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JP4082109B2 - 内燃機関の組立式カムシャフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、カムが設けられるシャフトチューブに、カムシャフトの駆動力が入力されるエンドピースを結合して構成される内燃機関の組立式カムシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
組立式カムシャフトとして、特開平05−171905号公報に記載のような、エンジン組立時にカムシャフトを固定したり、あるいはエンジン整備時にカムシャフト回転位置を調整したりするなど、カムシャフト回転位置を定めるための工具係合部を、シャフトチューブ上に備えるものが知られている。同公報に記載の組立式カムシャフトでは、外周面が六角状の工具係合体がシャフトチューブとは別体に設けられ、この工具係合体をシャフトチューブに嵌め合わせることで、カムシャフトの工具係合部が形成される。そして、工具係合体付きのシャフトチューブにエンドピースが結合され、このエンドピースにスプロケットやプーリが取り付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の組立式カムシャフトには、次のような問題がある。すなわち、このカムシャフトでは、第1に、工具係合部をシャフトチューブ上で、シャフトチューブとは別体の工具係合体により形成することとしているので、カムシャフト部品点数が多くなってしまう。第2に、工具係合部をシャフトチューブ外周に固定される工具係合体により形成することとしているので、工具係合体が大型となり、使用される工具も大型となり、この大型の工具を使用するための比較的に大きなスペースをエンジンの内部に確保することが必要となる。そして、第3に、このカムシャフトでは、エンドピースにスプロケット等を取り付けるためのボルトを締め付ける際に生じるトルクが、シャフトチューブとエンドピースとの結合部にかかることとなり、これらの部材の結合強度を高く設定しなければならない。
【0004】
そこで、本発明は、カムシャフトに工具係合部を設けるに当たっての、このような問題を解決しうる内燃機関の組立式カムシャフトを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、内燃機関の組立式カムシャフトを、カムが設けられる中空円筒状のシャフトチューブと、このシャフトチューブに結合され、カムシャフトの駆動力が入力されるエンドピースとを含んで構成し、前記エンドピースにおいて、カムシャフト回転位置を定めるための工具係合部を、シャフトチューブ結合部から軸方向にずらした部位に設けるとともに、このカムシャフトをシリンダヘッド上に支持するためのジャーナル部を、シャフトチューブ結合部と前記工具係合部との間に設け、前記工具係合部が、カムシャフトに設けられる駆動力伝達要素の収納部内に配置されるようにした。
【0006】
請求項に記載の発明では、前記エンドピースにおいて、シャフトチューブ結合部と前記ジャーナル部との間にカムシャフトの軸方向位置決め部を設けることとした。
【0007】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、組立式カムシャフトにおいて、工具係合部をエンドピースの一部として設けることとしたので、カムシャフト部品点数を削減することができる。また、工具係合部をシャフトチューブ結合部から軸方向にずらした部位に設けることとしたので、スプロケット等を取り付けるためのボルトを締め付ける際に、このシャフトチューブ結合部にトルクがかかることがなく、シャフトチューブとエンドピースとの結合強度を低く設定することが許容される。
【0008】
また、請求項に係る発明によれば、比較的に小型の工具を使用することを可能とするとともに、エンドピースにおいて、カムシャフトをシリンダヘッド上に支持するためのジャーナル部を、シャフトチューブ結合部と工具係合部との間に設け、比較的に広い空間が確保されたスプロケット等、駆動力伝達要素の収納部内に配置されるようにしたので、工具の操作が容易となる。
請求項に係る発明によれば、エンドピースにおいて、シャフトチューブ結合部とジャーナル部との間にカムシャフトの軸方向位置決め部を設けることとしたので、このジャーナル部に供給されたオイルをオイルパンに効率よく還元させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関としての自動車用エンジン(以下「エンジン」という。)1の上面図であり、ロッカーカバー未装着の状態を示している。このエンジン1は、本実施形態に係る組立式カムシャフト(以下「カムシャフト」という。)2を備えている。
【0010】
エンジン1において、シリンダヘッド3は、図示しないシリンダブロック上に固定されており、その上端面に形成されたロッカーカバー合わせ面301に、ガスケットを介してロッカーカバーが取り付けられる。カムシャフト2は、ジャーナル部(図1では、第1ジャーナル部201のみを示す。)がこのシリンダヘッド3に形成された半円状の軸支持面上に載置されるとともに、カムブラケット(図示せず)がエンジン上方からシリンダヘッド3に取り付けられて、各ジャーナル部を押さえることで、エンジン1における上下及び左右方向の移動が規制される。
【0011】
ここで、カムシャフト2の全体図である図2を参照して、カムシャフト2の構成について説明する。同図は、カムシャフト2を、スプロケット4を取り外した状態で示している。
カムシャフト2は、カムを備えるカムシャフト本体21と、このカムシャフト本体21とスプロケット4との間に介装されるエンドピース22とを含んで構成される。
【0012】
カムシャフト本体21において、カムは、中空円筒状のシャフトチューブ211にカムロブピース212a〜212hを固定することで設けられる。これらカムロブピース212a〜212hは、シャフトチューブ211の所定の位置に、位相を合わせて配置し、シャフトチューブ211を内部より放射状に拡大させることで固定する(この固定方法を「拡管固定」という。)。なお、カムロブピース212a〜212hは、シャフトチューブ211の所定の位置に圧入することで固定してもよい。
【0013】
エンドピース22は、全体として概ね円筒状であり、一端において、シャフトチューブ211の内径よりも若干大きな外径を有するシャフトチューブ結合部221が形成され、このシャフトチューブ結合部221に隣接して、円盤型のカラー部222が形成されている。また、このエンドピース22は、シャフトチューブ結合部221の反対側がスプロケット取付部223とされており、このスプロケット取付部223に隣接して、工具係合部としての六角部224が形成されている。この六角部224は、鍛造によるエンドピース22の作製時に同時に形成することができる。そして、カラー部222と六角部224との間には、カムシャフト2のエンジン前面側の第1ジャーナルを構成するジャーナル部201が形成されている。
【0014】
図2において、シャフトチューブ211及びカムロブピース212a〜212hを含んで構成されるカムシャフト本体21と、エンドピース22とは、エンドピース22のシャフトチューブ結合部221を、シャフトチューブ211に対して同軸に圧入することで結合されている。ここに、カムシャフト本体21とエンドピース22とのサブアッセンブリが完成される。このサブアッセンブリは、シリンダヘッド3の軸支持面(図1では、エンドピース22のジャーナル部201に対する軸支持面302のみを示す。)上に載置され、カムブラケットにより固定される。なお、シャフトチューブ211とエンドピース22との結合は、圧入に代え、溶接によることも可能である。
【0015】
図1において、シリンダヘッド3には、エンドピース22のジャーナル部201を受ける軸支持面302に隣接して、カラー部222を受ける溝が形成されている。カラー部222は、この溝に挿入されて、カムシャフト2の軸方向の移動を規制する。従って、エンドピース22のカラー部222は、カムシャフト2の軸方向位置決め部を構成する。
【0016】
エンドピース22のスプロケット取付部223にスプロケット4がボルトにより締結され、カムシャフト2にスプロケット4が取り付けられる。このスプロケット4には、クランクスプロケットとの間にタイミングチェーン6が掛け渡される。エンジン1の駆動力は、このチェーン6を介してスプロケット4、エンドピース22及びカムシャフト本体21に伝達される。
【0017】
本実施形態に係るカムシャフト2によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、カムシャフト2では、エンドピース22に工具係合部としての六角部224が一体に形成されている。このため、六角部224を設けるための部材を別に用意する必要がないので、コストを削減することができるとともに、エンジン1の軽量化を図ることができる。
【0018】
第2に、六角部224をエンドピース22に形成することで、この六角部224の工具係合面の幅w(図3)を小さくすることが可能となり、これに伴って工具もより小さなものが使用されることとなる。このため、工具を動かすために必要なスペースが小さくて済むので、エンジン1の小型化を図ることができる。特に、本実施形態では、六角部224がジャーナル部201よりもエンジン前面側に設けられ、スプロケット収納部内に配置されている。このため、工具を操作する際に邪魔になるものがなく、操作が容易に行えるという効果を得ることもできる。
【0019】
第3に、六角部224がエンドピース22において、シャフトチューブ結合部221よりもスプロケット取付部223側にずらして設けられている。このため、スプロケット取付時に、ボルト5を締め付ける際のトルクがシャフトチューブ211とエンドピース22との結合部にかかることがないので、これらの部材211,22の結合強度を低く設定することが可能となる。
【0020】
ところで、カムシャフト2のジャーナル部201の潤滑は、シャフトチューブ211及びエンドピース22に形成されたオイル孔を介して行われる。図1のように、エンドピース22には、その中心軸上を貫通して、シャフトチューブ211の内部と連通する孔225が設けられている。エンドピース22のオイル孔226は、この貫通孔225の壁面と、ジャーナル部201の表面との間を貫通させて設けられている。なお、貫通孔225の一側には、スプロケット取付用ボルト5と噛み合う螺子部が形成されている。
【0021】
図3は、図2のa−a断面図、すなわち、エンドピース22の六角部224における断面図である。
図示しないオイルパンに貯蔵されているオイルは、エンジン1により駆動されるオイルポンプにより、シャフトチューブ211及びエンドピース22の内部を介してジャーナル部201に供給される。このオイルは、ジャーナル部201及びカラー部222を潤滑する一方、余剰分がスプロケット収納部内に排出される。そして、排出された余剰オイルは、スプロケット収納部を滴下し、オイルパンに還元される。
【0022】
以上では、カムシャフト2にエンジン1の駆動力を伝達する要素としてスプロケット4(及びタイミングチェーン6)を使用する場合を例に説明したが、この要素としてプーリや、カムギヤを使用するエンジンにおいても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関としての自動車用エンジンの上面図
【図2】同上エンジンに設置される組立式カムシャフトの全体図
【図3】図2のa−a断面図
【符号の説明】
1…内燃機関としての自動車用エンジン、2…組立式カムシャフトとしてのカムシャフト、21…カムシャフト本体、201…ジャーナル部、211…シャフトチューブ、212a〜212h…カムロブピース、22…エンドピース、221…エンドピースのシャフトチューブ結合部、222…軸方向位置決め部としてのカラー部、223…スプロケット取付部、224…工具係合部としての六角部、3…シリンダヘッド、4…スプロケット、5…ボルト、6…タイミングチェーン。

Claims (2)

  1. カムが設けられる中空円筒状のシャフトチューブと、このシャフトチューブに結合され、カムシャフトの駆動力が入力されるエンドピースと、を含んで構成され、
    前記エンドピースが、カムシャフト回転位置を定めるための工具係合部を、シャフトチューブ結合部から軸方向にずらした部位に備えるとともに、このカムシャフトをシリンダヘッド上に支持するためのジャーナル部を、シャフトチューブ結合部と前記工具係合部との間に備え、
    前記工具係合部が、カムシャフトに設けられる駆動力伝達要素の収納部内に配置される内燃機関の組立式カムシャフト。
  2. 前記エンドピースが、シャフトチューブ結合部と前記ジャーナル部との間にカムシャフトの軸方向位置決め部を備える請求項に記載の内燃機関の組立式カムシャフト。
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