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JP4060781B2 - シリケート化合物の変性方法 - Google Patents

シリケート化合物の変性方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリケート化合物の変性方法およびそれによって得られた変性シリケートに関する。
テトラアルコキシシランの縮合物であるシリケート化合物は、塗料に添加することにより、塗膜形成時に表面に移行して加水分解することで、塗膜表面を親水化することが知られている。シリケート化合物の表面への移行性には分子量が影響し、分子量が大きくなると塗料のバインダー成分との相溶性が低下して、表面への移行性が増加することが知られている。シリケート化合物の分子量が調整できれば、疎水性の高いフッ素樹脂などの特殊なバインダーを含む塗料に対して、優れた表面への移行性を確保できることが期待される。
しかし、シリケート化合物の分子量を調整するための、水を用いて行う加水分解縮合度制御は困難であり、その再現性に乏しいか、得られた縮合物の安定性に問題があることがわかっている。そのため、実際に市販されているシリケート化合物は数種類しか存在しない。
一方、水性塗料との相溶性に優れたシリケート化合物として、少なくとも1個のポリオキシアルキレン基及びアルコキシ基を有するアルコキシシランの変性縮合物およびその製造方法について開示されている(例えば特許文献1参照)。しかし、この製造方法では、シリケート化合物の分子量を調整することはできない。
国際公開第99/05228号パンフレット(第4頁〜第7頁)
本発明は、再現性があって、得られた縮合物の安定性に問題がない、シリケート化合物の分子量を調節する方法を提供することを目的とするものである。
本発明のシリケート化合物の変性方法は、平均6個以上のSi原子に結合したアルコキシ基を有するシリケート化合物をジオールと反応させて反応混合物を得るシリケート化合物の変性方法において、上記ジオールの分子量が160以下であり、上記反応混合物のSiO2濃度が、前記シリケート化合物のSiO2濃度の70%以上であることを特徴としている。ここで、上記Si原子に結合したアルコキシ基は、メトキシ基および/またはエトキシ基であってよいし、その一部が、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基、2−ブトキシエチルオキシ基、3−メトキシ−1−プロピルオキシ基に置換されていてもよい。また、上記シリケート化合物の計算分子量は、258〜3500であってよい。さらに、上記ジオールとの反応の際に、上記Si原子に結合したアルコキシ基とは異なるアルコキシ基を有する1価のアルコールを共存させることができ、上記1価のアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、3−メトキシ−1−プロパノールから選ぶことができる。また、上記ジオールの量は上記シリケート化合物の0.6モル倍量以下であってよく、上記反応混合物の重量平均分子量は、1000〜20000であってよい。
また、本発明のシリケート化合物の変性方法では、上記ジオールとの反応が多段で行われ、1段目の反応で用いられるジオールの量が、前記シリケート化合物の0.6モル倍量以下であってよく、上記2段目以降の各段の反応で用いられるジオールの量が、直前の段の反応で用いられたジオールのそれぞれ0.6モル倍量以下であってよい。さらに、上記多段反応に用いられるジオールの合計量は上記シリケート化合物の1モル倍量以下であってよく、上記反応混合物の重量平均分子量は、2400〜50000であってよい。
本発明の変性シリケートは、先のシリケート化合物の変性方法により得られたものである。また、本発明の変性シリケートは、分子量160以下のジオールが有する2つの水酸基からそれぞれ水素原子を除いたジオールユニットの両末端の酸素原子に、テトラアルコキシシランの縮合物からアルコキシ基を1つ除いたシリケートユニットがそれぞれ結合した構造を有する化合物からなるものである。ここで、上記シリケートユニットの少なくとも1つは、別の上記ジオールユニットを介して別の上記シリケートユニットが結合していてもよく、重量平均分子量が1000〜50000であってよい。
本発明の塗料組成物は、先の変性シリケートを含むものであり、フッ素樹脂をバインダー成分として含まれるものである。ここで、上記フッ素樹脂のフッ素含有率が15%以上であるものが好ましい。
本発明のシリケート化合物の変性方法は、再現性があり、得られた縮合物が安定である。また、得られる変性シリケートのSiO2濃度を大きく低下させることがないため、実質的にシリケート化合物の分子量を増加させることができる。
これは、シリケート化合物とジオールとの反応において、ジオールの分子量や使用量を規定することにより、ジオール1分子に対してシリケート化合物2分子を効率的に反応させることができているためであると考えられる。本発明のシリケート化合物の変性方法は、これまでの水を用いたテトラアルコキシシランの加水分解縮合反応に比べて、その反応制御を容易に行うことができる。
本発明のシリケート化合物の変性方法を利用する場合に、特に原料として用いるシリケート化合物や用いるジオールの量および添加方法を選択することにより、種々の塗料の性質に適応した分子量とアルコキシ基濃度とを有するシリケート化合物を自由に設計することができる。
本発明のシリケート化合物の変性方法は、シリケート化合物をジオールと反応させて反応混合物を得るものである。
本発明で原料として用いられるシリケート化合物は、Si原子に結合したアルコキシ基を平均6個以上有している。上記アルコキシ基のアルキル部分の炭素数は6以下であることが加水分解反応性の点から好ましく、アルコキシ基がメトキシ基および/またはエトキシ基であることがさらに好ましい。また、上記シリケート化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
上記原料シリケート化合物は、テトラアルコキシシランの縮合体であることが好ましい。上記テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラヘキシルオキシシランなどを挙げることができる。上で好ましいアルコキシ基を説明したように、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが特に好ましい。テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランの縮合物は、それぞれ、三菱化学からMKCシリケートシリーズとして、およびコルコート社からエチルシリケートシリーズとして市販されている。なお、メトキシシリル基とエトキシシリル基とを有する原料シリケート化合物は、テトラメトキシシランとテトラエトキシシランとを同時に用いて縮合を行うか、テトラメトキシシランの縮合物のメトキシ基をエタノールで一部置換することにより得ることができる。
また、上記原料シリケート化合物のアルコキシ基の一部は、ベンジルオキシ基、2−ブトキシエチルオキシ基、3−メトキシ−1−プロピルオキシ基に置換されていてもよい。この場合の置換率は、上記シリケート化合物が有するアルコキシ基の50%以下であることが好ましい。
テトラアルコキシシランの縮合体としてのシリケート化合物は、縮合度、分岐や架橋の有無など、種々の構造を有するものの混合物であるため、シリケート化合物としての構造を明確に特定することは難しい。このため、市販されているシリケート化合物について得られる情報は、通常、アルコキシ基の種類とSiO2濃度としかない。一方、このシリケート化合物は、当業者であれば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いることによりその重量平均分子量を求めることができる。ここで、GPC測定により得られるチャートには複数のピークが存在する。これら複数のピークは保持時間の増加に連れ、その高さが段々に大きくなるが、あるところで最大値を示し、それ以降は小さくなっていく。ピークはほぼ等間隔で存在し、その高さの増加および減少の割合も最大ピークを中心とした前後でほぼ同じであることから、ピークの保持時間の差は縮合度の違いによるものと思われる。当業者であれば、必要に応じて既知化合物のチャートとの比較を行うことなどにより、それぞれのピークに相当する縮合度を推定することができる。
そこで本明細書では、原料シリケート化合物の構造を、分岐や架橋のない直鎖状の縮合体である、下記式(I)に示された構造を有するものとして扱う。さらに、この式(I)のnの値は、GPC測定で得られるチャートにおいて、最大ピークに起因するものの縮合度とする。なお、nの値は整数であっても、小数部を有するものであっても構わない。
(Rは、同一でも異なっていてもいい炭素数1〜6のアルキル基であって、その一部はベンジル基、2−ブトキシエチル基、3−メトキシ−1−プロピル基で置き換わっていてもよい。)
このように規定した構造式から計算されるSiO2濃度とカタログや500℃以上の高温で焼成することにより得られる既知のSiO2濃度とは、その差が10%以下であることが好ましい。10%を超えると、式(I)で示される化合物が原料シリケート化合物を代表したものであるということが難しい。なお、上記SiO2濃度は、シリケート化合物中のSi原子とそれに結合した酸素原子とがシリケート化合物に占める質量割合を意味する。また、Si原子に結合したアルコキシ基が複数種存在する場合には、核磁気共鳴(NMR)スペクトルを測定することにより、式(I)中のアルコキシ基の存在比率を求める。
このようにして決定された原料シリケート化合物の構造式から計算して得られる分子量をシリケート化合物の計算分子量と定義する。上記計算分子量は、258〜3500であることが好ましい。258未満のものを用いて変性を行ったものは、塗膜表面の親水化能が十分でなく、3500を上回ると、変性して得られるものの安定性に問題がある。より好ましい計算分子量は、500〜3000である。
本発明のシリケート化合物の変性方法では、原料シリケート化合物に対して、分子量160以下のジオールを反応させる。上記ジオールの分子量が160を上回ると、得られる変性シリケートにおける、Si原子に結合したアルコキシ基の濃度が低下する恐れがある。上記分子量160以下のジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどが挙げられる。これらの中で分子量が120以下のものがさらに好ましく、最も分子量の小さいジオールであるエチレングリコールが特に好ましい。
本発明のシリケート化合物の変性方法では、得られた反応混合物のSiO2濃度が、前記シリケート化合物のSiO2濃度の70%以上である。70%未満だと、アルコキシ基の濃度が著しく低下するため、塗膜中で表面に移行した後に加水分解しても、塗膜に充分な親水性を与えることができない恐れがある。原料シリケート化合物のSiO2濃度は、先に決定した構造式から計算されるのと同様に、上記反応混合物のSiO2濃度は、配合から計算することによって求められる。具体的には、反応に用いたジオールの水酸基と原料シリケート化合物のSi原子に結合したアルコキシ基との反応率を95%として、原料シリケート化合物および反応試剤であるジオールの量から計算される。
本発明のシリケート化合物の変性方法では、基本的に得られた反応混合物がそのまま変性シリケートとして利用される。そのため、反応に用いられるジオールの量が反応混合物のSiO2濃度を事実上決定することになる。よって反応に用いられる上記ジオールの量は、SiO2濃度が上記規定を下回らないように設定されなくてはならない。
本発明のシリケート化合物の変性方法では、上記ジオールを何回かに分けて加える方法により、反応を多段で行うことができる。このとき、1段目の反応で用いられるジオールの量は、上記原料シリケート化合物の0.6モル倍量以下であることが好ましい。0.6モル倍量を上回ると、反応混合物がゲル化する恐れがある。このことは反応を1段しか行わない場合にも適用される。また、同様にして、2段目以降の各段の反応で用いられるジオールの量は、その直前の段の反応で用いられたジオールの0.6モル倍量以下にそれぞれ設定される。なお、ここで基準となる原料シリケート化合物は、先に説明したように直鎖状の縮合体構造のものとして扱われ、その分子量が用いられているため、決定構造と実際の構造との差異による誤差が発生する可能性を含んでいる。しかし、その誤差は配合設計に大きな変更を余儀なくさせる程度のものではなく、ゲル化を起こさず目的とする反応混合物を得るために、上記0.6モル倍量を1つの基準として配合量の微調整を行うことは、当業者であれば容易である。
本発明のシリケート化合物の変性方法における反応は、当業者によく知られた通常のエステル交換方法に準じて行うことができる。この反応において、溶剤は特に使用しなくてもいいが、用いる場合には、反応物の合計重量に対して10倍以下であることが好ましい。溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルカーボネート、アセトニトリルなどが挙げられる。また、メタノールやエタノールなど、変性に用いるシリケートが有するアルコキシ基に相当するアルコールを溶剤として使用することも可能である
また、触媒は特に用いる必要がないが用いる場合には、エステル交換反応触媒として知られている酸または塩基を用いることができる。酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸などのブレンステッド酸や有機スズ化合物などのルイス酸が挙げられる。また塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0] ウンデセン−7などの3級アミンなどを使用することができる。
反応温度は、触媒を使用しない場合、70〜160℃、好ましくは70〜150℃で、反応時間は約1時間以上とすることができる。
反応は、通常、エステル交換反応によるアルコールの留出が停止するまで行われる。この他、GPCや粘度を継続的に測定して、これらが変化しなくなった点で終了することも可能である。これらは、反応を多段で行う場合に、それぞれの段階ごとに適用される。
本発明のシリケート化合物の変性方法においては、ジオールとともに1価のアルコールを共存させて反応を行うことができる。この1価のアルコールは、上記原料シリケート化合物中のSi原子に結合したアルコキシ基とは異なるアルコキシ基を有するものである。このようなアルコールをジオールと共存させることにより、ジオールとの反応と同時に、上記原料シリケート化合物中のSi原子に結合したアルコキシ基を異なるアルコキシ基に置換することができる。
先に述べた、シリケート化合物が有するアルコキシ基として好ましいものからすると、上記1価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、3−メトキシ−1−プロパノールから選ばれることが好ましい。なお、このような1価のアルコールを共存させて反応を行う場合、反応混合物のSiO2濃度の計算において、1価のアルコールをジオールと同様の反応試剤として取り扱う必要がある。
このようにして、本発明のシリケート化合物の変性方法で得られた反応混合物が変性シリケートである。この変性シリケートは無色透明な液体で、上記原料シリケート化合物と上記ジオールとの反応物を主成分としており、若干量の上記シリケート化合物および上記ジオールといった原料成分を含んでいる可能性がある。上記原料シリケート化合物と上記ジオールとの反応物は、基本的にジオールの両末端に原料シリケート化合物が結合した構造を有しているものと考えられるが、単一の構造ではないと予想される。もともと、上記原料シリケート化合物自体が縮合度の異なる複数の縮合体を含む混合物であることから、上記変性シリケートは種々の構造を有する化合物からなる組成物であると見なすことができる。
上記変性シリケートの重量平均分子量は、原料シリケートの分子量、用いたジオールの量および反応段数により異なってくるが、1000〜50000であることが好ましい。反応が1段階の場合には、1000〜10000であることが好ましく、多段であるときには、2400〜50000であることが好ましい。多段の場合のさらに好ましい上限値は20000である。これらの値はGPCにより求めることができる。
上記変性シリケートは、分子量160以下のジオールが有する2つの水酸基からそれぞれ水素原子を除いたジオールユニットの両末端の酸素原子に、テトラアルコキシシランの縮合物からアルコキシ基を1つ除いたシリケートユニットがそれぞれ結合した構造を有する化合物からなる。ここで、シリケートユニットの少なくとも1つは、別の上記ジオールユニットを介して別の上記シリケートユニットが結合していてもよい。
上記構造は、以下のようにして推定される。すなわち、平均6個以上のSi原子に結合したアルコキシ基を有するシリケート化合物がテトラアルコキシシラン縮合物である場合、ジオールが有する2つの水酸基が2分子のテトラアルコキシシラン縮合物のアルコキシ基1個とそれぞれエステル交換反応を起こした結果、ジオールの両末端にテトラアルコキシシラン縮合物がそれぞれ結合した反応物が得られる。特に系内においてジオール1モルに対するテトラアルコキシシラン縮合物の存在量が2モルである場合、この構造を有する反応物が優先的に生成すると考えられる。しかし、この構造を有する反応物がさらにジオールと反応することを完全に制御することは困難である。
さらに、多段で反応を行う場合には、上記構造を有する反応物にジオールを反応させることとなる。この場合、すでにジオールがエステル交換により結合しているテトラアルコキシシラン縮合物のアルコキシ基と、別のジオールが有する1個の水酸基との反応が進行することとなる。上記反応条件下では、水酸基がそのまま残存する可能性が少ないため、もう1個の水酸基は、別の、ジオールがエステル交換によりすでに結合しているテトラアルコキシシラン縮合物のアルコキシ基との反応が起こるものと思われる。その結果として、いくつかのテトラアルコキシシラン縮合物がジオールでつながった構造を有する化合物が得られる。ただし、化合物が分子中にいくつのテトラアルコキシシラン縮合物、すなわち、シリケートユニットを何個有しているかは、平均分子量から求められる平均値としてでしか求めることはできない。ただ、上記変性シリケートを構成する主成分は、いずれもテトラアルコキシシラン縮合物がジオールでつながった構造を有するものである。なお、上記テトラアルコキシシラン縮合物のアルコキシ基の一部は、テトラアルコキシシランのアルコキシ基と異なるアルコキシ基に置換されていてもよい。これらの具体例は、先に述べたものと同じである。
本発明の変性シリケートは、塗料に低汚染性を付与する添加剤として使用することができる。適用される塗料は特に限定されないが、疎水性の高い樹脂であるフッ素樹脂がバインダー成分として用いられている塗料が好ましい。なお、バインダー成分は硬化剤を含みうる。
本発明の変性シリケートを塗料に添加する場合の配合割合は、塗料固形分100質量部に対し、0.1〜50質量部、好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは3〜20重量部である。変性シリケートの配合割合が少なすぎると、得られる塗膜の耐汚染性が不十分となり、逆に配合割合が多くなりすぎると、塗膜の光沢や塗り重ね付着性が低下する恐れがある。
本発明の変性シリケートは、上記バインダー成分に加え、必要に応じて着色顔料や体質顔料などの顔料成分、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤などの各種添加剤成分を当業者に知られた方法により混合することにより、塗料を得ることができる。得られた塗料は刷毛、スプレー、ローラー、コーターなどの通常の方法により、種々の基材に対して塗布された後、所定の加熱条件で硬化させることにより、約5〜200μmの膜厚の塗膜を得ることができる。このようにして得られる塗膜は、その表面の水接触角が通常のものより低くなるために耐汚染性に優れ、特に屋外で使用されるアルミ建材などの基材上に形成されて用いられることが好ましい。
実施例における「部」および「%」は特に断らない限り、質量基準である。
シリケート化合物の構造決定
テトラメトキシシランの縮合体であるMKCシリケート51(三菱化学社製、SiO2濃度51%)について、ポリスチレンを標準物質、クロロホルムを溶出液としたGPCによってチャートを得た。なお、重量平均分子量は661であった。このチャートにおける最大ピークに起因するものの縮合度を解析し、5と決定した。MKCシリケート51を下記の構造式(II)とした場合、計算SiO2濃度は52.1%となる。カタログ記載値のSiO2濃度51%との差異は1.1%であり、この構造式を用いても問題はないと判断した。
一方、テトラメトキシシランの縮合体であるMKCシリケート56(三菱化学社製、SiO2濃度56%)について、上記と同様の検討を行った。その結果、最大ピークに起因するものの縮合度を10と決定した。MKCシリケート56を下記の構造式(III)とした場合、計算SiO2濃度は54.2%となる。カタログ記載値のSiO2濃度56%との差異は1.8%であり、この構造式を用いても問題はないと判断した。なお、GPCによる重量平均分子量は1212であった。
実施例1
加熱装置、還流冷却器、脱水装置及び攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、先のMKCシリケート51を864部加え、さらにジオールとしてエチレングリコール46.6部をシリケート化合物の攪拌下10分で添加した。MKCシリケート51の構造を下記の式(II)と先に決定していることから、このエチレングリコールの量は原料シリケート化合物に対して0.5モル倍量に相当する。
系の温度を120℃に上昇させ、エステル交換反応によって生成するメタノールを除きながら3時間反応を行った。メタノールの留出がおさまったことを確認して反応を終了し、変性シリケート820.8部を反応混合物として得た。配合から計算される変性シリケートのSiO2濃度は52.2%であり、原料シリケートの計算SiO2濃度52.1%に対する割合は100%であった。なお、得られた変性シリケートの重量平均分子量は1076であった。
実施例2
実施例1において、MKCシリケート51 864部に代えて、MKCシリケート56 774.2部を用いること、およびエチレングリコールの量を46.6部から21.7部に変更する以外は同様にして反応を行った。MKCシリケート56の構造を下記の式(III)と先に決定していることから、このエチレングリコールの量は原料シリケート化合物に対して0.5モル倍量に相当する。反応混合物として得られた変性シリケートの量は734.8部であり、その重量平均分子量は2880であった。また、配合から計算される変性シリケートのSiO2濃度は54.3%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は100%であった。
実施例3
実施例2において、エチレングリコールの添加とともに、エタノールとメタノールとの質量比が89/11である工業用アルコール90.4部を加えた。80℃で2時間加熱を行った後、系の温度を120℃まで上昇させ、エステル交換反応によって生成するメタノールを除きながら3時間反応を行った。メタノールの留出がおさまったことを確認して反応を終了し、変性シリケート758.1部を反応混合物として得た。また、変性シリケートのNMRを測定したところ、メトキシシリル基/エトキシシリル基の比率は90/10であった。配合およびメトキシシリル基/エトキシシリル基の比率から計算される変性シリケートのSiO2濃度は52.9%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は98%であった。また、GPCによる分子量測定では、得られた変性シリケートの重量平均分子量は2517であった。
実施例4
実施例3と同様の手順で反応を行った後、エチレングリコールのメチルエチルケトン10%質量溶液108.6部を加え、120℃で1時間加熱を行った。その後さらに、エチレングリコールのメチルエチルケトン10%質量溶液54.3部を加えて、120℃で1時間加熱を行い、変性シリケート744.4部を得た。変性シリケートのNMRを測定したところ、メトキシシリル基/エトキシシリル基の比率は90/10であった。配合およびメトキシシリル基/エトキシシリル基の比率からから計算される変性シリケートのSiO2濃度は53%であり、原料シリケート化合物の計算SiO2濃度54.3%に対する割合は98%であった。また、GPCによる分子量測定では、得られた変性シリケートの重量平均分子量は11654であった。
実施例5
実施例3において、エチレングリコールの代わりにペンタンジオール36.5部を用いること以外は同様にして変性シリケートを得た。
実施例6
実施例3において、原料シリケート化合物として、MKCシリケート51 206.5部とMKCシリケート56 367.5部との混合物を用いた以外は同様にして、変性シリケートを得た。
実施例7
実施例3において、エチレングリコールの量を26.0部に増量した以外は同様にして変性シリケートを得た。これらの結果を表1にまとめて示した。
比較例1
加熱装置、還流冷却器、脱水装置及び攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、MKCシリケート56を774.2部加え、さらに蒸留水4.2部および35%塩酸4.2部を攪拌下10分で添加した。系の温度を150℃に上昇させ、脱水縮合反応によって生成するメタノールを除きながら3時間反応を行った。得られた変性シリケートの重量平均分子量は3851であった。
<貯蔵安定性評価>
得られた変性シリケートを60℃の環境に保ち、7日経過した後の様子を以下の基準で目視観察した結果を示した。
○:変化なし
×:ゲル化または明らかに粘度の増加が確認される
<再現性評価>
各実施例および比較例1について、再度、反応を行い、先に得られた変性シリケートと同じものが得られるかどうかを検討した。
○:同じものが得られた
×:同じものが得られなかった
上記の結果を以下の表1にまとめて示した。
実施例8
デュフロンK300艶消しブラック(日本ペイント社製の熱硬化型フッ素樹脂塗料)に対して、樹脂固形分の13.3%に相当する量の実施例4で得た変性シリケートを加えた。こうして得られた塗料をアルミ板上に乾燥膜厚30μmになるように塗布し、170℃で20分間加熱乾燥して硬化膜を得た。この硬化膜を蒸留水に24時間浸漬し、乾燥した後の水接触角を測定したところ、51度であった。なお、変性シリケートの代わりにMKCシリケート56を用いた場合の水接触角は78度であった。
本発明のシリケート化合物の変性方法では、反応混合物として得られる変性シリケートの分子量が原料シリケートよりも大きくなっていることから、ジオールとの反応が進行していることが確認できた。また、本発明の変性シリケートは安定なものであり、変性方法についての再現性も確認された。これに対して、従来の水を用いた加水分解縮合では、反応が再現できず、得られたものの貯蔵安定性に欠けていた。また、実施例4で得られた変性シリケートは、フッ素塗料に添加した場合、従来のアルキルシリケートに比べて、塗膜表面を充分に親水化することができることがわかった。
本発明の変性方法によって得られる変性シリケートは、疎水性の高いフッ素樹脂を含む塗料に添加することによって、塗料に耐汚染性を付与することができる。

Claims (14)

  1. 平均6個以上のSi原子に結合したアルコキシ基を有するシリケート化合物をジオールと反応させて反応混合物を得るシリケート化合物の変性方法において、
    前記ジオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールであり、
    前記反応混合物のSiO2濃度が、前記シリケート化合物のSiO2濃度の70%以上であることを特徴とするシリケート化合物の変性方法。
  2. メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、および3−メトキシ−1−プロパノールからなる群より選択される少なくとも1つのアルコールであって、前記Si原子に結合したアルコキシ基とは異なるアルコキシ基を有するアルコールを共存させた状態で前記シリケート化合物を前記ジオールと反応させる、請求項1記載のシリケート化合物の変性方法。
  3. 前記ジオールがエチレングリコールである、請求項1または2記載のシリケート化合物の変性方法。
  4. 前記Si原子に結合したアルコキシ基が、メトキシ基および/またはエトキシ基である請求項1〜3のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
  5. 前記Si原子に結合したアルコキシ基の一部が、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基、2−ブトキシエチルオキシ基、3−メトキシ−1−プロピルオキシ基に置換されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
  6. 前記ジオールの量が前記シリケート化合物の0.6モル倍量以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
  7. 前記ジオールとの反応が多段で行われ、1段目の反応で用いられるジオールの量が、前記シリケート化合物の0.6モル倍量以下である請求項1〜6のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法。
  8. 前記2段目以降の各段の反応で用いられるジオールの量が、直前の段の反応で用いられたジオールのそれぞれ0.6モル倍量以下である請求項記載のシリケート化合物の変性方法。
  9. 前記多段反応に用いられるジオールの合計量が前記シリケート化合物の1モル倍量以下である請求項または記載のシリケート化合物の変性方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1つに記載のシリケート化合物の変性方法により得られた変性シリケート。
  11. オールが有する2つの水酸基からそれぞれ水素原子を除いたジオールユニットの両末端の酸素原子に、テトラアルコキシシランの縮合物からアルコキシ基を1つ除いたシリケートユニットがそれぞれ結合した構造を有する化合物からなる変性シリケートであって、
    前記ジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールである、変性シリケート
  12. 前記シリケートユニットの少なくとも1つは、別の前記ジオールユニットを介して別の前記シリケートユニットが結合している請求項11記載の変性シリケート。
  13. 請求項10〜12のいずれか1つに記載の変性シリケートを含む塗料組成物。
  14. フッ素樹脂をバインダー成分として含む請求項13記載の塗料組成物。
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