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JP4048000B2 - 印刷機のインキ仕切装置 - Google Patents

印刷機のインキ仕切装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、インキ出しを行うファウンテンローラと、このファウンテンローラに近接して配置され、前記ファウンテンローラとの間の隙間を調整することによって前記ファウンテンローラに供給するインキの量を調整するブレードとを有する印刷機に設けられるインキ仕切装置に関し、特に、前記ファウンテンローラのインキ供給領域の変更に応じて配置位置を変更することが可能なインキ仕切装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、新聞印刷用輪転機などのような印刷機では、その運転中に必要なインキを供給するためのインキ貯留部を備えている。このようなインキ貯留部の中には、印刷ロールの紙幅や印刷すべき範囲の変化に応じてその幅を変更することができるものがあり、例えば特公昭36−18722号公報や実公昭50−13123号公報、特開平6−328671号公報、特開平10−315438号公報などによって種々のものが提案されている。
【0003】
図4は、インキの貯留幅の変更が可能なインキ貯留部を有する印刷機のインキ供給部の斜視図である。
インキ供給部は、インキ出しを行うファウンテンローラ1と、インキ供給部の架台2上に設けられ、ファウンテンローラ1に図示しない先端を近接させて配置されたブレード3と、ファウンテンローラ1のインキ供給領域の両側に配置されたインキ仕切装置10とを有している。
【0004】
インキ仕切装置10は、ボルトや磁石などによってブレード3に着脱可能で、ファウンテンローラ1のインキ供給領域の幅の変化に応じて配置位置を変えることができるようになっている。
図に示す印刷機では、インキ仕切装置10とブレード3とファウンテンローラ1の外周面とからインキ貯留部Aが構成され、インキ4はファウンテンローラ1の前記外周面とブレード3とインキ仕切装置10とで囲まれた領域に貯留される。
【0005】
ファウンテンローラ1に供給されるインキ量の調整は、ブレード3の前記先端とファウンテンローラ1との間の隙間を調整することによって行われる。この隙間の調整は、図示しない駆動機構によって、ブレード3を架台2の上面に沿って、ファウンテンローラ1に対して進退移動させるもの(このような方式をキー方式という)としてもよいし、ブレード3の前記先端をファウンテンローラ1に対して回動させるもの(このような方式をアンダーショット方式という)としてもよい。
【0006】
ところで、インキ仕切装置10は、インキ4がインキ貯留部Aから漏れないようにするために、ファウンテンローラ1と接する側面及びブレード3と接する底面を液密(インキが漏れ出さない状態)に保つ必要がある。特に、ブレード3と接する底面については、ブレード3が移動しても液密性が保持されなければならない。
【0007】
液密性を保持させるために、インキ仕切装置10の前記側面及び底面に鉛などの軟質金属や樹脂、ゴム、フェルトからなるパッキンを形成することが従来から行われているが、軟質金属や樹脂からなるパッキンは、ファウンテンローラ1の外周面やブレード3の表面に密着させるために精密仕上げを行わなければならず、製作が面倒であるほか、異物の噛み込みや衝突などによって塑性変形しやすいという不都合がある。また、軟質金属や樹脂は弾性に乏しいため、前記キー方式のものには適用することができるものの、アンダーショット方式のものには使用できないという不都合もある。
【0008】
ゴムからなるパッキンは製作が容易で塑性変形もしにくく上記不都合がないものの、耐摩耗性の観点から一般に硬質のゴムが使用され、弾性が不十分でアンダーショット方式のものには不向きである。なお、実公昭50−34089号公報のインキ装置では、ゴムマグネットでパッキンを形成してアンダーショット方式のブレード3の回動にパッキンが追随できるようにしているが、マグネットによる吸着力が弱く、インキ4の撹拌などによってブレード3とパッキンとの間に隙間ができてインキ4が漏れ出しやすいという不都合がある。
【0009】
フェルト製のパッキンは弾性と耐摩耗性に優れ上記したような不都合はないが、その性質上インキが染み込みやすく、長期間使用するうちにパッキンに染み込んだインキ4がファウンテンローラ1のインキ供給領域外に付着したり、インキ4の色替えの際にパッキン4に染み込んだ異なる色のインキ4が染み出したりして印刷品質を劣化させることがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題点にかんがみてなされたもので、上記の諸問題を一挙に解決し、かつ、キー方式にもアンダーショット方式にも適したインキ仕切装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、インキ出しを行うファウンテンローラのインキ供給領域の両側に位置変更可能に配置され、前記ファウンテンローラの外周面に接する側面と、前記ファウンテンローラに近接して配置され前記ファウンテンローラとの間の隙間量を調整することによりインキの供給量の調整を行うブレードに接する底面とを有し、前記インキ供給領域内で前記ブレードとの間にインキを貯留するインキ仕切装置において、前記ブレードに接する前記底面のほぼ中央に全長にわたって溝(14)を形成し、この溝(14)に、前記ブレードに押し付けられることにより前記ブレードと前記底面の間の境界を液密に保つとともに、前記インキが染み込まない材料で形成され、かつ、供給するインキ量を調整するためのブレードの変位に追随して弾性変形するパッキンを嵌め込み、
前記側面の上部から前記底面にかけて平行な二つの溝(15)を、前記溝(14)と干渉しない状態で形成し、前記ファウンテンローラに押し付けられることにより前記ファウンテンローラと前記側面の間の境界を液密に保つとともに、前記インキが染み込まない材料で形成されたパッキンを嵌め込んだ構成としてある。
【0012】
前記パッキンには、請求項2に示すように、前記ブレードの変位に追随して前記パッキンが弾性変形できるように、弾性向上手段を設けるとよい。このような弾性向上手段としては、請求項3又は4に示すように、硬質ゴムの内部に形成した空洞又は多数の気孔であってもよいし、前記硬質ゴムの外側に形成したリップ部であってもよい。
【0013】
この構成によれば、フェルトのようにインキがパッキンに染み込むことがない。また、ブレードの変位に追随して弾性変形するようにしているので、ブレードが変位してもインキ仕切装置の側面とファウンテンローラとの間及びインキ仕切装置の底面とブレードとの間を常に液密に保つことができ、インキを撹拌等しても容易にパッキンがファウンテンローラの外周面やブレードの表面から離れるということがない。
さらに、硬質ゴムの内部に気孔や空洞を形成したり、外部にリップ部を形成したりするだけで容易に上記要件を備えたパッキンを製作することができるので、コストも低廉である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面にしたがって詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるインキ仕切装置の正面図、図2はこの実施形態のインキ仕切装置を図1の矢印IIの方向から見た側面図である。
なお、ファウンテンローラ1のインキ供給領域の両側に配置される2つのインキ仕切装置10は、その構成に変わりがないので、一方についてのみ説明し他方については詳細な説明は省略する。
【0015】
この実施形態におけるインキ供給装置は、ブレード3がファウンテンローラ1に対して回動することにより隙間を変化させるアンダーショット方式のものである。ブレード3は、架台2からファウンテンローラ1側に突出する自由端5を有していて、この自由端5がファウンテンローラ1の外周面よりもわずかに下方に位置するように形成される。図示しない駆動機構によって進退移動自在なロッド6の先端が自由端5に当接し、自由端5をファウンテンローラ1側に押し上げている。そして、前記駆動機構が駆動してロッド6が図1中矢印で示す方向に進退移動すると、この進退移動に連動して自由端5が変位し、ファウンテンローラ1との間の隙間を変化させる。
【0016】
インキ仕切装置10の本体11は全体として略三角形状に形成され、ファウンテンローラ1の外周面に合わせて円弧状に形成された側面12と、ブレード3及びこのブレード3を取り付ける架台2の底面2aの形状に合わせて段付き状に形成された底面13とを有する。
インキ貯留部Aの外側を向く本体11の正面には、インキ仕切装置10を架台2に着脱自在に取り付けるための磁力吸着装置20が、ボルト23によって取り付けられる。この磁力吸着装置20は、レバー22を回動させることで、内蔵された図示しない磁石を架台2の底面2aに向けて近づけたり遠ざけたりすることによって、磁力発生と磁力消去とを選択的に切り換えるようにしたもので、例えば、上記した特開平10−315438号公報にも記載されている公知のものである。
【0017】
底面13のほぼ中央には、底面13の全長にわたって溝14が形成され、この溝14に弾性を有するパッキン30が嵌め込まれる。パッキン30を形成する材料としては、液密性を有しインキが染み込まない材料であれば任意のものを選択することができる。また、側面12には、図2に示すように、溝14と干渉しない状態で、本体11の上部から底面13に達する平行な二つの溝15,15が形成され、この溝15,15に弾性を有するパッキン30が嵌め込まれる。
【0018】
パッキン30は、ファウンテンローラ1の回転によって容易に摩耗しない耐摩耗性及び耐油性に優れるNBR(ニトリル系)ゴムであるのが好ましい。
また、パッキン30は、インキ量を調整するためにブレード3が変位しても、それに追随して弾性変形し、かつ、ファウンテンローラ1の外周面やブレード3との密着状態を維持できるものである。例えば、新聞印刷用輪転機のインキ供給装置においては、ブレード3の変位量は0.6mm〜0.9mm程度であるので、この範囲内で弾性変形し液密状態を維持できるものであれば十分である。
【0019】
パッキン30は、その材質を適宜に選択して上記したような弾性を有するように形成してもよいが、ブレード3の変位に追随してパッキン30が容易に弾性変形できるように、弾性向上手段を設けるとよい。
このような弾性向上手段の例を図3に示す。図3(a)〜(c)は弾性向上手段の実施形態にかかり、図1のI−I方向断面を示す。
【0020】
図3(a)に示す例では、パッキン31は耐摩耗性に優れるゴム製のシール材31bと弾性に優れるゴム31aとから構成される。溝14,15の底側にはゴム31aが嵌め込まれ、その上にシール材31bが嵌め込まれる。インキ仕切装置10がファウンテンローラ1の外周面やブレード3に押し付けられると、主としてゴム31aが弾性変形し、ファウンテンローラ1の外周面やブレード3にシール材31bを押し付ける。ブレード3が隙間を拡げる方向に変位すると、ゴム31aに作用する外力が弱まり、その分ゴム31aがブレード3側に膨張するので、シール材31bはブレード3の変位に追随して常時ブレード3に押し付けられることになる。
なお、ゴム31aに限らず、弾性に優れるものであれば他の部材、例えばフェルトを用いてもよい。
【0021】
図3(b)に示す例では、ゴム製のパッキン32は、溝14(15)の底部に向けて延びるリップ部32aを有している。インキ仕切装置10がファウンテンローラ1の外周面やブレード3に押し付けられると、主としてリップ部32aが弾性変形して、ファウンテンローラ1の外周面やブレード3にパッキン32を押し付ける。ブレード3が変位すると、リップ部32aに作用する外力が弱まり、その分リップ部32aがパッキン32を押し戻すので、パッキン32はブレード3の変位に追随して常時ブレード3に押し付けられことになる。
【0022】
図3(c)に示す例では、ゴム製のパッキン33は、内部に多数の孔33aを有している。パッキン33を形成するゴム自体が硬質のものであっても、このような孔33aを内部に多数形成することによりパッキン33はスポンジ状になり、ブレード3の変位に追随するのに十分な弾性を有することができる。
【0023】
図3(d)に示す例では、上記の孔33aに代えて、パッキン34の内部中央に、パッキン34のほぼ全長にわたる空洞34aが形成されている。これによってもパッキン34は十分な弾性を有するようになる。
なお、図3(b)〜図3(d)に示す例では、リップ部32a、孔33a又は空洞34aに、弾性に優れるゴムなどの弾性材を充填してもよい。
【0024】
次に、上記構成のインキ仕切装置の作用を、図1〜図3を参照しながら説明する。
ファウンテンローラ1のインキ供給領域の幅に合わせて、インキ仕切装置10を前記インキ供給領域の両側に配置し、側面12をファウンテンローラ1の外周面に押し付けながら、磁力吸着装置20のレバー21を回して架台2の底面2aに固定する。磁力吸着装置20の吸着力及び前記押し付け力により、弾性を有するパッキン30が弾性変形してファウンテンローラ1、ブレード3及び底面2aと側面12及び底面13が液密状態にされる。この状態でインキ貯留部Aにインキ4(図4参照)を流し込む。
【0025】
ファウンテンローラ1に供給するインキ4の量を変化させるべく、図示しない駆動機構を駆動させてロッド6を進退移動させると、それにともなってブレード3の自由端5が上下に変位し、ファウンテンローラ1との間の隙間を変化させる。
この自由端5の変位によってブレード3の先端5と本体11の底面13との距離が変化するが、パッキン30がこれに追随して弾性変形するので、液密状態は維持される。
【0026】
本発明の好適な実施形態を説明してきたが、本発明は上記の実施形態になんら限定されるものではない。
例えば、本体11の側面12には二つの平行な溝15を形成し、底面13には単一の溝14を形成するものとして説明したが、これら溝14,15の数はインキ貯留部Aの大きさや本体11の大きさに応じて適宜に変更することができる。また、上記の説明ではアンダーショット方式のインキ供給装置を例に挙げて説明したが、本発明はキー方式、アンダーショット方式を問わず適用することが可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、パッキンの製作が容易でコストも低廉であり、かつ、インキが染み込むことによる印刷品質の低下も防止することができる。
また、本発明のインキ仕切装置はキー方式及びアンダーショット方式のどちらにも適用が可能で、キー方式のインキ供給装置を有する印刷機とアンダーショット方式のインキ供給装置を有する印刷機との間で同一のインキ仕切装置を共有させることが可能になる。
さらに、インキ仕切装置の本体の側面及び底面に溝を形成し、この溝にパッキンを嵌め込むだけで容易に組み付けることができるようになるので、たとえパッキンが摩耗等してもその交換をきわめて容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるインキ仕切装置の正面図である。
【図2】 この実施形態のインキ仕切装置を図1の矢印IIの方向から見た側面図である。
【図3】 図3(a)〜(c)は弾性向上手段の実施形態にかかり、図1のI−I方向断面を示す。
【図4】 インキの貯留幅の変更が可能なインキ貯留部を有する印刷機のインキ供給部の斜視図である。
【符号の説明】
1 ファウンテンローラ
2 架台
3 ブレード
4 インキ
5 先端
6 ロッド
10 インキ仕切装置
11 本体
12 側面
13 底面
14,15 溝
20 磁力吸着装置
22 レバー
30 パッキン
31〜34 パッキン
31a〜34a 弾性向上手段
A インキ貯留部

Claims (4)

  1. インキ出しを行うファウンテンローラのインキ供給領域の両側に位置変更可能に配置され、前記ファウンテンローラの外周面に接する側面と、前記ファウンテンローラに近接して配置され前記ファウンテンローラとの間の隙間量を調整することによりインキの供給量の調整を行うブレードに接する底面とを有し、前記インキ供給領域内で前記ブレードとの間にインキを貯留するインキ仕切装置において、
    前記ブレードに接する前記底面のほぼ中央に全長にわたって溝(14)を形成し、この溝(14)に、前記ブレードに押し付けられることにより前記ブレードと前記底面の間の境界を液密に保つとともに、前記インキが染み込まない材料で形成され、かつ、供給するインキ量を調整するためのブレードの変位に追随して弾性変形するパッキンを嵌め込み、
    前記側面の上部から前記底面にかけて平行な二つの溝(15)を、前記溝(14)と干渉しない状態で形成し、前記ファウンテンローラに押し付けられることにより前記ファウンテンローラと前記側面の間の境界を液密に保つとともに、前記インキが染み込まない材料で形成された弾性変形するパッキンを嵌め込んだことを特徴とする印刷機のインキ仕切装置。
  2. 前記パッキンには、前記ブレードの変位に追随して前記パッキンが弾性変形できるように、弾性向上手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印刷機のインキ仕切装置。
  3. 前記パッキンは、耐摩耗性を有する硬質ゴムの内部に空洞又は多数の気孔からなる前記弾性向上手段を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の印刷機のインキ仕切装置。
  4. 前記パッキンは、前記硬質ゴムの外側にリップ部を形成してなる弾性向上手段を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の印刷機のインキ仕切装置。
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