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JP3901365B2 - スパッタ装置 - Google Patents

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JP3901365B2
JP3901365B2 JP29763798A JP29763798A JP3901365B2 JP 3901365 B2 JP3901365 B2 JP 3901365B2 JP 29763798 A JP29763798 A JP 29763798A JP 29763798 A JP29763798 A JP 29763798A JP 3901365 B2 JP3901365 B2 JP 3901365B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成を行うスパッタ装置、より詳細には、成膜中に膜に与えるダメージが小さく、膜特性および膜厚が均一な薄膜を高速で形成でき、さらにターゲットの材料を有効利用できるようにしたスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターゲット表面からスパッタ粒子が発生するスパッタリング現象は、真空容器内に導入された低圧の雰囲気ガスに対し、ターゲットを一方の電極として電界を作用させ、グロー放電を発生させてガスをプラズマ化し、このプラズマ中のイオンを電界の方向に加速して、ターゲットに衝突させることにより、ターゲットの構成原子が飛び出す現象である。このスパッタリング現象を利用した薄膜形成は、薄膜形成面の熱損傷が少なくかつ膜質が良好なことから広く用いられているが、成膜速度の高速化が重要な課題とされている。この成膜速度を速める方法として、プラズマに磁界を作用させてプラズマ中の電子を磁界中に閉じこめ、1個の電子が中性ガス分子へ衝突する機会を増すことによりプラズマを高密度化し、これによりイオン密度を増すようにしたマグネトロン方式が採用されている。
【0003】
以下に添付された図面を参照して、従来のスパッタ装置の構成例を説明する。なお、従来例を説明するための全図において、同様の機能を有する部分には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図11は、マグネトロン方式による従来のスパッタ装置の一例を示す概略構成図で、図中、1はターゲット、2は永久磁石、2nはn側磁極、2sはs側磁極、3は円筒状の基板ホルダ、4は電源、5は磁界、6は電子の運動方向である。
【0004】
図11に示すスパッタ装置においては、薄膜を形成する基板が配される円筒状の基板ホルダ3を取り囲むように、薄膜形成物質からなる円筒状のターゲット1が円筒状の基板ホルダ3と同心に配され、さらに円筒状ターゲット1の外周面側に永久磁石2がターゲット1と同心に配されている。このような構成では、ターゲット1の内周面側に磁極2nから出て磁極2sに入る磁力線によるトンネル状の磁界5が形成されているため、円筒状基板ホルダ3とターゲット1に電源4を接続してこれらの間にグロー放電を生ぜしめると、グロー放電によって生じたプラズマ中の電子は、磁界の作用を受けて電子の運動方向6に示すごとくの軌跡と運動方向を有するドリフト運動をする。これにより磁界中をドリフトする電子の飛行距離が伸び、1個の電子により多くのガス分子が電離されてガスが高密度にプラズマ化され、この結果、プラズマ中のイオン化密度が増してスパッタ粒子が増大し、これにより成膜速度が大きくなる。
【0005】
ところが、このような従来の磁極構成では、磁極2s,2nによりターゲット1の内周面側にトンネル状の閉じた磁界が形成されるため、トンネル状に湾曲する磁力線中、電界との直交成分が大きいトンネル頂部位置すなわちトンネルの中央部ほどガスのプラズマ化が高密度に生じ、従って磁極側に近づくほどプラズマ密度は小さくり、プラズマはターゲット外周面のトンネル中央位置近傍に限定された状態で生成する。従って成膜とともに進行するターゲットの消耗もトンネル中央位置近傍のみで生じ、このためターゲット1の利用効率が悪く、使用寿命が短くなるとともに、消耗に基づくターゲット表面の変形により基板に成膜される膜厚分布の一様性が損なわれるという問題がある。
さらに、通常のマグネトロンスパッタの場合、ターゲット1のスパッタされる領域が特定の場所に限定されるため、反応性DCスパッタを行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アーキングが生じて膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こす。
【0006】
このような問題を解決するために、例えば特開昭63−171879号公報では、電気的手段により磁界を矯正し、一様なプラズマを形成させる装置が提案されている。しかしながらこの技術においては、新たに電源手段を必要とし、またターゲットサイズが大きくなった場合、磁界の矯正のために投入すべき電力もそれに伴い大きくする必要があった。
【0007】
図12は、マグネトロン方式による従来のスパッタ装置の他の例を示す概略構成図である。
図13は、図12に示すスパッタ装置の要部概略構成図で、図中、7,8,9は絶縁体、10は上部シールド、11は下部シールド、12は真空槽壁、13は冷却水である。
図14は、図12及び図13に示すスパッタ装置における磁界及び電子の流れを説明するための図である。
【0008】
図12ないし図14に示すスパッタ装置においては、薄膜を形成する基板が配される円筒状の基板ホルダ3を取り囲むように、薄膜形成物質からなる円筒状のターゲット1が円筒状の基板ホルダ3と同心に配され、さらに円筒状ターゲット1の内周面側に永久磁石2がターゲット1と同心に配されている。このような構成では、ターゲット1の外周面側に磁極2nから出て磁極2sに入る磁力線によるトンネル状の磁界5が形成されているため、円筒状の基板ホルダ3とターゲット1に電源4を接続してこれらの間にグロー放電を生ぜしめると、グロー放電によって生じたプラズマ中の電子は、磁界の作用を受けて電子の運動方向6に示すごとくの軌跡と運動方向を有するドリフト運動をする。これにより磁界中をドリフトする電子の飛行距離が伸び、1個の電子により多くのガス分子が電離されてガスが高密度にプラズマ化され、この結果、プラズマ中のイオン化密度が増してスパッタ粒子が増大し、これにより成膜速度が大きくなる。
【0009】
ところが、このような従来の磁極構成では、磁極2n,2sによりターゲット1の外周面側にトンネル状の閉じた磁界が形成されるため、トンネル状に湾曲する磁力線中、電界との直交成分が大きいトンネル頂部位置すなわちトンネルの中央部ほどガスのプラズマ化が高密度に生じ、従って磁極側に近づくほどプラズマ密度は小さくなり、プラズマはターゲット外周面のトンネル中央位置近傍に限定された状態で生成する。従って成膜とともに進行するターゲットの消耗もトンネル中央位置近傍のみで生じ、このためターゲット1の利用効率が悪く、使用寿命が短くなるとともに、消耗に基づくターゲット表面の変形により基板に成膜される膜厚分布の一様性が損なわれるという問題がある。
【0010】
さらに、通常のマグネトロンスパッタの場合、ターゲット1のスパッタされる領域が特定の場所に限定されるため、反応性DCスパッタを行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アーキングが生じて膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こす。
【0011】
また、上述した各構成例に限らず、スパッタリング法により基板上に高機能性薄膜を形成する場合には、ターゲット面上の電界の方向、すなわちターゲット面に垂直に加速された負イオンあるいはこの負イオンが中性化した高速粒子などが発生し、さらにこれらがスパッタガスとほとんど衝突することなく運動エネルギーを保ったまま飛行して基板上に形成中の膜に衝突した場合、膜にダメージを与えて膜機能を低下させるという問題点が生じる。従って、高機能な化合物薄膜の形成においては、このようなターゲット面に垂直に加速された高速粒子を基板に到達させないスパッタリング方法の実現が望まれている。
【0012】
例えば特開平5−307914号公報では、透明導電膜の成膜において、高速粒子の基板への到達割合を少なくするために基板が直接プラズマに曝されないようにした対向ターゲット方式が検討されているが、これは特殊な方式であるため、析出した膜の均一性や生産効率を考えると実生産に際しては充分であるとはいえない。また、例えば特開平9−256151号公報には、斜め放電により負イオンの運動方向を曲げて膜の損傷を低減するスパッタ方法も提案されているが、制御用の放電電極に膜が堆積し、例えば電極表面の電気特性が高抵抗となった場合には負イオンの制御が不可能となるため、連続生産には適していない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、成膜中に膜に与えるダメージが小さく、膜特性および膜厚が均一な薄膜を高速で形成でき、さらにターゲットの材料を有効利用できるスパッタ装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、をし、前記ターゲットと前記基板ホルダとの間に、該ターゲット面に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射することを制限するシールド板を配することを特徴とし、
請求項2の発明は、真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、とを有し、前記ターゲットと前記基板ホルダとの間に、該ターゲットに対して正電位であり、スパッタ粒子を通過させうる補助電極を配することを特徴とし、
請求項3の発明は、真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、を有し、前記ターゲットの内周面側には、前記傾斜円筒状磁石が該ターゲットを囲むように配されていて、該傾斜円筒状磁石における磁極面外周を円筒の軸心に対して傾斜させることを特徴とするものである。
もって、基板と円筒状のターゲットとの間に生じる電界に直交する磁界が傾斜円環状磁界として生じ、従って磁界の強さの時間平均はターゲットの内周もしくは外周面全域にわたり一様になり、高密度プラズマが均一に生成され、これにより高速スパッタリングがターゲット内周もしくは外周面で一様に進行することになり、ターゲットの使用寿命が伸び、膜特性、膜厚分布の均一性も確保され、また、ターゲット表面のスパッタされる領域は、基板に対して相対的に移動することになるため、膜特性、膜厚が偏在化することなく均一な成膜が行われるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、真空容器内に、薄膜が形成される円筒状基板を取り囲む前記薄膜物質からなる円筒状ターゲットを同心に配置し、この基板とターゲットとの間で半径方向に生じている電界と直交する磁界をターゲットの内周面側(または外周面側)に配された磁界発生手段により発生せしめることにより、ターゲットの外周面側(または内周面側)に高密度プラズマを生成し、このプラズマ中のイオンを前記電界の方向に加速してターゲットに衝突させることによりスパッタ粒子を発生せしめて前記基板上に形成するものである。
【0017】
本発明によれば、膜特性および膜厚が均一な薄膜を高速で形成できるため、大量の基板への薄膜作製が必要な場合に特に有効である。また、材料利用効率の高い成膜が可能なため、高価な材料の薄膜化に極めて有効である。さらに、ターゲット表面を均一にスパッタできるため、反応性スパッタ時の絶縁物の堆積を防ぐことが可能で安定した成膜ができる。
【0018】
以下に、本発明の実施形態を添付された図面を参照して具体的に説明する。なお実施形態を説明するための全図において、同様の機能を有する部分には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明のスパッタ装置の一実施形態を示す図で、平面概略構成図を図1(A)に、側面概略構成図を図1(B)に示すものである。図1において、3は円筒状の基板ホルダ、21は円筒状のターゲット、22は傾斜円筒状の磁石、23はヨーク、24は磁界、26は回転筒である。
円筒状のターゲット21の外周面側には、傾斜円筒状の磁石22が円筒状のターゲット21を囲むように配されていて、この傾斜円筒状の磁石22における磁極面内周を円筒の軸心に対して傾斜させて構成される。
【0019】
ターゲット21の内周面側にはヨーク23を介して軸方向の磁界24が生じる。この磁界24は傾斜円環状に分布しており、磁界24が周方向に回転することにより、ターゲット21の内周面に形成されるプラズマ密度の平均値は、内周面全面にわたり一様になる。これにより高速スパッタリングがターゲット21の内周面で一様に進行することになり、ターゲット21の使用寿命が伸び、膜特性,及び膜厚分布の均一性も確保される。
また、ターゲット表面のスパッタされる領域が基板に対して相対的に移動することになるため、膜特性,及び膜厚が偏ることなく均一な成膜が行われる。
【0020】
さらに、前述したごとくに、ターゲット21上のスパッタされる領域が特定の場所に限定される通常のマグネトロンスパッタにより反応性DCスパッタを行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アーキングが起き膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こすが、本実施形態の構成とすればターゲット全面で絶縁物のクリーニングが行われるため上記の問題を回避できる。
【0021】
さらに本実施形態においては、基板面とターゲット面のなす角を0〜90度の間で可変とすることにより、ターゲット面に垂直な方向に飛行する負イオン或いはこれが中性化した高速粒子が基板へ入射する割合を減少させ、これらが基板上に形成中の膜に衝突し、膜にダメージを与えることを抑制することが可能である。
なお、膜の均一性については、基板を自転あるいは自公転させる(円筒状の基板ホルダ上で基板を回転させ、もしくはさらに円筒状の基板ホルダ自体をも回転させる)ことにより、基板面がターゲット面に対し傾いていても均一性を十分確保できるようになっている。
【0022】
(実施形態2)
図2は、本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す図で、平面概略構成図を図2(A)に、側面概略構成図を図2(B)に示すものである。
本実施形態は、実施形態1と同様の構成で、傾斜円筒状の磁石22を回転させる代わりに、ターゲット21を円筒軸の周りに自転させ、また円筒状基板ホルダ3をターゲット21の回転に対して逆方向に回転させるようにしたものである。本実施形態においても同様に、ターゲット内周面に形成されるプラズマ密度の時間平均は内周面全面にわたり一様になり、ターゲット表面のスパッタされる領域は基板に対して相対的に移動する。
【0023】
(実施形態3)
図3は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図である。
本実施形態は、傾斜円筒状の磁石22を回転軸方向に複数個並べて構成したものである。本実施形態においては、高密度プラズマ領域が増加する事により、内周面全面でのプラズマ密度の時間平均の一様性を保ったまま成膜速度をさらに速くすることができる。
【0024】
(実施形態4)
図4は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図で、図中、30はシールド板である。
本実施形態は、ターゲット21と円筒状の基板ホルダ3との間に、ターゲット面に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射することを制限するシールド板30を配する構成を有するものである。
本実施形態においては、ターゲット面に垂直なスパッタ粒子の入射をシールド板によっても制限することにより、なお一層膜に与えられるダメージを低減することが出来る。
【0025】
(実施形態5)
図5は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図で、図中、31は補助電極である。
本実施形態は、ターゲット21と円筒状の基板ホルダ3との間に、ターゲット21に対して正電位であり、スパッタ粒子を通過させうる補助電極31を配した構成を有するものである。
本実施形態においては、補助電極31とターゲット21の間の電界により放電が維持されるため、磁界や基板が運動する際にもプラズマを安定して発生させ、維持できる。
【0026】
(実施形態6)
図6は、本発明のスパッタ装置の一実施形態を示す図で、平面概略構成図を図6(A)に、側面概略構成図を図6(B)に示すものである。図6において、25は基板である。
円筒状のターゲット21の内周面側には、傾斜円筒状の磁石22が円筒状のターゲット21を囲むように配されていて、この傾斜円筒状磁石22における磁極面外周を円筒の軸心に対して傾斜させて構成される。
【0027】
ターゲット21の外周面側にはヨーク23を介して軸方向の磁界24が生じる。この磁界24は傾斜円環状に分布しており、磁界24が周方向に回転することにより、ターゲット21の外周面に形成されるプラズマ密度の時間平均は、外周面全面にわたり一様になる。これにより高速スパッタリングがターゲット21の外周面で一様に進行することになり、ターゲット21の使用寿命が伸び、膜特性,及び膜厚分布の均一性も確保される。
また、ターゲット表面のスパッタされる領域が基板に対して相対的に移動することになるため、膜特性,及び膜厚が偏ることなく均一な成膜が行われる。
【0028】
さらに、前述したごとくに、ターゲット21上のスパッタされる領域が特定の場所に限定される通常のマグネトロンスパッタにより反応性DCスパッタを行う場合は、他の領域に徐々に絶縁物が堆積され、アーキングが起き膜質の劣化や成膜速度の低下を引き起こすが、本実施形態の構成とすればターゲット全面で絶縁物のクリーニングが行われるため上記の問題を回避できる。
【0029】
さらに本実施形態においては、基板面とターゲット面のなす角を0〜90度の間で可変とすることにより、ターゲット面に垂直な方向に飛行する負イオン或いはこれが中性化した高速粒子が基板へ入射する割合を減少させ、これらが基板上に形成中の膜に衝突し、膜にダメージを与えることを抑制することが可能である。
なお、膜の均一性については、基板を自転あるいは自公転させる(円筒状基板ホルダ上で基板を回転させ、もしくはさらに円筒状基板ホルダ自体を回転させる)ことにより、基板面がターゲット面に対し傾いていても均一性を十分確保できるようになっている。
【0030】
(実施形態7)
図7は、本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す図で、平面概略構成図を図7(A)に、側面概略構成図を図7(B)に示すものである。
本実施形態は、実施形態6と同様の構成で、傾斜円筒状の磁石22を回転させる代わりに、ターゲット21を円筒軸の周りに自転させ、また基板25が配される円筒状の基板ホルダ(図示せず)をターゲット21の回転に対して逆方向に回転させるようにしたものである。本実施形態においても同様に、ターゲット内周面に形成されるプラズマ密度の時間平均は外周面全面にわたり一様になり、ターゲット表面のスパッタされる領域は基板に対して相対的に移動する。
【0031】
(実施形態8)
図8は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図で、平面概略構成図を8(A)に、側面概略構成図を図8(B)に示すものである。
本実施形態においは、傾斜円筒状の磁石を回転軸方向に複数個並べて構成したものである。本実施形態においては、高密度プラズマ領域が増加する事により、外周面全面でのプラズマ密度の時間平均の一様性を保ったまま成膜速度をさらに速くすることができる。
【0032】
(実施形態9)
図9は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図である。
本実施形態は、ターゲット21と基板25が配される円筒状の基板ホルダ(図示せず)との間に、ターゲット面に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射することを制限するシールド板30を配する構成を有するものである。
本実施形態においては、ターゲット面に垂直なスパッタ粒子の入射をシールド板30によっても制限することにより、なお一層膜に与えられるダメージを低減することが出来る。
【0033】
(実施形態10)
図10は、本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す要部概略構成図である。
本実施形態においては、ターゲット21と基板25が配される円筒状基板ホルダ(図示せず)との間に、ターゲット21に対して正電位であり、スパッタ粒子を通過させうる補助電極31を配した構成を有するものである。
本実施形態においては、補助電極31とターゲット21の間の電界により放電が維持されるため、磁界や基板が運動する際にもプラズマを安定して発生させ、維持できる。
【0034】
【発明の効果】
発明によれば、基板と円筒状ターゲットとの間に生じる電界に直交する磁界が傾斜円環状磁界として生じ、従って磁界の強さの時間平均はターゲットの内周もしくは外周面全域にわたり一様になり、高密度プラズマが均一に生成される。これにより高速スパッタリングがターゲット内周もしくは外周面で一様に進行することになり、ターゲットの使用寿命が伸び、膜特性、膜厚分布の均一性も確保される。
また、ターゲット表面のスパッタされる領域は、基板に対して相対的に移動することになるため、膜特性、膜厚が偏在化することなく均一な成膜が行われる。
また、円筒状の基板ホルダに設置される基板の該ターゲットに対向する角度を可変設定可能としたことにより、ターゲット面に垂直な方向に飛行する負イオン或いはこれが中性化した高速粒子の基板への入射の割合を減少させ、これらが基板上に形成中の膜に衝突し、膜にダメージを与えることを抑制することが可能となる。
さらに、本発明を用いればターゲット全面で絶縁物のクリーニングが行われるため、ターゲットにおける絶縁物の堆積により生じるアーキングによる膜質の劣化や成膜速度の低下を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタ装置の一実施形態を示す図である。
【図2】 本発明のスパッタ装置の他の実施形態を示す図である。
【図3】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図4】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図5】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図6】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図7】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図8】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図9】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図10】 本発明のスパッタ装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図11】 マグネトロン方式による従来のスパッタ装置の一例を示す概略構成図である。
【図12】 マグネトロン方式による従来のスパッタ装置の他の例を示す概略構成図である。
【図13】 図12に示すスパッタ装置の要部概略構成図である。
【図14】 図12及び図13に示すスパッタ装置における磁界及び電子の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1,21…円筒状のターゲット、2…永久磁石、2n…n側磁極、2s…s側磁極、3…円筒状の基板ホルダ、4…電源、5…磁界、6…電子の運動方向、7,8,9…絶縁体、10…上部シールド、11…下部シールド、12…真空槽壁、13…冷却水、22…傾斜円筒状の磁石、23…ヨーク、24…磁界、25…基板、26…回転筒、30…シールド板、31…補助電極。

Claims (3)

  1. 真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、をし、前記ターゲットと前記基板ホルダとの間に、該ターゲット面に垂直方向に進行するスパッタ粒子が基板に入射することを制限するシールド板を配することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、をし、前記ターゲットと前記基板ホルダとの間に、該ターゲットに対して正電位であり、スパッタ粒子を通過させうる補助電極を配することを特徴とするスパッタ装置。
  3. 真空槽内に設置される円筒状のターゲットと、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された基板ホルダと、該基板ホルダ上で自転可能で、前記ターゲットに対向する角度を可変とした基板と、磁極面を前記中心軸に対して傾斜して対向させた傾斜円筒状磁石であって、前記ターゲットの内側または外側に、該ターゲットと同一の中心軸を有するように配置された傾斜円筒状磁石と、を有し、前記ターゲットの内周面側には、前記傾斜円筒状磁石が該ターゲットを囲むように配されていて、該傾斜円筒状磁石における磁極面外周を円筒の軸心に対して傾斜させることを特徴とするスパッタ装置。
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