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JP3932761B2 - 有機金属錯体、それを用いた赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルター - Google Patents

有機金属錯体、それを用いた赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルター Download PDF

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JP3932761B2
JP3932761B2 JP2000071475A JP2000071475A JP3932761B2 JP 3932761 B2 JP3932761 B2 JP 3932761B2 JP 2000071475 A JP2000071475 A JP 2000071475A JP 2000071475 A JP2000071475 A JP 2000071475A JP 3932761 B2 JP3932761 B2 JP 3932761B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は近赤外光域で吸収を示す新規な有機金属錯体、有機金属錯体色素、これを用いた赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルターに関する。具体的には、赤外線吸収フィルター用色素、熱線遮断用色素、遮光フィルム用色素、光記録材料用色素、データーコード用色素、レーザープリンタ用色素、一重項酸素クエンチャー、退色防止剤などに用いることができる赤外線吸収色素材料に関する。また、これらの色素を含む赤外線吸収フィルターに関し、近赤外線吸収性能、熱線吸収能、可視光線透過性能、耐光性に優れていることにより、赤外線を遮蔽するフィルター、具体的には、デジカメ用赤外線フィルター、プラズマディスプレイパネル等、画像表示装置のフィルターなどに好適に使用することができる赤外線吸収フィルターである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、近赤外線吸収剤を含有した樹脂からなるプラスチック性近赤外線吸フィルターは、よく知られているものである。その用途としては、サングラス、溶接用眼鏡、ビルや自動車、飛行機の窓、あるいは情報読み取りのための光学読み取り装置等が挙げられる。
【0003】
また、最近では、大型薄型の壁掛けテレビとして注目されているプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)が、近赤外線を発生して、コードレスホン、近赤外線リモコンを使うビデオデッキ等、周辺にある電子機器に作用し誤動作を起こすことから、PDP用フィルターとしても近赤外線を吸収する赤外吸収フィルターの要求やデジカメ用赤外線フィルターの要求がある。
【0004】
この要求に対し、特公平2−4881号公報においては、ベンゼンジチオール系金属錯体を配合した熱可塑性樹脂からなる光学フィルターが提案されている。また、特公平6−38125号公報においては、アントラキノン化合物あるいは、中心に金属原子を配位するナフタロシアニン系化合物のうちの少なくとも一種を含有する近赤外線吸収フィルムあるいは板が提案されている。特開平4−174402号公報においては、アルミニウム化合物を含有する合成樹脂組成物を更に重合、硬化させた赤外線吸収フィルターが提案されている。さらに、近年、プラズマディスプレー用フィルターとして、特開平9−230134においてはジチオール系金属錯体を特開平10−78509において、フタロシアニン色素を含有するプラズマディスプレー用フィルターが提案されている。
【0005】
また、特開昭63−112592号公報には、アミノチオフェノレート系金属錯体色素が開示されており、その用途として赤外線吸収フィルター用色素の記載がある。 さらに、近年、アミノチオフェノレート系金属錯体として、久司らにより、Bull.Chem.Soc.Jpn.,70(7)(1997)1599-1606に、N原子とN原子が炭素を介してつながったタイプの配位子を有する金属錯体を報告している。
【0006】
これらのアミノチオフェノレート系金属錯体色素は、可視領域の吸収が小さく透過率が高いことが知られているが、耐光性においては、フタロシアニン系に劣っており、実用的に十分でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、近赤外光域に大きな吸収を有し、化学的に安定で、近赤外線吸収性能、熱線吸収能、可視光線透過性能および耐光性に優れ、成膜性のよい
赤外線吸収色素材料、およびこれを用いた赤外線吸収フィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、アミノチオフェノレート系金属錯体色素において、金属に配位している窒素原子どおしを炭素鎖でつなぐことにより耐光性の低下の原因となるN−H部位をなくしたことにより安定化し、耐光性の向上が期待され、近赤外線吸収性能、熱線吸収能、可視光線透過性能および耐光性に優れる赤外線吸収フィルター提供することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)
【0009】
【化3】
Figure 0003932761
【0010】
(Xは、SまたはSeを表し、Mは、金属元素を表す。環A及び環Bは、各々独立に、ベンゼン環以外の任意の芳香族環を表し、さらに芳香族環は任意の置換基により置換されていてもよい。R1 〜R8は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基またはシアノ基を表す。)で表されることを特徴とする有機金属錯体、及び有機金属錯体からなる赤外線吸収色素に存する。
【0011】
また、本発明はこの有機金属錯体を用いた赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルターにも関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、Prはプロピル基を、Hexはヘキシル基を、Phはフェニル基を表し、i−はイソをn−は直鎖、t−はターシャリー、c−はシクロ(環状)を表す。
【0013】
本発明の金属有機錯体は前記一般式(1)で表される化合物である。つまり、アミノチオフェノレート系等の錯体において、ベンゼン環以外の芳香族環を有しているのがその特徴である。
環A及び環Bは、各々独立にベンゼン環以外の任意の芳香族環であり、さらに芳香族環上に任意の置換基を有していても良い。このような芳香族環としては、炭化水素芳香族の多環式化合物や、炭素以外の異項原子を有する複素環系の単環式化合物または縮合環のいずれでもよい。
【0014】
このような芳香族炭化水素の縮合環としては、5〜7員環の2〜4個の縮合環、具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、アズレン、インデン等が挙げられる。
また複素環としては、5〜6員環の単環式複素環や、5〜6員環の縮合系複素環が好ましく、異項原子として窒素、酸素、硫黄を含む5〜6員環が好ましい。具体的には、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ピラン、チオピラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキザソール、チアゾール、オキザジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、プリン、ピロロピロール等が挙げられる。縮合系複素環としては、ベンゼン環1〜3個と異項原子として窒素、酸素、硫黄を含む5〜6員環の複素環の縮合環が好ましく、具体的には、ベンゾフラン、ベンゾジオキシラン、ベンゾジオキソール、インドール、チオナフテン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキザゾール、キノリン、イソキノリン、シノリン、キノキサジン、アクリジン、ジベンゾフラン、キサンテンカルバゾール、フェナントロリン、ベンゾシノリン、フェノチアジン、フェノキサジン等が挙げられる。
【0015】
これらの中でも、有機金属錯体の安定性の点から環Aまたは環Bがナフタレン環であるのが好ましく、また、複素環の中では、チオフェン、チオナフテン、ベンゾフラン、ベンゾジオキシラン等が好ましい。中でも、環A、環Bともにナフタレン環である場合が、その錯体としての安定性の点で最も好ましい。
そして、一般式(1)が、特に下記一般式(2)または(3)である場合、最も優れた安定性を示す赤外線吸収色素が得られる。
【0016】
【化4】
Figure 0003932761
【0017】
上記一般式(2)、(3)中、Xは、SまたはSeを表し、好ましくはSが用いられる。Mは、金属元素、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表し、好ましくはNi、Pd、Pt、Co、Fe、Ti、Sn、 またはCu、さらに好ましくはNi,Pt、Pd、Coが用いられ、Niである場合が、好ましい。
中でも、XがSであり、MがNiである場合、性能的にも優れ、かつ経済的にも有利であることから好ましい。さらに、有機金属錯体が左右対称の化合物である場合が合成上の容易さ、安定性の面から好ましい。
【0018】
1 〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基またはシアノ基を表わし、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基またはシアン基を表し、さらに好ましくは、水素原子;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などの炭素数1〜5のアルキル基;アリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜12のアリールオキシ基;ニトロ基;塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などの置換アミノ基;またはシアノ基が挙げられ、特に好ましくは、水素原子が用いられる。
【0019】
1〜X28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。具体的には、水素原子及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜12のアリールオキシ基、ニトロ基,シアノ基,メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などの炭素数1〜5のアルキル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等の置換アルキル基、アリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアラキル基が挙げられ、好ましくは、水素原子及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ニトロ基、シアノ基等の電子吸引性基が挙げらる。
【0020】
本発明の有機金属錯体としては、次のような化合物が挙げられる。
【0021】
【化5】
Figure 0003932761
【0022】
【化6】
Figure 0003932761
【0023】
【化7】
Figure 0003932761
【0024】
【化8】
Figure 0003932761
【0025】
【化9】
Figure 0003932761
【0026】
本発明に用いられる有機金属錯体は、環A、環Bがナフタレン環であり、かつXかRである場合、一般式(2)の有機金属錯体は、例えば次のようにして製造するすることができる。
【0027】
【化10】
Figure 0003932761
【0028】
すなわち、O-アミノベンゼンチオール類に、ナフチルアルデヒドを作用させ、ベンゾチアゾリンを合成し、それに錯体ソースを反応させイミノ錯体を合成する。その後、イミノ錯体を溶媒中で加熱することにより、容易に一般式(2)で表される化合物が合成できる。(式中、R1 〜R8およびX1〜X14は、一般式(2)における定義と同じである。)
一般式(3)の有機金属錯体も同様にして合成できる。
この反応で用いる錯体ソースの具体例としては、NiCl2 、NiCl2 ・6H2 O、Ni(OCOCH32 、Ni(OCOCH32 ・4H2 O、NiSO4 、PdCl2 、PdSO4 、PtCl4 、Na2 PtCl6 ・6H2 O、K2 PtCl6 ・6H2 O、CoCl2 、Co(OCOCH32 、Co(OCOCH32 ・4H2 O、CoSO4 、FeCl3 、FeSO4 、Fe2 (SO43 、TiCl3 、TiCl4 、Ti(SO42 、Sn(OCOCH32 、Sn(OCOCH34 、Sn(OMe)4 、Sn(OEt)4 、SnCl2 、SnCl2 ・2H2 O、SnCl4 、SnSO4 、Ti(OMe)4 、Ti(OEt)4 、CuCl2 、Cu(OCOCH32 、CuSO4 、CuSO4 ・4H2 O等が挙げられる。
上記の反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(以下「THF」という)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラクロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、スクアラン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、アセトニトリル、プロパンニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、エナント酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル類が用いられる。これらの溶媒の中で、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒が好ましい。
【0029】
また、反応温度は、室温もしくは、0℃〜150℃で円滑に実施できる。
このようにして得られる本発明に用いる有機金属錯体は、近赤外領域に強い吸収を示し、通常ブルーの色調を示す。
本発明の有機金属錯体は、種々の機能性色素、具体的には、赤外線吸収フィルター用色素、熱線遮断用色素、遮光フィルム用色素、光記録材料用色素、データーコード用色素、レーザープリンタ用色素、一重項酸素クエンチャー、退色防止剤などとして使用できる。
【0030】
次に、本発明の赤外線吸収フィルターの製造方法について説明する。
本発明の赤外線吸収フィルターの製造方法としては、透明基板に有機金属錯体を含む塗工液をコーティングする方法、有機金属錯体を配合したフィルムなどを透明基板として用いる方法などが挙られる。
本発明の赤外線吸収フィルターを構成する透明基板としては、実質的に透明であって、吸収、散乱が大きくない基板であればよく、特に制限はない。その具体的な例としては、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等が挙げられる。これらの中では、特に非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂が好ましい。
【0031】
これらの樹脂は、フェノール系、燐系などの酸化防止剤、ハロゲン系、燐酸系等の難燃剤、耐熱老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を配合していもよい。
透明基板は、これらの樹脂を射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶解させてキャスティングする方法などの成形方法により、フィルム状に成形して用いる。フィルム状に成形された樹脂は延伸されていても未延伸でもよい。また、異なる材料からなるフィルムが積層されていても良い。
【0032】
透明基材の厚みは、目的に応じて通常10μm〜5mmの範囲から選択される。
更に、透明基材は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施してもよい。
【0033】
有機金属錯体を含む塗工液は、金属錯体をバインダー樹脂とともに溶剤中に溶解させることにより、調製することができる。このとき溶剤に溶解される有機金属錯体およびバインダー樹脂などの全固形分の濃度は、通常5〜50重量%である。また、全固形分に対する有機金属錯体の濃度は、通常1〜80重量%、好ましくは2〜70重量%である。
【0034】
また、有機金属錯体を必要に応じて分散剤を用いて、粒径を通常0.1〜3μmに微粒子化し、バインダー樹脂とともに、溶剤に分散させて調整することもできる。このとき溶剤に分散される有機金属錯体、分散剤、バインダー樹脂等の固形分の濃度は、5〜50重量%である。また、全固形分に対する有機金属錯体の濃度は、通常1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%である。用いられる分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。その使用量は、有機金属錯体に対して、通常0〜100重量%、好ましくは0〜70重量%である。
【0035】
バインダー樹脂としては、ポリメチルメタクレート樹脂、ポリエチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。その使用量は、有機金属錯体に対して、10〜200重量%、好ましくは30〜100重量%である。
溶剤としては、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラクロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、エナント酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル類シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、スクアラン等の芳香族炭化水素類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等のアミド類、テトラヒドロフラン(以下「THF」という)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類あるいはこれらの混合物を用いることができる。
【0036】
また、有機金属錯体を含む塗工液には、さらに他の近赤外線吸収剤を添加してもよい。他の近赤外線吸収剤としては、有機物質であるニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、トリアリルメタン系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、あるいは、無機物であるカーボンブラックや、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期律表4A、5Aまたは6A族に属する金属の酸化物、もしくは炭化物、またはホウ化物などが挙げられる。
【0037】
このように、本発明の有機金属錯体の他、必要であればさらに他の近赤外線吸収剤を併用しながら、波長領域800〜1100nmの近赤外線透過率が15%以下となるように赤外線吸収フィルターを調製するのが好ましい。特に透明性と、赤外線吸収性能の面から、本発明の金属錯体とジインモニウム系化合物とを併用して用いることが好ましく、この場合には、相互作用による性能劣化の恐れがあるため、本発明の有機金属錯体とは別の層に含有させて用いた方が望ましい。
【0038】
有機金属錯体を含む塗工液の透明基材へのコーティングは、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の公知の塗工方法で行われる。有機金属錯体を含む層は、乾燥後の膜厚が、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗布される。
【0039】
本発明の赤外線吸収フィルターは、さらに紫外線カット層を設けることにより、有機金属錯体との相乗効果によって、赤外線吸収フィルターの耐光性を著しく向上させることができる。紫外線カット層としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よくカットできるものであり、350nmの波長の光を70%以上吸収できることが好ましい。紫外線カット層の種類については、特に制限されないが、好ましくは紫外線吸収剤を含有する樹脂フィルム(紫外線カットフィルム)が好ましい。
【0040】
紫外線カット層に用いられる紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よくカットする化合物であれば、有機系、無機系のいずれも特に限定なく用いることができる。例えば有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられ、無機系紫外線級剤としては酸化チタン系紫外線吸収剤、酸化亜鉛系紫外線吸収剤、微粒子酸化鉄系紫外線吸収剤等が挙げられるが、無機系紫外線吸収剤の場合は紫外線カット層中で微粒子状態で存在しているため、赤外線吸収フィルターの効率を損なう恐れがあることから、有機系紫外線吸収剤が好ましい。
【0041】
このような紫外線吸収剤としては、例えば、チバガイギー(株)のチヌビンP、チヌビン120、213、234、320、326、327、328、329、384、400、571、住友化学(株)のスミソーブ250、300、577、共同薬品(株)バイオソーブ582、550、591、城北化学(株)のJFー86、79、78、80、旭電化(株)のアデカスタブLA−32,LA−36,LA−34、シプロ化成(株)のシーソルブ100、101、101S、102、103、501、201、202、612NH、大塚化学(株)のRUVA93、30M、30S、BASF(株)のユービナール3039等が挙げられる。
【0042】
これらの紫外線吸収剤は、単独で用いても良いが、数種類組み合わせても良い。
また、紫外線を吸収して可視領域に波長変換するチバガイギー(株)のユービテックスOB,OB−P等の蛍光増白剤も利用できる。
紫外線吸収剤を含有する樹脂フィルム(紫外線カットフィルム)は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂をベースに上記の紫外線吸収剤を添加して作製できる。紫外線カットフィルムの作製方法は、溶融/押し出し、溶融/押し出し/延伸法、キャスト法、カレンダー法、コーティング法等、一般的な方法が利用できる。紫外線カットフィルムの厚みは、2μm〜1mm程度である。紫外線吸収剤の添加量は、樹脂の厚み、目的の吸収強度等によって異なるが、通常、フィルムの10ppm〜30%である。
【0043】
また、紫外線カットフィルムは、市販のUVカットフィルターを使用することもでき、例えば、富士フィルム(株)のSC−38、SC−39、三菱レーヨン(株)のアクリプレン等が挙げられる。上記のUVカットフィルター、SC−39、アクリプレンは、ともに350nmの波長を99%以上吸収する紫外線カットフィルムである。
【0044】
本発明の赤外線吸収フィルターは、必要に応じて、電磁波カット層、表面への蛍光灯などの外光の写り込みを防止する反射防止層、ぎらつき防止層(ノングレア層)、紫外線カット層等を設け、PDP用フィルターとして使用することができる。
PDPフィルターについては、特にその構成、製造等限定されるものではないが、例えば、本発明の赤外線吸収フィルターを粘着層を介して透明樹脂基板に貼り合わせ、その両面に反射防止層、あるいはノングレア層を設けた構成であり、さらに赤外線吸収フィルターのPDP側には紫外線カット層を有していたり、またPDPフィルターの任意の層の間に電磁波カット層を設けていてもよい。PDPフィルターの層構成はこれに限定されるものではなく、必要に応じていずれかの層を省略したり、さらに別の層を加えたりして、PDPフィルターとしての性能が十分発揮できる範囲で適宜層構成を変えてもよい。
【0045】
また、赤外線吸収フィルターにおいて、本発明の有機金属錯体と、他の近赤外吸収剤を併用して用いる場合、本発明の同一の層に用いてもよいが、それらの相互作用による耐光性などの性能劣化の恐れがある場合には、別々の層に分けて複数の層として積層されていてもよい。
電磁波カット層とは、PDPより放出される電磁波を遮蔽するために設けられる層であり、400〜700nmの可視光線領域を70%以上透過し、表面固有抵抗値が50Ω/□以下であるのが好ましい。電磁波カット層を設けるには金属酸化物等の蒸着あるいはスパッタリング方法等が利用できる。通常は酸化インジウムスズ(ITO)が一般的であるが、誘導体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンスズ、アルミニウム酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀−パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層より3層、5層、7層あるいは11層程度積層する。基材としては、本発明の赤外線吸収フィルターをそのまま利用しても良いし、樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッタリングして電磁波カット層を設けた後に、本発明の赤外線吸収フィルターと貼り合わせても良い。
反射防止層は、表面の反射を抑えてフィルターの透過率を向上させるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。
【0046】
また、ノングレア層も設けることもできる。ノングレア層は、フィルターの視野角を広げる目的で、透過光を散乱させるために、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法などを用いることができる。インキの硬化は、熱硬化あるいは光硬化を用いることができる。また、ノングレア処理したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。更に必要であれば、ハードコート層を設けることもできる。
【0047】
更に、この赤外線吸収フィルターは単独に用いられることは勿論、さらに透明のガラスや他の透明樹脂板等と貼り合わせて積層体として用いることができる。本発明により得られる赤外線吸収フィルターは、特にPDP用フィルターとして好適に用いられる他、ディスプレイ用フィルター、熱線遮断フィルム、サングラス、保護眼鏡、リモコン受光器など幅広い用途に使用することができる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
実施例1
メタノール約10mlに2−ナフチルアルデヒド 1.56g(0.01mol)を溶かし、その溶液にo−アミノベンゼンチオール1.10ml(0.01mol)を室温で、撹拌しながら加え、0.5時間、リフラックスさせた。その溶液にさらにエタノール20ml、Ni(AcO)2・4H2O 1.10g(0.0044mol)を加えると、赤茶色の固体が析出した。さらに1時間リフラックス後、減圧ろ過、エタノール懸洗数回後、ろ過物を60℃で真空乾燥し、下式に示す赤茶色の有機金属錯体2.35g(0.040mol:収率91.5%)を得た。
【0049】
【化11】
Figure 0003932761
【0050】
上記有機金属錯体1.0gにTHF100mlを加え、反応液が、青色に変化するまで、リフラックスさせた。その後、減圧ろ過により、ろ過物を除去後、ろ液を濃縮することにより、生成物が結晶化させた。その後、結晶を減圧ろ過、60℃で、真空乾燥させ、下記生成物0.91g(収率91.0%)を得た。
【0051】
【化12】
Figure 0003932761
【0052】
構造解析
(1)元素分析(C26H18Cl2N2NiS2)
Found:C,68.76;H,3.75;N,4.80;S,11.14
Calc :C,70.00;H,4.15;N,4.80;S,10.99
(2)マススペクトル:M/Z.582
(マスパターンがC34H24N2S2Niで、シュミレートしたものと一致した。)
この有機金属錯体は、テトラヒドロフラン(以下「THF」と略記する場合もある)中で、近赤外領域である830nmにε=32000の強い吸収を示した。
実施例2
メタノール約10mlに1−ナフチルアルデヒド 1.56g(0.01mol)を溶かし、その溶液にo−アミノベンゼンチオール1.10ml(0.01mol)を室温で、撹拌しながら加え、0.5時間、リフラックスさせた。その溶液にさらにエタノール20ml、Ni(AcO)2・4H2O 1.10g(0.0044mol)を加えると、赤茶色の固体が析出した。さらに1時間リフラックス後、減圧ろ過、エタノール懸洗数回後、ろ過物を60℃で真空乾燥し、下式に示す赤茶色の有機金属錯体2.22g(0.038mol:収率86.5%)を得た。
【0053】
【化13】
Figure 0003932761
【0054】
上記有機金属錯体1.0gにTHF100mlを加え、反応液が、青色に変化するまで、リフラックスさせた。その後、減圧ろ過により、ろ過物を除去後、ろ液を濃縮することにより、生成物が結晶化させた。その後、結晶を減圧ろ過、60℃で、真空乾燥させ、下記生成物0.72g(収率72.0%)を得た。
【0055】
【化14】
Figure 0003932761
【0056】
実施例3
耐光性を評価するため、実施例1で得られた有機金属錯体の5重量%THF溶液0.06gに、ポリメチルメタクリレート樹脂(商品名;ダイヤナールBR−80:三菱レイヨン株式会社製品)のTHF/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度20重量%)を1.5g添加し、超音波洗浄機にて、完全に溶解させた後、この塗工液を、バーコータ#24でOHPフィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外吸収フィルムを得た。塗布膜厚は、約6μmであった。
【0057】
このフィルムの近赤外吸収を、日立分光光度計U−3500で測定したところ、λmaxは、835nmであった。
更にこのフィルムに、富士写真フィル製UVカットフィルター(アクリプレン+SC-39)をかぶせ、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、400時間照射し、835nmにおける照射前後の吸収強度を測定したところ、照射後の強度は、照射前の強度の90.6%であり、耐光性が高いことを確認した。
実施例4
実施例1で得られた有機金属錯体の0.5重量%メチルエチルケトン溶液、0.8重量部に、ポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン株式会社製品ダイヤナールBR−80)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(20重量%溶液)1重量部、トルエン 0.2重量部を添加した塗工液を、50μmの厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに、厚み2μmになるようコーティングした。
上記フィルムに、表面固有抵抗5Ω/□の銀・インジウム酸化錫(ITO)の多層蒸着フィルムを貼り合わせた。
【0058】
更に、厚み4mmのポリカーボネート板と貼り合わせた後、両面にフッ素系樹脂からなる反射防止剤を100nmの厚みにコーティングして、プラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
得られたプラズマディスプレイパネル用フィルターは、800〜880nmの光線透過率が20%以下で、更に可視光線透過率が65%以上であった。特に400〜500nmの透過率が75%以上と高く、黄色味が少ないため、ディスプレイ前面に設置した場合に、画質を悪化させず、フィルターとして良好であった。
比較例1
エタノール約80mlにKOH1.78g(0.018mol)を溶かし、その溶液にo−アミノベンゼンチオール2.00g(0.016mol)を室温で、撹拌しながら加え、リガンド溶液とした。
【0059】
一方、エタノール20mlにニッケル(II)クロリド・6水和物1.92g(0.008mol)を溶解させ、上記リガンド溶液に撹拌しながら、滴下したところ溶液は、濃紺に変化した。
その後、濾過、H2 O、エタノールによる洗浄、アセトン不溶物除去、乾燥により、式(IV)で示されるビス(2−フェニルアミノベンゼンチオール)ニッケル錯体を単離した(収量1.721g;収率70.5%)。この錯体は、THF中で、近赤外領域である805nmにε=35400の強い吸収を示した。
【0060】
【化15】
Figure 0003932761
【0061】
耐光性を評価するため、得られたビス(2−フェニルアミノベンゼンチオール)ニッケル錯体の5重量%THF溶液0.6gに、ポリメチルメタクリレート樹脂(商品名;ダイヤナールBR−80:三菱レイヨン株式会社製品)のTHF/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度20重量%)を3.0g添加し、超音波洗浄機にて、完全に溶解させた後、この塗工液を、バーコータ#24でOHPフィルムに塗工し、近赤外吸収フィルムを得た。塗布膜厚は、6μmであった。
【0062】
このフィルムの近赤外吸収を、日立分光光度計U−3500で測定したところ、λmaxは、825nmであった。
更にこのフィルムに、富士写真フィル製UVカットフィルター(SC-39)をかぶせ、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、400時間照射し、825nmにおける照射前後の吸収強度を測定したところ、照射後の強度は、照射前の強度の81.8%であった。
【0063】
比較例2
近赤外線吸収色素として知られているフタロシアニン色素(日本触媒社製 IR−3) の1重量%MEK/トルエン(=1/1)溶液 0.8重量部に、ポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン株式会社製品ダイヤナールBR−80)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(20重量%溶液) 1重量部、MEK 0.1重量部、トルエン 0.1重量部を添加した塗工液を、50μmの厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに、厚み2μmになるようコーティングした。
【0064】
実施例4と同様に、上記フィルムに銀・ITO多層蒸着フィルムを貼り合わせ、更にポリカーボネート板と貼り合わせた後、両面に反射防止剤をコーティングし、プラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
得られたプラズマディスプレイパネル用フィルターは、800〜880nmの光線透過率が20%以下であったが、可視光線透過率は45%以上、400〜500nmの透過率は58%以下であり、ディスプレイ前面に設置した場合に、画面が暗くなり、フィルターとしては好ましくなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、近赤外領域に強い吸収を示す有機金属錯体を提供できる。また、この有機金属錯体は、有機溶媒に可溶なため、フィルム等に容易に加工でき、この近赤外線吸収層を設けた、近赤外線吸収性能、熱線吸収能、可視光線透過性能および長時間の耐光性に優れる近赤外線吸収フィルターを提供できる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003932761
    (Xは、SまたはSeを表し、Mは、金属元素を表す。環A及び環Bは、各々独立に、ベンゼン環以外の任意の芳香族環を表し、さらに芳香族環は任意の置換基により置換されていてもよい。R1 〜R8は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基またはシアノ基を表す。)で表されることを特徴とする有機金属錯体。
  2. 前記一般式(1)で表される有機金属錯体が下記一般式(2)または一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
    Figure 0003932761
    (R1 〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基またはシアノ基を表わし、X1〜X28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で表されることを特徴とする有機金属錯体。
  3. 一般式(1)において、XがSであることを特徴とする請求項1〜2に記載の有機金属錯体。
  4. 一般式(1)において、Mが、Ni、Pd、Pt、Co、Fe、TiO、Sn、またはCuであることを特徴とする請求項1〜3に記載の有機金属錯体。
  5. 一般式(1)において、Mが、Niであることを特徴とする請求項1〜4に記載の有機金属錯体。
  6. 請求項1〜5に記載の有機金属錯体であることを特徴とする赤外線吸収色素。
  7. 請求項1〜5に記載の有機金属錯体を含有することを特徴とする赤外線吸収フィルター。
  8. さらに紫外線カット層を有することを特徴とする請求項7に記載の赤外線吸収フィルター。
  9. 請求項7〜8に記載の赤外線吸収フィルターを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  10. さらに電磁波カット層を有することを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  11. さらに反射防止層を有することを特徴とする請求項9〜10に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  12. さらにぎらつき防止(ノングレア)層を有することを特徴とする請求項9〜11に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
  13. さらにUVカット層を有することを特徴とする請求項9〜12に記載のプラズマディスプレイパネル用フィルター。
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