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JP4095501B2 - コンピュータ装置、無線アクセスポイント、無線ネットワークを介した電源投入方法、フレーム聴取方法、フレーム送信方法、およびプログラム - Google Patents

コンピュータ装置、無線アクセスポイント、無線ネットワークを介した電源投入方法、フレーム聴取方法、フレーム送信方法、およびプログラム Download PDF

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JP4095501B2 JP2003181653A JP2003181653A JP4095501B2 JP 4095501 B2 JP4095501 B2 JP 4095501B2 JP 2003181653 A JP2003181653 A JP 2003181653A JP 2003181653 A JP2003181653 A JP 2003181653A JP 4095501 B2 JP4095501 B2 JP 4095501B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部との通信を行うコンピュータ装置等に係り、より詳しくは、ワイヤレスLANに接続可能なコンピュータ装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)に代表されるコンピュータ装置では、NIC(Network Interface Card)やLANアダプタ等と呼ばれるインタフェース機器によってLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続することが可能である。ネットワークに接続されるインタフェースとしては、最初はモデム、そして現在はトークンリング(Token-Ring)や、イーサネット(Ethernet:商標)等の有線(ワイヤード)の通信が主流であるが、今後は、ケーブル配線の煩わしさ等を回避する上で、更に、ノートPCや、携帯電話、PDA等の移動端末の急速な発展に伴い、無線(ワイヤレス)LANの普及が見込まれている。
【0003】
また、近年、例えばディスクストレージシステム等に対する自動診断や保守作業を実行するに際し、サービスプロセッサとしてのPCに対してオペレータの介在なしに電源をオン(ON)することが望まれる場合がある。また、例えば、一つの企業内においてシステムのメンテナンス等を含めた総費用を低減する目的で、多数のPCに対して、例えばプログラムの書き換えを一斉に行いたいと欲する場合がある。かかる状況において、オペレータの介在なしに、1つ1つのPCに対して電源がオンされることが要求されており、ネットワークマネージメント機能の一つとしてWakeOnLAN(ウェイク・オン・ラン)が注目されている。このWakeOnLANは、ネットワークから特定のパケット(マジックパケット:magic packet)を送ってPCを立ち上げるものであり、このWakeOnLANによれば、オペレータが手で電源を入れる代わりに、遠隔地の操作に基づくネットワークからの指示によってPCの電源を入れることが可能となる。
【0004】
尚、従来技術として、アクセスポイント(AP)を含む無線LAN内の移動端末(MT)における電力消費を最小化するために、アクセスポイントから送信される媒体アクセス制御(MAC)フレームのフレーム制御チャネル(FCCH)内にウェイクアップ情報を含められるように構成し、移動端末において、このウェイクアップ情報を含んでいないときにスリープに入る技術が存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特表2002−541731号公報(第7−11頁、図2−図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、近年における無線LANの急速な普及と共に、ワイヤードイーサネットLANで実現できているこのWakeOnLANを、ワイヤレス(無線)LANでも実装したいという要求が高まっている。このWakeOnLANを、無線LANで実現する方法としては、例えば、国際規格IEEE802.11関連規格で定められたパワーセーブモードを利用するものが考えられる。より具体的には、IEEE802.11で定められたパワーセーブモードを、WakeOnLAN待機状態のクライアントPC(ステーション)でイネーブル(Enable)する。このパワーセーブモードでは、クライアントPCがアクセスポイントと取り決めた期間(DTIM(Delivery Traffic Indication Map)インターバル)、スリープモードに入る。アクセスポイントは、クライアントPCがスリープモードに入っている間にクライアントPC宛てのデータパケットを受け取った場合、それをバッファする。クライアントPCは、DTIMインターバルが終わると起き上がり、自分がスリープモードに入っている期間に自分宛てのデータパケットが届いているか否かをアクセスポイントからの情報で判別する。届いていた場合には、データをアクセスポイントから取得する。届いていなかった場合には、再度、次のDTIMインターバルの間、スリープモードに入る。
【0007】
しかしながら、かかるWakeOnLANを無線LANで実現する上で、障害となるのが消費電力である。ワイヤードイーサネットLANにてWakeOnLANのパケットを待機している状態での消費電力は100mW程度であるのに対して、現状の無線LANを用いた場合には、その12倍の、1.2W以上の電力を消費してしまう。即ち、ワイヤレスLANアダプタでは、ワイヤレスフレームを受信している間の消費電力が600mWであるのに対して、送信時は1.2W〜1.5Wと非常に大きい。これは、送信時に無線信号を増幅するためのロウノイズ(Low Noise)アンプが大きな電力を消費するためである。WakeOnLAN待機時にワイヤレスフレームを送信すると、消費電力がminiPCIスペックで定められた660mWを大きく超えてしまう。また、PC本体のパワーサブシステムにも大きな負荷となり、待機時のピーク電力に耐え得るようにハードウェアを変更する必要がある。
【0008】
また、パワーセーブモードに入る前にクライアントPCはアクセスポイントにアソシエートしなければならず、このアソシエートをするためには、クライアントPCがアクセスポイントに、ワイヤレスフレームを送信することが必要となる。即ち、上記のようなIEEE802.11スペックで定められたパワーセーブモードをWakeOnLANに利用するためには、クライアントPCは様々なワイヤレスフレームを送信しなければならないことも問題となる。
【0009】
更に、クライアントPCがWakeOnLANの待機モードに入るためには、まず、マジックパケットを受け取るアクセスポイントを特定せねばならない。このために、クライアントPCはアクセスポイントのスキャンを開始する必要があり、アクセスポイントが見つからない場合には、定期的にスキャンを繰り返さなければならない。アクセスポイントのスキャンには、やはりワイヤレスフレームを送信せねばならず、送信時における消費電力の低減が望まれている。
【0010】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、無線LANに接続されるコンピュータ装置において、無線LAN側からの信号に基づいてシステムの電源を入れることを可能にすることにある。
また他の目的は、ワイヤレスLANへの接続機能を備えたコンピュータ装置において、消費電力を削減することにある。
更に他の目的は、IEEE802.11関連規格に準拠したワイヤレスLANの機能を有するコンピュータ装置において、アクセスポイントとのハンドシェイクをせずに、ブロードキャスト/マルチキャストフレームを受信可能とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明が適用される無線LANのステーションとしてのコンピュータ装置は、システム本体と、このシステム本体に対して主電源が投入されていない状態にて、所定の無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームを、その所定の無線アクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステム本体のパラメータを無線アクセスポイントに合わせて設定することにより受信する受信手段と、この受信手段により受信されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームの中にマジックパケットフレームがある場合に、システム本体に対して主電源を投入する主電源投入手段とを含む。
【0012】
ここで、アクセスポイントをスキャンするスキャン手段と、このスキャン手段によりスキャンされるアクセスポイントの中から、予め設定されていた条件およびアクセスポイント選択の条件に基づいてフレームを聴取すべきアクセスポイントを決定する決定手段とを更に備え、受信手段は、この決定手段により決定されたアクセスポイントからのフレームを聴取することによりブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームを受信することを特徴とすることができる。この決定手段としては、接続すべきチャネルを予め絞ることで、スキャンに要する手間を削減し、消費電力を低減することができる。更に、この受信手段は、アクセスポイントとの間で取り決められた、例えばDTIM期間、スリープモードに入り、この期間が経過した後、自分宛てのデータパケットを受信することを特徴とすれば、消費電力を更に大幅に削減することができる点で優れている。
【0013】
他の観点から把えると、本発明が適用されるコンピュータ装置は、無線アクセスポイントの中から聴取すべき所定の無線アクセスポイントを決定する決定手段と、この決定手段により決定された所定の無線アクセスポイントに対してハンドシェイクが行われない状態であってもアクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステムのパラメータを無線アクセスポイントに合わせて設定した状態で、この所定の無線アクセスポイントからブロードキャストおよび/またはマルチキャストされるフレームを聴取可能とするフレーム聴取手段と、このフレーム聴取手段により聴取されたフレームの中にマジックパケット(magic packet)があるか否かを判断する判断手段と、この判断手段によりマジックパケットが存在すると判断される場合に、システムに主電源を投入する主電源投入手段とを含む。ここで、このフレーム聴取手段は、予め定められたパワーセーブの設定に基づく所定のタイミングで聴取を行うことを特徴とすることができる。
【0016】
本発明を方法のカテゴリから把えると、本発明が適用される無線ネットワークを介した電源投入方法は、所定のアクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく、無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステム本体のパラメータを無線アクセスポイントに合わせて設定することにより無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームをハンドシェイクを行うことなく聴取するステップと、聴取されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームに電源投入のための信号が含まれているか否かを判断するステップと、この電源投入のための信号が含まれている場合に、システム本体に対して主電源を投入する信号をシステム本体側へ送るステップとを含む。
【0019】
尚、これらの発明は、所定の無線ネットワークに接続して通信を行うコンピュータがこれらの各機能を実現可能に構成されたプログラムとして、また、アクセスポイントであるコンピュータ装置が各機能を実現可能に構成されたプログラムとして把握することができる。このプログラムをコンピュータに対して提供する際に、例えばノートPCにインストールされた状態にて提供される場合の他、コンピュータに実行させるプログラムをコンピュータが読取可能に記憶した記憶媒体にて提供する形態が考えられる。この記憶媒体としては、例えばDVDやCD−ROM媒体等が該当し、DVDやCD−ROM読取装置等によってプログラムが読み取られ、フラッシュROM等にこのプログラムが格納されて実行される。また、これらのプログラムは、例えば、プログラム伝送装置によってネットワークを介して提供される形態がある。
【0020】
本発明が適用されるプログラムは、コンピュータに、無線アクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく、無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステム本体のパラメータを無線アクセスポイントに合わせて設定することにより無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームをハンドシェイクを行うことなく聴取する機能と、聴取されるブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレームに電源投入のための信号が含まれているか否かを判断する機能と、電源投入のための信号が含まれている場合に、システム本体に対して主電源を投入する信号をシステム本体側へ送る機能とを実現させる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、ノートブックPC(ノートブック型パーソナルコンピュータ)などのコンピュータ装置10のハードウェア構成を示した図である。図1に示すコンピュータ装置10において、CPU11は、コンピュータ装置10全体の頭脳として機能し、OSの制御下で各種プログラムを実行している。このCPU11は、システムバスであるFSB(Front Side Bus)12、高速のI/O装置用バスとしてのPCI(Peripheral Component Interconnect)バス20、ISAバスに代わる新しいインタフェースであるLPC(Low Pin Count)バス40という3段階のバスを介して、各構成要素と相互接続されている。このCPU11は、キャッシュメモリにプログラム・コードやデータを蓄えることで、処理の高速化を図っている。CPU11の内部に設けられる1次キャッシュの容量の不足を補うために、専用バスであるBSB(Back Side Bus)13を介して2次キャッシュ14が置かれる場合がある。
【0024】
FSB12とPCIバス20は、メモリ/PCIチップと呼ばれるCPUブリッジ(ホスト−PCIブリッジ)15によって連絡されている。このCPUブリッジ15は、メインメモリ16へのアクセス動作を制御するためのメモリコントローラ機能や、FSB12とPCIバス20との間のデータ転送速度の差を吸収するためのデータバッファ等を含んだ構成となっている。メインメモリ16は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、あるいは実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。この実行プログラムには、OSや周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーションプログラム、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)等のファームウェアが含まれる。
【0025】
ビデオサブシステム17は、ビデオに関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むと共に、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、液晶ディスプレイ(LCD)18に描画データとして出力している。
【0026】
PCIバス20は、比較的高速なデータ転送が可能なバスである。このPCIバス20には、I/Oブリッジ21、カードバスコントローラ22、オーディオサブシステム25、ドッキングステーションインターフェース(Dock I/F)26、miniPCIコネクタ(スロット)27が夫々接続されている。カードバスコントローラ22は、PCIバス20のバスシグナルをカードバススロット23のインターフェースコネクタ(カードバス)に直結させるための専用コントローラであり、このカードバススロット23には、PCカード24を装填することが可能である。ドッキングステーションインターフェース26は、コンピュータ装置10の機能拡張装置であるドッキングステーション(図示せず)を接続するためのハードウェアである。ドッキングステーションにノートPCがセットされると、ドッキングステーションの内部バスに接続された各種のハードウェア要素が、ドッキングステーションインターフェース26を介してPCIバス20に接続される。また、miniPCIコネクタ27には、本実施の形態におけるワイヤレスLANモジュールが内蔵されたミニPCI(miniPCI)カード28が接続される。miniPCIカード28は、miniPCIの仕様に準拠して増設可能な拡張カード(ボード)である。このminiPCIは、モバイル向けPCI規格であり、PCIRev.2.2仕様書の付録として掲載されている。機能的にはフルスペックのPCIと同等である。
【0027】
I/Oブリッジ21は、PCIバス20とLPCバス40とのブリッジ機能を備えている。また、DMAコントローラ機能、プログラマブル割り込みコントローラ(PIC)機能、プログラマブル・インターバル・タイマ(PIT)機能、IDE(Integrated Device Electronics)インタフェース機能、USB(Universal Serial Bus)機能、SMB(System Management Bus)インタフェース機能を備えると共に、リアルタイムクロック(RTC)を内蔵している。DMAコントローラ機能は、FDD等の周辺機器とメインメモリ16との間のデータ転送をCPU11の介在なしに実行するための機能である。PIC機能は、周辺機器からの割り込み要求(IRQ)に応答して、所定のプログラム(割り込みハンドラ)を実行させる機能である。PIT機能は、タイマ信号を所定周期で発生させる機能である。また、IDEインタフェース機能によって実現されるインタフェースは、IDEハードディスクドライブ(HDD)31が接続される他、CD−ROMドライブ32がATAPI(AT Attachment Packet Interface)接続される。このCD−ROMドライブ32の代わりに、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブのような、他のタイプのIDE装置が接続されても構わない。
【0028】
また、I/Oブリッジ21にはUSBポートが設けられており、このUSBポートは、例えばノートPC本体の壁面等に設けられたUSBコネクタ30と接続されている。更に、I/Oブリッジ21には、SMバスを介してEEPROM33が接続されている。このEEPROM33は、ユーザによって登録されたパスワードやスーパーバイザーパスワード、製品シリアル番号等の情報を保持するためのメモリであり、不揮発性で記憶内容を電気的に書き換え可能とされている。また、I/Oブリッジ21からモデム機能をサポートするAC97(Audio CODEC '97)、コアチップに内蔵されたイーサネットに対するインタフェースであるLCI(LAN Connect Interface)、USB等を介して、コネクタ47が複数、接続されている。この複数のコネクタ47の各々には、コミュニケーションカード48が接続可能に構成されている。更に、I/Oブリッジ21は、電源回路50に接続されている。電源回路50は、ACアダプタ、バッテリ、このバッテリ(2次電池)を充電すると共にACアダプタや各バッテリからの電力供給経路を切り換えるバッテリ切換回路、コンピュータ装置10で使用される5V、3.3V等の直流定電圧を生成するDC/DCコンバータ(DC/DC)等を備えている。
【0029】
LPCバス40は、ISAバスを持たないシステムにレガシーデバイスを接続するためのインタフェース規格である。このLPCバス40には、エンベデッドコントローラ41、フラッシュROM44、SuperI/Oコントローラ45が接続されており、更に、キーボード/マウスコントローラのような比較的低速で動作する周辺機器類を接続するためにも用いられる。このSuperI/Oコントローラ45にはI/Oポート46が接続されており、FDDの駆動やパラレルポートを介したパラレルデータの入出力(PIO)、シリアルポートを介したシリアルデータの入出力(SIO)を制御している。エンベデッドコントローラ41は、図示しないキーボードのコントロールを行うと共に、電源回路50に接続されて、内蔵されたパワー・マネージメント・コントローラ(PMC:Power Management Controller)によって電源管理機能の一部を担っている。
【0030】
ネットワークからの指示だけで電源を入れるWakeOnLANは、電源が切られた状態から立ち上がる第1の態様と、スリープ状態から自動的に立ち上がる第2の態様とに分けられる。本実施の形態では、第1の態様については、I/Oブリッジ21のコアチップに設けられるゲートアレイロジックを経由した電源オンが該当し、第2の態様については、エンベデッドコントローラ41およびI/Oブリッジ21を経由した省電力状態(Low Power State)からの復帰が該当している。電源回路50を構成するACアダプタへは、AC100〜240Vの電圧が供給され、このACアダプタによって例えばDC16Vに変換される。DC/DCコンバータでは、入力される16Vの直流電圧から、12V、2.5V、1.5V、5VのVCC1、3.3VのVCC2、補助(Auxiliary)電源である3.3VのVauxからなる直流定電圧を生成している。この補助電源Vauxは、自動電源オンを可能とするためにPCIバス20に対して供給される。このとき、電源コントロールを行う部分以外に、DC/DCコンバータからは補助電源であるVauxだけが出力され、電源スイッチがオンの状態になった段階にてVCC1、VCC2が立ち上がる。
【0031】
PCIバス20に対して供給された補助電源Vauxは、このPCIバス20に接続されたminiPCIカード28に対して供給される。本実施の形態におけるminiPCIカード28は、後述するワイヤレスLANminiPCIモジュールとして、無線LANを介して得られたマジックパケットを認識し、システム本体の主電源をオンさせるための信号がPCIバス20の信号線であるPME(Power Management Event)を介してシステム本体に提供されるように構成されている。
【0032】
miniPCIカード28から出力されるPME信号は、例えば、I/Oブリッジ21のゲートアレイロジックに入力される。ゲートアレイロジックの出力は、電源オン(POWER ON)として電源回路50のDC/DCコンバータに出力され、コンピュータ装置10のシステム本体がオンとなる。本実施の形態では、このようなminiPCIカード28がWakeOnLANをサポートするPCに搭載されることで、電源スイッチの動作とは無関係に、コンピュータ装置10の電源オン、ブートを可能にしている。
【0033】
一方、通常、行われるOSの省電力状態(Low Power State)からの立ち上がり(WAKE UP)は、エンベデッドコントローラ41が行っている。即ち、スリープ状態やソフトオフの状態にてPME信号を受けたエンベデッドコントローラ41は、電源回路50のDC/DCコンバータに対してI/Oブリッジ21経由で立ち上がりの指示を出力する。これによって、コンピュータ装置10は、省電力状態から元の状態へ復帰することが可能となる。
【0034】
図2は、本実施の形態が適用されるワイヤレスLANminiPCIモジュール60を示した図である。ワイヤレスLANminiPCIモジュール60は、図1に示すminiPCIスロット27に装着可能なminiPCIカード28の1つとして用いられており、miniPCI規格に準拠した無線LANカードの構成要素である。このワイヤレスLANminiPCIモジュール60は、アンテナコネクタ61、RF(Radio Frequency)モジュール62、ベースバンドプロセッサ63、フラッシュROM64、SRAM65、電源スイッチ66を備えている。
【0035】
アンテナコネクタ61は、ノートPC(コンピュータ装置10)が置かれた環境下にてアクセスポイント(AP)80と無線(ワイヤレス)通信を行うRFアンテナ70に接続可能である。RFアンテナ70は、無線LANカード(ワイヤレスLANminiPCIモジュール60)と一体的に設けられる場合以外に、例えば、図示しないアンテナコネクタを介して同軸ケーブルによってRF信号が伝播されるように構成し、例えばノートPCの筐体内部に設けられたダイバーシティアンテナ等によってアクセスポイント80と無線通信を行うように構成することも可能である。
【0036】
RFモジュール62は、国際規格IEEE802.11bにおける2.4GHz帯、および/もしくは国際規格IEEE802.11aにおける5GHz帯の無線LANをサポートする無線通信用高周波回路を備えている。ベースバンドプロセッサ63は、データ・リンク・レイヤ・プロトコルの下層サブレイヤであるMAC(Media Access Control)レイヤにてCPU11とのインタフェースを有するMACコントローラ機能を備えており、MiniPCIバスを介してCPU11の制御のもと、アクセスポイント80との通信を可能としている。フラッシュROM64は、本実施の形態におけるパワーセーブモード等の処理を実行するプログラムをファームウェア化して格納している。SRAM65には、例えば、受信したブロードキャストフレームおよび/またはマルチキャストフレーム(Broadcast/Multicast frame)に対して比較対照となる、自局のマジックパケット(magic packet)フレームが格納されている。また、電源スイッチ66は、ベースバンドプロセッサ63からの指示に基づき、無線LANカードに対する電源(VCC3)と補助電源(Vaux)とを切り換えている。ベースバンドプロセッサ63は、フラッシュROM64に格納されたソフトウェアに基づいて動作し、メモリであるSRAM65に格納されている情報に基づいて、本実施の形態におけるWakeOnLANを実現可能としている。
【0037】
図3は、本実施の形態が適用されるアクセスポイント80の構成を示したブロックダイアグラムである。アクセスポイント80は、本実施の形態におけるブロードキャスト/マルチキャスト処理を実行するマイクロプロセッサ81、情報の入出力を管理するI/Oコントローラ82、接続されている各種デバイスを制御するためのBIOSが格納されたフラッシュROM83、各種プログラムや、アソシエートしたクライアント(コンピュータ装置10)の情報等が格納されるシステムメモリ84を備えている。また、アクセスポイント80は、PCI/ローカルバス85を介してMiniPCIスロット86を備え、ワイヤレスLANカード(アダプタ)87等を接続可能としている。ワイヤレスLANカード87はアンテナ88に接続され、このアンテナ88を介してクライアントであるコンピュータ装置10に対するWakeOnLANを実現可能としている。
【0038】
次に、無線LAN側(アクセスポイント80)からの信号に基づいて、パワーオフの状態にあるコンピュータ装置10のシステム本体に電源を投入するWakeOnLANの動作について説明する。
本実施の形態では、WakeOnLANに特化した、アソシエートを前提としないパワーセーブモードを設けている。通常の802.11ならば、コンピュータ装置10はアクセスポイント80と接続するために、認証機能(Authentification)や、情報や機能を交換するアソシエート(Associate)などのプロセスを実行し、アクセスポイント80とハンドシェイクを行う。本実施の形態では、そのようなハンドシェイクを行わない。ハンドシェイクは行わないが、コンピュータ装置10はアクセスポイント80から送られてくるビーコンフレームに従って、コンピュータ装置10のパラメータをアクセスポイント80に合わせる。そのパラメータ設定により、アクセスポイント80からのブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームを受信することができる。
【0039】
コンピュータ装置10では、アクセスポイント80から送られてくるブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームを全てチェックし、自局宛ての「マジックパケット」があれば、PME信号(#PME)をアサートし、システム本体の主電源を入れる。そして、BIOSのPOSTコードの設定に従ってブートする。「マジックパケット」を送信するアクセスポイント80は、ユニキャストフレームではなく、必ず、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームで「マジックパケット」を送信するものとする。尚、ブロードキャスト(Broadcast)は、データの宛て先を指定しないで不特定多数の相手にデータを送る方法であり、マルチキャスト(Multicast)は、前もって決められた複数の宛て先にデータを送る方法である。また、ユニキャスト(unicast)は、メッセージの宛て先アドレスを一つだけ指定して、1対1によるデータ通信を行う方法である。マジックパケット(magic packet)は、WakeOnLANの機能を用いてLANからの電源投入指示を行うための所定のプロトコルである。
【0040】
フレームの送信には、受信よりも大きな電力を必要とする。上述した方法によって、コンピュータ装置10はフレームを一切送信する必要がないので、補助電源(Vaux)といった少ない消費電力でWakeOnLANを実現できる。また、アソシエーションなどのハンドシェイクプロセスがないことから、WakeOnLANのためのマイクロコード(無線LANアダプタのROMコード)を小さくすることができる。更には、一度、アソシエートしてしまうとローミング等のプロセスも必要となるが、上述した方法によれば、そのプロセスの必要性もなくなる。
【0041】
ここで、上記した方法によると、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームが任意のタイミングでアクセスポイント80から送信されることから、ステーションであるコンピュータ装置10は常に受信状態になければならず、その分、コンピュータ装置10の電力を消費する。そこで、かかる無駄な電力の消費については、更に幾つかの対処方法が考えられる。
【0042】
第1の方法として、アクセスポイント80にて、ステーションの中でパワーセーブモードの局が存在しなくても、常にステーションの中にパワーセーブモードの局が存在するものとして、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームを処理するオプションを設ける方法が考えられる。アクセスポイント80側のこの処理によって、ステーションであるコンピュータ装置10は、パワーセーブモードのステーションと同様にDTIM(Delivery Traffic Indication Map)のインターバルだけフレームを聴取(Listen)するように構成できるので、少ない電力でマジックパケットを待ち受けすることができる。かかる方法によれば、アクセスポイント80に追加する機能を非常に少なくすることができる。また、このオプションスイッチは、リモートからも設定可能であり、必要なときにのみ有効にすることで、通常は、現行どおりの基地局(アクセスポイント80)と全く同じ性能を保証することができる。
【0043】
また、第2の方法として、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームに関しては、データの内部に「マジックパケット」フレームがないかをアクセスポイント80がチェックし、「マジックパケット」が存在する場合には、そのアクセスポイント80にてパワーセーブモードのステーション(コンピュータ装置10)が存在するときのようにフレームを送信する。パワーセーブモードのステーションがあると、アクセスポイント80は、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームをDTIMのビーコンのインターバルで送信する。アクセスポイント80側によるこの処理によって、ステーションであるコンピュータ装置10では、パワーセーブモードのステーションと同様に、DTIMのインターバルだけフレームを聴取(Listen)するようにできることから、少ない消費電力で待ち受けすることができる。
【0044】
更に、アクセスポイント80が「マジックパケット」フレームをチェックする機能としては、次のようなオプションも可能としている。それは、上述の第2の方法に加え、アクセスポイント80が受信したユニキャスト(Directed MPDU(Message Protocol Data Unit)transfer)frameのデータ内部でも「マジックパケット」フレームがないかをチェックし、DTIMのビーコンのインターバルにこのデータ部分をブロードキャストフレームで送信する。これによって、ユニキャストフレームで「マジックパケット」を送信することを許している有線LANのWakeOnLANと同等の機能を、このオプションの機能を有する無線LANによるWakeOnLANにて実現することができる。更なるオプションとして、アクセスポイント80によって「マジックパケット」のエアー(Air:空中)への送信を制限することも可能である。ここで、アクセスポイント80に関して、有線側のネットワークに対して無線側のネットワークを「Air(側)」と言うことにする。
【0045】
尚、コンピュータ装置10が「マジックパケット」を受け取るアクセスポイントを特定するために、定期的にスキャンを繰り返して電力を消費する問題に対しては、WakeOnLAN用のワイヤレスプロファイルで、アクセスポイント80のチャネルをマニュアル設定するように構成することが好ましい。即ち、WakeOnLANを実現するためには、アクセスポイント80のSSID(Service Set Identification)、WEP(Wired Equivalent Privacy)等の情報をBIOS設定画面等で入力させる必要がある。この設定は、ワイヤレスカード内のメモリ(不揮発性メモリ等)に記録されることとなる。このプロファイル設定にアクセスポイント80のチャネルを追加する。これによって、ステーションであるコンピュータ装置10は、アクセスポイント80を探査するためにチャネルをスキャンする必要がなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。
【0046】
次に、上述したような、IEEE802.11類におけるワイヤレスWakeOnLAN実装の具体的な処理について、フローチャートを用いて詳述する。
図4は、ステーション側であるコンピュータ装置10におけるワイヤレスWakeOnLAN処理を示したフローチャートである。まず、ステップ100にて処理が開始されるが、この処理の開始の前提として、所定の設定が完了している必要がある。コンピュータ装置10に対して、DOSのアプリケーションプログラム等で下記項目が設定される。
1.SSID(0−32byte)
2. WEPキー(5byteまたは13byte)
3. ワイヤレスWakeOnLANのための聴取(Listen)時におけるパワーセーブモードのEnable/Disable(1bit)
4. SSIDをAPの限定に使用する、しない。Enable/Disable(1bit)
5. WEPを使用する、しない。Enable/Disable(1bit)
6. IEEE802.11ワイヤレスWakeOnLAN(WWOL)を行うか、行わないか。Enable/Disable(1bit)
7. Channel Number(1byte)
【0047】
これらの値は、上記アプリケーションプログラムにより、ワイヤレスWakeOnLAN待機前に、図2に示すワイヤレスLANminiPCIモジュール60上のメモリである例えばSRAM65に書き込んでおく。上記項目のカッコ内は、SRAM65上のレジスタのバイト数を示している。これらの設定により、ステーション側であるコンピュータ装置10は、ワイヤレスWakeOnLAN待機時に、聴取(Listen)する対象となるネットワークやAPを限定することができる。
【0048】
ステップ101では、通常のコンピュータ作業を実行した後メインパワー(主電源)が切れるか、あるいはAC電源(ACアダプタ)が差し込まれ、ワイヤレスLANのアダプタカードであるワイヤレスLANminiPCIモジュール60に、補助電源(Vaux)が投入される。このステップ101に引き続き、802.11アダプタであるワイヤレスLANminiPCIモジュール60では、ワイヤレスWakeOnLANを待機するパワーオンリセットが行われる(ステップ102)。このように、図4に示すフローでは、前回のパワーオフのときにパワーオンリセットがなされているということを前提としている。
【0049】
ベースバンドプロセッサ63は、SRAM65に予め設定されていたワイヤレスWakeOnLANのEnable/Disable情報に基づいて、プロセスを終了してアダプタ(ワイヤレスLANminiPCIモジュール60)が電力を消費しないようにするか、ワイヤレスWakeOnLAN待機状態に入るかを判断する(ステップ103)。ワイヤレスWakeOnLANがDisableである場合には、処理を終了する(ステップ104)。ワイヤレスWakeOnLANがEnableであり、ワイヤレスWakeOnLANに入る場合には、ステップ105へ移行する。
【0050】
ステップ105では、アクセスポイント(AP)をスキャン(Scan)する。このスキャン時に予めスキャンのチャンネルを限定することにより、不要なチャンネルのスキャンで無駄な電力を消費しないで済む。かかる場合には、短い時間、特定の(あるいは2〜3の)チャンネルでビーコンの有無を調べるだけで良くなる。その後、存在する複数のアクセスポイント(AP)の中から、SRAM65に設定していた条件とアクセスポイント80選択の条件に基づいて、聴取(Listen)するアクセスポイント80を決め、聴取(Listen)を続ける(ステップ106)。尚、「アクセスポイント80選択の条件」としては、例えば、電界強度(field strength)の強いアクセスポイント80を選択するようにアダプタ(ワイヤレスLANminiPCIモジュール60)内のマイクロコードを設定する等が挙げられる。
【0051】
ステップ107では、SRAM65に格納されているパワーセーブモードの設定に基づいて、ビーコンを常に聴取(Listen)するか、DTIMのタイミングで聴取(Listen)するかを決定する。パワーセーブモードがdisableに設定されている場合には、常にフレームを聴取(Listen)し(ステップ108)、マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームのみが受信される(ステップ109)。パワーセーブモードがenableに設定されている場合には、DTIMのタイミングでのみ聴取(Listen)する(ステップ110)。このとき、ステップ108のように常時Listenすることに比べて、ステップ110のように短い時間だけ受信する方が、大幅に消費電力を削減することができる。ステップ110の後、ワイヤレスLANminiPCIモジュール60では、IEEE802.11のPower Save Stationのプロトコルで、マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームが受信される(ステップ111)。
【0052】
ステップ109およびステップ111の後、ベースバンドプロセッサ63では、受信されたフレームの中に「マジックパケット」が入っているか否かがチェックされる(ステップ112)。「マジックパケット」が入っていない場合には、ステップ107に戻り、ステップ107以降の処理が繰り返される。「マジックパケット」が入っている場合には、ベースバンドプロセッサ63は、システムの主電源を投入する信号をシステム本体へ送り出し(ステップ113)、コンピュータ装置10の主電源を入れる。以上にて、ワイヤレスWakeOnLANを実行するためのコンピュータ装置10側の処理プロセスが終了する(ステップ114)。
【0053】
次に、アクセスポイント80側の処理について説明する。
アクセスポイント80がマジックパケットを特別に処理することにより、ステーション側であるコンピュータ装置10の待機電力を低下させることができ、また、セキュリティの強化を図ることもできる。アクセスポイント80では、予め次の2つの項目について、アクセスポイントの設定に加えられる。
1.ステーション側のワイヤレスWakeOnLAN待機電力削減のために、「マジックパケット」を含むマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームについて、DTIMのタイミングまでのバッファリングを行うか、行わないか。Enable/Disable(1bit)
2.マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームに「マジックパケット」が入っているときには、フレームを送信しない。Enable/Disable(1bit)
【0054】
これらの設定は、アクセスポイント80の管理者が予めアクセスポイント80に設定しておき、その情報は、例えばフラッシュROM83等に格納される。両方の設定をDisableすると、ワイヤレスWakeOnLAN機能のないアクセスポイントと同じとなる。上記1の機能をEnableに設定することで、ステーション(コンピュータ装置10)は、DTIMの送られるタイミングでのみ聴取(Listen)を行ってマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームを受信できるので、消費電力を削減することができる。上記2の機能をDisableに設定することで、アクセスポイント80からの「マジックパケット」のAirへの送信を制限し、管理されたアクセスポイント80からのマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームにより、不正なワイヤレスWakeOnLANが起こらないようにし、セキュリティ機能を強化することができる。
【0055】
図5は、アクセスポイント80側の処理を示したフローチャートである。ここでは、アクセスポイント80のオプション機能として、アクセスポイント80が「マジックパケット」のAirへの送信を制限する例を示している。まず、アクセスポイント80への上記設定が完了した状態にて、処理が開始される(ステップ200)。そして、通信領域であるAir(アクセスポイント80のBSS(Basic Service Set))へ向けたフレームを待つ(ステップ201)。アクセスポイント80のマイクロプロセッサ81は、取得されたフレームがマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームであるか否かをチェックする(ステップ202)。マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームでない場合には、通常のフレーム処理が実行され(ステップ203)、ステップ201へ戻る。マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームである場合には、ステップ204へ移行する。
【0056】
ステップ204では、フレーム内にマジックパケットがあるか否かが判断される。マジックパケットが無ければ、上述したステップ203へ移行する。マジックパケットがあれば、ステップ205へ移行する。
ステップ205では、例えばフラッシュROM83内の上記2の設定により、「マジックパケット」フレームの送信がDisableになっているか否かが判断される。Disableになっていれば、フレームをAirへ送信せずに廃棄し(ステップ206)、ステップ201へ戻る。フレームの送信がEnableになっていれば、ステップ207へ移行する。
【0057】
ステップ207では、例えばフラッシュROM83内の上記1の設定により、DTIMバッファリングがEnableか否かが判断される(ステップ207)。即ち、マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームをそのまま送信するか、DTIMのタイミングまでバッファリングするかを決定する。DTIMバッファリングがDisableのときには、マルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームをそのまま送信する通常のフレーム処理を行い(ステップ203)、ステップ201へ戻る。Enableのときには、DTIM処理として、ステップ208へ移行する。
【0058】
ステップ208では、マイクロプロセッサ81は、DTIMのタイミングが来るまで、「マジックパケット」の入ったマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームをアクセスポイント80の例えばシステムメモリ84にバッファリング(格納)する。そして、DTIMのタイミングでアクセスポイント80に未送信のマルチキャストフレーム/ブロードキャストがある場合には、「マジックパケット」の入ったマルチキャストフレーム/ブロードキャストフレームをAirに送信する(ステップ209)。そして、次のフレームを待つために、ステップ201へ移行し、上述した処理が繰り返される。以上のようにして、アクセスポイント80側にて、フレーム処理が実行される。
【0059】
尚、前述のように、IEEE802.11に既定されているパワーセーブモードをWakeOnLAN待機状態のコンピュータ装置10でイネーブルすることにより、消費電力を削減することもできる。この場合には、まず、アクセスポイント80は、クライアント(ステーション)であるコンピュータ装置10からのアソシエーション・リクエストを待ち受ける。アクセスポイント80は、クライアントがアソシエートし、かつそのクライアントがパワーセーブモードをリクエストした場合にのみ、パワーセーブ・ブロードキャストを有効にする。DTIMインターバルの間に、クライアントに向けてデータが届いた場合、アクセスポイント80は、それを例えばシステムメモリ84に格納し、次のDTIMタイミングにて、パワーセーブ・ブロードキャストにより、格納されているデータがあることをクライアントに知らせる。DTIMのタイミングでパワーセーブモードにより起き上がったクライアントは、パワーセーブ・ブロードキャストによってデータが届いていることを知り、それ以降、データの転送を開始する。
【0060】
図6は、アクセスポイント80にてワイヤレスWakeOnLANを実現するための処理を示したフローチャートである。図5のフローチャートと重複する部分もあるが、本実施の形態における理解を容易にするために、図6を用いて、再度、ワイヤレスWakeOnLANに特化した処理の流れを説明する。
【0061】
まず、図6のフローチャートに示すように、アクセスポイント80は、エアー(Air)へ向けたワイヤレスフレームを待つ(ステップ251)。その後、アクセスポイント80は、アソシエートしたステーション(コンピュータ装置10)が存在するか否かを判断する。クライアントがアソシエートしていない場合には、ステップ258へ移行する。クライアントがアソシエートしている場合には、パワーセーブモードのステーションが存在するか否かの判断がなされる(ステップ253)。パワーセーブモードのステーションが存在する場合には、IEEE802.11で既定されているパワーセーブモードが実行される(ステップ257)。ステップ253でパワーセーブモードのステーションが存在しない場合には、WakeOnLANがイネーブルか否かが判断される(ステップ254)。WakeOnLANがイネーブルではない場合には、パワーセーブモードがない、IEEE802.11の通常処理が実行される(ステップ256)。ステップ254でWakeOnLANがイネーブルである場合には、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームにマジックパケットが存在するか否かが判断される(ステップ255)。マジックパケットがない場合には、ステップ256の処理、即ち、パワーセーブモードがない、IEEE802.11の通常処理が実行される。マジックパケットが存在する場合には、ステップ257の処理、即ち、IEEE802.11で既定されているパワーセーブモードが実行される。
【0062】
ステップ252に戻り、アソシエートしたステーションが存在しない場合に、WakeOnLANがイネーブルか否かが判断される(ステップ258)。イネーブルでなければ、ステップ251に戻る。イネーブルである場合、即ち、WakeOnLANのスイッチが有効である場合には、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームにマジックパケットがあるか否かが判断される(ステップ259)。マジックパケットがない場合には、ステップ251へ戻り、マジックパケットが存在する場合には、ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレーム送信が実行される(ステップ260)。このステップ258〜ステップ260にて、パワーセーブモード処理が行われる場合には、DTIM期間中、マジックパケットを待ち受ける。ブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームにより、DTIM期間中にアクセスポイント80にマジックパケットが届いた場合には、アクセスポイント80は、それをシステムメモリ84等にバッファする。そして、次のDTIMのタイミングで、コンピュータ装置10に対し、マジックパケットが届いたことをブロードキャスト/マルチキャスト送信を用いて知らせる。このようなパワーモードセーブ処理を実行することで、コンピュータ装置10は、常にレシーブ状態にいる必要がなく、DTIMの期間中だけフレームを聴取すればよい。その結果、より少ない消費電力によって待ち受けをすることができる。
【0063】
このように、図6のフローチャートに示す処理によれば、例えば、アクセスポイント80がワイヤレスWakeOnLANを元々実装していない場合であっても、ワイヤレスWakeOnLANを実現することを可能としている。即ち、図6に示すステップ251→ステップ252→ステップ253→ステップ257のフローとなるように、特定のPCをパワーセーブモードのステーションとして設置すれば、既に駅などに設置されているアクセスポイントのままでパワーセーブをしたワイヤレスWakeOnLANを実現することが可能となる。ワイヤレスWakeOnLAN以外の応用では、携帯電話などのユビキタス機器に関しても、同様に現行のアクセスポイントをそのまま使用することができる。
【0064】
次に、BIOSによる追加機能について説明する。
従来、ネットワークアダプタからのWakeOnLANは、BIOSでEnable/Disableすることができた。この従来の設定では、有線のネットワークアダプタのみを仮定していた。本実施の形態による無線LANを用いたワイヤレスWakeOnLANを実装するときには、セキュリティの観点から、有線のWakeOnLANとワイヤレスWakeOnLANとを別々に設定することが必要である。これは、無線LANのセキュリティと有線LANのセキュリティとの扱いを分け、無線LANによるWakeOnLANをしないユーザのセキュリティを強化するためである。従来、WakeOnLANのEnable/Disable機能およびBIOSの更新(Flash Over LAN)をEnable/Disableする機能は、ネットワークカード全体で設定していた。本実施の形態が適用される無線LANによるWakeOnLANでは、従来の有線のEnable/Disableとは別に、無線LANアダプタ専用のWakeOnLAN、Flash Over LANの各々に、Enable/Disableを設定する。
【0065】
図7は、POST(Power-On Self Test)におけるワイヤレスWakeOnLANの処理手順を示した図である。POSTは、BIOSがシステム電源投入時に各ハードウェアを初期化する際に実行するテストプログラムである。
まず、ステップ300では、PME信号(#PME)により電源が投入されたときのパワーアップ処理のエントリを示している。
ステップ301では、#PMEが無線LANアダプタであるワイヤレスLANminiPCIモジュール60からのものであるか否かがチェックされる。#PMEが無線LANアダプタからのものである場合には、ステップ304へ移行する。無線LANアダプタからのものでなければ、他の#PMEを発生させたアダプタカードの処理が実行されて(ステップ302)、POSTの処理を終了する(ステップ303)。
【0066】
ステップ304では、マザーボード上のBIOSのデータを保持するEEPROM33上の設定を参照し、無線LANによるワイヤレスWakeOnLANがEnableかDisableかをチェックする。Enableであれば、引き続きPOSTのプロセスを続け、ステップ305へ移行する。Disableであれば、ステップ306へ移行する。ステップ305では、#PME処理以外のコード(code)を実行し、システムを立ち上げて、POSTの処理を終了する(ステップ303)。ステップ306では、パワーオフのプロセスを実行し、POSTの処理を終了する(ステップ303)。
【0067】
このように、本実施の形態では、セキュリティの観点から、#PMEをWakeOnLAN用にオン/オフできるように構成した。図7に示したような処理によって、例えば、有線からWakeOnLANを受けたら立ち上がり、無線から受けたときには立ち上がらない、といった、有線と無線との間で処理の切り分けが可能となる。かかる処理によって、セキュリティ性能をより高めることができる。
【0068】
このように、通常のIEEE802.11ならば、ステーションであるコンピュータ装置10は、アクセスポイント80と接続するために認証機能やアソシエートなどのプロセスを実行し、アクセスポイント80とハンドシェイクを行うことが必要である。アソシエートするためには、パケットを送信しなければならない。一方で、miniPCIにおけるVauxの最大出力は660mWであるのに対し、ワイヤレスLAN送信時には1200mW程度も必要となり、パケットを送信すると、miniPCIで既定されているVauxの最大消費電力を超えてしまう。しかしながら、本実施の形態によれば、認証やアソシエートなどのハンドシェイクを前提とせず、アクセスポイントからのブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームを受信するように構成した。このブロードキャストフレーム/マルチキャストフレームに自局宛てのマジックパケットフレームがあれば、#PMEをアサートし、主電源を入れるようにすることで、電力消費を削減した状態にて、WakeOnLANを実現することができる。
【0069】
また、一般のクライアントが各チャネルをスキャンしてアクセスポイント80を特定する方法として、自らシグナルを出してスキャンするアクティブスキャン(Active Scan)と、自分からプローブするのではなく、あるチャネルから来るビーコンフレームを取得してスキャンするパッシブスキャン(Passive Scan)との2つがある。アクティブスキャンでは、スキャンのために例えば1.2W程度の電力を必要としてしまい、上述の660mWを超えてしまう。一方、パッシブスキャンであっても、長い時間、聴取しなければならず、例えば310mW/sec程度など、平均電力が非常に大きくなってしまう。そこで、本実施の形態では、アクセスポイントを特定するためのSSIDやWEPなどを設定する際に、セットアップの項目を予め設定しておくように構成した。即ち、BIOSセットアップにチャネルの選択を付け加えることで、言い換えると、チャネルを予め絞ることで、数10mW程度の消費電力でアクセスポイント80を決定することが可能となる。特に、例えばWakeOnLAN等のパワーオン作業は、一般ユーザによる作業とは異なることから、チャネルを予め決めておくことが容易となる。また、このWakeOnLANに特化しない場合であっても、例えばセキュリティの観点等からも、アクセスポイントの条件を予め設定しておくことは有効である。
【0070】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、アクセスポイントとのハンドシェイクをせずに、ブロードキャスト/マルチキャストフレームを受信することが可能となり、例えば、ワイヤレスWakeOnLANを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ノートブックPCなどのコンピュータ装置のハードウェア構成を示した図である。
【図2】 本実施の形態が適用されるワイヤレスLANminiPCIモジュールを示した図である。
【図3】 本実施の形態が適用されるアクセスポイントの構成を示したブロックダイアグラムである。
【図4】 ステーション側であるコンピュータ装置におけるワイヤレスWakeOnLAN処理を示したフローチャートである。
【図5】 アクセスポイント側の処理を示したフローチャートである。
【図6】 アクセスポイントにてワイヤレスWakeOnLANを実現するための処理を示したフローチャートである。
【図7】 POST(Power-On Self Test)におけるワイヤレスWakeOnLANの処理手順を示した図である。
【符号の説明】
11…CPU、20…PCIバス、21…I/Oブリッジ、27…miniPCIコネクタ、28…miniPCIカード、41…エンベデッドコントローラ、50…電源回路、60…ワイヤレスLANminiPCIモジュール、62…RFモジュール、63…ベースバンドプロセッサ、64…フラッシュROM、65…SRAM、66…電源スイッチ、80…アクセスポイント、81…マイクロプロセッサ、82…I/Oコントローラ、83…フラッシュROM、84…システムメモリ

Claims (9)

  1. システム本体と、
    前記システム本体に対して主電源が投入されていない状態で、所定の無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよびマルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方を、前記無線アクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく前記無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従って前記システム本体のパラメータを前記無線アクセスポイントに合わせて設定することにより受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信する前記ブロードキャストフレームおよび前記マルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方の中にマジックパケット(magic packet)フレームがある場合に、前記システム本体に対して主電源を投入する主電源投入手段と
    を含むコンピュータ装置。
  2. アクセスポイントをスキャンするスキャン手段と、
    前記スキャン手段によりスキャンされるアクセスポイントの中からフレームを聴取すべきアクセスポイントを決定する決定手段とを更に備え、
    前記受信手段は、前記決定手段が決定した前記アクセスポイントからのフレームを聴取することにより前記ブロードキャストフレームおよび前記マルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方を受信することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ装置。
  3. 前記受信手段は、前記アクセスポイントとの間で取り決められた期間スリープモードに入り、当該期間が経過した後、自分宛てのデータパケットを受信することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ装置。
  4. 無線アクセスポイントの中から聴取すべき所定の無線アクセスポイントを決定する決定手段と、
    前記決定手段が決定した前記所定の無線アクセスポイントに対してハンドシェイクが行われない状態であっても前記無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステムのパラメータを前記無線アクセスポイントに合わせて設定した状態で前記無線アクセスポイントからブロードキャストフレームおよびマルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方を聴取可能とするフレーム聴取手段と、
    前記フレーム聴取手段により聴取されたフレームの中にマジックパケット(magic packet)があるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記マジックパケットが存在すると判断した場合に、システムに主電源を投入する主電源投入手段と
    を含むコンピュータ装置。
  5. 前記決定手段は、エアーにある無線アクセスポイントの存在をスキャンして取得し、所定の選択条件に基づいて前記所定の無線アクセスポイントを決定することを特徴とする請求項4記載のコンピュータ装置。
  6. 前記フレーム聴取手段は、IEEE802.11関連規格に基づいてフレームを聴取可能とすることを特徴とする請求項記載のコンピュータ装置。
  7. 前記フレーム聴取手段は、予め定められたパワーセーブの設定に基づく所定のタイミングで聴取を行うことを特徴とする請求項記載のコンピュータ装置。
  8. 所定の無線アクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく、前記無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステム本体のパラメータを前記 無線アクセスポイントに合わせて設定することにより、前記無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよびマルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方を聴取するステップと、
    聴取される前記ブロードキャストフレームおよび前記マルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方に電源投入のための信号が含まれているか否かを判断するステップと、
    前記電源投入のための信号が含まれている場合に、前記システム本体に対して主電源を投入する信号を当該システム本体側へ送るステップと
    を含む無線ネットワークを介した電源投入方法。
  9. コンピュータに、
    所定の無線アクセスポイントとの間でハンドシェイクを行うことなく、前記無線アクセスポイントから送られてくるビーコンフレームに従ってシステム本体のパラメータを前記無線アクセスポイントに合わせて設定することにより、前記無線アクセスポイントから送信されるブロードキャストフレームおよびマルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方を聴取する機能と、
    聴取される前記ブロードキャストフレームおよび前記マルチキャストフレームまたはそれらの何れか一方に電源投入のための信号が含まれているか否かを判断する機能と、
    前記電源投入のための信号が含まれていると判断した場合に、前記システム本体に対して主電源を投入する信号を当該システム本体側へ送る機能と
    を実現させるプログラム。
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