JP4089140B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体がカートリッジ筐体のディスク収納室内に回転自在に収納されたディスクカートリッジに関し、特に、上シェル又は下シェルとの間でディスク収納室を形成する中シェルを回転させることにより一対のシャッタ部材を開閉動作させて開口部を開閉し、その開放時に開口部からディスク状記録媒体の一部を露出させるようにしたディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、音声、映像或いはコンピュータのデータ等の情報の記録及び/又は再生が可能なディスク状記録媒体がカートリッジ筐体内に回転自在に収納されたディスクカートリッジとしては、例えば、図42に示すような構成のものが知られている。このディスクカートリッジ1は、コンピュータのデータ等の情報を使用者が後から記録書き込みできる追記形光磁気ディスク4を内蔵しているディスクカートリッジであり、図42に示すような外観形状を有している。
【0003】
このディスクカートリッジ1は、一対の上シェル2a及び下シェル2bによって構成されるカートリッジ筐体2と、このカートリッジ筐体2のディスク収納室3内に回転自在に収納された光磁気ディスク4等を備えている。カートリッジ筐体2の上下両面には、中央部から一辺に向かって延びる上下の開口部5が設けられている。この開口部5は、その一辺に沿ってスライド可能とされたシャッタ部材6によって開閉可能とされている。このシャッタ部材6は、図に現れないスプリングによって開口部5を閉じる方向へ常時付勢されている。6aは、シャッタ部材6の先端部の抜け出しを防止するための押え部材である。
【0004】
また、光磁気ディスク4の中央部には、金属によって円盤状に形成されたセンタハブ7が設けられている。このセンタハブ7は、開口部5の内側端部に対応された位置、即ち、カートリッジ筐体2の略中央部に配置されている。このセンタハブ7には、情報記録再生装置の本体側に設けられるターンテーブルが装着され、そのターンテーブルによるチャッキングにより固定されて光磁気ディスク4が所定速度(例えば、線速度一定)で回転駆動される。この際、開口部5内にヘッド部が挿入される光磁気ピックアップ装置の働きにより、光磁気ディスク4に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来のディスクカートリッジにおいては、開口部5を開閉するシャッタ部材6が断面コ字状をなすように形成されており、このシャッタ部材6をカートリッジ筐体2の一辺に嵌め合わせ、その一辺に沿ってシャッタ部材6をスライドさせて開口部5を開閉する構造となっていた。そのため、カートリッジ筐体2とシャッタ部材6との間に大きな隙間ができてしまい、微小なゴミや埃等の侵入を防ぐことができないという課題があった。
【0006】
近年、光ディスクの大容量化・高記録密度化の流れの中、記録パターンの狭ピッチ化、線密度の増大化が進んでいる。光ディスク或いは光磁気ディスクは、記録面上にゴミや埃が侵入することによって読取り或いは書込みビームが遮蔽されたり、情報記録面への傷つけによって正常な情報の読み書きができなくなってしまう場合がある。そのため、従来のディスクカートリッジでは、図42に示すように、断面略コ字状に形成されたシャッタ部材6をカートリッジ筐体2の一辺にスライド可能に装着し、その一辺に沿って移動させることにより開口部5を開閉して、光ディスク等の情報記録面の保護を図っている。
【0007】
ところが、更なる大容量化・高記録密度化により、従来では影響の少なかった微小なゴミや埃であってもデータの読み書きに対する影響度が増加し、上述したような略コ字状をなすシャッタ部材では、微小なサイズのゴミや埃の侵入を防ぐことができなかった。この場合、カートリッジ筐体2内に侵入した微小なゴミが光磁気ディスク4の情報記録面に付着すると、このゴミによって情報記録面が傷つけられ、正常な情報の読み書きができなくなってしまうという課題があった。
【0008】
また、上述した従来のディスクカートリッジ1においては、使用者の手に触れ易いところにシャッタ部材6があるため、使用者が誤ってシャッタ部材6をスライドさせて開口部5を開けてしまうおそれがあった。しかも、シャッタ部材6が図に現れないスプリングによって開口部5を閉じる方向へ常時付勢されているため、構成部品としてのスプリングが必要とされるばかりでなく、そのスプリングの組立作業に手間が掛かり、組立性及び生産性が悪いという課題もあった。
【0009】
本発明は、このような従来のディスクカートリッジの課題に鑑みてなされたものであり、スプリングを用いることなく上下シェルで中シェルを回転自在に保持して中シェルの回転により一対のシャッタ部材を開閉動作させると共に、一対のシャッタ部材が完全に閉じた状態においては勿論のこと、不完全に閉じた状態や完全に開いた状態においても記録再生装置に装着することができ、その装着時には開口部が確実に開き、また、記録再生装置から排出する時には開口部が一対のシャッタ部材によって確実に閉じられ、防塵性、気密性の高いディスクカートリッジを提供し、上述したような従来の課題を解決することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述したような課題等を解決し、上記目的を達成するために、本出願の請求項1記載のディスクカートリッジは、上シェル、中シェル及び下シェルを重ね合わせることによって上シェル及び中シェル内又は中シェル及び下シェル内にディスク収納室が形成されると共に中シェルが上シェル及び下シェルによって回転自在に支持されたカートリッジ筐体と、ディスク収納室内に回転自在に収納されると共に中シェル及び下シェル又は上シェルに設けられた開口部から一部が露出されるディスク状記録媒体と、開口部を開閉可能として中シェルに取り付けられた一対のシャッタ部材と、を備え、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材に開口部の開閉動作を行わせるようにしたディスクカートリッジであって、上シェル及び下シェルの少なくとも一方には中シェルを回転させるための操作窓を設けると共に、この操作窓の外側を通過するシャッタ開閉手段により係合されて中シェルを所定位置まで回転動作させる被操作部を中シェルの外周面に設け、シャッタ開閉手段を有するディスク記録及び/又は再生装置への着脱時に、シャッタ開閉手段によって開口部を開閉動作させるようにしたことを特徴としている。
【0011】
本出願の請求項2記載のディスクカートリッジは、一対のシャッタ部材は2枚の同一形状の板体の組み合わせからなり、この一対のシャッタ部材が開口部を閉鎖するように中シェルの一面側に対称に配置され、それぞれのシャッタ部材の一側部を中シェルに回転自在に支持すると共に他側部を下シェル又は上シェルに摺動可能に係合し、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材に開口部の開閉動作を行わせるようにしたことを特徴としている。
【0012】
本出願の請求項3記載のディスクカートリッジは、シャッタ開閉手段は、操作窓の外側を往復移動されるラック部と、このラック部の前側に配置された初期動作用凸部とを有し、被操作部は、ラック部に着脱可能に噛合されるギア部と、このギア部の円周方向一側に配置され且つ初期動作用凸部が着脱可能に係合される初期動作用凹部とを有し、初期動作用凸部を初期動作用凹部に係合させて中シェルを一定角度回転させた後、ラック部をギア部に噛合させることにより中シェルを所定位置まで回転させるようにしたことを特徴としている。
【0013】
本出願の請求項4記載のディスクカートリッジは、シャッタ開閉手段の初期動作用凸部とラック部との間に所定の間隔を設けると共に、被操作部に、初期動作用凸部が初期動作用凹部に係合するまでの間初期動作用凸部に滑りを生じさせる滑り部を設けたことを特徴としている。
【0014】
本出願の請求項5記載のディスクカートリッジは、シャッタ開閉手段に、ラック部の後側に配置されたストッパ用凸部を設けると共に、被操作部に、ギア部の円周方向他側に配置され且つストッパ用凸部が着脱可能に係合されるセット位置用凹部を設け、ラック部の歯の高さよりもストッパ用凸部の高さを大きく形成し、ストッパ用凸部をセット位置用凹部に係合することにより中シェルの回転を防止するようにしたことを特徴としている。
【0015】
上述のように構成したことにより、本出願の請求項1記載のディスクカートリッジでは、ディスク収納室を有するカートリッジ筐体とディスク状記録媒体と一対のシャッタ部材とを備えたディスクカートリッジにおいて、上シェル及び下シェルの少なくとも一方に設けられた操作窓には中シェルの外周面に設けられた被操作部が臨み、この操作窓の外側をシャッタ開閉手段が通過することにより、このシャッタ開閉手段に被操作部が係合されて中シェルが所定位置まで回転される。そのため、一対のシャッタ部材とカートリッジ筐体間の隙間を小さくして微小なゴミや埃等がディスク収納室内に入り難くすることができ、カートリッジ筐体の防塵効果を高めることができると共に、一対のシャッタ部材による開口部の開閉状態のいかんに関係なく、記録再生装置に装着する時には開口部が確実に開放され、また、記録再生装置から排出する時には開口部が確実に閉鎖された状態で排出されるディスクカートリッジを提供することができる。
【0016】
本出願の請求項2記載のディスクカートリッジでは、2枚の同一形状の板体を開口部を閉鎖するように配置し、その一側部を中シェルに回転自在に支持し且つ他側部を下シェル又は上シェルに摺動可能に係合して、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材を開閉動作させる構成とすることにより、シャッタ部材の面積を小さくしつつ広い範囲の開口部を開閉することができ、開口部の開閉効率を高めながらディスクカートリッジ全体の小型化、薄型化を図ることができると共に、一対のシャッタ部材をスムース且つ確実に開閉動作させることができる。
【0017】
本出願の請求項3記載のディスクカートリッジでは、シャッタ開閉手段がラック部と初期動作用凸部とを有し、中シェルの被操作部がギア部と初期動作用凹部とを有することにより、シャッタ開閉手段を操作窓の外側に通過させると、初期動作用凸部が初期動作用凹部に係合して中シェルが一定角度回転した後、ラック部がギア部に噛合して中シェルが所定位置まで回転される。そのため、中シェルを所定位置まで確実に回転動作させることができると共に、その中シェルの回転により一対のシャッタ部材がスムースに開閉動作され、開口部を確実に開閉させることができる。
【0018】
本出願の請求項4記載のディスクカートリッジでは、シャッタ開閉手段の初期動作用凸部とラック部との間に所定の間隔を設け、被操作部に滑り部を設けることにより、ラック部をギア部と同期させて中シェルを所定位置まで確実に回転動作させることができ、一対のシャッタ部材の開閉動作を確実なものとして開口部の開閉操作を確実に行うことができる。
【0019】
本出願の請求項5記載のディスクカートリッジでは、シャッタ開閉手段のラック部の後側にストッパ用凸部を設けると共に、被操作部のギア部の円周方向他側にセット位置用凹部を設け、ストッパ用凸部の高さをラック部の歯の高さよりも高くしたため、このストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合することにより、中シェルを所定位置においてロックさせたように固定することができ、振動等によって中シェルが回転させるのを確実に防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図41は、本発明のディスクカートリッジの実施の例を示すものである。即ち、図1はディスクカートリッジの第1の実施例を下シェル側から見た分解斜視図、図2は同じく下シェル側から見たシャッタ閉状態の斜視図、図3は同じくシャッタ開状態の斜視図、図4は上シェルの底面図、図5は中シェルの底面図、図6は下シェルの平面図、図7は中シェルと一対のシャッタ部材の開状態の斜視図、図8は図7の一対のシャッタ部材の閉状態の斜視図、図9は下シェルと一対のシャッタ部材の開状態の斜視図、図10は図9の一対のシャッタ部材の閉状態の斜視図、図11は同じく図10の平面図、図12は中央部を断面した説明図、図13A〜Cは中シェルの回転と昇降動作との関係をそれぞれ示す説明図、図14A及びBは中シェルの回転による昇降動作に基づくシャッタ部材の密着・開放状態をそれぞれ示す説明図である。
【0021】
図15はディスクカートリッジの第2の実施例を下シェル側から見た分解斜視図、図16は同じく下シェル側から見たシャッタ閉状態の斜視図、図17は同じくシャッタ開状態の斜視図、図18は本発明のディスクカートリッジを使用可能なディスク記録再生装置の回路構成の一実施例を示すブロック説明図、図19はディスク記録再生装置に対する本発明のディスクカートリッジの挿入前の状態を示す斜視図、図20は図19に示すシャッタ開閉手段の斜視図、図21はディスク記録再生装置に対する本発明のディスクカートリッジの挿入中の状態を示す斜視図である。
【0022】
更に、図22〜図41は、シャッタ開閉手段の進退動作と中シェルの被操作部の回動との動作関係を、シャッタの開閉状態に応じてそれぞれ示す動作説明図である。即ち、図22〜図26はシャッタが完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段と被操作部との係合状態を示す動作説明図、図27〜図31はシャッタが不完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段と被操作部との係合状態を示す動作説明図、図32〜図36はシャッタが完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段と被操作部との係合状態を示す動作説明図、図37〜図41はディスクカートリッジの排出時の状態を示す動作説明図である。
【0023】
第1の実施例として示すディスクカートリッジ10は、ディスク状記録媒体として、オーディオ情報としての音楽信号やビデオ情報としての映像及び音楽信号等の各種の情報信号が予め記録された再生専用型の光ディスク、或いはオーディオ情報やビデオ情報等の情報信号が1度だけ記録可能(追記型)若しくは何度でも繰り返して記録可能(書換え型)とされた記録可能型の光ディスク11を収納したものである。しかしながら、ディスク状記録媒体としては、これに限定されるものではなく、薄い円盤の表面に磁性薄膜層を形成して特定位置の磁化状態により情報を記憶するようにした磁気ディスク、同様に形成した磁性薄膜層に光ヘッドと磁気ヘッドを使用して情報を書き込み又は読み出すようにした光磁気ディスクその他のディスク状をなす記憶媒体を適用することができるものである。
【0024】
このディスクカートリッジ10は、図1〜図3に示すように、一対の上シェル13、中シェル14及び下シェル15を重ね合せることによって形成されるカートリッジ筐体12と、このカートリッジ筐体12内に形成されたディスク収納室16内に回転自在に収納される光ディスク11と、中シェル14及び下シェル15に形成された開口部25,42を開閉する一対のシャッタ部材18a,18b等を備えて構成されている。このディスクカートリッジ10は、光ディスク11を水平にして使用する場合には、通常上シェル13が上側に配されるが、図1においては説明上の便宜のために上下が逆とされており、上シェル13を下側にした状態で書き表されている。
【0025】
上シェル13は、図1及び図4に示すように、正面側が円弧形状とされた略四角形をなす薄い皿状の部材からなる。この上シェル13の下面(図1において表面として現れている面)の中央部には、中シェル14の厚み方向の略上半分が回動可能に嵌合される円形の上側凹陥部19aが設けられている。この上側凹陥部19aを設けることによって上シェル13の外周縁には、前縁部13aと左右の側縁部13b,13cと後縁部13dとが設けられている。この上シェル13の前縁部13a及び後縁部13dの略中央部には、下シェル15との位置合わせを行うための位置決め用凹部21a及び21bが設けられている。
【0026】
また、上シェル13の上側凹陥部19aの外周縁には、周方向に所定長さで連続する円弧状のカム溝22が等間隔に3箇所に設けられている。そして、カム溝22を3箇所に設けることにより、隣り合うカム溝22,22間の3箇所に所定長さのリフトアップ部23(図4において格子縞状にハッチングした部分)が設けられている。この3箇所のカム溝22には、中シェル14に設けられたカム部46が摺動可能に嵌合される。
【0027】
この上シェル13の下面に下シェル15が重ね合わされる。下シェル15は、図1及び図6に示すように、その外観形状は上シェル13のそれと略同様とされており、正面側が円弧形状とされた略四角形をなす薄い皿状の部材からなる。この下シェル15の平面(図1において裏面として隠れている面)の中央部には、中シェル14の厚み方向の略下半分が回動可能に嵌合される円形の下側凹陥部19bが設けられている。この下側凹陥部19bを設けることによって下シェル15の外周縁には、前縁部15aと左右の側縁部15b,15cと後縁部15dとが設けられている。この下シェル15の前縁部15a及び後縁部15dの略中央部には、上シェル13との位置合わせを行うための位置決め用凸部24a及び24bが設けられている。
【0028】
この下シェル15の凸部24a,24bを上シェル13の凹部21a,21bにそれぞれ係合させることにより、上下シェル13,15が互いに位置合わせされて所定の状態で重ね合わされる。この上下シェル13,15内に形成された上下の凹陥部19a,19bからなる円形の空間部内に中シェル14が回転自在に収納されている。この下シェル15の中央部には、前後方向に延在された開口部25が設けられている。この開口部25は、ディスク回転駆動装置のターンテーブルと光学ピックアップ装置の光学ヘッドを光ディスク11に臨ませるためのもので、これらが自由に出入りできる広さに設定されている。
【0029】
即ち、下シェル15の開口部25は、ターンテーブルが出し入れされる中央部に設定されたテーブル用開口部25aと、このテーブル用開口部25aの前後方向両側に延在されたヘッド用開口部25bとを有している。この開口部25の形状は、例えば、ヘッド用開口部25bにおけるテーブル用開口部25aの両側に1個ずつ合計2個の光学ヘッドを同時に出し入れできるようにするために考え出されたものである。ヘッド用開口部25bの前後方向両端の内面には、後述するシャッタ部材18a,18bとの間の隙間を塞ぐための遮蔽部26a,26bがそれぞれ設けられている。更に、下側凹陥部19b内には、テーブル用開口部25aを中心に対称となるよう一対の操作凸部27a,27bが設けられている。
【0030】
このような構成を有する上シェル13と下シェル15とによって形成される上下の凹陥部19a,19b内に中シェル14が収納され、この中シェル14と上シェル13とによって円形の空間部からなるディスク収納室16が形成されている。このディスク収納室16内に、光ディスク11が半径方向外側及び厚み方向に所定の隙間を持たせて収納されている。この光ディスク11は、中央部にセンタ穴11aが設けられた厚みの薄い円板状の記録部材からなる。
【0031】
この光ディスク11の中央部の一面には、センタ穴11aを覆うようにセンタハブ28が接着剤等の固着手段によって固定されている。このセンタハブ28は、マグネットによって吸着される鉄板等の磁性材料によって形成されている。このセンタハブ28にはディスク記録再生装置に内蔵されるディスク回転駆動装置のターンテーブルがセンタ穴11aを介して嵌合される。このターンテーブルに設けられたマグネットの磁力によってセンタハブ28が吸着される。これにより、光ディスク11がターンテーブルにチャッキングされて回転方向に一体化され、このターンテーブルが取り付けられるスピンドルモータの駆動により、所定速度(例えば、線速度一定)で回転される。
【0032】
この光ディスク11の一面には、ディスク記録再生装置に内蔵される光学ピックアップ装置の光学ヘッドが対向される情報記録の可能な情報記録領域29aと、情報記録の不可能な非記録領域29bとが設けられている。非記録領域29bは、光ディスク11の内側であるセンタハブ28の外側に所定幅で設けられた内側非記録領域29bと、光ディスク11の外周縁に所定幅で設けられた外側非記録領域29bとからなる。この内外の非記録領域29b,29b間に情報記録領域29aが設けられている。この光ディスク11の基板の材質としては、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリオレフィン等の合成樹脂が好適であるが、他の合成樹脂を用いることができることは勿論のこと、合成樹脂以外であっても情報記録媒体として用いられるガラス材やアルミニウム合金等の各種の材料を用いることができる。
【0033】
また、上下シェル13,15の一方の側縁部13b,15bの略中央部には、中シェル14の外周面の一部を露出させるための開口窓30が設けられている。この開口窓30は、上シェル13の接合部に設けた上側切欠き部30aと、下シェル15の接合部に設けた下側切欠き部30bとによって形成されている。更に、上下シェル13,15の一方の側縁部13b,15bには、その接合面に沿って前後方向に延びるガイド溝31が設けられている。このガイド溝31は、後述するシャッタ開閉手段が挿入されるもので、ディスクカートリッジ10をディスク記録再生装置に装着する際の誤挿入防止等の役割を併せ持つものである。このガイド溝31には開口窓30が連通されている。
【0034】
更に、上下シェル13,15の一方の側縁部13b,15bの前隅部には、ロック部材32が回動可能に収納されるロック収納部33が設けられている。このロック収納部33は凹陥部19a,19bに連通されていると共に、一方の側縁部13b,15bに設けられた開口穴34を介してガイド溝31に連通されている。更に、上シェル13のロック収納部33には、ロック部材32を回動自在に支持する支持軸35が、下シェル15側へ突出するように設けられている。
【0035】
このロック部材32は、図1に示すように、支持軸35に回動自在に嵌合されて平面方向へ揺動可能とされたレバー状の部材によって形成されている。このロック部材32の長手方向の一端には突起状のストッパ部36が設けられ、長手方向の他端には同じく突起状の入力部37が設けられている。更に、ロック部材32には、ストッパ部36と対向するよう同方向に突出されたバネ片38が一体に設けられている。
【0036】
このような構成を有するロック部材32は、ストッパ部36を凹陥部19a,19b側に向けた状態で支持軸35に嵌合され、バネ片38が前縁部13a,15aの内面に当接される。このバネ片38のバネ力によってストッパ部36が凹陥部19a,19b側に付勢され、これの反作用として入力部37が開口穴34を内側から貫通してガイド溝31内に突出される。その結果、ストッパ部36が中シェル14の後述する被操作部43のうち、後滑り部43bに設けられるセット位置用凹部44bに係合される。これにより、中シェル14がロック部材32によりロックされ、その回転が防止される。
【0037】
このような上シェル13及び下シェル15の上下凹陥部19a,19b内に回転可能に嵌合される中シェル14は、図1及び図5等に示すような構成を備えている。この中シェル14は、円盤状の薄い板材からなる平面部40と、この平面部40の外周縁に連続して設けられたリング部41とを有している。中シェル14の平面部40は、略半円形に形成された一対の半円片40a,40aからなり、両半円片40a,40aの弦辺間に隙間をあけることによって開口部42が形成されている。この開口部42は、下シェル15の開口部25と形状及び大きさが略等しく形成されている。
【0038】
即ち、開口部42も開口部25と同様に、平面部40の中央部に設定され且つターンテーブルが出し入れされるテーブル用開口部42aと、このテーブル用開口部42aの直径方向両側に設定され且つ光学ヘッドが1個ずつ対向されるヘッド用開口部42b,42bとを有している。そして、テーブル用開口部42aの周囲を囲む平面部40の内周縁には、自由状態において光ディスク11の内側非記録領域29bを下方から支える支持縁部40bが設けられている。
【0039】
また、中シェル14のリング部41の外周面の一部には、シャッタ開閉手段により係合されてその往復動作により中シェル14を所定の角度範囲内において回動させる被操作部43が設けられている。この被操作部43は、図5及び図8等に示すように、周方向の所定範囲(略30°程度)に渡って多数の歯が設けられたギア部41aと、このギア部41aの一側に連続して設けられた前滑り部43aと、ギア部41aの他側に連続して設けられた後滑り部43bとを有している。
【0040】
被操作部43の前滑り部43aの外周面はギア部41aの歯先円と略同じ高さに設定され、また、後滑り部43bの外周面はギア部41aの歯底円と略同じ高さに設定されている。そして、前滑り部43aの周方向の略中央部には断面円弧状の切欠きからなる初期動作用凹部44aが設けられ、後滑り部43bの周方向の略中央部には断面台形状の切欠きからなるセット位置用凹部44bが設けられている。この被操作部43のギア部41a及び前後の滑り部43a,43bがリング部41の外周面から外側へ突出するように設けられているため、上シェル13及び下シェル15の対応する部分には、各滑り部43a,43bとの接触を回避してその通過を許容するための逃げ溝45a,45bがそれぞれ設けられている。
【0041】
更に、下シェル15の逃げ溝45bの両端部には、各滑り部43a,43bの移動軌跡上に突出された前後の停止部45c,45dが設けられている。この前停止部45cに後滑り部43bの後端縁が当接することにより、中シェル14が下シェル15に対して最大角度回転変位して開口部25と開口部42とが最も大きくずれた状態となる。一方、後停止部45dに前滑り部43aの前端縁が当接することにより、中シェル14が初期位置に戻り、開口部25と開口部42とが重なり合って大きく開かれた状態となる。
【0042】
また、中シェル14のリング部41の一方の端面には、周方向の3箇所において所定の長さで連続する円弧状のカム部46(図5において多数の点にて表した部分)が設けられている。これらのカム部46は、中シェル14を上シェル13に組み立てた状態において、上シェル13の3箇所のカム溝22にそれぞれ係合される。この中シェル14が所定角度回転することにより、各カム部46が3箇所のリフトアップ部23にそれぞれ乗り上げられる。
【0043】
この中シェル14のリング部41の他方の端面には、カム部46と反対側に突出する円弧状の突条部47が2箇所に設けられている。これらの突条部47,47は、一対のシャッタ部材18a,18bの半径方向外側への移動を制限するものである。更に、中シェル14の平面部40には、一対のシャッタ部材18a,18bを平面方向へ回動自在に支持するための一対の支持孔49,49が設けられている。この一対の支持孔49,49は、テーブル用開口部42aを中心にしてヘッド用開口部42b,42bの一方の縁部分に点対称となるよう1個ずつ設けられている。
【0044】
このような構成を有する中シェル14は、図22等に示すように、下シェル15及び上シェル13に対して所定の位置関係を持って組み立てられる。即ち、カートリッジ筐体12の組立時、下シェル15の開口部25に中シェル14の開口部42を一致させるように重ね合わせる。このとき、カートリッジ筐体12の開口窓30には、中シェル14の被操作部43のうち、ギア部41aの一側に連続するように設けられた前滑り部43aが配置される。従って、開口窓30の略中央部に初期動作用凹部44aが設置される。
【0045】
この状態から、中シェル14が所定角度回転することにより開口部25に対して開口部42が最大に傾いた状態となり、一対のシャッタ部材18a,18bによって開口部42が完全に閉じられたとき、ギア部41aの他側に連続するように設けられた後滑り部43bが開口窓30まで移動する。これにより、開口窓30の略中央部にセット位置用凹部44bが設置される。
【0046】
この中シェル14に一対の支持孔49,49を介して取り付けられるシャッタ機構18は、同一の形状及び大きさとされた2枚で一対のシャッタ部材18a,18bによって構成されている。一対のシャッタ部材18a,18bは、図7及び図8に示すような形状及び構造を有している。即ち、一対のシャッタ部材18a,18bは、略半円形をなす薄い板体によって形成されている。各シャッタ部材18a,18bの弦側辺の略中央部には、弦線と直交する方向に所定の長さで形成された段部50が設けられており、この段部50によってその両側に凸側接合部50aと凹側接合部50bとが形成されている。
【0047】
更に、シャッタ部材18a,18bの各接合部50a,50bには、弦の延在方向と直交する方向に庇状に突出する庇部51a,51bがそれぞれ設けられている。かくして、一対のシャッタ部材18a,18bにおいて、互いの凸側接合部50aの端面と凹側接合部50bの端面とがそれぞれ対向され、凸側接合部50aの庇部51aが凹側接合部50bの庇部51bにそれぞれ重なり合わされる。このシャッタ部材18a,18bの弦側辺の凸側接合部50a側の端部である軸取付部50cには、庇部51a,51b側に突出する軸部52がそれぞれ設けられている。
【0048】
この軸部52を平面部40の支持孔49に嵌合させることにより、各シャッタ部材18a,18bが中シェル14にそれぞれ回動自在に取り付けられる。この際、一対のシャッタ部材18a,18bは、互いの弦側辺を対向させて取り付けるようにする。その結果、図7に示すように、一対のシャッタ部材18a,18bをそれぞれ外側へ離反させるように回動させたとき、各シャッタ部材18a,18bは半円片40a上に隠れるように載置される。一方、一対のシャッタ部材18a,18bをそれぞれ内側へ回動させて互いの接合部50a,50bをそれぞれ当接させることにより、図8に示すように、略円形とされた一対のシャッタ部材18a,18bによって開口部42の中央部が遮蔽される。
【0049】
更に、シャッタ部材18a,18bの凹側接合部50b側には、このシャッタ部材18a,18bを開閉動作させるための開閉溝53がそれぞれ設けられている。各開閉溝53は、それが設けられているシャッタ部材18a,18bの軸部52を中心に放射方向へ延びるように形成されている。この開閉溝53には、下シェル15の操作凸部27a,27bが摺動可能に係合される。更に、各開閉溝53の外側の端部には、周囲に切り込みを入れることによって形成された弾性片54と、操作凸部27a,27bを逃がすための凹部53aとが設けられている。
【0050】
また、シャッタ部材18a,18bの円弧側辺には閉鎖片55が設けられている。この閉鎖片55は、シャッタの閉じ状態において軸部52が移動することによってその跡に形成された隙間を塞ぐもので、図9に示すシャッタ開放状態から図10及び図11に示すシャッタ閉鎖状態にように移動して隙間を塞ぎ、塵や埃等がカートリッジ筐体12内に入り込むのを防止する。
【0051】
上述したような構成を有する上シェル13、中シェル14、下シェル15及びシャッタ部材18a,18bの材質としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やHIPS(高衝撃性ポリスチレン)等の合成樹脂が好適である。しかしながら、その他のエンジニアリングプラスチックを適用できることは勿論のこと、アルミニウム合金、ステンレス鋼その他の金属材料を用いることもできる。
【0052】
尚、図示しないが、ディスクカートリッジ10について、例えば、カートリッジ筐体12の後部隅部等に、光ディスク等の記録媒体に記録された情報の誤消去を防止するための誤消去防止機構を設ける構成とすることもできる。このような誤消去防止機構としては、例えば、カートリッジ筐体12の背面に開口する操作窓と、この操作窓を開閉可能に装着される誤消去防止片等によって構成することができる。
【0053】
上述したような構成を有するディスクカートリッジ10は、例えば、次のようにして簡単に組み立てることができる。このディスクカートリッジ10の組立作業は、図1に示すように、上シェル13を下に配置した状態で行われる。まず、上シェル13の上側凹陥部19a内に光ディスク11を載置する。このとき、光ディスク11は、センタハブ28のある面を下にして上側凹陥部19a内に入れ込む。
【0054】
次に、光ディスク11を覆うように中シェル14の開口側を上側凹陥部19aに嵌合させる。これにより、中シェル14と上シェル13とで形成されるディスク収納室16内に光ディスク11が回転自在に収納される。このとき、中シェル14の開口部42が延在する方向を上シェル13の前後方向に一致させ、被操作部43の前滑り部43aを開口窓30に臨ませる。
【0055】
次に、シャッタ機構18を中シェル14に組み立てる。これは、一対のシャッタ部材18a,18bの互いの弦側を対向させ、この状態で軸部52を平面部40の支持孔49にそれぞれ嵌合させる。そして、各シャッタ部材18a,18bを互いに離反させ、中シェル14の各半円片40a上にそれぞれ重なり合うようにする。
【0056】
これと同時に、又は前後して、ロック収納部33の支持軸35にロック部材32を取り付ける。この際、ロック部材32のバネ片38を上シェル13の前縁部13aの内面に当接させ、このバネ片38のバネ力によって入力部37を開口穴34からガイド溝31内に突出させる。
【0057】
次に、シャッタ機構18を含む中シェル14の上に下シェル15を被せ、この下シェル15を上シェル13に重ね合わせる。このとき、下シェル15の位置決め用凸部24a,24bを上シェル13の同じく位置決め用凹部21a,21bに嵌め込む。これにより、下シェル15が上シェル13に対して自動的に位置決めされる。この際、一対のシャッタ部材18a,18bを上述した位置に配置しておくことにより、下シェル15の下側凹陥部19b内に設けた一対の操作凸部27a,27bを一対の開閉溝53にそれぞれ対向させることができる。そのため、一対の開閉溝53の位置を気に掛けることなく、下シェル15を上シェル13に重ね合わせるだけで一対の操作凸部27a,27bを一対の開閉溝53に係合させることができる。
【0058】
その後、複数本の固定ネジを用いて下シェル15を上シェル13に締め付け固定する。これにより、図12に示すような断面構成を有するディスクカートリッジ10の組立作業が完了する。この場合、固定ネジ等の別部材からなる固着手段を用いることなく、例えば、接着剤等を用いて上シェル13と下シェル15の接合面を直に接合する構成とすることもできる。このように、本実施例に係るディスクカートリッジ10によれば、使用される構成部品の数が少なく、しかも、極めて簡単に組立作業を行うことができる。
【0059】
図15〜図17は、本願発明の第2の実施例を示すものである。この実施例に示すディスクカートリッジ80は、光学ヘッドが1個のディスク記録再生装置に使用するようにした1ヘッドタイプのものである。このディスクカートリッジ80は、図15から明らかなように、図1等に示したディスクカートリッジ10と異なるところは、中シェル84の開口部86及び下シェル85の開口部87の形状のみであり、その他の形状及び構成は同一である。そのため、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、構成の異なる開口部86,87について説明する。
【0060】
中シェル84の開口部86は、上述した中シェル14の開口部42から一方のヘッド用開口部42bを廃止しただけのものである。即ち、開口部86は、中央部に設けられた円形のテーブル用開口部86aと、このテーブル用開口部86aから半径方向外側に延在されて外周縁まで達する略長方形をなすヘッド用開口部86bとから構成されている。また、下シェル85の開口部87も中シェル84の開口部86と同様に、上述した下シェル15の開口部25から一方のヘッド用開口部25bを廃止しただけのものである。即ち、開口部87は、中央部に設けられた円形のテーブル用開口部87aと、このテーブル用開口部87aから前側に延在されて前端縁まで達する略長方形をなすヘッド用開口部86bとから構成されている。
【0061】
このように、2ヘッド用の中シェル14及び下シェル15を1ヘッド用の中シェル84及び下シェル85に代えて使用することにより、カートリッジ筐体12の剛性を高めると共に防塵性を向上させることができる。しかも、中シェル84及び下シェル85を1ヘッド用のものと2ヘッド用のものとで交換するだけで、ディスクカートリッジの製造を1ヘッド用と2ヘッド用に簡単に対応することができ、製造組立ラインの共通化が可能であって、需要者のニーズに適切に対応することができる。
【0062】
上述したような構成を有するディスクカートリッジ10,80がディスク記録再生装置に装着される前には、図2及び図16に示すような状態になっている。即ち、シャッタ機構18の一対のシャッタ部材18a,18bは、中シェル14,84がロック部材32によりロックされて初期位置に固定されているため、下シェル15,85の開口部25,87及び中シェル14,84の開口部42,86が完全に閉じた状態に保持される。更に、中シェル14,84の3箇所のカム部46が、上シェル13の3箇所のカム溝22から飛び出してリフトアップ部23に乗り上げた状態にある。そのため、一対のシャッタ部材18a,18bは、図14Aに示すように、中シェル14と下シェル15とによって両側から挟持された状態となっている。
【0063】
その結果、一対のシャッタ部材18a,18bは、カムの昇降動作による挟持機構とロック部材32のロック機構とによって二重にロックされた状態となっている。従って、シャッタ機構18による下シェル15,85の開口部25,87及び中シェル14,84の開口部42,86の閉鎖状態を確実に保持することができ、振動等に起因してシャッタ機構18が誤って開かれるのを確実に防止することができる。
【0064】
このような状態のディスクカートリッジ10,80を、図19及び図21に示すように、ディスク記録再生装置60に挿入することにより、このディスク記録再生装置60に設けられているシャッタ開閉手段によってロック部材32のロック状態が解除される。その後、このシャッタ開閉手段によってシャッタ機構18が開放され、開口部25,42(又は86,87)が開かれる。このシャッタ機構18の開閉動作は、後に詳細に説明する。
【0065】
次に、ディスク記録再生装置60について説明する。このディスク記録再生装置60は、図19及び図21に示すように、中空の筐体からなる外装ケース61と、この外装ケース61内に収納された記録再生装置本体62等を備えて構成されている。外装ケース61は、上面及び前面に開口されたケース本体63と、このケース本体63の上面を閉じるように上部に着脱可能に取り付けられたケース蓋体64と、ケース本体63及びケース蓋体64の前面を閉じるように前部に着脱可能に取り付けられた前部パネル65等を備えている。
【0066】
ケース本体63の4箇所には、下方に突出する脚体63aが設けられている。これらの脚体63aによってディスク記録再生装置60が支えられ、適宜位置に取り付けられる。前部パネル65は、横長とされた板状部材からなり、その上部には横長のカートリッジ出入口66が設けられている。カートリッジ出入口66は、ディスクカートリッジ10,80の正面側の大きさと略同程度の大きさに形成されている。このカートリッジ出入口66は、その内側に配置された開閉扉67によって常時は閉じられている。
【0067】
この開閉扉67をディスクカートリッジ10の前部で押圧し、図21に示すように、所定の位置まで差し込む。これにより、図示しないローディング機構によってディスクカートリッジ10,80が自動的に取り込まれる。そして、ローディング機構で搬送されたディスクカートリッジ10,80は、ディスク記録再生装置60内の所定位置で位置決めされて固定される。これと同時に又は前後して、ディスク記録再生装置60に設けられているシャッタ開閉手段によってシャッタ機構18が開放動作され、開口部25,42が開放される。
【0068】
このシャッタ開閉手段の一具体例を示すラック棒70を、図20に示している。このラック棒70は、中シェル14,84の被操作部43のギア部41aに噛合されるラック部71と、このラック部71の先端側に設けられた初期動作用凸部72と、ラック部71の基端側に設けられたストッパ用凸部73等を備えている。ラック棒70のラック部71は真っ直ぐな棒材の中途部において一面側に突出するように形成されており、ギア部41aと略同数の歯を有している。
【0069】
このラック部71の先端側に、ラック棒70と同方向に延びる適宜な弾性を有する前弾性片72aが設けられている。この前弾性片72aの先端部に、ラック部71の歯と同方向に突出する初期動作用凸部72が設けられている。また、ラック部71の基端側に、同じくラック棒70と同方向に延びる適宜な弾性を有する後弾性片73aが設けられている。この後弾性片73aの先端部に、ラック部71の歯と同方向に突出するストッパ用凸部73が設けられている。このストッパ用凸部73と初期動作用凸部72とラック部71とは、同一直線上に設定されている。上述した前弾性片72aによって前側の空振り部が形成され、後弾性片73aによって後側の空振り部が形成されている。
【0070】
更に、初期動作用凸部72は、断面形状は円弧状とされているが、その大きさ及び高さはラック部71の歯と略同程度に形成されている。一方、ストッパ用凸部73は、断面形状はラック部71の歯と同様に山形とされているが、その大きさ及び高さはやや大きめに形成されている。そして、前後の弾性片72a,73aに適度な大きさを弾性を付与することにより、初期動作用凸部72及びストッパ用凸部73に対して後退動作が弾性的に行われるようにしている。図20において、符号74は、ラック棒70の補強を兼ねたガイド部である。このガイド部74は、ディスクカートリッジ10,80のガイド溝31に係合される。
【0071】
このような構成を有するラック棒70の作用による中シェル14,84の回動、及びシャッタ機構18の開閉動作は、後に詳細に説明する。
【0072】
図12に示すように、ラック棒70の作用によって開口部25,42(又は86,87)が開放されると、その開口部25,42(又は86,87)内にディスク回転駆動装置68のターンテーブル68aと光学ピックアップ装置69の光学ヘッド69aとが入り込む。そして、ターンテーブル68aが光ディスク11のセンタ孔11aに係合し、ターンテーブル68aに内蔵されているマグネットによってセンタハブ28を吸着して保持する。これと同時に又は前後して、光学ヘッド69aが光ディスク11の情報記録領域29aに所定位置まで接近する。これにより、ディスク記録再生装置60による光ディスク11に対する情報信号の記録及び再生操作が可能となる。
【0073】
このディスク記録再生装置60の記録再生装置本体62は、例えば、図18に示すような構成要素を備えて構成されている。即ち、記録再生装置本体62は、システムコントローラS1とメモリーコントローラS5とドライブコントローラD1との3つの制御装置を備えている。システムコントローラS1とメモリーコントローラS5とは直に接続されていて、その接続ラインには読取り専用記憶装置(ROM)S2と読取り書込み記憶装置(RAM)S3とが接続されている。更に、メモリーコントローラS5には、メモリーS4とMPEG2(3M〜40Mbps に対応した既存のテレビ放送、HDTV、広帯域ISDNなどに応用される動画圧縮方式)用のエンコーダーS6及びデコーダーS7とが接続されている。更に、システムコントローラS1には、コントロールパネルS8とリモコン受信部S9とが接続されている。
【0074】
また、ドライブコントローラD1にはECCD4が接続されていて、その接続ラインには記憶装置(ROM)D2及び記憶装置(RAM)D3と、サーボ回路D6及びアドレスデコーダーD7とが接続されている。更に、ドライブコントローラD1には記録時のエラーを判断する記録時エラー判断回路D8が接続されている。このドライブコントローラD1は、コマンド用インタフェースを介してシステムコントローラS1に接続されている。また、ECCD4、データ用インタフェースを介してメモリーコントローラS5に接続されていると共に、変復調回路D5にも接続されている。そして、変復調回路D5は、光学ピックアップ装置69の光学ヘッド69aに接続されている。
【0075】
また、サーボ回路D6は、ディスク回転駆動装置であるスピンドルモータ68と、光学ピックアップ装置69と、記録時エラー判断回路D8とに接続されている。更に、光学ピックアップ装置69はアドレスデコーダーD7に接続され、このアドレスデコーダーD7は記録時エラー判断回路D8にも接続されている。
【0076】
次に、上述したような構成を有するディスク記録再生装置60のカートリッジ出入口66からディスクカートリッジ80を挿入する場合に、ラック棒70によるシャッタ機構18の開閉作用を、中シェル84の位置の変化によるシャッタ機構18の開閉状態との関係において説明する。
【0077】
その1は、シャッタ機構18が完全に閉じられたディスクカートリッジ80を挿入する場合(A)であり、これを図22〜図26に示す。その2は、シャッタ機構18が不完全に閉じられたディスクカートリッジ80を挿入する場合(B)であって、これを図27〜図31に示す。その3は、シャッタ機構18が完全に開いたディスクカートリッジ80を挿入する場合(C)であり、これを図32〜図36に示す。その4は、ディスクカートリッジ80を排出する場合(D)であって、これを図37〜図41に示す。
【0078】
まず、一対のシャッタ部材18a,18bが完全に閉じられたディスクカートリッジ80を挿入する場合(A)について説明する。図21に示すように、ディスクカートリッジ80をディスク記録再生装置60のカートリッジ出入口66に所定量挿入すると、ディスク記録再生装置60に内蔵されたラック棒70の初期動作用凸部72が、ディスクカートリッジ80の一方の側面部に設けたガイド溝31内に入り込む。これにより、図示しないが、初期動作用凸部72がガイド溝31内に突出されているロック部材32の入力部37を、バネ片38の付勢力に抗してロック収納部33内に押し込める。これにより、ロック部材32が支持軸35を中心に回動してストッパ部36がセット位置用凹部44bから抜け出す。その結果、中シェル84のロックが解除され、その回動が自由となる。
【0079】
更に、図22に示すように、カートリッジ挿入方向Fにディスクカートリッジ80を挿入し、ラック棒70に対してディスクカートリッジ80が相対的に前進することにより、初期動作用凸部72が中シェル14の被操作部43の前滑り部43aに当接し、この前滑り部43aを高い方に乗り上げる。このとき、前弾性片72aが適当な強さの弾性を有するため、前弾性片72aの撓みによって初期動作用凸部72が後方に撓み移動し、前滑り部43aの最高部を乗り越える。その結果、図23に示すように、初期動作用凸部72が初期動作用凹部44a内に入り込む。この凸部72が凹部44aに係合することにより、ラック棒70からの反力によって中シェル14が、同図において反時計方向Nに回動される。
【0080】
その結果、図24に示すように、ラック棒70との間の相対的な移動量に応じて中シェル14が所定角度回転することにより、凸部72が凹部44aから離れる前にラック部71が被操作部43のギア部41aに噛み合う。これにより、動力伝達経路が強固になり、ラック棒70からの反力が確実に伝達されて、中シェル14が所定角度回転する。そして、図25に示すように、直線的に前進するラック部71と曲線的に前進するギア部41aとの噛み合いが解除される前に、ストッパ用凸部73が被操作部43の後滑り部43bに設けたセット位置用凹部44bに係合される。そして、図26に示すように、ストッパ用凸部73がセット位置用凹部44bにしっかりと噛み合ったところで、ラック部71とギア部41aとの噛み合いが解除される。
【0081】
これと同時に、ディスクカートリッジ80の挿入動作が終了し、ディスクカートリッジ80が所定位置にセットされる。このセット状態では、ストッパ用凸部73がセット位置用凹部44bにしっかりと噛み合っているため、中シェル14が回動するおそれもない。
【0082】
このとき、中シェル14が回動を開始する初期状態では、図13C及び図14Aに示すように、中シェル14のカム部46がリフトアップ部23に乗り上げる。そのため、中シェル14と上シェル13との間で一対のシャッタ部材18a,18bを挟持した状態となることから、中シェル14の回転動作には比較的大きな力が必要とされる。このカム部46の乗り上げによる大きさ摩擦力に抗して中シェル14を回転させることにより、図13B及び図14Bに示すように、カム部46がリフトアップ部23を通過してカム溝22内に入り込む。その結果、カム部46の摩擦力が消滅するため、これ以後の中シェル14の回転動作は、極めて軽く且つスムースに行うことができようになる。
【0083】
また、一対のシャッタ部材18a,18bの各軸部52が、中シェル14の回動によって同様に回動される一方、他端側に設けた開閉溝53には下シェル15の操作凸部27a,27bがそれぞれ摺動可能に係合されている。この一対の操作凸部27a,27bは下シェル15に設けられていて、この操作凸部27a,27bは移動することがない。その一方、一対のシャッタ部材18a,18bの各開閉溝53は、操作凸部27a,27bとの間に相対移動が可能なように軸部52と操作凸部27b(又は27a)とを結ぶ方向に延在されている。
【0084】
そのため、シャッタ部材18a,18bの回動量に応じて操作凸部27b(又は27a)が開閉溝53内を軸部52側に移動する。これにより、各シャッタ部材18a,18bにおいて軸部52が対応する操作凸部27b(又は27a)側に移動する。その結果、各シャッタ部材18a,18bが、図22の状態から、図23、図24及び図25の状態を経て、図26に示すように、開口部86,87を挟んで左右に対向する位置に移動する。これにより、中シェル84の開口部86と下シェル85の開口部87とが完全に開放される。そのため、ディスク収納室16内に収納されている光ディスク11の一部が開口部86,87から露出される。
【0085】
その結果、開口部86,87に対するターンテーブル68a及び光学ヘッド69aの挿入が可能となる。そこで、ターンテーブル68a等をディスクカートリッジ80側へ移動するか又はディスクカートリッジ80をターンテーブル68a側へ移動することにより、ターンテーブル68aが中央部のテーブル用開口部87a内に入り込み、光学ヘッド69aがサイドのヘッド用開口部87b内に入り込む。その結果、ターンテーブル68aに光ディスク11が装着されてチャッキングされると共に、光学ヘッド69aが所定の間隔を保持して光ディスク11の情報記録領域29aに対面される。これにより、ディスク記録再生装置60による光ディスク11の情報記録領域29aに対する情報信号の再生又は記録が可能となる。
【0086】
そこで、記録再生装置本体62を動作させ、スピンドルモータ68の駆動によりターンテーブル68aを介して光ディスク11を回転させると共に、光学ピックアップ装置69の駆動により光学ヘッド69aからレーザ光を出射して情報記録領域29aに予め記録されている情報信号を読み出し、又はその情報記録領域29aに対して新たな情報信号を書き込むことができる。これにより、記録再生装置本体62による情報信号の再生又は記録が実行される。
【0087】
次に、一対のシャッタ部材18a,18bが不完全に閉じられたディスクカートリッジ80を挿入する場合(B)について説明する。このような状態は、使用者が故意に中シェル84を回転させる等の原因によって生じるもので、例えば、図27に示すように、中シェル84の回転変位によってシャッタ機構18が少し開かれた状態にある。このとき、開口窓30には、初期動作用凹部44aの他に、ギア部41aの一部が露出されている。
【0088】
このディスクカートリッジ80をディスク記録再生装置60のカートリッジ出入口66に所定量挿入すると、ラック棒70の初期動作用凸部72が、ディスクカートリッジ80のガイド溝31内に入り込み、ロック部材32の入力部37をロック収納部33内に押し込めた後、図27の状態から図28の状態に変化して、被操作部43のギア部41aに当接する。その結果、初期動作用凸部72が被操作部43のギア部41aに係合され、この係合状態によって中シェル84が反時計方向Nに回動される。
【0089】
その結果、図29に示すように、ラック棒70との間の相対的な移動量に応じて中シェル14が所定角度回転することにより、凸部72がギア部41aから離れる前にラック部71がギア部41aに噛み合う。これにより、ラック棒70からの反力がラック部71からギア部41aに確実に伝達され、中シェル84が所定角度回転する。そして、図30に示すように、ラック部71からギア部41aが離れた後、中シェル14とラック棒70との間に滑りが生じ、ストッパ用凸部73が被操作部43の後滑り部43bに設けたセット位置用凹部44bに係合される。
【0090】
その後、図31に示すように、ストッパ用凸部73がセット位置用凹部44bにしっかりと噛み合ったところで、ディスクカートリッジ80の挿入動作が終了し、ディスクカートリッジ80が所定位置にセットされる。このセット状態では、中シェル84の開口部86と下シェル85の開口部87とが完全に開放され、ディスク収納室16内に収納されている光ディスク11の一部が開口部86,87から露出される。従って、シャッタ機構18が不完全に閉じられたディスクカートリッジ80を挿入した場合においても、何ら支障を生ずることなく、そのディスクカートリッジ80を使用して、情報信号の記録及び再生に寄与することができる。
【0091】
次に、一対のシャッタ部材18a,18bが完全に開いたディスクカートリッジ80を挿入する場合(C)について説明する。このような状態は、使用者が故意に中シェル84を回転させる等の原因によって生じるもので、図32に示すように、中シェル84が最大に回転変位してシャッタ機構18が完全に開かれた状態にある。このとき、開口窓30には、後滑り部43bが露出されている。
【0092】
このディスクカートリッジ80をディスク記録再生装置60のカートリッジ出入口66に所定量挿入すると、ラック棒70の初期動作用凸部72が、ディスクカートリッジ80のガイド溝31内に入り込み、ロック部材32の入力部37をロック収納部33内に押し込めた後、図32の状態から図33の状態に変化して、初期動作用凸部72が後滑り部43bのセット位置用凹部44bの上方を通過する。更に、図34の状態から図35の状態に変化して、ラック部71もセット位置用凹部44bの上方を通過する。
【0093】
その後、ストッパ用凸部73が後滑り部43bに当接する。このとき、後弾性片73aが適当な強さの弾性を有するため、後弾性片73aの撓みによってストッパ用凸部73が後方に撓み移動し、後滑り部43bの最高部を乗り越える。そして、ストッパ用凸部73がセット位置用凹部44bに係合される。その後、図36に示すように、ストッパ用凸部73がセット位置用凹部44bにしっかりと噛み合ったところで、ディスクカートリッジ80の挿入動作が終了し、ディスクカートリッジ80が所定位置にセットされる。
【0094】
このセット状態では、中シェル84の開口部86と下シェル85の開口部87とが完全に開放され、ディスク収納室16内に収納されている光ディスク11の一部が開口部86,87から露出される。従って、シャッタ機構18が完全に開いた状態のディスクカートリッジ80を挿入した場合においても、何ら支障を生ずることなく、そのディスクカートリッジ80を使用して、情報信号の記録及び再生を実行することができる。
【0095】
最後に、ディスクカートリッジ80を排出する場合(D)について説明する。上述したようにして行われる情報信号の再生又は記録の後、例えば、ディスク記録再生装置60に設けられるカートリッジ排出ボタン(図示せず)を操作することにより、ローディング機構の作動を介してディスクカートリッジ80がディスク記録再生装置60から排出される。即ち、ローディング機構の排出動作によってディスクカートリッジ80がカートリッジ排出方向Rに移動すると、相対的にラック棒70が後退動作される。
【0096】
このラック棒70に対するディスクカートリッジ80の後退動作により、図37に示すように、セット位置用凹部44bに係合されているストッパ用凸部73によって中シェル84が時計方向Mに回動される。そして、図38に示すように、凸部73が凹部44bから離れる前にラック部71がギア部41aに噛合し、この噛み合いによって中シェル84が引き続き回動される。
【0097】
このとき、ストッパ用凸部73の先端が開口窓30内に入り込んでいるため、その凸部73が開口窓30の縁に当接するが、その凸部73と一体の後弾性片73aが適度な大きさの弾性を有するため、この後弾性片73aの撓み変形によって凸部73が外側へ変位し、開口窓30の縁を乗り越えてガイド溝31に乗り上げる。そのため、凸部73の高さがラック部71の歯の高さより高いにも係わらず、凹部44bから離れた凸部73が開口窓30から容易に抜け出すことができ、従って、その後の中シェル84の回動を確保することができる。
【0098】
この中シェル84が時計方向Mに所定角度回転すると、図39に示すように、開口窓30内において、ラック部71がギア部41aから離れる前に初期動作用凸部72が初期動作用凹部44aに係合される。この凸部72と凹部44aとの係合によって中シェル84の回動が継続され、図40に示すように、中シェル84が最初の位置まで回動される。中シェル84が最初の位置まで戻されると、被操作部43の後滑り部43bの端面が下シェル85の停止部45cに当接されるため、以後の中シェル84の回動が阻止される。
【0099】
これに対して、ディスクカートリッジ80とラック棒70との間には相対移動が引き続き生じているため、凹部44aに係合されている凸部72の移動力によって中シェル84には回転力が付与される。この回転力の反力が凸部72に付与され、この反力を受けて前弾性片72aが撓み変形し、凸部72が外側へ移動して凹部44aとの係合が解除される。その後、ラック棒70の凸部72が開口穴34を通過することにより、ロック部材32の入力部37が開口穴34からガイド溝31内に突出される。これと同時に、ストッパ部36が内側に移動して中シェル84の被操作部43bのセット位置用凹部44bに噛み合わされる。その結果、ロック部材32によって中シェル84がロックされ、その回動が停止される。
【0100】
この際、一対のシャッタ部材18a,18bは、上述した挿入時とは逆の動作を実行し、開口部86,87を完全に閉じる。即ち、図37に示す一対のシャッタ部材18a,18bが完全に開いた状態から、中シェル84及び一対のシャッタ部材18a,18bが時計方向Mに回動し、図38、図39及び図40の状態を経て、図41の状態に変化する。この図38〜図41の状態では、中シェル84のカム部46はカム溝22内にあるため、中シェル84を軽い力で回転させることができる。
【0101】
次に、中シェル84が図39の状態から図40の状態に変化する際に、カム部46がリフトアップ部23に当接した後、このリフトアップ部23上に乗り上げるため、これ以後、中シェル84の回動には上述した摩擦力が加えられる。そして、図40の閉じ状態に至る直前において、操作凸部27b(又は27a)が開閉溝53を最外側部まで移動し、弾性片54に接触してこれを押圧する。これにより、操作凸部27b(又は27a)の押圧力によって弾性片54にバネ力が発生する。この弾性片54のバネ力によって中央の段部50には、他方のシャッタ部材18a(又は18b)に作用する圧接力が発生する。
【0102】
この圧接力は、一対のシャッタ部材18a,18bの両者に発生するため、互いの圧接力によって一対のシャッタ部材18a,18bの密閉性が更に高められる。従って、一対のシャッタ部材18a,18bの接合部における防塵性を向上させることができ、その結果、チリや埃等がディスク収納室16内に侵入するのをより効果的に防止することができる。このようにして、一対のシャッタ部材18a,18bによって開口部86,87の全体が完全に閉じられ、その閉じ状態でディスクカートリッジ80が排出される。これにより、ディスクカートリッジ80の排出動作が完了する。
【0103】
以上説明したが、本発明は上述した実施の例に限定されるものではなく、例えば、上記実施例においては、情報記録媒体として光ディスクを用いた例について説明したが、光磁気ディスク、フロッピーディスク等の磁気ディスク、その他各種のディスク状記録媒体に適用することができる。更に、上記実施例では、情報記録再生装置として記録再生兼用のディスク記録再生装置に適用した例について説明したが、記録又は再生の一方のみが可能なディスク記録装置又はディスク再生装置に適用できることは勿論である。
【0104】
また、上記実施例においては、カートリッジ筐体12の中シェル14,84及び下シェル15,85に開口部42,25及び86,87を設けた例について説明したが、例えば、上シェル13にも開口部を設け、カートリッジ筐体12の上下から同時にアクセスできる構造とすることもできる。更に、中シェルと下シェルとでディスク収納室を形成し、このディスク収納室内にディスク状記録媒体を収納すると共に上シェルに開口部を設ける構成とすることもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願の請求項1記載のディスクカートリッジによれば、ディスク収納室を有するカートリッジ筐体とディスク状記録媒体と一対のシャッタ部材とを備え、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材に開口部の開閉動作を行わせるようにしたディスクカートリッジであって、上シェル及び下シェルの少なくとも一方に設けられた操作窓に中シェルの外周面に設けた被操作部を臨ませ、この被操作部の外側にシャッタ開閉手段を通過させる構成としたため、シャッタ開閉手段を被操作部に係合させて中シェルを所定位置まで回転させることができる。そのため、一対のシャッタ部材とカートリッジ筐体間の間隔を小さくして微小なゴミや埃等がディスク収納室内に入り難くすることができ、カートリッジ筐体の防塵効果を高めることができると共に、一対のシャッタ部材による開口部の開閉状態のいかんに関係なく、記録再生装置に装着する時には開口部が確実に開放され、また、記録再生装置から排出する時には開口部が確実に閉鎖された状態で排出されるディスクカートリッジを提供することができる。
【0106】
本出願の請求項2記載のディスクカートリッジによれば、2枚の同一形状の板体を開口部を閉鎖するように配置し、その一側部を中シェルに回転自在に支持し且つ他側部を下シェル又は上シェルに摺動可能に係合して、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材を開閉動作させる構成としたため、シャッタ部材の面積を小さくしつつ広い範囲の開口部を開閉することができ、開口部の開閉効率を高めながらディスクカートリッジ全体の小型化、薄型化を図ることができると共に、一対のシャッタ部材をスムース且つ確実に開閉動作させることができるという効果が得られる。
【0107】
本出願の請求項3記載のディスクカートリッジによれば、シャッタ開閉手段がラック部と初期動作用凸部とを有し、中シェルの被操作部がギア部と初期動作用凹部とを有する構成としたため、シャッタ開閉手段を操作窓の外側に通過させると、初期動作用凸部が初期動作用凹部に係合して中シェルが一定角度回転した後、ラック部がギア部に噛合して中シェルが所定位置まで回転される。そのため、中シェルを所定位置まで確実に回転動作させることができると共に、その中シェルの回転により一対のシャッタ部材がスムースに開閉動作され、開口部を確実に開閉させることができるという効果が得られる。
【0108】
本出願の請求項4記載のディスクカートリッジによれば、シャッタ開閉手段の初期動作用凸部とラック部との間に所定の間隔を設け、被操作部に滑り部を設ける構成としたため、ラック部をギア部と同期させて中シェルを所定位置まで確実に回転動作させることができ、一対のシャッタ部材の開閉動作を確実なものとして開口部の開閉操作を確実に行うことができるという効果が得られる。
【0109】
本出願の請求項5記載のディスクカートリッジによれば、シャッタ開閉手段のラック部の後側にストッパ用凸部を設けると共に、被操作部のギア部の円周方向他側にセット位置用凹部を設け、ストッパ用凸部の高さをラック部の歯の高さよりも高くし、このストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合する構成としたため、中シェルを所定位置においてロックさせたように固定することができ、振動等によって中シェルが回転させるのを確実に防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスクカートリッジの第1の実施例を示すもので、下面側から見た状態の分解斜視図である。
【図2】図1に示すディスクカートリッジを下面側から見たもので、シャッタ機構を閉じて開口部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示すディスクカートリッジを下面側から見たもので、シャッタ機構を開いて開口部を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示すディスクカートリッジの上シェルの下面を示す平面図である。
【図5】図1に示すディスクカートリッジの中シェルの下面を示す平面図である。
【図6】図1に示すディスクカートリッジの下シェルの上面を示す平面図である。
【図7】図1に示すディスクカートリッジの中シェルに取り付けられた一対のシャッタ部材を開いて開口部を開けた状態を示す斜視図である。
【図8】図1に示すディスクカートリッジの中シェルに取り付けられた一対のシャッタ部材を閉じて開口部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図9】図1に示すディスクカートリッジの下シェルにシャッタ機構を配し、その一対のシャッタ部材を開いて開口部を開けた状態を示す斜視図である。
【図10】図1に示すディスクカートリッジの下シェルにシャッタ機構を配し、その一対のシャッタ部材を閉じて開口部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図11】同10を上方から見た平面図である。
【図12】図1に示すディスクカートリッジの中央部を縦方向に断面したもので、ターンテーブルとの関係を示す説明図である。
【図13】図1に示すディスクカートリッジの開閉時における上シェルに対する中シェルの昇降動作を説明するもので、同図Aは分解斜視図、同図Bは降下時の斜視図、同図Cは上昇時の斜視図である。
【図14】図13に示すディスクカートリッジの開閉時における中シェルの昇降状態を説明するもので、同図Aは中シェルのカム部が上シェルのリフトアップ部に乗り上げた状態を示す断面図、同図Bは中シェルのカム部が上シェルのカム溝内に入った状態を示す断面図である。
【図15】本発明のディスクカートリッジの第2の実施例を示すもので、下面側から見た状態の分解斜視図である。
【図16】図15に示すディスクカートリッジを下面側から見たもので、シャッタ機構を閉じて開口部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図17】図15に示すディスクカートリッジを下面側から見たもので、シャッタ機構を開いて開口部を開いた状態を示す斜視図である。
【図18】本発明のディスクカートリッジが使用されるディスク記録再生装置の回路構成の一実施例を示すブロック説明図である。
【図19】本発明のディスクカートリッジが使用されるディスク記録再生装置に図1又は図15に示すディスクカートリッジを挿入する前の状態を示す斜視図である。
【図20】図19に示すディスク記録再生装置のシャッタ開閉手段の一実施例を示す斜視図である。
【図21】本発明のディスクカートリッジが使用されるディスク記録再生装置に図1又は図15に示すディスクカートリッジを挿入している状態を示す斜視図である。
【図22】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が開口窓に至る前の状態を示す説明図である。
【図23】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が初期動作用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図24】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部とギア部とが噛み合う初期状態を示す説明図である。
【図25】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部とギア部とが噛み合う終期状態を示す説明図である。
【図26】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図27】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が不完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が開口窓に至る前の状態を示す説明図である。
【図28】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部がギア部に係合した状態を示す説明図である。
【図29】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部とギア部との噛み合い状態を示す説明図である。
【図30】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合する前の状態を示す説明図である。
【図31】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に閉じた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図32】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が開口窓に至る前の状態を示す説明図である。
【図33】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部がセット位置用凹部を通過する状態を示す説明図である。
【図34】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部がセット位置用凹部を通過する状態を示す説明図である。
【図35】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合する前の状態を示す説明図である。
【図36】図15に示すディスクカートリッジのシャッタ機構が完全に開いた状態におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図37】図15に示すディスクカートリッジの排出時におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ストッパ用凸部がセット位置用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図38】図15に示すディスクカートリッジの排出時におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部とギア部とが噛み合う初期状態を示す説明図である。
【図39】図15に示すディスクカートリッジの排出時におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、ラック部とギア部とが噛み合う終期状態を示す説明図である。
【図40】図15に示すディスクカートリッジの排出時におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が初期動作用凹部に係合した状態を示す説明図である。
【図41】図15に示すディスクカートリッジの排出時におけるシャッタ開閉手段の作用を示すもので、初期動作用凸部が初期動作用凹部から外れた状態を示す説明図である。
【図42】従来のディスクカートリッジを示す斜視図である。
【符号の説明】
10,80 ディスクカートリッジ、 11 光ディスク(ディスク状記録媒体)、 12 カートリッジ筐体、 13 上シェル、 14,84 中シェル、 15,85 下シェル、 16 ディスク収納室、 18 シャッタ機構、18a,18b シャッタ部材、 25,42,86,87 開口部、 27a,27b 操作凸部、 30 開口窓、 31 ガイド溝、 32 ロック部材、 36 ストッパ部、 37 入力部、 41a ギア部、 43 被操作部、 44a,44b 凹部、 60 ディスク記録再生装置、 68 ディスク回転駆動装置、 69 光学ピックアップ装置、 70 ラック棒(シャッタ開閉手段)、 71 ラック部、 72,73 凸部、 72a,73a 弾性片
Claims (5)
- 上シェル、中シェル及び下シェルを重ね合わせることによって上シェル及び中シェル内又は中シェル及び下シェル内にディスク収納室が形成されると共に上記中シェルが上記上シェル及び上記下シェルによって回転自在に支持されたカートリッジ筐体と、
上記ディスク収納室内に回転自在に収納されると共に上記中シェル及び上記下シェル又は上記上シェルに設けられた開口部から一部が露出されるディスク状記録媒体と、
上記開口部を開閉可能として上記中シェルに取り付けられた一対のシャッタ部材と、を備え、
上記中シェルと上記下シェル又は上記上シェルとの相対回転によって上記一対のシャッタ部材に上記開口部の開閉動作を行わせるようにしたディスクカートリッジであって、
上記上シェル及び上記下シェルの少なくとも一方には上記中シェルを回転させるための操作窓を設けると共に、当該操作窓の外側を通過するシャッタ開閉手段により係合されて当該中シェルを所定位置まで回転動作させる被操作部を当該中シェルの外周面に設け、
上記シャッタ開閉手段を有するディスク記録及び/又は再生装置への着脱時に、上記シャッタ開閉手段によって上記開口部を開閉動作させるようにした
ことを特徴とするディスクカートリッジ。 - 上記一対のシャッタ部材は2枚の同一形状の板体の組み合わせからなり、
この一対のシャッタ部材が上記開口部を閉鎖するように上記中シェルの一面側に対称に配置され、それぞれのシャッタ部材の一側部を上記中シェルに回転自在に支持すると共に他側部を上記下シェル又は上記上シェルに摺動可能に係合し、中シェルと下シェル又は上シェルとの相対回転によって一対のシャッタ部材に上記開口部の開閉動作を行わせるようにした
ことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。 - 上記シャッタ開閉手段は、上記操作窓の外側を往復移動されるラック部と、このラック部の前側に配置された初期動作用凸部とを有し、
上記被操作部は、上記ラック部に着脱可能に噛合されるギア部と、このギア部の円周方向一側に配置され且つ上記初期動作用凸部が着脱可能に係合される初期動作用凹部とを有し、
上記初期動作用凸部を上記初期動作用凹部に係合させて上記中シェルを一定角度回転させた後、上記ラック部を上記ギア部に噛合させることにより上記中シェルを所定位置まで回転させるようにした
ことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。 - 上記シャッタ開閉手段の上記初期動作用凸部と上記ラック部との間に所定の間隔を設けると共に、上記被操作部に、上記初期動作用凸部が上記初期動作用凹部に係合するまでの間当該初期動作用凸部に滑りを生じさせる滑り部を設けた
ことを特徴とする請求項3記載のディスクカートリッジ。 - 上記シャッタ開閉手段に、上記ラック部の後側に配置されたストッパ用凸部を設けると共に、上記被操作部に、上記ギア部の円周方向他側に配置され且つ上記ストッパ用凸部が着脱可能に係合されるセット位置用凹部を設け、
上記ラック部の歯の高さよりも上記ストッパ用凸部の高さを大きく形成し、上記ストッパ用凸部を上記セット位置用凹部に係合することにより上記中シェルの回動を防止するようにした
ことを特徴とする請求項4記載のディスクカートリッジ。
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