JP4060781B2 - シリケート化合物の変性方法 - Google Patents
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Description
しかし、シリケート化合物の分子量を調整するための、水を用いて行う加水分解縮合度制御は困難であり、その再現性に乏しいか、得られた縮合物の安定性に問題があることがわかっている。そのため、実際に市販されているシリケート化合物は数種類しか存在しない。
また、触媒は特に用いる必要がないが用いる場合には、エステル交換反応触媒として知られている酸または塩基を用いることができる。酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸などのブレンステッド酸や有機スズ化合物などのルイス酸が挙げられる。また塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0] ウンデセン−7などの3級アミンなどを使用することができる。
シリケート化合物の構造決定
テトラメトキシシランの縮合体であるMKCシリケート51(三菱化学社製、SiO2濃度51%)について、ポリスチレンを標準物質、クロロホルムを溶出液としたGPCによってチャートを得た。なお、重量平均分子量は661であった。このチャートにおける最大ピークに起因するものの縮合度を解析し、5と決定した。MKCシリケート51を下記の構造式(II)とした場合、計算SiO2濃度は52.1%となる。カタログ記載値のSiO2濃度51%との差異は1.1%であり、この構造式を用いても問題はないと判断した。
加熱装置、還流冷却器、脱水装置及び攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、先のMKCシリケート51を864部加え、さらにジオールとしてエチレングリコール46.6部をシリケート化合物の攪拌下10分で添加した。MKCシリケート51の構造を下記の式(II)と先に決定していることから、このエチレングリコールの量は原料シリケート化合物に対して0.5モル倍量に相当する。
実施例1において、MKCシリケート51 864部に代えて、MKCシリケート56 774.2部を用いること、およびエチレングリコールの量を46.6部から21.7部に変更する以外は同様にして反応を行った。MKCシリケート56の構造を下記の式(III)と先に決定していることから、このエチレングリコールの量は原料シリケート化合物に対して0.5モル倍量に相当する。反応混合物として得られた変性シリケートの量は734.8部であり、その重量平均分子量は2880であった。また、配合から計算される変性シリケートのSiO2濃度は54.3%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は100%であった。
実施例2において、エチレングリコールの添加とともに、エタノールとメタノールとの質量比が89/11である工業用アルコール90.4部を加えた。80℃で2時間加熱を行った後、系の温度を120℃まで上昇させ、エステル交換反応によって生成するメタノールを除きながら3時間反応を行った。メタノールの留出がおさまったことを確認して反応を終了し、変性シリケート758.1部を反応混合物として得た。また、変性シリケートのNMRを測定したところ、メトキシシリル基/エトキシシリル基の比率は90/10であった。配合およびメトキシシリル基/エトキシシリル基の比率から計算される変性シリケートのSiO2濃度は52.9%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は98%であった。また、GPCによる分子量測定では、得られた変性シリケートの重量平均分子量は2517であった。
実施例3と同様の手順で反応を行った後、エチレングリコールのメチルエチルケトン10%質量溶液108.6部を加え、120℃で1時間加熱を行った。その後さらに、エチレングリコールのメチルエチルケトン10%質量溶液54.3部を加えて、120℃で1時間加熱を行い、変性シリケート744.4部を得た。変性シリケートのNMRを測定したところ、メトキシシリル基/エトキシシリル基の比率は90/10であった。配合およびメトキシシリル基/エトキシシリル基の比率からから計算される変性シリケートのSiO2濃度は53%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は98%であった。また、GPCによる分子量測定では、得られた変性シリケートの重量平均分子量は11654であった。
実施例3において、エチレングリコールの代わりにペンタンジオール36.5部を用いること以外は同様にして変性シリケートを得た。
実施例3において、原料シリケート化合物として、MKCシリケート51 206.5部とMKCシリケート56 367.5部との混合物を用いた以外は同様にして、変性シリケートを得た。
実施例3において、エチレングリコールの量を26.0部に増量した以外は同様にして変性シリケートを得た。これらの結果を表1にまとめて示した。
加熱装置、還流冷却器、脱水装置及び攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、MKCシリケート56を774.2部加え、さらに蒸留水4.2部および35%塩酸4.2部を攪拌下10分で添加した。系の温度を150℃に上昇させ、脱水縮合反応によって生成するメタノールを除きながら3時間反応を行った。得られた変性シリケートの重量平均分子量は3851であった。
得られた変性シリケートを60℃の環境に保ち、7日経過した後の様子を以下の基準で目視観察した結果を示した。
○:変化なし
×:ゲル化または明らかに粘度の増加が確認される
各実施例および比較例1について、再度、反応を行い、先に得られた変性シリケートと同じものが得られるかどうかを検討した。
○:同じものが得られた
×:同じものが得られなかった
上記の結果を以下の表1にまとめて示した。
デュフロンK300艶消しブラック(日本ペイント社製の熱硬化型フッ素樹脂塗料)に対して、樹脂固形分の13.3%に相当する量の実施例4で得た変性シリケートを加えた。こうして得られた塗料をアルミ板上に乾燥膜厚30μmになるように塗布し、170℃で20分間加熱乾燥して硬化膜を得た。この硬化膜を蒸留水に24時間浸漬し、乾燥した後の水接触角を測定したところ、51度であった。なお、変性シリケートの代わりにMKCシリケート56を用いた場合の水接触角は78度であった。
Claims (14)
- 平均6個以上のSi原子に結合したアルコキシ基を有するシリケート化合物をジオールと反応させて反応混合物を得るシリケート化合物の変性方法において、
前記ジオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールであり、
前記反応混合物のSiO2濃度が、前記シリケート化合物のSiO2濃度の70%以上であることを特徴とするシリケート化合物の変性方法。 - メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、および3−メトキシ−1−プロパノールからなる群より選択される少なくとも1つのアルコールであって、前記Si原子に結合したアルコキシ基とは異なるアルコキシ基を有するアルコールを共存させた状態で前記シリケート化合物を前記ジオールと反応させる、請求項1記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記ジオールがエチレングリコールである、請求項1または2記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記Si原子に結合したアルコキシ基が、メトキシ基および/またはエトキシ基である請求項1〜3のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記Si原子に結合したアルコキシ基の一部が、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基、2−ブトキシエチルオキシ基、3−メトキシ−1−プロピルオキシ基に置換されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記ジオールの量が前記シリケート化合物の0.6モル倍量以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記ジオールとの反応が多段で行われ、1段目の反応で用いられるジオールの量が、前記シリケート化合物の0.6モル倍量以下である請求項1〜6のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記2段目以降の各段の反応で用いられるジオールの量が、直前の段の反応で用いられたジオールのそれぞれ0.6モル倍量以下である請求項7記載のシリケート化合物の変性方法。
- 前記多段反応に用いられるジオールの合計量が前記シリケート化合物の1モル倍量以下である請求項7または8記載のシリケート化合物の変性方法。
- 請求項1〜9のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法により得られた変性シリケート。
- ジオールが有する2つの水酸基からそれぞれ水素原子を除いたジオールユニットの両末端の酸素原子に、テトラアルコキシシランの縮合物からアルコキシ基を1つ除いたシリケートユニットがそれぞれ結合した構造を有する化合物からなる変性シリケートであって、
前記ジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールである、変性シリケート。
- 前記シリケートユニットの少なくとも1つは、別の前記ジオールユニットを介して別の前記シリケートユニットが結合している請求項11記載の変性シリケート。
- 請求項10〜12のいずれか1つに記載の変性シリケートを含む塗料組成物。
- フッ素樹脂をバインダー成分として含む請求項13記載の塗料組成物。
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