以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明による衛星放送受信用のアンテナ装置(以下、アンテナとも言う)の実施の形態1を示す模式図である。図2は、図1に示したLNB(Low Noise Block Down Converter)を示す側面模式図である。図3は、図2に示したLNBがアームに対して回転可能であることを説明するための模式図である。図4は、図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。図5は、図4に示した領域Vの拡大模式図である。図6は、図4に示したアームのアーム側固定部を示す模式図である。図7は、図4に示したLNB側フランジ部を示す模式図である。図8は、図6に示したアーム側固定部の内周面に設置された板金を示す模式図である。図9は、図8に示した板金の平面模式図である。なお、図9は、図8における矢印24に示した方向から板金を見た場合の平面模式図を示している。図1〜図9を参照して、本発明によるアンテナ装置およびそのアンテナ装置におけるLNBのクリック機構について説明する。
図1に示すように、本発明によるアンテナ装置1は、衛星放送の電波を反射するための反射用パラボラ部2と、この反射用パラボラ部2の下部に接続されたアーム3と、アーム3の先端部に設置されたLNB4と、反射用パラボラ部2の背面側に形成された固定部7と、この固定部7に接続された棒状の支持部6と、この支持部6の下端に接続され、アンテナ装置1全体を支えるベース部5とからなる。LNB4は、アーム3に対して矢印8に示す方向に回転可能に接続されている。
以下、LNB4とアーム3との接続部の構造をより詳しく説明する。図2からわかるように、アーム3の先端部には、リング状のアーム側固定部10が形成されている。アーム側固定部10の中央部には平面形状が円形状の開口部11が形成されている。この開口部11を貫通するように、LNBの貫通部13が配置されている。
上述したリング状のアーム側固定部10は、平面形状がリング状の外周部47と、この外周部47の内周面から内周側に突出して形成された凸部9とを有する。そして、LNB4の貫通部13においては、アーム側固定部10の凸部9を挟むように2つのLNB側フランジ部12が形成されている。LNB側フランジ部12は金属により構成されている。このように、LNB側フランジ部12がアーム側固定部10の凸部9を挟むような状態で形成されているため、LNB4をアーム3のアーム側固定部10に安定して固定することができる。
また、LNB4は、既に述べたように図3に示した中心軸14を中心としてアーム3に対して回転可能となっている。また、以下説明する位置決め機構としてのクリック機構によって、アーム3に対するLNB4の回転角度は離散的に規定される。
以下、上述したクリック機構について説明する。図4〜図7に示すように、LNB側フランジ部12の外周側面には、LNB4(図3参照)の回転方向において、互いに間隔を隔てて複数の溝部17が形成されている。隣接する溝部17の間の距離はほぼ等しくなっている。そして、この溝部17が形成された領域に対向するアーム側固定部10の内周面には、凸部16が形成された板金15が設置されている。凸部16は、板金15を折り曲げることにより形成されている。板金15における凸部16の上端部はLNB側フランジ部12の外周側面に接触する。具体的には、板金15の凸部16の先端部は、LNB側フランジ部12の側面に形成された溝部17に嵌合する。
そして、LNB4(図3参照)を図3の矢印8に示した方向に回転させた場合には、図5に示した板金15が弾性変形することにより、隣接する溝部17の間のLNB側フランジ部12の外周側面と凸部16とが接触した状態となる。そしてLNB4の回転がさらに進むことにより、凸部16が他の溝部17に嵌合する。この結果、アーム3に対するLNB4の回転角度を、図7に示したように中心軸14から見た溝部17の間の角度α単位で離散的に規定することができる。なお、角度αの値として、たとえば4°といったの値を用いることができる。
なお、板金15は、図8および図9に示すように、アーム側固定部10の外周部47の内周面において、その両端部を固定用ボルト20によって外周部47に接続固定されている。具体的には、板金15の両端部には固定用の穴19が形成されている。そして、この固定用の穴19を貫通するように固定用ボルト20が配置され、この固定用ボルト20の先端部が図示していない外周部47の内周面に形成された他の固定用穴に挿入され、固定されている。
このようにすれば、LNB側フランジ部12は金属により構成されており、また、クリック機構を構成するアーム側固定部10の外周部47に設置された板金15も金属によって構成されているので、LNB4を回転させることによって、このクリック機構を構成する部材(板金15やLNB側フランジ部12)が樹脂などによって構成されている場合よりも、このクリック機構を構成する部材の磨耗を低減することができる。この結果、LNB4の回転を繰返すことによって、LNB4の回転角度を離散的に決定することが困難になるといった問題の発生確率を低減できる。以下、比較例としてのアンテナ装置でのクリック機構と本願発明によるクリック機構とを対比しながら、本発明によるアンテナ装置のクリック機構の効果をより具体的に説明する。
図30は、比較例としてのアンテナ装置におけるLNB4とアーム3とを示す模式図である。図31は、図30の領域XXXIにおける部分拡大模式図である。なお、比較例としてのアンテナ装置の他の部分の構造は、基本的に図1に示したアンテナ装置1と同様である。比較例としてのアンテナ装置においては、LNB4の回転角度を離散的に決定するため、金属製のLNB側フランジ部12に形成された凸部70と、樹脂製のアーム側固定部10の外周部47に形成された溝部17とからなるクリック機構を採用している。つまり、LNB4を矢印8に示した方向に回転させた場合に、凸部70が溝部17に嵌合した状態が、溝部17の間に位置する外周部47の側面(凸部72)に凸部70が接触した状態よりも安定するため、LNBの回転角度を離散的に決定することができる。
しかし、このようにLNB側フランジ部12に形成された金属製の凸部70と、樹脂製の外周部47に形成された溝部17とが嵌合するような構造である場合、矢印8に示すようにLNB4を回転させる動作を繰返すうち、外周部47の溝部17が形成された部分の表面が磨耗していくことになる。この結果、溝部17の間に位置する凸部72の高さが磨耗により低くなる。このため、凸部70が溝部17において安定的に配置された状態が、LNB4を回転させる使用者に対して感じにくくなる。この結果、LNB4の回転角度を離散的に決定することが難しくなるという問題があった。
一方、本発明によるアンテナ装置1(図1参照)においては、クリック機構を構成する部材、すなわちアーム側固定部10の外周部47に設置された板金15と金属製のLNB側フランジ部12に形成された溝部17とが共に金属によって構成されるので、図30および図31に示した比較例としてのアンテナ装置の場合よりもLNB4の回転動作を続けた場合の上記部材(クリック機構を構成する板金15と溝部17)の磨耗が少ない。この結果、LNB4を回転させる使用者において、LNB4の回転角度を離散的に決定することが困難になるといった問題の発生確率を低減できる。
なお、板金15を構成する材料としては、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、銅合金、リン青銅、鉄などの金属を用いることができる。このような材料のうちで、特にアルミニウムもしくはアルミニウム合金、またはリン青銅を用いることが好ましい。アルミニウムもしくはアルミニウム合金を用いた場合、これらの材料の比重が小さいため、アンテナ装置の質量を軽減することができる。また、アルミニウムもしくはアルミニウム合金は加工が比較的容易であるため、アンテナ装置の製造工程の作業性を向上させることができるというメリットがある。また、アルミニウムもしくはアルミニウム合金は、鉄などに比べて腐食しにくい。またリン青銅はばね性があるため、板金15に十分な弾性を持たせるという観点から、板金15として用いるのに好ましい材料である。また、上述した板金15の材料として、強い弾性を有するという観点から、ステンレススチールを用いてもよい。
また、LNB側フランジ部12を構成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金などを用いることができる。上述のような材料により、ダイカスト法によってLNB側フランジ部12を形成できる。上述の材料においては、材料単価や比重が軽くアンテナ装置の質量を小さくすることができるという点から、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることが好ましい。
(実施の形態2)
図10は、本発明によるアンテナ装置の実施の形態2におけるクリック機構を説明するための拡大模式図である。図10は、図8に対応する。また、図11は、図10の矢印24で示した方向から見た板金の平面模式図である。図11は図9に対応する。以下、図10および図11を参照して本発明によるアンテナ装置の実施の形態2を説明する。
図10および図11に示したアンテナ装置は、基本的には図1〜図9に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、板金15が設置されたアーム側固定部10の外周部47の構造が異なっている。すなわち、図10に示すように、板金15の凸部16下に位置する領域には、外周部47の表面に凹部46が形成されている。この結果、板金15とアーム側固定部10の外周部47との間に、空間21が形成されている。このため、図3に示すようにLNB4を矢印8で示す方向(図10における矢印23で示す方向)に、アーム3に対して相対的に回転させる場合、図10に示すように板金15の凸部16が矢印27に示す方向に容易に撓む(移動する)ことができる。このため、凸部16がLNB側フランジ部12の溝部17に嵌ることによりクリック感を残しながらも、LNB4側の回転作業の作業性を向上させることができる。
また、図11に示すように、板金15の一方の端部は固定用ボルト20aによってアーム側固定部10の外周部47に固定されている一方、板金15の他方端部には矢印23に示す方向(板金15の長手方向)に延びる細長い開口部22が形成されている。そして、この開口部22に挿入された固定用ボルト20bは、アーム側固定部10の外周部47に固定されている。このとき、板金15は、矢印23に示す方向に移動可能となっている。
このようにすれば、固定用ボルト20aにより板金15をアーム側固定部10の外周部47に確実に固定することができる。また、凸部16が図10に示した矢印27に示す方向に移動する際、板金15の端部(固定用ボルト20bによって外周部47に接続された側の部分)が矢印23に示す方向に移動可能となっているので、板金15の凸部16が矢印27に示す方向により容易に動くことができる。この結果、LNB4を回転させる作業の作業性を向上させることができる。
なお、上述した板金15の厚みは、弾性効果を確実に出すため、たとえば0.2mm以上0.4mm以下程度の厚みとすることが好ましい。また、図11における板金15の幅(矢印23で示した方向とほぼ直交する方向における板金15の短辺の幅)は、たとえば3mm以上5mm以下とすることが好ましい。
(実施の形態3)
図12は、本発明によるアンテナ装置の実施の形態3を説明するための拡大模式図である。図13は、図12の矢印24で示した方向から見た板金を示す平面模式図である。図12は図10に対応する。また、図13は図11に対応する。図12および図13を参照して、本発明によるアンテナ装置の実施の形態3を説明する。
図12および図13に示したアンテナ装置は、基本的には図1〜図9に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、板金15における凸部16の構造が異なる。すなわち、図12および図13からもわかるように、板金15は2つの板金片25a、25bにより構成されている。板金片25a、25bの一方端部は固定用ボルト20により図8および図9に示した板金15と同様にアーム側固定部10の外周部47に接続固定されている。一方、板金片25a、25bにおいて固定用ボルト20により固定された側と反対側に位置する他方端部は、LNB側フランジ部12が位置する側(外周部47の内周側)へと折れ曲がることにより凸部16を構成している。凸部16の先端部には間隙26が形成されている。
この結果、間隙26が形成されているため、LNB4(図3参照)を矢印8で示した方向(図12の矢印18で示した方向)に回転させる場合、凸部16が矢印44に示した方向に容易に弾性変形する(撓む)。この結果、LNB4を回転させる回転作業の作業性を向上させることができる。また、このような間隙26を形成することによって、図10に示したような空間21を形成する必要がなくなる。すなわち、間隙26の幅や、凸部16の先端部とLNB側フランジ部12に形成された溝部17との噛合い深さ(嵌合深さ)を調整することにより、図10に示したような空間21を形成する必要がなくなる。この結果、アーム側固定部10の外周部47の厚みを図10および図11に示した場合よりも薄くすることが可能になる。この結果、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
なお、板金15のサイズとしては、厚みがたとえば0.2mm以上0.4mm以下、幅(短軸方向の幅)を3mm以上5mm以下、また、凸部16の先端部と溝部17との噛合い深さ(嵌合深さ)は、板金15の厚みと同程度とすることが好ましく、たとえば0.2mm以上0.4mm以下とすることができる。
また、間隙26を形成する方法としては、上述のように板金15を2つの板金片25a、25bより構成する方法に代えて、1枚の板金15の凸部16の上端部に、板金15の幅よりも短い長さのスリットを形成するという方法を用いてもよい。この場合、たとえばスリット長さとしては3mm以上4mm以下とし、スリット幅としては2mm以上2.5mm以下とすることが好ましい。
(参考例1)
図14は、本発明によるアンテナ装置の参考例1を構成するアーム側固定部を示す模式図である。図15は、本発明によるアンテナ装置の参考例1を構成するLNB側フランジ部12を示す断面模式図である。図16は、図15に示したLNB側フランジ部12が図14に示したアーム側固定部に挿入配置された状態における、位置決め機構としてのクリック機構の模式図である。図14〜図16を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例1を説明する。なお、図14は図6に対応し、図15は図7に対応する。また、図16は、図15に示したLNB側フランジ部12が図14に示したアーム側固定部10に挿入配置された状態において、図14の矢印31に示した方向から板金設置部29を見た場合の模式図である。
図14に示すように、アーム側固定部10の外周部47には、開口部39(図16参照)が形成されている。この開口部39には、波型に屈曲して蛇行している波型板金32a、32bが対向して平行に配置されている。2枚の波型板金32a、32bの両端部はそれぞれ開口部39の側壁に突き刺さるような態様で固定部38を構成する。波型板金32a、32bの両端部は、固定部38においてアーム側固定部10の外周部47に固定されている。
2枚の波型板金32a、32bの間には、LNB側フランジ部12の側壁から突出するように形成された金属からなる凸部30が配置されている。凸部30は、図16に示すように、図15の矢印31から見た場合に長方形状となる板状の形状を有している。2枚の波型板金32a、32bは、図16に示すように、互いの間の距離が周期的に異なるように、それぞれの突出部33a、33bが対向した状態で外周部47に固定されている。このためLNB4(図3参照)を回転させる場合、たとえば図15の矢印35に示す方向にLNB側フランジ部12が回転すると、図16に示すように、LNB側フランジ部12(図15参照)の凸部30が矢印35に示す方向に移動する。このとき、波型板金32a、32bは、矢印36に示す方向に弾性変形する(撓む)。すなわち、開口部39内に波型板金32a、32bが設置されているので、波型板金32a、32bの外側には空間34が形成されている。このため、波型板金32a、32bは容易に外側へと撓むことができる。したがって、凸部30は波型板金32a、32bの間を矢印35に示した方向に容易に移動することができる。また、波型板金32a、32bにおける突出部33a、33bの対向する領域に凸部30が位置する場合、波型板金32a、32bの間において当該領域の幅が最も大きいことから、凸部30の位置を最も安定させることができる。このため、LNB4を回転させる際に良好なクリック感を得ることができる。
なお、図16に示したアンテナ装置においては、凸部30の厚みは1mm以上とすることが好ましい。これは、凸部30をダイカスト法で形成する場合には、鋳造性などの観点からその厚みが1mm以上必要だからである。また、凸部30の幅は2mm以上3mm以下とすることができる。また、波型板金32a、32bの厚みは0.2mm以上0.4mm以下とすることが好ましく、波型板金32a、32bにおける突出部33a,33bの深さD1は0.4mm以上0.7mm以下とすることができる。
(参考例2)
図17は、本発明によるアンテナ装置の参考例2におけるクリック機構の模式図である。図17を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例2を説明する。なお、図17は図16に対応する。
図17に示したアンテナ装置は、基本的には図14〜図16に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構を構成する部材の形状が異なる。すなわち、図17に示したアンテナ装置においては、クリック機構を構成するLNB側フランジ部12に形成された凸部30の断面形状が円形状となっている。すなわち、図17に示したアンテナ装置においては、凸部30は円柱状の形状となっている。また、波型板金37a、37bは、その屈曲部の表面が曲面状となっている。また、波型板金37a、37bの両端部には、アーム側固定部10の外周部47に波型板金37a、37bの端部が固定された固定部38が位置している。
このような構造によっても、図14〜図16に示したアンテナ装置と同様の効果を得ることができる。つまり、LNB4(図3参照)を回転させることに伴って、凸部30が波型板金37a、37bの間を矢印35に示す方向に移動する際、波型板金37a、37bの外周側に空間34が形成されていることから、波型板金37a、37bが矢印36に示す方向に容易に弾性変形する。この結果、LNB4を回転させる作業の作業性を向上できる。
また、ダイカスト法を用いてLNB側フランジ部12を形成する場合に、図17に示したような円柱状の凸部30の方が、図16に示したような板状の凸部30よりダイカスト法における鋳造性に優れている。そのため、ダイカスト法を用いたLNB側フランジ部12の製造工程において凸部30が所定の形状に鋳造されないといった問題の発生確率を低減できる。
なお、図17に示したアンテナ装置においては、波型板金37a、37bの厚みは、たとえば0.2mm以上0.4mm以下とすることができる。また、波型板金37a、37bの間の最大距離D2は、凸部30の直径とほぼ同じ程度とすることが好ましい。たとえば、凸部30の直径が1.5mm以上2.0mm程度であれば、同様に最大距離D2を1.5mm以上、2.0mm以下とする。また、波型板金37a、37bの間の最小距離D3は、凸部30の20%以上25%以下とすることが好ましい。たとえば、上述した凸部30の直径の値を前提とすれば、距離D3は0.4mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。
(参考例3)
図18は、本発明によるアンテナ装置の参考例3におけるクリック機構を示す側面模式図である。図19は、図18の線分XIX−XIXにおける断面図模式図である。図18および図19を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例3を説明する。
図18および図19に示したアンテナ装置は、基本的に図17に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構を構成する部材の構造、つまり平行に配置された板金40a、40bの構造が異なる。すなわち、板金40aを例にして説明すると、板金40aにおいては、3方に切込部49が形成された折り曲げ部42が、曲げ中心部41を中心として隣接するように2つずつ形成されている。この折り曲げ部42は、曲げ中心部41を中心として凸部30が位置する内周側に折り曲げられる。そして、もう一方の板金40bにおいても、同様に折り曲げ部42が形成され、この折り曲げ部42が曲げ中心部41を中心として内周側に折り曲げられる。この結果、図19に示すように、折り曲げ部42によって板金40a、40bの間の距離が周期的に異なっている構造を形成できる。
このようにすれば、図17に示したアンテナ装置によって得られる効果と同様の効果に加えて、LNB4(図3参照)を回転させることに伴って凸部30が矢印35に示した方向に移動する場合、折り曲げ部42が矢印43に示すように弾性変形する主な部分となる。このため、板金40a、40bの外周側に空間34を大きく配置する必要はない。つまり、図19に示したように比較的幅の狭い空間34を形成すればよい。なお、このような空間34を形成しない構造(つまり、板金40a、40bの外周側が開口部39の側壁と接触したような構造)とすることもできる。この結果、アーム側固定部10の外周部47の幅が狭いような構造において、本発明によるクリック機構を適用することができる。
なお、ここでクリック機構の具体的なサイズとして、たとえば曲げ中心部41を中心として隣接する2つの折り曲げ部42の端部の間の幅W3は2.25mmとすることができる。また、隣接する曲げ中心部41の間の距離(ピッチ)P1はたとえば2.5mmとすることができる。凸部30の直径D4はたとえば1.4mmとすることができる。板金40a、40bの厚みT1はたとえば0.3mmとすることができる。また、板金40aの外周面に対して折り曲げ部42の内周面のなす角度βはたとえば30°とすることができる。また、対向する折り曲げ部42の先端部同士の間の幅W2はたとえば0.3mmとすることができる。また、板金40a、40bの間の距離W1はたとえば1.5mmとすることができる。
(参考例4)
図20は、本発明によるアンテナ装置の参考例4におけるクリック機構を示す模式図である。図21は、図20における領域XXIの拡大模式図である。図20および図21を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例4を説明する。
図20および図21に示したアンテナ装置のクリック機構は、基本的には図18および図19に示したクリック機構部と同様の構造を備えるが、折り曲げ部42における先端部45の表面が曲面状に加工されている点が異なる。
このようにすれば、この折り曲げ部42の先端部45を凸部30が通過する際に凸部30がよりスムーズにこの先端部45を通過することができるので、LNB4の回転作業をよりスムーズに行なうことができる。
なお、先端部45の表面の曲率R1はたとえば0.1〜0.2とすることができる。また、このような曲面状の表面が形成された部分の幅W4は、たとえば0.15mm以上0.2mm以下とすることができる。
(参考例5)
図22は、本発明によるアンテナ装置の参考例5においてクリック機構を構成するアーム側固定部を示す模式図である。図23は、図22に示したアーム側固定部に挿入されるLNB側フランジ部を示す模式図である。図24は、本発明によるアンテナ装置の参考例5におけるクリック機構を示す模式図である。なお、図24は、図23に示したLNB側フランジ部12を図22に示したアーム側固定部10に挿入した状態で、LNB側フランジ部12のスリット部53にアーム側固定部10の外周部47に形成された板金凸部50が挿入された状態を、矢印31に示した方向から見た場合を示すものである。図22〜図24を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例5を説明する。
本発明によるアンテナ装置の参考例5は、基本的には本願の図1〜図9に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構の構造が異なっている。すなわち、図22〜図24に示したアンテナ装置のクリック機構は、アーム側固定部10の外周部47の内周面に突出するように板金凸部50が形成されている。板金凸部50は、断面形状がC状となるように板金を折り曲げて形成されている。また、クリック機構を構成する部材として、金属からなるLNB側フランジ部12の外周側面にはスリット部53が配置されている。このスリット部53では、図26の矢印31で示した方向から見た形状が図24に示したような形状である波状スリット55が形成されている。
このような構造であれば、LNB4を回転させることにより、板金凸部50が図24の矢印35に示す方向に波状スリット55の内部を移動する場合、板金凸部50においてスリット57が形成されているため、この板金凸部50の直径が小さくなるように板金凸部50を弾性変形させることができる。したがって、板金凸部50は波状スリット55の中を容易に移動することができる。このため、LNB4を回転する回転作業の作業性を向上させることができる。
また、板金凸部50は、波状スリット55において側壁の間の距離が広くなっている部分(凹部56が対向する部分)に位置する場合の方が、波状スリット55において側壁の間の距離が狭くなっている部分(隣接する凹部56の間の板金凸部50側に突出した部分)に位置する場合よりも安定する。このため、LNB4を回転する作業において作業者はクリック感を得ることができる。
なお、図24に示すように、たとえば板金凸部50の幅L1を2mmとした場合、LNB側フランジ部12に形成される波状スリット55の最小幅W9を1mm、隣接する凹部56の間の板金凸部50側に突出した部分における波状スリット55の幅W5を1.3mm、対向する凹部56の間の幅(凹部56が対向する部分での波状スリットの幅W6)を2.5mmとすることができる。また、板金凸部50におけるスリット57の幅L2をたとえば0.75mmとすることができる。また、凹部56の間の幅(ピッチ)P2をたとえば1.5mmとすることができる。また、板金凸部50の両端に位置する曲面状の部分の曲率R2をたとえば0.7とすることができる。
(参考例6)
図25は、本発明によるアンテナ装置の参考例6におけるクリック機構を示す模式図である。図25を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例6を説明する。
図9に示したアンテナ装置は、基本的には図22〜図24に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構を構成する板金凸部51および波状スリット55の形状が異なる。すなわち、図25に示したアンテナ装置のクリック機構においては、アーム側固定部10(図22参照)における外周部47(図22参照)の内周面に形成された板金凸部51の断面形状は略C状であり、板金凸部51の延びる方向に沿って延びるスリット57が形成されている。そして波状スリット55においては、凹部56の表面形状が、板金凸部51の側面の表面形状に沿ったほぼその断面が円形状となっている。つまり、図25に示すように、波状スリット55における凹部56の平面形状は、基本的に板金凸部51の断面における外周の形状と部分的に一致する。また、この凹部56の表面に接する面を考えた場合にその円の直径D5は板金凸部51の直径D6と同様にすることが好ましい。
このような形状の波状スリット55は、いわゆる連続R状スリットであって、図23に示したLNB側フランジ部12をダイカスト法によって鋳造する場合に、このダイカスト鋳造時の離型性がよい。このため、ダイカスト鋳造時における金型の破損といった問題のに発生確率を低くすることができる。また、板金凸部51についても、図25に示したような円筒状の板金凸部51は比較的製造が容易であるため、アンテナ装置の製造コストの低減に寄与することができる。
なお、板金凸部51におけるスリット57の幅L3はたとえば0.5mmとすることができる。また、板金凸部の円形状の断面の直径D6をたとえば2mmとすることができる。またこの板金凸部51を構成する板金の厚みT2はたとえば0.3mmとすることができる。また、上述した直径D5の値として2mmという値を用いることができる。
(参考例7)
図26は、本発明によるアンテナ装置の参考例7においてクリック機構を構成するアーム側固定部を示す模式図である。図27は、図26に示したアーム側固定部に挿入されるLNB側フランジ部を示す断面模式図である。図28は、本発明によるアンテナ装置の参考例7におけるクリック機構を示す模式図である。図28は、図26および図27に示したアーム側固定部とLNB側フランジ部との間において形成されるクリック機構を示している。図26〜図28を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例7を説明する。
図26〜図28に示したアンテナ装置は、基本的には図25に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構部の構造が異なっている。すなわち、図26〜図28に示したアンテナ装置においては、アーム側固定部10の外周部47にスリット部60が形成されている。そしてLNB側フランジ部12の外周面に、アーム側固定部10側に突出するように板金凸部61が形成されている。板金凸部61の断面形状は、基本的に図25に示した板金凸部51の断面形状と同様である。また、波状スリット69の形状も、基本的には図25に示した波状スリット55の形状と同様である。すなわち、波状スリット69における凹部62の壁面の形状は、板金凸部61の側壁面の形状に沿った曲面状となっている。そして、外周部47に形成された波状スリット69の内部に板金凸部61が挿入された状態となっている。
LNB4(図3参照)を回転させることに伴って、板金凸部61が波状スリット69の内部をたとえば矢印35に示す方向に移動する。このとき、板金凸部61が波状スリット69における隣接した凹部62の間の突出した部分を通過する際、スリット64の部分の幅が狭くなるように板金凸部61が弾性変形する。この結果、板金凸部61は隣接した凹部62の間の突出した部分を容易に移動できる。
また、波状スリット69の側壁面のうち、凹部62の間の突出した部分の壁面は接触部金属部材63の側壁面によって構成されている。このような接触部金属部材63を備える樹脂製のアーム側固定部10は、射出成型等の方法で形成する際に予め所定の位置に接触部金属部材63を配置するといったインサート成型を行なうことにより、簡単に形成することができる。この場合、波状スリット69に別部材としての接触部金属部材を後で取付ける場合に比べて、製造工程数を削減することができる。この結果、アンテナ装置の製造コストを低減できる。
また、上記アンテナ装置では、板金凸部61を移動する際に、最も応力が加わる部分の壁面を接触部金属部材63によって構成している。そのため、このクリック機構の当該部分の磨耗を、接触部金属部材63を用いない場合よりも低減することができる。
なお、ここで板金凸部61の厚みT3はたとえば0.2mmとすることができ、板金凸部61の断面の直径D7はたとえば2mmとすることができる。また、スリット64の幅L4はたとえば0.5mmとすることができる。また、接触部金属部材63の直径D8はたとえば0.5mmとすることができる。また、接触部金属部材63のうち、対向するもの同士の間の距離W8はたとえば1.7mmとすることができる。また、波状スリット69において、凹部62の間の距離(隣接する凹部62間のピッチ)P4はたとえば2.25mmとすることができる。
(参考例8)
図29は、本発明によるアンテナ装置の参考例8におけるクリック機構を示す模式図である。図29を参照して、本発明によるアンテナ装置の参考例8におけるクリック機構を説明する。図29に示したアンテナ装置は、基本的には図26〜図28に示したアンテナ装置と同様の構造を備えるが、クリック機構を構成する部材が異なっている。すなわち、図29に示したアンテナ装置のクリック機構は、LNB側フランジ部12(図27参照)の外周面に形成された円柱状凸部67と、円柱状凸部67が挿入された状態となる波状スリット69とからなる。但し、この波状スリット69は、アーム側固定部10の外周部47に形成された開口部65内に挿入固定されている弾性体66に形成されたものである。
この弾性体66に形成された波状スリット69の側壁において、隣接する凹部62の間に位置する突出部には、図28に示した波状スリット69の場合と同様に円柱状の接触部金属部材63が設置されている。そして、LNB4(図3)が回転することにより、円柱状凸部67が矢印35に示す方向に波状スリット69の内部を移動する場合には、弾性体66が矢印68に示す方向に弾性変形する。この結果、円柱状凸部67は波状スリット69中を容易に移動することができる。このようにしても、本発明によるアンテナ装置の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、弾性体66の材料としては、ゴムなどの樹脂材料を用いることができる。たとえば、ゴム材料としては、EPDM(ethylene‐propylene terpolymer)、シリコンゴムなどを用いることができる。この弾性体66の硬度としては、たとえば60〜80程度であることが好ましい。また、弾性体66の材料として、ウレタンゴムを用いることもできる。ウレタンゴムを用いる場合には、そのウレタンゴムの硬度としては60〜70程度であることが好ましい。すなわち、比較的低硬度のウレタンゴムを弾性体66の材料として用いることができる。
なお、上述した数値は、回転させるLNB4の質量や、LNB側フランジ部12などの直径、あるいはクリック動作を行なわせる場合の離散角度(図7に示した角度α)が異なれば、これらの数値に適応するように適宜変更することができる。
上述した本発明に従ったアンテナ装置の位置決め機構の一例としてのクリック機構の特長的な構成を要約すれば、図1〜9に示した位置決め機構としてのクリック機構は、支持部材としてのアーム3と、アーム3に回転可能に取付けられた電波受信用コンバータ本体としてのLNB4とを備えたアンテナ装置1(図1参照)において、LNB4のアーム3に対する回転角度を離散的に規定するためのクリック機構である。クリック機構は、支持部材側接触部としての板金15が固定された部分と本体側接触部としての溝部17とを備える。板金15は、アーム3のアーム側固定部10における外周部47に配置され、LNB4に接触する。溝部17は、LNB4に含まれる金属製のLNB側フランジ部12に配置され、板金15が接触する部分である。板金15と溝部17とはそれぞれ金属を含む。
上記クリック機構において、支持部材側接触部は、アーム3側(アーム側固定部10側)からLNB側(LNB側フランジ部12)に凸形状となる屈曲部としての凸部16(図8参照)を有する金属板としての板金15を含む。LNB4において溝部17が形成された部分(LNB側フランジ部12)は金属から構成される。本体側接触部は、上記部分の表面においてLNB4がアーム3に対して相対的に回転する回転方向に対して交差する方向にそれぞれが延びるとともに、回転方向において互いに間隔を隔てて形成され複数の溝部17を含む。
この場合、たとえば溝部17が樹脂などの耐磨耗性が金属より劣る材料により構成される場合より、板金15と溝部17とが接触することによる磨耗を少なくすることができる。このため、上記磨耗による、クリック機構の動作不良の発生確率を低減できる。また、クリック機構を長期間に渡って使用しても、クリック機構の動作を正常な状態に保つことができる。
また、支持部材側接触部が凸部16を有する金属板としての板金15を含むことから、板金15は容易に弾性変形することができる。そのため、LNB4を回転させるときに、板金15が弾性変形することにより、容易に板金15の凸部16が本体側接触部を構成する1つの溝部17から隣接する他の溝部17へと相対的に移動することができる。つまり、板金15の凸部16が1つの溝部17から他の溝部17へ相対的に移動することで、LNB4の回転角度を離散的に規定することができるとともに、板金15の弾性力を利用して、LNB4の回転動作をスムーズに行なうことができる。
図10に示すように、上記クリック機構において、板金15は、アーム3のアーム側固定部10における外周部47において、LNB側フランジ部12の溝部17に対向する表面に固定されていてもよい。板金15が固定されたアーム側固定部10の外周部47の表面には、板金15下に位置する領域に凹部46が形成されていてもよい。
この場合、板金15下に凹部46が存在することにより、板金15下に空間が形成される。そのため、LNB4を回転させる際、板金15が上記空間側に容易に撓むことができる。この結果、LNB4の回転動作をよりスムーズに行なうことができる。
図11に示すように、上記クリック機構において、前記板金15は一方端部と他方端部とを含んでいてもよい。一方端部は、凸部16に連なり、アーム側固定部10の外周部47に固定用ボルト20aにより固定されていてもよい。他方端部は、凸部16に連なるとともに一方端部とは異なる方向に延び、アーム側固定部10の外周部47に固定用ボルト20bで接続されるとともに、アーム側固定部10の外周部47に対して相対的に位置を変更することができるようになっていてもよい。
この場合、板金15の他方端部(固定用ボルト20bで外周部47に接続された側の端部)がアーム側固定部10の外周部47に対して位置を変更することができるので、板金15がより容易に弾性変形することができる。この結果、LNB4の回転動作をよりスムーズに行なうことができる。
図12および図13に示すように、上記クリック機構において、板金15の屈曲部としての凸部16にはスリットとしての間隙26が形成されていてもよい。
この場合、間隙26が形成されることによって、板金15のうち凸部16のみを容易に弾性変形させることができる。
また、形成される間隙26の幅や長さ、また、凸部16と溝部17との嵌合深さ(凸部16と溝部17との重なり深さ)を適宜調整することにより、板金15下に板金15を弾性変形させるための空間(たとえば図10に示したような空間21)を設けなくても、上述のように凸部16のみを弾性変形させることでLNB4の回転動作をスムーズに行なうことができる。また、アーム側固定部10の外周部47において上記空間21を形成するための凹部46を設ける必要が無いため、外周部47の厚みを薄くすることができる。したがって、アーム側固定部10の小型化を図ることができる。
図14〜図17に示すように、上記クリック機構において、本体側接触部は、LNB4に含まれるLNB側フランジ部12の表面から支持部材側接触部としての板金設置部29(図14参照)に向けて延びる金属製の凸部30を含む。板金設置部29は、アーム側固定部10の外周部47に設置され、凸部30が間に挿入できる間隔を隔てて対向するとともにLNB4の回転方向(図16の矢印35で示す方向)に沿って延在するように配置されることにより凸部30を挿入する溝を形成する、2枚の溝形成用金属板としての波型板金32a、32b(図16参照)または波型板金37a、37b(図17参照)を含む。2枚の波型板金32a、32b、37a、37bは、互いの間の距離が局所的に異なるように屈曲(蛇行)している。
この場合、LNB4を回転させると、このLNB4の回転に伴って2枚の波型板金32a、32bの間に形成された溝(または波型板金37a、37bの間に形成された溝)の内部を上記凸部30が移動することになる。また、波型板金32a、32b、37a、37bが周期的に屈曲しているため、2枚の波型板金32a、32b、37a、37bの間の距離(溝の幅)が局所的に異なっている(幅の広い部分と幅の狭い部分とが交互に(周期的に)形成されている)。このため、溝の幅の相対的に広い部分(突出部33a、33bが対向する部分)に凸部30が位置する場合と、溝の幅の相対的に狭い部分(隣接する突出部33aの間の部分)に凸部30が位置する場合とで、凸部30の移動に対する抵抗(つまり、LNB4の回転動作のしやすさ)を異ならせることができる。この結果、LNB4の回転動作において、LNB4の回転角度を離散的に規定することができる。
また、上記クリック機構において、2枚の波型板金32a、32b、37a、37bの外周側(溝が形成された内周側と反対側)には、空間34を形成する。
この場合、波型板金32a、32b、37a、37bを上記空間34側に容易に撓ませることができる。このため、溝の内部を凸部30がより容易に移動できる。
図17に示すように、上記クリック機構では、溝形成用金属板としての波型板金37a、37bにおいて、屈曲した部分(突出部33a、33b)の表面が曲面状になっていてもよい。
この場合、波型板金37a、37bにより構成される溝の側壁の突出部33a、33bなどに代表される屈曲部の表面が曲面状となるため、凸部30の移動をスムーズに行なうことができる。つまり、LNB4を回転させる作業の作業性を向上させることができる。
図17に示すように、上記クリック機構では、凸部30の形状が円柱状であることが好ましい。
この場合、凸部を溝部の曲面状の側壁に沿って、円柱状の凸部を容易に移動させることができるので、電波受信用コンバータ本体の回転させる作業の作業性を向上させることができる。
また、凸部30をたとえばダイカスト法などを用いて形成する場合、凸部30の形状が円柱状であるため、凸部30は良好な鋳造性を示す。つまり、鋳造における凸部30の形状不良の発生確率を低減できる。
図18および図19に示すように、上記クリック機構において、LNB側フランジ部12は、LNB4の表面(つまりLNB側フランジ部12の表面)からアーム側固定部10の外周部47に向けて延びる金属製の凸部30を含んでいてもよい。支持部材側接触部は、支持部材としてのアーム側固定部10の外周部47に設置され、凸部30が間に挿入できる間隔を隔てて対向するとともにLNB4の回転方向に沿って延在するように配置されることにより凸部30を挿入する溝を形成する、2枚の溝形成用金属板としての板金40a、40bを含んでいてもよい。板金40a、40bにおいては、3方を切り込み(切込部49)により囲まれた領域としての折り曲げ部42が複数形成され、かつ、当該折り曲げ部42において切込部49が形成されていない方向に位置する端部としての曲げ中心部41を中心にして凸部30側に当該折り曲げ部42を曲げることにより、2枚の板金40a、40bの間の距離が局所的に異なっている。
この場合、LNB4を回転させると、2枚の板金40a、40bの間に形成された溝の内部を上記凸部30が移動することになる。また、2枚の板金40a、40bの間の距離(溝の幅)が局所的に異なっているので、溝の幅の相対的に広い部分(曲げ中心部41に隣接する領域)に凸部30が位置する場合と、溝の幅の相対的に狭い部分(折り曲げ部42の先端部に近い領域)に凸部30が位置する場合とで、凸部30の移動に対する抵抗を異ならせることができる。この結果、LNB4の回転角度を離散的に規定することができる。
また、LNB4の回転に伴って溝の内部を凸部30が移動する際、板金40a、40bのうち上記折り曲げられた領域(折り曲げ部42)のみが弾性変形すればよいので、板金40a、40bの外周側に特に空間を設ける必要はない。そのため、板金40a、40bが設置されるアーム側固定部10の外周部47の幅が狭い場合であっても、本発明によるクリック機構を採用できる。
図20および図21に示したように、上記クリック機構では、上記領域(折り曲げ部42)において、板金40a、40bの間の距離が最も小さくなっている部分に位置する部分である先端部45の角部の表面は曲面状になっていてもよい。この場合、上記先端部45を凸部30が通過する際の抵抗を低減できる。このため、LNB4の回転動作をよりスムーズに行なうことができる。
上記クリック機構において、アーム側固定部10に形成される支持部材側接触部は、支持部材としてのアーム側固定部10からLNB4側に突出するとともにスリット57が形成された円筒状金属板としての板金凸部50を含んでいてもよい。LNB4において本体側接触部としてのスリット部53が形成された部分(LNB側フランジ部12の外周面)は金属からなっている。スリット部53は、LNB4の上記LNB側フランジ部12の外周面に形成され、板金凸部50を挿入可能であって、LNB4の回転方向に沿って延在する溝としての波状スリット55を含んでいる。当該波状スリット55は、板金凸部50を挟んで対向する側壁に凹凸(凹部56)が形成されることにより、側壁の間の距離が波状スリット55の延在方向において局所的に異なっている。
この場合、LNB4を回転させると、波状スリット55の内部を板金凸部50が移動する。また、波状スリット55の側壁の間の距離(溝の幅)が局所的に異なっているので、波状スリット55の幅の相対的に広い部分に板金凸部50が位置する場合と、波状スリット55の幅の相対的に狭い部分に板金凸部50が位置する場合とで、板金凸部50の移動に対する抵抗を異ならせることができる。この結果、LNB4の回転角度を離散的に規定することができる。
また、LNB4の回転動作に伴って板金凸部50が波状スリット55の内部を移動する際、板金凸部50にスリット57が形成されているので、板金凸部50の幅は波状スリット55の幅に合わせて変化する。つまり、板金凸部50が弾性変形する。このため、LNB4を回転させる作業の作業性を向上させることができる。
また、板金凸部50はその製造が比較的容易であるので、クリック機構の製造コストを低減できる。
図25に示すように、上記クリック機構において、側壁の凹凸(凹部56など)の角部表面は曲面状となっていてもよい。
この場合、上記角部を板金凸部51が通過する際の抵抗を低減できる。このため、LNB4の回転動作をよりスムーズに行なうことができる。
また、LNB4の金属からなる部分(LNB側フランジ部12)に形成される波状スリット55を、ダイカスト法などの鋳造法を用いて形成する場合、波状スリット55の側壁の角部表面が曲面状となっていれば、当該波状スリット55の離型性を向上させることができる。このため、波状スリット55の鋳造時において、離型時に金型破損などの問題が発生する確率を低減できる。
図26〜図28に示すように、上記クリック機構において、本体側接触部は、LNB4のLNB側フランジ部12からアーム側固定部10に突出するとともにスリット64が形成された円筒状金属板としての板金凸部61を含んでいる。支持部材側接触部は、アーム側固定部10の表面(外周部47の内周面)に形成され、板金凸部61を挿入可能であって、LNB4の回転方向に沿って延在する溝としての波状スリット69を含んでいてもよい。波状スリット69は、板金凸部61を挟んで対向する側壁に凹凸(凹部62)が形成されることにより、側壁の間の距離が波状スリット69の延在方向において局所的に異なっている。波状スリット69において、側壁の間の距離が相対的に小さくなった側壁部分には金属部材としての接触部金属部材63が配置されていてもよい。
この場合、LNB4を回転させると、波状スリット69の内部を板金凸部61が移動する。また、波状スリット69の側壁の間の距離(波状スリット69の幅)が局所的に異なっているので、波状スリット69の内部において局所的に板金凸部61の移動に対する抵抗(LNB4の回転動作のしやすさ)を異ならせることができる。この結果、LNB4の回転動作において、LNB4の回転角度を離散的に規定することができる。
なお、LNB4の回転動作に伴って板金凸部61が波状スリット69の内部を移動する際、板金凸部61にスリット64が形成されているので、板金凸部61の幅は波状スリット69の幅に合わせて変化する。したがって、板金凸部61の移動をスムーズに行なえるので、LNB4を回転させる作業の作業性を向上させることができる。
また、波状スリット69の側壁の間の距離が相対的に小さくなった側壁部分に接触部金属部材63が配置されているので、当該接触部金属部材63と板金凸部61との接触によ接触部金属部材63などの摩耗量を低減できる。なお、このような接触部金属部材63が配置された溝としての波状スリット69は、予め接触部金属部材63を金型の内部に配置して樹脂を金型内部に注入するインサート成形法などを用いて容易に形成できる。このようにすれば、接触部金属部材63の配置と波状スリット69の形成とを1つの工程で実施できるので、クリック機構の製造工程数が増大することを避けることができる。
また、円筒状金属板としての板金凸部61はその製造が比較的容易であるため、クリック機構の製造コストを低減できる。
図29に示すように、上記クリック機構において、本体側接触部は、LNB4のLNB側フランジ部12からアーム3のアーム側固定部10における外周部47に突出する金属製の凸部としての円柱状凸部67を含んでいる。支持部材側接触部は、支持部材としてのアーム側固定部10の外周部47の表面に形成された凹部(開口部65)に配置され、円柱状凸部67を挿入可能であって、LNB4の回転方向に沿って延在する溝としての波状スリット69が形成された弾性体部材としての弾性体66を含んでいてもよい。波状スリット69では、円柱状凸部67を挟んで対向する側壁に凹凸(凹部62)が形成されることにより、側壁の間の距離が波状スリット69の延在方向において局所的に異なっていてもよい。弾性体66において、波状スリット69の側壁の間の距離が相対的に小さくなった側壁部分に接触部金属部材63が配置されていてもよい。
この場合、波状スリット69の側壁の間の距離(溝の幅)が局所的に異なっているので、波状スリット69の幅の相対的に広い部分に円柱状凸部67が位置する場合と、波状スリット69の幅の相対的に狭い部分に円柱状凸部67が位置する場合とで、円柱状凸部67の移動に対する抵抗を異ならせることができる。この結果、LNB4の回転動作において、LNB4の回転角度を離散的に規定することができる。また、LNB4の回転動作に伴って円柱状凸部67が波状スリット69の内部を移動する際、波状スリット69が形成された弾性体66が弾性変形する。このため、LNB4を回転させる作業の作業性を向上させることができる。
また、波状スリット69の側壁の間の距離が相対的に小さくなった側壁部分に接触部金属部材63が配置されているので、当該側壁部分と円柱状凸部67との接触による側壁部分の摩耗量を低減できる。
この発明に従ったアンテナ装置1は、上記クリック機構を備える。このようにすれば、LNB4の回転作業の作業性が良好であると共に、耐久性にすぐれたアンテナ装置を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 アンテナ装置、2 反射用パラボラ部、3 アーム、4 LNB、5 ベース部、6 支持部、7,38 固定部、8,18,23,24,27,31,35,36,43,44,68 矢印、9,16,30,70,72 凸部、10 アーム側固定部、11,22,39,65 開口部、12 LNB側フランジ部、13 貫通部、14 中心軸、15,40a,40b 板金、17 溝部、19 穴、20,20a,20b 固定用ボルト、21 空間、25a,25b 板金片、26 間隙、29 板金設置部、32a,32b,37a,37b 波型板金、33a,33b 突出部、34 空間、41 曲げ中心部、42 折り曲げ部、45 先端部、46,56,62 凹部、47 外周部、49 切込部、50,51 板金凸部、53 スリット部、55 波状スリット、57,64 スリット、60 波状スリット部、61 板金凸部、63 接触部金属部材、66 弾性体、67 円柱状凸部、69 波状スリット。