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JP3974551B2 - 機能素子およびその製造方法ならびに機能システム - Google Patents

機能素子およびその製造方法ならびに機能システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機能素子およびその製造方法ならびに機能システムならびに機能材料に関し、特に、ボトムアップ系のシステムとトップダウン系のシステムとの統合に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の機能素子は、半導体集積回路に代表されるように、微細加工に基づくトップダウンのアプローチで製造されたものが主流である。そして、特に半導体素子に関しては、バーディーン(Bardeen)らによるトランジスタの発明や、ノイス(Noyce)らによる半導体集積回路の発明を経て現在、このトップダウンのアプローチに基づく巨大な半導体エレクトロニクス産業が興っている。
一方、トップダウンのアプローチは様々な点で限界が見え始めているため、この限界を打破する手法として、自己組織化などによるボトムアップのアプローチが近年注目され、盛んに研究されている。
【0003】
なお、細胞系も神経系も各場所において自律分散的に時間とともに連続的に拡大・成長することが報告されており(非特許文献1)、これはボトムアップの範疇に属する。
【非特許文献1】
R.R.Llinas, The Biology of the Brain, p.94, W.H.Freeman & Comp any, NY, 1989
【0004】
また、ボトムアップでは自律分散局所性により各部が局所ルールに従って勝手に構造形成していくが、この構造形成には四つのタイプ(一定、周期的[入れ子的]、機能構造的、ランダム)があることがセルラーオートマトンを使って示されている(非特許文献2)。
【非特許文献2】
S.Wolfram, A New Kind of Science, p.51-81, Wolfram Media,Inc., IL, USA, 2002
【0005】
また、ドリフト速度の一定性に基づき、時間とともに連続的に移動する2次電子(素粒子の飛跡に沿って生成する電子)を利用した素粒子検出器としてタイムプロジェクションチェンバー(Time Projection Chamber,TPC)の改良が本発明者らにより報告されている(非特許文献3)。
【非特許文献3】
P.Nemethy, P.Oddone, N.Toge, and A.Ishibashi, Nuclear Instrume nts and Methods 212 (1983)273-280
【0006】
また、金属界面により形成されるナノ空間、特に2次元試料平面とこれに対向する探針との局所空間に観測されているプラズモン励起による表面増強効果など、有用で興味深い物理現象が観測されている(非特許文献4)。
【非特許文献4】
二又等、日本分光学会、平成14年度春季講演会シンポジウム「顕微振動分光法の最前線」講演要旨集、pp.20-23
【0007】
また、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)を用いた半導体成長において成長方向に1原子層の分解能が得られることが本発明者により報告されている(非特許文献5)。
【非特許文献5】
A.Ishibashi, MOCVD-grown Atomic Layer Superlattices, Spectrosc opy of Semiconductor Microstructures, eds. G. Fasol, A. Fasoli no, P. Lugli, Plenum Press, NY, 1989
【0008】
また、電気化学的成長においてもその機構の詳細が知られている(非特許文献6)。
【非特許文献6】
春山志郎、表面技術者のための電気化学 p.112, 丸善、東京、2001
【0009】
また、電気化学分野において、中和した高分子電解質を水中に分散させた溶液に被塗物と対極とを浸漬し、被塗物と対極との間に直流電流を印加して被塗物に高分子電解質を析出させることができることが知られている(非特許文献7)。
【非特許文献7】
山岡亜夫監修「実用高分子レジスト材料の新展開−フォトポリマーとしての応用展開−」、第6章、シーエムシー出版、1996年
【0010】
また、ボトムアップの範疇の他の例として自己組織前進自律的階層獲得(self-organized progressive hierarchical acquisition,SOPHIA)化による構造形成の方法やニューロンの成長方法が提案されている(特許文献1、2)。
【特許文献1】
特開2000−216499号公報
【特許文献2】
国際公開第02/35616号パンフレット
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のトップダウン系とボトムアップ系とを統合することができれば、両者の利点を最大限活かすことができ、従来にない新たな機能素子の実現が可能になると考えられるが、本発明者の知る限り、これまで、そのための有効な具体的手法は何ら提案されていなかった。
【0012】
従って、この発明が解決しようとする課題は、生命体に代表されるボトムアップ系とシリコンLSIに代表されるトップダウン系との利点を最大限活かすことができる高機能の機能素子およびその製造方法ならびにそのような機能素子を用いた機能システムを提供することにある。
【0013】
この発明が解決しようとする他の課題は、上記の機能素子に用いて好適な機能材料を提供することにある。
上記課題およびその他の課題は、添付図面を参照した本明細書の以下の記述により明らかとなるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術が有する上記の課題を解決すべく、鋭意考察を行った。以下にその概要について説明する。
周知のように、トップダウンのアプローチによる半導体デバイスの製造においては、フォトリソグラフィーを用いた2次元のパターニングが多用される。図1Aに半導体デバイスの一例としてMOSLSI(例えば、メモリ)を示す。図1Aに示すように、2次元のパターニングは通常、UV(紫外線)、EUV(極紫外線)フォトリソグラフィーや電子線リソグラフィーを用いて、半導体基板において空間的に横方向の情報の交換を行うことなく、各時点で一気に(一括露光、現像、エッチングなど各要素プロセスが行われる時刻、時刻において、瞬間的につまり時間軸上の一点一点で)行われている。すなわち、2次元のパターニングの大きな特徴は、時間が非連続、散発的(sporadic)に織り込まれていることである。
【0015】
2次元のパターニングでは、フォトレジストに対する、フォトマスクを使った一括露光により構造が決まるので、構造形成においては構造間の横方向の情報の交換はない。すなわち、2次元のパターニングでは、図1Bに示すように、大局的ルールの存在のもと、ブロック構造をとり、また各ブロック毎にある特別な方位が存在するため、空間構造は一般に微視的にも巨視的にも非等方的になる。言い換えれば、構造は外在的要因から決まっており、回路設計図の実空間表現にすぎないと言える。また、基板上の構造の変化量は、時間に対してδ関数状のパルス列となる。
【0016】
このように、トップダウン系は、いわば非連続的に時間が投影された非等方的な(方向性のある) 構造である。今、系が時間連続投影性あるいは空間等方性を有するときそれぞれ↑と記し、時間非連続投影性あるいは空間非等方性を有するときそれぞれ↓と記し、例えば、系が時間連続投影性と空間等方性とを有するとき、(時間投影性、空間方位性)=(↑、↑)のように記すことにすると、トップダウン系は時間非連続投影性と空間非等方性とを有するため、(時間投影性、空間方位性)=(↓、↓)と表される。
【0017】
一方、すでに述べたように、最近その重要性が認識されてきたもうひとつの流れは、ボトムアップ系である。そのシステムとしては、例えば半導体量子ドットに代表される無機物系の自己組織化系がある。また、生物系の細胞の培養では、図2Aに示すような細胞および神経系の成長が挙げられる。図2Aにおいて、符号11は生体組織体、12は神経、13は細胞を示す。細胞系も神経系も各場所において自律分散的に時間とともに連続的に拡大・成長する(非特許文献2)。
【0018】
図2Bに示すように、ボトムアップでは、自律分散局所性により各部が局所ルールに従って勝手に構造を形成していくため、時間が連続的に投影されている。このとき、例えば、S. Wolframがセルラーオートマトンを使って示しているように、この構造形成には四つのタイプI〜IV(一定、周期的[入れ子的] 、機能構造的、ランダム)がある(非特許文献2)。また、ボトムアップ系では、局所ルールに従うことから、大局的にはこれといった特別な方向が存在しないため、空間構造は一般に等方的になる。この場合、全体構造は、生成則に則って内在的要因から決まる。構造の変化量は、時間に対してスムーズな連続線となる。
このように、ボトムアップ系は時間が連続的に投影された等方的な(方向性のない)構造であるので、上記の記法に従うと(時間投影性、空間方位性)=(↑、↑)と表される。
【0019】
さて、生物は、遺伝子により支配される体組織性に基づくボトムアップ性と脳による統御性に基づくトップダウン性とをうまく絡み合わせて、総体としてそれらの統合を具現化している。より具体的には、体組織形成におけるボトムアップと脳によるトップダウンとの統合を、長い進化の過程を経て、受精卵からの個体の成長に際し、細胞に神経系を付随させることにより行っている。
【0020】
すなわち、図2Bに示すように、ボトムアップの起こった細胞の集合体では、神経系という連絡網を随伴することで各場所へのアクセスが可能となり、この神経系を介して脳からの指令・制御・情報抽出などが行われる。自己組織化体としての生物にはこの随伴神経系があることが本質的である。
【0021】
一方、系を有効に運用するには、制御系は、被制御系よりはるかに少ない「体積」で情報伝達・制御を行わなければならない。生体系は、そのために、3次元の細胞系に対し神経系という1+α(ただし、0<α<1)のフラクタル次元のひもをつけていると言える。伝達・制御系の次元は常に細胞系の次元より小さいことが必要である。この神経系は生体内に3次元的に張り巡らされている。
生体は、このように、受精卵の発生からの経過時間が連続的に投影された神経系というボトムアップの自己相似的な低次元性構造物を通じて、いわば最小限のセットアップによって、細胞系という3次元性を持つ別種のボトムアップ系を制御・統合している。
【0022】
他方、上述のような生体そのもののシステム以外にも、人工のシステムにおいて、リジッドな固体系ではないが、ドラム缶様の容器中に充填されたガスという最小限のセットアップにおいて、経過時間の空間座標への連続的投影を利用し、フルに3次元的に空間アドレスを認知するシステムとして、図3に示すようなTPCがあり、本発明者らによりその開発および優れた性能が報告されている(非特許文献3)。
【0023】
このTPCについて少し詳しく説明すると、図3に示すように、ガスの入った円筒形状のTPC21の両端から入射した電子ビーム22と陽電子ビーム23とが衝突して新たな素粒子24がジェット状に生成する。この素粒子24の飛跡に沿って生成した電子25は、軸方向に一定のドリフト速度で、TPC21の両端にあるセクター26と呼ばれる2次元検出器へ到達するので、上記の衝突時刻を起点としたときのセクター26への到達までの経過時間で軸方向、すなわちz方向の位置が分かる。図4はセクター26の部分の拡大図であり、符号26aはセンスワイヤー、26bはグリッド、26cはパッド、26dは電気力線を示す。図4に示すように、セクター26のセンスワイヤー26aの部分で電子がアバランシェを引き起こし、それによって電気信号をセンスワイヤー26aとその下部に存在するパッド26cとに与えることでx、y方向の位置が求まる。こうして3次元位置が求まるが、z方向の位置は、電子のドリフト速度が一定であることに起因して上述のように時間情報が空間に投影されている。この特徴からそのシステムはタイムプロジェクション(時間投影)チェンバーと呼ばれ、この空間への時間投影のコンセプトの有用性を実証するひとつの例となっている。
【0024】
セクター26では、いわばセンスワイヤー26aとパッド26cとの間の状態が読み出されている。つまり、一種の情報読み出しが行われており、局所アドレシングを行っているとみなすことができる。パッド26cの代わりに例えばワイヤーとワイヤーとを近接させて交差させても同様の作用が生じる。図4では、センスワイヤー26aという微小電極の近傍の電場集中の様子が端的に示されている。強い電場を生じるにはなるべく細いセンスワイヤー26aが望ましいが、このようにTPCは時間の空間への投影と、細い構造体の交差部における電場集中(およびそれに伴なう信号増幅)という2つの重要な特徴を有している。
【0025】
さて、ムーア(Moore)の法則に代表されるロードマップに沿った展開を示すシリコンLSIは、いわゆるトップダウン型のデバイスおよびシステムの代表格であるが、そのサイズ上、動作パワー上(環境温度上)、ならびに製造設備投資上の限界が言われているけれども、根本的な解決策は見出されておらず、早晩、限界を迎えると危惧されて久しい。
【0026】
トップダウン型に対するアンチテーゼとしてボトムアップが叫ばれて注目されているが、その最大の難点は、個別アドレスができないという点である。
ナノスケールでは、生物由来の機能と非生物由来の機能とが、同じ相互作用機構(究極的には電磁相互作用)にまで還元できるので、進展の著しいナノテクノロジーは、非生物と生物とを統合する潜在的重要性を秘めているが、依然として本格的実用化に至っていない。
【0027】
すなわち、従来技術の延長線上にある微細構造の作製方法は、EUVや電子線リソグラフィーなどを使うものか、分子などを用いるいわゆるボトムアップのものがあるが、両者をつなぎ、さらには結合によりシナジーを見出そうとするデバイス・システムはない。これは、上述の時間連続投影性と空間等方性とに関する記法に従うと、ボトムアップという(時間投影性、空間方位性)=(↑、↑)のシステムとトップダウンという(時間投影性、空間方位性)=( ↓、↓) のシステムとの両者がまったく正反対の、すなわち↑対↓という性格を持つため、水と油とが相容れないのとまったく同様に、両者の間に接点を見出すことが難しいことによる。
【0028】
ナノスケールの世界と巨視的スケールの世界とをつなぐことは、ナノテクノロジー分野で今後得られる新しい効果や機能を既存のシリコンベースのITインフラ構造と接続し、相乗効果を引き出そうとする際に避けて通れない関門である。しかし、未だ嘗て誰もその接続に十分に成功していないと考えられる。
【0029】
ナノテクノロジーを通じてその高度な効能が期待されるボトムアップ物質系はこのようにナノスケールで個別アドレシング可能な仕組みがないため、本格的な実用化に至っていない。
これはすなわち、人工のボトムアップ系では、生体の脳と体組織とを結ぶ神経に相当するボトムアップの主体に随伴する制御ラインを設けることに成功していないため、これがトップダウン・ボトムアップ両系統の接続をこれまで困難にしてきたといえる。
【0030】
時間とともに成長して3次元的に構造を張り巡らしアクセスするという生体の神経系の備える特徴を部分的に満たす、似て非なるシステムとして上述のTPCがある。これは、電子の一定ドリフト速度に基づく時間連続投影性と、細い導電構造体の交差部における信号増幅に基づくシステム全体への3次元的なアクセスという2つの重要な特徴を有しているが、このTPCはその内部にガスを含むので、完全な固体デバイスとしては成立していない。
【0031】
すでに述べたように、従来、トップダウン系をなす半導体集積回路(例えば、メモリー)などの2次元構造体の製造には、図1に示すような一括露光によるパターニングが用いられる。この場合、分解能はx、yの2方向に要求されるが、その精度は現在の最高の分解能でも、生産レベルで70nm程度、研究室のチャンピオンデータでも数nm程度であり、しかもこれはバルクサイズ全体に亘っては実現されていない。
【0032】
2次元試料平面とこれに対向する探針との局所空間で観測されているプラズモン励起による表面増強効果など、有用で興味深い物理現象が観測されているが(非特許文献4)、このような物理現象を担いうるナノ構造体を例えばmm〜cmのバルクサイズに亘って並列多重化したシステムは存在しない。すなわち、ナノスケールで稠密な構造を有し、しかも個別アクセスが可能な、ナノ離散化バルクサイズ構造体をなす物質は存在しない。
【0033】
上記の課題の解決は、いわば水と油とを結ぶところの石鹸の性質(両親媒性)あるいは細胞系と脳系との間を結ぶところの神経系に相当する資質を備えた接続中間層あるいは接続プラットフォームを用意することにより達成することができ、特に、人工神経系によりボトムアップ系とトップダウン系とをつないだ配置を取ることにより達成することができる。
【0034】
より詳細には、(時間投影性、空間方位性)=(↑、↑)のボトムアップ系と(時間投影性、空間方位性)=(↓、↓)のトップダウン系との間に、第3の構造として(時間投影性、空間方位性)=(↑、↓)の性質を持つ系を挿入することにより達成することができる。このために、人工のボトムアップ系で神経に相当する随伴ラインを設ける。あるいは、あらかじめ設けておいた随伴系のそばに自己組織化系を成長させる。
【0035】
図5に示すように、1次元超格子31の成長を、時間が投影されたものとして起こさせる。ここで、1次元超格子31の成長方向の空間座標は時間の流れをそのまま表しているため、これは時間が連続的に空間構造へ投影された系と言える。制御された成長速度、望ましくは一定の成長速度を用いることにより、時間(座標)による空間構造の連続的な制御を行う。また、成長方向という特別な方位を存在させることにより、空間構造を一般に非等方的とすることができる。
【0036】
さらに、上記のようにして成長させた1次元超格子31の薄片化を行う。その意義は次の点にある。図6Aは1次元超格子31、図6Bは1次元超格子31をワイヤー化した超格子ワイヤー32、図6Cは1次元超格子31を薄片化した超格子薄片33を示す。図6A、図6Bおよび図6Cに示すように、1次元超格子31は確かに成長方向に時間tが織込まれている構造であるが、時間(=成長方向の軸上の一点)にアクセスする際、距離rを指定しても面内座標は無限にあること(図6A)、1次元超格子31をワイヤー化してしまうと、時間(=成長方向の軸上の一点)を指定した時、その部分は量子ドットであるため他所からアクセスができない(図6B)、といった問題があるのに対し、1次元超格子31を薄片化した時には、一義的に位置を決定することができ、かつ、rだけ離れた異なる別の一点(地点)も一義的に定まり、そこから横ラインを通じてアクセスもできる(図6C)。このように、1次元超格子31の薄片化により、上述の(↑、↓)の性質を有する系を実現することができる。
【0037】
さらに、図7に示すように、上記の2次元の超格子薄片33をもうひとつの同様な超格子薄片34と互いに90度方位がずれた状態で重ね合わせる。この超格子薄片の2枚重ねで擬似的(離散的)な等方性を回復すると同時に、この2枚重ねで2次元格子を形成することにより、ナノサイズにおいて離散的しかし稠密に空間にアクセスする仕組みができ、これを以って全体で連続的な任意のボトムアップ系に対し個別にアドレスする神経系に相当するものを人工的に付与することができる。
【0038】
図7に示す構造は、図2Aおよび図2Bに示すボトムアップ系が、時間が連続的に投影された等方的な(方向性のない)構造(これを今第1の構造とする) であり、図1Aおよび図1Bに示すトップダウン系が、時間が非連続的に投影された非等方的な(方向性のある)構造(これを今第2の構造とする)であるのと対照的に、丁度それらの中間の性質を有する、時間が連続的に投影された非等方的な(方向性のある)構造(これを今第3の構造とする)であり、ボトムアップ系とその連続時間性を、またトップダウン系とその空間非等方性を共有する。このため、この第3の構造は、ボトムアップ系とトップダウン系との双方に良い親和性を有しており、時間連続投影性および空間等方性具有、つまり(↑、↑)なる性質と時間非連続投影性および空間非等方性具有、つまり(↓、↓)なる性質というまったくの両極端の構造(だからこそそれらの結合がこれまでなされなかった)を結びつけることができる。
【0039】
しかも、図7に示すように、第3の構造は、上記の超格子薄片を2枚重ね合わせることで、離散的な等方性(擬似等方性)を回復させ、ボトムアップ系に2次元的に完全にアクセスすることができる。
さらに、すでに述べたように、従来、トップダウン系をなす半導体集積回路などの2次元構造体では一括露光によるパターニングが用いられ、分解能はx、yの2方向に要求され、しかもその精度は現在の最高の分解能でも、数nm程度であるのと対照的に、上記の第3の構造の部分は、時間を空間に投影する手法で形成するため原子層の分解能を持つことができる。このため、たとえボトムアップ部分が分子程度の大きさのユニットからなっていても、そこへ個別アクセスすることが可能となる。
【0040】
従来のリソグラフィーの分解能限界を乗り越える手法そのものとして、自己組織化を用いる試みがなされている。実際、例えば、自己組織化でできた量子ドットや単一分子を使った2次元メモリでは、数Åオーダーの精度での配列が可能である。しかし、これらの自己組織化微細構造への独立アクセスに関しては方法がない。金属配線などで外からアクセスしようとしても、金属配線をリソグラフィーにより形成するのでは、すでに述べたように、分解能が十分ではない。
【0041】
すなわち、トップダウン系で用いられる従来のリソグラフィーでは1原子層オーダーの分解能はまったく得られておらず、また、ボトムアップのみを用いたのでは(分解能はまだしも) 独立アクセスが不可能であったものが、上記の超格子薄片33のように、1次元超格子の成長速度を制御して時間を空間に投影するとともに、これを薄片化して方向性の自由度を最小に絞った構造を用いることにより、トップダウン系とボトムアップ系とを相補的につなぐことができ、1原子層オーダーの分解能と独立アクセスとの両方を達成することができる。分解能に関しては、図8に示すように、本発明者により、MOCVD法によるAlAs/GaAs2原子層超格子の成長において、成長方向に1原子層の分解能が得られることが示されている(非特許文献5)。ここで、図8A、図8Bおよび図8Cはそれぞれ、透過型電子顕微鏡(TEM)による暗視野像、格子像および回折パターンを示す。
【0042】
MOCVDの成長機構は本質的に表面拡散とキンク成長とよりなり、図9に示す電気化学的成長機構と同じである(非特許文献6)。従って、1次元超格子の成長は電気化学的手法を用いても時間の関数として行うことができる。つまり、電気化学的手法を用いて図6Aに示すような時間の連続的な流れをそのまま表している1次元超格子を成長させることができ、連続的時間座標による空間構造の制御を行うことができる。図1に示す一括露光、現像、エッチングという時間軸上の離散的な点での空間構造の制御に比べ、一桁以上の分解能の向上が可能である。
このため、上記の方法によれば、微細で離散的かつ稠密な繰り返し構造、例えば、金属などの導電体ストリップ/誘電体の繰り返し構造を原子層の精度で形成することができる。
【0043】
上記の第3の構造をこのような導電体ストリップ/誘電体の繰り返し構造で形成する場合、図10Cに示すような、導電体ストリップ41、42がそれらの面同士が対向するように交差していてその交差部の面積が大きい配置ではなく、図10Bに示すように、導電体ストリップ41、42がそれらのナイフエッジ同士が対向するように交差していてその交差部の面積が非常に小さい配置とするのが望ましい。図10Bの場合、導電体ストリップ41、42の厚さ、すなわちエッジ幅は例えば1〜10nmオーダーであり、このとき導電体ストリップ41あるいは導電体ストリップ42を隔てる誘電体の厚さは例えば10〜100nmオーダーである。なお、図10Bにおいて、符号45は1辺のサイズが例えば1〜10nmオーダーの擬0次元スペースを示す。
【0044】
図10Bに示す配置が望ましい理由を以下に示す。
図10Aは局所的な電磁場による表面増強効果が確認されているSPM(表面プローブ顕微鏡)の配置を示し、探針43の先端が試料の表面44(2次元面)に近接している。以下、図10Aに示す場合と図10Bに示す場合とについてナノ空間での電位の空間分布を計算する。
【0045】
図10Aの場合は、鏡映効果を勘案して探針同士が対向している場合として計算することができる。この時の探針の先端間の距離と、図10Bの交差部の導電体ストリップ41と導電体ストリップ42との間隔は、比較のため同じとする。今、真空中に金属性の構造物があり、金属部の電位は外から設定しているとすると、空間電荷はゼロであるので、この場合に解くべきポアッソン方程式は簡単になってラプラス方程式
(∂2/∂x2+∂2/∂y2+∂2/∂z2)φ(x,y,z) =0 (1)
となる。空間をメッシュ(間隔Δ)に切り差分方程式化すると
φ(i,j,k) に対して、
∂φ(i,j,k)/∂x = (φ(i,j,k)-φ(i-1,j,k))/ Δ
∂φ(i,j,k)/∂y = (φ(i,j,k)-φ(i,j-1,k))/ Δ
∂φ(i,j,k)/∂z = (φ(i,j,k)-φ(i,j,k-1))/ Δ
となる。例えば、x については、
2 φ/ ∂x2= (φ'(i+1,j,k)- φ'(i,j,k))/Δ
= ((φ(i+1,j,k)-φ(i,j,k))/ Δ-(φ(i,j,k)-φ(i-1,j,k))/ Δ)/Δ
= ((φ(i+1,j,k)+φ(i-1,j,k)- 2φ(i,j,k))/ Δ2
となる。同様にして∂2 φ/ ∂y2、∂2 φ/ ∂z2を求めて(1)式に代入すると結局
0=((φ(i+1,j,k)+φ(i-1,j,k)- 2φ(i,j,k))/ Δ2 + ((φ(i,j+1,k)+φ(i,j-1,k)- 2φ(i,j,k))/ Δ2 + ((φ(i,j,k+1)+φ(i,j,k-1)- 2φ(i,j,k))/ Δ2
となる。以上をまとめると
φ(i,j,k) =(φ(i+1,j,k)+φ(i-1,j,k) + (φ(i,j+1,k)+φ(i,j-1,k)
+ (φ(i,j,k+1)+φ(i,j,k-1))/ 6 (2)
という漸化式を回すことによってラプラス方程式の解が求まる。
【0046】
図10Aの配置における境界条件を入れて(2)式を用いて計算すると図11〜図14に示す電位分布が得られる。ここで、図11〜図14の各番号(1〜12)は探針の先端間の空間座標を表し、0と12が探針の先端の位置である。図11〜図14の各a図においてはz軸はフルスケール1000(任意単位)で固定であり、各b図は電位の大きさによってスケーリングを行って縦軸を描いてある。
【0047】
同様にして図10Bの場合、すなわち導電体ストリップ41、42のナイフエッジ同士が対向している場合について計算すると、図15〜図18に示す電位分布が得られる。図15〜図18でも上記と同じく、各番号は導電体ストリップ41、42のナイフエッジ間の空間座標を表し、0と12がナイフエッジの先端の位置である。また、上記と同じく、図15〜図18の各a図においてはz軸はフルスケール1000(任意単位)で固定であり、各b図は電位の大きさによってスケーリングを行って縦軸を描いてある。
【0048】
図11〜図14と図15〜図18とを比較すると、図10Aに示す場合および図10Bに示す場合ともに交差部の断面積は0次元であることを反映して、中間地点付近では似たような電位変化、すなわち急峻な電場変化をしていることが分かるが、図12の番号5から図13の番号7への変化量と、図16の番号5から図17の番号7への変化量とを比較すると、同じ電位を与えた場合でも、探針の先端同士が対向している場合よりもむしろ、導電体ストリップ41、42のナイフエッジ同士が十字状に交差して対向している場合の方が、単位長さあたりの電場変化が大きく、強い量子効果を引き出すことができることを示唆している。
【0049】
図11〜図14に見られるように、対向探針間のポテンシャルは両探針の先端を結ぶ軸の方向(図中、上下方向)に対称であり、また、その軸の周りに回転対称であるのに対し、ナイフエッジの十字交差配置では、図16および図17に見られるように、中間点付近でポテンシャルが鞍点状の特異な形状となる。すなわち、上下非対称であり、2回回転対称性と、π/4回転+上下反転の対称操作に対する不変性とを有する。これらは、十字交差部にはさまれる分子の配置・荷電対称性を制御して新しい量子機能を引き出すための良いツールとすることができる。
また、図6Cあるいは図7に示す構造において、1次元超格子31を導電体層と誘電体層との周期構造体とし、その導電体層の厚さを十分に小さくすることにより、図10Bに示す構造および図15〜図18に示す電位分布を実現することができることが分かる。
【0050】
これにより、上記の第3の構造において、表面増強効果を引き起こすようなサイトを超多重並列に並べることができる。この場合、表面プローブ顕微鏡のヘッドを多数並べた構造の多重並列表面プローブの場合とまったく異なり、稼動部がない点が大きなメリットである。また、超格子薄片として例えば厚さが1〜100μmのものを用いることにより、導電体ストリップ41、42を極めて細くすることができ、かつ、導電体ストリップ41、42の高い導電性と薄片面の平坦性とを維持することができる。
例えば、図10Bに示す導電体ストリップ41、42の交差部の擬0次元スペース45にボトムアップ物質を設けると、この第3の構造におけるx、y交差系をなす導電体ストリップ41、42を人工神経ラインとして、例えばこの第3の構造の外側に設けた従来のシリコンLSI系とそのボトムアップ物質とをつないで新規の機能を得ることも可能となる(例えば、特許文献1、2)。
【0051】
導電体ストリップ41、42、より一般的には導電ラインは、電子を媒体としているので、相互作用が伝わる速さが極めて速い。他方、ボトムアップ領域の変化、特に原子の配置(コンフィグレーション)の変化(官能基の位置変化など)は慣性質量が大きいため、速さはかなり遅い。通常、両者の速さの間には一桁以上(一般には数桁)の差がある。従って、図7に概念的に示した配置を実物質を用いて実現した一例である図19に示す構造はナノスケールで離散化されたバルクサイズ時空間系であり、各導電ラインの交差部にはさまれた原子・分子とラインを流れる電子(または正孔)とを断熱近似的に扱うことができる。すなわち、図19は金属と誘電体との周期構造体からなる2枚の超格子薄片を互いに90度方位がずれた状態で重ね合わせたものであり、金属からなる導電体ストリップ41、42の交差部の擬0次元スペース45にボトムアップ物質が設けられる。導電体ストリップ41は誘電体層46で分離され、導電体ストリップ42は誘電体層47で分離されている。図19には、この系がメモリであるとした場合に記憶密度1Tb/in2 に相当する各部の寸法の例を記載した。
【0052】
通常、原子団・分子団の相互作用は最近接のものを通じて漣が立つように、いわば近接場的に伝わる。しかし、図19に示す系では、導電ラインを通じて原子・分子にとっては瞬時に、いわば遠隔作用的にやり取りが起こる。系が隅々までを「知っている」ことが臨界状態の本質のひとつであるので、この図19に示す系は、従来の物質にない(例えば、連続系に対し離散系であるセルラーオートマトン(例えば、非特許文献2参照のこと)がそうであるように)「臨界状態」に親しい新物質ということができる。そして、この系に現れると期待される変調された自己組織化臨界現象や自発的対称性の破れを通じてナノ構造物理の新側面を現出させることができる。すなわち、局所的かつ個別的にアドレスすることの可能なナノ構造体を大局的サイズで得ることによって微視的世界と巨視的世界とをつなぐとともに新しい量子機能を創出することができる。
【0053】
この発明は上記の考察に基づいて案出されたものであり、上記の考察、後に記述する発明の実施の形態などにより裏付けられるものである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とが、非等方的な構造を有する第3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子である。
【0054】
この発明の第2の発明は、
第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
第3の構造を非等方的な構造を有するように形成する工程と、
第2の構造を予め設定された大局的な規則により形成する工程と、
第1の構造を局所的な相互作用により形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0055】
この発明の第3の発明は、
局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とが、非等方的な構造を有する第3の構造を介して結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。
【0056】
第1、第2および第3の発明においては、例えば、第1の構造が自律分散型相互作用により形成されたものであり、第2の構造が予め設定された大局的な設計ルールにより形成されたものであり、第3の構造が非等方的な周期構造を有する平面または曲面からなるものである。あるいは、第1の構造が自律分散型相互作用により形成されたものであり、第2の構造が予め設定された大局的な設計ルールにより形成されたものであり、第3の構造が非等方的な周期構造を有する面を複数交差させて重ねたものである。
【0057】
この発明の第4の発明は、
時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、非等方的な周期構造を有する第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子である。
【0058】
この発明の第5の発明は、
第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
第3の構造を非等方的な構造を有するように形成する工程と、
第2の構造を時間が不連続的に投影された非等方的なものとして工程と、
第1の構造を時間が連続的に投影された等方的なものとして形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0059】
この発明の第6の発明は、
時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、非等方的な周期構造を有する第3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。
第4、第5および第6の発明においては、例えば、第3の構造が非等方的な周期構造を有する面を複数交差させて重ねたものである。
【0060】
この発明の第7の発明は、
時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、時間が連続的に投影された非等方的な第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子である。
【0061】
この発明の第8の発明は、
第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
第3の構造を時間が連続的に投影された非等方的なものとして形成する工程と、
第2の構造を時間が不連続的に投影された非等方的なものとして工程と、
第1の構造を時間が連続的に投影された等方的なものとして形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0062】
この発明の第9の発明は、
時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、時間が連続的に投影された非等方的な第3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。
第7、第8および第9の発明においては、例えば、第3の構造が、時間が連続的に投影された非等方的な2次元構造をその方向性をずらして少なくとも二つ重ねて擬似的に等方性を回復したものである。
【0063】
この発明の第10の発明は、
ボトムアップで形成された第1の構造とトップダウンで形成された第2の構造とが、非等方的な周期的な第3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子である。
【0064】
この発明の第11の発明は、
第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
第3の構造を非等方的な周期的なものとして形成する工程と、
第2の構造をトップダウンで形成する工程と、
第1の構造をボトムアップで形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0065】
この発明の第12の発明は、
ボトムアップで形成された第1の構造とトップダウンで形成された第2の構造とが、非等方的な周期的な第3の構造を介して結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。
【0066】
第10、第11および第12の発明においては、例えば、第1の構造が自己組織化によるボトムアップで形成されたものであり、第2の構造がトップダウンで形成された集積回路(半導体集積回路など)であり、第3の構造が、時間が連続的に投影された非等方的な2次元構造を複数交差させて重ねて擬似的に等方性を回復したものである。
【0067】
この発明の第13の発明は、
自己相似性またはフラクタル構造を有する第1の構造とトップダウンで形成された集積回路からなる第2の構造とが、非等方的な周期構造を有する第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子である。
【0068】
この発明の第14の発明は、
第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
第3の構造を非等方的な周期構造を有するように形成する工程と、
第2の構造をトップダウンで集積回路として形成する工程と、
第1の構造を自己相似性またはフラクタル構造を有するものとして形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0069】
この発明の第15の発明は、
自己相似性またはフラクタル構造を有する第1の構造とトップダウンで形成された集積回路からなる第2の構造とが、非等方的な周期構造を有する第3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。第13、第14および第15の発明においては、例えば、第3の構造が、非等方的な周期構造を有する面を複数交差させて重ねたものであり、また、集積回路は半導体集積回路などである。
【0070】
第1〜第15の発明において、第3の構造は、例えば、厚さが0.2nm以上60nm以下、典型的には1〜10nmオーダーの導電体層と厚さが0.2nm以上50μm以下、典型的には0.2nm以上600nm以下、より典型的には10〜100nmオーダーの誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように少なくとも2枚重ねた構造を有する。
【0071】
また、非等方的な構造は単一の空間周波数を有するものであっても、複数の空間周波数を有するものであってもよい。さらに、非等方的な構造は、例えば、相互作用が伝わる特徴的な時間に1桁以上の差がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホストとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で特徴付けられる担体(例えば、電子)に対応する第1のホスト物質により、遅い相互作用または物理現象で特徴付けられる担体(例えば、原子または分子)に対応する第2のホスト物質が、1nm以上100nm以下のスケールのオーダー(例えば、0.2nm以上600nm以下)で離散化されたものである。また、この場合、例えば、第1のホスト物質について、全体システムの内部の任意の位置に対して、これと連結しているこの第1のホスト物質が、少なくとも1箇所、このシステムを囲む1次元ラインまたは曲線上に存在するか、露出している。
【0072】
第3の構造に導電体層と誘電体層との繰り返し構造を用いる場合、導電体層に接触する両側の誘電体層の性質は互いに同一であっても異なっていてもよい。
典型的な一つの例では、トップダウンで製造された集積回路(半導体集積回路など)からなる第2の構造と第1の構造および第3の構造の結合体とがこの結合体の辺縁に存在する直線または曲線状の一次元構造をインターフェース領域として結合する。
【0073】
この発明の第16の発明は、
第1、第4、第7、第10、第13の発明における第3の構造が3層以上積層されてなることを特徴とする機能材料である。
【0074】
この発明の第17の発明は、
第1、第4、第7、第10、第13の発明における第1の構造および第3の構造からなる積層体が2層以上積層されてなることを特徴とする機能材料である。
【0075】
この発明の第18の発明は、
ストリップ状の導電体層と誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように、かつ、導電体層のエッジ同士が対向するように少なくとも2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能素子である。
【0076】
この発明の第19の発明は、
ストリップ状の導電体層と誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向するように少なくとも2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能材料である。
【0077】
この発明の第20の発明は、
厚さが0.2nm以上60nm以下のストリップ状の導電体層とこの導電体層の厚さ以上の厚さを有する誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向するように少なくとも2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能素子である。
【0078】
この発明の第21の発明は、
厚さが0.2nm以上60nm以下のストリップ状の導電体層とこの導電体層の厚さ以上の厚さを有する誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向するように少なくとも2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能材料である。
第20および第21の発明において、誘電体層の厚さは一般的には0.2nm以上200μm以下、典型的には0.2nm以上50μm以下である。
【0079】
この発明の第22の発明は、
非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に1桁以上の差がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホストとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で特徴付けられる担体に対応する第1のホスト物質により、遅い相互作用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第2のホスト物質が、1nm以上100nm以下のスケールのオーダーで離散化されていることを特徴とする機能素子である。
【0080】
この発明の第23の発明は、
非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に1桁以上の差がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホストとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で特徴付けられる担体に対応する第1のホスト物質により、遅い相互作用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第2のホスト物質を、1nm以上100nm以下のスケールのオーダーで離散化することを特徴とする機能素子の製造方法である。
【0081】
この発明の第24の発明は、
非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に1桁以上の差がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホストとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で特徴付けられる担体に対応する第1のホスト物質により、遅い相互作用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第2のホスト物質が、1nm以上100nm以下のスケールのオーダーで離散化された機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。
第16〜第24の発明においては、その性質に反しない限り、第1〜第15の発明に関連して述べたことが成立する。
【0082】
上述のように構成されたこの発明によれば、局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とを、非等方的な構造を有する第3の構造を介して結合することにより、従来困難であったトップダウン系とボトムアップ系との統合を容易に行うことができる。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、この発明の第1の実施形態について説明する。
この第1の実施形態においては、電気化学的成長法を用いて超格子薄片を形成する。図20Aはそのための成長装置を示す。図20Aに示すように、この成長装置においては、電解槽51に、成長させようとする二種類の物質に対応したアニオン(A- )52およびカチオン(C+ )53を含む電解液54が入れられている。そして、この電解液54中に、電気化学的成長の基板となる例えば微小円柱状の電極部を有する軸55が挿入されているとともに、この軸55をはさむように二つの電極56、57が設けられている。ここでは、軸55の電極部は接地されており、電極56、57はそれぞれ電圧Vl、Vrにバイアスすることができるようになっている。電極56、57はリング状に軸55の電極部を囲む配置でもよい。また、電解槽51に仕切りを設けてアニオン52とカチオン53とを別々に配するとともに、軸55を回転させるようにしてもよい。
【0084】
図21は軸55の詳細構造の例を示す。図21に示すように、軸55は、成長時の基板となる電極部55aが他の部分55bに比べて少し直径が大きくなっている。そして、電極部55aの下側にこれと接触して例えばガラスやセラミックスなどからなる円板状の支持板58が軸55と同軸に取り付けられているとともに、電極部55aの上側に溶剤易溶性有機膜59がプリコートされた円板状の支持板59が同じく軸55と同軸に取り付けられている。支持板58、59の直径は同一とする。また、これらの支持板58、59の間隔は、成長させるべき超格子薄片の厚さと同一とし、具体的には例えば1〜1000μm、典型的には例えば10〜100μmである。
【0085】
この成長装置を用いて超格子薄片を成長させるには、例えば、図20Bに示すように、電極56、57を交互にVl=+V2、Vr=−V1にバイアスする。この場合、電極56が+V2にバイアスされている時には電解液54中のカチオン53が軸55の電極部55aの側面上に堆積し、電極57が−V1にバイアスされている時には電解液54中のアニオン52が軸55の電極部55aの側面上に堆積する。このようにして、図21に示すように、支持板58と溶剤易溶性有機膜59との間の空間において、軸55の電極部55aの側面上に、交互に二種類の物質、具体的には、誘電体(絶縁体)である溶剤難溶性電析有機膜61および電析金属膜62の周期構造体を同心円状(年輪状あるいはバウムクーヘン状)にラテラル成長させることができる。成長終了後、溶剤易溶性有機膜59を溶剤で溶解して年輪状の周期構造体を取り出す。
【0086】
電析金属膜62の金属としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)などを用いることができる。めっき浴としては、Auの場合は例えばKAu(CN)、(NH4 2 HPO4 、K2 HPO4 などを含むものを用い、Cuの場合は例えばCuSO4 ・5H2 O、H2 SO4 、チオ尿素などを含むものを用い、Ptの場合は例えば(NH4 2 PtCl、NaHPO4 ・12H2 Oなどを含むものを用いる。
また、溶剤難溶性電析有機膜61の成長には、例えば有機酸イオンをアクティブエージェントとして用いる(非特許文献7参照)。
【0087】
溶剤難溶性電析有機膜61および電析金属膜62の成長にほぼ一定の成長速度を用いることにより、時間インターバルを構造に射影することができ、図22に示すように、各層が原子層オーダーの厚さ精度を有する溶剤難溶性電析有機膜61および電析金属膜62の周期構造体からなる円板状の超格子薄片を得ることができる。
【0088】
次に、この円板状の超格子薄片の一部を図22の実線の四角形で示されるように切り出したものを2枚用意する。図23Aおよび図23Bにこのようにして切り出された四角形状の超格子薄片71、72を示す。そして、図23A、図23Bおよび図23Cに示すように、超格子薄片71に対して超格子薄片72の方位を90度回転して重ね合わせる。このようにして、2次元のパターンの最小単位として、人工神経系として信号・情報がアクセスすることができる格子(lattice)が完成する。この格子の精度は原子層オーダとすることができる。ここで、各超格子薄片71、72の溶剤難溶性電析有機膜61および電析金属膜62は厳密には円弧状であるが、電析金属膜62の周期は例えば10nm前後と極めて小さいため、これらの溶剤難溶性電析有機膜61および電析金属膜62は直線状に延在しているとみなすことができる。従って、この格子は、図19に示すものと実質的に同様な構造を有する。
【0089】
超格子薄片71、72の電析金属膜62の本数をそれぞれN本とすると、超格子薄片71の電析金属膜62と超格子薄片72の電析金属膜62との交差点は合計N2 個ある。この場合、これらの交差点(アドレス)へのアクセスは、超格子薄片71、72の各電析金属膜62を通じて容易に行うことができる。例えば、図23Cに示すように、超格子薄片71、72の縁の電析金属膜62にそれぞれリレー回路73、74を接続することで、どのアドレスにアクセスするかを制御することができる。具体的には、例えば、超格子薄片71、72の一辺を1cmとし、電析金属膜62の間隔を10nmとすると、1cm/10nm=10-2m/10-8m=106 〜220であるが、例えば20段のリレー回路73、74で220〜106 本の電析金属膜62を選択することができるので、例えば(xy平面の一自由度あたり)約20ビットの情報でアドレスへのアクセスを制御することができる。
【0090】
超格子薄片71の電析金属膜62と超格子薄片72の電析金属膜62とのN2 個の交差点には、ボトムアップにより生成される所望の機能を有する構造を設ける。このためには、例えば、超格子薄片71を基板としてその上に自己組織化により量子ドットを成長させ、その上に超格子薄片72を上記と同様に重ね合わせればよい。あるいは、超格子薄片71、72の間に機能材料層(例えば、無機分子や有機分子など)をはさみ込み、互いに交差しかつ対向している電析金属膜62間に例えば電流通電を行ってエネルギーを注入することにより生じる自己組織化臨界現象を用いて、結果として、ボトムアップ構造が超格子薄片71、72の間に設けられた構造を作製することができる。
【0091】
超格子薄片71、72のN2 個の交差点に設けるボトムアップ構造をエネルギー注入と散逸とにより最後に形成する場合は、これらのボトムアップ構造を、何ら位置合わせの必要もなく、自己整合的に各交差点に自動的に形成することができる。この場合、超格子薄片71、72の電析金属膜62同士は必ずしも互いに直交している必要はなく、縁とつながっていることのみが要件である。各ボトムアップ構造は例えば、単純なメモリー素子でもよいし、上述の自己組織化により高度の機能を有するボトムアップ素子でもよい。超格子薄片71、72の電析金属膜62によるメッシュ構造の次元は1とボトムアップ系(今の場合、平面系である)の次元2との間であり、生体の神経系の次元が細胞系の次元より小さいことと同等の関係が成立している。上記のボトムアップ構造を形成する元になる材料物質は例えばインタカレーションにより導入することもできる。また、インタカレーションに先立って、電解エッチングにより電析金属膜62のナイフエッジを先鋭化させておくこともでき、これによって表面増強効果をより強化し、超格子薄片71、72の電析金属膜62の交差部に配置するボトムアップ構造をより少数の原子団(分子団)とすることも可能である。
【0092】
超格子薄片71、72の各交差点にボトムアップ構造がはさまれた上記の2次元構造体をシリコンLSIと接続して機能素子を作る。すなわち、図24Aに示すように、基板81上に上記の2次元構造体82をマウントし、超格子薄片72の電析金属膜62を接続パッド83を介して配線接続部84と接続するとともに、超格子薄片71の電析金属膜62を配線接続部85と接続する。接続パッド83は枕木状の形状を有し、その厚さは配線接続部84の上面と超格子薄片72の下面との高さの差にほぼ等しい。図24Bは超格子薄片72の電析金属膜62と接続パッド83との接続部を拡大して示したものであり、接続パッド83に幅の狭い絶縁体83aを介して形成された、溶剤難溶性電析有機膜61の幅(厚さ)と等しい幅の電極部83bと電析金属膜62とが接続されている。また、図24Cは超格子薄片71の電析金属膜62と配線接続部85との接続部を拡大して示したものであり、配線接続部85に幅の狭い絶縁体85aを介して形成された、溶剤難溶性電析有機膜61とほぼ等しい幅の電極部85bと電析金属膜62とが接続されている。配線接続部84、85は配線86を介して所望の機能を有するトップダウン系のLSI87と接続されており、結果として2次元構造体82とLSI87とが接続されている。こうして機能素子が得られる。LSI87は典型的にはシリコンLSIであるが、他の半導体、例えばGaAsなどの化合物半導体を用いたLSIでもよい。また、LSI87はチップ状のものを基板81上にマウントしたものであっても、基板81としてシリコン基板などの半導体基板を用い、これにLSIプロセスで回路を形成したものでもよい。
【0093】
超格子薄片71、72の電析金属膜62と外部の接続パッド83または配線接続部85との接続は、一辺あたりN個の接続でよい。この接続数と超格子薄片71、72の、ボトムアップ構造が設けられる交差点の数との比は1/Nでスケールする。このため、N2 の位置合わせ誤差を生ずる従来法と比べ、Nが大きくなるほど、言い換えれば集積度が上がるほど位置合わせ誤差が減少し、従って従来法に比べて素子の製造歩留まりの向上を図ることができる。特に、図24Bおよび図24Cに示すように、接続パッド83の電極部83bの幅は超格子薄片72の誘電体である溶剤難溶性電析有機膜61の幅(厚さ)とほぼ等しく、また、配線接続部85の電極部85bの幅は超格子薄片72の誘電体である溶剤難溶性電析有機膜61の幅(厚さ)とほぼ等しく設定することができるので、超格子薄片71、72の電析金属膜62と電極部83b、85bとの位置合わせのマージンを大きくすることができ、これも素子の製造歩留まりの向上に寄与する。
【0094】
シリコンLSIなどに代表されるLSI87からなるトップダウン系は、すでに述べたように、時間が非連続に投影され、かつ空間的に非等方的な構造、先の記法に従えば(時間投影性、空間方位性)=(↓、↓)の構造を有している。また、超格子薄片71、72の間にはさまれたボトムアップ構造は、自律分散的生成則により形成されたものであるため、時間が連続的に投影され、局所ルールには大局性が存在しないので、特別な方向は特になく等方的な構造、すなわち(時間投影性、空間方位性)=(↑、↑) の構造を有している。両構造を直接隣り合わせて並べてみても、(↑、↑) (↓、↓)となって矢印がフリップするので、直ちにつながらない。これに対し、上記の2次元構造体82は、すでに述べたように、時間を成長方向に連続的に投影してできた空間座標の一方向に向いた非等方性を有する構造、すなわち(時間投影性、空間方位性)=(↑、↓)の構造を有している。図24に示す機能素子においては、この2次元構造体82、すなわち(↑、↓)構造をボトムアップ構造、すなわち(↑、↑)構造とトップダウン構造のLSI86、すなわち(↓、↓) 構造との間に介在させていることにより、(↑、↑)(↑、↓)(↓、↓)となり、矢印が構造間でフリップすることなくつながっていくので、結局(↑、↑)構造と(↓、↓)構造とを、すなわちボトムアップ系とトップダウン系とを、個別アクセス性を失うことなく、うまくつなげることができる。
【0095】
このように、この第1の実施形態によれば、ボトムアップ系とシリコンLSIに代表されるトップダウン系との利点を最大限活かすことができる高機能の機能素子を容易に実現することができる。この機能素子は、ボトムアップ系に持たせる機能とシリコンLSIに持たせる機能との組み合わせにより、多彩な機能を発現することができる。
【0096】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、ボトムアップ構造として特に量子ドットを用いたものである。
図25に示すように、この第2の実施形態においては、基板81の中央部に2次元構造体82がマウントされているが、この場合、この2次元構造体82の超格子薄片71、72の電析金属膜62の十字交差点にボトムアップ構造として量子ドット91がはさまれている。ここで、超格子薄片71、72の電析金属膜62の周期および厚さは量子ドット91のサイズより十分小さくすることができるので、超格子薄片71、72の電析金属膜62の十字交差点と量子ドット91とは必ずしも1対1に対応している必要はない。つまり、全ての十字交差点に量子ドット91が付随している必要はないが、各量子ドット91には必ず十字交差点が付随している。この冗長性は、量子ドット素子の歩留まりを向上させるとともに、量子ドットを活性部とする十字交差よりなるダイオードへのサイドゲートの役割を果たさせることもでき、従来極めて困難であった量子ドット素子の3端子素子化も可能となる。特にその際、超格子薄片71、72として、極めて薄い誘電体を間にはさんだ導電層2層構造とやや厚めの誘電体との積層繰り返し構造、すなわち、空間周波数として大小二つの周波数を有する構造のものを用いることが有効である。
【0097】
また、図25に示す構造は平面ディスプレイとしても適用することができる。この場合、量子ドット91として発光性量子ドットを用いるが、発光性有機分子モノマー、オリゴマー、ポリマーであってもよい。また、この場合、すでに述べたように、超格子薄片71、72の厚さの設定に自由度があるので、電析金属膜62を、高い導電性を持ち、かつ、極めて細い導電ラインとして構成することができるという長所を有する。この平面ディスプレイによれば、十字交差部の面積が小さいので、陰になることが少なく、明るい画面を低消費電力で実現することができる。また、図示は省略するが、図25の縦横の各電析金属膜62、すなわち各導電ラインに関して、上述のような極めて薄い誘電体を間にはさんだ導電層2層構造とやや厚めの誘電体との積層繰り返し構造、すなわち、空間周波数として大小二つの周波数を有する構造を用いることで導入される冗長性によって、例えば活性部の不良による画素落ちなどのリスクを低減することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0098】
さらに、図25の配置は、十字交差部にはさまれるπ電子系有機分子の官能基の配置や荷電状態を制御することで、光素子のみならず電子素子としても利用することができ、従って集積分子エレクトロニクス素子として利用することもできるが、空間周波数として大小二つの周波数を有する超格子薄片構造を用いることで得られる上述の冗長性は、分子エレクトロニクスに求められているフォルトトレランス(欠陥許容性)を高める上で極めて効果が大きい。
基板81の外周部81aはトップダウン型のLSIが配置される領域であるが、必ずしも四方八方全てに配置する必要はなく、一部に配置するだけでもよい。なお、場合によっては、多層構造にして、基板81の中央部を含む全面の上下にトップダウン型LSIを配置することも可能である。
【0099】
2次元構造体82の周囲の額縁部81bは、図24Bおよび図24Cと同様な配置で、2次元構造体82のN2 個の交差点にアクセスするx、y方向の平行な電析金属膜62と接続する。
上記以外のことは、その性質に反しない限り第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0100】
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
図26に示すように、この第3の実施形態においては、第2の実施形態においてボトムアップ構造として用いた量子ドット配列の代わりに、自己相似性を有する階層的な構造を有する面、すなわちフラクタル構造を有する面92をボトムアップ構造として用いる。この場合も、空間周波数として大小二つの周波数を有する超格子薄片構造を用いることで得られる上述の冗長性は、系のロバストネスを高める上で極めて大きな効力を発揮する。
上記以外のことは、その性質に反しない限り第1および第2の実施形態と同様である。
この第3の実施形態によっても、第1および第2の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0101】
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態においては、図27Aに示すように、第1の実施形態において用いた成長装置の電解液54中に2本の軸101、102を所定の間隔で互いに平行に設ける。軸101の長手方向には複数の電極部101aが例えば等間隔に設けられ、軸102の長手方向には複数の電極部102aが電極部101aと互い違いに例えば等間隔に設けられている。そして、軸101の一番下の電極部101aの上下に支持板103および溶剤可溶樹脂板104が所定の間隔を持って取り付けられ、その上の電極部101aの上下に2枚の溶剤可溶樹脂板105、106が所定の間隔を持って取り付けられ、さらにその上の電極部101aの上下に同様に2枚の溶剤可溶樹脂板107、108が所定の間隔を持って取り付けられている。一方、軸102の一番下の電極部102aの上下に2枚の溶剤可溶樹脂板109、110が所定の間隔を持って取り付けられ、その上の電極部102aの上下に2枚の溶剤可溶樹脂板111、112が所定の間隔を持って取り付けられ、さらにその上の電極部102aの上下に溶剤可溶樹脂板113および支持板114が所定の間隔を持って取り付けられているが、これらの2枚の板の組み合わせは軸101に取り付けられたものと互い違いになっている。この場合、これらの支持板103、114および溶剤可溶樹脂板104〜113はいずれも円板状であり、それらの半径は軸101、102の間隔よりも少し小さく選ばれている。このため、軸101に取り付けられた支持板103および溶剤可溶樹脂板104〜108と、軸102に取り付けられた溶剤可溶樹脂板109〜113および支持板114とは、軸101、102の間の部分で互いに重なっている。
【0102】
この成長装置においては例えば次のようにして成長を行う。
まず、軸101の電極部101aおよび軸102の電極部102aの側面にあらかじめ導電性有機レジスト(図示せず)を所定の厚さ塗布しておく。この有機レジストとしては、例えば、溶剤可溶樹脂板104〜113の溶解に用いられる溶剤により溶解することができるものを用いる。次に、第1の実施形態と同様にして、軸101に取り付けられた支持板103および溶剤可溶樹脂板104の間の空間と溶剤可溶樹脂板105、106の間の空間と溶剤可溶樹脂板107、108の間の空間とにおいて電極部101aの側面に導電性有機レジストを介して周期構造体をラテラル成長させる。同様に、軸102に取り付けられた溶剤可溶樹脂板109、110の間の空間と溶剤可溶樹脂板111、112の間の空間と溶剤可溶樹脂板113および支持板114の間の空間とにおいて電極部102aの側面に導電性有機レジストを介して周期構造体をラテラル成長させる。電極部101aの側面に成長させる周期構造体と電極部102aの側面に成長させる周期構造体とは互いに同一であっても異なってもよい。次に、電解槽51から電解液54を排出して代わりに所定の溶剤を入れ、この溶剤により溶剤可溶樹脂板104〜113および電極部101a、102aの側面に塗布した導電性有機レジストを溶解する。これによって、電極部101aの側面にラテラル成長した円板状の各超格子薄片115と電極部102aの側面にラテラル成長した円板状の各超格子薄片116とは沈降していき、順次交互に積層される。こうして、超格子薄片が交互に積層された積層構造体が形成される。
【0103】
次に、この積層構造体を電解槽から取り出し、図27Bの実線の四角形で示される形に切り出す。これによって、例えば図28に示すように、超格子薄片三次元積層体が得られる。そして、この超格子薄片三次元積層体を用いて第1の実施形態と同様にして機能素子を製造する。
上記以外のことは第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、超格子薄片三次元積層体を用いて機能素子を構成していることにより、機能性および集積度の大幅な向上を図ることができるという利点を得ることができる。
【0104】
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。
図29Aおよび図29Bは真空蒸着装置の真空チェンバー121の正面図および側面図である。図29Aおよび図29Bに示すように、この第5の実施形態においては、ローラ122に、例えば幅が狭くて薄い平坦なテープ状の樹脂製ベースフィルム123を巻き付けておき、この樹脂製ベースフィルム123の一方の面に蒸着源124から例えば金属を蒸発させて薄く金属膜(図示せず)を形成した後、この金属膜付き樹脂製ベースフィルム123を巻き取りローラ125で巻き取っていく。符号126は樹脂製ベースフィルム123を両側から保持する支持板を示す。
【0105】
上述のようにして金属膜付き樹脂製ベースフィルム123が巻き取りローラ125で巻き取られることにより、樹脂製ベースフィルム123と金属膜とが交互に積層されたスパイラル構造が形成される。このスパイラル構造は図22に示す同心円構造とほぼ類似のものである。そこで、このスパイラル構造を元にして第1の実施形態と同様にして超格子薄膜を得ることが可能である。
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0106】
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態においては、図30に示す方法により超格子薄片71、72を作製する。すなわち、まず、図30Aに示すように、樹脂基板131に、第1の実施形態の電析金属膜62と同一のパターン形状を有するナノ構造金型132を近づけ、図30Bに示すように、このナノ構造金型132で樹脂基板131を型押しする。次に、図30Cに示すように、ナノ構造金型132を樹脂基板131から引き離す。次に、図30Dに示すように、例えば真空蒸着などにより樹脂基板131上に金属膜133を堆積させて、ナノ構造金型132による型押しで樹脂基板131に形成された溝の内部をこの金属膜133により埋め込む。次に、図30Eに示すように、樹脂基板131を上下からエッチングすることにより上面の不要な金属膜133を除去するとともに、裏面に金属膜133を露出させる。これによって、図30Fに示すように、超格子薄片71、72が作製される。
上記以外のことは、その性質に反しない限り第1の実施形態と同様である。
この第6の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0107】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、形状、配置などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置などを用いてもよい。
【0108】
また、例えば、超格子薄片にはさまれる層として、π電子共役有機分子系材料や生体分子系材料のほかに、強誘電体材料系やPrCaMnO系の巨大磁気抵抗材料を用いてもよい。
また、同心円構造自体は、第1〜第6の実施形態で述べた方法以外の方法で形成することもできる。例えば、回転軸を回転させながらその側面上に交互に異なる物質を真空蒸着により形成したり、MOCVD法などにより円柱状の基板に交互に異なる物質を成長させたりすることができる。
また、同心円構造を形成する物質としては、上述の第1〜第6の実施形態で用いたものと異なる物質を用いてもよい。誘電体としては酸化物などの無機物質のほか、ポリスチレンやポリカーボネートなどの有機物質を用いてもよい。
【0109】
なお、上に述べたボトムアップとトップダウンとの接続・統合は、狭い意味のハードウェアのみに適用されるものではなく、直接結合しようとしても相容れない2系統の流れがぶつかる種々の局面に適用することができる。一例を挙げると、両系統の持つ属性を精査し、各々において(↑、↑)のものと(↓、↓)のものという相反する性質の組を同定・抽出し、その上で(↑、↓)の性質を持つ中間層(緩衝材となる方策)を間にはさむ(さらに必要なら、この作業を漸化式的にイテレイティブ(iterative)に繰り返す)ことにより、市場形成や消費動向など、ユーザーやマスを形成する消費者などの(ヒエラルキー末端の)層に内在して下から湧き上がってくる動きと、企業運営や行政などの(ヒエラルキートップの)、あらかじめ設定された計画に基づいて上から下ろされてくるルールやプランニングとを整合させる際などにも、ソフトウェア的な(ビジネスモデルやサービスモデル上の)仕組みとしても機能させることができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、生命体に代表されるボトムアップ系とシリコンLSIに代表されるトップダウン系との利点を最大限活かすことができる高機能の機能素子を実現することができる。すなわち、細胞に相当するボトムアップ系とトップダウン系との間に随伴神経系に相当する人工情報伝達・制御系を設けた高機能の機能素子を実現することができる。
また、時間が連続的に投影された構造を用いることで、究極の分解能(原子層オーダの制御)を持った人工神経系相当物を形成することができる。これによって、例えば、表面増強効果を担いうるナノ構造/ゼロ次元構造をバルクサイズに亘って超並列多重に配列させることも可能になる。
【0111】
また、ナノスケールで離散化されたバルクサイズの系を創出し、例えばシリコン基板上に形成されたLSIシステムと、それと近接して配された自律分散システムとを結合することにより、ボトムアップ系とトップダウン系とをつなぐプラットフォームを実現することができる。
また、ナノスケールで離散化されたバルクサイズ系を創出し、そこに現れる局所的かつ個別的にアドレスすることが可能な2〜3次元のナノ構造体を大局的サイズで得ることによって、微視的世界と巨視的世界とをつなぐ高機能のプラットフォームを実現することができる。さらに、現在では形がないが将来現れてくると考えられるほとんどのナノスケールの並列新機能要素と既存のULSIシステムとをシナジェティックに結合し、シリコンベースの世界と炭素系の有機物の世界との止揚をとることにより、飛躍的な機能の増大が可能となる。
【0112】
また、この発明によれば、例えば、10〜160Gbits/cm2 (0.1〜1Tb/inch2 )の集積度のフレキシブルな機能素子を実現することができる。例えば、物質表面がそのまま機能素子となるようなユビキタス情報装置を実現することができる。この場合、機能素子の中核部分はリソグラフィーフリーで形成することができるので、機能素子を安価に製造することができる。また、要素の数をNとすると、従来はN2 の位置合わせが必要となるが、この発明では4Nの位置合わせで済み、従来に比べ1/ Nで位置合わせの困難さが減少する。しかも、記録容量が大きくなるほどこの効果が増大する。
【0113】
また、この発明によれば、微分方程式系に支配される物質系ではなく、セルラーオートマトンに代表される離散的な、差分方程式に支配されるような物質系を提供することができる。この物質系によれば、例えば、注目する性質に関して、変調された次元、連結性、自発的対称性の破れ、あるいは自己組織化臨界現象を示すことが可能となる。
【0114】
ナノテクノロジーの発展は際限がないほどと期待されるが、それを支える母体の構造は原子間隔というカットオフがある以上(際限なく小さくなることはないので)その「収束先」をあらかじめ(ある精度を以って)見定めておき、その極限値と既存のULSIシステムとの結合を、現時点から正面の目標に据え、攻略し始めることは、単に時代に先行するという観点からのみならず、今は形なき、将来のナノテクノロジーの成果を先取りする上でも重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を説明するための略線図である。
【図2】この発明を説明するための略線図である。
【図3】TPCを説明するための略線図である。
【図4】TPCを説明するための略線図である。
【図5】この発明を説明するための略線図である。
【図6】この発明を説明するための略線図である。
【図7】この発明を説明するための略線図である。
【図8】AlAs/GaAs2原子層超格子の成長を説明するための図面代用写真である。
【図9】電気化学的成長機構を説明するための略線図である。
【図10】この発明を説明するための略線図である。
【図11】図10Aに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図12】図10Aに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図13】図10Aに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図14】図10Aに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図15】図10Bに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図16】図10Bに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図17】図10Bに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図18】図10Bに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す略線図である。
【図19】この発明を説明するための略線図である。
【図20】この発明の第1の実施形態を説明するための略線図である。
【図21】この発明の第1の実施形態を説明するための略線図である。
【図22】この発明の第1の実施形態を説明するための略線図である。
【図23】この発明の第1の実施形態を説明するための略線図である。
【図24】この発明の第1の実施形態による機能素子を示す略線図である。
【図25】この発明の第2の実施形態を説明するための略線図である。
【図26】この発明の第3の実施形態を説明するための略線図である。
【図27】この発明の第4の実施形態を説明するための略線図である。
【図28】この発明の第4の実施形態を説明するための略線図である。
【図29】この発明の第5の実施形態を説明するための略線図である。
【図30】この発明の第6の実施形態を説明するための略線図である。
【符号の説明】
21…TPC、31…1次元超格子、33、34、71、72、115、116…超格子薄片、41、42…導電体ストリップ、46、47…誘電体層、54…電解液、61…溶剤難溶性電析有機膜、62…電析金属膜、73、74…リレー回路、82…2次元構造体、83…接続パッド、84、85…配線接続部、87…LSI、91…量子ドット、92…フラクタル構造を有する面、131…樹脂基板、132…ナノ構造金型、133…金属膜

Claims (22)

  1. 局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子。
  2. 上記第1の構造が自律分散型相互作用により形成されたものであり、上記第2の構造が予め設定された大局的な設計ルールにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の機能素子。
  3. 第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
    上記第3の構造を1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものとして形成する工程と、
    上記第2の構造を予め設定された大局的な規則により形成する工程と、
    上記第1の構造を局所的な相互作用により形成する工程とを有することを特徴とする機能素子の製造方法。
  4. 局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造を介して結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システム。
  5. 時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子。
  6. 第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
    上記第3の構造を1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものとして形成する工程と、
    上記第2の構造を時間が不連続的に投影された非等方的なものとして形成する工程と、
    上記第1の構造を時間が連続的に投影された等方的なものとして形成する工程とを有することを特徴とする機能素子の製造方法。
  7. 時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システム。
  8. ボトムアップで形成された第1の構造とトップダウンで形成された第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子。
  9. 上記第1の構造が自己組織化によるボトムアップで形成されたものであり、上記第2の構造がトップダウンで形成された集積回路であることを特徴とする請求項8記載の機能素子。
  10. 第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
    上記第3の構造を1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものとして形成する工程と、
    上記第2の構造をトップダウンで形成する工程と、
    上記第1の構造をボトムアップで形成する工程とを有することを特徴とする機能素子の製造方法。
  11. ボトムアップで形成された第1の構造とトップダウンで形成された第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造を介して結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能シス テム。
  12. 自己相似性またはフラクタル構造を有する第1の構造とトップダウンで形成された集積回路からなる第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子。
  13. 第1の構造と第2の構造とが第3の構造を介して結合されてなる機能素子の製造方法であって、
    上記第3の構造を1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものとして形成する工程と、
    上記第2の構造をトップダウンで集積回路として形成する工程と、
    上記第1の構造を自己相似性またはフラクタル構造を有するものとして形成する工程とを有することを特徴とする機能素子の製造方法。
  14. 自己相似性またはフラクタル構造を有する第1の構造とトップダウンで形成された集積回路からなる第2の構造とが、1次元超格子を薄片化した超格子薄片を複数交差させて重ねたものからなる第3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする機能システム。
  15. 上記超格子薄片が導電体層と誘電体層との周期構造体からなることを特徴とする請求項1、5、8または12記載の機能素子。
  16. 上記導電体層に接触する両側の上記誘電体層の性質が互いに同一または異なることを特徴とする請求項15記載の機能素子。
  17. 上記超格子薄片は単一または複数の空間周波数を有することを特徴とする請求項1、5、8または12記載の機能素子。
  18. 局所的な相互作用により形成される第1の構造と予め設定された大局的な規則により形成された第2の構造とが、厚さが0.2nm以上60nm以下の導電体層と厚さが0.2nm以上50μm以下の誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように少なくとも2枚重ねた構造を有する第3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子。
  19. 時間が連続的に投影された等方的な第1の構造と時間が不連続的に投影された非等方的な第2の構造とが、厚さが0.2nm以上60nm以下の導電体層と厚さが0.2nm以上50μm以下の誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように少なくとも2枚重ねた構造を有する第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子。
  20. ボトムアップで形成された第1の構造とトップダウンで形成された第2の構造とが、厚さが0.2nm以上60nm以下の導電体層と厚さが0.2nm以上50μm以下の誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように少なくとも2枚重ねた構造を有する第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子。
  21. 自己相似性またはフラクタル構造を有する第1の構造とトップダウンで形成された集積回路からなる第2の構造とが、厚さが0.2nm以上60nm以下の導電体層と厚さが0.2nm以上50μm以下の誘電体層との周期構造体からなる薄片をその層が互いに交差するように少なくとも2枚重ねた構造を有する第3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子。
  22. トップダウンで製造された集積回路からなる上記第2の構造と上記第1の構造および上記第3の構造の結合体とがこの結合体の辺縁に存在する直線または曲線状の一次元構造をインターフェース領域として結合していることを特徴とする請求項1、5、8または12記載の機能素子。
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