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JP3980351B2 - 導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法 - Google Patents

導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性パターン形成材料及びパターン形成方法に関し、特に、微細な導電性パターンを容易に形成することができ、微細配線基板の形成に有用な導電性パターン形成材料及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の導電性パターン形成材料が配線基板の形成などに使用されている。これらの代表的なものは、絶縁体上に真空蒸着などの公知の方法により形成された薄膜の導電性材料を設け、それをレジスト処理し、パターン露光により予め作成したレジストの一部を除去し、その後、エッチング処理を行なって所望のパターンを形成するものであり、少なくとも4つの工程を必要とし、ウエットエッチング処理を行う場合には、その廃液の処理工程も必要となるため、複雑な工程をとらざるをえなかった。
また、他のパターン形成方法としては、フォトレジストを用いた導電性パターン形成材料なども知られている。この方法は、フォトレジストポリマーを塗布したり、ドライフィルム上のフォトレジストを貼付した基材を、任意のフォトマスクを介してUV露光し、格子状などのパターンを形成する方法であり、高い導電性を必要とする電磁波シールドの形成に有用である。
近年、マイクロマシンの開発の進行や超LSIの一層の小型化に伴い、これらの配線構造もナノ単位の微細なものを要求されるようになってきており、従来の金属エッチングでは微細化に限界があり、また、細線部の加工中の断線なども懸念される。このため、配向が制御された緻密なパターンを形成する方法として、機能性有機分子薄膜を使用する方法が提案されているが、この方法においても像様の書込みは従来の如きリスフィルムのようなマスクを介してUV露光を行うものであり、回路形成の自由度はあまり高いとはいえない。
【0003】
一方、近年、導電性パターン形成材料として、ディジタル化されたデーターからマスクなどを介さずに直接、パターン形成する方法が注目され、種々提案されてきている。
このようなデジタル化されたパターン形成方法を利用すれば、微細なパターンが任意に形成されることが期待される。このような方法のひとつとして、自己組織化単分子膜を用いる方法が挙げられる。これは、界面活性分子を含む有機溶剤に基板を浸漬したときに自発的に形成される分子集合体を利用するもので、例えば、有機シラン化合物とSiO2、Al23、基板との組合せや、アルコールやアミンと白金基板との組合せが挙げられ、光リソグラフィー法などによるパターン形成が可能である。このような単分子膜は微細パターンの形成を可能とするが、限られた基板と材料との組み合わせを用いる必要があるために、実際の応用への展開が困難であり、実用に適する微細配線のパターン形成技術は未だ確立されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、露光或いは加熱により高感度でパターン形成することができ、高解像度で、断線のない微細なパターンが得られ、且つ、赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき基材上に直接パターン形成が可能な、応用範囲の広い導電性パターン材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、電磁波シールドの如く、高い導電性と任意のパターン形成を必要とする材料の形成に適する導電性パターン形成材料及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、露光、加熱、赤外線レーザの照射により極性変換する官能基を有する高分子化合物と導電性材料を用いることで上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性パターンを有する材料は、支持体表面に、エネルギー付与により該支持体表面に直接結合してなる親/疎水性領域を形成し得るパターン形成層を有するパターン形成材料に、画像様にエネルギー付与を行って、該パターン形成材料表面に親/疎水性領域を形成させた後、該画像様の親水性領域或いは疎水性領域のいずれかの領域に後述する導電性材料を付着させ導電性素材層を形成してなることを特徴とする。
ここで、用いるパターン形成材料としては、支持体上に、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物が該支持体表面に直接結合してなる高分子化合物含有層を設けてなる態様が挙げられ、ここで高分子化合物含有層の形成に用いられる、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物は、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を側鎖に有する高分子化合物であることが好ましく、この高分子化合物が、高分子鎖の末端で直接共有結合により該支持体表面に結合されている直鎖状高分子化合物、高分子鎖の末端で幹高分子化合物を介して共有結合により該支持体表面に結合されている直鎖状高分子化合物などの如く、支持体表面に直接結合した表面グラフト重合体(グラフトポリマー)であることが好ましい態様である。
さらに、パターン形成材料の第2の態様としては、支持体上に、重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻射線の照射を行って該支持体表面に親水性化合物を直接結合させて得られたグラフトポリマーからなる親水性パターンを形成するものを挙げることができる。
また、導電性素材層を形成するための導電性材料としては、粒径が0.1nmから1000nmの範囲である導電性粒子が用いられ、この導電性材料を先に形成したパターン状の親疎水性いずれかの部分に吸着の形で付着させることが好ましい。
【0006】
本発明の請求項5に係る導電性パターン形成方法は、支持体上に、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を有る高分子化合物が該支持体表面に直接結合してなる高分子化合物含有層を設けたパターン形成材料に、画像様に加熱、酸の供給または輻射線の照射を行って、該層の親疎水性を変化させるパターン形成工程と、該画像様の親疎水性パターン上に導電性材料を導入して導電性素材層を形成する導電性素材層形成工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る導電性パターン形成方法は、支持体上に、重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻射線の照射を行って該支持体表面に親水性化合物が直接結合してなる親水性パターンを形成する工程と、該親水性パターン上に粒径が0.1nmから1000nmの範囲である導電性微粒子を付着させて導電性素材層を形成する導電性素材層形成工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の導電性パターン形成材料の第1の態様では、その表面に、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基(以下、適宜、極性変換基と称する)を有する高分子化合物の表面の極性に応じて、露光を含む輻射線照射或いは加熱などのエネルギーを付与した領域に選択的に導電性粒子を吸着させることでパターン形成を行うため、デジタルデータに基づく高解像度のパターンを得ることができる。第2の態様においても同様に、パターンを形成するにあたり、支持体表面に重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻射線の照射を行って支持体表面に活性点を設け、そこに重合性基を有する化合物を結合させることでグラフトポリマーからなる親水性パターンの形成を行なうため、露光、加熱などのエネルギーの付与パターンに応じて高解像度のパターンを得ることができる。
【0008】
導電性パターン形成材料のパターン形成層として用いられる極性変換基を有する高分子化合物は、例えば、その末端で直接または幹高分子化合物を介して支持体に結合しており、また、第2の態様において用いられる親水性化合物も露光などにより支持体上に直接結合することになる。さらに、配線を形成するための導電性粒子は極性に応じてパターン形成層の親/疎水性領域表面にイオン的に強固に吸着するため、導電性の領域が形成された部分が高い強度と耐磨耗性を示すことになる。その結果、薄層であっても、高強度な配線パターンの形成が可能であり、導電性粒子が極性変換基にイオン的に吸着し、吸着した分子は単分子膜に近い状態で強固に固定されるため、薄層で、且つ、断線のない微細な配線パターンを形成しうるものと考えられる。
さらに、本発明においては、導電性粒子の吸着能を有する極性変換基、或いは、親水性の官能基は、運動性の高いグラフト鎖構造を有するため、一般的な架橋高分子膜に導電性粒子を吸着させる場合に比較して、吸着速度が極めて早く、単位面積当たりに吸着しうる導電性粒子の量が多くなるという特徴を有する。このため、微粒子間に存在する空隙により導電性が妨げられることがない。本発明の導電性パターン形成材料では、微細な配線の形成性を維持しながらも、パターン形成層を薄くして、一層の高感度化を図ることが可能であると共に、パターン形成層を構成する高分子化合物が支持体と直接化学結合されているため、薄層であっても耐久性に優れるという利点を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の導電性パターン形成材料について詳細に説明する。
本発明の第1の態様における導電性パターン形成材料の特徴である、親疎水性が変化する官能基を有する高分子鎖の末端が直接もしくは幹高分子を介して支持体表面に化学的に結合されたパターン形成層を作成するための手段について説明する。
〔表面グラフト重合〕
本発明の第1の態様に係るパターン形成層は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段をもちいて作成される。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体をさらに重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法で、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
【0010】
本発明を実現するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135には表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203,p695には、γ線、電子線などの放射線照射グラフト重合法が記載されている。
光グラフト重合法の具体的方法としては特開平10−296895号公報および特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。
【0011】
高分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結合された表面グラフト層を作成するための手段としてはこれらの他、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、これと支持体表面に存在する官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
なお、本発明における支持体表面とは、その表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合する機能を有する表面を示すものであり、支持体自体がこのような表面特性を有するものであってもよく、また該支持体上に別途中間層を設け、該中間層がこのような特性を有するものであってもよい。
【0012】
また、極性変換基を有する高分子化合物鎖の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表面を作成するための手段としては、支持体表面官能基とカップリング反応しうる官能基を幹高分子高分子の側鎖に付与し、グラフト鎖として親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト高分子化合物(グラフトポリマー)を合成し、この高分子と下層表面官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
【0013】
〔親疎水性が変化する官能基〕
次に、本発明の平版印刷版用原版の特徴の一つである、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基(極性変換基)について説明する。
極性変換基としては、疎水性から親水性に変化する官能基と、親水性から疎水性に変化する官能基の2種類がある。
【0014】
(疎水性から親水性に変化する官能基)
疎水性から親水性に変化する官能基としては、文献記載の公知の官能基を挙げることができる。
これらの官能基の有用な例は、特開平10−282672号公報に記載のアルキルスルホン酸エステル、ジスルホン、スルホンイミド、EP0652483、WO92/9934記載のアルコキシアルキルエステル、H.Itoら著、Macrornolecules, vol.21, pp.1477記載のt−ブチルエステル、その他、シリルエステル、ビニルエステルなどの文献記載の酸分解性基で保護されたカルボン酸エステルなどを挙げることができる。
【0015】
また、角岡正弘著、「表面」vol.133(1995), pp.374記載のイミノスルホネート基、角岡正弘著、Polymer preprints,Japan vol.46(1997), pp.2045記載のβケトンスルホン酸エステル類、山岡亜夫著、特開昭63−257750号のニトロベンジルスルホネート化合物も挙げることができるが、これらの官能基に限定される訳ではない。
これらのうち、特に優れているのは下記に示される2級のアルキルスルホン酸エステル基、3級のカルボン酸エステル基、および下記に示されるアルコキシアルキルエステル基である。
【0016】
本発明において、疎水性から親水性に変化する官能基として特に優れている2級のアルキルスルホン酸エステル基としては、下記一般式(1)で表されるものである。
【0017】
【化1】
Figure 0003980351
【0018】
(一般式(1)式中、Lはポリマー骨格に連結するのに必要な多価の非金属原子から成る有機基を表し、R1、R2は置換もしくは非置換アルキル基を表す。また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよい。)
【0019】
前記一般式(1)のR1、R2は置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール基を表し、また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよい。R1、R2が置換もしくは非置換アルキル基を表すとき、アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1から25までのものが好適に用いられる。R1、R2が置換もしくは非置換アリール基を表すとき、アリール基には炭素環式アリール基と複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基など炭素数6から19のものが用いられる。また、複素環式アリール基としてはピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。
【0020】
1、R2が置換アルキル基、置換アリール基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−クロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15までのアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基などのカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチルオキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モルフォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のアミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエーテル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;フェニル基、ナフチル基のようなアリール基;ピリジル基のようなヘテロアリール基等を挙げることができる。また、R1、R2が置換アリール基であるとき、置換基としては、前述したものの他にもメチル基、エチル基などのアルキル基を用いることができる。
【0021】
上記のR1、R2としては、感材の保存安定性に優れる点で、置換、非置換のアルキル基が好ましく、経時安定性の点で、アルコキシ基,カルボニル基,アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基などの電子吸引性基で置換されたアルキル基、もしくはシクロヘキシル基、ノルボルニル基などのアルキル基が特に好ましい。物性値としては、重クロロホルム中、プロトンNMRにおける2級メチン水素のケミカルシフトが4.4ppmよりも低磁場に現れる化合物が好ましく、4.6ppmよりも低磁場に現れる化合物がより好ましい。このように、電子吸引性基で置換されたアルキル基が特に好ましいのは、熱分解反応時に中間体として生成していると思われるカルボカチオンが電子吸引性基により不安定化し、分解が抑制されるためであると考えられる。具体的には、−CHR12の構造としては、下記式で表される構造が特に好ましい。
【0022】
【化2】
Figure 0003980351
【0023】
また、前記一般式(1)のLで表される非金属原子からなる多価の連結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連結基としては下記の構造単位が組み合わさって構成されるものを挙げることができる。
【0024】
【化3】
Figure 0003980351
【0025】
多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0026】
本発明において、疎水性から親水性に変化する官能基として特に優れているアルコキシアルキルエステル基としては、下記一般式(2)で表されるものである。
【0027】
【化4】
Figure 0003980351
【0028】
式中R3は水素原子を表し、R4は水素原子または炭素数18個以下のアルキル基を表し、R5は炭素数18個以下のアルキル基を表す。また、R3、R4およびR5の内の2つが結合して間を形成してもよい。特に、R4およびR5が結合して5または6員環を形成することが好ましい。
【0029】
以上、本発明における疎水性から親水性に変化する官能基としては、一般式(1)で表される2級のアルキルスルホン酸エステル基が特に好ましい。
前記一般式(1)〜(2)で表される官能基〔官能基(1)〜(13)〕の具体例を以下に示す。
【0030】
【化5】
Figure 0003980351
【0031】
【化6】
Figure 0003980351
【0032】
(親水性から疎水性に変化する官能基)
本発明において、熱、酸または輻射線により親水性から疎水性に変化する官能基としては、公知の官能基、例えば、特開平10−296895号及び米国特許第6,190,830号に記載のオニウム塩基を含むポリマー、特にアンモニウム塩を含むポリマーを挙げることができる。具体的なものとして、(メタ)アクリロルオキシアルキルトリメチルアンモニウムなどを挙げることができる。また、下記一般式(3)で示されるカルボン酸基およびカルボン酸塩基が好適なものとして挙げられるが、これらの例示に特に限定されるものではない。
【0033】
【化7】
Figure 0003980351
【0034】
(式中、Xは−O−、−S−、−Se−、−NR8−、−CO−、−SO−、−SO2−、−PO−、−SiR89−、−CS−を表し、R6、R7、R8、R9は各々独立して1価の基を表し、Mは陽電荷を有するイオンを表す。)
6、R7、R8、R9の具体例としては、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R10、−OR10、−OCOR10、−OCOOR10、−OCONR1011、−OSO210、−COR10、−COOR10、−CONR1014、−NR1011、−NR10−COR11、−NR10−COOR11、−NR10−CONR1112、−SR10、−SOR10、−SO210、−SO310等が挙げられる。
10、R11、R12は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
【0035】
これらのうち、R6、R7、R8、R9として好ましいのは、具体的には、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、アルケニル基である。
Mの具体例としては、前述のような陽電荷を有するイオンが挙げられる。
前記一般式(3)で表される官能基の具体例〔官能基(14)〜(31)〕を以下に示す。
【0036】
【化8】
Figure 0003980351
【0037】
【化9】
Figure 0003980351
【0038】
本発明における極性変換基を有する高分子化合物は、上記のような官能基を有するモノマー1種の単独重合体であっても、2種以上の共重合体であっても良い。また、本発明の効果を損なわない限り、他のモノマーとの共重合体であっても良い。
なお、上記のような官能基を有するモノマーの具体例を以下に示す。
(前記一般式(1)〜(2)で表される官能基を有するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−1)〜(M−15)〕)
【0039】
【化10】
Figure 0003980351
【0040】
【化11】
Figure 0003980351
【0041】
(前記一般式(3)で表される官能基を有するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−16)〜(M−33)〕)
【0042】
【化12】
Figure 0003980351
【0043】
【化13】
Figure 0003980351
【0044】
〔支持体表面〕
本発明の導電性パターン形成材料は、前述の極性変換基を有する高分子化合物の末端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合した表面グラフト層と該高分子化合物の末端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような支持体表面を有するものである。先に述べたように、支持体の表面自体がこのような特性を有していてもよく、このような特性を有する中間層を支持体表面に設けてもよい。
【0045】
(支持体表面或いは中間層)
このような支持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいずれでおよい。また本発明においては、薄層の高分子化合物からなるパターン形成層により親疎水性の変化を発現するため表面の極性は問題ではなく、親水性であっても、また、疎水性であってもよい。
このような中間層においては、特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により本発明の薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で好ましい。
このような中間層は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、また必要に応じて支持体上に設けられた中間層であってもかまわない。
【0046】
(光熱変換物質)
なお、本発明の導電性パターン形成材料をIRレーザーなどで画像記録する場合には、該光エネルギーを熱エネルギーに変換するための光熱変換物質を導電性パターン形成材料のどこかに含有させておくことが好ましい。光熱変換物質を含有させておく部分としては、例えば、パターン形成層、中間層、支持体基板のいずれでもよく、さらには、中間層と支持体基板との間に光熱変換剤層を設け、そこに添加してもよい。
【0047】
本発明の導電性パターン形成材料に用い得る光熱変換物質としては、紫外線、可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、顔料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。本発明において特に好ましいのは、書き込みに使用する赤外線レーザの露光波長である760nmから1200nmに極大吸収波長を有する染料、顔料または金属微粒子である。
【0048】
染料としては、市販の染料及び文献(例えば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0049】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別の染料の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
【0050】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0051】
これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含有層全固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱くなる。
【0052】
〔支持体〕
本発明に用いられる支持体とは、前述の重合性基を有する親水性化合物の末端又は側鎖が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような支持体表面を有するものである。支持体自体がこのような特性を有していてもよく、このような特性を有する中間層を支持体上に設けてもよい。
【0053】
(支持体表面或いは中間層)
このような支持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいずれでもよい。
特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で好ましい。
このような支持体表面は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、また必要に応じて支持体上に設けられた中間層であってもかまわない。
【0054】
(支持体基板)
本発明の導電性パターン形成材料に使用され、その表面に前記特性を備えた支持体表面を有する支持体(基板)は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれる。本発明に使用される支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも、前記中間層を兼ねることができるポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0055】
基材として使用するアルミニウム板には必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの公知の表面処理を行なってもよい。
また、他の好ましい態様であるポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムを用いる場合にも、親水性表面の形成性、密着性の観点から、粗面化処理を施されたものを用いることが好ましい。
【0056】
なお、本発明の平版印刷版用原版に使用される支持体が、前記中間層を兼ねる場合は、前記中間層において詳述した樹脂材料からなるフィルムそのものを用いることができ、この場合には、前記のようにパターン形成層を構成する高分子化合物が直接化学結合している支持体表面が粗面化されていることが好ましい。
粗面化した支持体を用いる場合には、その表面性状は以下の条件を満たすものであることが好ましい。
粗面化された支持体の好ましい状態としては、2次元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μm、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ましい。
【0057】
また、本発明の導電性パターン形成材料においては、パターン形成層の形成性、パターン形成層との密着性の観点から、前記高分子化合物が直接化学結合している支持体として、その表面が粗面化されているものを用いることもできる。
【0058】
〔パターン形成方法〕
つぎにこのようにして得られた本発明の第1の態様に係る導電性パターン形成材料のパターン形成方法について説明する。
本発明の導電性パターン形成材料のパターン形成機構では、前記パターン形成層中の高分子化合物の極性変換基が加熱、または輻射線照射などのエネルギー付与領域において極性変換し、正又は負の電荷を有するようになる。この領域に後述する導電性粒子を吸着させることで、該領域が導電性の領域となり、配線(導電性素材層)が形成されることになる。また、非加熱領域、または輻射線未照射領域においては、親水性層がそのままの表面状態で残存することになり、導電性粒子は吸着せず非導電性の領域(絶縁領域)となる。
また、極性変換して得られた親水性領域に親水性表面を有する金属微粒子などの導電粒子を吸着させたり、疎水性領域に疎水性表面を有する導電性ポリマーなどの導電粒子を吸着させて回路を形成することもできる。
【0059】
(書き込み)
本発明の導電性パターン形成材料への画像の書き込みは、光などの輻射線の照射或いは加熱により行われる。また、光照射の一態様として、前記光熱変換材料を併用するタイプであれば、赤外線領域のレーザー光等の走査露光による加熱により、パターン形成することも可能である。
パターン形成に用いる方法としては、加熱、露光等の輻射線照射により書き込みを行う方法が挙げられる。例えば、赤外線レーザ、紫外線ランプ、可視光線などによる光照射、γ線などの電子線照射、サーマルヘッドによる熱的な記録などが可能である。これらの光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
一般的に用いられる具体的な態様としては、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
コンピュータのデジタルデータによるダイレクトパターン形成を行うためには、レーザ露光により極性変換を生起させる方法が好ましい。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/Neレーザ、He/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YAGレーザ等の固体レーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsレーザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、XeClレーザ、XeFレーザ、Ar2等のエキシマレーザ等を使用することができる。なかでも、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
【0060】
次に本発明の第2の態様に係るパターン形成材料とパターン形成方法について説明する。
〔表面グラフトによる親水性パターンの形成〕
本発明の第2の態様におけるパターン形成層においては、支持体上に、重合性基を有する親水性化合物を接触させ、エネルギーを付与することで親水性化合物の重合性基と支持体とが化学結合を生成するため、強固で耐久性に優れ、高い親水性を有する親水性領域を形成することができる。このような結合の形成を表面グラフトと称する。これは、本発明の第1の態様に係るパターン形成層で説明した表面グラフト重合と呼ばれる手段に準じるものであり、第1の態様ではグラフトされる高分子化合物が極性変換基を有するものであったが、本態様では、重合性の親水性化合物を含有する組成物を接触させながら、支持体表面に生成する活性種に直接結合させるものである。
この接触は、支持体を、重合性の親水性化合物を含有する液状の組成物中に浸漬することで行ってもよいが、導電性パターン材料の取り扱い性や製造効率の観点からは、後述するように、重合性の親水性化合物を含有する組成物を主成分とする層を支持体表面に、塗布法により形成することが好ましい。
【0061】
以下に、エネルギー付与による表面グラフトの形成について説明する。
本発明においては、親水性領域の形成は、表面グラフト重合と呼ばれる方法により行われる。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に、光、電子線などの従来公知の方法にてエネルギーを付与することにより活性種を与え、これによって重合を開始する別の重合性化合物をさらに重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法で、特に活性種を与える高分子化合物が表面を形成するときには表面グラフト重合と呼ばれる。
【0062】
通常は、基材を構成するPETなどの支持体表面を直接、プラズマ、もしくは電子線にて処理し、表面にラジカルを発生させて重合開始能を発現させ、その後、その活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させることによりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性基を有する表面層を得ることができる。本発明の好ましい態様では、支持体に予め重合開始能を有する化合物を添加することで、このような活性点の形成を低エネルギーで容易に行うことができ、且つ、生成する活性点も多いため、簡易な方法により、より高い親水性を有する表面を形成することができる。
【0063】
光照射などによりグラフト重合を生じさせる方法自体は、公知の方法を適用することができる。光グラフト重合法の具体的方法としては特開昭63−92658号公報、特開平10−296895号公報および特開平11−119413号公報に記載の方法を本発明においても使用することができる。具体的には、支持体上に重合開始剤と重合性化合物からなる重合成組成物をあらかじめ下塗りしておき、その上に重合性基を有する親水性化合物を接触させ光照射する方法である。
また、親水性化合物をパターン状に形成する他の手段として、T.Matsuda,Y.Nakayama Langmuir 1999 vol15 page5560,およびMacromolecules 1996 vol29 page8622記載のごとくN,N−ジエチルチオカルバメート基を有するポリマー基板を使用し、これに親水性モノマーを接触させパターン状に露光することで表面グラフト重合を起こさせ、ポリアクリル酸を表面に固定した親水性パターンを形成する方法も適用することができる。
表面グラフトを作成する方法のなかでも、エネルギー付与を光照射により行う光グラフト法をとることが好ましい。
【0064】
(重合性基を有する親水性化合物)
本発明に用いられる重合性基を有する親水性化合物とは、後述の親水性モノマー、又は該親水性モノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて得られる親水性ホモポリマー、コポリマーに、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基を導入したラジカル重合性基含有親水性化合物を指し、この化合物は、少なくとも末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、特に末端に重合性基を有するものが好ましく、さらに、末端及び側鎖に重合性基を有するものが好ましい。
【0065】
このようなエチレン付加重合性不飽和基を導入したラジカル重合性基含有親水性化合物は以下のように合成できる。
合成方法としては、親水性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーを共重合する方法、親水性モノマーと二重結合前駆体を有するモノマーを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、親水性化合物の官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法が挙げられる。特に好ましいのは、合成適性の観点から、親水性化合物の官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法である。
【0066】
上記ラジカル重合性基を主鎖末端及び/又は側鎖に有する親水性化合物の合成に用いられる親水性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基などの親水性基を有するモノマーが挙げられる。
【0067】
親水性モノマ−と共重合するアリル基含有モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。
また、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
親水性モノマー中のカルボキシル基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基およびエポキシ基などの官能基との反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0068】
末端及び/又は側鎖に重合性基を持つ親水性化合物の好ましい例として、親水性マクロモノマーが挙げられる。本発明に用いられるマクロモノマーの製造方法は、例えば平成1年9月20日にアイピーシー出版局発行の「マクロモノマーの化学と工業」(編集者 山下雄也)の第2章「マクロモノマーの合成」に各種の製法が提案されている。本発明で用いられる親水性のマクロモノマーで特に有用なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸、およびその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マクロモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレー卜、ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートなどのアルコキシ基もしくはエチレンオキシド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーである。またポリエチレングリコール鎖もしくはポリプロピレングリコール鎖を有するモノマーも本発明に用いられるマクロモノマーとして有用に使用することができる。
これらのマクロモノマーのうち有用な分子量は250〜10万の範囲で、特に好ましい範囲は400〜3万である。
【0069】
(上記親水性マクロモノマーとの併用に有用な親水性モノマー)
また、上記重合性基を有する親水性マクロモノマーに、さらに、親水性モノマーを添加しても良い。親水性モノマーを添加することにより重合率を上げることができる。
親水性モノマーの添加量は、全ての重合性基を有する親水性化合物中、固形分で0〜60重量%が好ましい。60重量%以上では塗布性が悪く均一に塗布できないので不適である。
末端及び/又は側鎖に重合性基を有する親水性化合物と併用するのに有用な、親水性モノマーとしては、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー、もしくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基を有するモノマーが挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基などの非イオン性の基を有する親水性モノマーを用いることもできる。
本発明において、親水性マクロモノマーとの併用に、特に有用な親水性モノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることが出来る。
【0070】
例えば、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン酸塩、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスチレンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレー卜もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキンエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、2−トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、などを使用することができる。また2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メタクリロイルオキシエチルカルバミン酸アスパラギン酸の如き分子中にアミノ酸骨格を有するモノマー、グリコキシエチルメタクリレートの如き分子中に糖骨格を有するモノマーなども有用である。
【0071】
このような親水性化合物を含有する組成物に使用する溶剤は、主成分である前記親水性マクロモノマーや親水性モノマーなどが溶解可能ならば特に制限はないが、水、水溶性溶剤などの水性溶剤が好ましく、これらの混合物や、溶剤にさらに界面活性剤を添加したものなどが好ましい。
水溶性溶剤は、水と任意の割合で混和しうる溶剤を言い、そのような水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトンの如きケトン系溶剤、ホルムアミドの如きアミド系溶剤、などが挙げられる。
【0072】
必要に応じて溶剤に添加することのできる界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に行うことができるが、塗布法により親水性化合物組成物塗布層を形成する場合の塗布量は固形分換算で0.1〜10g/m2が好ましく、特に1〜5g/m2が好ましい。0.1g/m2未満では十分な表面親水性を得ることができず、また10g/m2を超えると均一な塗布膜が得にくいため、いずれも好ましくない。
【0073】
〔支持体〕
本発明に用いられる支持体とは、前述の重合性基を有する親水性化合物の末端又は側鎖が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような支持体表面を有するものである。支持体自体がこのような特性を有していてもよく、このような特性を有する中間層を支持体上に設けてもよい。
【0074】
(支持体表面或いは中間層)
このような支持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいずれでもよい。
特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で好ましい。
このような支持体表面は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、また必要に応じて支持体上に設けられた中間層であってもかまわない。
【0075】
(支持体基板)
本発明の導電性パターン材料に使用され、その表面に前記特性を備えた支持体表面を有する支持体基板としては寸度的に安定な板状物であることが好ましく、具体的には、例えば、先に第1の態様において挙げた支持体基板と同様のものを挙げることができる。
また、本態様においても、パターン形成層の形成性、パターン形成層との密着性の観点から、前記親水性化合物が直接化学結合している支持体基板として、その表面が粗面化されているものを用いることが好ましく、粗面化した支持体基板を用いる場合の表面性状は前記の条件を満たすものであることが好ましい。
【0076】
(重合開始能を発現する層)
なお、本発明においては、上記支持体表面に、エネルギーを付与することにより重合開始能を発現する化合物として、重合性化合物と重合開始剤を添加し、中間層或いは支持体表面として重合開始能を発現する層を形成することが、活性点を効率よく発生させ、パターン形成感度を向上させるという観点から好ましい。重合開始能を発現する層(以下、適宜、重合性層と称する)は、必要な成分を、それらを溶解可能な溶媒に溶解し、塗布などの方法で支持体表面上に設け、加熱または光照射により硬膜し、形成することができる。
【0077】
(a)重合性化合物
重合性層に用いられる重合性化合物は、支持体との密着性が良好であり、且つ、活性光線照射などのエネルギー付与により上層に含まれる、末端及び/又は側鎖に重合性基を有する親水性化合物が付加し得るものであれば特に制限はないが、なかでも、分子内に重合性基を有する疎水性ポリマーが好ましい。
このような疎水性ポリマーとしては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリぺンタジエンなどのジエン系単独重合体、アリル(メタ)アクリレー卜、2−アリルオキシエチルメタクリレー卜などのアリル基含有モノマーの単独重合体;
さらには、前記のポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエンなどのジエン系単量体またはアリル基含有モノマーを構成単位として含む、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどとの二元または多元共重合体;
不飽和ポリエステル、不飽和ポリエポキシド、不飽和ポリアミド、不飽和ポリアクリル、高密度ポリエチレンなどの分子中に炭素−炭素二重結合を有する線状高分子または3次元高分子類;などが挙げられる。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
重合性化合物の含有量は、重合性層中、固形分で0〜100重量%の範囲が好ましく、10〜80重量%の範囲が特に好ましい。
【0078】
(b)重合開始剤
本発明における重合性層にはエネルギー付与により重合開始能を発現させるための重合開始剤を含有することが好ましい。ここで用いられる重合開始剤は、所定のエネルギー、例えば、活性光線の照射、加熱、電子線の照射などにより、重合開始能を発現し得る公知の熱重合開始剤、光重合開始剤などを目的に応じて、適宜選択して用いることができる。なかでも、熱重合よりも反応速度(重合速度)が高い光重合を利用することが製造適性の観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明に用い得る光重合開始剤は、照射される活性光線に対して活性であり、重合性層に含まれる重合性化合物と、上層に含まれる末端又は側鎖に重合性基を有する親水性化合物とを重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いることができる。
【0079】
そのような光重合開始剤としては、具体的には、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン(4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、の如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性層中、固形分で0.1〜70重量%の範囲が好ましく、1〜40重量%の範囲が特に好ましい。
【0080】
上記重合性化合物及び重合開始剤を塗布する際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートなどが挙げられる。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0081】
重合性層を支持体上に形成する場合の塗布量は、乾燥後の重量で、0.1〜20g/m2が好ましく、さらに、1〜15g/m2が好ましい。塗布量0.1g/m2未満では十分な重合開始能を発現できず、親水性化合物のグラフト化が不十分となり、所望の親水性を得られない懸念があり、塗布量が20g/m2を超えると膜性が低下する傾向になり、膜剥がれを起こしやすくなるため、いずれも好ましくない。
【0082】
上記のように、支持体表面上に上記の重合性層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜させて重合性層を形成するが、このとき、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、親水性化合物のグラフト化を達成した後に重合性層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。ここで、予備硬化に光照射を利用するのは、前記光重合開始剤の項で述べたのと同様の理由による。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が十分乾燥しうる条件を選択すればよいが、製造適正の点からは、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ましく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
【0083】
加熱乾燥後に所望により行われる光照射は、後述するパターン形成に用いる光源を用いることができるが、引き続き行われる親水性パターンの形成と、エネルギー付与により実施される重合性層の活性点とグラフト鎖との結合の形成を阻害しないという観点から、重合性層中に存在する重合性化合物が部分的にラジカル重合しても、完全にはラジカル重合しない程度に光照射することが好ましく、光照射時間については光源の強度により異なるが、一般的には30分以内であることが好ましい。このような予備硬化の目安としては、溶剤洗浄後の膜残存率が10%以上となり、且つ、予備硬化後の開始剤残存率が1%以上であることが、挙げられる。
【0084】
〔パターン形成〕
本発明の導電性パターン材料にパターン形成を行う場合のエネルギー付与方法には特に制限はなく、支持体表面に活性点を生じさせ、重合性基を有する親水性化合物との結合し得るエネルギーを付与できる方法であれば、いずれも使用できるが、コスト、装置の簡易性の観点からは活性光線を照射する方法が好ましい。
画像様の露光に活性光線の照射を適用する場合、デジタルデータに基づく走査露光、リスフィルムを用いたパターン露光のいずれも使用することができる。
パターン形成に用いる方法としては、先に第1の態様において挙げた各種の書き込み方法が本態様においても同様に好ましく適用できる。
【0085】
このようにエネルギー付与を行うことで支持体表面に発生した活性点と、重合性基を有する親水性化合物とが重合して、運動性の高い親水性グラフト鎖を有する表面が形成される。また、好ましい態様として、末端及び側鎖に重合性基を有する親水性化合物を添加することで、支持体と結合したグラフト鎖の側鎖の重合性基にさらに、親水性グラフト鎖が結合することで、枝分かれを有するグラフト鎖構造が形成され、運動性が高い親水性グラフトの形成密度、運動性ともに飛躍的に向上するため、さらなる高い親水性が発現するものである。
【0086】
〔導電性素材層〕
(導電性材料)
次に、上記で形成された親水性パターン上に吸着させ得る導電性微粒子について説明する。
本発明に用いられる導電性微粒子としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、公知の導電性材料からなる微粒子を任意に選択して用いることができる。例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Crなどの金属微粒子、In23、SnO2、ZnO、Cdo、TiO2、CdIn24、Cd2SnO2、Zn2SnO4、In23−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、また、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適なものとして挙げられる。
【0087】
(極性変換タイプの表面グラフト重合の極性と導電性粒子との関係)
先に具体的に例示した一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸エステル基などの如きアニオングラフト極性変換官能基を有するパターン形成層では、露光領域のみが選択的に負の電荷を有するようになり、ここに正の電荷を有する導電性粒子を吸着させることで導電性の領域(配線)が形成される。このようなパターン形成機構を用いる場合には、露光部のみが極性変換して導電粒子吸着能を有するようになるため、単一の基板(支持体)上に複数の異なる導電粒子による配線を順次形成することもできる。
即ち、導電性パターン形成材料を露光して、露光領域に1種の導電粒子を吸着させ、水洗により余分な導電粒子を除去して第1の回路を形成する。このとき、未露光部の極性変換基は影響を受けていないため、同じ導電性パターン形成材料に対して、再度、像様の露光を行って極性変換を生じさせ、新たな露光領域に他の導電粒子を吸着させて第2の回路を形成することができる。このように、段階的な像様露光により複数の異なる導電性を有する回路を同一基板上に形成することが可能となるものである。
【0088】
このようなパターン形成に用い得るカチオン性の導電性粒子としては、正電荷を有する金属(酸化物)微粒子などが挙げられる。
表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、例えば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezawa, Chemistry Letters., 1999 page1061, T.Yonezawa, Langumuir 2000, vol16, 5218および米澤徹, Polymer preprints, Japan vol.49. 2911 (2000)に記載された方法にて作成することができる。米澤らは金属−硫黄結合を利用し、金属粒子表面を正荷電を有する官能基で高密度に化学修飾できることを示している。
【0089】
他のパターン形成機構として、例えば、特開平10−296895号公報に記載のアンモニウム基などの如きカチオングラフト極性変換官能基を有するパターン形成層では、もともとのパターン形成層材料表面が正の電荷を有しており、露光領域のみが電荷を消失するようになる。ここに負電荷を有する導電性粒子が吸着して導電性の領域が形成される。このようなパターン形成機構を用いる場合には、未露光部のみに導電性粒子が吸着するため、単一の回路形成、広い面積の導電性領域の形成、などに適する導電性パターン形成材料が得られる。
いずれのパターン形成機構をとるにしても、本発明においては、親水性表面に結合する粒子は規則正しくほぼ単層状態に配置される。
【0090】
(親水性化合物結合タイプの親水性基の極性と導電性微粒子との関係)
前記第2の態様において得られる親水性パターンがカルボキシル基、スルホン酸基、もしくはホスホン酸基などの如きアニオン性を有する場合は、パターン部分が選択的に負の電荷を有するようになり、ここに正の電荷を有する(カチオン性の)導電性微粒子を吸着させることで導電性の領域(配線)が形成される。
【0091】
このようなカチオン性の導電性微粒子としては、正電荷を有する金属(酸化物)微粒子などが挙げられる。表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、例えば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezawa,Chemistry Letters.,1999 page1061,T.Yonezawa,Langumuir 2000,vol16,5218および米澤徹,Polymer preprints,Japan vol.49.2911(2000)に記載された方法にて作成することができる。米澤らは金属−硫黄結合を利用し、正荷電を有する官能基で高密度に化学修飾された金属粒子表面が形成できることを示している。
【0092】
一方、得られる親水性パターンが特開平10−296895号公報に記載のアンモニウム基などの如きカチオン性基を有する場合は、パターン部分が選択的に正の電荷を有するようになり、ここに負の電荷を有する導電性微粒子を吸着させることで導電性の領域(配線)が形成される。負に帯電した金属粒子としてはクエン酸還元で得られた金もしくは銀粒子を挙げることができる。
【0093】
いずれの態様をとる場合においても、導電性素材層を形成するに用いる導電性微粒子の粒径は0.1nmから1000nmの範囲であることが好ましく、1nmから100nmの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよりも小さくなると、微粒子同士の表面が連続的に接触してもたらされる導電性が低下する傾向がある。また、1000nmよりも大きくなると、極性変換された官能基と相互作用して結合する接触面積が小さくなるため親水性表面と粒子との密着が低下し、導電性領域の強度が劣化する傾向がある。
ここで、透明配線基板などを得ようとする場合には、光透過性を確保する観点から、好ましくは0.2〜100nm、さらに好ましくは1〜10nmの範囲のものを用いる。
【0094】
これらの微粒子は、親水性表面の極性変換基或いは親水性基に吸着し得る最大量結合されることが耐久性の点で好ましい。また、導電性確保の観点からは、分散液の分散濃度は、0.001〜20重量%程度が好ましい。
【0095】
導電性粒子を極性変換させた部分或いは親水性基に吸着させる方法としては、表面上に荷電を有する導電性粒子を溶解又は分散させた液を露光などにより像様に極性変換された支持体表面に塗布する方法、及び、これらの溶液又は分散液中に像様に極性変換された支持体表面を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸漬のいずれの場合にも、過剰量の導電性粒子を供給し、極性変換基との間に十分なイオン結合による導入がなされるために、溶液又は分散液と支持体表面との接触時間は、10秒から24時間程度であることが好ましく、1分から180分程度であることがさらに好ましい。
【0096】
前記導電性粒子は1種のみならず、必要に応じて複数種を併用することができる。また、所望の導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いることもできる。
これら導電性粒子の使用量は、導電性パターン形成材料のパターン形成機構により適宜選択することができるが、イオン性の吸着により親水性表面に、殆ど単分子膜に近い状態で導入されるため、一般的な導電性パターン形成材料に用いる導電性材料の使用量に比較して、少量で、充分な導電性を有し、しかも、微細な回路にも適用し得る高鮮鋭度の導電性領域を形成することができる。
【0097】
以上の方法で、パターン形成された本発明の導電性パターン形成材料は、種々の回路形成に使用でき、パターン形成手段を選択することでナノスケールの導電性領域を形成することができるため、マイクロマシンや超LSIなどの回路形成を含む広い用途が期待される。
さらに、支持体にPETなどの透明フィルムを使用した場合には、パターン形成された透明導電性フィルムとして使用することができる。このような透明導電性フィルムの用途としては、ディスプレイ用透明電極、調光デバイス、太陽電池、タッチパネル、その他の透明導電膜が挙げられるが、CRTやプラズマディスプレイにつける電磁波シールドフィルターとして特に有用である。このような電磁波シールドフィルターは高い導電性と透明性とを必要とするため、導電性素材層を格子状に設けることが好ましい。このような格子線幅は、20〜100μm、開口部は50〜600μm程度が好ましい。この格子は必ずしも規則正しく、直線で構成されていなくてもよく、曲線状で構成されていてもよい。本発明においては、このような任意のパターン形状の導電性素材層を容易に形成しうるため、目的に応じた種々の設定が可能である。
【0098】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(導電性パターン形成材料の作製)
188μmのコロナ処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として用い、その表面に下記の組成をロッド10番の塗布バーを使用して塗布し、100℃で1分乾燥し、膜厚1.6μmの赤外線吸収剤を含有する中間層を作成した。
【0099】
(中間層塗布液)
・エポキシ樹脂(エピコート, Yuka-shell Co,Ltd.) 2 g
・赤外線吸収剤(IR125 和光純薬剤) 0.2g
・1−メトキシ−2−プロパノール 9 g
・メチルエチルケトン 9 g
【0100】
中間層を形成した支持体表面を次の条件にてプラズマ処理して表面グラフト重合によるパターン形成層の形成を行った。
島津製作所製LCVD−01型プラズマ処理装置を用いて0.04toorのアルゴンガス雰囲気下にて10秒間処理後、空気に曝し、中間層表面にパーオキシド基を導入した。この膜を10wt%のα(スチレン−4−スルホニル)酢酸Na塩水溶液に浸漬し、15分間アルゴンガスをバブルしたのち、7時間60℃に加温することによってグラフト重合を行った。グラフト重合後膜を3000mlのイオン交換水中につけ、グラフト重合以外のホモポリマーを除去することによりプラズマ処理により表面にグラフトされたパターン形成層を備えた導電性パターン形成材料Aを得た。
【0101】
(パターン形成)
得られた導電性パターン形成材料Aを波長830nmの赤外光を発する赤外線レーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光した。
本実施例においては、導電性粒子として、以下のようにして得られた正電荷を有するAg粒子を使用した。
過塩素酸銀のエタノール溶液(5mM)50mlにビス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィド3gを加え、激しく攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.4M)30mlをゆっくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分散液を得た。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は5nmであった。
【0102】
露光後、前記のように得られた正電荷Ag分散液中に、前記導電性パターン形成材料Aを浸漬し、その後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子分散液を除去した。
【0103】
導電微粒子を吸着させた導電性パターン形成材料Aの表面を透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて10万倍で観察したところ、いずれの表面においても、露光部領域のみに吸着したAg微粒子に起因する緻密な凹凸形状が形成されていることが確認された。
【0104】
〔透明導電性回路の評価〕
得られたAg微粒子のパターン部分の表面導電性をLORESTA−FP(三菱化学(株)製)を用いて四探針法により測定したところ、1Ω/□を示した。また、パターン形成されたフィルム全面の透過率を測定したところ58%であった。このことから、透明性が高く、導電性に優れた導電性パターンが形成されていることがわかる。
【0105】
〔耐磨耗性の評価〕
導電微粒子を吸着させた導電性パターン形成材料Aの表面を水で湿らせた布(BEMCOT、旭化成工業社製)を用いて手で往復30回こすった。こすった後に、前記と同様にして透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて、その表面を10万倍で観察したところ、こすり処理を行なう前と同様、露光部領域のみに微粒子に起因する緻密な凹凸形状が観察され、表面の緻密な凹凸形状がこすりにより損なわれなかったことが確認された。
【0106】
〔実施例2〕
(導電性パターン形成材料の作製)
188μmのコロナ処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A4100、東洋紡(株)製)を用い、グロー処理として平版マグネトロンスパッタリング装置(CFS−10−EP70、芝浦エレテック製)を使用し、下記条件で酸素グロー処理を行った。
【0107】
初期真空:8×108Pa(9×106toor)
酸素圧力:9.1×105Pa(6.8×103toor)
RFグロー:1.5kw
処理時間:60sec
【0108】
次に、グロー処理したフィルム上に、下記例示モノマー(M−3)のメチルエチルケトン溶液(50wt%)を塗布し、100℃で1分乾燥し、UV光を照射(400W高圧水銀灯 30分)してグラフト重合を行い、グラフト層を形成した。さらに、下記構造の光熱変換色素(IR−A)の5重量%アセトニトリル溶液をロッドバー#7で塗布し、グラフト層に光熱変換色素を含有させて導電性パターン形成材料Bを得た。
【0109】
(パターン形成)
得られた導電性パターン形成材料Bを波長830nmの赤外光を発する赤外線レーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光した。
露光後、実施例1と同じ正電荷Ag分散液中に、前記導電性パターン形成材料Bを浸漬し、その後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子分散液を除去した。
【0110】
導電微粒子を吸着させた導電性パターン形成材料Bの表面を透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて10万倍で観察したところ、いずれの表面においても、露光部領域のみに吸着したAg微粒子に起因する緻密な凹凸形状が形成されていることが確認された。
この導電性パターン形成材料Bを実施例1と同様にして評価したところ、0.8Ω/□の表面抵抗値を示し、導電性、耐磨耗性にも優れることがわかった。
【0111】
〔実施例3〕
(親水性パターンの作成)
実施例2で用いたコロナ処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに実施例2と同様の条件でグロー処理を行なったものを支持体基板として用いた。
次に、グロー処理したフィルム上に、アクリル酸をロッドバー#6を用いて塗布し、塗布面を25μのPETフィルムでラミネートした。次にこの上にクロムを蒸着したマスクパターンを重ね、上からUV光を照射(400W高圧水銀灯:UVL−400P、理工科学産業(株)製 照射時間30秒)した。光照射後、マスクとラミネートフィルムを取り除き、水洗することによりポリアクリル酸がパターン状にグラフトされた親水性パターン3を得た。
【0112】
(導電性素材層の形成)
過塩素酸銀のエタノール溶液(5mM)50mlにビス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィド3gを加え、激しく撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.4M)30mlをゆっくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分散液を得た。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は5nmであった。
前記のように得られた正電荷Ag分散液中に、前記親水性パターン3を1時間浸漬し、その後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子分散液を除去した。300倍の光学顕微鏡で観察したところ、鮮明な導電性パターン材料3が出来ていることが判明した。
【0113】
〔導電性パターン材料の評価〕
1.導電性
得られた導電性パターン材料3の表面抵抗値を、LORESTA−FP(三菱化学(株)製)を用いて四探針法により測定した。表面抵抗値は、100Ω/□であり、導電性に優れていることがわかった。
2.鉛筆硬度
得られた導電性パターン材料3の表面の皮膜強度を、JIS G 0202に記載の方法に準じて測定した。鉛筆硬度は4H以上であった。試験に使用した鉛筆硬度が高い、即ち、1H→4HのようにHの数値が高いほど、強度に優れると評価する。この評価結果より、皮膜強度に優れ、耐引っ掻き性も良好であることがわかる。
【0114】
〔実施例4〕
(親水性パターンの作成)
実施例3で用いられたものと同様のポリエチレンテレフタレートフィルム上に下記の重合性開始能を発現する層(重合性層)形成用の組成物をロッドバー#17を用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次にこの塗布されたフィルムに、上からUV光を照射(400w高圧水銀灯 照射時間10分)し、予備硬化させた。
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4g
(モル比率80/20、分子量10万)
・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g
(東亞合成(株)M210)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
【0115】
次にこの支持体表面上にスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(30wt%)をロッドバー#12を用いて塗布し、乾燥することなく塗布面を25μのPETフィルムでラミネートした。次にこの上にクロムを蒸着したマスクパターンを重ね、上からUV光を照射(400W高圧水銀灯 照射時間10分)した。光照射後、マスクとラミネートフィルムを取り除き、水洗することによりポリスチレンスルホン酸ナトリウムがパターン状にグラフトされた親水性パターン4を得た。
【0116】
(導電性素材層の形成)
上記で得られた親水性パターン4上に、実施例3と同様にして、導電性素材層の形成を行い、導電性パターン材料4を作製した。
【0117】
得られた導電性パターン材料4の表面抵抗値を、実施例3と同様にして測定した。表面抵抗値は、50Ω/□であり、導電性に優れていることがわかった。
また、実施例3と同様に鉛筆硬度を測定したところ、鉛筆硬度は4H以上であり、強度に優れていることがわかった。
【0118】
【発明の効果】
本発明の導電性パターン形成材料は、露光或いは加熱により高感度でパターン形成することができ、高解像度で、断線のない微細なパターンが得られ、且つ、赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき基材上に直接回路形成が可能であるという優れた効果を奏し、電磁波シールドフィルターをはじめとする広範な用途が期待される。また本発明の導電性パターンの形成方法によれば、基板上に高解像度で微細な導電性パターンを形成しうる。

Claims (5)

  1. 支持体表面に、重合性基と親水性基とを有する親水性化合物を接触させた後、画像様にエネルギー付与を行って、支持体と化学結合したグラフトポリマーからなる親水性領域を形成させ、次いで該画像様のグラフトポリマーからなる親水性領域上に粒径が0.1nmから1000nmの範囲である導電性微粒子を付着させた導電性素材層を形成してなることを特徴とする導電性パターンを有する材料。
  2. 支持体表面に、該支持体表面に直接結合してなり、エネルギー付与により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物層からなり、エネルギー付与により該官能基の親疎水性を変化させることによって親/疎水性領域を形成し得るパターン形成層を有するパターン形成材料に、画像様にエネルギー付与を行って、該パターン形成材料表面に親/疎水性領域を形成させた後、該画像様の親/疎水性領域上に導電性素材層を形成してなることを特徴とする導電性パターンを有する材料。
  3. 前記導電性素材層を形成するための導電性材料が、導電性粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性パターンを有する材料。
  4. 支持体上に、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物が該支持体表面に直接結合してなる高分子化合物含有層を設けたパターン形成材料に、画像様に加熱、酸の供給または輻射線の照射を行って、該高分子化合物含有層の親疎水性を変化させるパターン形成工程と、
    該画像様の親/疎水性パターン上に導電性材料を導入して導電性素材層を形成する導電性素材層形成工程と、
    を有することを特徴とする導電性パターン形成方法。
  5. 支持体上に、重合性基と親水性基とを有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻射線の照射を行って該支持体表面に親水性基を有する高分子化合物が直接結合してなるグラフトポリマーからなる親水性パターンを形成する工程と、
    該親水性パターン上に粒径が0.1nmから1000nmの範囲である導電性微粒子を付着させて導電性素材層を形成する導電性素材層形成工程と、
    を有することを特徴とする導電性パターン形成方法。
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