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JP4064003B2 - ポリカーボネートの製法 - Google Patents

ポリカーボネートの製法 Download PDF

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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネートの製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリカーボネートとして、ビスフェノールA骨格からなる芳香族ポリカーボネートが良く知られている。これらは機械的性質や光学的特性に優れるため種々の用途に幅広く展開されている。
それと比較して、主鎖骨格が脂肪族化合物からなる、脂肪族ポリカーボネートを単体で利用する用途は少ない。これは、脂肪族ポリカーボネートは従来の重合法では高分子量のものが得難いため、芳香族ポリカーボネートのような力学的物性に優れた樹脂とはなり得ないためである。
【0003】
また、脂肪族ポリカーボネートの合成法として、ホスゲンを用いるホスゲン法、二酸化炭素と置換エポキシドを一度環状カーボネートとし、それを開環重合する開環重合法、低分子カーボネートを用いる重縮合法等が知られているが、危険な原料を用いなければならなかったり、多段階の反応を行わなければならない等の問題があった。
【0004】
一段階でポリカーボネートを得る方法として、エポキシ化合物と二酸化炭素の共重合(Chung-Sung Tanら,Macromolecules, 第30巻, 第3147頁, 1997年) が知られているが、重合可能なエポキシ化合物がエチレンオキシドやプロピレンオキシドに限定されており、種々の汎用樹脂をしのぐ良好な物性が期待できる様々な置換基を有するポリカーボネートを得ることは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、簡便かつ経済的に高分子量の脂肪族置換ポリカーボネートを製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)で表される希土類金属化合物(以下希土類金属化合物(I)という)及び還元性化合物の存在下、置換エポキシド(プロピレンオキシドを除く) と二酸化炭素を共重合するポリカーボネートの製法である。
【0007】
【化2】
Figure 0004064003
【0008】
〔式中、 M:Sc、Y 又はランタニドから選ばれる希土類元素を示す。
L1,L2,L3:同一又は異なって、酸素結合性の配位子を示す。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、例えば一般式(III) で表されるポリカーボネートが、以下に示す重合反応で得られる。
【0010】
【化3】
Figure 0004064003
【0011】
〔式中、
R1:ヒドロキシル基を有していてもよい、炭素数2〜22のアルキル基もしくは炭素数6〜22のアリール基を示すか、又は-CH2OR2 で表される基を示す。ここでR2は水素原子を示すか、又はヒドロキシル基を有していてもよい、炭素数1〜20のアルキル基もしくは炭素数6〜22のアリール基を示す。この場合において、R1及びR2の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全てはフッ素原子に置換されていてもよい。
【0012】
【化4】
Figure 0004064003
【0013】
で表される繰り返し単位の繰り返し数を示し、好ましくは2以上の数である。〕本発明の重合反応は、任意の混合方式で行うことができ、置換エポキシド、希土類金属化合物(I)並びに還元性化合物の3種を一度に混合しても良いし、予めこれらのうち1種又は2種を含む系に残りの2種又は1種を加えてもよい。
【0014】
本発明において置換エポキシドとして、例えば上記一般式(II)で表されるものが使用されるが、この中でも、R1が -CH2OR2(式中、R2は前記の意味を示す)で表される基であるものが好ましく、グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルが更に好ましい。また、式(II)中、R1が炭素数2〜22のアルキルもしくは炭素数6〜22のアリール基であるものも好ましく、その中でも1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキシドが好ましい。
【0015】
置換エポキシドはこれらのうち1種以上を用いることができる。また、これらとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン等、他の置換エポキシドを併用することもできる。2種以上の置換エポキシドを用いる際は、これらを同時に混合して用いてもよいし、順次重合系に導入することもできる。
【0016】
さらに置換エポキシドのうち1種以上と置換エポキシド以外のアニオン重合性モノマーの1種以上を併用することもできる。これらは同時に混合して用いても良いし、順次重合系に導入しても良い。なお、アニオン重合性モノマーは、これまで単独又は共重合条件下アニオン重合することが確認されたものであれば何でも良いが、スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチレン、イソプレン、ブタジエン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オキセタン、ラクトン等が例示される。
【0017】
希土類金属化合物(I)における中心金属M として、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムが挙げられる。その中でも、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムが好ましい。
【0018】
希土類金属化合物(I)におけるL1,L2,L3で示される酸素結合性配位子として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、アリロキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシ基、2−メトキシプロポキシ基、トリフルオロエトキシ基、2,4−ペンタンジオネート基(アセチルアセトネート基)、トリフルオロペンタンジオネート基、ヘキサフルオロペンタンジオネート基、6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオネート基、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート基、テノイルトリフルオロアセテート基、ベンゾイルアセトネート基、ベンゾイルトリフルオロアセテート基、アセテート基、トリフルオロアセテート基、メチルアセトアセテート基、エチルアセトアセテート基、メチル(トリメチル)アセチルアセテート基、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオネート基、メチルスルホネート基、トリフルオロメチルスルホネート基、ジメチルカルバメート基、ニトリト基、ヒドロキサマート基等が例示できる。
【0019】
これらの中で重合性及び経済性の面から、i−プロポキシ基、2,4−ペンタンジオネート基(アセチルアセトネート基)、トリフルオロペンタンジオネート基、ヘキサフルオロペンタンジオネート基、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート基、アセテート基、トリフルオロアセテート基が好ましい。
【0020】
希土類金属化合物(I)は、例えば希土類金属ハロゲン化物、酸化物、水酸化物あるいは硝酸塩と、前記酸素結合性配位子を与える前駆体化合物との反応で簡便に合成できる。これらは予め合成、精製の上用いても良いし、重合系中で希土類金属化合物と前記酸素結合性配位子を与える前駆体化合物とを混合して用いても良い。
【0021】
また希土類金属化合物(I)は必要に応じて適当な担体に担持して用いることもできる。担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、粘土鉱物等の層状珪酸塩、活性炭、金属塩化合物、その他無機担体、有機担体の何れを用いても良い。また担持方法についても特に制限はなく、公知の方法を適宜利用できる。また、希土類金属化合物(I)はテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラメチルエチレンジアミン等の電子供与性配位子を含有していても良い。
【0022】
希土類金属化合物(I)の使用量は、該化合物の重合能力並びに置換エポキシドの重合能や使用量、また、目的とする重合度や重合系に存在する重合阻害性物質の総量により適宜決定すればよい。高度に精製された重合系での重合反応の場合、置換エポキシドのモル数に対し、好ましくは0.000001〜10当量、より好ましくは0.0001〜5当量、更に好ましくは 0.002〜2当量である。0.000001当量以上で高い重合活性が得られ、また10当量以下で低分子量重合体の生成を抑制することができる。
【0023】
本発明に用いられる還元性化合物として、(1) トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物と水の二元系触媒、またこれにアルコール又はキレート化合物を添加した三元系触媒、(2) アルミニウムトリアルコキシド、(3) ジアルキルアルミニウムアルコキシド、(4) ジアルキルアルミニウムヒドリド、(5) アルキルアルミニウムジアルコキシド、(6) メチルアルミノキサン、(7) 有機アルミニウム硫酸塩、(8) ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物と水との二元系触媒、又はこれにアルコール又はキレート化合物を添加した三元系触媒、(9) 亜鉛アルコキシド、(10)アルキルリチウム、及びこれらと水の混合物、(11)アルキルマグネシウム、及びそれらと水の混合物、(12)その他の還元能を有する有機、無機化合物を用いることができる。その中でも(1) 、(6) 、(8) 、(11)が好ましい。
【0024】
これらの還元性化合物は希土類金属化合物(I)と予め混合、反応させた上用いても良いし、重合系中で混合して用いても良い。なお、予め混合、反応させた上で用いる際は、適当な温度下に保持、熟成させて用いても良く、この熟成操作によって更に重合活性を高めることができる。
【0025】
還元性化合物の使用量は、その還元能力、並びに希土類金属化合物(I)の種類や使用量により適宜決定すればよい。還元性化合物が、アルミニウム、亜鉛、リチウム、マグネシウム等の金属を含有してなる化合物の場合、その金属種の使用モル数は、希土類金属種の使用モル数に対して好ましくは 0.001〜200 当量、より好ましくは0.01〜100 当量であり、 0.1〜50当量であることが特に好ましい。 0.001当量以上で高い重合活性が得られ、 200当量以下で低分子量重合体の生成を抑制することができる。
【0026】
本発明において、置換エポキシドと二酸化炭素とを共重合させる温度は−78〜 220℃、特に−30〜 160℃の範囲が好ましい。
重合溶媒の使用の有無に関しては特に制限はないが、通常は不活性な溶媒中で行うことが望ましい。重合温度域において溶融状態にある置換エポキシドでかつ高温高圧下の二酸化炭素と親和性のあるモノマー、及び重合温度域で気体である置換エポキシドに関しては無溶媒下で重合を行うこともできる。
【0027】
使用できる重合溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素や、N,N−ジメチルスルホキシド、またこれらの混合物が挙げられる。これら重合溶媒は、十分に脱水、脱気して用いるのがよい。
【0028】
本発明の重合反応は酸素を排した条件で行うのが望ましい。十分に酸素が除かれており、必要量の単量体が供給されうるならば重合の雰囲気は問わないが、経済性及び重合操作の簡便性の面から、二酸化炭素雰囲気下で行うのが好ましい。重合圧力は特に制限はなく、必要量の単量体が供給されうるならば常圧、加圧、減圧いずれでも良い。
【0029】
【実施例】
触媒調製ならびに重合操作は窒素気流下で行った。使用する溶媒は乾燥後、蒸留及び脱気したものを使用した。また希土類金属化合物、メチルアルミノキサン溶液(以下MAO溶液と略す。本品はトルエン溶液で、アルミニウム濃度10.2重量%)、二酸化炭素は市販品をそのまま使用した。
【0030】
調製例1
サマリウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)2.134gを秤量し、トルエン50mLを加え溶解させ、攪拌下にMAO溶液 1.1mLを滴下することで触媒Aを調製した。
【0031】
調製例2
スカンジウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)1.8367gを秤量し、トルエン50mLを加え溶解させ、攪拌下にMAO溶液1.2mL を滴下することで触媒Bを調製した。
【0032】
実施例1
【0033】
【化5】
Figure 0004064003
【0034】
耐圧オートクレーブにステアリルグリシジルエーテル20.1gを秤量してトルエン70mL、触媒A 5mLを加えた後、二酸化炭素を1.96MPa の圧力になるまで加え、 130℃で重合を行った。重合終了後、重合溶液を塩酸酸性エタノールに再沈殿し、減圧下に乾燥後、ポリステアリルグリジジルカーボネート21gを得た。
ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC) (溶媒o−ジクロロベンゼン、ポリスチレン換算分子量)による数平均分子量(Mn)12万、重量平均分子量(Mw)97万、分子量分布(Mw/Mn)8.23 。IR 1743cm-1(C=O伸縮) 。
【0035】
実施例2
【0036】
【化6】
Figure 0004064003
【0037】
実施例1と同様の方法で、触媒Bを用いてステアリルグリシジルエーテルを重合させ、ポリステアリルグリシジルカーボネートを得た。収量19g。
ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC) (溶媒o−ジクロロベンゼン、ポリスチレン換算分子量)による数平均分子量(Mn) 2.4万、重量平均分子量(Mw)31万、分子量分布(Mw/Mn)12.84。
【0038】
実施例3
【0039】
【化7】
Figure 0004064003
【0040】
実施例1と同様の方法で、触媒Aを用いてフェニルグリシジルエーテルを重合させ、ポリフェニルグリシジルカーボネートを得た。収量 7.2g。
得られたポリフェニルグリシジルカーボネートは種々の溶媒に不溶であった。
【0041】
比較例1
耐圧オートクレーブにステアリルグリシジルエーテル20gを秤量してトルエン70mLを加えた後、(トリエチルアルミニウム/アセチルアセトネート/水) 触媒のトルエン溶液(アルミニウム有効濃度5%)1.4mL を加えた後に、二酸化炭素を1.96MPa になるまで加え、 130℃で重合を行った。重合終了後、重合溶液を塩酸酸性エタノールに再沈殿したところ、エタノール不溶部は得られなかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、化粧品分野、家庭品分野、化学品分野において有用な高重合度の脂肪族置換ポリカーボネートを容易に効率よく提供することができる。

Claims (1)

  1. 一般式(I)で表される希土類金属化合物及び還元性化合物の存在下、置換エポキシド(プロピレンオキシドを除く) と二酸化炭素を共重合するポリカーボネートの製法。
    Figure 0004064003
    〔式中、 M:Sc、Y 又はランタニドから選ばれる希土類元素を示す。
    L1,L2,L3:同一又は異なって、酸素結合性の配位子を示す。〕
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