、駆動質量体111および検出質量体112の質量や駆動ばね113および検出ばね115のばね定数などにより決まる共振周波数に一致させれば、比較的小さい駆動力で大きな振幅を得ることができる。
駆動質量体111を振動させている状態において、ジャイロセンサにy軸方向の軸回りの角速度が作用したときに、x軸方向にコリオリ力が発生し、検出質量体112(および駆動質量体111)は固定子120に対してx軸方向に変位する。可動櫛歯片124が固定櫛歯片123に対して変位すれば、可動櫛歯片124と固定櫛歯片123との距離が変化し、結果的に可動櫛歯片124と固定櫛歯片123との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化は、4個の固定子120に接続された第1の接続用接合金属層128から取り出すことができるから、上述のジャイロセンサでは、4個の可変縁容量コンデンサが形成されているとみなすことができ、各可変容量コンデンサの静電容量をそれぞれ検出したり、可変容量コンデンサを並列に接続した合成容量を検出したりすることにより、検出質量体112の変位を検出することができる。駆動質量体111の振動は既知であるから、検出質量体112の変位を検出することにより、コリオリ力を求めることができる。なお、本参考例では、駆動質量体111と駆動ばね113と検出質量体112と検出ばね115と連結片116とでフレーム部110の内側に配置される可動部を構成しており、固定櫛歯片123と検出質量体112に設けられた可動櫛歯片124とでセンシング部を構成している。要するに、フレーム部110の内側に配置される可動部にセンシング部の一部が設けられている。
ここに、可動櫛歯片124の変位は、(駆動質量体111の質量)/(駆動質量体111の質量+検出質量体112の質量)に比例するから、駆動質量体111の質量が検出質量体112の質量に比較して大きいほど可動櫛歯片124の変位が大きくなり、結果的に感度が向上することになる。そこで、本参考例では駆動質量体111の厚み寸法を検出質量体112の厚み寸法よりも大きくしてある。
以上説明した本参考例のジャイロセンサでは、センサ本体101のフレーム部110と支持基板103と貫通孔配線形成基板102とで気密パッケージを構成しており、センサ本体101が第1の半導体基板を用いて形成され、貫通孔配線形成基板102が第2の半導体基板を用いて形成されるとともに、支持基板103が第3の半導体基板を用いて形成されているので、センサ本体101と貫通孔配線形成基板102および支持基板103との線膨張率差に起因した熱応力の影響を低減できて、センサ特性の温度依存性を小さくすることができ、しかも、センサ本体101と支持基板103とが支持基板103におけるセンサ本体101との対向面に形成された絶縁膜141を介して接合されているので、耐電気ノイズ性の低下を抑制できる。なお、本参考例のジャイロセンサでは、支持基板103におけるセンサ本体101との対向面に形成された絶縁膜141を介して支持基板103とセンサ本体101とを接合しているが、センサ本体101と支持基板103との互いの対向面の少なくとも一方に形成された絶縁膜を介して接合すればよい。
以下、本参考例のジャイロセンサの製造方法において特徴となる工程について説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
センサ本体101の基礎となる第1の半導体基板に適宜のマイクロマシニング加工を施してからセンサ本体101と支持基板103を常温接合した後に、第1の半導体基板において上記可動部となる部分を他の部位から分離するエッチング工程、第1の封止用接合金属層126および第1の接続用接合金属層128を形成する接合金属層形成工程を行い、その後、センサ本体101と支持基板103とからなるセンサ基板と貫通孔配線形成基板102とをチャンバCH(図1(a))内に導入してからチャンバCH内が規定真空度(例えば、1×10−5Pa)以下となるように真空排気し、その後、真空中においてセンサ基板におけるセンサ本体101と貫通孔配線形成基板102との互いの接合面それぞれをスパッタエッチングすることで清浄・活性化する活性化工程を行う。なお、活性化工程を行っているときのチャンバCH内の真空度は、活性化工程を開始する前の上記規定真空度よりも低真空の1×10−2Pa程度となる。
活性化工程の後、センサ本体101と支持基板103とからなるセンサ基板およびパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板102の存在する空間の雰囲気を所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整する雰囲気調整工程を行う。ここにおいて、本参考例のジャイロセンサでは、共振周波数付近における機械的な振動の鋭さを表す機械的Q値(機械的品質係数Qm)を高めて高感度化を図るために、上記設計雰囲気を、所定真空度(1×10−4Pa以下の高真空)の雰囲気に設計してあり、本参考例における雰囲気調整工程では、活性化工程が終了した後で、チャンバCH内の真空度が上記所定真空度になるまで真空排気を行うことでチャンバCH内の雰囲気を上記設計雰囲気に調整するようにしている。
上記雰囲気調整工程が終了した後、雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板におけるセンサ本体101とパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板102とを互いの接合面を突き合せて接合(本参考例では、常温接合)する接合工程を行う。ここで、センサ本体101と貫通孔配線形成基板102とを常温接合する際には、適宜の荷重(例えば、300N)を印加して、第1の封止用接合金属層126と第2の封止用接合金属層136とを常温接合するのと同時に、第1の接続用接合金属層128と第2の接続用接合金属層138とを常温接合している。要するに、本参考例では、封止用接合金属層126,136同士および接続用接合金属層128,138同士が金属−金属(ここでは、Au−Au)の常温接合により接合されている。
以上説明した本参考例のジャイロセンサの製造方法によれば、活性化工程の後でセンサ本体101と支持基板103とで構成されるセンサ基板およびパッケージ用基板である貫通孔配線形成基板102の存在する空間の雰囲気を所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板とパッケージ用基板とを互いの接合面を突き合せて接合する接合工程とを備え、活性化工程と雰囲気調整工程と接合工程とを同一チャンバCH内で連続的に行うので、活性化工程により清浄・活性化されたセンサ基板の接合面とパッケージ用基板の接合面とを大気に曝すことなく所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整された雰囲気下で突き合せて接合することができ、所望のセンサ特性のジャイロセンサを容易に形成することができる。
また、本参考例のジャイロセンサの製造方法によれば、雰囲気調整工程では、活性化工程の後でチャンバCH内が所定真空度となるように真空排気を行うことでチャンバCH内の雰囲気を上記設計雰囲気に調整するので、センサ素子であるジャイロセンサの共振周波数付近における機械的な振動の鋭さを表す機械的Q値(機械的品質係数Qm)を高めることができ、高感度化を図れる。
また、本参考例のジャイロセンサの製造方法として、接合工程が終了するまでの全工程をセンサ本体101および支持基板103および貫通孔配線形成基板102それぞれについてウェハレベルで行うことでセンサ素子であるジャイロセンサを複数備えたウェハレベルパッケージ構造体を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体からセンサ素子であるジャイロセンサに分割する分割工程を備えるようにすれば、上記気密パッケージの平面サイズをセンサ基板の平面サイズに合わせることができるから、より小型のジャイロセンサを提供でき、また、量産性を高めることができる。
(実施形態2)
以下、本実施形態のセンサ素子について図18〜図25を参照しながら説明した後、特徴となる製造方法について説明する。
本実施形態のセンサ素子である加速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであり、センサ基板1に、CMOSを用いた集積回路(CMOS IC)であってセンシング部と協働する集積回路が形成されたIC領域部E2を設けてある点などが実施形態1と相違する。ここにおいて、上記集積回路は、実施形態1にて説明したブリッジ回路Bx,By,Bzの出力信号に対して増幅、オフセット調整、温度補償などの信号処理を行って出力する信号処理回路や、信号処理回路において用いるデータを格納したEEPROMなどが集積化されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるセンサ基板1は、図18および図20に示すように、実施形態1にて説明したフレーム部11の一部、重り部12、各撓み部13、センシング部であるピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4などが形成されたセンサ領域部E1と、上記集積回路が形成された上述のIC領域部E2と、実施形態1にて説明した第1の封止用接合金属層18などが形成された接合用領域部E3とを備え、平面視において中央部に位置するセンサ領域部E1をIC領域部E2が囲み、IC領域部E2を接合領域部E3が囲むように各領域部E1〜E3のレイアウトが設計されている。ここで、本実施形態では、実施形態1におけるセンサ基板1のフレーム部11の外形寸法を大きくしてあり(言い換えれば、フレーム部11の幅寸法を大きくしてあり)、フレーム部11に上記集積回路を形成してある。
ところで、センサ基板1は、実施形態1と同様にSOIウェハを用いて形成されており、IC領域部E2では、多層配線技術を利用してセンサ基板1における当該IC領域部E2の占有面積の縮小化を図っている。このため、センサ基板1のIC領域部E2では、シリコン層10c上のシリコン酸化膜と当該シリコン酸化膜上のシリコン窒化膜との積層膜からなる絶縁膜16の表面側に、層間絶縁膜やパッシベーション膜などからなる多層構造部41が形成され、上記パッシベーション膜の適宜部位を除去することにより複数のパッド42を露出させてあり、各パッド42が金属材料(例えば、Auなど)からなる引き出し配線43を介して接合領域部E3の絶縁膜16上の第1の接続用接合金属層19と電気的に接続されている(図21参照)。ここで、本実施形態では、引き出し配線43の材料と第1の接続用接合金属層19の材料とを同じとして、引き出し配線43と第1の接続用接合金属層19とが連続する形で形成されている。なお、IC領域部E2に形成された複数のパッド42には、信号処理回路を通してセンシング部と電気的に接続されるものと、信号処理回路を通さずにセンシング部と電気的に接続されるものがあるが、いずれにしても、貫通孔配線形成基板2の貫通孔配線24とセンシング部とが電気的に接続されることとなる。
また、本実施形態では、実施形態1と同様に、第1のシリコンウェハを用いて形成された貫通孔配線形成基板2(図18、図22、図23参照)および第2のシリコンウェハを用いて形成されたカバー基板3(図18、図24参照)がセンサ基板1と同じ外形寸法に形成されており、本実施形態における貫通孔配線形成基板2は、実施形態1にて説明した変位空間形成用凹部21の開口面の投影領域内にセンサ領域部E1およびIC領域部E2が収まるように変位空間形成用凹部21の開口面積を実施形態1に比べて大きくしてあり、IC領域部E2の多層構造部41が変位空間形成用凹部21内に配置されるようになっている(図18(c)、図19参照)。
以上説明した本実施形態の加速度センサでは、実施形態1の加速度センサと、実施形態1の加速度センサのセンシング部と協働する集積回路を形成したICチップとを1つのパッケージに収納したセンサモジュールに比べて小型化および低コスト化を図れ、また、センシング部と集積回路との間の配線長を短くすることができ、センサ性能の向上を図れる。
以下、上述のSOIウェハにセンサ基板1を複数形成したセンサウェハ10の製造方法について図25を参照しながら簡単に説明するが、図25(a)〜(d)は図20(a)のA−A’断面に対応する部分の断面を示してある。
まず、SOIウェハの主表面側(シリコン層10cの表面側)に各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4、ブリッジ回路Bx,By,Bz形成用の拡散層配線や上記集積回路などの回路要素をCMOSプロセス技術などを利用して形成する。ここにおいて、IC領域部E2の各パッド42を露出させる工程が終了した段階では、上述の多層構造部41がセンサ領域部E1および接合領域部E3にも形成されているが、多層構造部41のうちセンサ領域部E1および接合領域部E3に対応する部位に形成されている部分には金属配線は設けられていない。
上述の各パッド42を露出させる工程が終了した後、多層構造部41のうちセンサ領域部E1および接合領域部E3それぞれに対応する部位に形成されている部分を露出させるようにパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をエッチングマスクとして、多層構造部41の露出部分をシリコン層10c上の絶縁膜16のシリコン窒化膜をエッチングストッパ層としてウェットエッチングによりエッチング除去し、続いて、レジスト層を除去することによって、図25(a)に示す構造を得る。
その後、SOIウェハの主表面側に第1の封止用接合金属層18、各接続用接合金属層19、および引き出し配線43をスパッタ法などの薄膜形成技術およびフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成してから、SOIウェハの主表面側に、上述の絶縁膜16においてフレーム部11、重り部12のコア部12a、各撓み部13それぞれに対応する部位を覆い他の部位を露出させるようにパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をエッチングマスクとして、絶縁膜16の露出部分をエッチングすることで絶縁膜16をパターニングし、SOIウェハを主表面側から絶縁層10bに達する深さまで絶縁層10bをエッチングストッパ層としてエッチングする表面側パターニング工程を行うことによって、図25(b)に示す構造を得る。この表面側パターニング工程を行い、続いて、レジスト層を除去することによって、SOIウェハにおけるシリコン層10cは、フレーム部11に対応する部位と、コア部12aに対応する部位と、各撓み部13それぞれに対応する部位とが残る。なお、この表面側パターニング工程におけるエッチングに際しては、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置を用いてドライエッチングを行えばよく、エッチング条件としては、絶縁層10bがエッチングストッパ層として機能するような条件を設定する。
上述の表面側パターニング工程に続いてレジスト層を除去した後、SOIウェハの裏面側で支持基板10aに積層されているシリコン酸化膜10dにおいてフレーム部11に対応する部位とコア部12aに対応する部位と各付随部12bそれぞれに対応する部位とを覆い且つ他の部位を露出させるようにパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をエッチングマスクとして、シリコン酸化膜10dの露出部分をエッチングすることでシリコン酸化膜10dをパターニングし、レジスト層を除去してから、シリコン酸化膜10dをエッチングマスクとして、SOIウェハを裏面側から絶縁層10bに達する深さまで絶縁層10bをエッチングストッパ層として略垂直にドライエッチングする裏面側パターニング工程を行うことによって、図25(c)に示す構造を得る。この裏面側パターニング工程を行うことにより、SOIウェハにおける支持基板10aは、フレーム部11に対応する部位と、コア部12aに対応する部位と、各付随部12bそれぞれに対応する部位とが残る。なお、この裏面側パターニング工程におけるエッチング装置としては、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置を用いればよく、エッチング条件としては、絶縁層10bがエッチングストッパ層として機能するような条件を設定する。
裏面側パターニング工程の後、絶縁層10bのうちフレーム部11に対応する部位およびコア部12aに対応する部位を残して不要部分をウェットエッチングによりエッチング除去することでフレーム部11、各撓み部13、重り部12を形成する分離工程を行うことによって、図25(d)に示す構造を得る。なお、この分離工程において、SOIウェハの裏面側のシリコン酸化膜10dもエッチング除去される。
本実施形態の加速度センサは、実施形態1と同様に、SOIウェハにセンサ基板1を複数形成したセンサウェハ10と、上述の第1のシリコンウェハに貫通孔配線形成基板2を複数形成した第1のパッケージウェハ20と、上述の第2のシリコンウェハにカバー基板3を複数形成した第2のパッケージウェハ30とをウェハレベルで常温接合することでウェハレベルパッケージ構造体100を形成してから、ダイシング工程により所定のサイズ(所望のチップサイズ)の加速度センサに切断されている(なお、図18(c)の加速度センサは図18(a)に示すウェハレベルパッケージ構造体100のうち丸Aで囲んだ部分の断面に相当している)。したがって、貫通孔配線形成基板2とカバー基板3とがセンサ基板1と同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。
以上説明した本実施形態の加速度センサの製造方法は、センサウェハ10を形成するための工程数が実施形態1よりも増加するだけで、第1のパッケージウェハ20における貫通孔配線形成基板2を形成するための各工程、第2のパッケージ基板30におけるカバー基板3を形成するための各工程は実施形態1と同じであり、センサウェハ10および各パッケージウェハ20,30を形成した後の工程も実施形態1と同様である。
すなわち、本実施形態の加速度センサの製造方法においても、実施形態1における加速度センサの製造方法と同様に、真空中においてセンサ基板1と各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)との互いの接合面それぞれを清浄・活性化する活性化工程と、活性化工程の後でセンサ基板1および各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)の存在する空間の雰囲気を所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、雰囲気調整工程にて調整された雰囲気下においてセンサ基板1と各パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板2およびカバー基板3)とを互いの接合面を突き合せて接合する接合工程とを備え、活性化工程と雰囲気調整工程と接合工程とを同一チャンバCH(図1参照)内で連続的に行うので、活性化工程により清浄・活性化されたセンサ基板1の接合面と各パッケージ用基板それぞれの接合面とを大気に曝すことなく所望のセンサ特性に応じて設計した気密パッケージ内の設計雰囲気に調整された雰囲気下で突き合せて接合することができ、所望のセンサ特性の加速度センサを容易に形成することができる。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法では、センサ基板1にはセンシング部と協働する集積回路が形成されているので、センシング部と協働する集積回路が形成されたICチップを実施形態1にて説明した加速度センサのようなセンサ素子とともに1つのパッケージに収納してセンサモジュールを構成する場合に比べて、製造コストの低コスト化を図れる。
ところで、上述の実施形態1,2ではセンサ素子として加速度センサを例示し、参考例ではセンサ素子としてジャイロセンサを例示したが、センサ素子は加速度センサやジャイロセンサに限らず、例えば、センサ素子がセンサ基板として可動部の構造が異なる複数種類のセンサ基板(例えば、実施形態1にて説明したセンサ基板1、参考例にて形成したセンサ基板)を有する複合センサ(加速度センサとジャイロセンサとが複合化された複合センサ)や、センサ基板が可動部を備えていないセンサ素子(例えば、熱型の赤外線センサなど)であってもよく、少なくとも雰囲気調整工程と接合工程とからなる基本工程をセンサ基板ごとに各別に行うようにすれば、各センサ基板それぞれについて気密パッケージ内の雰囲気を各別に設計された設計雰囲気に調整できる。また、実施形態2のセンサ素子は、センサ基板1にセンシング部と協働する集積回路を形成してあるが、参考例のジャイロセンサや他のセンサ素子(例えば、上述の複合センサや熱型の赤外線センサなど)においてセンサ基板にセンシング部と協働する集積回路を形成するようにして、センサ基板1とパッケージ用基板とを接合するようにしてもよい。