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JP3963021B2 - アクチュエータ移動装置 - Google Patents

アクチュエータ移動装置 Download PDF

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JP3963021B2
JP3963021B2 JP30897494A JP30897494A JP3963021B2 JP 3963021 B2 JP3963021 B2 JP 3963021B2 JP 30897494 A JP30897494 A JP 30897494A JP 30897494 A JP30897494 A JP 30897494A JP 3963021 B2 JP3963021 B2 JP 3963021B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、形状記憶材料、特にSMA(形状記憶合金)を用いた簡単な構造のアクチュエータ移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、形状記憶合金を利用した種々の装置が考えられている。ここで、形状記憶合金について簡単に説明する。
【0003】
まず、物質に外力を印加することで起因する塑性変形(歪み)が、温度の上昇に伴い消失して元の形状に復帰する現象を形状記憶効果という。言い換えると、形状記憶効果は、常温で変形させた後に高温に加熱すると、変形前の形状(予め記憶された形状)に回復する現象のことである。この現象は、金属、プラスチック、及びセラミックにおいて確認されており、特に金属についてはSMA(形状記憶合金)として約20種類の合金が知られている。
【0004】
このようなSMAは、そのほとんどが単結晶系であり、主にコストの点から工業利用できるレベルには至っていない。数少ない多結晶系であり、かつ実際に工業利用されているのはTiNi系とCu系の2種類のみである。
【0005】
最も汎用されているTiNi系の場合、相転移温度Tc(物質が異なる相または変態に状態を移す温度)、すなわち上記元の形状に復帰する温度は、成分比の微調整によって−80〜+100度Cの間に設定できる。
【0006】
尚、本明細書においては、上記相転移温度Tcを越えた温度を高温、上記相転移温度Tcより低い温度を低温(あるいは常温)というものとして区別することとする。
【0007】
また、上記元の形状に復帰する時に発生する力(形状回復力)は、非常に大きなものであり、製品によっては400(MPa)に達するものがある。
よって、上記形状回復力が発生しているときは、外部から多少の力が加わっても、影響があるものではない。
【0008】
SMAの形状記憶の性質は、大別すると不可逆型と可逆型とに分けられる。
不可逆型とは、高温における形状のみ記憶でき、低温(常温)の形状は記憶できない一方向性形状記憶合金のことである。
【0009】
可逆型とは、低温、高温両方の形状を記憶できるSMAであり、例えば二方向性形状記憶合金がある。
一方向性形状記憶合金は、温度サイクルに対して不可逆的に形状変化するものであるから、低温から高温に状態を移したときは形状回復するが、高温から低温にした場合は、外部から応力が加えられない限り形状変化しない。
【0010】
これに対し二方向性形状記憶合金は、温度サイクルに対して可逆的に形状変化するものであるから、低温から高温、高温から低温のいずれの温度サイクルであっても、低温、高温それぞれに対し予め設定されている形状へと形状回復する。
【0011】
次に、上述のような形状記憶合金を製品に利用したSMA応用デバイスについて説明する。
現在までのSMAを用いたデバイスの例としては、サーモスタット、火災報知機、自動開閉温室窓などの温度制御用デバイスや温度監視デバイスがある。
【0012】
このようなデバイスに用いるSMAは、例えば図6のように形状変化するものである。同図の(a)は低温時、(b)は高温時である。また、同図には一方向性SMAと二方向性SMAが示してある。同図(a)に示すように、低温時では、一方向性SMA、二方向性SMAはともに平面的な板状になっている。但し、一方向性SMAでは、この板状の形状は記憶されていないが、二方向性SMAでは記憶されている。そして加熱することでSMAの温度が相転移温度Tcを越えると、予め記憶されている同図(b)に示すような形状へと形状回復する。この高温時の形状回復については、一方向、二方向性SMAは同様である。次に、上記高温状態から冷却(自然冷却)することで、SMAの温度が相転移温度Tcより下がると、二方向性SMAでは予め記憶されている同図(a)に示すような形状へと形状回復するが、一方向性SMAは同図(b)に示す形状のままである。このため、一方向性SMAを同図(a)の形状に戻すために、一方向性SMAの板の一端(変形する側)に図示しないバイアスバネが取りつけてある。このバイアスバネによりSMAに加わるバイアス応力は、SMAの形状回復力が上記のように非常に大きなものであることから、高温時には形状回復力に抗してSMA板を変形させることはできない。しかし、冷却することで相転移温度Tcより下がると、形状回復力が消失するので、SMA板を加圧変形させて同図(a)に示すような形状へ戻すことができる。
【0013】
このように、ある所定の温度(相転移温度Tc)を境にして、SMAが2種類の形状を成すようにすることで、SMAは上記温度制御用デバイスや温度監視デバイス等のように、温度に応じて切り換わるスイッチング等に利用されている。
【0014】
また、SMAを種々の形状に加工し、対応する種々の形状を記憶させることでSMAを用いた装置の応用範囲を拡げることが考えられている。
更に、単位体積あたりの力出力が大きい(すなわち、上記形状回復力が非常に大きい)というSMAの長所を生かして、アクチュエータ分野で応用されている例がある。例えば、感温アクチュエータ、温度差エネルギー変換エンジン、通電加熱アクチュエータ等がある。特に通電加熱アクチュエータのように、SMA自身の抵抗を利用した通電自己発熱方式は、電気信号で直接加温制御できるので、応答速度が高速(数ms程度)であることから、マイクロアクチュエータを中心とした応用が検討されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、SMAの利用法は、数多く考えられている。
しかしながらSMAの動作については、結局所定の位置における繰り返し動作を行うという点では同一のものであった。このため、このようなSMAの動作を利用する装置の応用範囲も限られたものとなっていた。
【0016】
その為、上記のような所定の位置での繰り返し動作ではなく、例えば位置を移動するようにSMAを動作させることが要望されている。このような従来にないSMAの動作を利用して、SMA応用装置の範囲が拡がることになる。
【0017】
本発明の課題は、SMAを用いた小型軽量で高速応答性に優れた簡易な構造のアクチュエータ移動装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明に係わるアクチュエータ移動装置の構成を述べる。
本発明のアクチュエータ移動装置である第1の装置は、所定の移動経路を形成するガイド手段と、該ガイド手段に係合して該ガイド手段に沿って移動可能なアクチュエータと、該アクチュエータを移動制御する移動制御手段とを備えるアクチュエータ移動装置であって、前記アクチュエータは、所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材と、該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けられ、所定の温度以上で伸長あるいは短縮する形状記憶材料より成る連結部材と、該連結部材の所定の温度以上での伸縮状態を、所定の温度以下で逆の状態へと伸縮させる伸縮手段とから構成され、前記移動制御手段は、前記アクチュエータを前記各部材毎に所定タイミングで温度制御して移動させる構成からなる
【0019】
上記第1の装置において、例えば請求項2記載のように、前記連結部材を成す形状記憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に伸長あるいは短縮する一方向性形状記憶合金であり、前記第1、第2の係合部材を成す形状記憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に内径が変化する一方向性形状記憶合金である。
【0020】
また、上記伸縮手段は、例えば請求項3記載のように、前記連結部材の形状記憶材料の所定温度以上での伸縮方向と逆方向に応力を加えるバイアスバネである。
【0021】
本発明のアクチュエータ移動装置である第2の装置は、所定の移動経路を形成するガイド手段と、該ガイド手段に係合して該ガイド手段に沿って移動可能なアクチュエータと、該アクチュエータを移動制御する移動制御手段とを備えるアクチュエータ移動装置であって、前記アクチュエータは、所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材と、該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けられ、所定の温度を境にして伸縮する形状記憶材料より成る連結部材とから構成され、前記移動制御手段は、前記アクチュエータを前記各部材毎に所定タイミングで温度制御して移動させる構成からなる
【0022】
上記第2の装置の連結部材を成す形状記憶材料は、例えば請求項5記載のように、所定の温度を境にして可逆的に形状回復する二方向性形状記憶合金、あるいは全方位形状記憶合金である。
【0023】
また、例えば請求項6記載のように、前記移動制御手段による温度制御は、前記形状記憶材料に通電して自己発熱させる電気制御方式である。
更に、例えば請求項7記載のように、上記ガイド手段は軸であり、上記第1、第2の係合部材、及び上記連結部材はコイルバネの形状である。
【0024】
次に、本発明のアクチュエータ移動装置の移動制御方法は、前記ガイド手段に対し摺動可能に係合されている形状記憶材料より成る第1の係合部材、第2の係合部材のいずれか一方を、所定の温度以上に加熱制御して前記ガイド手段に係止させる第1工程と、該第1工程から更に形状記憶材料より成る連結部材を所定の温度以上に加熱制御して、前記ガイド手段に係止させた係合部材を基点にして前記連結部材を伸長、あるいは短縮させることに伴い、摺動可能な状態にある前記係合部材の他方を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第2工程と、該第2工程から更に前記摺動移動させた係合部材を所定の温度以上に加熱制御して前記摺動移動させた位置に係止させるとともに、前記第1、第2工程で加熱制御した係合部材及び連結部材を所定の温度以下に冷却させることにより、該連結部材を伸縮が逆となるように短縮、あるいは伸長させることに伴い該冷却させた係合部材を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第3工程と、該第3工程において加熱制御した係合部材を所定の温度以下に冷却させることにより、前記第1工程の初期状態にする第4工程とからなる一連の工程を順次行い該一連の工程を繰り返すことにより、少なくとも前記第1、第2の係合部材及び連結部材を有する前記アクチュエータを、前記ガイド手段に沿って自在に移動させるようにして行う制御方法である。
【0025】
【作用】
先ず、請求項1に記載の発明は、形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材の何れか一方を係止状態、他方を摺動可能な係合状態となるように移動制御手段により温度制御する。更に連結部材を所定温度以上に加温制御して、その記憶形状へと伸長あるいは短縮させる。この伸縮いずれかの変形に伴い、上記係合部材の他方が、ガイド手段に沿って摺動移動する。次に、この係合部材を移動先で係止状態にし、更に他の係合部材を摺動可能な係合状態となるように温度制御するとともに、連結部材が所定温度以下となるように温度制御する。これによって、伸縮手段が連結部材を上記記憶形状と逆の状態へ伸縮させ、これに伴い上記他の係合部材がガイド手段に沿って摺動移動する。
【0026】
以上の一連の動作により、アクチュエータは、連結部材が伸縮した長さだけ移動したことになる。この一連の動作を繰り返すことで、アクチュエータは、ガイド手段に沿って自在に移動することができる。
【0027】
次に、請求項4に記載の発明は、形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材の何れか一方を係止状態、他方を摺動可能な係合状態となるように移動制御手段により温度制御する。更に、所定の温度を境にして伸縮が逆の形状をそれぞれ記憶してある連結部材を、温度制御して、その温度での記憶形状へと伸長あるいは短縮させる。この伸縮いずれかの変形に伴い、上記係合部材の他方が、ガイド手段に沿って摺動移動する。次に、この係合部材を移動先で係止状態にし、更に他の係合部材を摺動可能な係合状態となるように温度制御するとともに、連結部材を温度制御して伸縮が逆の状態へ形状変形させる。このときの伸縮動作に伴い上記他の係合部材がガイド手段に沿って摺動移動する。
【0028】
以上の一連の動作により、アクチュエータは、連結部材が伸縮した長さだけ移動したことになる。この一連の動作を繰り返すことで、アクチュエータは、ガイド手段に沿って自在に移動することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施例について説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の構成を示す側断面図であり、(a)には低温時の装置全体図、(b)には高温時のSMAコイルの記憶形状を示してある。
【0031】
同図において、固定軸1は、少なくともその表面が絶縁性材料で形成される棒状の軸である。この固定軸1の断面は、円、楕円、多角形等であるが、ここでは外径Ddの円であるものとする。
【0032】
SMAコイル2は、一方向性SMAの線材を巻いたコイルであり、固定軸1が挿入されている。一方向性SMAは、前述したように、昇温に伴い相転移温度を越えた状態(高温時)のみ形状を回復させる応力を発生するものであって、相転移温度以下の状態(低温時)では回復応力は発生しないものである。
【0033】
このSMAコイル2は、締付部2−a、伸縮移動部2−b、締付部2−cの3つの部位から成り、各部位はそれぞれ、コイルの巻き形状及び記憶させた形状が異なるものである。同図(a)には低温時において後述するバイアスバネ等による外部応力を受けてSMAコイル2が塑性変形した形状を示しており、同図(b)には高温時に回復応力の発生によりSMAコイル2が形状回復した時の形状、すなわち予め記憶された記憶形状を示している。
【0034】
同図(a)において、SMAコイル2の締付部2−a、及び締付部2−cの内径Sは、固定軸1の外径Ddと略同一となっている。このときのSMAコイル2の締付部2−a、及び締付部2−cによる固定軸1に対する締め付け圧力は、小さいものであり、よって軸との摩擦抵抗力も小さいものである。このため、SMAコイル2の締付部2−a、及び締付部2−cは、固定軸1に外接摺動して軸方向に移動可能となっている。SMAコイル2の伸縮移動部2−bは、その内径が少なくとも固定軸1の外径Ddより大きく、固定軸1の軸方向に移動自在となっている。
【0035】
また、SMAコイル2の伸縮移動部2−bの長さLは、上記のように外部応力を受けて塑性変形することで、図示の長さLsまで縮められている。
一方、同図(b)に示す記憶形状は、SMAコイル2の伸縮移動部2−bの長さLは、図示の長さLt(>Ls)となっている。つまり、高温時には伸縮移動部2−bの長さが伸びるように設定されている。
【0036】
また、SMAコイル2の締付部2−a、及び締付部2−cの内径はSnとなり、この内径Snは固定軸1の外径Ddより小さく(Sn<Dd)なるように設定されている。ここで、SMAコイル2が固定軸1に組み込まれているので、実際にはSMAコイル2の内径は外径Ddより小さくはならない。その為、このようなSMAコイル2の内径を固定軸1の外径Ddより小さくするようにして生じるSMAの回復応力は、固定軸1を締め付ける圧力(以下、クランプ力という)として働くことになる。
【0037】
SMAの回復応力は、前述したように非常に大きなものであることから、上記クランプ力も非常に強い力として働くので、結果として軸との摩擦抵抗力は非常に大きなものとなる。このため、SMAコイル2の締付部2−a、及び締付部2−cは外接摺動不可能となる。
【0038】
また、上記長さL及び内径S以外のSMAコイル2の寸法は、同図(a)、(b)では変わらないものとする。
バイアスバネ3は、上述したように、高温時に長さLtに伸びたSMAコイル2の伸縮移動部2−bを、低温時に長さLsに縮めるための応力を与えるために設けられたバネである。このバイアスバネ3より加わるバイアス力は、低温時にSMAコイル2を塑性変形させるのに充分な力ではあるが、SMAの回復応力よりはかなり小さいものである。よって高温時には、バイアスバネ3による影響はほとんどない。
【0039】
スリーブ4は、SMAコイル2とバイアスバネ3とを力学的に結合するために設けられた一対の結合部材である。スリーブ4は、その中央に固定軸1を通す為の穴が形成されている円板状の部材であり、固定軸上を移動自在となっている。スリーブ4の円周部分は2段形状となっており、内側の段には図のようにバイアスバネ3が円周に沿って結合されている。また、SMAコイル2も、図示の接点部分でスリーブ4に係止されている。(尚、締付部2−a、2−cの外径が、スリーブ4の内径より充分大きい場合には、係止する必要はない)
電極5、電極6、電極7、及び電極8は、不図示の電源によりSMAコイル2を通電加熱するために、SMAコイル2上の所定の位置に設けられた電極である。上記電源は、所定の手段(例えば、固定軸1と所定の間隔で平行に設けられたレール等)により、SMAコイル2の移動に伴って移動可能となっている。
【0040】
ここで、上記通電加熱は、前述したように、SMA自身の抵抗を利用した通電自己発熱方式であり、SMAコイル2の通電した部分の温度が、相転移温度を越えるように設定されている。
【0041】
上記通電は、SMAコイル2の各部位(締付部2−a、伸縮移動部2−b、締付部2−c)に対し、それぞれ別々に行うことができるように配線されている。例えば、電極6、7間に電圧を印加することで、伸縮移動部2−bが通電加熱されることになる。それにより伸縮移動部2−bの温度が相転移温度を越え、回復応力が働いて伸縮移動部2−bの長さがLtに伸びることになる。他の部位についても同様である。また、同時に2つ、あるいは3つの部位に通電することもできる。
【0042】
次に、上記構成のアクチュエータ移動装置の動作について説明する。
図2は、本発明の第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
【0043】
同図においては、固定軸1とSMAコイル2のみを図示することにして、他の構成部品は図示せずに機能動作の説明のみを行うこととする。
SMAコイル2の移動動作は、同図(a)、(b)、(c)、(d)で示す4工程に分かれて、間欠的に行われるものである。
【0044】
初期状態では、SMAコイル2の温度は、相転移温度以下となっており、バイアスバネ3によるバイアス力が印加されて図1(a)に示す状態となっている。この状態では、SMAコイル2の伸縮移動部2−bの長さは、Lsに縮められており、また締付部2−a、締付部2−cは固定軸1の軸方向に沿って摺動移動可能となっている。
【0045】
この状態から、まず図2(a)に示すように、電極5、6間に通電することで、SMAコイル2の締付部2−aを通電加熱する。これによりSMAコイル2の3つの部位のうち、締付部2−aの温度だけが相転移温度以上となり、それにより発生するSMAの回復応力が、前述したように固定軸1を締め付けるクランプ力として働き、固定軸1との摩擦抵抗力が増大する。このため、締付部2−aは、事実上、固定軸上の図示の位置に固定された状態になる。
【0046】
次に、同図(b)に示すように、上記の状態から更に電極6、7間にも通電することで、伸縮移動部2−bの温度も相転移温度以上となり、それにより発生するSMAの回復応力により、伸縮移動部2−bの長さは上記LsからLtまで伸びる。このとき、締付部2−aが上記固定された状態であり、締付部2−cは外接摺動可能な状態であることから、伸縮移動部2−bは締付部2−aを基点として図示の右方向に伸びることになる。これに伴い締付部2−cは、図示の右方向へ移動することになる。このとき、図示しないバイアスバネ3によるバイアス力が逆方向(短縮方向)に加えられているが、前述したようにSMAの回復応力に比べ非常に小さいものであり、影響はないものである。このときのSMAコイル2の状態は、同図(b)に示す通りである。
【0047】
次に、同図(c)に示すように、電極7、8間に通電することで、締付部2−cは、上記移動した位置に固定されることになる。また、このとき電極5、6間、及び電極6、7間に通電を行うのを止めることで、締付部2−a、及び伸縮移動部2−bは自然冷却されていく。ここで、同図(c)は、冷却途中の段階であり、未だ相転移温度以上であるときの状態を示している。
【0048】
そして、締付部2−a、及び伸縮移動部2−bの温度が相転移温度以下となった時、SMAの回復応力は消失する。よって、締付部2−aは固定軸上を外接摺動可能となり、また伸縮移動部2−bはバイアスバネにより長さがLsに縮まることになる。このとき、締付部2−cが上記のように軸に固定された状態にあることから、伸縮移動部2−bは締付部2−cに向けて縮むことになり、これに伴って締付部2−aが固定軸上を外接摺動していき、同図(d)に示す状態になる。以上、図2(a)〜(d)の動作を行うことで、SMAコイル2全体が、固定軸1に対して所定距離だけ移動したことになる。最後に、電極7、8間に通電を行うのを止めることで、SMAコイル2の状態は、上記初期状態に戻ることになる。
【0049】
以上の動作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことにより、連続した移動動作を行うことができる。
また、上記説明においては、最初に締付部2−aに通電加熱することで右方向への移動を行うように制御したが、最初に締付部2−cに通電加熱するようにして、左方向への移動を行うように制御することもできる。
【0050】
このようにして、SMAコイル2は、固定軸1に沿って任意の位置まで移動自在となる。
また、本発明の第1の実施例に係わる一方向性SMAを用いたアクチュエータ移動装置は、上記説明した一例に限らない。
【0051】
SMAコイル2の通常状態、記憶状態を変え、それに応じた制御を行うことでSMAコイル2が固定軸1上を移動動作するものであれば何でも良い。
例えば、上記第1の実施例の変形例として、記憶状態では上記Lsの長さに縮むように設定され、通常状態ではバイアスバネ33によりLtの長さに伸びるようにした伸縮移動部32−bと、SMAコイル2の締付部2−a、2−cと同一である締付部32−a、32−cとからなるSMAコイル32を用いるようにしても良い。このときのバイアスバネ33は、例えばWの長さで両スリーブ4を広げている。よって、このバイアスバネ33によるバイアス力は、SMAコイル2を伸ばす方向へと働いている。このように構成した一方向性SMAを用いたアクチュエータ移動装置の動作について説明する。
【0052】
図3は、本発明の第1の実施例に係わる上記変形例の構成のアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
同図においては、固定軸1とSMAコイル32のみを図示することにして、他の構成部品は図示せずに機能動作の説明のみを行うこととする。
【0053】
SMAコイル32の移動動作は、同図(a)、(b)、(c)、(d)で示す4工程に分かれて、間欠的に行われるものである。
初期状態では、SMAコイル32の温度は、相転移温度以下となっており、バイアスバネ33によるバイアス力がSMAコイル32を両側に伸ばす方向に印加されている。よって、この状態では、SMAコイル32の伸縮移動部32−bは、バイアスバネ33によってLtの長さに伸ばされている。また締付部32−a、締付部32−cは固定軸1の軸方向に沿って摺動移動可能となっている。
【0054】
この状態から、まず図3(a)に示すように、電極7、8間に通電することで、SMAコイル32の締付部32−cを通電加熱する。これによりSMAコイル32の3つの部位のうち、締付部32−cの温度だけが相転移温度以上となり、それにより発生するSMAの回復応力が、前述したように固定軸1を締め付けるクランプ力として働き、固定軸1との摩擦抵抗力が増大する。このため、締付部32−cは、事実上、固定軸上の図示の位置に固定された状態になる。
【0055】
次に、同図(b)に示すように、上記の状態から更に電極6、7間にも通電することで、伸縮移動部32−bの温度も相転移温度以上となり、それにより発生するSMAの回復応力により、伸縮移動部32−bの長さは上記LtからLsまで縮む。このとき、締付部32−cが上記固定された状態であり、締付部32−aは外接摺動可能な状態であることから、伸縮移動部32−bは締付部32−cを基点にして図示の右方向へと縮む。これに伴い締付部32−aは、図示の右方向へ移動することになる。このとき、図示しないバイアスバネ33によるバイアス力が逆方向(伸ばす方向)に加えられているが、前述したようにSMAの回復応力に比べ非常に小さいものであり、影響はないものである。このときの状態は、同図(b)に示す通りである。
【0056】
次に、同図(c)に示すように、電極5、6間に通電することで、締付部32−aは、上記移動した位置に固定されることになる。また、このとき電極6、7間、及び電極7、8間に通電を行うのを止めることで、伸縮移動部32−b、及び締付部32−cは自然冷却されていく。ここで、同図(c)は、冷却途中の段階であり、未だ相転移温度以上であるときの状態を示している。
【0057】
そして、伸縮移動部32−b、及び締付部32−cの温度が相転移温度以下となった時、SMAの回復応力は消失する。よって、締付部32−cは固定軸上を外接摺動可能となり、また伸縮移動部32−bはバイアスバネにより長さがLtまで伸ばされることになる。このとき、SMAコイル32は同図(d)に示す状態になり、SMAコイル32全体が、固定軸1に対して移動したことになる。最後に、電極5、6間に通電を行うのを止めることで、SMAコイル32の状態は、上記初期状態に戻ることになる。
【0058】
以上の動作の1サイクルとして、これを繰り返すことにより、連続した移動動作を行うことができる。
また、上記説明では右方向への移動について説明したが、左方向への移動もできる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図4は、本発明の第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の構成を示す側断面図である。同図(a)において、固定軸1については、第1の実施例と同一であり、同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
同図(a)において、SMAコイル42は、二方向性SMAの線材を巻いたコイルであり、固定軸1が挿入されている。二方向性SMAは、前述したように、相転移温度を越えた状態(高温時)と相転移温度以下の状態(低温時)との両方における形状を記憶できるSMAである。よって、相転移温度を境にして、可逆的に形状変化する。よって、同様の性質を有する例えば全方位形状記憶合金の線材を巻いたコイルを用いることもできるが、ここでは二方向性SMAを用いるものとして説明する。
【0061】
このSMAコイル42は、締付部42−a、伸縮移動部42−b、締付部42−cの3つの部位から成り、各部位はそれぞれ、コイルの巻き形状及び記憶させた形状が異なるものである。同図(b)には低温時におけるSMAコイル42の記憶形状が示してあり、同図(c)には高温時におけるSMAコイル42の記憶形状が示してある。
【0062】
また、同図(a)において、電極45、電極46、電極47、及び電極48は、不図示の電源によりSMAコイル42の各部位を、各々通電加熱するために、SMAコイル42上の所定の位置に設けられた電極である。
【0063】
ここで、同図(b)に示す低温時の記憶形状は、SMAコイル42の締付部42−a、及び締付部42−cの内径Stが、固定軸1の外径Ddより多少大きい程度に設定されている。よって、SMAコイル42の締付部42−a、及び締付部42−cは、固定軸1に外接摺動して軸方向に移動可能となっている。SMAコイル2の伸縮移動部2−bは、その内径が少なくとも上記内径Stより大きく、固定軸1の軸方向に移動自在となっている。
【0064】
また、SMAコイル2の伸縮移動部2−bの長さLは、図示の長さLsに設定されている。
一方、同図(c)に示す高温時の記憶形状は、SMAコイル42の伸縮移動部42−bの長さLは、図示の長さLt(>Ls)に設定されている。つまり、高温時には伸縮移動部2−bの長さが伸び、低温時には縮むように設定されている。
【0065】
また、SMAコイル42の締付部42−a、及び締付部42−cの内径はSnとなり、この内径Snは固定軸1の外径Ddより小さく(Sn<Dd)なるように設定されている。すなわち、(St>Dd>Sn)となるように設定されている。ここで、SMAコイル42が固定軸1に組み込まれているので、実際にはSMAコイル42の内径は外径Ddより小さくはならない。その為、このようなSMAコイル42の内径を固定軸1の外径Ddより小さくするようにして生じるSMAの回復応力は、固定軸1を締め付ける圧力(以下、クランプ力という)として働くことになる。
【0066】
SMAの回復応力は、前述したように非常に大きなものであることから、上記クランプ力も非常に強い力として働くので、結果として固定軸との摩擦抵抗力は非常に増大することになり、外接摺動不可能となる。
【0067】
また、上記長さL及び内径S以外のSMAコイル42の寸法は、同図(b)、(c)では変わらないものとする。
以上説明したように、第2の実施例においては、二方向性SMAを用いることにより、第1の実施例のバイアスバネ、及びスリーブを必要としない構成となっている。
【0068】
次に、上記構成の第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の動作について説明する。
図5は、本発明の第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
【0069】
SMAコイル42の移動動作は、同図(a)、(b)、(c)、(d)で示す4段階に分かれて、間欠的に行われるものである。
初期状態では、SMAコイル42の温度は、相転移温度以下となっており、この状態では、SMAコイル42は図4(b)に示す、低温時の記憶状態となっている。
【0070】
この状態から、まず図5(a)に示すように、電極45、46間に通電することで、SMAコイル42の締付部42−aを通電加熱する。これによりSMAコイル42の3つの部位のうち、締付部42−aの温度だけが相転移温度以上となり、締付部42−aには高温時の記憶形状をとるような回復応力が働く。これにより、締付部42−aの内径をSnとする為の力が働き、結果として固定軸1を締め付けるクランプ力が増大する。よって、締付部42−aは、事実上、固定軸上の図示の位置に固定された状態になる。
【0071】
次に、同図(b)に示すように、上記の状態から更に電極46、47間にも通電することで、伸縮移動部42−bの温度も相転移温度以上となり、伸縮移動部42−bは高温時の記憶形状へ形状回復する。すなわち、伸縮移動部42−bの長さは、上記LsからLtまで伸びることになる。このとき、締付部42−aが上記固定された状態であり、締付部42−cは外接摺動可能な状態であることから、伸縮移動部42−bは締付部42−aを基点として図の右方向に伸びることになる。これに伴い締付部42−cは、図示の右方向へ摺動移動することになる。このときの状態は、同図(b)に示す通りである。
【0072】
次に、同図(c)に示すように、電極47、48間に通電することで、締付部42−cは、上記移動した位置に固定されることになる。また、このとき電極45、46間、及び電極46、47間に通電を行うのを止めることで、締付部42−a、及び伸縮移動部42−bは自然冷却されていく。ここで、同図(c)は、冷却途中の段階であり、未だ相転移温度以上であるときの状態を示している。
【0073】
そして、締付部42−a、及び伸縮移動部42−bの温度が相転移温度以下となった時、両部位は低温時の記憶形状へと形状回復する。すなわち、伸縮移動部42−bの長さはLsに縮み、締付部42−aの内径がStとなる。この結果、締付部42−aは軸に対し摺動可能となり、伸縮移動部42−bの収縮動作に伴って、図の右方向へ摺動移動することになる。
【0074】
この結果、SMAコイル42は、同図(d)に示す位置へと移動完了することになる。
最後に、電極47、48間に通電を行うのを止めることで、初期状態に戻り、移動動作の1サイクルが終了する。
【0075】
以上の動作の1サイクルとして、これを繰り返すことにより、連続した移動動作を行うことができる。
また、上記説明においては、最初に締付部42−aに通電加熱することで右方向への移動を行うように制御したが、最初に締付部42−cに通電加熱することで左方向への移動を行うように制御することもできる。
【0076】
このようにして、SMAコイル42は、固定軸1に沿って任意の位置まで移動自在となる。
また、本発明の第2の実施例は、上記の方法に限らない。
【0077】
第1の実施例において説明した変形例と同様に、記憶形状を変え、それに応じて制御の方法を変えることで、固定軸1上を移動動作するものであれば、何でも良い。
【0078】
また、本発明の第1の実施例、及び第2の実施例においては、コイルの巻き形状及び記憶させた形状が異なる3つの部位からなるSMAコイルを用いたが、本発明はこの例に限らない。
【0079】
コイルの巻き形状及び記憶させた形状が異なる、3つのSMAコイルを用いるようにしても良い。
また、SMAコイルのようなコイル形状に限らない。例えば、実施例におけるSMAコイルの伸縮移動部を一枚の板としても良く、更に両側の締付部を半円状の板としても良い。
【0080】
また、アクチュエータの移動をガイドするものは、固定軸(断面が円、楕円、多角形等)に限らない。例えば、コの字状のレールをガイド部材とし、これにアクチュエータを内接するようにしても良い。
【0081】
また、軸、あるいはレールの形状は、実施例のような直線状のものに限らない。アクチュエータが外接摺動して(あるいは、そうでなくても)移動可能な形状であれば、何でも良い。例えば、その一部あるいは全部が湾曲状に曲がっており、曲線状の経路を形成している軸、あるいはレールでもよい。あるいはドーナツ状の形状にして、アクチュエータがその円周状を周回して移動するようにしても良い。
【0082】
更に、軸、あるいはレールによる経路を垂直方向に設定することもできる。この場合は、重力によりアクチュエータが落下しないように、常にアクチュエータがガイドに係止するように制御する(例えば、常にSMAコイルの締付部の何れか一方が係止状態となるように制御する)ことが必要である。
【0083】
また、実施例においては、形状記憶合金を用いて説明したが、他の形状記憶材料(プラスチック、セラミック)であっても、通電加熱以外の加熱方法にすることで用いることができる。また、例えば、形状記憶プラスチックに導電可能な金属粉を混ぜて通電可能となるように形成することで、通電加熱による加熱方法であっても用いることができる。
【0084】
以上、詳細に説明した、本発明のガイド部材(軸、レール)にそって移動可能なアクチュエータ移動装置を応用することで、従来にはないSMAの応用装置が可能になる。
【0085】
例えば、軸、あるいはレール上を、荷物等を搬送する手段として用いられる。これは特に宇宙空間や原子炉等のように、人間が作業を行えない、あるいは作業することが危険な場所において、物資の搬送や、作業用ロボットの移動、あるいは作業動作等に有効に利用できる。すなわち、遠隔操作により、外部から電源スイッチのON、OFFという簡単な電気制御により動作を行わせることができるので、悪環境下での作業に最適に利用できる。
【0086】
また、各種おもちゃ等にも用いることができる。
【0087】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、SMAを用いた小型軽量、簡単な構成で、かつ簡単な制御によって、所定の経路上を自在に移動できるアクチュエータ移動装置を提供することができる。
【0088】
よって、このようなアクチュエータ移動装置を利用することで、従来は実現できなかったSMAの応用装置を開発することが可能となる。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の構成を示す側断面図である。(a)は通常時(低温時)の装置全体図、(b)は高温時のSMAコイル図である。
【0091】
【図2】第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
【0092】
【図3】第1の実施例の変形例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
【0093】
【図4】第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の構成を示す側断面図である。(a)は装置全体図、(b)は低温時のSMAコイル図、(c)は高温時のSMAコイル図である。
【0094】
【図5】第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図である。
【0095】
【図6】従来のSMAを利用した装置での、SMAの形状変化例を示す図である。
【0096】
【符号の説明】
1 固定軸
2 SMAコイル
2−a 締付部
2−b 伸縮移動部
2−c 締付部
3 バイアスバネ(圧縮バネ)
4 スリーブ
5、6、7、8 電極
32 SMAコイル
32−a 締付部
32−b 伸縮移動部
32−c 締付部
33 バイアスバネ(伸長バネ)
42 SMAコイル
42−a 締付部
42−b 伸縮移動部
42−c 締付部
45、46、47、48 電極

Claims (8)

  1. 所定の移動経路を形成するガイド手段と、該ガイド手段に係合して該ガイド手段に沿って移動可能なアクチュエータと、該アクチュエータを移動制御する移動制御手段とを備えるアクチュエータ移動装置であって、
    前記アクチュエータは、所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材と、該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けられ、所定の温度以上で伸長あるいは短縮する形状記憶材料より成る連結部材と、該連結部材の所定の温度以上での伸縮状態を、所定の温度以下で逆の状態へと伸縮させる伸縮手段とから構成され
    前記移動制御手段は、前記アクチュエータを前記各部材毎に所定タイミングで温度制御して移動させる構成からなることを特徴とするアクチュエータ移動装置。
  2. 前記連結部材の形状記憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に伸長あるいは短縮する一方向性形状記憶合金であり、前記第1、第2の係合部材の形状記憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に径が収縮する一方向性形状記憶合金であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ移動装置。
  3. 前記伸縮手段は、前記連結部材の形状記憶材料の所定温度以上での伸縮方向と逆方向に応力を加えるバイアスバネであることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ移動装置。
  4. 所定の移動経路を形成するガイド手段と、該ガイド手段に係合して該ガイド手段に沿って移動可能なアクチュエータと、該アクチュエータを移動制御する移動制御手段とを備えるアクチュエータ移動装置であって、
    前記アクチュエータは、所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成る第1、第2の係合部材と、該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けられ、所定の温度を境にして伸縮する形状記憶材料より成る連結部材とから構成され
    前記移動制御手段は、前記アクチュエータを前記各部材毎に所定タイミングで温度制御して移動させる構成からなることを特徴とするアクチュエータ移動装置。
  5. 前記連結部材を成す形状記憶材料は、所定の温度を境にして可逆的に形状回復する二方向性形状記憶合金、あるいは全方位形状記憶合金であることを特徴とする請求項4記載のアクチュエータ移動装置。
  6. 前記移動制御手段による温度制御は、前記形状記憶材料に通電して自己発熱させる電気制御であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載のアクチュエータ移動装置。
  7. 前記ガイド手段は軸であり、前記第1、第2の係合部材、及び前記連結部材はコイルバネの形状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6のいずれかに記載のアクチュエータ移動装置。
  8. 所定の移動経路を形成するガイド手段と、該ガイド手段に係合して該ガイド手段に沿って移動可能なアクチュエータと、該アクチュエータを移動制御する移動制御手段とを備えるアクチュエータ移動装置の制御方法であって、
    該制御方法は、
    前記ガイド手段に対し摺動可能に係合されている形状記憶材料より成る第1の係合部材、第2の係合部材のいずれか一方を、所定の温度以上に加熱制御して前記ガイド手段に係止させる第1工程と、
    該第1工程から更に形状記憶材料より成る連結部材を所定の温度以上に加熱制御して、前記ガイド手段に係止させた係合部材を基点にして前記連結部材を伸長、あるいは短縮させることに伴い、摺動可能な状態にある前記係合部材の他方を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第2工程と、
    該第2工程から更に前記摺動移動させた係合部材を所定の温度以上に加熱制御して前記摺動移動させた位置に係止させるとともに、前記第1、第2工程で加熱制御した係合部材及び連結部材を所定の温度以下に冷却させることにより、該連結部材を伸縮が逆となるように短縮、あるいは伸長させることに伴い該冷却させた係合部材を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第3工程と、
    該第3工程において加熱制御した係合部材を所定の温度以下に冷却させることにより、前記第1工程の初期状態にする第4工程と、
    からなる一連の工程を順次行い、該一連の工程を繰り返すことにより、前記第1、第2の係合部材及び連結部材を有する前記アクチュエータを、前記ガイド手段に沿って自在に移動させることを特徴とするアクチュエータ移動制御方法。
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