JP3984661B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子機器部品、自動車機器部品、あるいは化学機器部品用等の材料として、高い耐熱性を有し、かつ耐化学薬品性を有する熱可塑性樹脂が要求されてきている。ポリフェニレンスルフィド(以下ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)がこの要求に応える樹脂の一つとして、近年注目されてきている。しかし、該樹脂は、溶融流動性が高すぎるため、例えばコネクター等の成形時にバリが発生し易いという問題を有していた。
【0003】
上記の問題に鑑み、PASを架橋して溶融粘度を高め、バリの発生を低減する試みがなされた。しかし、バリの発生を低減せしめる効果よりも、溶融流動性を損なう方が大きいという欠点があった。
【0004】
特開昭57‐70157号公報には、所定のメルトフローレート及び架橋速度を持つPASに対し、特定寸法のガラス繊維を添加した樹脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂組成物ではバリの低減は十分なものではなく、また、機械的強度が不十分なために適用できる用途が限定されおり、電気・電子機器部品例えばコネクターとしての使用には適していなかった。
【0005】
更に、特開昭64‐38211号公報、特開昭64‐63115号公報及び特開昭64‐89208号公報には、カップリング剤としてアミノアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン及びビニルアルコキシシランから成る群より選ばれる少なくとも一種のシラン化合物をPASに添加する方法が開示されている。しかし、該方法においても、バリの低減は十分とは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形時における流動性が良好であり、かつバリ発生の少ない成形品を与えることのできるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アルカリ金属硫化物、ジハロ芳香族化合物及び仕込アルカリ金属硫化物に対して0.40〜0.80モル%のポリハロ芳香族化合物を共重合することにより得られた、分岐されているポリアリーレンスルフィドであって、溶融粘度V6が2000〜4500ポイズであり、かつ非ニュートン指数Nが1.35以上であるポリアリーレンスルフィド 100重量部、
(B)溶融粘度V6が80〜500ポイズであるポリアリーレンスルフィド 1〜150重量部、及び
(C)無機充填剤 0〜300重量部
を含む樹脂組成物である。
【0008】
本発明の樹脂組成物は、上記した特性を有する二種類のPASを組み合わせて用いることに特徴を有するものである。該組み合わせにより、樹脂組成物の流動性を良好に保ちつつ、かつ、バリ発生を少なくすることができる。従って、発生したバリを除去するという工程を省略又は大幅に簡略化することができ、経済的にも優れている。
【0009】
本発明の樹脂組成物において使用する成分(A)PASは、アリーレンスルフィド繰り返し単位を有する公知のポリマーであり、特に好ましくはPPSである。本発明においては、成分(A)PASの溶融粘度V6は、その上限が4500ポイズであり、下限が2000ポイズである。溶融粘度V6が上記下限未満では、成形時にバリの発生が著しい。上記上限を超えては、流動性が低下し成形加工性が悪化するため好ましくない。ここで、溶融粘度V6は、フローテスターを用いて300℃、荷重20kgf/cm2、L/D=10で6分間保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
【0010】
また、本発明で使用する(A)PASは、非ニュートン指数Nが1.35以上であることが必要であり、好ましくは1.50以上、特に好ましくは1.55以上である。上記値未満では、成形時にバリの発生が著しいと共に、ウェルド部における靭性等の機械的強度の低下を招くため好ましくない。なお上限値は特に限定されない。ここで、上記非ニュートン指数Nは、キャピログラフを用いて300℃、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式(I)を用いて算出した値である。N値が1であればニュートン流体であり、N値が1を超えれば非ニュートン流体であることを示す。
【0011】
【数1】
SR=K・SSN (I)
[ここで、SRは剪断速度(秒-1)、SSは剪断応力(ダイン/cm2 )、そしてKは定数を示す。]
上記の(A)PASは、好ましくは下記の方法により製造することができる。即ち、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法において、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とのモル比を0.940〜1.000とし、更に仕込アルカリ金属硫化物に対して0.40〜0.80モル%のポリハロ芳香族化合物を重合反応系内に添加し、
かつ反応中に反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめる。
【0012】
上記製造方法において、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とのモル比は、上限が1.000、好ましくは0.980であり、下限が0.940、好ましくは0.950である。上記下限未満では、成形時に発生するバリが大きくなる。上記上限を超えては、成形時の加工性が低下するため好ましくない。
【0013】
また、上記製造方法において、重合反応系内に添加するポリハロ芳香族化合物は、仕込アルカリ金属硫化物に対して、上限が0.80モル%であり、下限が0.40モル%である。上記下限未満では、生成したPASにおいて、上記非ニュートン指数Nが低下し、成形時に発生するバリが大きくなる。上記上限を超えては、成形時の加工性が低下するため好ましくない。
【0014】
ポリハロ芳香族化合物の重合反応系内への添加方法は、特に限定されるものではない。例えばアルカリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物と同時に添加してもよいし、あるいは反応途中の任意の時点で、ポリハロ芳香族化合物を有機溶媒例えばN‐メチルピロリドンに溶解させて、高圧ポンプで反応缶内に圧入してもよい。
【0015】
上記の反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめてPASを製造する方法としては、特開平5‐222196号公報に記載の方法を使用することができる。
【0016】
還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有されるようになる。従来法においては230℃以上の高温下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しかし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやることによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PASを得ることができるものと思われる。但し、本発明は上記現象による効果のみにより限定されるものではなく、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響によって、高分子量のPASが得られるのである。
【0017】
この方法においては、反応の途中で水を添加することを要しない。しかし、水を添加することを全く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行えば、この方法の利点のいくつかは失われる。従って、好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定である。
【0018】
反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイルに冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いずれの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応缶壁を伝わって液相中に入る。
【0019】
一方、液相バルクの温度は、所定の一定温度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従ってコントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275 ℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。より好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間である。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみならず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じやすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量PASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPASを得ることができず、また 270℃より高い温度では解重合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
【0020】
実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1モル当り0.5 〜2.5 モル、特に0.8 〜1.2 モルとする。2.5 モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大し、重合度も上がらない。0.5 モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができない。
【0021】
反応時の気相部分の冷却は、一定温度での1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望ましいが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなければならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下していることを意味しており、その相対的な低下の度合いが水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行うのが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0022】
ここで使用する有機アミド系溶媒は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロリドン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、N‐メチルピロリドンが好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0023】
ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭45‐3368号公報記載のものから選ぶことができるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐ジクロロビフェニルである。
【0024】
ポリハロ芳香族化合物は、1分子に3個以上のハロゲン置換基を有する化合物であり、例えば1,2,3‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン、1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,3‐ジクロロ‐5‐ブロモベンゼン、2,4,6‐トリクロロトルエン、1,2,3,5‐テトラブロモベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5‐トリクロロ‐2,4,6‐トリメチルベンゼン、2,2´,4,4´‐テトラクロロビフェニル、2,2´,6,6´‐テトラブロモ‐3,3´,5,5´‐テトラメチルビフェニル、1,2,3,4‐テトラクロロナフタレン、1,2,4‐トリブロモ‐6‐メチルナフタレン等及びそれらの混合物が挙げられ、1,2,4‐トリクロロベンゼン、1,3,5‐トリクロロベンゼンが好ましい。
【0025】
また、他の少量添加物として、末端停止剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもできる。
【0026】
こうして得られた高分子量PASは、当業者にとって公知の後処理法によって副生物から分離される。
【0027】
また、本発明においては、上記のようにして得られたPASに、好ましくは更に酸処理を施すこともできる。該酸処理は、100℃以下の温度、好ましくは40〜80℃の温度で実施される。該温度が上記上限を超えると、酸処理後のPAS分子量が低下するため好ましくない。また、40℃未満では、残存している無機塩が析出してスラリーの流動性を低下させ、連続処理のプロセスを阻害するため好ましくない。該酸処理に使用する酸溶液の濃度は、好ましくは0.01〜5.0重量%である。また、該酸溶液のpHは、酸処理後において、好ましくは4.0〜5.0である。上記の濃度及びpHを採用することにより、被処理物であるPAS中の‐SX(Xはアルカリ金属を示す)及び‐COOX末端の大部分を‐SH及び‐COOH末端に転化することができると共に、プラント設備等の腐食を防止し得るため好ましい。該酸処理に要する時間は、上記酸処理温度及び酸溶液の濃度に依存するが、好ましくは5分間以上、特に好ましくは10分間以上である。上記未満では、PAS中の‐SX及び‐COOX末端を‐SH及び‐COOH末端に十分に転化できず好ましくない。上記酸処理には、例えば酢酸、ギ酸、シュウ酸、フタル酸、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸等が使用され、酢酸が特に好ましい。該処理を施すことにより、PAS中の不純物であるアルカリ金属、例えばナトリウムを低減できる。従って、製品使用中のアルカリ金属、例えばナトリウムの溶出及び電気絶縁性の劣化を抑制することができる。
【0028】
本発明において使用する成分(B)PASは、好ましくはPPSである。本発明において、成分(B)PASの溶融粘度V6は、500ポイズ以下であり、かつ80ポイズ以上である。溶融粘度V6が上記範囲未満では、成形時にバリの発生が著しい。上記範囲を超えては、流動性が悪くなり成形性が劣ると共に、バリの発生が著しくなる。ここで、溶融粘度V6は上記と同一の方法で測定した値である。また、成分(B)PASの非ニュートン指数Nは、1.05以上であることが好ましい。
【0029】
上記成分(B)PASは、公知の方法、例えば、特公昭45‐3368号公報記載の方法等により製造することができる。また、上記と同様に、酸処理を施すこともできる。該成分(B)としては、市販のものが使用でき、例えば、株式会社トープレン製PPS、H‐0(商標、V6 =50ポイズ)、H‐1(商標、V6 =100ポイズ)、T‐1(商標、V6 =300ポイズ、半架橋型PPS)、K‐1(商標、V6 =360ポイズ、架橋型PPS)、LN‐03(商標、V6 =250ポイズ、線状型PPS)等が挙げられる。
【0030】
上記の(B)PASの配合量は、(A)100重量部に対して、上限が150重量部であり、下限が1重量部である。該配合量が上記上限を超えては、成形時に発生するバリが大きくなり、また上記下限未満では、流動性が低下し成形加工性が悪化する。
【0031】
本発明の樹脂組成物には更に、任意成分として(C)無機充填剤を配合することができる。無機充填剤としては特に限定されないが、例えば粉末状/リン片状の充填剤、繊維状充填剤などが使用できる。粉末状/リン片状の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイト、酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック等が挙げられる。また、繊維状充填剤としては、例えばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリアラミド繊維等が挙げられる。また、この他にZnOテトラポット、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛など)、酸化物(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンなど)、金属(例えばアルミニウム、ステンレスなど)等の充填剤を使用することもできる。これらを1種単独でまたは2種以上組合せて使用できる。また、無機充填剤は、その表面が、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で処理してあってもよい。
【0032】
(C)無機充填剤は、(A)100重量部に対して300重量部以下の量で、好ましくは200重量部以下の量で使用される。無機充填剤の量が上記値を超えると粘度変化が大きくなって成形不能となることがある。また機械的強度を高めるためには、0.1重量部以上配合するのが好ましい。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、上記の成分の他に、必要に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色剤等を配合することができる。
【0034】
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、(A)及び(B)を予めヘンシェルミキサー等の混合機で混合後、他の成分と混合し、次いで、押出機等の慣用の装置にて溶融混練し(例えば320 ℃程度)、押出し、ペレット化することができる。あるいは、(A)及び(B)を混合後、ペレット化した後、他の成分と混合し、溶融混練することもできる。また、マスターバッチとして混合/成形することもできる。また、組成物各成分を別々に押出機に投入して溶融混合してもよい。
【0035】
本発明の樹脂組成物は、例えば、コネクター、電子部品としてのコイルボビン、プリント基板、電子部品用シャシー等、電熱部品としてのランプソケット、ドライヤーグリル、サーモスタットベース、サーモスタットケース等、モーター部品としてのブラッシュホルダー、軸受、モーターケース等、精密機器としての複写機用爪、カメラ用絞り部品、時計ケース、時計地板等、自動車部品としての排ガス循環バルブ、キャブレター、オルタネータ端子台、タコメーターハウジング、バッテリーハウジング等、あるいは化学装置部品としてのクレンジングフレーム、インシュレーター、パイプブラケット、ポンプケーシング、タワー充填物等の多くの機能性部品に使用される。上記成形品中、特にコネクターとしての用途に有用である。
【0036】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例において、溶融粘度V6 測定の際に用いたフローテスターは、島津製作所製フローテスターCFT‐500Cである。また非ニュートン指数Nを求めるために用いたキャピログラフは、東洋精機製作所製キャピログラフ1B P‐Cである。
【0038】
成分(B)として使用したPPSは、いずれも株式会社トープレン製、H‐1(商標、V6 =100ポイズ)、T‐1(商標、V6 =300ポイズ)、K‐1(商標、V6 =360ポイズ)、LN‐03(商標、V6 =250ポイズ)である。
【0039】
また、合成例において、p-ジクロロベンゼン(以下ではp‐DCBと略すことがある)、及び1,3,5-トリクロロベンゼン(以下では1,3,5-TCBと略すことがある)の反応率はガスクロマトグラフィーによる測定結果から算出した。ここで、p-DCB、及び1,3,5-TCBの反応率は下記式により求めた。
【0040】
【数2】
p-DCBの反応率(%)=(1−残存p-DCB重量/仕込p-DCB重量)×100
【0041】
【数3】
1,3,5-TCBの反応率(%)=
(1−残存1,3,5-TCB重量/仕込1,3,5-TCB重量)×100
合成例1
150 リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.9重量%Na2 S)19.222kgとN-メチル-2- ピロリドン(以下ではNMPと略すことがある) 45.0 kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら204 ℃まで昇温して、水4.600 kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.08モル)。その後、オートクレーブを密閉して180 ℃まで冷却し、p-DCB 22.500 kg(Na2 Sとp-DCBとのモル比が約0.980 )、1,3,5-TCB 0.136kg(硫化ソーダに対して、約 0.5モル%)及びNMP 18.0 kgを仕込んだ。液温150 ℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液温220 ℃で3時間攪拌しつつ、オートクレーブ上部の外側に巻き付けたコイルに80℃の冷媒を流し冷却した。その後昇温して、液温260 ℃で3時間攪拌し、次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、8.75kg/cm2 Gであった。
【0042】
得られたスラリーを常法により濾過、温水洗を二回行った後、120 ℃で約5時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、白色粉末状の製品を得た。得られたPPS(R‐1と称する)の溶融粘度V6 は3000ポイズであり、非ニュートン指数Nは1.45であった。
【0043】
また、p-DCBの反応率は98.4%であり、1,3,5-TCBの反応率は100 %であった。
【0044】
【実施例1〜5及び比較例1〜5】
(A)合成例1で得られたPPS(R‐1)、(B)上記の各PPS(H‐1、T‐1、K‐1、LN‐03)、及び任意的に(C)ガラス繊維(CS 3PE945、商標、日東紡績株式会社製、繊維径13μm、繊維長3mm)を表1に示した割合で配合し、ヘンシェルミキサーで5分間予備混合した後、30mmφ二軸押出機を使用して、シリンダー温度320 ℃、回転数250 rpm で溶融押出し、ペレットを作成した。更に出来上がったペレットから、シリンダー温度320 ℃、金型温度130 ℃に設定した射出成形機により成形して、試験片を作成し諸特性の試験に供した。比較例5は、(A)PPSに代えて、本発明の範囲未満の非ニュートン指数Nを持つPPS(LN‐4、商標、株式会社トープレン製、V6 =2500ポイズ、N=1.31)を使用した。
【0045】
諸特性は次の試験方法により評価した。
・流動特性は、幅5mm、厚さ1mmの金型を用いて、樹脂圧力100kgf/cm2 にてスパイラルフローテストを実施し、スパイラル長さにより評価した。・バリ特性は、ASTM D638に準拠しダンベルIを成形する際、該金型においてゲートと反対側のガス抜き用の隙間(20μm)に発生したバリ長さを測定して評価した。
【0046】
以上の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
実施例1〜4は、同一条件のもとに、(B)PPSの溶融粘度V6 を本発明の範囲内で変化させたものである。いずれもスパイラル長さは長く、流動性に富んでいた。また、バリ長さは短かった。実施例5は、実施例1と同一条件下、本発明の範囲内の量で(C)ガラス繊維を配合したものである。スパイラル長さは多少短くなるものの十分に良好な流動性を有していた。また、バリ長さは、より短くなった。
【0048】
一方、比較例1は、実施例1〜4において、(B)PPSを配合しなかったものである。実施例1〜4と比べて、スパイラル長さは短く、流動性が著しく低下した。比較例2は、実施例1と同一条件下、(B)PPSの配合量が本発明の範囲を超えたものである。スパイラル長さは非常に長く、流動性に富んでいるものの、バリ長さも著しく長くなった。比較例3は、実施例5において、(B)PPSを配合しなかったものである。実施例5と比べて、スパイラル長さは短く、流動性が著しく低下した。また、バリ長さの低減は小さかった。比較例4は、実施例5と同一条件下、(C)ガラス繊維の配合量が本発明の範囲を超えたものである。スパイラル長さは著しく短く低流動性であり、成形不可能であった。比較例5は、実施例1と同一条件下、(A)PPSに代えて、本発明の範囲未満のNを持つPPSを使用したものである。実施例1と比べて、スパイラル長さは非常に長くなり、流動性が良好になったものの、バリ長さも著しく長くなった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、成形時における流動性が良好であり、かつバリ発生の少ない成形品を与えることのできる。
Claims (4)
- (A)アルカリ金属硫化物、ジハロ芳香族化合物及び仕込アルカリ金属硫化物に対して0.40〜0.80モル%のポリハロ芳香族化合物を共重合することにより得られた、分岐されているポリアリーレンスルフィドであって、溶融粘度V6が2000〜4500ポイズであり、かつ非ニュートン指数Nが1.35以上であるポリアリーレンスルフィド 100重量部、
(B)溶融粘度V6が80〜500ポイズであるポリアリーレンスルフィド 1〜150重量部、及び
(C)無機充填剤 0〜300重量部
を含む樹脂組成物。 - (A)ポリアリーレンスルフィドにおいて、非ニュートン指数Nが1.50以上である請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)ポリアリーレンスルフィドが、反応中に反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめることにより製造したものである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- コネクター用の請求項1〜3のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
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