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JP3984055B2 - ライトワンスホログラムメモリ - Google Patents

ライトワンスホログラムメモリ Download PDF

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欽之 今井
裕平 森
栗原  隆
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライトワンスホログラムメモリに関し、より詳細には、プログラム可能な読み出し専用のホログラムメモリであるライトワンスホログラムメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カード型の情報記録媒体として、磁気カード、ICカードが知られている。磁気カードは、カードに添付された磁気テープに情報を記録するもので、製造が容易で、大量生産が可能ではあるが、記憶容量が小さく、偽造が容易であるという欠点を有する。ICカードは、カードに内蔵されたICチップに情報を記録するもので、記憶容量が大きく、偽造が困難ではあるが、ビット単価が高価であるという欠点を有する。
【0003】
そこで、記憶容量がICカードよりも大きく、偽造が困難で、ビット単価も安価なホログラムメモリが考案された。例えば、特開平9−101735号公報には、光導波路を多層に積層したホログラムメモリが記載されている。しかし、このようなホログラムメモリに情報を書き込んだり、記憶された情報を読み出すために、複雑な光学系を有した書込装置、再生装置が必要であった。
【0004】
また、特開平11−345419号公報には、シングルモード平面型光導波路を多層に積み重ねた再生専用多重ホログラム情報記録媒体が記載されている。この情報記録媒体は、シングルモード平面型光導波路の導波モードの周期とほぼ等しい周期を有する周期的散乱要因を設けている。任意の光導波路に導波光を導入すると、周期的散乱要因により導波路外に回析された回析光により、ホログラムを形成する。このようにして、情報の読み出しに複雑な光学系を有した再生装置が不要となることが記載されている。この情報記録媒体は、名刺サイズの大きさで、100層の平面型光導波路が積層されたもので、およそ130GBの記憶容量を有することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、再生専用多重ホログラムメモリは、読み出し専用のメモリであり、書き込みはできないという問題があった。例えば、特開2001−83865号公報に記載されているように、平面型光導波路の各層ごとにホログラム原盤を作成する。スタンパーと呼ばれる装置により、ホログラム原盤から各層ごとに平面型光導波路を作成し、これを積層することにより、ホログラムメモリを作成する。この方法によれば、スタンパーにより、同一の情報が書き込まれたホログラムメモリを、大量に生産することができる。すなわち少品種大量生産が可能である。しかし、多種多様な情報を、ホログラムメモリに書き込むような多品種少量生産には向いていない。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、1度だけ書き込みが可能な、いわゆるプログラム可能な読み出し専用のホログラムメモリであるライトワンスホログラムメモリを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、2光子吸収によりホトクロミック現象を生ずる記録材料により形成されたコア層を有する平面型光導波路を多層に積層したライトワンスホログラムメモリであって、情報を書き込むコア層に導波光として導入したゲート光と、前記情報が重畳され前記平面型光導波路の界面から導入したデータ光とにより、前記情報を書き込むコア層に、2光子吸収によるホトクロミック現象を生じさせ、導波光の散乱要因を形成することにより、1度だけ前記情報の書き込みが行われ、前記情報が書き込まれたコア層に、導波光として導入した再生照明光が、前記散乱要因により前記平面型光導波路の外に回析され、前記情報を2次元符号化して得られるホログラム画像を形成し、前記データ光は、前記ホログラム画像を形成するように求められた振幅分布と位相分布に基づいて変調されたレーザ光として、前記平面型光導波路の界面から導入されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記記録材料は、ジアリールエテン系分子からなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1に、本発明の一実施形態にかかるライトワンスホログラムメモリの構造を示す。ライトワンスホログラムメモリ10は、基板16上に、下からクラッド層11a、コア層11b、クラッド層12a、コア層12b、クラッド層13a、コア層13bを順に積層した構造を有し、最上位層にクラッド層15を有している。各コア層には、光導波路の導波モードの周期とほぼ等しい周期を有する散乱要因、すなわちホログラムが形成されている。散乱要因は、コア層の屈折率を変調するもので、これによって予め情報を重畳するものである。
【0013】
このような構成により、任意のコア層、図1においてはコア層13bに、再生照明光光源20から再生照明光ILを導入する。再生照明光ILは、コア層13bの面内方向に導波光として伝搬し、ホログラムによって散乱され、回析光DLとしてライトワンスホログラムメモリ10の表面より出射する。回析光DLによって、ホログラム画像Imが、結像面上に形成される。
【0014】
例えば、特開平11−337756号公報に記載された多層導波路形再生専用メモリカードと同様に、CCDなどの2次元光検出器により、ホログラム画像Imを取り込むことによって、情報を読み出すことができる。このようにして、ホログラム画像Imを、2次元光検出器で直接検出することにより、情報を読み出すための特殊なレンズ群が不要となる。
【0015】
コア層11b〜14bは、2光子吸収によりホトクロミック現象を生ずるジアリールエテン系材料を使用した。光化学反応は、光子を単位としてエネルギーを吸収するもので、通常、化合物に1光子が吸収された1光子反応を生ずる。一方、2光子吸収材料は、光強度に対して非線形吸収特性を有し、非常に強度の強い光を照射すると2光子反応を生ずる。ホトクロミック現象とは、光の照射により、結晶、分子または錯体などの吸収スペクトルが可逆的に変化する現象をいう。ジアリールエテン系材料は、通常、450nm以下の波長領域に吸収を有し、波長760nmの光により2光子反応を生じ、500〜600nm付近にも吸収を生ずる。ジアリールエテン系材料は、例えば、ジャパニーズアプライドフィジックス35巻(1993年)の3987ページに、入江他により、フォトクロミック現象を利用した三次元記録材料として記載されている。このような材料を用いて、コア層11b〜14bにホログラムを形成する方法を以下に説明する。
【0016】
図2に、本発明の一実施形態にかかるライトワンスホログラムメモリに情報を書き込む方法を示す。ライトワンスホログラムメモリ10に情報を書き込むために、ゲート光GLとデータ光WLとを必要とする。ゲート光GLは、ゲート光光源33から、ビームスプリッタ32とシリンドリカルレンズ31を介して、情報を書き込むコア層の導波光として入射される。データ光WLは、高速データ光生成装置40から出力され、ライトワンスホログラムメモリ10の界面から導入され、ライトワンスホログラムメモリ10の各々のコア層を透過する。
【0017】
なお、図2には、情報を読み出すための再生照明光ILを出力する再生照明光光源20も併せて記載している。波長は、633nmである。一方、読み出し専用装置には、再生照明光光源20のみを備えていればよく、例えば、特開2001−66621号公報に記載された導波路型光ヘッドを適用することにより、より小型の読み出し専用装置を実現することができる。
【0018】
図3は、ライトワンスホログラムメモリに書き込む情報からデータ光を生成する手順を示したフローチャートである。ライトワンスホログラムメモリ10に書き込む情報は、1次元のデジタルデータとして生成され(S301)、エラー訂正符号が付加される(S302)。デジタルデータは、コア層ごとに2次元符号化され、2次元面の明暗分布として表される(S303)。さらに、読み出し時の同期信号となるサーボ信号が付加されて(S304)、ライトワンスホログラムメモリ10が回析すべきホログラム画像Imとなる。
【0019】
次に、ホログラム画像Imから導波路内の光強度分布を求める波面計算を行う(S305)。波面計算は、光の電場の振幅分布と位相分布を求めることをいう。求められた振幅分布と位相分布に基づいて、平面波状のレーザ光を変調することにより、ライトワンスホログラムメモリに書き込む情報が重畳されたデータ光WLを生成する(S306)。高速データ光生成装置40の詳細は、図4を参照して後述する。
【0020】
ゲート光GLとデータ光WLとは、同一の波長の光であり、コア層を形成するジアリールエテン系材料が2光子吸収を生ずる波長760nmである。ゲート光GLは、強度一定の平面光であり、データ光WLは、ホログラム画像Imを生成するように変調された光であるから、ゲート光GLとデータ光WLとが合波して、所定の光強度を有する領域のみ2光子吸収が生じ、コア層の吸収スペクトルが変化する。このようにして、ゲート光GLが導入されたコア層において、データ光WLが透過する所定の領域にのみ周期的散乱要因、すなわちホログラムが形成される。
【0021】
上述したライトワンスホログラムメモリは、2光子書込技術を適用したものであるが、ジアリールエテン系材料を記録媒体に用いているので、消去光を照射することにより、情報の消去を行うこともできる。従って、上述したホログラムメモリは、再書込可能なホログラムメモリとして用いることもできる。
【0022】
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示す。高速データ光生成装置40の光学系は、例えば、特開2001−83865号公報に記載された光学系を適用することができる。高速データ光生成装置40の光学系は、空間光変調器41と凸レンズ42,43とから構成されている。この構成において、凸レンズ42と凸レンズ43との焦点距離をfとすると、空間光変調器41と凸レンズ42との距離はfであり、凸レンズ42と凸レンズ43との距離は2fである。空間光変調器は、微少な矩形画素がマトリクス状に並んだものであって、各々の矩形画素の光透過率(または反射率)を個別に電気制御することができる。空間光変調器は、大面積のコンピュータディスプレイの一種であるプロジェクタ装置の主要部品としても用いられている。
【0023】
このような構成により、平面波状のレーザ光RLを、ホログラム画像Imを表示させた空間光変調器41に入射すると、画像情報を含んだ光が出力される。出力された光は、2枚の凸レンズ42,43を順番に透過した後、凸レンズ43から距離fだけ離れた平面内で像を結び、空間光変調器41に表示された像が再現される。この平面を結像面44と称する。図4に示したように、結像面44と凸レンズ43との間に、ライトワンスホログラムメモリ10を置き、凸レンズ43から出射する光をデータ光WLとして、上述した方法で情報記録を行う。
【0024】
このようにして情報記録を行ったライトワンスホログラムメモリ10に、再生照明光ILを導入してホログラム再生を行うと、結像面44で像を結ぶような回折光が生成される。従って、結像面44に、2次元光検出器の光検出面を合わせることにより、記録された情報の読み出しを行うことができる。
【0025】
このようにして、図4に示した高速データ光生成装置を用いて記録を行うことにより、2次元光検出器のみで直接に情報を読み出すことができるため、情報読み出しのためのレンズ群が不要となり、低価格な情報読み出し装置を実現することができる。
【0026】
なお、高速データ光生成装置において、凸レンズ42,43は、空間光変調器41に表示する画像を、結像面44において再現する結像光学系を構成する。この結像光学系は、最もシンプルなもののひとつであるが、同様な機能を有する結像光学系は、市販のカメラに代表されるように公知のものが多数存在し、本発明は、結像光学系の種類に限定されるものではない。
【0027】
図5に、本発明の第2の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示す。本実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系も、特開2001−83865号公報に記載されている。高速データ光生成装置40の光学系は、空間光変調器41のみから構成されている。空間光変調器41は、図4に示した結像面44に相当する位置に固定される。
【0028】
このような構成により、平面波状のレーザ光RLを空間光変調器41に入射すると、第1の実施形態と同様に画像情報を含んだ光が出力されるので、ライトワンスホログラムメモリ10の上側に入射する。同時にゲート光GLを入射して、情報の記録を行うが、第2の実施形態では、画像情報を含む光が第1の実施形態とは反対方向に進行するため、ゲート光GLも逆方向からライトワンスホログラムメモリ10に入射する。このような方法でホログラム形成を行った場合でも、第1の実施形態と同様に、再生照明光ILを導入してホログラム再生を行うと、空間光変調器41の位置、すなわち図4に示した結像面44に像を結ぶような回折光が生成される。空間光変調器41の位置に、2次元光検出器の光検出面を合わせることにより、記録された情報の読み出しを行うことができる。
【0029】
第2の実施形態によれば、情報読み出し装置のみならず記録装置についても、第1の実施形態で用いた結像光学系を必要とせず、低価格な装置を実現することができる。
【0030】
図6に、本発明の第3の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示す。第3の実施形態にかかる高速データ光生成装置は、図4に示した第1の実施形態において、光学系に2つめの空間光変調器45を置いている。空間光変調器41は、矩形画素の光透過率を個別に電気制御することにより、光の強度を平面内で変調する素子であるが、空間光変調器45は、透過率に換わって光の位相を電気制御可能な画素から構成されている。
【0031】
空間光変調器41によって強度変調された光の電磁場分布は、凸レンズ42,43で構成された結像光学系によって、空間光変調器45の位置で再現される。空間光変調器45において位相変調をかけることにより、強度変調と位相変調とをかけた光波が、空間光変調器45の出力として得られる。これは、任意の波面の光を発生させることができることを意味し、データ光WLとして有効に用いることができる。
【0032】
空間光変調器41に入力する振幅情報と、空間光変調器45に入力する位相情報とを作成するための装置は、例えば、特開2000−321964号公報に記載された再生専用積層導波路ホログラムメモリ用データ作成装置を適用することができる。
【0033】
以下のように振幅情報と位相情報とを計算で求めることもできる。ホログラム画像Imを、Imnと画像を構成する画素の強度とにより表すと、空間光変調器45を透過した直後の光の電磁場は、例えば、
【0034】
【数1】
Figure 0003984055
【0035】
となればよい。Um'n'は、空間光変調器45の第m'行、第n'列の画素に対応する光電磁場であり、スカラー複素表示されている。iは虚数単位、kは光の波数、Lm,Lnはホログラム画像Imの画素ピッチ、Dm',Dn'は空間光変調器41,45の画素ピッチ、lは空間光変調器45と結像面44との距離である。また、C,sk,syは実定数である。
【0036】
このとき、空間光変調器41に入力する振幅Tm'n'は、
【0037】
【数2】
Figure 0003984055
【0038】
となる。また、空間光変調器45では、
【0039】
【数3】
Figure 0003984055
【0040】
だけ位相を進めれば良い。なお、位相θm'n'は、上式を2πで割ったときの剰余でもよい。
【0041】
図6に示した第3の実施形態にかかる高速データ光生成装置において、空間光変調器41と凸レンズ42,43とを省略することもできる。すなわち、光波の振幅変調は行わず、位相のみを変調する。このために理想的な光波の合成はできないが、振幅変調よりも位相変調の方が光波面生成への寄与が大きく、多少のノイズを除いて、十分なホログラム像を生成することができる。この構成によれば、第2の実施形態と同様に、レンズ系を必要としない安価な装置により、ライトワンスホログラムメモリに書込みと読み出しを行うことができる。
【0042】
本実施形態によれば、複雑なレンズ群を必要としない装置により、ライトワンスホログラムメモリに書き込みを行うことができ、かつ、複雑なレンズ群を必要とせず読み出しも行うことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、情報を書き込むコア層に導波光として導入したゲート光と、情報が重畳され平面型光導波路の界面から導入したデータ光とにより、情報を書き込むコア層に、2光子吸収によるホトクロミック現象を生じさせ、導波光の散乱要因を形成することにより、1度だけ前記情報の書込を行うので、プログラム可能な読み出し専用のホログラムメモリが可能となる。
【0044】
また、本発明によれば、複雑なレンズ群を必要としないことから、ライトワンスホログラムメモリに対する情報の書込や読み出しが容易になり、プログラム済みライトワンスホログラムメモリの生産効率が向上するとともに、読み出し専用装置の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるライトワンスホログラムメモリを示した構造図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるライトワンスホログラムメモリに情報を書き込む方法を説明するための図である。
【図3】ライトワンスホログラムメモリに書き込む情報からデータ光を生成する手順を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示した構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示した構成図である。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる高速データ光生成装置の光学系を示した構成図である。
【符号の説明】
10 ライトワンスホログラムメモリ
11a,12a,13a,14a,15 クラッド層
11b,12b,13b,14b コア層
16 基板
20 再生照明光光源
31 シリンドリカルレンズ
32 ビームスプリッタ
33 ゲート光光源
40 高速データ光生成装置
41,45 空間光変調器
42,43 凸レンズ
44 結像面

Claims (2)

  1. 2光子吸収によりホトクロミック現象を生ずる記録材料により形成されたコア層を有する平面型光導波路を多層に積層したライトワンスホログラムメモリであって、
    情報を書き込むコア層に導波光として導入したゲート光と、前記情報が重畳され前記平面型光導波路の界面から導入したデータ光とにより、前記情報を書き込むコア層に、2光子吸収によるホトクロミック現象を生じさせ、導波光の散乱要因を形成することにより、1度だけ前記情報の書き込みが行われ、
    前記情報が書き込まれたコア層に、導波光として導入した再生照明光が、前記散乱要因により前記平面型光導波路の外に回析され、前記情報を2次元符号化して得られるホログラム画像を形成し、
    前記データ光は、前記ホログラム画像を形成するように求められた振幅分布と位相分布に基づいて変調されたレーザ光として、前記平面型光導波路の界面から導入されることを特徴とするライトワンスホログラムメモリ。
  2. 前記記録材料は、ジアリールエテン系分子からなることを特徴とする請求項1に記載のライトワンスホログラムメモリ。
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