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JP4076789B2 - カリックスレゾルシンアレーン誘導体および感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

カリックスレゾルシンアレーン誘導体および感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なカリックスレゾルシンアレーン誘導体および感放射線性樹脂組成物に関し、特にKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストを形成するための酸解離性基含有樹脂およびこの樹脂を用いた感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2エキシマレーザー(波長157nm)に代表される短波長の放射線を用いたリソグラフィ技術が多用されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂と、放射線の照射により酸を発生する成分とによる化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」という。)が既に提案されている。
近年、その限界をこえる微細加工技術として電子線(EB)リソグラフィが期待されている。EBリソグラフィによって半導体デバイスを直接製作する場合、用いられるEBレジストは特にドライエッチング耐性が求められる。この要望に対して化学的に安定な芳香族系化合物が用いられている。しかし、これまでのレジストは高分子量かつ分子量分布の広い高分子材料が用いられていることから、更なる解像度の向上が困難とされてきた。したがって、剛直な構造を有する高分子に匹敵する耐熱性、かつ分子サイズの小さいレジスト材料の開発が望まれている。
化学的に安定な芳香族系化合物のレジスト材料の一つとして、従来、カリックスレゾルシンアレーン誘導体を用いた酸解離性基含有樹脂が知られている(特開平11−322656)。カリックスレゾルシンアレーンは、レゾルシンとパラホルムアルデヒドとの縮合により生成する環状オリゴマーである。カリックスレゾルシンアレーンおよびその誘導体は、円錐台形の周側面に沿ってベンゼン環が配されたような特有の構造から、クラウンエーテルやシクロデキストリンと同様に包接機能を有することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジストとして使用する場合、フィルム形成能が必要となるため、カリックスレゾルシンアレーン誘導体の樹脂溶液が必要となるが、カリックスレゾルシンアレーン誘導体は、フィルム作製時のキャスト溶媒に対する溶解性が低いという問題がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、フィルムの作製時のキャスト溶媒に対する溶解性に優れ、かつレジストに要求される基本性能を満たすカリックスレゾルシンアレーン誘導体およびこの誘導体を用いた感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
【化3】
Figure 0004076789
(式中、R1は下記式(2)で示される基を表し、nは4〜12の整数、mは0〜2の整数を表す。)
【化4】
Figure 0004076789
(式中、R2は水素原子または炭素数1〜5のアルコキシル基を表し、pは0〜2の整数を表す。)
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂と感放射線性酸発生剤とを含有してなり、酸解離性基含有樹脂が上記カリックスレゾルシンアレーン誘導体であることを特徴とする。
本発明においては、特にフィルム形成能のあるカリックスレゾルシンアレーン誘導体が好ましい。
【0005】
カリックスレゾルシンアレーンは近接したレゾルシノール部位の水酸基との間に分子内水素結合が生じることにより、主に環状の4量体が生成する。このため、カリックスレゾルシンアレーンから得られる式(1)で示されるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を酸解離性基含有樹脂とすることにより、比較的低分子量で、かつ酸解離性基を多く含む樹脂が得られるので、パターニングにおける解像度が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記式(1)におけるR1、式(2)で示される基を表し、式(2)におけるR2は水素原子または炭素数1〜5のアルコキシル基を表す。好適なアルコキシル基としてはメトキシル基またはエトキシル基である。pは0〜2の整数であリ、好ましくは0または1である。
式(1)におけるnは4〜12の整数であり、特に4〜8の整数であることが好ましい。さらに好ましいnは耐熱性に優れ、分子サイズを小さくできる4である。
【0007】
本発明に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の具体例を図に示す。
に示すカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、R1が式(2)で表される化合物であり、R2が水素原子、nが4、pが1である場合に相当する。
【0008】
カリックスレゾルシンアレーン誘導体は、ホルムアルデヒド以上の炭素数を有するアルデヒド類とレゾルシンとの付加縮合により生成する環状化合物の水酸基にtert−ブチルブロモアセテートなどを反応させることにより得られる。
得られたカリックスレゾルシンアレーン誘導体は酸解離性基含有樹脂として利用できる。
カリックスレゾルシンアレーン誘導体は酸触媒によりtert−ブトキシカルボニル基が脱離して水酸基を生成し、これにより所定の溶媒への溶解性が大きく変化する。このため、この化合物と感放射線性酸発生剤等を含有させることにより、感放射線性樹脂組成物が得られる。
【0009】
感放射線性酸発生剤としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線による露光により酸を発生する成分であれば使用でき、母核と発生する酸とからなる。
母核としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物、オキシムスルホネート化合物、ヒドラジンスルホネート化合物等が挙げられる。
また、発生する酸としては、アルキルあるいはフッ化アルキルスルホン酸、アルキルあるいはフッ化アルキルカルボン酸、アルキルあるいはフッ化アルキルスルホニルイミド酸等が挙げられる。
感放射線性樹脂組成物には、(1)露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤、(2)ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す、酸解離性有機基を含有する/しない脂環族添加剤、(3)塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤、(4)感度等を改良する作用を示す増感剤、(5)ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等の添加剤を更に配合することができる。
【0010】
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、例えばKrF、ArF、電子線およびX線などに感応するポジ型の化学増幅型レジスト材料として有用である。カリックスレゾルシンアレーン誘導体はある程度大きな分子量を有することから製膜性を備えるので、この誘導体単独で化学増幅型レジスト材料の基体として利用できる。あるいは、他の製膜性を有する樹脂と併用して化学増幅型レジスト材料の基体としてもよい。カリックスレゾルシンアレーン誘導体は直鎖状の樹脂などに比べて分子サイズが小さいため、この化合物を含むレジスト材料は高解像度なパターンを形成可能であり、また形成されたパターンにおいていわゆるエッジラフネスが少なくなる。また、R1を有することにより、溶媒に対する溶解性が向上する。さらに、このレジスト材料はポジ型であるため、膨潤による悪影響が抑えられるという利点もある。
【0011】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
実施例および参考例における各測定・評価は、下記の装置・方法で行なった。
赤外分光測定装置(IR):日本分光株式会社 FT/IR−420
核磁気共鳴測定装置(1H NMR):日本電子株式会 JNM−FX200、500型(200、500MHz)
融点測定器:柳本製作所株式会社 Yanako MP−50OD
質量分析装置(MALDI−TOF−MS):島津製作所 SHIMAZU/KRATOS マトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置 KOMPACTMALDIIVtDE
元素分析装置:パーキン・エルマー社製 PE2400SeriesII CHNS/OAnalyzer
熱重量減少測定装置(TG/DTA):セイコーインスツルメンツ株式会社 SeikoInstruments EXTAR 6000TG−DTA6200(測定条件:窒素気流下、昇温速度 10℃/min、開放型アルミニウムパン)
超高圧水銀灯:USHIO UIS−25102
照度計:USHIO UIT−150 紫外線積算光量計
【0012】
以下、酸解離性基含有樹脂を得るためのカリックスレゾルシンアレーンの合成例を参考例1および参考例2に示す。なお、以下において、カリックスレゾルシンアレーンのn量体を「カリックスレゾルシンアレーン[n]」と表記する。
【0013】
参考例
C−4−ヒドロキシフェニルカリックスレゾルシンアレーン[4](以下、CRA(f)と略称する。)を以下の方法で合成した。
触媒として塩酸7ミリリットルを用い、レゾルシノール5.50g(0.05モル)とp−ヒドロキシベンズアルデヒド6.11g(0.05モル)との反応をエタノール20ミリリットル中80℃で行なった。レゾルシノールおよび塩酸溶液を撹拌しながら5℃まで氷冷し、p−ヒドロキシベンズアルデヒドをゆっくりと滴下し、その後、30分間、80℃で加熱した反応終了後、室温まで冷却し析出した結晶をろ別し、蒸留水、メタノール、アセトンの順で十分に洗浄を行なった。これを24時間60℃で減圧乾燥した。その結果、粉末状で淡赤色固体6.71g(収率61%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトルおよび質量分析により行なった。結果を表に示す。
【表1】
Figure 0004076789
【0014】
参考例
C−3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル−カリックスレゾルシンアレーン[4](以下、CRA(g)と略称する。)を以下の方法で合成した。
参考例1と同様の操作により、触媒として塩酸7ミリリットルを用い、レゾルシノール5.50g(0.05モル)とエチルバニリン12.26g(0.05モル)との反応をエタノール20ミリリットル中80℃で行なった。反応終了後、室温まで冷却し析出した結晶をろ別し、蒸留水、メタノール、アセトンの順で十分に洗浄を行なった。これを 24時間60℃で減圧乾燥した。その結果、粉末状淡赤色固体11.2g(収率87%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトルおよび質量分析により行なった。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004076789
【0015】
実施例
2,8,14,20−テトラ(4−(tert−ブトキシカルボニル)メトキシフェニル)−4,6,10,12,16,18,22,24−オクタキス((tert−ブトキシカルボニル)メトキシ)カリックスレゾルシンアレーン[4]を以下の方法で得た。
50ミリリットルナスフラスコにCRA(f)1.29g(5ミリモル)とtert−ブチルブロモアセテート(以下、BBAcと略称する。) 4.40g(22.5ミリモル)との反応を相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド(以下、TBABと略称する。) 0.24g(0.075ミリモル)、塩基として炭酸セシウム 2.45g(7.5ミリモル)をそれぞれ用いて、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する。) 10ミリリットル中80℃で48時間行なった。反応後、反応溶液をn−へキサンで希釈し、蒸留水で6回洗浄後、有機相を無水炭酸ソーダで乾燥した。乾燥剤をろ過後、n−ヘキサンを減圧留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)により単離精製を行なった。その結果、黄色固体1.00g(収率35%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトルおよび質量分析により行なった。結果を表3および図2に示す。
【0016】
【表3】
Figure 0004076789
IRスペクトルでは、カリックスレゾルシンアレーンのフェノール性水酸基が完全に消失し、代わってtert−ブチルエステル部位のカルボニル基に基づく吸収が1752cm-1に認められた。質量分析では分子量のピークが計算値より686g/mol低い値を示した。この値は12個のフェノール性水酸基に置換したtert−ブチルエステル基が脱保護され、tert−ブチル基がすべて脱離した分子量と一致した。また、1H NMRの結果から、tert−ブチル基に基因するピークが確認され、さらに、積分値が計算値と一致した。さらに、質量分析において実測値と計算値が一致した。これらの結果から、得られた生成物はすべてのフェノール性水酸基にtert−ブチルエステル残基が導入されたカリックスレゾルシンアレーンであることが明らかになった。
【0017】
実施例
2,8,14,20−テトラ(3−エトキシ−4−(tert−ブトキシカルボニル)メトキシ−フェニル)−4,6,10,12,16,18,22,24−オクタキス((tert−ブトキシカルボニル)メトキシ)カリックスレゾルシンアレーン[4]を以下の方法で得た。
実施例1と同様の操作により、CRA(g)を1.03g(5ミリモル/Unit[水酸基当量10ミリモル)、炭酸セシウム 3.67g(11.3ミリモル)、およびTBAB 0.24g(0.075ミリモル)を秤取り、回転子を入れた後NMPを10ミリリットル加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。次にこの溶液にBBAc 4.40g(22.5ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、80℃で48時間撹拌した。反応後、反応溶液をn−へキサンで希釈し、蒸留水で6回洗浄後、有機相を無水炭酸ソーダで乾燥した。乾燥剤をろ過後、n−ヘキサンを減圧留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)により単離精製を行なった。その結果、黄色固体1.24g(収率41%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトル、質量分析および元素分析により行なった。結果を表に示す。
【表4】
Figure 0004076789
実施例1と同様に、IRスペクトル、質量分析、1H NMRスペクトル、元素分析の結果から、得られた生成物は目的とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体であることが明らかになった。
【0018】
実施例
2,8,14,20−テトラ(4−(tert−ブトキシカルボニル)オキシ−フェニル)−4,6,10,12,16,18,22,24,−オクタキス((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)カリックスレゾルシンアレーン[4]を以下の方法で得た。
25ミリリットルナスフラスコに、CRA(f)を 1.29g(5ミリモル)秤取り、回転子を入れた後、塩基にトリエチルアミン(TEA) 1.50g(15ミリモル)、溶媒としてピリジン 6ミリリットルをそれぞれ加え、室温で均一になるまで撹拌した。その後、ジ−tert−ブチルジカーボネート(DiBoc) 1.98g(9ミリモル)滴下後、室温で24時間撹拌した。反応後、反応液を酢酸エチルで希釈し、蒸留水で6回洗浄を行ない、酢酸エチル層を無水炭酸ソーダで乾燥した。乾燥剤をろ過後、クロロホルムを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)により単離精製した。その結果、淡黄色固体0.771g(収率30%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトル、質量分析および元素分析により行なった。結果を表に示す。
【表5】
Figure 0004076789
実施例1と同様に、IRスペクトル、質量分析、1H NMRスペクトル、元素分析の結果から、得られた生成物は目的とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体であることが明らかになった。
【0019】
実施例
2,8,14,20−テトラ(3−エトキシ−4−(tert−ブトキシカルボニル)オキシ−フェニル)−4,6,10,12,16,18,22,24,−オクタキス((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)カリックスレゾルシンアレーン[4]を以下の方法で得た。
実施例と同様の操作により、CRA(g)を 1.03g(5ミリモル))とDiBoc) 1.98g(9ミリモル)との反応を相間移動触媒としてTBAB 0.24g(0.075ミリモル)、塩基としてトリエチルアミン(TEA) 1.50g(15ミリモル)をそれぞれ用いて、ピリジン6ミリリットル中室温で24時間行なった。反応後、反応液をクロロホルムで希釈し、蒸留水で6回洗浄を行ない、クロロホルム層を無水炭酸ソーダで乾燥した。乾燥剤をろ過後、クロロホルムを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)により単離精製した。その結果、淡黄色固体0.740g(収率28%)が得られた。構造確認はIR、1H NMRスペクトル、質量分析および元素分析により行なった。結果を表に示す。
【表6】
Figure 0004076789
実施例1と同様に、IRスペクトル、質量分析、1H NMRスペクトル、元素分析の結果から、得られた生成物は目的とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体であることが明らかになった。
【0020】
実施例
ブレンステッド酸発生型の光酸発生剤であるビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィド−ビス(へキサフルオロフォスフェート)(DPSP)を、実施例1〜実施例4で得られたカリックスレゾルシンアレーン誘導体のtert−ブチルエステル残基に対して5モル%添加し、クロロホルムに溶解させ、均一になるまで撹拌して感放射線性樹脂組成物を得た。
【0021】
実施例1〜実施例4で得られた酸解離性基含有樹脂であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体の熱的性質をTG測定により、感放射線性樹脂組成物の光解重合性を超高圧水銀灯の光照射により測定した。また、各種溶媒に対する溶解性およびフィルム形成能を調べた。
(1)熱的性質
実施例1〜実施例4で得られたカリックスレゾルシンアレーン誘導体のTGを、熱重量減少測定装置を用いて、開放型アルミニウムパンに試料約5mgを入れ、窒素気流下、昇温速度10℃/minで測定した。結果を図に示す。各試料はいずれも約230℃付近から熱分解が開始した。各実施例とも、いずれもtert−ブチルエステル残基の熱分解に起因する熱分解が見られた。この重量減少率は種々の誘導体と脱保護によって生成するカルボキシル基を有する誘導体との分子量の差によって算出した計算値とよく一致した。
(2)光解重合性
実施例で得られた感放射線性樹脂組成物をKBr板に塗布し、フィルムを作製した。その後、光源として250W超高圧水銀灯(15.0mW/cm2at365nm)を用い、5分間光照射を行なった。加熱温度は130〜170℃で行なった。解重合反応の転化率は、FT−IR測定装置を用い、1370cm-1のtert−ブチルの吸収が減少し、それに伴い水酸基の吸収の増加が認められたことから、tert−ブチルエステル残基の脱保護反応が進行したことが確認された。さらに、いずれも、5分から30分にかけて脱保護反応が急激に進行し、反応速度も加熱温度の上昇に伴って高くなる傾向を示し、170℃の加熱で転化率が95%以上に達した。
(3)溶解性
実施例1〜実施例4で得られたカリックスレゾルシンアレーン誘導体3mgに対し、種々の溶媒1ミリリットル加え、溶解性試験を行なった。その結果、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、THF、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、NMP、ジメトルスルホオキサイド、2−ヘプタノン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンに対してカリックスレゾルシンアレーン誘導体は室温で溶解した。またフィルム形成能を有していた。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、式(1)で得られるので、光解重合が連鎖的に起こりやすくなる。また、フィルム作製時のキャスト溶媒に対する溶解性に優れる。その結果、今後ますます微細化が進行すると予想される集積回路素子の製造に極めて好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カリックスレゾルシンアレーン誘導体の具体例である。
【図2】 実施例1のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の1H NMR、質量分析結果である。
【図3】 カリックスレゾルシンアレーン誘導体のTGである。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で示されるカリックスレゾルシンアレーン誘導体。
    Figure 0004076789
    (式中、R1は下記式(2)で示される基を表し、nは4〜12の整数、mは0〜2の整数を表す。)
    Figure 0004076789
    (式中、R2は水素原子または炭素数1〜5のアルコキシル基を表し、pは0〜2の整数を表す。)
  2. 酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、
    前記酸解離性基含有樹脂が請求項1記載のカリックスレゾルシンアレーン誘導体であることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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